社会連携プログラム
SOCIAL COOPERATION PROGRAM
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2021年11月2日

アパホテルと本学の社会連携授業が実現!元谷拓専務が独自の「自己表現法」を講演しました(10/6)

アパホテル専務取締役の元谷拓氏を特別講師に招いた社会連携授業が10月6日(水)、髙瀨真理子・短期大学部日本語コミュニケーション学科教授などが担当する「自己表現法」の授業のなかで実現しました。題して「自己表現やコミュニケーションの工夫が学べるトーク力とプレゼン術」。「出会って3分で『次もまた会いたい人』になる」や「自己紹介は3秒スピーチ」…さらには「自分らしさと自分の重要な武器を整備する」等々。独特ながらもインパクト抜群の「元谷メソッド」が、本人により惜しみなく学生に伝授されました。

お菓子もカレーも、旺盛なサービス精神

講師の元谷専務

講師の元谷氏は、どこまでも人を楽しませるのが好きな人でした。旺盛なサービス精神は、学生が相手でも健在。100分の授業時間中、有名パティシエのお菓子を配り、母親のサイン入り色紙を配り、ストラップ、自著本…、そして自身がプロデュースした自慢のアパカレーも。「実践女子大で(授業で)お菓子配った人いますかね。出入り禁止になりますかね」などと楽しそうに話しながら、ひとときも学生を飽きさせませんでした。

 元谷氏が、授業の中で垣間見せた自由で縛られない発想、そして圧倒的なユーモアセンス。それは元谷家のDNAなのかも知れません。というのも、母親はテレビでお馴染み、派手な帽子がトレードマークのアパ社長の元谷芙美子氏だからです。次男の拓氏によると、芙美子氏は「否定的なことを言われても、その切り返しが実にうまい」のだとか。かつて、毒舌で有名なテレビタレントにテレビ番組出演中、「誰がこんなババア連れてきた」と暴言を吐かれても、「(私は)ババアじゃないわ。アパよ」とすかさず切り返したエピソードも明かしてくれました。

講義を能動的に観察する学生も

他方、学生たちの授業に取り組む態度も見事でした。多くの学生が、元谷氏の講義を契機にこれまでの自分の自己表現を省みたのは当然として、その間に、逆に元谷氏の言葉や一挙手一投足を細かく観察する学生もいました。

▼「元谷さん自身の話の仕方や構成が本当に上手で、内容に引き込まれた。話をするだけでなく、持ってきていただいたプレゼントの数々を出すタイミングも上手いなと思った。内容的にはとても関心のある内容だったが、実物やテキストを適度に織り交ぜることで、さらに聞き手に興味を持たせるような内容だった」(反町瞬音さん)

▼「お話の途中での元谷さんの気配りも印象に残っています。それは、落ちている筆箱を見つけて拾っていたことです。お話している最中では気付きにくいのにもかかわらず、それに気付くところが素晴らしいと思いました。そのようなちょっとした気配りが自分の好印象にもなるし、相手から興味を持ってもらえるのだと気付きました」(西田清香さん)

後日、学生が提出した授業の感想です。いかがでしょうか。とりわけ、これら2人の学生の観察眼は秀逸です。元谷氏の言葉を理解するのに必死な「受け身な自分」がいる傍ら、その自分と元谷氏のやり取りを客観的に観察するもう一人の「能動的な自分」が、感想文の行間から感じられるからです。いわゆるメタ認知能力の高さがうかがえます。自分自身が行っている行動や思考そのものを認知の対象として、自分自身を客観的に認識する能力のことですが、髙瀨教授によると、「メタ認知能力の涵養は、前期の授業から一貫して重視してきた」とのことでした。

気が付けば机の上はプレゼントの山

「自己紹介は3秒で」に驚き

講義の合間にアパカレーもPR

学生は、この日の特別授業から実に多くのことを学びました。とりわけ、「自己紹介は3秒スピーチ」「話は面白くて短い方がいい」というプレゼン術は、多くの学生の共感や驚愕を集めたようです。例えば、

▼「いい印象を与えたいがために自分の趣味や好きなことをたくさん話していた。しかし聞く側になると、たくさん話している人ほど印象が薄かったり、印象を覚えていないことが多いのに気付いた」(田倉葵さん)
▼「自己紹介は相手を惹きつけるためにあり、自分を知ってもらうためではない。3秒という短い時間に相手の興味を引く一言が必要」(小高千晴さん)

 「そもそも自己紹介は何のためにあるのか」。元谷氏のシンプルな問い掛けは、学生の先入観を180度転換させるのに十分でした。

人よりずば抜けた武器を整備せよ!

また、「人より、ずば抜けたものがあるといい」というアドバイスを挙げた学生もいました。元谷氏は大学に通いながら専門学校にも通学。いわゆるダブルスクールで宅地建物取引士の資格を大学1年生時、当時としては国内最年少で取得しました。元谷氏は、自分の重要な武器を整備する意味を十分理解しており、その大切さを自らの体験を踏まえて学生に丁寧に説きました。例えば、

▼「元谷さんが宅建を大学1年で取ったように、人よりずば抜けたものがあるといいと仰っていた。私は今のところそれがないので、自分が得意なものや資格を見つけ、就活でこの人は他の人と違うなと思えるようにしたい」(鈴木梨音さん)
▼「私が最も最優先にすべきことは、自分の強味を見つけることだと思った。他の人と同じような強味では、面接などで自分を説明する時に相手に良い印象を与えられない」(齊藤紗佳さん)

 宅建の資格を取得したのは、元谷氏が「誰にも負けないものを学生時代に取りたかったから」と言います。この結果、「自分にしか話せない経験や知識を手に入れることが重要」と強調する元谷氏のアドバイスは、1年後に本格的な就職シーズンを迎える学生にとり、何よりの刺激となりました。

色紙に母親アパ社長の教え
教室の授業風景

「自己表現力」をさらに磨く

「自己表現法」の授業は、短期大学部日本語コミュニケーション学科の1年生を対象に、同学科の髙瀨教授のほか、大塚みさ教授、佐藤辰雄教授、西脇智子准教授が担当する必修科目です。前期に履修する「実践入門セミナー」や「日本語表現法」などで培った自己表現力をベースに、就職に向けた実践力をブラッシュアップすることを目指しました。

参加者全員の集合写真
担当の髙瀨教授

髙瀨真理子教授の話

元谷氏の講義を受け、後日、学生それぞれが面接に欠かせない自己紹介トークを考え、お互いに発表し合う機会を持ちました。例年に比べて、学生それぞれの自己アピール力が格段にレベルアップしていました。
元谷氏には、多忙のところ本科目で講義をしていただき、心より御礼申し上げます。

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