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2022年3月4日

ルイ・ヴィトンのビジネスパーソンに、キャリア形成のヒントを学びました!(12/10)

高級ブランド「ルイ・ヴィトン」日本法人で人事を担当するビジネスパーソンに、キャリア形成のヒントを学ぶ授業が12月10日(金)、渋谷キャンパスで行われました。同社と本学の社会連携授業として実施され、今年度で4回目となります。同社コーポレートHRマネージャーの真名垣喬氏が講師として登壇。真名垣氏は「挑戦は必ず挫折を伴う。痛い失敗をすればするほど、その後の人生がより豊かになる」などと、学生たちにエールを送りました。

ルイ・ヴィトンと社会連携授業

講師の真名垣氏は、現在、LVMHグループの日本法人「ルイ・ヴィトンジャパン」に在籍。同社の人事を担当しています。LVMHグループは、ラグジュアリー・ビジネスにおける世界的リーダーとして知られ、ルイ・ヴィトンとモエ・ヘネシー販売の両社が合併して1987年に誕生しました。仏パリにグローバル本部があり、ルイ・ヴィトンほかセリーヌ、ジバンシィ、ヘネシーなど70を超える高級ブランドを世界で展開しています。

皆さんのMissionは?

真名垣氏は、授業を通して「皆さんのMission(ミッション)=使命は何ですか?」と繰り返し学生たちに問い掛けました。例えば、「大学を卒業したら就職するというのが日本の常識というものだ。だから自分も就職するというのは、それでいいのですか?」。根源的な問いを何度も提起しながら、「卒業したら、どんな仕事(What)をしたいのですか?」「どうやって(How)、仕事選びをしますか?」「なぜ(Why)、そう思うのですか?」などと学生たちのキャリア観を質しました。思わぬ質問の連続に学生たちも戸惑い気味でしたが、真名垣氏は「一番大事なのは自己分析」と強調。「まずは自分に向き合うことから始めてはどうか」とアドバイスを送りました。

翻って、真名垣氏自身のキャリア観はどうなのでしょう。それによると、同氏にとりミッションとは「自分らしく、美しく幸せに生きる人を増やすことで世界を豊かにしたい」。そのための手段として仕事があり、同氏にとり仕事とは「人に関わる仕事(人事)全般で、仕事を通じて充実感を得られる人を増やすこと」と意義付けています。この結果、今携わっている人事という仕事について「やっぱり自分がやるべきことは人事だなと強く思う」「その仕事が楽しくできるようにルイ・ヴィトンという会社を選んだ」などと語り、人事という仕事に対するやりがいや誇りを強く滲ませました。

私のミッション

楽しかった名古屋支社の営業

講義をする真名垣氏

もっとも、人事という仕事に対する同氏の情熱は、就職後すぐに形成されたものではありませんでした。今日に至るまでの同氏のキャリア観は、転職を経てルイ・ヴィトンに入社したという真名垣氏の経歴と深く関わっています。

真名垣氏は、大学を卒業して2002年4月に資生堂に入社。ほどなく名古屋支社に配属され、営業職としてのキャリアをスタートさせました。資生堂を就職先に選んだ理由は「ファッション的な仕事がしたかった。金融とかいろいろと考えてみたが今一つ自分の姿と合致しなかった。一番しっくりくるのが化粧品業界だった」と明かします。また、職種も「今は人事の仕事をしているが、当時は人事の仕事にあまり興味はなかった。営業とか商品開発、マーケティングをやるつもりで化粧品会社に入った」と述懐しました。

名古屋時代は、後に「無茶苦茶、楽しかった」と懐かしがるほどの充実した日々を重ねました。化粧品を売るための提案をしたり、化粧品の売り場を巡りお店と交渉をしたり…。「自分がやりたかった仕事に携われた」という満足感があったからでしょうか。本人が「名古屋時代は、結構、頑張った。業績も上げた」と自負するぐらい、頑張りが際立つ新人時代でした。

3年目に人事部に異動

転機は入社3年目に訪れました。東京・汐留にある本社人事部への転勤辞令です。2週間前には、支社が管轄する店舗の事業計画(3年間)をつくり、支社長に意見具申したばかり。真名垣氏にとり、「さあ、これから名古屋でもっと頑張るぞ」と思った矢先の異動命令でした。

名古屋時代、真名垣氏の本社人事部に対する印象がどうだったかというと、「正直、嫌いだった。なんとなく人のことをチェックする仕事だなと。そんなイメージがあった」。それどころか「人事部?何も分かっていないじゃないか」と事あるごとに文句ばかり繰り返していたと言います。なのに、人事部に呼ばれてしまい異動。職務命令である以上、従わなければなりません。他の会社に転職し、同じ営業の仕事を続けるという選択肢もありましたが、真名垣氏はしませんでした。「この時は、資生堂という会社が大好きだったので。人事部の仕事もやってもいいかなと思ったから」だそうです。

学生の意見は?
ファッションは大好き?

人事部では、新入社員の研修やリーダーシップのトレーニングなどを担当。中国やシンガポールにある資生堂の現地法人の窓口の仕事などグローバルな業務にも携わりました。いきおい英語を使う機会が増え、自費で英語を英会話学校に通うなど猛勉強。その流れで米国の現地法人にも短期研修で赴任しました。

ルイ・ヴィトンに転職

2017年、真名垣氏は、意を決して資生堂を退職、ルイ・ヴィトンに転職しました。37歳の時でした。

真名垣氏によると、その理由は次のようなものだったそうです。「自分のやりたいことと、会社が自分にやらせたいことの間のずれが、転職の一番大きな理由だった。資生堂のことは嫌いじゃないが、価値観にずれを感じていた。一生のうち、ずうっと同じ会社と付き合っていくのにも、疑問があった」。

ちなみに、「転職それ自体は、30歳の頃から考えていた」とか。この間は、「自分の人生のミッションは何か」という自問自答を悶々と繰り返す日々。その答えが「最終的にバチっと来た」というのが、37歳の時というわけです。

他方、真名垣氏は転職先を選ぶに当たり「企業の価値観を大事に考えた」と語りました。同氏が考えるルイ・ヴィトンが大事にする価値観とは、「クリエイティビティやイノベーションを探求する会社」「起業家精神を大事にしており、失敗を恐れず初めにやってみようと提唱している会社」。多くの企業の価値観を調べるなか、真名垣氏はこの価値観に惹かれ、ルイ・ヴィトンに入社を決めました。

ルイ・ヴィトン

「どんな仕事をするか」が重要

転職もあり、真名垣氏にとり、仕事の価値は「どこで働くか」が重要ではなくて、「どんな仕事をするか」に変容しました。つまり、ミッションにいう「人に関わる仕事、つまり人事の仕事を通して充実感が味わえる人々を、いかに増やしていくか」。化粧品というコンシューマー系の会社からラグジュアリ系のビジネスに転じても、人事という仕事に携わっていきたいことに変わりはありません。資生堂には「資生堂で働きたい」と入社しましたが、ルイ・ヴィトンには「人事の仕事がしたい」「その仕事が楽しくできるように」と転職。かつて新卒の際「正直、名前で会社を選んだり、何となく知っている会社を選んだりしていた」と振り返る会社選びの基準は、いつしか「社名は変わってもいいと思う」「どんな仕事をしたいかということで会社を選んだ方が、満足度が高い」に変化していました。

「自分自身と向き合おう」とエール

真名垣氏から餞の言葉

「あなたは、自分の命(時間)をどのように使いますか?」。授業の最終盤、真名垣氏は学生たちに、こう呼び掛けました。その上で、「皆さんは、これからの貴重な時間をどう使っていくか。(この講義を)きっかけとしていただければ。皆さんが、価値観や理想・パッションを感じ続けていくことを、皆さん自身が向き合う中で感じていただきたい」と続け、「Make your career a beautiful journey」という言葉で講義を結びました。

3年生の「グローバル・キャリアデザイン」で実現

真名垣喬氏の特別授業は、学部を問わず3年生を対象とした「グローバル・キャリアデザイン」(毎週金曜日2限)の授業のなかで実現しました。担当は国文学科の深澤晶久教授(キャリア教育担当)です。今年度は37人が同授業を履修しています。

深澤晶久教授の話

真名垣さんとは、私が資生堂勤務時代に、若手社員の育成に奔走した戦士の仲間の一人です。熱い心をもった兄貴分として若手社員の人望は格段に高く、多くの新入社員たちが真名垣さんの教えをもとに、資生堂生活の第一歩を記したことになります。そんな真名垣さんも、新しいフィールドで活躍されていることをお聞きし、4年ほど前から、当授業にお越しいたただき、“あの当時の熱いメッセージ”を再現してもらっています。こうしたロールモデルに接することで、社会の楽しさも厳しさも感じてもらいたいと考えています。真名垣さんにこの場を借りて心から感謝申し上げます。

担当の深澤教授

2021年12月13日

就活サイト最大手のマイナビと連携授業!最新の就活事情を学びました(10/16)

 最新の新卒就活事情を学ぶ特別授業が10月15日(金)、「就活サイト」最大手のマイナビ(東京都千代田区)と本学の社会連携授業として行われました。特別授業は、同社専務取締役の浜田憲尚氏を講師に招いて実現。浜田氏は、これから就職活動が本格化する教室の3年生(2023年度卒業予定者)らに対し、「あなたにとってベストな1社を。私たちマイナビは最後までお手伝いします」などと語り掛けました。

