タグ: 講演

2023年6月6日

人生は冒険だ!「キャリアデザイン」の授業でキャリアを漫画の世界に例えたユニークな講演を行われました。

5月2日に3年生対象の共通科目「キャリアデザイン」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、Life Ship株式会社代表の田形正広氏をお招きし「ワンピースキャリア論」の講演が行われました。深澤教授との縁により実践女子大学で講演を行うのは今回で8回目。現実のキャリアを漫画の世界に例え、分かりやすく楽しい授業に、学生たちも興味津々で耳を傾けていました。

学生たちも楽しみにしている「ワンピースキャリア論」

今回なんと8回目となる恒例の講義。
田形氏は「毎年この授業で思うことは皆さんとても優秀で、質問がとても上手」と気さくに話されます。講演に使うパワーポイントの資料も、数年前に受講した学生が作ってくれたものとのこと。「あとで質問の時間を取りますので、思ったことがあればぜひ聞いて下さい」と講義は始まりました。

田形氏は、人材派遣サービス会社での営業を経て、2020年に派遣社員の評価システムを提供する企業を立ち上げました。順風満帆のように見えますが、新卒だった2000年は就職氷河期。入社できたものの半年で退職。転職先ではシステム開発に失敗するなど浮き沈みもあるキャリアといいます。その田形氏が大好きなのが、週刊少年ジャンプで連載中の、世界的人気を誇る漫画「ワンピース」。主人公のルフィを中心に海賊たちが大冒険を繰り広げる物語です。

自由に一生懸命に「今」を生きる

今回、田形氏が伝えたいメッセージは2つ。
1つは「人生は冒険だ!」です。「就職はゴールではなく、大冒険の始まりです」と田形氏。社会に出ると、常に挑戦することを求められますし、いやなことやつらいこともたくさんあります。ただ同時に、出会える人、行ける場所はどんどん広がっていきます。「その先に最高の感動や宝物が待っています」と田形氏は語りました。

このメッセージで忘れていけないことは
「自分の人生の主役は自分だということ」です。誰かに判断を任せずに、自分で決めて前に進むことが大事だと話しました。

もう1つは「海賊になろう!」。
海賊とは楽しく、自由に、一生懸命に今を生きている人のこと。自由とはなんでも好き放題してもいいという意味ではありません。自由とは、自分で決めるということ。自分で決めると、他人のせいにはできなくなるので責任が伴います。「責任を負うほど自由になれるんです」と田形氏。自分が本当にやりたいことをやるためには、自分の行動に責任を持つという覚悟が必要だと語りました。

では海賊の反対はなんでしょうか。
それは「幽霊」だと田形氏は定義しました。過去への執着や未来への不安に気を取られて「今」に足がついていない存在です。悩んだり迷ったりしながらも、まずは「今」行動を起こすこと。その大切さを伝えました。

人生における「宝物」とは?

田形氏は「冒険には宝物がセット。では宝物とはなんでしょうか」と問いかけました。学生たちはグループで話し合い、「いままでのキャリア」「自信や努力」「成果」などの回答が出ました。なかには「死ぬときに分かる」と言った回答も。田形氏も思わず「深いですね」と感心しました。

田形氏の思う宝物は、「仲間・愛情・仕事」だと言います。
つらい時も一緒に乗り越えられる仲間や、家族などへの愛情、そして「天職」です。「どれか一つでもみつけられた人は自分の人生を主役として生きている証拠です」と話しました。そのなかで、天職は実はまだ田形氏も見つけられていないと言います。「天職とは自分にしかできない仕事のことですが、自分らしく自分だけではできない仕事をすることでもある。仕事とは、働くことで人や社会の役に立つこと。成長するほどより役に立てるようになります。」

冒険を楽しむための武器と力

田形氏は冒険を楽しむための武器と力があるということも話してくれました。武器になるのが、例えば資格やスキル、専門知識など。ただしこういった武器は身に付けるのに時間やお金がかかります。絶対に必要ではありませんが、自分に合っているものや必要だと思ったものは取得することを勧めました。

「武器は必要に応じて持てば良い」と語った田形氏は、「誰もが必須で身に付けるべき」だと2つの力について語りました。

1つめは自己を客観視したり、他者の気持ちに共感するといった自他を感じ取る力。自分を客観的に俯瞰し、相手の考えや気持ちを洞察し共感する力です。自己分析や相手の立場に立つことは社会に出る上でとても重要です。

2つめは自己コントロール力。やるべきことややりたいことをやる、という行動力の他、やっちゃいけないことをやらないという自制心も必要です。例えばダイエットしているとき、甘いものを食べたいけど食べない、という自分を律することも大切な力です。この2つの力を極めていけば人生において不可能なことはほとんどないと語りました。

学生にも響いた楽しい講演に

質疑応答の時間ではたくさんの学生が手を挙げました。

「人生をワンピースに例えるようになったきっかけは?」という質問には「元々好きだったんですが、他にも様々な本を読んでいくなかで、ワンピースには人生に必要なほとんど全ての要素がつまっている。仕事や人生についても多くを教えてくれるすごい物語だと思った」と回答しました。
就活で職種選びに悩んでいるという学生からは「なぜ今の仕事を選んだのですか」と質問され、「新卒で入った会社はモノを売る仕事だったが、自分に合わず辞めてしまった。でも営業は好きで自信もあった。自分の得意な事や価値観、経験を加味して今の仕事にたどり着いた」と話されました。
最後に田形氏は「皆さんの人生をより良いものにしてください」と学生たちに語り、講演を終えられました。

担当教員からのメッセージ

同じキャリアコンサルタントのネットワークでお目にかかった田形さん。明るく前向きで、常にアグレッシブな生き方をリスペクトしています。そんな田形さんにお越しいただいたから8年、学生もとても楽しみにしているコマです。こんな身近なコミックに、キャリアを深く学べるコンテンツが詰まっていたことには、本当に驚きです。そして、そのことに気づいて講座を創られた田形さんの素晴らしいセンスにも乾杯です。学生の気づきも驚くほど多いのも特徴です。
改めて感謝申し上げます。

2023年6月1日

海外勤務とサンティアゴ巡礼の共通点は?「国際理解とキャリア形成」の授業で「一期一会」の授業が行われました。

5月2日に共通科目「国際理解とキャリア形成」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、株式会社資生堂で長年、国際事業に関わる勤務をされていた片山琢美氏をお招きし、講演が行われました。「人々との出会い」をキーワードに、片山氏の海外キャリアとサンティアゴ巡礼の経験を通した、国際交流についてお話を伺いました。学生たちにとって「国際理解とはなにか」を考える貴重な機会となりました。

世界中を飛び回った資生堂勤務時代

最初に片山氏は学生たちに「海外を旅したことがある、行ってみたい人はどれくらいいますか」と問いかけました。8割ほどが手を挙げ、海外に関心がある学生が多いことが分かります。
片山氏の初の海外経験は新婚旅行でフランスに行った時だと言います。そのとき空港の清掃員の女性にチップを求められたことが「最初の異文化体験」だったと話しました。
片山氏は「私の話を通し、国際理解ということにさらに興味を持っていただければ嬉しいです」と語りました。

