社会連携プログラム
SOCIAL COOPERATION PROGRAM
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2022年11月7日

「グローバルキャリアデザイン」の授業で元マイナビ専務・浜田憲尚氏が就職活動の本質に迫る講演を行いました。

現代生活学科の授業「グローバルキャリアデザイン」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)で、10月14日(金)に元マイナビ専務の浜田憲尚氏による講演が行われました。これからまさに就職活動が控えている学生たちに、就職活動の本質やなぜ働くのかなど、全体を俯瞰する視点の大切さを語って下さいました。

偶然出会った自分が打ち込める仕事

マイナビのロゴは、「M」の字をウェーブに見立てた一人の人生を描いているといいます。一人ひとりの可能性と向き合い、成長させる「きっかけ」でありたいというのが企業理念です。マイナビは1973年設立。現在全国70か所、海外8拠点を持つ大きな企業です。「マイナビという会社は、一言でいえば皆さんと企業をつなげる仕事をしています」と浜田氏。アルバイトからフリーランス、アスリートたちの支援やウェディング事業まで幅広く扱っています。新卒生が企業に就職することももちろんそのひとつ。「日本は新卒一括採用のため、たくさんの企業が待ち構えています。活かさない手はない」と力強く仰いました。

それから浜田氏の異例の入社の経緯を教えてくれました。大学で哲学を専攻していた浜田氏は院へ進みたかったのですが、親に説得され就職することに。就職活動に乗り気でなかったため、偶然DMを見たマイナビの面接に応募。当日向かってみると誰もいません。開始時間と終了時間を間違えていたのです。そこにいたある社員の方が気にかけてくれ、少し話すと「今度会おう」と時間と場所を指定されました。後日行ってみると、なんとそれは最終面接。話した社員の方は当時の人事部長だったというのです。

そのままマイナビに入社し、営業を経て、京都拠点の立ち上げや新卒向けの就職情報サービス開発に携わり、常任理事顧問に。まさにマイナビをNo.1就職情報サービス会社に育てた第一人者です。昨年退社し、現在はマイナビの海外展開の事業サポートをなさっています。「就職活動せずに入社した僕が就職を語るのも変な話なのですが」と前置きしつつ、長く勤めた理由を「打ち込める仕事に出会ったから」だと話します。会社が大切に育ててくれ、若くても仕事を任せてもらえたことや、自分たちでサービスを作り利益を得る楽しみ、クライアントの期待。そして人や企業の運命を左右する仕事であるという責任感があったからだと言います。

就職活動の前に考えてほしいこと

今回の講義を聞くのは就職活動前の3年生。今の心境は?と浜田氏に問われ、不安な心境を打ち明けました。「採用してくれる企業があるだろうか」「今の段階であまり動けていない」「行きたい会社が見つかるか…」わくわくしている学生たちは少ないようです。そこで浜田氏は「なぜ働くのか」ともう一つの問いかけをしました。「まずはお金を稼ぎたいから」「働いていない自分は想像つかないから」と、学生たちから回答が。では、自分にとってベストな就職には何が重要か、再度浜田氏は問いかけます。学生からは「自分の希望する職につくこと」「自分が大切にしていることを大事にしてくれる環境」などの回答が出ました。

浜田氏は「働くことは糧(かて)を得ること」と言います。そして「どんな職につき、糧を得るかは方法論です」と続けました。また人生で最も悲しいことは、何のために生きているのか分からないことだと言い、反対に存在価値が認められると自分に意味があると思えると話します。これらは生きがいや仕事のやりがいにつながることです。人は必要とされている、自分が活かされていると感じるとそこで働く意味があると思います。「人は誰しもいきいきと働くべき」と浜田氏は続けます。そのためにはそもそもどう生きたいか、自分を見つめることが大事です。就職すること自体を目的にせず、「なぜ働くのか」を考えることが大切だと語りました。

企業と学生、お互いがベストな就職を目指して

そして「皆さんがいきいきと働くことは企業にとっても良いこと」と浜田氏。企業とは、物やサービスなど「価値」を提供して対価をもらいます。その企業の価値を最大化するものが「人材」です。自分の力を活かして活躍すれば、企業の価値も上がっていくということ。そのため、企業側も「ベストな就職」を求めています。マイナビは企業と学生両者にとってベストな就職をする手助けをしています。質の高い情報や、たくさんの選択肢を提供し、精度の高いマッチングを目指しています。

最後に、学生たちに向けこれからの就職活動についてアドバイス。現在の採用基準は「量より質」。人数を採りたい時でも、基準を下げてまで採用する企業は少ないと言います。そのためインターンシップなど、早めの企業研究をしてほしいと助言しました。また「これまで、学生さんたちのたくさんの意見や期待をもらってマイナビも成長しました。もっといいサービスにしていきたいので、積極的に利用して頑張ってください」と応援しました。

縁がつながり就職先に!OGも応援

「深澤教授が資生堂在籍時に人事で関わったときのご縁で、年に1回学生たちの前で話す機会をいただきました」と浜田さん。
縁はさらに続き、なんとこの授業がきっかけで、2名の学生がマイナビに入社しています。
OGである中島さんと渡辺さんも最後に挨拶されました。
「この授業でマイナビに興味を持ち入社しました」
「自分たちも就活のとき先輩にいろいろ話を聞いてもらいました。良かったら相談してください」
と先輩らしい優しい言葉も。
就活に対し不安もある学生たちですが、将来のことを考える良い機会となりました。

深澤教授の話

マイナビの浜田様とは、もう15年来、私の企業人事時代から大変にお世話になっています。
そして毎年この授業にお越しいただいていますが、ご自身の就職活動を含めたキャリアの興味深いエピソードや、マイナビという会社の社会的意義など、学生にとっては、毎年、本当に多くの学びの機会をいただいています。
“就活の本質”という、浜田様でしかお聞き出来ない内容であり、これから就職活動に臨む学生にとって、貴重な時間となりました。
浜田様にはこの場を借りて、厚く御礼申し上げます。

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