マイナビ東京本社が入居するビル
(グーグルマップから)

 マイナビは、リクナビ(リクルートグループが提供)と並ぶ新卒向けの超有名就職サイト(就活サイト)です。本学の学生も就活シーズン、ほぼ例外なく利用しており、浜田氏はマイナビ保有の膨大なデータ(登録学生73万人以上、掲載企業2万4千社以上など)をもとに、最新の就活事情を解説しました。

インターンシップの重要性を強調

前年の就活戦線を振り返る

 それによると、浜田氏が講義を通じて強調したのは、インターンシップの重要性でした。「企業と学生双方にとってインターンシップの重要性が高まっている」と語り、2023年4月時点で内々定をもらっている学生の特徴として、インターンシップへの取り組み姿勢を見る限り▼参加時期が昨年の7~9月と早い▼参加数が10社以上と多い-などを挙げました。「早期から企業研究や仕事研究を進めたことで、相互理解が深まり、マッチングしやすくなっているのではないか」と解説しています。

 その上で、これから到来する本格的な就活シーズンを踏まえ、教室の3年生には丁寧なアドバイスを送ります。具体的には、2023年度はインターンシップ実施企業、学生のエントリー数いずれも2022年度に比べて増加していると説明。▼インターンシップへ積極的に参加する▼面接で緊張しないため、人事担当者との対話に慣れておく▼企業研究やエントリーをもっと行う-などの心構えを学生に求めました。とりわけ、インターンシップへ積極参加は「これはマスト。もちろん可能ならリアルで」と、ことさらに強調しています。

23年は好転

学生の「のんびりムード」を懸念

企業の採用意欲は上向き!

 もっとも、浜田氏によると、23年度卒の学生の場合、コロナ禍の影響による懸念材料があると言います。それはコロナ禍に伴う企業の採用抑制ではなく、むしろ学生の「のんびりムード」だとか。というのも、企業の採用意欲は「確実に上向く」と予測されるからです。

 このうち、のんびりムードは、別言すると「就職に関する意識の立ち上がりが遅い人がいる」ということです。コロナ禍で授業がオンラインとなり、リアルなガイダンス・就職イベントも減少。また、友人間の就職の話題も減少した結果、「刺激が少なくなり、就活本格化前の準備段階でもう、学生間格差の二極化が進んでいる」と浜田氏は心配します。

「今すべきこと」がある

 では、今3年生がすべきことは何でしょうか。浜田氏は改めて教室の学生に呼び掛けます。▼オンライン、リアルを問わず、インターンシップへの参加▼年内の段階で志望業界・志望職種を整理。最低限100社程度はリストアップ▼マイナビ2023の検討リスト機能で、事前に関心ある企業を登録▼WEBセミナーの活用-を…、そして大切にしなくてはいけないのが、学内のセミナーへの参加です。浜田氏は、最後にこう教室の学生に語り掛け、この日の特別授業を締め括りました。

浜田氏の提案「今すべきこと」

3~4年生40人が履修

いよいよ私たちの就活の季節!

 授業の指導教授は、文学部国文学科の深澤晶久教授(キャリア教育担当)です。今回の特別授業は、深澤教授と浜田氏の縁がきっかけで、3年生以上対象の共通科目「グローバル・キャリアデザイン」の中で実現しました。今年度3年生と4年生40人が履修しています。

浜田憲尚・マイナビ専務取締役の話

 この授業は、私にとって直接学生の皆さんに語りかけることのできる貴重な機会ですので、毎年非常に楽しみにしております。今年の授業では、ご自身のキャリアについて真剣に考えている方が多く、熱心に私の講義に耳を傾けているのを実感いたしました。23卒の新卒採用意欲は確実に高まりますが、就職環境がどうあれ、自分らしい納得感のある就職を目指して、これからの就職活動を頑張ってもらいたいと思っています。

マイナビ専務取締役 浜田氏
本学OGの中島さん

 同授業には、本学卒業生のマイナビ社員も駆け付けてくれました。本学2020年度生活科学部現代生活学科卒の中島みゆさんです。中島さんは、マイナビに入社2年目。営業職として転職を扱うセクションに所属しており、企業から求人を集める営業が今の仕事とか。今の仕事に「すごくやりがいと楽しさを感じる」と語り、学生に向け「皆さん、就活頑張ってください」とエールを送ってくれました。

深澤晶久教授の話

 マイナビの浜田専務とは、もう15年来、大変にお世話になっています。毎年、この授業にお越しいただいていますが、マイナビのサイトの説明にとどまらず、ご自身の就職活動を含めたキャリアの興味深いエピソードや、マイナビという会社の社会的意義など、学生にとっては、毎年、本当に多くの学びの機会をいただいています。

 “就活の本質”という、浜田専務でしかお聞き出来ない内容であり、これから就職活動に臨む学生にとって、貴重な時間となりました。浜田専務にはこの場を借りて、厚く御礼申し上げます。

深澤教授
2021年12月10日

JALと本学の社会連携授業がスタート!学生が地域活性化のプラン提案へ(11/10)

 日本航空(JAL)と本学の社会連携授業が11月16日(火)、現代生活学科の授業「実践キャリアデザイン」でスタートしました。JALの地域活性化に関する取り組みを授業で取り上げ、学生がJALの強みを活かす地域活性化の新規事業を提案します。JALからは講師役などで産学連携部人財開発グループマネジャーの猪田京子氏ら4人が参加。最終プレゼンテーションを12月14日と同21日の2回に分けて行います。猪田氏は授業のなかで「ワクワクするような提案を楽しみにしています」と学生たちに語り掛けました。

JAL本社(グーグルマップから)

課題は「地域活性化の新規事業」

課題が提示されました!

 キックオフ授業は、10日午前10時55分から本学日野キャンパス4館411教室で行われ、JALからは猪田氏のほか、産学連携部人財開発グループ長の石田智代氏とマネージャの塩崎雅子氏、企画グループ長の粟賀仁也氏が参加しました。グループワーク(GW)に先立ち、猪田氏がJALについて▼SDGsの取り組みやESG経営▼コロナ禍での航空会社の対応▼地域活性化の取り組み▼同社の強み、大切にしている価値-などを紹介。その上で、学生が取り組むグループワークについて「10年後のJALを見据えた地域活性化の新規事業を提案してください」と課題を提示するとともに、「提案はSDGsと関連性のある内容を意識してください」と補足しました。

SDGsの目標達成や事業構造転換に必要

 それによると、猪田氏は「地域活性化は日本航空にとって、ESG戦略の重要な柱の一つ」と位置付けた上で、「ESG経営を通して、SDGsの目標達成に向け努力している」と強調しました。併せて、「2011年から10年間地域活性化に取り組んできた。これまでは地域貢献・社会貢献・地域プロモーションが取り組みの中心だったが、昨年から新たに、地域での活動を永続的なものとするために事業化という手法も視野に地域の皆様と施策を展開している」と紹介しています。

 加えて、新型コロナウイルス感染拡大で世界的に航空需要が低迷するなか、コロナ禍を教訓に「航空収入のみに頼らない事業拡大の取り組みを今まさに行っている」と力を込めました。そのために積極的に取り組む分野として、地域事業やマイレージ関連などを挙げています。

SDGs達成への取組

CAの地方配置や大学生の「青空留学」を実現

JALの資料を食い入るように閲覧する学生

 具体的には、2020年11月に各地の地域課題の解決方法を地域と一緒に検討・実行する専門部署として「地域事業本部」を設立。地域事業本部や全国の支社・支店の社員に加えて、客室乗務員(CA)を「JALふるさとアンバサダー」・「JALふるさと応援隊」として任命し、地域の魅力を発掘したり、課題解決に取り組む活動を開始しました。このうち、実際に地方に移住する「JALふるさとアンバサダー」は全国に約20人を配置。乗務と兼務しながら地域活性化に取り組む「JALふるさと応援隊」は約1,000人を発令しました。いずれも客室乗務員から社内公募で選ばれました。

 また、猪田氏は提案内容に対して「日本航空は、地域の課題を発掘し、その課題を解決することで、永続的なヒト・モノの流動の創出に努めている。地域活性化を考える際はこの観点を忘れないでほしい」と期待を表明しました。これを受け、現在進行形で進めているJALの地域活性化の取り組みを説明。例えば、人流をつくる旅行商品は「密にならない旅」や「おこもり旅」、そしてワーケーションにフィットした商品など…を紹介。ウィズ・コロナ時代における新たな旅のスタイルでもある「JALオンライントリップ」のほか、JAL社員と大学生が農家や漁師を訪れ、フィールドワークを通して生産者の課題解決を共に行う共創プログラム「青空留学」なども例示しました。

猪田氏がJALの取り組みを説明

JALにしかできない新規事業を

石田氏はGWで学生と意見交換

 グループワークは、1チーム4~5人単位の14チームに分かれ、最終プレゼンに向け議論を深めます。猪田氏はグループワークに取り組む考え方やヒントを整理、学生にこう語り掛けました。

 「まず10年後の社会を予想してください。それはどの地域の課題解決に取り組みたいのか。どこか特定の地域を限定して提案しても構わないし、日本全国を全体として地域活性化のプロジェクトを提案するのでも構わない。JALならではの価値、JALにしかできないような地域活性化の新規事業を提案してください」