片山氏は1975年に資生堂に入社。
最初は物流システムの開発部署でシステムは苦手でしたが物流の現場に興味があり、退社するまで物流に関する仕事に携わりました。業務範囲は日本にとどまらず、欧米、中国に東南アジアと、まさに東奔西走されていました。

文化の違いは働き方にも出る

その豊富な海外キャリアのなかで印象に残っている出来事として、フランス駐在中の出来事を語ってくれました。
フランス語はカタコトで、英語でやりとりをしていた片山氏。通訳を介し現場とやりとりをしていましたが、ある日現場の課長から「あなたは私たちの仕事が遅いと言った」と抗議を受けました。データ入力の手順をしっかり守るように、ゆっくりやってほしいという意味で”slowly”という単語を使っていたのを勘違いされたのです。「このような言葉のすれ違いはよくある、と通訳の人は言ってくれたけれど、違う言葉を遣えばよかったと思いました」と異文化を痛感したエピソードとして話されました。

また、文化が違えば仕事の向き合い方も違います。
日本の工場では、ある人が手間取っている作業があれば他の人がサポートするのが当然ですが、フランスではその人の仕事を奪う屈辱的な行為と受け取られます。仕事の分担ひとつとっても、その国の文化や考え方が反映されているのです。

3回のサンティアゴ巡礼

「皆さんはサンティアゴ巡礼について知っていますか」と片山氏。
スペイン北西部にあるキリスト教の聖地のひとつであるサンティアゴ・デ・コンポステーラ教会へ続く800kmの巡礼路を一ヵ月かけて歩く旅です。ピレネー山脈の険しい山道や麦畑が延々と続く一本道を、雨の日も暑い日もひたすらに歩く。片山氏は退職後、この巡礼を自転車で1回、徒歩で2回踏破しました。

最初は自転車の旅。
高校時代、ゴッホの描いたフランスの田舎アルル地方の絵に魅せられた片山氏は、自転車でフランスの田舎道を走るのが夢でした。半年かけ念入りに準備をして臨みましたが、計画通りに走れたのは最初の2日間だけ。道に迷い大雨に遭い絶望的な気持ちになったと言います。しかし、道中で出会ったフランス人夫妻や、日本語勉強中のウクライナ人など様々な人々と出会い、助けられ巡礼を達成できたのです。「まさに一期一会の連続でした」と片山氏は出会いを語りました。
その後の2回の巡礼でも国籍も年齢も様々な多くの人々と出会い、人生観が変わるような貴重な交流を重ねました。

巡礼路では全員が「ファミリー」に

巡礼をする人々の動機は様々です。
キリスト教への信仰心から始まった巡礼ですが、今では自己探求など自分と向き合うことを目的としている人が多数です。巡礼者は学生たちと同年代の若い人々もいます。片山氏が巡礼に出会った若者も、巡礼中は疲れていたり悩んでいたり。しかし巡礼後に再会したときはどこかたくましくなっていたと言います。
「弱い自分に真摯に向き合い、様々な人々に励まされながら歩き通したことは意義深いです」と話しました。

巡礼路では巡礼者はひとつの共同体となります。同じ目的を持ち同じつらい道程を歩いているなかで、連帯感が芽生えるのです。名前も知らない人と寝食を共にし、お互いを助け合い励まし合うことで信頼も生まれます。人種や国籍、宗教を越え平等な空間であり、巡礼者にとっては巡礼路そのものが聖地と呼べる空間になっています。
巡礼を終えた人は自分に自信を持ち、知らなかった自分に出会えるというポジティブな変化を感じるのです。

「一期一会」を大切に

海外キャリアとサンティアゴ巡礼を通し、片山氏が伝えたいことは「一期一会」と話します。
日本で働いているときに研修に来たフランス人の青年とは、国際部門への異動の際パリで再会し、今でも家族ぐるみの付き合いが続いているといいます。巡礼でも、言葉も文化も違っても、出会った人に誠実に心を込めて接するという思いは共通していると気付いたと話しました。人々との出会いを通し、自己よりも他者を優先し助け合うことの大切さを学んだと語りました。「ぜひ皆さんもサンティアゴに行って歩いてみてください」と講演を終えました。

最後に学生から、
「夏に海外に行きたいと考えていますが、海外の人と話すための工夫はありますか」と質問がありました。
「一期一会は、勇気を出すことで出会えます。文法などを気にせず、単語でもいいので勇気を出して話すこと」とアドバイスを送られました。

学生たちにとって国際交流の在り方を改めて考える貴重な講演でした。

担当教員からのメッセージ

私が資生堂に勤務している頃から存じ上げていた片山さん、3回の巡礼の道を踏破された後、この経験をもとに大学で学び直しを行われたことをお聞きし、今年、初めてお越しいただきました。この授業のタイトルでもある「国際理解」の本質につながる様々な経験をされている片山さんのお話しから、学生は貴重な時間を過ごさせていただいたと感じています。膨大な資料の中から、授業にあわせた資料をご準備いただいたことに改めて心から感謝申し上げます。
改めて「一期一会」の大切さを教えていただきました。

2023年5月24日

「女性とキャリア形成」の授業でアフラック生命の木島葉子氏から女性役員になるまでのお話を伺いました。

共通科目「女性とキャリア形成」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、アフラック生命保険株式会社(以下、アフラック生命)の木島葉子顧問をお迎えし、女性役員になるまでの経緯や大切にしていることについての講演が行われました。進行は担当のグループの学生たちが行うなど、学生主体の組み立てとなっており、講演後も積極的に質疑応答が行われました。

アフラック生命とはどんな会社?

木島氏は実践女子大学の卒業生。そして現在、実践女子学園の常務理事をされています。
「このような形で皆さんとお会いすることができて大変嬉しく思っております」と自己紹介が始まりました。アルバイトとスキーなどスポーツに夢中な大学時代を過ごしたと言い、
「女性のキャリアの話の冒頭にはふさわしくないかもしれませんが、大学生活は自分のやりたいことを自由にできる素晴らしい4年間です」と話しました。

今回進行を担当したグループの学生

就職活動をしてアフラック生命へ入社。当時はまだまだ小さな会社だったそうです。アフラック生命は、1974年に日本で初めてがん保険を提供する保険会社として誕生しました。がん保険は、がんに罹患された人々を経済的にサポートする「生きるための保険」です。来年50周年を迎えるにあたり「生きるを創る」というVISIONを掲げ、女性を含む人財の能力の発揮やダイバーシティ推進に取り組んでいます。

アフラック生命の推進するダイバーシティ

アフラック生命は創業時から役割や評価などの男女差はなく、1997年に生保業界で初の女性役員が誕生しました。しかし、2014年の女性の管理職は10%にとどまり、他社との差も無くなってきたため、女性活躍を推進していたとは言い難い状況に。
そこで目標を策定し、2025年までに部下のいる管理職の女性割合30%達成を目指しています。

育児と仕事の両立セミナーも積極的に開催。男性社員はもちろん、社外の配偶者も参加できるセミナーで、産休前や復帰後の働き方やキャリアを考えます。また男性の育休取得は100%を目指しており、取得時期はいつにするかなど上司の方から確認するようにして、育休を取りやすい環境を作っています。

