社会連携プログラム
SOCIAL COOPERATION PROGRAM
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2022年6月28日

「未来フォーラム」のメンバーと学生たちでグループ対話をする特別コラボ授業が行われました

2022年度の共通教育科目「キャリアデザイン(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)」は「今、社会や企業が求める人材とは」をテーマに、キャリア形成を学ぶ授業です。企業のトップから直接講演を聞ける機会があり人気の授業。今回は「未来フォーラム」のメンバーの皆さんと学生たちのグループ対話が実施されました。未来フォーラムは様々な業種の労働組合の集まりで、11企業から組合のリーダーたちが参加してくださいました。学生たちは、各企業から、働く意義ややりがいなどを直接伺える貴重な機会となりました。

労組組合の集まり「未来フォーラム」との特別コラボレーション授業

いつもと違い机を動かして班が作られた教室で授業が始まりました。11の班には各企業の労働組合のメンバーが着席しています。始めに、代表幹事を務めるセイコーエプソン労働組合の品川執行委員長から「未来フォーラム」について紹介がありました。未来フォーラムとは、業種の枠を超え「人のために、社会のために、未来のために」という理念に共感する労働組合の集まりです。

労働組合とは、かつては従業員が団結してストなどを起こし、会社と対峙し改善要求する団体というイメージでした。しかし現在では会社の存続、発展が従業員の生活に影響する、ということを重視しています。皆が生き生きとより良い人生を送るために、より良い社会を実現するという理念のもと、労働組合はあります。未来フォーラムには現在26の労働組合が参加しています。この日はそのうち11の企業の労働組合のメンバーが訪れました。

学生たちはこの日に備え名刺を作って質問を考え準備をしてきました。企業ごと11班に分かれ、1回15分ずつ、名刺交換から始まり、質疑応答を行います。テーマは「仕事のやりがい」と「働く意義とリアル」。仕事に対する本音を率直に聞けるまたとない機会です。時間ごとにローテーションし、計4回班を回り、企業と対話が行われました。

なぜその企業を選んだの?

学生から多くあった質問は「なぜこの会社を選んだのか」ということ。給湯器の企業株式会社ノーリツでは「機械が好きだったからという理由が最初」という方が。しかしそのあと「お風呂は人を幸せにする」という企業理念に共感していったと言います。
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社では「入社の決め手は良い人が多いからという人が多い」との回答が。良い人が集まる会社であれば居心地がよく、自分も成長できると思ったということでした。 株式会社ツムラの方は「健康とはワークライフバランスを考える」という理念にも共感したと話しました。

どんなときにやりがいを感じる?

アルプスアルパイン株式会社の方は「自分の作った製品が使われていることに喜びややりがいを感じる」と言います。トイレなどの製造販売会社TOTO株式会社の方は、当時は少なかったユニバーサルデザインに力をいれていることに魅力を感じたと言います。「障害者の方の生活を支えているのだと実感しました」と話してくれました。

仕事のリアル…難しいことは?

仕事の難しさを隠さず教えてくれる方も。近畿日本ツーリストではコロナで旅行業界が打撃を受けたとき、従業員の早期退職を募ったエピソードを話してくれました。「労働組合として仲間たちを守れず辛かった」と伝えてくれました。また、現在「ワーケーション」が話題になっていますが、企業としてはなかなか進まないと言います。

どうやって企業を選べばいい?

就活へのアドバイスとして、自己分析が大事だという企業も複数ありました。丸井グループの方は「幅広く手掛けている会社なので自分の好きなこと、得意なことを仕事にできる」と思い入社したといいます。そのためにも自分の特徴や何が得意かを知っておくことの大事さを強調されました。
システム会社であるBIPROGY株式会社では、システム作りというよりお客様とどういうシステムにするかのやりとりがメインなので「システム会社でも理系より文系の人の方が求められる」と言った目から鱗の情報も。文系だからと諦めずに気になった企業にチャレンジするエールにもなりました。
株式会社ヤナセでは、「仕事は手段です、では目的はなにかを考えましょう」という話が。「なぜ働くのか」を考えることの大事さを話していました。セイコーエプソン株式会社では、言われたことだけをこなすのではなく、自分で考えて行動することの大切さを伝えました。「自分がどんなことが好きか知っておき、気になったことにチャレンジしてください」とエールを送っていました。

 「自分で選んで決めること」が大事

あっという間に時間は過ぎグループ対話は終了。最後に品川委員長からコメントをいただきました。「就職活動はどこを選ぶか、何を選ぶか不安かと思いますが、必ずベストを選ばなくてはいけないのではありません。自分で決めたという事実が大事。正しい正しくないにとらわれず、選択することを恐れずに決断してください」と語りました。

最後に学生たちからの感想も聞かれました。「素朴な疑問にも真剣に答えてくれて嬉しかった。就活は不安で一杯だが、頑張ろうと思えた」という学生や「この業界で行こうと決めていたつもりだが、今日の話を聞いて、魅力的な業界がたくさんあってまた迷ってきた」という学生も。学生たちにとって様々な刺激となったようでした。最後は全員で写真を撮り、なごやかに終了しました。

深澤教授からのメッセージ

私自身が企業時代に労働組合の中央執行委員長を務めていたご縁から、毎年未来フォーラム様にお世話になり、このような機会をいただいています。まさにこれから就職活動が始まる3年を主体とした当科目の履修学生にとっては、企業を知るとともに、「働きがい」や「やりがい」などを社員の方から直接お聞き出来る絶好のチャンスとなり、学生の真剣な姿が印象的でした。学生の中には、授業終了後、渋谷までの帰り道でも、お声をかけていただき、授業の延長戦を続けていただいた労組さんもいらっしゃったとのこと、そのお気遣いに感動いたしました。
何よりお越しいただいた方が皆さん労働組合の幹部の方々、誰よりも会社のことを知り、会社のことを考え、働く従業員のことを日々考え続けているメンバー、熱気が溢れており、教室の空気が今までと違う雰囲気でもありました。学生たちが、働くことをポジティブに捉え、今日お越しいただいた未来フォーラムの皆さんのように、企業を牽引する存在になって欲しいと願います。未来フォーラムの皆様、本当にありがとうございました。

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