 「今までに誰かが取り組んでいるような事業ではない、何か新しいものを提案してください。地域の人がハッピーになる、そしてJALもハッピーになる、お互いがWin-Winになる内容を期待しています」

GWで学生に語り掛ける塩崎氏

現代生活学科の71人が履修

 社会連携授業の指導教授は、文学部国文学科の深澤晶久教授(キャリア教育担当)です。対象は、生活科学部現代生活学科の2年生。今年度は71人が履修しました。

深澤晶久教授の話

 本科目に於いては、例年後半にグループワークを取り入れていましたが、今までは架空のテーマでの取り組みにとどまっていました。本年は、大学全体でも社会連携の強化が示されており、初めて企業さんにお越しいただき、リアルなテーマでの授業となりました。現代生活学科では、地域連携や地域再生も大切な学びの軸、2年生で取り組む本テーマが、その後の専門科目での学びに繋がるストーリーを創りました。JAL様には、事前準備を含め、全面的なご支援をいただいています。12月のプレゼンが今から楽しみです。 

深澤教授
2021年12月10日

学生が企業のサステナビリティを考えました!丸井グループと社会連携授業を実施(11/6)

 社会課題に対する企業の取り組みを考える「実践ウェルビーイングプログラム」が11月6日(土)、東京都中野区のMスクエアで開かれました。丸井グループ(東京都中野区)と本学の初めての社会連携授業として行われ、丸井グループ社員と学生がチームを組んで先進事例を研究。3チームに分かれて、気になる企業のサステナビリティ活動や特徴を発表しました。

 ウェルビーイングは、直訳すると「幸福、安寧、福利」です。1948年の「世界保健機関(WHO)憲章」の前文で提唱され、近年ではSDGsのゴール3にもWell-beingが登場します。日本企業の間でも、事業を通じて社会課題を解決するWell-beingに関心が高まってきました。また、ウェルビーイングに通ずるサステナビリティ、SDGsについても、多くの企業が取り組みを加速させています。

サステナビリティと企業経営

 プログラムは午前10時半、丸井グループサステナビリティ部の関崎陽子部長の基調講演でスタート。関崎部長は、丸井グループが目指す企業経営のミッション(使命)について、「すべての人が『しあわせ』を感じられるインクルーシブで豊かな社会を共に創る」と説明しました。

丸井Gの企業経営ミッションを関崎部長が講演

社員と学生でグループワーク

 午前11時からは3チームに分かれてグループワークです。具体的には、学生らが事前に調べた▼好きな企業やブランド、商品、サービス▼その企業が取り組む社会課題の解決▼それに対する共感や気付き-を一人一人が報告。その上で、丸井グループ社員を進行役に、企業が今後取り組むべき社会課題を約1時間にわたり話し合いました。

1班

丸井G社員の川瀬さん
真剣な学生の表情
学生は積極的に発言しました
1班の事例研究

2班

丸井G社員の大熊さん
メモを取る学生
学生も雰囲気に慣れてきました
2班の事例研究

3班

丸井G社員の吉良さん
各学生が発表
全員で理解を深める
3班の事例研究

今後取り組むべき社会課題を発表

 正午には、グループワークの結果を、3チームの学生が発表。企業が取り組むべき社会課題について理解を深めました。

1班の発表
2班の発表
3班の発表

9月にキックオフミーティング

 実践ウェルビーイングプロジェクトの指導教授は、文学部国文学科の深澤晶久教授(キャリア教育担当)です。「これからの時代・社会における新しい幸せの形」をテーマに9月16~17日にキックオフミーティング、第1回のプログラムは「日経ウェルビーイングシンポジウム」の視聴を行いました。今回の第2回プログラムには、1~3年23人が参加しました。

丸井Gの皆さんと学生が一緒に

深澤晶久教授の話

 ポスト「東京2020」の取り組みとして、有志による「JWP(実践ウェルビーイング)研究会」を本年9月に立ち上げました。狙いとしては、
①コロナ禍にあって様々な制限を受け、大学生としての幅広い活動が出来ていない学生のための成果外キャリア教育プログラムとして位置づけ、学生たちに学びの機会を提供する。
②2050年責任世代として期待される学生には、2030年がゴールである「SDGs」のその先、言い換えれば「SDGsのその先」に視点を持てる「一歩先を考えられる学生」へと成長して欲しい。
この2点を軸として活動をスタートしました。

 今回の丸井グループ様とのコラボセッションは、その大きな柱であり、既にサスティナビリテ経営の先導者として社会を牽引され、さらにウェルビーイング経営にも先駆的に取り組まれている企業の活動から学びを深めたいと考え、ご依頼を申し上げ実現したものです。教室での学びにとどまらず、企業様からライブでお話しをうかがい、さらには直接ワークショップで気付きを深めること、学生にとっては、とても貴重な機会となりました。全面的にご支援をいただいた丸井グループ様に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

深澤晶久教授
2021年12月8日

オクトーバーフェストが10月に開催されました!日野市や十日町市の住民と学生が交流を深めました(10/2~16)

 深まる多摩の秋を地域の人々で楽しむ「オクトーバーフェスト2021」が、10月2日から16日まで東京都日野市豊田の市立カワセミハウスで開かれました。同フェスト実行委員会の主軸として、本学生活科学部の学生が本部企画・会場運営に参加。3日(日)の「オリジナルテラリウムづくり」や16日(土)の「布川ファーマーズマーケット」などの連続イベントを通して、地元日野市や新潟県十日町市の住民らと交流の場を創出しました。

会場のカワセミハウス

 オクトーバーフェストは、ドイツ発祥のビールのお祭りです。カワセミハウスで行うオクトーバーフェストは、日野発祥のクラフトビール「豊田ビール」を楽しみ、地域がつながるお祭りとして、生活科学部現代生活学科須賀ゼミの学生が発案し、2017年から実施してきました。地域の団体による模擬店・展示、多世代が交流する趣向を凝らしたワークショップなどを例年行っています。

学生が本部企画を運営

学生が本部企画を運営

 今年のフェストは、コロナ禍の影響を受け、初めて2週間のロングラン開催となりました。期間中、本学は▼「日野市のオリジナル地図をつくろう!」をテーマに、まち街歩きマップづくり(3日、10日)▼「ビンの中の小さな日野のまち」と称して、ガラス容器の中で小さな自然を表現して楽しむテラリウムづくり(3日)▼交流のある新潟県十日町市布川地区の新米や新鮮野菜を販売する「布川ファーマーズマーケット」(16日)-などの本部企画を実施。生活科学部現代生活学科の須賀由紀子教授のゼミ学生らが、揃いのカワセミハウス・ポロシャツに身を包み、今年のフェストのために学生がデザイン・制作したオリジナルバンダナを着けて、テラリウムづくりや米・野菜の販売ブースなどを担当しました。

 このうち、テラリウムづくりは3日午後1時から行われ、30代から60代まで親子連れを含む日野市民延べ14人が参加しました。コロナ禍の中で参加者は予約制をとり、屋外テントの専用スペースで、本学学生が参加者に寄り添い、心温まる制作の場を創り出しました。

無印良品も協力

 テラリウムづくりでは、イオンモール多摩平の森(日野市豊田)に店舗を構える無印良品から、テラリウムづくりに適した手頃なガラス容器の商品提供や、フォトスポットの設置などの協力を得ました。

 店長の竹内健太さんによると、同社では地域の課題解決に関する取り組みやイベント開催への協力を積極的に進めており、日野市地域協働課を介して、本フェストへのマッチングが実現したとのこと。本学学生とテラリウムづくりの企画を進めて地域のつながりを盛り上げることができ、竹内店長は、「これからも、こうした地域貢献活動に積極的に協力していきたい」などと語りました。

無印良品も販売に協力

学科を超えた連携も

 これに先立ち、地域への愛着を育む日野市オリジナル地図づくりを3日午前11時から実施しています。参加者それぞれが、自分の好きな商店やお気に入りのスポット、苦い思い出もある場所などを市内の地図に落とし込み、自分だけのまち歩きマップを作成しました。多世代で地域のことを話題に交流するのが狙いです。生活環境学科のスタジオMKラボが、マップづくりにデザイン協力しました。

新潟の米や野菜を販売して地域をつなぐ

布川ファーマーズマーケット

 また、16日(土)の「布川ファーマーズマーケット」には、須賀ゼミが都市農村の支え合いをテーマに交流している新潟県十日町市松之山布川地区の住民4人が、この日の朝に布川地区を車で出発して、3時間半かけてカワセミハウスに来場。同地区で採れた新米魚沼産コシヒカリや朝採りの新鮮野菜を会場に持ち込み、午後1時から販売しました。

 用意された新米は、いずれも雪深い同地区の山の清水を利用した棚田の特別栽培米「山里布川米」です。学生が、1㎏入り・2㎏入り・3㎏入りそれぞれの個数を考えて事前に手配し、合わせて100㎏分の米を、「黒川かわせみサロン」のお母さん方と一緒に販売して、わずか35分で完売しました。一方の新鮮野菜は、かぐらなんばん、モロッコ、糸うりなどの珍しい野菜の他、旬の里芋やさつまいもなど約30種類。布川の「ゆったりクラブ」のお母さん方が育て、大地の滋養いっぱいの野菜で、販売を待ち望んでいた来場者が、先を争って購入していました。