働き方改革にも力を入れており、テレワークやフレックス制度も導入。
「重要なのは、こういった制度を育児や介護をしているなど限られた一部の社員が使うのではなく全社員が使うこと」と木島氏。さまざまな制度を組み合わせ、組織的に実践していくことが大切と話します。

危機時の対応で成長した

では木島氏がどのようにキャリアを築いていったのでしょう。
木島氏は「私自身のキャリアを話すうえで外すことができないのが危機時の対応です」と語りました。
2011年の震災の際は、翌日から業務を再開したものの、計画停電で継続に支障が出るという事態に。パソコンも電話も動かず、対応が困難になりました。ただ、そのとき物事の進め方や、やり方を決める判断材料をそろえることの重要さに気付いたといいます。

「危機時を経験することでだんだん不安は小さくなり、自信は大きくなっていきます」と木島氏。あの時大丈夫だったから今回もできると、困難にも主体的に取り組むことができるようになったと言います。
そして「主体的に取り組むことで、チームのサポートを得られることにもつながった」と話しました。

最後は気合!女性が活躍する社会へ

ただ、「キャリアをアップしていくとは、日々の積み重ねの結果である。」と話します。
必ずしも危機時の対応を経験しないといけないわけではなく、日々の仕事を真面目にやることが基本だと語りました。
「そして私が何より大切にしているのは、気合です」と木島氏。
何事も絶対にやりとげるという気持ちで、周りを巻き込み動かしていくのだと話しました。

経営など上に立つ一員として大事にしているのは、常に人に見られていることを忘れないということ。女性で役員を務めているのは日本ではまだまだ少ないため、ロールモデルとしての自覚を持ち恥ずかしくないように取り組んでいると言います。また、実践女子学園の理事になり、学園の精神である「女性が社会を変える、世界を変える」が自分の夢になったと言います。「100年以上前にこの考えを持っていたことに感動を覚えました」と話し、今の時代になんとしても実現したいと思っていると力強く語りました。

日本の女性の活躍推進はまだまだ道半ば。ただ、これからどんどん良くなっていくはずと言います。
「皆さんもぜひ自分の軸を持って頑張っていってほしいと思いますし、私も応援していきたい」と学生にエールを送りました。

自分のこれからに活かせる講演に

その後グループごとで感想を話し合い、木島氏への質問の時間が持たれました。
「男性がいない環境で育ち、強く言えないのですが、男性にも自分の意見を言えるようになるには?」という質問には
「私もどちらかというと黙っている方が好きなんです」と意外な回答が。
「ただ仕事をしているときは、役割を果すため自分のプライベートな性格は二の次だと思います。またそのための準備や練習をするなど、求められていることに対して自分はどう振舞えばいいかを考え実行することが大切です」と話しました。

「自分の強みの見つけ方は?」という質問には
「自分では見つけづらいので、友人や家族など他人に教えてもらうのがいいですよ」と回答されました。

最後に進行役の班の学生から
「できないことはないという強い言葉が印象に残りました。お話の内容をこれからにつなげていけたらと思います」と感想を述べ、
講義は終了しました。

担当教員からのメッセージ

企業トップを迎えて行う「女性とキャリア形成」も今年で3回目を迎えました。ゲスト講師のトップを務めていただいたのは、アフラック生命保険の元専務取締役で、本年4月からは本学の常務理事に就任された木島葉子さんでした。企業における女性の活躍という視点では、常にトップランナーを務めて来られた木島さん、やはり仕事には厳しく、人には優しくというご本人の確固たる理念をお聞かせいただきました。本学の卒業生であり、学生にとっては、本当に良きロールモデルであると感じました。今年も6人のゲストが登場されます。

2023年1月27日

実践女子学園高等学校でサントリーの輿石優子氏による講演を実施しました

12月20日(火)に、サントリーホールディングスのサステナビリティ推進部の輿石優子氏による高校生全校生徒に向けた講演が行われました。「身近な事例を通してSDGsと向き合う」と題し、サントリーのペットボトルリサイクルの取り組みを中心に話されました。生徒たちは第一線で活躍する女性のお話を聞く貴重な機会となり、「ペットボトルは資源」という新しい考えを学びました。

サステナビリティとは?

今、世界的に注目されているSDGsとは2015年に国連で採択された17の目標のこと。世界すべての人が日本の水準の生活をした場合、地球は2.8個必要であるという計算があります。輿石氏はSDGsの概念の表す「ウェディングケーキモデル」を紹介しました。一番上の小さな層が経済、二段目が社会、一番下の大きな層は自然や環境を表します。「社会や経済は、自然があってこそ」と輿石氏は語ります。

サントリーの「天然水」は、南アルプスや阿蘇などに水源をもち、地域それぞれの水を使っています。サントリーでは、「天然水」を含むさまざまな製品に使う水を守るため、20年前から良質な地下水を育む森を守る活動を、全国21カ所の「サントリー 天然水の森」で続けています。持続可能な世界を守る取り組みのひとつです。

受け継がれる「やってみなはれ」精神!サントリーってどんな会社?

清涼飲料水で有名なサントリーは、生徒たちにも身近な企業です。事業の55%は、お茶やコーヒー飲料から炭酸やミネラルウォーターなどの清涼飲料水を取り扱っています。残りの3割はお酒。さらには健康食品や外食事業も手掛けています。珍しいところでは自然界には存在しない「ブルーローズ」の研究・開発など、飲み物に限らず幅広い事業を展開しています。

サントリーは1899年創業。豊かな生活文化の創造に向けて、創業者鳥井信治郎が、洋酒の製造販売をしたことから生まれた会社です。鳥井の有名な口癖が「やってみなはれ」。現状に満足せず新しいことに取り組み続けるチャレンジ精神は、サントリーにいまも受け継がれています。

輿石氏は2000年にサントリーに入社。大学で日本美術史を専攻していた輿石氏は、日本美術を中心に収蔵している「サントリー美術館」の存在を知ります。サントリーが文化芸術に造形が深い企業ということに興味を持ち、さらに「やってみなはれ」精神を知り「入ったら自分もいろんなことができるかもと思い入社しました」と話しました。

身近なペットボトルについて考えてみよう

輿石氏から「ペットボトルって脱炭素のためにも良くないんじゃないかと思っている人はどれくらいいますか?」と生徒たちに問いかけられると、生徒たちから複数手が上がりました。プラスチックの原料は石油で、一言でプラスチックと言っても、構成する化学成分の違いにより性質が異なります。そのなかでPETと呼ばれるものがペットボトルになります。

次に「ペットボトルを見て、何か気付くことはありませんか?」と輿石氏。日本のペットボトルは、無色透明で本体には印刷がされていません。これは、リサイクルしやすいよう飲料メーカーの間で自主基準を作り守っているためです。日本のペットボトルは96.7%という高い回収率を誇ります。さらにリサイクル率は88.5%と、欧米に比べると倍近くリサイクルしています。(2020年実績)

使用済みペットボトルからはペットボトルの他に、食品トレーや繊維など、様々なものに生まれ変わりますが、多くの場合、その後は同じものに生まれ変わりません。しかしながら、ペットボトルは何度も繰り返しペットボトルになる「水平リサイクル」が可能のため、新しい資源を使わずに済むという利点があります。「使用済みペットボトルからペットボトルに生まれ変わることを「ボトルtoボトル」リサイクルといいます。皆さんにも、ボトルは資源と覚えていただければと思います」と輿石氏は語りました。

ペットボトルは資源!ゴミにしないためには?

