「キャリアデザイン」の授業で東京ディズニーリゾートの課題『ワンハンドメニュー開発』の最終プレゼンが行われました。
2022年度の共通教育科目「キャリアデザイン」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)で、7月5日(火)に東京ディズニーリゾートの運営を行う株式会社オリエンタルランドとのコラボ授業が行われました。6月14日に行われたオリエンテーションで出された課題「東京ディズニーリゾートのワンハンドメニューを考える」についての最終プレゼンテーションです。プレゼン時間は5分。同社のフード本部フード統括部長である横山政司氏の前で、全9班がそれぞれ楽しいメニューを考え、レベルの高いプレゼンを行いました。
ディズニーフードにもヘルシー路線を
ディズニーキャラクターの名前を付けた各班が、順番に発表していきました。最初の班は「ダッフィー」。長く愛され、ファミリー層が楽しめるワンハンドフードを考えました。ワンハンドフードはターキーレッグなど肉系が多いことから、ヘルシーで手軽に食べられる「フィッシュケーキ(さつま揚げ)」を提案。ニモのアトラクション近くで販売します。デザートは「マラサダ」という揚げドーナツ。バリエーションも豊富に作れ、中にジャムを入れたり、おかず系のものを入れればお惣菜にもなるという優れものです。
ヘルシーに注目したのは「プーさん」チームも。食べ歩きもでき、カロリーを抑えた女性向けのフードとして「生春巻き」を提案。海老入りということで、リトルマーメイドのエリアで販売します。デザートはミッキー型のマカロン。ランチボックスに入れて提供し、箱の底にメッセージやキャラクターを印刷し、食べ終わった後も楽しんでもらえる工夫をしました。
「ティンカーベル」チームは、東京ディズニーシーにオープンする予定の新エリアに合ったフードを考えました。ピーターパンがモチーフの新エリアに、ティンカーベルのお団子ヘアをモチーフにした「たこ焼き」を提案。デザートはラプンツェルの三つ編みをイメージした「ワッフル」です。棒に刺して提供し、棒にはキャラクターの名言などがおみくじのように楽しめる非日常性を入れました。
ワンハンドフードもインスタ映え!
「ドナルド」チームは手で持って可愛い写真を撮れるデザートとして、ダッフィー&フレンズの「フィナンシェ」を考えました。キャラクターの形のフィナンシェに手持ちの棒がついており、顔の近くに持って自撮りすると可愛い写真が撮れるものを提案しました。フードは食べ歩きの定番「コロッケ」。ミスターポテトヘッドのパーツを印刷した包装に入れると、キャラクターになる工夫をしています。料金設定も原価率まで計算し利益を出し設定しました。
「ミッキー」チームは虹色チーズが入った「チーズドッグ」です。空をモチーフにしたアトラクションのソアリン付近で販売します。ソアリンの近くにはワンハンドメニューが少ないこともリサーチしました。デザートはダッフィー&フレンズの「トゥンカロン」。ぬいぐるみを持って来園するゲストをターゲットに、各キャラクターをデザインした大き目のマカロンを販売し、写真映えを狙います。
「デイジー」チームのフードは、ファミリー層でもシェアしやすい「チーズ入りじゃがいももち」を提案しました。デザートはミニーマウスの「いちご串」です。いちごとおまんじゅうと、ミニーの顔の形をしたカステラを串に刺して提供します。ピンク色をした可愛らしい見た目で、こちらも写真映えする見た目を重視しています。
白雪姫のリンゴのデザートは3班がアイディアを考案
人気のあったモチーフは白雪姫の毒リンゴでした。「クイーングリムヒルド」チームは白雪姫のような体験ができるデザート「カップケーキ」を提案しました。リンゴの形をしたカップケーキにゼリーを添え、毒リンゴを食べてしまった白雪姫のように思わず口に入れたくなるデザートです。フードは「ガレット」を提案。フランスの料理、じゃがいものガレットを、フランスが舞台の美女と野獣のエリアで販売します。
チーム「ジミニークリケット」はテニスボールサイズの「ドーナツ」にアイシングを施し、リンゴ型にしたデザートを考えました。ヘタの部分がフォークになっており、刺したままりんご飴のように食べ歩きを楽しめます。フードは「小籠包」。ワンハンドフードでは珍しい中華系で、見た目の似たベイマックスをイメージした包装で提供します。
「ミニー」チームも毒リンゴをモチーフにした「ドーナツ」を提案しました。カスタードクリームを中に仕込んでいます。提供する箱に凝り、蓋が魔女の手のように見えるデザインを考えました。フードはミッキーが被る帽子の形をした「ブリトー」を考案。食べ歩きにも適した形で、ファンタジーを楽しんでもらえる工夫をしました。
配送や盛り付け、価格帯をどうする?
どの班も、工場で製造し冷凍、販売店で解凍して提供する過程を考えました。違いが出たのは、解凍してからどのような盛り付けをして提供するか、価格帯をどうするか。横山氏からのフィードバックもこの点への確認が多くありました。
価格帯については、「もう少し上げてもいいのではないか」や「価格の根拠がもう少しあれば」など経営目線からの意見も。提供方法に関しても、「ランチボックスだと配送時にかさばるのでは」や揚げドーナツには「店で揚げるのは手間なので、温めて提供できると良いですね」といった、学生たちにもう一歩踏み込んだ提案を求めました。
ただ、包装やデザインに対してはたくさんの誉め言葉が。「デザインが可愛い」「インスタ映え間違いなしですね」など感嘆の声が聞かれました。それぞれの班の工夫にも「親子でシェアできるイメージができる」「パッケージデザインに話題性がある」と細かいところまで評価をいただきました。
本格的なプレゼンは良い経験に!
全体の総括として、横山氏から「一次提案からフィードバックを経て最終提案まで、どのチームもブラッシュされている」との言葉が。「どのチームも頑張ったのが伝わってきました」と学生たちの頑張りをねぎらい、「本格的なプレゼンを経験したことはきっとプラスになる、自信を持ってください」と学生たちにエールを送りました。
最後に横山氏が選んだオリエンタルランド賞の表彰が行われました。選ばれたのは「ドナルド」チーム。特別賞に「プーさん」チームが選ばれ、賞品をいただきました。最後に全員で写真を撮り、和やかに授業は終了しました。
深澤教授の話
本年度も、オリエンタルランド横山様のご支援をいただき、コラボ講座を実施することが出来ました。学生にとっては、とても身近なテーマでありますが、横山様からいただいたお題は、とてもレベルの高い内容、しかも、中間提案の際にまでフィードバックをいただけるという、実際の企業での仕事さながらの経験をさせていただきました。学生たちは、アイデア出しだけでは進まないお題に奮闘しながらも、とてもポジティブに取り組んでくれました。横山様には、この場を借りて、改めて心より感謝申し上げます。ありがとうございました。