35分で完売

布川住民とギャラリートーク

ギャラリートーク

 直売に続き、布川地区の自然や住民の暮らしぶりなどを写真で紹介するギャラリートークが、午後2時から同じ会場で行われました。布川地区を2回訪れたという須賀ゼミの学生2人が司会を務め、小野塚建治さんら布川地区からの住民4人と対談。現地で学生が撮影した思い出の写真をもとに、同地区の魅力や住民の温かさなどを振り返りました。

小野塚建治さんの話

 実践女子大学の学生さんが、十日町市布川地区を訪れるようになって5~6年になります。「布川地区の高齢化の様子が知りたい」というのが、きっかけでした。昨年はコロナ禍で無理でしたが、彼女たちは安価に利用できるバスでやって来ては、長い人で1週間ほど、土日だけの滞在という人もいますが、村の施設や農道の草刈りなどを率先して手伝ってくれています。コロナ禍前は、地区の夏祭りも盛り上げてくれました。

 学生さんが「田植えや稲刈りを是非やりたい」というので、私の家の棚田で昔ながらの旧コシヒカリの品種を使った希少な米作りをしてもらっています。田植えや稲刈りはもちろん、畔の草刈り、天日干しまで学生さんがします。150kgぐらいの収量がありますが、その一部は「まつむすめ」という名前で実践女子大の常磐祭でも販売されています。

 学生さんが「田植えや稲刈りを是非やりたい」というので、私の家の棚田で昔ながらの旧コシヒカリの品種を使った希少な米作りをしてもらっています。田植えや稲刈りはもちろん、畔の草刈り、天日干しまで学生さんがします。150kgぐらいの収量がありますが、その一部は「まつむすめ」という名前で実践女子大の常磐祭でも販売されています。

 高齢化が進んだ地区に若い人が来るというのは、華があっていいものです。在学中だけでなく卒業してからも来てくれる方もいます。実践女子大学の学生さんは、すっかり布川地区に溶け込んでくれていて、今では地区になくてはならない存在となりました。

フェストを盛り上げた仲間と

須賀由紀子教授の話

 オクトーバーフェストは、カワセミハウスが地域の居場所のハブ拠点として開設された2017年から、本学学生の発案がきっかけで行われ、今年で4回目の実施となりました。地域の様々な方がつながり、知り合うお祭りです。

 学生は、このお祭りに、当日の「お手伝い」で参加するのではありません。企画をゼロから考えて、カワセミハウス協議会に提案して了承していただき、その後、オクトーバーフェスト実行委員会が立ち上がり、準備を進めていきます。今年度は、実行委員会副委員長として、須賀ゼミ4年の三須葉月さんが中心となり、須賀ゼミ3年生および4年生の有志が、約半年かけて、コロナ禍の中でも安全にできる内容を工夫し、2週間のプログラムを見事にやり遂げました。告知チラシやプログラム・リーフレット、4m幅の横断幕の制作などもすべて学生が手掛け、地区内の掲示板やポスティング、イオンモール多摩平の森での紹介なども行いました。

 今年はコロナ禍ということで、企画には大変苦労しました。緊急事態宣言が続き、本当に開催できるのかという不安な思いの中で、学生たちはよく頑張ったと思います。豊田ビールが必須のアイテムですが、生ビールの販売はできません。瓶でのお持ち帰り販売に限定し、日野市が始めた「日野デリカー」に依頼して、特別に「豊田ビールに合うおつまみ販売」を取り入れました。また、2週間のプログラムのフィナーレには、須賀ゼミとスタジオMKラボでコラボレーションして、「キャンドル点灯式」を実施。「素晴らしい点灯式で、本当に感動しました」というメールを、地域の方からいただきました。

小径にキャンドルを配置
夕暮れにキャンドルの灯りが映えます
2021年12月8日

学生が闘牛場で実践オリジナル開発の「マスク」「金平糖」を販売!岩手県久慈市と社会連携プロジェクト(10/17)

本学の学生が10月17日(日)、岩手県久慈市山形町の「平庭高原闘牛場」会場で、自らパッケージデザインを手掛けた「マスク」と「金平糖」を販売しました。久慈市と本学の社会連携プロジェクトとして行われ、闘牛場で行う「実践女子大オリジナルグッズ」販売は初の試み。闘牛見物を楽しみに訪れた来場者に、本学と久慈市の絆をアピールしました。

英文学科の3人がデザイン・販売

闘牛場でグッズ販売に奮闘したのは、公募で選ばれた文学部英文学科3年の川島梨楠さんと常盤優佳さん、徳山瑠奈さんです。3人は、久慈市と本学が今年度取り組んだ新商品開発に学生ボランティアとして参加。今回開発した「マスク」と「金平糖」のパッケージデザインを担当しました。

英文学科の3人を遠藤久慈市長が激励

凍える寒さのなか奮闘

平庭高原闘牛場

当日の販売は、11時の大会開始を前に、午前8時半には入り口付近に入場待ちができたため、開始時間を繰り上げてスタート。3人は揃いのピンク色の実践女子大学法被に身を包み、約6時間、マスクと金平糖の販売に声を枯らしました。ただ、外は生憎、気温4度という東京では考えられない寒さに加え、正午には降り出した雨がみぞれに変わるような悪天候。寒さに震えながらの3人の頑張りが光りました。

秋の「もみじ場所」で販売

また、実践グッズ販売が行われた闘牛大会は、年4回定期開催される大会のうち、10月に開催される「もみじ場所」です。同闘牛大会は東北唯一の闘牛大会として知られ、久慈市の観光行事として定着しています。今回、闘牛場入口付近に本学独自の売り場が設けられ、17日の1日だけでマスク100個、金平糖300個の完売を目指しました。

 このうち、マスクは男女兼用で、黒の布地の中に小さく描いた赤い牛の絵柄をワンポイントにあつらえました。また金平糖は、容器のガラス小瓶に牛の絵柄を描き、オレンジ、ピンク、黄の3色の絵柄を用意。価格はマスクが700円、金平糖が800円(いずれも税込)です。

本学オリジナルの「マスク」と「金平糖」

柵内でアピールするサプライズ

柵内を練り歩き本学をアピール

闘牛主催者から嬉しいサプライズもありました。普段は関係者以外許されない闘牛場の柵内に入り、本学グッズを宣伝することを認めてくれたのです。午後12時半すぎ、3人は市職員4人とともに意気揚々と闘牛場内を一周。大学名やグッズ名を連呼して練り歩き、980人近い観衆から拍手喝采を浴びました。

 また、遠藤穣一久慈市長も闘牛場に駆け付け、グッズ販売で奮闘する3人を激励しました。

SNSでグッズや大会を発信

このほか、学生はグッズ販売を契機にSNSによる情報発信も試みています。Instagramに「jissen.togyu」のアカウントを9月中旬に開設。久慈市の情報発信や闘牛大会の広報活動に取り組みました。目標100人のフォロワー数に対し、最終的に105人を獲得、関係者を喜ばせました。

 本学と岩手県久慈市は2019年2月、包括的連携協力協定を締結しました。この協定の一環として秦英貴学長特別顧問と学長室が中心となり、本学職員と久慈市役所職員が闘牛場での実践オリジナルグッズの販売を企画しました。

〔「闘牛場で実践グッズ販売」プロジェクトの流れ〕

08月02日キックオフミーティング。学生ボランティア3人に対する趣旨説明や自己紹介
08月06日久慈市役所とZOOMミーティング。新商品候補の検討
08月20日新商品候補の製造現場を見学
08月30日久慈市役所とZOOMミーティング。新商品を「マスク」と「金平糖」に決定
10月16日現地入り。闘牛場を下見。
10月17日大会当日
アイデアを練る学生3人
久慈市職員とZOOMミーティング
新商品に「マスク」と「金平糖」を決定

2021年11月11日

オリエンタルランドと連携授業が実現しました!学生が客単価向上策を提案(6/29)

東京ディズニーリゾートの運営会社「オリエンタルランド」と本学の夢のコラボレーションが、文学部国文学科の深澤晶久教授が担当する共通教育科目「キャリアデザイン」で実現しました。東京ディズニーランドや東京ディズニーシーの課題解決を提案するPBL授業の最終プレゼンテーションが6月29日(火)に行われ、課題で与えられた客単価の最大化プランを発表。3学部6学科の3~4年生45人が、9チームに分かれて多彩でユニークなプランを競い合いました。

課題は、講師を務めた同社フード本部フード統括部の横山政司部長から与えられました。具体的には「パーク内でのフード客単価を『最大化』させる施策を提案せよ」です。横山部長は6月8日(火)の課題提示に際して、▼面白いこと▼説得力があること▼情熱にあふれていること-を、学生が行う提案内容やプレゼンに求めました。

「月間フードランキング」など提案-2班

ディズニーオタクに景品ランダム化作戦-1班

モバイルオーダーを導入-3班

「売り子販売」を提案-9班

待ち時間を楽しむコンセプトメニュー-4班

和食のおにぎり販売-5班

自販機で待ち時間活用-7班

フードも屋外広告を-6班

コイン配布やプリクラ機設置-8班

熱のこもった9チームのプレゼンに対し、横山部長は「月間フードランキング」などを提案した2班の発表を最優秀と認定しました。また、学生間の投票で最も評価が高かったのは、9班の「売り子販売」でした。