サントリーでは「プラスチック基本方針」を定め、2030年までに全世界のサントリーグループで出す飲料のペットボトルのすべてをリサイクルボトルか、植物由来資源のボトルに置き換えるという目標を掲げています。2021年度では、流通している37%にリサイクルボトルが使用されています。

ペットボトルを捨てる際はラベルとキャップを「はずす」、中を「すすぐ」、「つぶす」が大事と生徒たちに語り掛けました。特に「はずす」は、キャップやラベルはPETではないため外す必要があること、外すことで輸送の積載量が変わることが理由に挙げられました。「ぜひ皆さんもご協力お願いします」と話し、講演は終了しました。

世界で活躍する女性になるために

最後に生徒たちから質疑応答がありました。高校3年生の生徒は「世界で活躍し貢献する女性になるために心掛けるべきことはなんですか」という質問。輿石氏は「物事の裏側になにがあるか、原因や理由を理解しようとすること。相手の立場に立って考えることで自分の考えも深まります」と回答されました。

「伊右衛門のラベルの裏におみくじがありますが、大吉しかないですか?」という質問も。輿石氏からは「大吉以外にもあると思います。おみくじもラベルをはがしてもらう取り組みの一つなので、見てもらえてとても嬉しいです」と回答がありました。

最後に生徒代表から「サントリーが生活文化や世界に貢献している企業であることを知り、ペットボトルが資源という考えを学べました」と講演の感想を述べました。企業の第一線で活躍する女性の貴重なお話を聞く機会となり、生徒たちにも刺激になった講演でした。

2023年1月15日

「ケア労働とジェンダー平等」をテーマに講演をおこないました。

女性未来研究所が主催する研究プロジェクト企画講演会で、「男女が共に担うべきアンペイドワーク ~家族にとってのジェンダー平等とは」というテーマで人間社会学科の山根純佳教授が登壇されました。女性が担いがちな家事やケアの、ジェンダー平等につながる道筋を探るオンライン講演が行いました。

アンペイドワークは女性の負担が圧倒的に大きい

アンペイドワークとは、家事のほか、育児や介護などの無償労働のこと。このアンペイドワークを、日本では圧倒的に女性が担っているという現実があります。家事やケアの不平等な配分は変わらないのか、何が原因で、どうすれば平等に仕事を担えるのかを探っていきます。

家事時間は、未配偶者では男女に大きな差はありませんが、有配偶者になると女性が男性の倍も多くなります。女性の家事時間に関しては、洗濯や掃除など家事の時間は減っていても、育児時間が増えているというデータもあります。食洗機などのテクノロジーが家事を助けてはいても、その分休めているわけではありません。

「特に睡眠と余暇のジェンダー不平等は見過ごされがちな問題です」と山根教授は言います。男性が一日に趣味に使える時間を1とした場合、女性はわずか0.37。女性にとって余暇や睡眠は削るものになっているのです。

男性の労働時間が長いことが原因?

なぜ男性は家事、特に育児や介護などのケアをしないのでしょうか。一般的によく言われる理由に「男性は労働時間が長く、働き方を変えられないから」というものがあります。しかし、男性の帰宅時間が17-19時台と22-23時台の場合を比べても家事時間は変わらない、というデータが。男性は時間があっても家事をするわけではないのです。

もうひとつ「家事・育児は女性に向いているから」というものがあります。男性は個人の競争を重視し、ひとつのことに集中するのでケアが苦手でも仕方がない、女性は感情の機微に敏感でよく気がつく、という考えです。

女性ならうまくケアできるのか?

男性が行う家事は「目に見える家事」と言われます。
洗濯機を回す、食器を洗う、子どもをお風呂に入れるなどです。対して「女性は家事マネジメントをしています」と山根教授。連絡帳の記入、持ち物チェック、消耗品の在庫確認など「見えない家事」を多く行っています。こうした細かい気配りが必要な作業は、男性には難しく女性が得意であると思われがちです。しかし女性だからといってこうした家事は得意と言えるでしょうか。私の受け持つ実践女子大学の学生たちのなかで家事が得意だという学生はわずかです。子育ても同様です。子どもを持ってはじめてケアを引き受ける主体になるのです。

一方でケアを引き受けた人は感覚や認知能力を使って複雑な労働をおこなっています。「女性はケアが得意だから」と言うことで女性の負担を軽視していると言えます。ケアは「Care For(身体的労働)」の他に「Care About(気遣い)」が必要と言われています。山根教授は気遣いという曖昧なものではなく、「Sentient Activity(察知する)」という認知的な労働と捉えるべきではないかと語ります。

ケアには多くのことを判断し、なにをするべきか「考える」という活動があります。どんな食事を作って食べさせるか、好みや今の状態などを自分の予定などとあわせて考えとりあえず判断します。その後様子をみて判断が適切だったかまた観察します。「とりあえずこうしよう」と行ったことも「ああすればよかった」と後悔することは多々あります。

さらにその決断の責任は判断した女性が負います。ベビーシッターが虐待を起こしていたことが分かった事件では、預けた母親が責められるということが起きました。ケアにはたくさんの公共の支援や施設など情報を得ることが大切ですが、こういった情報を知ることも自己責任になっています。

日常生活を支配する「男性性」「女性性」

男性の長時間労働は変わらない、というのは「変えようとしていないから」と山根教授。職場や働き方を変えずとも、自分が変われば変わります。休みの日に家事をする、睡眠時間を削るということを男性はしません。「女性がやるから」という思い込みがあるためです。女性は「やらざるを得ない」から行っています。

家庭という領域に自分が当事者としてかかわっていく意識があるか。この意識には稼ぎ手であるかどうかは別問題です。「男性だから」ケアできなくても仕方ない、という考え方は男性を免責しているのです。

共にケアする社会に向けて

山根教授は、ケアは「協働」であるという意識が大切であると語ります。
「ケアは一人ではできません。また女性だからといってうまくケアができるわけではないのです」
そしてケアをしないということは、できることをしていないという責任感の欠如であるという意識を持つことが大切だと説きます。やろうと思えばやれることをやっていない、というのは恥ずかしいことであるという意識改革が必要です。

保護者会の参加や、子どもや高齢者を病院に連れていくのは男性でもできることです。
男性の参加が多くなればなるほど、仕事の調整もつきやすく、平日の保護者会自体もなくなっていくでしょう。地域のジェンダー問題も解消されていきます。
世の中が変わらないから自分も変わらないのではなく、まず男性は当事者意識を持ち、女性も思い込みをなくしていくことが重要であると語り講義は終わりました。

この後、ゲストも含めパネルディスカッションなども行われ、女性の立場や家族のなかのジェンダー平等をさらに深く考え、オンライン講義は終了しました。

2023年1月12日

JWP研究会が慶應義塾大学 前野隆司教授よりwellbeingの特別講義を受けました

10月22日(土)に「実践ウェルビーイングプロジェクト(JWP)研究会」の学生たちが、慶應義塾大学日吉キャンパスに訪問し、前野隆司教授の講演を伺いました。wellbeingの第一人者である前野氏の講演を聞き、学生たちは「幸せとはなにか」を改めて考える機会となりました。今回学んだことは今年2月に行われる「女子大生フォーラム」内の企画に活かされていきます。

幸せは科学できる!