横山政司・オリエンタルランドフード本部フード統括部長の話

各チームとも発表ギリギリまで詰めて提案してくれました。その熱量は私のところにも十分に伝わってきました。最後まで諦めず、より良いものを追求して提案することは、仕事する上でも、すごく大事な姿勢です。

 プレゼンテーションも、どのチームも工夫を凝らしており、すごく分かりやすいものでした。自分たちのプレゼン力に自信を持ってください。

 その上で、皆さんが一層成長するために必要と思うことを4点挙げます。
1点目は提案の説得力です。現状分析をしっかり行った上で、一番ポイントになる課題を抽出し、解決案を探るべきです。説得力を高めるために、現状分析をしっかりやりましょう。

 2点目は、課題の本質を捉える事です。1店舗の客単価だけ上がっても、他の店舗の客単価が下がり、全体の客単価も下がれば、ミッション達成とは言えません。その辺の視点が、もう少し欲しかったと思います。

 3点目は、提案の一貫性です。チームで役割分担して作ったパーツを1つに結合した時に、全体の一貫性があるか、論理が通っているかを忘れずにチェックして下さい。

 4点目は、全員が意見を言えるチーム作りです。一部の人の意見だけでプランを作るとスムーズに進みますが、抜け穴も多くなります。様々な価値観の人が意見を出し合ったプランは、時間はかかりますが、抜け穴が塞がれ、実行段階でスムーズに進みます。全員が意見を出し合えるようなチームづくりを心掛けてください。

講師の横山政司部長
深澤晶久教授

深澤晶久教授の話

学生にとって極めて関心の高いオリエンタルランド社との連携授業は、当科目にとっても、大切な時間となっています。特に本年度は、今までにないリアルなテーマであり、学生にとってのハードルは上がったものの、深く企業や、仕事のことを考察する時間となりました。

 横山様には、プレゼンテーション当日まで、幾度となくアドバイスをいただき、仕事の厳しさも学ばせていただきました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。就職活動を目前に控えた学生にとって、働くこととは、仕事とは、そして企業とは、一人一人が自らと向き合い、どこまで深く考えられるかが重要であることに気づいて貰えればと考えています。

2021年11月4日

東京五輪開幕日の一面紙面を学生が模擬制作!スポニチとの社会連携授業が集大成を迎えました(7/13)

2021年7月23日開幕の東京オリンピック2020を受け、開幕日当日のスポニチ一面紙面を学生が模擬制作する授業の最終プレゼンテーションが7月13日(火)、本学渋谷キャンパスで行われました。スポーツニッポン新聞社と本学の社会連携事業として行われ、実際にスポーツニッポン新聞社の輪転機で刷り上がった模擬紙面を使い、5チームが一面紙面の出来栄えを競いました。東京オリンピック2020も無事閉幕、4年間続いた名物授業は今回で一応の集大成を迎えました。

最終プレゼンは、1チーム4~5人の5チームが、「アメリカ」「南ヨーロッパ」などのチームごとにスポニチ一面の模擬紙面を発表しました。これを受け、スポーツニッポン新聞社の藤山健二編集委員が紙面の出来栄えに講評を加えていきました。ちなみに、アメリカや南ヨーロッパなどのチーム名は、履修者に関心のある国をアンケート集計した結果をもとに、チーム分けをしています。

参加国の公式ユニホームに注目-1班

東京五輪開幕、ユニホームの金を探せ!
=TGCオシャレ番長はどこの国?=
-世界の有名ブランドが終結!目が離せない-

参加国の公式ユニホームにスポットを当てたのは、1班のプレゼンです。新聞各社が有名デザイナーに依頼して公式ユニホームの小論を書いてもらうほど、公式ユニホームは注目されており、1班の着眼点は高く評価されました。

 それによると、1班は各国の公式ユニホームを制作したブランド会社をそれぞれ調査。公式ユニホームの制作メーカーが、フランスはラコステ、アメリカはラルフローレン、イタリアはアルマーニなど各国を代表する有名ブランドであることを紙面で伝えました。ちなみに、日本のフォーマルウエアはAOKIホールディングス、カジュアルウエアはアシックスです。

 同班は、東京開催を意識したとみられるデザインにも、着目しました。例えば、スウェーデンは自国ブランドのH&Mから日本のユニクロに変更したほか、イタリア選手団の公式ジャケットの内襟には、日本の伝統的な寺院の図柄の上にイタリア国家の歌詞が印刷されているなどのエピソードも紹介しました。

ジェンダーと絡めてみては?

1班

これに対し、藤山氏は、1班が作成した紙面について「見出しも『おしゃれ番長』はかっこいい。また、東京五輪コレクションはとっても面白かった」と感想を述べています。

 その上で、色彩豊かな他国のユニホームに対し、「日本は日の丸ということで、どうしても赤と白ばっかりで、上に赤か、下に赤かという、ただそれだけなので、毎回同じような形にどうしてもなってしまう」と批評しました。というのも、「日本は女性がスカート、男性はスパッツという固定観念があるからだ」と言います。これに関連し、藤山氏は「海外はほとんどジェンダーの時代だ。ユニホームが男女で統一されている国もある。ジェンダーの問題と公式ユニホームを絡めた視点で書くと面白いかもしれない」などとアドバイスを送りました。

新競技「スケートボード」に注目-2班

竜飛鳳舞、華麗な技で世界へ
=東京五輪新競技「スケートボード」から目が離せない=
-パーク男子部門はスノボメダリスト”二刀流”平野歩夢に注目-

2班は、5グループの中で唯一、競技そのものをテーマに取り上げました。東京大会から正式採用された新競技「スケートボード」に注目。新競技の魅力を伝える紙面づくりを試みました。

 それによると、同班はスケートボードの魅力を1940年代アメリカ西海岸発祥の歴史まで遡ってひも解き、現在ではスポーツのみならず、若者にはファッションとしても受け入れられていると紹介しています。

 その上で、スケートボード競技に特有な用語などを丁寧に解説。競技には男女とも「ストリート」と「パーク」の2種類あることや、その採点方法などを紹介したほか、空中で時計回りに一回転半する「バックサイド540」など注目の大技についても、説明を加えました。

 また、メダル有望の日本選手も挙げています。具体的には▼ストリート男子は、堀米雄斗選手▼ストリート女子は、19歳の西村碧莉(あおり)選手▼パーク男子は、冬季五輪種目スノーボードの銀メダリストでもある平野歩夢選手-を挙げました。

2班の紙面

インパクトある見出しに驚き

2班

プレゼンを受け、藤山氏が驚いたと学生に語り掛けたのは、見出しの「竜飛鳳舞」でした。非常にインパクトがあり、藤山氏も「スケートボードを中国語にすると、この言葉になるのか?と一瞬、間違ったほど」だったとか。藤山氏が「こんな難しい言葉をよく知っていたね」と水を向けると、学生は「スケートボードに合うような、かっこいい単語をメンバーで一生懸命探し、ぴったりの単語を見つました」と胸を張りました。

【東京五輪2020を振り返って】

日本選手は、4種目で金3銀1銅1と期待以上の活躍を見せました。男子ストリートの堀米雄斗選手は学生も予想した通りの金。女子ストリートは、西矢椛(もみじ)選手が史上最年少の金、中山楓奈(ふうな)選手が銅。女子パークは四十住さくら選手と開心那(ひらき・ここな)選手が金銀と表彰台のワン・ツーを占めました。一方、学生期待の西村碧莉選手は8位。平野歩選手は14位で残念ながら決勝進出はなりませんでした。

五輪と生理、遅れた日本のピル事情-3班

五輪と生理、知らなかったピル事情
=北京五輪出場時にピル服用、使用期間が短く体重増加、結果出せず知識不足を後悔=

いかにも「女子大生らしいテーマ」と評されたのが、3班のプレゼンです。同班は「生理でも絶対休めないオリンピックのアスリート達はどう向き合っているのか」という問題意識から議論をスタート。アスリートの生理対策、とりわけ欧米に比べて遅れた日本のピル事情に注目しました。

 それによると、学生たちは日本のアスリートのピル使用率は2%にすぎないのに対し、欧米のアスリートは83%に達していると指摘しています。欧米に比べ格段に少ない上、生理やピルに関する知識や理解も不足しているのが実情と問題提起しました。

 具体的ケースとして、大会時にピルを使用していたという元競泳日本代表の伊藤華英選手を取り上げました。同選手は2008年の北京オリンピック大会の際、ピルの使用法を誤り、思うような結果を残せなかったからです。

 逆に、ピルを正しく使用すれば、多くの効能があるとも学生は強調します。例えば、元アルペンスキーの花岡萌選手です。花岡選手は、ピルで生理のタイミングをコントロールすることに成功。競技生活のここぞという時に集中することができたと学生たちは紹介しました。

 その上で、学生たちは、ピルの使用は産婦人科で相談する必要があると結論付けています。自分の体に合った対処法を医師と見つけていくことこそが、最も重要と考えたからです。

3班の紙面

「指導者」が問題?

これに対し、藤山氏は「皆さんが最初と言いますか…」と、3班が女性アスリートと生理の問題を取り上げた意義を評価しつつ、この問題に関する日本の現状を解説しました。具体的には、「日本はとても遅れている」と指摘した上で、「女性アスリートからは指導者に何も言えないし、指導者も何もしない」というお寒い現状を説明。その原因を「監督やコーチ、トレーナーとか、いわゆる指導者が、圧倒的に男性が多い」ことに求めました。

 このため、日本に限らず世界的にも、この問題に関する限り「男性の指導者は、ほとんど(女性アスリートの)役に立っていない」と批判。この結果、女性アスリートとしては「何も指導者に相談できないし、正しい選択ができなくなっている」と嘆じました。

3班

「性的ハラスメント問題」にメス-4班

4班の紙面

性的画像問題からアスリートを守れ
=「性的写真を撮られていると感じたことがある」=
-元オリンピアン田中琴乃さん-

4班は、「今スポーツ界を揺るがす大問題」となっている性的ハラスメントを取り上げました。学生は盗撮のほか性的写真のネット投稿などの「ユニホームによる性的ハラスメント問題」について、女子大生の目線から主張を展開。スポーツジャーナリズムの視点から規制の提案なども行いました。

 性的ハラスメントは、演技・競技中に撮影された写真を性的に切り取ることで選手に不快感を与えることです。それによると、4班は性的ハラスメントの現状を知るため、当事者である選手側とメディアの双方に取材を試みました。

 このうち、選手の立場からは、新体操団体の田中琴乃さんが取材に応じ、「性的な写真を撮られていると感じたことがある」などと語りました。田中さんは、2008年北京五輪と2012年ロンドン五輪の新体操団体の日本代表です。併せて、大会での撮影の規制の緩さにも苦言を呈しています。

 他方、メディア側からは、スポーツニッポン新聞社写真映像部の高橋雄二カメラマンが、学生からの取材に応じました。具体的には、選手を写真撮影する際に規制があるかなどの問い掛けに対し、「撮影許可を得るため取材申請書を提出する必要はあるが、報道機関として表現の自由は担保されている」と強調。ただ。「まれに、カメラマンの中にも性的な写真を狙っている人がいないとは言えない」と私見を述べています。

 その上で、学生たちは、独自の解決案を提案しています。具体的には、大会組織委員会の対策に加えて▼報道写真を保存・スクリーンショットすることができないアプリやHPサイトの作成▼性的な意図を入れない写真掲載を誓約書提出で義務付け▼美しい写真を撮ったカメラマンに対する表彰-などの実現を求めました。

記事の現場取材を称賛

4班のプレゼンに対し、藤山氏が最も評価したのは、4班の記事がきちんと現場取材を踏まえて書かれた点でした。具体的には、体操協会や水泳連盟、スポニチの写真部に対して、それぞれ質問状を提出。その回答を踏まえて記事を執筆しています。他チームは、記事の情報源がネット情報中心なのに比べ、藤山氏は「5グループの中で、実際に質問して答えをもらうという手順を踏んだのは、ここだけだ」と語り、同班の真摯な取材姿勢を称えました。

【東京五輪2020を振り返って】

 競技大会本番では、ドイツ体操女子選手が足首まで覆うタイプのユニホーム「ユニタード」を着用したことで注目を集めました。ドイツ体操協会によると、「女性アスリートが性的対象にされることへの抗議」のため採用したと言います。大会組織委員会は2021年3月、競技会場の入場者に対し、「アスリート等への性的ハラスメントとの疑念を生じさせる写真、映像を記録、送信もしくは作成すること」を禁止。さらに違反した場合は強制退場もありうると決定していました。規制強化の背景には、日本でも女性アスリートの競技中のテレビ映像から、無断で画像をキャプチャーして淫らな言葉とともにアダルトサイトに投稿したとして2021年5月、自営業の男性が警視庁に逮捕されたことも考慮されました。

4班

応援アプリで「無観客」観戦にフィット-5班

5班の紙面

「ステピク」アプリが繋ぐ応援の輪
=遠くからでも気持ちは届く=
-五輪会場で声援できなくても”同志”と一緒に-

新たにオリンピック応援アプリ「ステピク」を開発、自宅から東京五輪を楽しむ応援方法を提案したのは5班です。おりしも東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は、7月8日に五輪競技の「無観客」開催を決定。図らずも応援アプリを活用する同班の提案が、どのチームにもまして、「タイミング的にベストフィットな提案」と評価されました。

 それによると、応援アプリに搭載する機能は、アバターやチャット、応援ソングの設定など。このうち、アバター機能は自分のアバターをネット空間につくり、このアバターを介して選手を応援可能にします。自分のアバターは、自分の顔写真を取り込み作成するほか、参加国のユニホームと着せ替えを実現。また、アクセサリーとしてメダルも着用可能にします。

 メダルは、「金メダル」や「銀メダル」、「銅メダル」に分け、試合観戦で獲得した合計ポイント総数に応じて貰えます。このうち、金メダルはスポンサー企業からのオリジナルプレゼント付きとします。

 また、チャット機能は、五輪会場で声援できないサポーターに対し、SNSを介して他のサポーターと会話する機会を提供します。応援ソングは、チャットの投票機能を使い、オンライン観戦中を聴く音楽を選べるようにしました。

架空の話と思わせない出来栄え!

これに対して、藤山氏は完成した5班の紙面の出来栄えについて「これがまったく架空のものだと全然気が付かなかった。それぐらい本当にある話として原稿を読ませてもらった」と完成度の高さに舌を巻きました。さらに、ポイント付与や金メダル獲得という同班のアイデアを「発想として面白い。とても読者の興味を引く内容になっている」と称賛しています。

【東京五輪2020を振り返って】

 東京五輪2020の開幕式は、23日午後8時から東京都新宿区の国立競技場で、無観客で開催されました。このため、翌24日のスポニチ紙面はもとより五輪の話題一色です。一面と裏一面をぶち抜き、開会式のパノラマ写真とともに、こう読者に呼び掛けています。

5班

東京五輪、上を向いて歩こう。
=1年延期 歓声なき開会式=
-こんなときだからこそ、スポーツの持つ力に希望を託したい。-

では、23日開会式当日のスポニチ朝刊の一面は、実際のところ、どうだったのでしょうか。本連携授業の歴代の履修学生が、毎年工夫を凝らした紙面づくりを試みた開会式当日朝刊の一面模擬紙面のことです。リアルの紙面の一面トップは?それは「日本の男子サッカーが1次リーグA組初戦で南アフリカと対戦、1-0で勝利した」という記事でした。

久保 黄金の左だ!
=森保J白星好発進=
-五輪日本最年少弾「決めるとしたら自分だと」-

160人が履修

オリパラを盛り上げるための4年間に幕

スポーツニッポン新聞社と本学の連携授業は、2~3年生が対象のキャリア教育科目「国際理解とキャリア形成」のなかで実施されてきました。指導教授は、文学部国文学科の深澤晶久教授(キャリア教育担当)です。今年度で4回目であり、160人が履修しています。東京オリンピック2020も無事閉幕、4年間続いた名物授業も、今回の授業でめでたくフィナーレとなりました。

最後に記念撮影

スポーツニッポン新聞社・藤山健二編集委員の話

今回のプレゼンテーションは4年間の集大成にふさわしい作品ばかりで、改めて学生たちの持つ創造力と可能性に感心させられました。最初にこの授業のお話をいただいた時は〝女子学生とスポーツ新聞〟という意外なコラボが果たしてうまくいくのかどうか心配しましたが、実際に出来上がった紙面は私たちの想像をはるかに超えるものでした。

 グループのみんなで力を合わせて作り上げた原稿や見出しを弊社の専門記者が本物と同じようにレイアウトして刷り上げ、それを初めて目にした学生たちから大きな歓声が上がった時には、私も肩の荷が下りたような気がしました。コロナ禍での東京五輪・パラリンピックは生涯忘れられない思い出になったと思います。その思い出の中に、自分たちが作り上げた素晴らしい紙面も一緒に残しておいていただければ幸いです。4年間、ありがとうございました。

藤山編集委員
いつも的確なコメントに感謝
深澤教授

深澤晶久教授の話

2018年から4年にわたり、スポーツニッポン新聞社様にサポートをいただきました。スポーツ新聞という、どちらかと言えば女子大生からは距離のあったメディアとのコラボレーションということでありましたが、ベテラン記者藤山様、そして矢野俊哉・ビジネス開発局営業第二部長様をはじめとしたスポーツニッポン新聞社様の全面的ご支援のおかけで、オリンピック・パラリンピック連携講座の顔ともなる、素晴らしい授業を展開することが出来ました。

 オリンピック・パラリンピックを通じて多様性の理解や受容、そして思いがけない事態となった大会の延期下における考察など、極めて貴重な学びの時間となりました。とりわけ学生たちの姿からは、最終的な成果物として、世界に一枚しかないスポーツニッポン新聞の一面を手にできたことが、充実感に繋がったものと考えています。この場を借りてスポーツニッポン新聞社様関係各位に感謝申し上げます。

2021年11月2日

アパホテルと本学の社会連携授業が実現!元谷拓専務が独自の「自己表現法」を講演しました(10/6)

アパホテル専務取締役の元谷拓氏を特別講師に招いた社会連携授業が10月6日(水)、髙瀨真理子・短期大学部日本語コミュニケーション学科教授などが担当する「自己表現法」の授業のなかで実現しました。題して「自己表現やコミュニケーションの工夫が学べるトーク力とプレゼン術」。「出会って3分で『次もまた会いたい人』になる」や「自己紹介は3秒スピーチ」…さらには「自分らしさと自分の重要な武器を整備する」等々。独特ながらもインパクト抜群の「元谷メソッド」が、本人により惜しみなく学生に伝授されました。