「みなさんは幸せについて考えていますか」前野氏は学生たちに問いかけます。「幸せというと、スピリチュアルに結び付きやすく思われますが、科学的に解明されているんです」。1980年代から心理学の分野で研究が始まり、アンケートの結果を統計学で調査することで、幸せなひと・不幸せなひとには相関があることが分かってきました。

学生たちは事前に「wellbeing circle」という幸福度診断を行い、この日に臨みました。「ありがとう力」「やってみよう力」などそれぞれの指数が輪になって反映されます。前野氏は「円の大きさはあまり気にしないでください」と伝えます。指数に個人差があるのは当たり前のこと。他人と比べるものではありません。ただ、自分の指数はどこが高く何が低いのか、自分の特徴を知るための目安となります。自分の強みや弱みなど性格傾向を知り、コントロールすることで幸せに近づけます。また、個人差がある幸福度ですが、統計を取ると傾向が見えてくるのです。例えば飽きっぽい性格のひとは幸福度が低い傾向がある、など大勢の結果を集めることで分かってきます。

幸せってどんな状態?

「Wellbeing」とは、日本では「幸せな状態」という意味で広まっていますが、元々は「健康・精神・福祉が充実し良好な状態」を指す言葉です。「皆さんは、人類史上一番幸せに生きられる時代を生きています」と前野氏。医療は発展し寿命も伸び、福祉も広まっている現代社会は、古代や中世のひとたちからは考えられないくらい「幸福」な時代です。実際、幸福度は身体にも影響を与えます。ポジティブな感情は免疫、自律神経に影響するため、幸福度の高いひとたちは長寿という傾向も確認されています。幸福度とパフォーマンスの関係も研究されており、幸福度が高いひとはそうでないひとに比べ創造性が3倍、生産性も31%アップします。年収も高い傾向が確認されており「幸せで悪いことはない」と前野氏は言います。

幸せになるために必要な力は?

ではどうすれば幸せになれるのでしょうか。日本ではお金があれば幸せだと思う傾向が高いですが、「年収と幸福度は、最初は比例するが一定の年収を越えると幸福度は変わらない研究結果がある」と、地位や財産による幸せは長続きしないと話します。

指針となるのが「幸せの4つの因子」と呼ばれる4つの心的要因を伸ばすこと。

自己実現と成長「やってみよう力」、
他者とのつながりや感謝の気持ち「ありがとう力」、
前向きと楽観性「なんとかなる力」、
独立と自分らしさ「ありのままに力」です。

前野氏は、これらを伸ばすには「自分とは違う価値観を経験すると、寛容になり自分の枠が大きくなる」と話します。前野氏が留学して現地のひとたちの時間感覚に戸惑った話を交えつつ、新たな価値観が身についたという留学の良さを伝えました。

自分の行動で幸せは決まる

前野氏は学生たちに向け、「学外でこういった活動をすることは素晴らしいことです」と、JWP研究会に参加すること自体「学ぶ意識の高い」チャレンジ精神ある幸福度の高い行為だと伝えました。そして、主体性を持ち、諦めずに経験しつづけることが幸せになる一歩であると話します。「やるかやめようか迷ったら、やってください」と、行動するうちに苦手なことや弱みがなくなっていくと自身の体験を交えて語りました。
「皆さんが幸せに気を付けてどう行動したかで、幸福度は決まります。どんどん行動して自分の人生を幸せにしてください」とエールを送りました。

幸せについて考えるきっかけとなる講演

講義を受け、自分たちが今考えられるwellbeingについてディスカッションを行い、前野氏に質問する機会をいただきました。

ずっとひとと一緒にいると疲れてしまい一人行動するのが好きな学生から「ひととの繋がりが幸福度に関わると仰っていましたが、社交的になるべきでしょうか」と質問が。
前野氏は「自分の特徴を認識できているので無理する必要はありません。一人でいる時間になにか熱中できることを探してみましょう」とアドバイス。

「日本の幸福度ランキングはなぜ低いのでしょう」という質問には
「日本人は謙虚で集団主義なので、低めに答えてしまう傾向もあります。ただ、自己肯定感が低く心配症の面もある。自己肯定感を高めるには、喜びを誰かと分かち合うことも大切」と語りました。

また、「先生が幸せそうだなと思うひとはどんなひとですか」という質問には
「自分でこれをやると決めたひとは格好良い」と言い、「皆さんがこれからこうしていこう、と決意して前に向かって歩んでいく姿をみると、格好いいなと思い僕は幸せな気持ちになります」と伝えました。

学生からは「幸せについてあまり考える機会がなかったので、とても良いきっかけになりました」と感想も聞かれ、講義は和やかな雰囲気で終了しました。

深澤先生の話

今回ご縁をいただき、日本のウェルビーイング研究の一人者である前野先生のお時間を頂戴し、JWP(実践ウェルビーイングプロジェクト)のためだけにワークショップを開いていただいたことに対して、改めて心から感謝申し上げます。

ウェルビーイング研究の深さを知り、なぜ、今ウェルビーイングなのかという社会背景を知り、将来世代の若者の生き方の大切を知り、とても濃密な2時間の学びの機会をいただきました。

本学のキャンパスを飛び出してのプログラムも、こうしたプロジェクトならではの貴重な機会に繋がったと思います。
前野先生ありがとうございました。
そして、参加された学生の皆さん、一人一人がウェルビーイングを深く研究するきっかけになればと思います。

参加学生の声

・幸せは、工夫すれば伸びることを学びました。ウェルビーイングサークルの凹んでいる部分を見て、特徴を知りコントロールしながら生きていきたいと思いました。
こうしたコントロールが幸福度を上げることになり、SDGsのように国際目標を提示しなくとも幸福は自分でつかむことができる事を改めて実感しました。幸福度を上げていく為にも、自分と向き合いたいと思います!
ウェルビーイングの学びの初回として、前野教授のお話を聞けたことはとても良いスタートになったと思います!

・自分自身のwell-beingについて数値化することで、「幸せ」というものについてより深く考えるようになりました。
また、今まで幸福について曖昧に捉えていましたが、科学的に示されているということをお聞きでき、定義を知ることができてよかったです。
well-beingとは、人それぞれであり様々な形であるからこそ今後より重要になってくるのだと改めて感じました。

2023年1月12日

「グローバルキャリアデザイン」の授業で指揮者の櫻井優徳氏がコミュニケーションスキルについて講演を行いました。

全学部対象科目「グローバルキャリアデザイン」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、11月18日(金)に指揮者の櫻井優徳氏による講演が行われました。櫻井氏は実体験に基づいたコミュニケーションスキルについての話を語られ、なかなか触れ合う機会のない職業のエピソードに、学生たちも興味津々で聞いていました。

指揮者に一番必要なことは「コミュニケーションスキル」?

まず櫻井氏は実際に使用された指揮棒と楽譜を班ごとに回し、学生たちは直接触らせていただきました。櫻井氏は「指揮棒はそんなに高くないんですよ、でもスコア(楽譜)は高い」と話します。「でも一番お金がかかるのは燕尾服」。指揮者はコンサートの際、燕尾服かタキシードを着用しますが、3、4回も使うと汗でダメになってしまうと言います。服は一着25万円ほどするためなかなか大変だと、学生たちにも親しみの持てるところから講義は始まりました。

「指揮者というイメージは高圧的に思われているかもしれません」と櫻井氏は話し始めました。しかし櫻井氏が40年以上指揮の仕事をする上で大切にしていることは、なにがなんでも「コミュニケーションスキル」だと言います。コミュニケーションスキルを活かすためには、マインドセットがされないといけません。
そのために櫻井氏が心掛けていることが紹介されました。

プロの指揮者として心掛けている3つのこと

一番心掛けていることは「リスペクト」。
リスペクトは日本語では「尊敬」と訳されますが、元々の語源としては「他者のあらゆる言動を認識して受容する」ことで、上下関係はないと言います。「特にリーダーは、立場に関わらず相手を尊重することがとても大切」と櫻井氏。リーダーがリスペクトを持って仕事をすれば、より一層物事がスムーズに進むと言います。

櫻井氏は指揮者としてオーケストラに何か注文をするとき、怒ったり叱ったりはしないと言います。怒るや叱るというのは私的感情の入ったリスペクトに欠けた行為。ただ音程が違うなどの理由を「指摘する」のだと話しました。

2つ目は「メンタルモデルのフィルターを外す」こと。
メンタルモデルとは、価値観やこだわりなどからくる独自の固定観念のこと。先入観や思い込み、決めつけというものは無意識に発生してしまいます。第一印象でいやだなと思うひとでも実際には良いひとであることはたくさんあります。櫻井氏は、学生たちに「メンタルモデルを意識的に外し、自分をフラットな状態に戻すくせをつけてほしいと思います」と語りました。

3つ目は「丁寧に伝える力、丁寧に聞く力」です。
コミュニケーションは、発信者だけが満足するだけでは成立したとは言えません。情報だけを伝えてもきちんと伝わったとは限らず、自分の伝え方に不備があることもあります。しかし、ひとは発信するだけで満足してしまいがち。相手に伝わったか確認するところまでが大切だと話します。

さらに櫻井氏は「丁寧に聞く力」のほうが難しいと言います。
「僕も経験がありますが、ひとの話を聞くというのはとても難しい。ものすごくエネルギーを使うし気が抜けない」。櫻井氏が話を聞くときに気を付けていることは、人の話を遮らないこと、途中で意見をしないことだと言います。ひとは自分の意見を言いたくなるし自分の話をしたくなりますが、相手に全部言いたいことを吐き出させることが大切と話します。

グループワークでコミュニケーションスキルを高めよう

ここで櫻井氏は、学生たちに「自己紹介」のグループワークをさせました。まず一人が班のメンバーに自分の思う自分のチャームポイントを話します。聞いていたメンバーは、そのひとの言ったチャームポイントとは全く違う、そのひとの魅力を見つけそのひとに伝える、というものです。

自分の思う強みと、外からみたそのひとの魅力を伝え合うこのワークは、櫻井氏が心掛けている3つのことを網羅しています。特に初対面では相手の欠点が目に付くもの。長く付き合っていけばいい人だと知っても、その魅力にすぐに気付くことはなかなか難しいことです。「初対面の最初の1分で相手のいいところを2つ探すくせをつけると、コミュニケーションが取りやすくなりますよ」と櫻井氏は秘訣を語りました。

また、「自分の感じている強みと、違った角度からみた魅力は当然どちらも自分の武器になります」と櫻井氏は言います。自分の強みをしっかり認識していくことが大事ということも伝えました。

実体験に基づいた学び

最後は学生からの質疑応答がありました。
「どうして指揮者に?」の質問には、
17歳のとききっかけになった演奏会のいきさつを語ってくださいました。

「櫻井さんのお考えにやさしさを感じましたが、そういった考えになった原体験は?」という質問には
「20代、30代のときは独りよがりで他人とぶつかりました。多くの衝突を経て気付き、組織マネジメントを学びなおしました」と回答。
「立派な人生ではなく、しくじってばかりです。でも失敗はしていない。しくじっても、すぐ反省をして次に生かそうとしています」と語りました。

「モチベーションの維持の仕方は?」という質問には、
「モチベーションは一日のなかでも波があります。落ち込んだ時には無理して上げなくてもいい。無理して上げると麻痺してしまいます。セルフコントロールをして平常値を維持できるようにし、本番前など、上げなくてはいけないときには上げられるように心掛けています」と答えました。

授業の終わりには、櫻井氏が指揮をしたエルガーの「威風堂々」を流しながら学生たちをお見送りしてくださいました。学生一人ひとりとグータッチをして、就活へのエールを送られました。
実体験に基づいた考えに、学生たちも多くの気付きを得た講演でした。

深澤先生の話

マエストロによるコミュニケーション論の授業は恒例となりました。
櫻井先生が伝えられる「指揮者として心掛けている3つの考え」は、とても分かりやすく、毎年、学生の心に深く刻まれています。
「指揮者の姿を大学の教室で」という、ほとんど見かけることのない極めて価値ある時間を過ごさせていただいていることに改めて感謝申し上げたいと思います。

2022年11月15日

「グローバルキャリアデザイン」の授業で連合の前事務局長の相原康伸氏が「公益」についての講演を行いました。

全学部を対象としたキャリア教育科目である「グローバルキャリアデザイン」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)で、10月21日(金)に現ILEC(公益社団法人教育文化協会)理事長の相原康伸氏が講演を行いました。労働組合連合の役割や雇用の問題、国際社会での日本の在り方、多様性など幅広く「働くこと」を捉えなおす内容を伺い「公益のためにどう行動変容するか」を考えました。学生たちは、いま起こっていることを違う視点から見る大切さを学びました。

「公益」について考える

相原氏の話は「公益とはなにか」というところから始まりました。
あまり馴染みのない言葉のようですが、実は「皆さん、今日も実践しているんです」。それは、マスク。自分だけでなく他者の健康を守るために着けているマスクは公益にあたります。公益とは自分のみならず、他者や公の利益を考え、行動することです。
「今日一番のメッセージは、公益に対してどう行動を変容していくか」。
私たちが置かれている様々な社会の課題に対し、公益のために日々の行動をわずかにでも変えること。今回の講演のテーマが最初に語られました。

連合の役割とは

相原氏は日本労働組合総連合会(連合)の前事務局長でした。連合とは日本の労働組合の中央組織です。加盟組合員は約700万人。連合および労働組合の役割は、職場の声をまとめて企業に伝えること。企業は、労働組合が話し合いたいときは受けなければならないという法律があります。真正面から向き合って話す。労働者のことを考えた経営を行うように提言していく大事な役割です。