お菓子もカレーも、旺盛なサービス精神

講師の元谷専務

講師の元谷氏は、どこまでも人を楽しませるのが好きな人でした。旺盛なサービス精神は、学生が相手でも健在。100分の授業時間中、有名パティシエのお菓子を配り、母親のサイン入り色紙を配り、ストラップ、自著本…、そして自身がプロデュースした自慢のアパカレーも。「実践女子大で(授業で)お菓子配った人いますかね。出入り禁止になりますかね」などと楽しそうに話しながら、ひとときも学生を飽きさせませんでした。

 元谷氏が、授業の中で垣間見せた自由で縛られない発想、そして圧倒的なユーモアセンス。それは元谷家のDNAなのかも知れません。というのも、母親はテレビでお馴染み、派手な帽子がトレードマークのアパ社長の元谷芙美子氏だからです。次男の拓氏によると、芙美子氏は「否定的なことを言われても、その切り返しが実にうまい」のだとか。かつて、毒舌で有名なテレビタレントにテレビ番組出演中、「誰がこんなババア連れてきた」と暴言を吐かれても、「(私は)ババアじゃないわ。アパよ」とすかさず切り返したエピソードも明かしてくれました。

講義を能動的に観察する学生も

他方、学生たちの授業に取り組む態度も見事でした。多くの学生が、元谷氏の講義を契機にこれまでの自分の自己表現を省みたのは当然として、その間に、逆に元谷氏の言葉や一挙手一投足を細かく観察する学生もいました。

▼「元谷さん自身の話の仕方や構成が本当に上手で、内容に引き込まれた。話をするだけでなく、持ってきていただいたプレゼントの数々を出すタイミングも上手いなと思った。内容的にはとても関心のある内容だったが、実物やテキストを適度に織り交ぜることで、さらに聞き手に興味を持たせるような内容だった」(反町瞬音さん)

▼「お話の途中での元谷さんの気配りも印象に残っています。それは、落ちている筆箱を見つけて拾っていたことです。お話している最中では気付きにくいのにもかかわらず、それに気付くところが素晴らしいと思いました。そのようなちょっとした気配りが自分の好印象にもなるし、相手から興味を持ってもらえるのだと気付きました」(西田清香さん)

後日、学生が提出した授業の感想です。いかがでしょうか。とりわけ、これら2人の学生の観察眼は秀逸です。元谷氏の言葉を理解するのに必死な「受け身な自分」がいる傍ら、その自分と元谷氏のやり取りを客観的に観察するもう一人の「能動的な自分」が、感想文の行間から感じられるからです。いわゆるメタ認知能力の高さがうかがえます。自分自身が行っている行動や思考そのものを認知の対象として、自分自身を客観的に認識する能力のことですが、髙瀨教授によると、「メタ認知能力の涵養は、前期の授業から一貫して重視してきた」とのことでした。

気が付けば机の上はプレゼントの山

「自己紹介は3秒で」に驚き

講義の合間にアパカレーもPR

学生は、この日の特別授業から実に多くのことを学びました。とりわけ、「自己紹介は3秒スピーチ」「話は面白くて短い方がいい」というプレゼン術は、多くの学生の共感や驚愕を集めたようです。例えば、

▼「いい印象を与えたいがために自分の趣味や好きなことをたくさん話していた。しかし聞く側になると、たくさん話している人ほど印象が薄かったり、印象を覚えていないことが多いのに気付いた」(田倉葵さん)
▼「自己紹介は相手を惹きつけるためにあり、自分を知ってもらうためではない。3秒という短い時間に相手の興味を引く一言が必要」(小高千晴さん)

 「そもそも自己紹介は何のためにあるのか」。元谷氏のシンプルな問い掛けは、学生の先入観を180度転換させるのに十分でした。

人よりずば抜けた武器を整備せよ!

また、「人より、ずば抜けたものがあるといい」というアドバイスを挙げた学生もいました。元谷氏は大学に通いながら専門学校にも通学。いわゆるダブルスクールで宅地建物取引士の資格を大学1年生時、当時としては国内最年少で取得しました。元谷氏は、自分の重要な武器を整備する意味を十分理解しており、その大切さを自らの体験を踏まえて学生に丁寧に説きました。例えば、

▼「元谷さんが宅建を大学1年で取ったように、人よりずば抜けたものがあるといいと仰っていた。私は今のところそれがないので、自分が得意なものや資格を見つけ、就活でこの人は他の人と違うなと思えるようにしたい」(鈴木梨音さん)
▼「私が最も最優先にすべきことは、自分の強味を見つけることだと思った。他の人と同じような強味では、面接などで自分を説明する時に相手に良い印象を与えられない」(齊藤紗佳さん)

 宅建の資格を取得したのは、元谷氏が「誰にも負けないものを学生時代に取りたかったから」と言います。この結果、「自分にしか話せない経験や知識を手に入れることが重要」と強調する元谷氏のアドバイスは、1年後に本格的な就職シーズンを迎える学生にとり、何よりの刺激となりました。

色紙に母親アパ社長の教え
教室の授業風景

「自己表現力」をさらに磨く

「自己表現法」の授業は、短期大学部日本語コミュニケーション学科の1年生を対象に、同学科の髙瀨教授のほか、大塚みさ教授、佐藤辰雄教授、西脇智子准教授が担当する必修科目です。前期に履修する「実践入門セミナー」や「日本語表現法」などで培った自己表現力をベースに、就職に向けた実践力をブラッシュアップすることを目指しました。

参加者全員の集合写真
担当の髙瀨教授

髙瀨真理子教授の話

元谷氏の講義を受け、後日、学生それぞれが面接に欠かせない自己紹介トークを考え、お互いに発表し合う機会を持ちました。例年に比べて、学生それぞれの自己アピール力が格段にレベルアップしていました。
元谷氏には、多忙のところ本科目で講義をしていただき、心より御礼申し上げます。

2021年9月15日

「人権意識」や「誠実・素直さ」を養う新人研修などを提案!サントリーHDと初めて社会連携授業が実現しました(7/2)

サントリーホールディングス株式会社の新入社員向け研修を本学の学生が提案する課題解決型授業(PBL)の最終プレゼンテーションが、7月2日(金)に行われました。本学とサントリーHDが協力して行う社会連携授業が、キャリア教育科目「実践プロジェクトa」において、今年度初めて実現しました。プレゼンでは、多様性や人権を意識したオーストラリア研修のほか、「誠実・素直さ」を養う研修、「デジタルデトックス」研修、「自らの仕事に価値を見出す」研修などが学生から提案されました。

最終プレゼンは1時間半にわたって行われ、4チームが登壇。「人権×新人研修」(4班)、「社会人としての心を育てる」(1班)、「現代の私たちが考える新人研修」(2班)、「『やってみなはれ』を育てる!~新入社員研修計画~」(3班)の順に各班がユニークな提案を発表しました。具体的な課題は、あらかじめサントリーHDから与えられており、各班は「会社を取り巻く環境を踏まえ、企業人・社会人に求められるものは何なのか、結論を発表して下さい」「それを踏まえ、これからサントリーに入社してくる社員に対する具体的な研修計画を提案してください」の2テーマに沿い、新人研修の意義や内容に関する議論を深めました。

豪研修で多様性を学ぶ

4班

このうち、人権に着目して、オーストラリア研修を通じた多様性を認める新人研修を提案したのは、4班です。同班は、企業人・社会人に求められる資質を▼協調力=コミュニケーション能力(発信力、受け取る力)▼対応力=明るく前向きな思考、理解力▼プラスα精神=求められたこと以上のことをする力▼物事を多角的に見る力-の4つにあると強調。サントリーHDの企業理念の「人と響き合う」「自然と響き合う」の精神を踏まえて、人権の多様性を受け入れられる人材づくりを提唱しました。

それによると、オーストラリア研修は障がい者やLGBTなどの人々と2回にわたり、現地で交流します。それぞれ一週間の研修期間中、ヒアリングやフィールドワークを行い、参加者同士でグループワークを実施。オーストラリアと日本の違いを見つけてもらい、プレゼンテーションをしてもらう予定です。海外交流を踏まえて、サントリーならではの新規ビジネスを提案してもらうきっかけづくりを狙いました。

ビフォー・アフター表に感心

こうした学生の提案に対し、サントリーHDからキャリアサポート室長の斎藤誠二氏、同キャリア開発部課長の阿部優子氏、同キャリア開発部新人研修担当の宮崎優さんが、各班のプレゼンを論評しました。

 4班の提案に対しても、例えば、阿部課長は、企業理念を発展させて人権に着眼した点について「やはり企業理念は、『何のために企業があるのか』『私たちは何のために事業をやっているのか』というところで、すごくこれから大事になる。ここに着目されたのは素晴らしい」などと評価。また、宮崎さんは新人研修の効果をビフォー・アフターの表に整理した点に注目し、「私も新人研修の担当。なので、研修を通して新人がどのように変わっていくのかということを強く考えてくれた点が一番いいなと思った」などと語りました。

 他方、課題や改善点も指摘されています。研修にもビジネス合理性が必要と注文したのは斎藤室長です。オーストラリア研修について「多様性の理由だけでオーストラリアに全員連れて行くことはできない。国内の研修でやるのに比べて多分30倍はお金がかかるし、当然リスクもある」と語り、「私だったら国内に世界中から来ている留学生を呼んで来て、そことセッションをやるかもしれない」などと話しました。