また「働くということは、いつもピカピカな状態じゃないんです」と相原氏。メンタルが弱ったり、人間関係に悩んだり労働条件に困ったり。これらを受け止めるのも連合の大切な役割です。連合には年間1万5千件から2万件の相談が寄せられます。コロナ禍になってから特に増えたのは、女性・フリーランス・非正規雇用の人々からの声。相原氏は「弱い立場の人たちにさらにしわが寄っている」と伝えました。

憲法第28条には労働三権があり、
働く上で尊重されてしかるべきことが定められています。
団結すること、
交渉すること、
行動すること。
これらは労働者がより良い仕事をする上での権利であり労働組合の根拠となる法律です。ただ、労働組合は企業との関係だけでなく「雇用されていない人、例えばフリーランスや未就業者も含めすべての人に利益があるように努めることが大事」と語ります。当事者だけでなく全員が利益につながるかを考える「ソーシャルダイアログ(社会対話)」を覚えていてほしいと相原氏はエピソードを交え、力を込めて語りました。

国際社会の問題に対しどう変容させるか

今の学生が社会に出るとき求められることは、創造性、今までとは違う視点を持つこと、他者とのコラボレーション能力などが挙げられます。さらに大事なことは「異文化の人たちに対する普遍的な敬愛が持てるかどうか」。グローバルな視点を持つことが求められています。現在、国際社会では貧困と分断が深刻で、日本は世界の中でもいち早く労働力人口が減少しています。多様性やジェンダーの問題も立ちはだかります。それらをどのように変容させるべきか、相原氏は課題を改めて確認していきました。

貧困の課題は、日本のひとり親世帯の問題も。ひとり親の子どもの大学進学率は59%。日本は大学卒業後、新卒一括採用のため初職決定率は9割と世界でも極めて高いですが、新卒で正社員になれないとあとで挽回が利かないとも取れる側面を相原氏は話します。
また、ジェンダーギャップについても問題提起。「特に政治・経済の分野で女性の進出が圧倒的に少ない」と言います。その例として「中学生の女子生徒会長は2割」という話が。「組織の上に立つのは男性という思い込みが社会変容を妨げているのではないか」と、この問題が根深いことを話されました。

行動変容するために

相原氏は、主要国のなかでも日本は若者世代の投票率が低いことにも触れました。日本は「シルバー民主主義」と呼ばれ、ボリュームが大きく投票率の高い高齢者に目掛けて政治をします。「皆さんが政治に参加する姿勢を期待したいと思います」と語りました。
そして、「未来を予測することはできないけれど、未来を予測するのに最も効果的なのは自ら行動すること」と言います。
「私たちがどのように行動するかによって、公益を資することができるかを考えてみてください」とメッセージを送りました。

授業の最後には学生たちからの感想も聞かれました。
「初職決定率の高さをいいものと考えていましたが、お話を伺って失敗すると挽回しにくいというリスクの面もあることにも気付きました」
と言った声や、
「ジェンダーギャップや選挙の話などいままで重要視していなかったけれど、将来や公益を考えることの大切さを知りました」
という感想が。
いままで当然だったものを、改めて見つめなおし問い直す姿勢を学びました。

深澤教授の話

相原様には、毎年この授業にお越しいただき、労働組合の役割のみならず、高い視座広い視点から世の中を見つめることの大切さを教えていただいています。刻々と変わる世の中で、時代を敏感に読み、その変化にどう対応していくかが、大学生の今後のキャリア形成に重要になると考えます。今年も、大変に貴重なお話しをいただきありがとうございました。心から感謝申し上げます。

2022年11月7日

「実践キャリアプランニング」の授業で実践女子大学OGの千葉美那弓氏が人生とお金の関わりを考える講演を行いました。

「実践キャリアプランニング」の授業で、10月14日(金)に実践女子大学OGの千葉美那弓氏が人生とお金の関わりや、ライフプランについての講演を行いました。専攻とはまったく異なる職種についた千葉氏は、人生を逆算して考える「ライフプラン」の大切さを伝えてくれました。

別ジャンルに飛び込み勉強の日々

今回の講師の千葉氏は実践女子OG。今年3月卒業したばかりの、学生たちに身近な先輩です。学部は日野キャンパスにある生活科学部食生活科学科。健康栄養を専攻していました。在学中に栄養士の資格が取得できる学科です。しかし、千葉氏が選んだ会社は証券会社。その理由は「栄養士の仕事は年を取ってからでもできるかなと思った」からだと言います。そのまま栄養士になることに疑問を持ち「お金の勉強をした方が、これからの人生に対して良いのではと思ったんです」と言います。インターンシップに積極的に参加し「様々な業界・企業の話をきいて、栄養士にならなきゃという固定観念を捨てられた」と話しました。

専攻と全く違う職種にあえて飛び込んだ千葉氏は、毎日勉強の日々。6時に起床し、経済ニュース番組を見ながら朝ご飯を食べたら出社。始業までの1時間でまた新聞やニュースを読み、その日の経済動向をチェックします。今の仕事は営業。研修を終え、7月にデビューしたばかりです。新しく資産運用をしたい方や、運用がしばらくない方にテレアポを取り訪問しています。

お金を考えるにはライフプランを考えよう

アイザワ証券は創業104年の老舗証券会社。17都府県48店舗展開しており、千葉氏は静岡県の三島支店に配属されています。証券会社とは株や証券などの金融商品を取り扱う会社です。お金は人生においてかかせないものです。お金と人生の関わりを考えるには、どんな人生を送りたいか考える「ライフデザイン」と人生の具体的な計画「ライフプラン」を決めることが大事だと言います。特に、人生の三大費用と呼ばれる「教育資金」「住宅購入費」「老後の費用」にどれくらいかかるのか考えるのに、ライフプランは大切です。三大費用は、合わせてなんと1億ほどかかると言われています。

今回の講義を聞く学生たちは2年生で、まだ人生に関わるお金をきちんと考えたことはないかもしれません。そこで、まず考えてほしいのが「家計管理」だと言います。自分の今の生活を営むための収入と支出を管理することで、きちんとお金の動きを把握することができます。また、お金の動きは収入と支出の他に、「貯蓄」が大事。お金が入ったら使う前に貯蓄に回す、先取貯蓄をしておくことが大事だと千葉氏は言います。

人生100年時代!お金に働いてもらう考え方

これからの日本は人生100年時代が到来し、2007年生まれの2人に1人は100歳になると言われています。そこで大切になってくるのは、お金を貯めるだけではなく「資産運用」です。超低金利時代の今、銀行の利子は0.001%。「この金利で、預けたお金を倍にするには何年かかると思いますか?」千葉氏の問いかけに、1,000年くらいという選択肢で手を挙げる学生が多い中、答えはなんと72,000年。気が遠くなる時間が必要なのです。預けているだけではお金は増えません。そこで資産を運用し、自分でお金を増やすことが求められています。

資産を使って株や債券を買うことを投資と言います。投資をすることはその企業の株を買うことで、自分のお金が直接企業のために使われるということになります。国の国債を買えばそのお金は公共サービスについて利用され、自分のお金が直接社会貢献に使われることが説明されました。

また、今注目されているのが「つみたてNISA」です。長期積み立て、分散投資が可能で20年間非課税のため資産運用の方法として国も推進しています。18歳以上が対象のため、学生たちも口座を作ることができます。「つみたてNISAをやっている人いますか?」と聞かれると、2、3名の学生が手を挙げました。学生たちがしっかり資産形成を考えていることに千葉氏も感心していました。

投資に「絶対」はない!

良いことに思われる投資ですが、リスクもあります。お金を運用することは必ず利益が得られるわけではありません。世界情勢や景気などにより損失が出ることも。金融商品は自分の意思で選ぶので、利益・損失は自己責任ということを覚えておかなければいけません。

投資は怖いイメージがあるのも確かです。投資詐欺が増えており、被害者の多くが20代30代の若い世代です。「「必ず」「絶対」という言葉に騙されず、自分でしっかりお金の流れを確認することが大事です」と千葉氏からの言葉がありました。

いろいろな企業の話を聞いて柔軟な考えを持とう

早めに就職先を決めて、4年生の間自由に過ごしたかったという千葉氏は、2年生の終わりからインターンシップの参加を申し込むなど積極的に就職活動を行いました。いつまでに何をしたいか逆算して考えることはライフプランと同じです。

また、就職した今だから思うこととして、「就職先は意外と決まります」と言います。「不安や焦りはあると思うけど、妥協せずあきらめずに就活に取り組んでほしいです」と、これから就活を迎える学生たちにエールを送りました。

2022年11月7日

「グローバルキャリアデザイン」の授業で元マイナビ専務・浜田憲尚氏が就職活動の本質に迫る講演を行いました。

現代生活学科の授業「グローバルキャリアデザイン」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)で、10月14日(金)に元マイナビ専務の浜田憲尚氏による講演が行われました。これからまさに就職活動が控えている学生たちに、就職活動の本質やなぜ働くのかなど、全体を俯瞰する視点の大切さを語って下さいました。

偶然出会った自分が打ち込める仕事

マイナビのロゴは、「M」の字をウェーブに見立てた一人の人生を描いているといいます。一人ひとりの可能性と向き合い、成長させる「きっかけ」でありたいというのが企業理念です。マイナビは1973年設立。現在全国70か所、海外8拠点を持つ大きな企業です。「マイナビという会社は、一言でいえば皆さんと企業をつなげる仕事をしています」と浜田氏。アルバイトからフリーランス、アスリートたちの支援やウェディング事業まで幅広く扱っています。新卒生が企業に就職することももちろんそのひとつ。「日本は新卒一括採用のため、たくさんの企業が待ち構えています。活かさない手はない」と力強く仰いました。

それから浜田氏の異例の入社の経緯を教えてくれました。大学で哲学を専攻していた浜田氏は院へ進みたかったのですが、親に説得され就職することに。就職活動に乗り気でなかったため、偶然DMを見たマイナビの面接に応募。当日向かってみると誰もいません。開始時間と終了時間を間違えていたのです。そこにいたある社員の方が気にかけてくれ、少し話すと「今度会おう」と時間と場所を指定されました。後日行ってみると、なんとそれは最終面接。話した社員の方は当時の人事部長だったというのです。

そのままマイナビに入社し、営業を経て、京都拠点の立ち上げや新卒向けの就職情報サービス開発に携わり、常任理事顧問に。まさにマイナビをNo.1就職情報サービス会社に育てた第一人者です。昨年退社し、現在はマイナビの海外展開の事業サポートをなさっています。「就職活動せずに入社した僕が就職を語るのも変な話なのですが」と前置きしつつ、長く勤めた理由を「打ち込める仕事に出会ったから」だと話します。会社が大切に育ててくれ、若くても仕事を任せてもらえたことや、自分たちでサービスを作り利益を得る楽しみ、クライアントの期待。そして人や企業の運命を左右する仕事であるという責任感があったからだと言います。

就職活動の前に考えてほしいこと

今回の講義を聞くのは就職活動前の3年生。今の心境は?と浜田氏に問われ、不安な心境を打ち明けました。「採用してくれる企業があるだろうか」「今の段階であまり動けていない」「行きたい会社が見つかるか…」わくわくしている学生たちは少ないようです。そこで浜田氏は「なぜ働くのか」ともう一つの問いかけをしました。「まずはお金を稼ぎたいから」「働いていない自分は想像つかないから」と、学生たちから回答が。では、自分にとってベストな就職には何が重要か、再度浜田氏は問いかけます。学生からは「自分の希望する職につくこと」「自分が大切にしていることを大事にしてくれる環境」などの回答が出ました。

浜田氏は「働くことは糧(かて)を得ること」と言います。そして「どんな職につき、糧を得るかは方法論です」と続けました。また人生で最も悲しいことは、何のために生きているのか分からないことだと言い、反対に存在価値が認められると自分に意味があると思えると話します。これらは生きがいや仕事のやりがいにつながることです。人は必要とされている、自分が活かされていると感じるとそこで働く意味があると思います。「人は誰しもいきいきと働くべき」と浜田氏は続けます。そのためにはそもそもどう生きたいか、自分を見つめることが大事です。就職すること自体を目的にせず、「なぜ働くのか」を考えることが大切だと語りました。

企業と学生、お互いがベストな就職を目指して

そして「皆さんがいきいきと働くことは企業にとっても良いこと」と浜田氏。企業とは、物やサービスなど「価値」を提供して対価をもらいます。その企業の価値を最大化するものが「人材」です。自分の力を活かして活躍すれば、企業の価値も上がっていくということ。そのため、企業側も「ベストな就職」を求めています。マイナビは企業と学生両者にとってベストな就職をする手助けをしています。質の高い情報や、たくさんの選択肢を提供し、精度の高いマッチングを目指しています。

最後に、学生たちに向けこれからの就職活動についてアドバイス。現在の採用基準は「量より質」。人数を採りたい時でも、基準を下げてまで採用する企業は少ないと言います。そのためインターンシップなど、早めの企業研究をしてほしいと助言しました。また「これまで、学生さんたちのたくさんの意見や期待をもらってマイナビも成長しました。もっといいサービスにしていきたいので、積極的に利用して頑張ってください」と応援しました。

縁がつながり就職先に!OGも応援

「深澤教授が資生堂在籍時に人事で関わったときのご縁で、年に1回学生たちの前で話す機会をいただきました」と浜田さん。
縁はさらに続き、なんとこの授業がきっかけで、2名の学生がマイナビに入社しています。
OGである中島さんと渡辺さんも最後に挨拶されました。
「この授業でマイナビに興味を持ち入社しました」
「自分たちも就活のとき先輩にいろいろ話を聞いてもらいました。良かったら相談してください」
と先輩らしい優しい言葉も。
就活に対し不安もある学生たちですが、将来のことを考える良い機会となりました。

深澤教授の話

マイナビの浜田様とは、もう15年来、私の企業人事時代から大変にお世話になっています。
そして毎年この授業にお越しいただいていますが、ご自身の就職活動を含めたキャリアの興味深いエピソードや、マイナビという会社の社会的意義など、学生にとっては、毎年、本当に多くの学びの機会をいただいています。
“就活の本質”という、浜田様でしかお聞き出来ない内容であり、これから就職活動に臨む学生にとって、貴重な時間となりました。
浜田様にはこの場を借りて、厚く御礼申し上げます。