「誠実・素直さ」を養う研修を絶賛

さらに、サントリーHDをして「今までいろんな大学で、このテーマも授業でやってきたが、こういう研修方針を提案したのは実践女子大が初めてではないか」と高い評価を受けた提案が続きました。企業・社会人に求められるゴールに誠実さや素直さを掲げ、それらを養うための新人研修を行うと提案した1班です。同班が強調した誠実さ・素直さを養う研修方針は、グループ全体で社員4万人のメガ企業・サントリーHDの人事部や研修担当をして「すごくいい。本当にこの研修方針は来年から、うちのテーマにしたいぐらいだ」とうならせました。

それによると、同班は新人研修の目的を「社会人としての心を育てる」ためにあると強調。企業人・社会人に求められる資質(ゴール)に▼誠実・素直さ▼他者への理解・個性の尊重▼実践力-を挙げました。

 このうち、誠実さや素直さは、仕事を早く覚えたり、自分の考えばかりに固執して失敗したりしないため、また上司や同僚と良好な関係を築くため重要と指摘しています。

 そのためには、「自分の発言に責任を持つ」とともに、「言い訳や嘘を言わない」ことが大切と強調。自分の研修目標を発表する「宣言大会」を通して、「新人にプレッシャーをかけて自分を律する」とともに、「責任感を自覚させ、研修期間中、その目標を毎日意識するように促すことで、気持ちを持続させる」としました。

 併せて、「新入社員は先輩を見て学ぶ」と語り、上司に対しても誠実さや素直さを求めています。このほか、研修期間を3か月。費用は約5500万円と試算しました。

1班

「実践女子大ならでは」と評価

1班のプレゼンは総じてサントリーHDから高評価を受けており、例えば、阿部課長は「求められる力というのを整理して、それをどう研修につなげるかというところを、しっかりグループの中で考えてくれたということがすごく伝わってきた」などと発表の良かった点を挙げています。

 また、宮崎さんは「上司にも誠実さや素直さが必要という指摘は、非常に重要なポイントではないか」などと問題提起。斎藤室長も「プレゼン内容が、どう実施するかのHOWに流れちゃったのが、ちょっともったいなかった。しかし、そのHOWの説明も、いいところがたくさんあって、もしかしたらこれは実践女子大ならではの素晴らしさかもしれない。ここをさらにMUSTで深堀りしたら、もっと素晴らしいものになっていた可能性がある」などと1班のプレゼンを振り返りました。

デジタルデトックスを研修コンセプトに

2班

これに対し、2班は近年のSNSの普及により若者のコミュニケーション力の低下が気になるとして「デジタルデトックス」を新人研修のコンセプトに掲げました。デジタルデトックスとは、SNSやスマートフォン、コンピューターといったデジタル機器の使用から意識的に距離を置き、自然に触れたり自分と向き合ったりして、精神的・肉体的な疲労をリフレッシュしようとする試みです。

 サントリーHDは、同班の提案について「こういうテーマを出すと、どうしてもHOWのプレゼンテーションがメインになってしまう。ところが、このグループだけは、何をしたいのか、何故なのかというところを相当に議論した気配があり、そのバランス、ボリュームが半々ぐらいで、すごくいい」と高評価を与えました。

 それによると、同班は「現代の私たちが考える新人研修」をテーマに新人研修を構築しました。企業人・社会人に求められる資質として▼主体性▼協調性▼コミュニケーション力▼ビジネスマナー▼柔軟性▼想像力-の6つを挙げ、それぞれのキーワードに求められる要素を「こういうものが必要なのかと誰が見てもイメージできる」までにブレイクダウンした上で詳述しています。

 例えば、主体性について「自分の意思や判断にそって責任を持って行動すること」と「自らの行動がもたらす結果に責任を持つこと」などと説明。それをサントリーHDに当てはめて「やってみなはれ精神や挑戦を続けるという日々新たなことに臨んでいくなか、主体性がなければただの思いつきの行動になる。そうならないために必要な力」などと解説しています。

 その上で、2泊3日の合宿研修を提案しました。1日目の講義に続いて、2日目は山梨県内のサントリー3工場を見学、3日目は富士山に清掃登山を行うとしています。

富士清掃登山を激賞

2班のプレゼンに対し、宮崎さんと阿部課長は、「私たちの今回のテーマには『今、企業人・社会人を取り巻く環境を踏まえて』という視点もあった。このグループは必要な資質だけでなく、ちゃんと環境も考えてくれた」「企業人・社会人に求められるスキルを、ちゃんと言葉化している。その言葉化のクオリティがとても高い」とそれぞれ高評価を与えました。斎藤室長も「主体性とか協調性とかコミュニケーション力というと、誰もが思わず頷いてしまうけれども、本当はどういうことなのか。何を意味しているのか。このグループはそこを相当議論した気配があって、それを具体的に書き込んでいる」と宮崎さんと阿部課長の称賛に同調しています。

 このほか、富士山の清掃登山という提案も、サントリーHDの皆さんの心に刺さったようです。例えば、斎藤室長は「富士山に登るだけでなく清掃活動するというのは素晴らしい提案」と激賞。「これはもう『人と自然と響きあう』というサントリーの基本的な企業コンセプトにもかなうし、本当にこれ取り組んでみようかと思うぐらい。山頂まで行かなくても、途中まででいいので」などと語っています。

完成度が最も高い提案

最後の発表は、3班です。同班の提案は「研修提案という意味でのプレゼンテーションの完成度がかなり高い。おそらく4つのプレゼンのなかで、一番高いのではないか」とサントリーHDが瞠目する内容のものとなりました。

 それによると、同班は、最近の若者の傾向を「給料のため、そんなに頑張らなくても構わない」という若者が多いと分析しています。その上で、社会人に求められる能力を▼対人感受力=相手の考えや気持ち考える力▼成長力=失敗しても解決策を逃げずに見つける力▼やりきる力=目標を設定し継続する力▼論理的思考力=解決の糸口を必ず見つける力-の4つにあると指摘しています。

 具体的には、5週間の新人研修を提案。ビジネスマナー研修(一週目)やサントリーについて学ぶ研修(二週目)、新入社員による商品プレゼン(三週目)などを通じて、「自らの仕事に価値を見い出し、責任を持って取り組める人材を育てる」ことを求めました。これらの研修を行うことで、「環境にも配慮できる 優秀な人材が育成され、世界を視野に活躍できると思う。このように積み重ねることで、世界を視野にした事業拡大、SDGsにも配慮できる人材育成が可能になる」などと、未来のサントリー像を描きました。

3班

「自らの仕事に価値を見出す」に共感

3班のプレゼンに対し、宮崎さんや阿部課長は「自らの仕事に価値を見出す」という仕事観に注目。宮崎さんは「仕事は給料のためで人並みに頑張る程度で構わないという人が多い」という表現を取り上げ、「結構、新入社員研修とかで学生気分が抜けていない人がいる。そこもちゃんと冒頭に書いてもらった」と指摘。宮崎さんも「仕事を通して社会に影響するという崇高な目的をセットした点には、すごく共感を覚えた」などと語りました

 また、阿部課長や斎藤室長は、研修体系を各週ごとにテーマと目的、施策と整理した点を評価。それぞれ「各週のテーマが明確で、それぞれの目的を達成するため、施策に落とし込むというスタイルに説得力があった」「具体的な研修提案が、1週目、2週目という形で、非常によくまとまっていた。何のためにということも含めて、完成度が高い」などと振り返りました。

 その上で、斎藤室長は惜しむらくはと改善点も指摘しています。プレゼンの2ページ目や3ページ目の「社会を取り巻く環境」や「社会人に求められる能力」などの分析について、「ここをもっと掘り下げていたら、さらに説得力のある素晴らしいものになったのではないか。この後のHOWにすぐに入ってしまって、このHOWの完成度が高いだけに、もったいなかった」と語りました。

新入生17人が挑戦

サントリーHDの皆さんと一緒に

同授業の指導教授は、本学文学部国文学科(キャリア教育担当)の深澤晶久教授です。新入生を対象に昨年度新設された前期カリキュラム「実践プロジェクトa」の一環として行われ、今年度は1年生17人が履修しました。

 「一般社団法人フューチャースキルズプロジェト(FSP)研究会」が監修する初年次教育プログラム「主体性講座」をベースに組み立てられており、1グループ4~5人の4班がグループ単位で課題解決に取り組みました。

深澤晶久教授の話

サントリーホールディングス様からの課題は、とてもレベルの高いお題であったと振り返っています。
 しかし、サントリーホールディングス齋藤さん、阿部さん、宮崎さんの厳しくも愛情あふれるアドバイスやご指摘をいただき、学生の提案内容は、とても高く評価いただけるものに仕上がりました。ご支援に改めて心から御礼申し上げたいと思います。
 そして、学生たちは、極めて短期間であったものの、この授業の目指すゴールである「主体性を磨くこと」に向けて、大きく成長してくれたと振り返っています。このテーマを考えていくことは、学生が大学時代に何に意識して学びを深めておけば、社会人として通用するかの事前研究でもあるわけです。言い換えれば、これからの4年間、「いかにして学ぶかを学べる」ということになる、とても貴重なお題であると感じています。学生の真摯な取り組みに敬意を表したいと思います。

指導教授の深澤先生