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2026年10月15日

受験生の不安を解消!〈社会システム論〉の授業で、東洋製罐とコラボした「Can詰めプロジェクト」が今年も始まりました。

10月6日、実践女子大学人間社会学部の授業〈社会システム論(担当:ビジネス社会学科 篠﨑 香織教授)〉にて、東洋製罐株式会社(以下東洋製罐)の村瀬健氏をお招きし、2026年度「Can詰めプロジェクト」の初回授業が実施されました。東洋製罐との連携による本プロジェクトは、今年度で5年目を迎えます。学生たちは、村瀬氏による説明や動画を通じて、東洋製罐が取り扱うパッケージの価値や役割について理解を深めました。

授業と社会連携について

〈社会システム論〉は、人間社会学部の2年生以上を対象とした学科専門科目です。この授業では、これまでの自身の経験を題材として議論を行い、社会システムを「コミュニケーションの連鎖」として捉える視点を学んでいきます。学生は、時代の変化を踏まえつつ、社会を分析する視点を身につけます。

本授業では金属とプラスチック容器を中心に取り扱うパッケージメーカーである東洋製罐と連携を行っており、今年度も学生が企画・提案を行う「Can詰めプロジェクト」が始まりました。

「Can詰めプロジェクト」は、受験生の悩みの解決を目指して、すでに大学受験を経験してきた学生が、どの時期の、どのような悩みを、どのように解決するのか、問題を発見するところから取り組む企画です。個人のワークからグループワークを経て、アイデアをまとめ、東洋製罐の皆さまにプレゼンテーションを行います。その後、履修学生による相互評価と、東洋製罐の皆さまの評価を総合して、実物化するアイデアを決定します。実物化された缶詰は、次年度のオープンキャンパスで配布する予定です。

連携授業初回では、テクニカルセンター 技術開発統括室から村瀬健氏をお招きし、東洋製罐について、そしてパッケージとなる缶の特徴についてご説明いただきました。学生は、缶詰の役割とパッケージについて理解を深めました。

過去の「Can詰めプロジェクト」取材記事はこちら

2025年度→https://socialcooperation.jissen.ac.jp/topics/9872/
2024年度→https://socialcooperation.jissen.ac.jp/topics/7646/
2023年度→https://socialcooperation.jissen.ac.jp/topics/6476/
2022年度→https://socialcooperation.jissen.ac.jp/topics/4849/

東洋製罐とパッケージ

村瀬氏ははじめに、東洋製罐がパッケージ業界に位置する企業であることを説明し、村瀬氏が所属する開発拠点であるテクニカルセンターのほか、全国14カ所に生産工場があることを紹介しました。

つづいて村瀬氏は東洋製罐が手がける容器たちをスライドに映しながら「商品によって異なりますが、東洋製罐が手がけたパッケージには印がついているんです」と紹介しました。学生たちはスライドを見ながら早速各自の飲物を確認。中には印を発見した人もおり、東洋製罐のパッケージが生活の身近なところにあることを確認しました。

また、製造しているパッケージについて「パッケージは飲料や食品などの持ち運び、保存、販売に関わる存在であり、生活の当たり前を支えているものです」と紹介。続けてパッケージの役割を「中身を守る、どこにでも届ける、中身の価値を伝える」の三つにあることを解説しました。

さらに「東洋製罐では環境に配慮した包装材料や製造工程の開発を行っています」と話し、実際に水を使わない製造工程の開発や、環境負荷の低減を狙う飲料用アルミカップの開発が行われたことを紹介。アルミカップについて、アルミ缶のリサイクル率が99.8%であることに触れながら「環境問題への意識から、脱プラスチックを狙って製品を導入する企業さんもいます」と説明しました。

缶詰に込める意図と企画の方向性

篠﨑先生は「Can詰めプロジェクト」の企画について、東洋製罐グループホールディングス会長 大塚一男氏のインタビュー動画を引用しながら「『手に取ってもらうこと、守ること、ごみにならないこと』の三点がポイント。とくに『ごみにならないこと』に関しては『開けてすぐに捨てない』という視点でとらえ、中身を取り出した後も容器自体に価値を与えるような工夫を皆さんに考えてもらいたいなと思っています」と学生に伝えました。

また、過去の「Can詰めプロジェクト」で実現化された缶の内容や配布方法について具体的に説明。配布当日には、渋谷キャンパス9階に設置されている自動販売機にも、同プロジェクトで企画した缶を設置したことを学生に伝えました。さらに缶の特徴である密閉性、遮光性、缶を開封するときの音と感触について触れながら「缶を開けたときの『解放感』をキーワードに、スローガンも含めて企画を考えてほしいです」と話しました。

学生は実際に実現化された過去のプロジェクトの缶を一人一つ受け取りました。実際に缶詰を手に取り、重さやパッケージなどを触って確認を行い、これから企画する内容に考えを巡らせていました。

授業の最後に

授業の終わりに村瀬氏は「皆さんが取り組む“受験生の悩みを解決する”という企画は、大学の学生募集という課題解決にもつながります」と述べ、今回の取り組みが授業内にとどまらず、大学が抱える課題の解決にもつながるものであることを学生に伝えました。続けて『自由で良い雰囲気をつくる』『批判をしない』といったグループワークを円滑に進めるためのポイント紹介。「企画を進めていく際、缶の特性に注目するだけでなく、受験生や受験生の親の心境、他大学との差別化などにも目を向けてみてください。目的を捉え、多角的に分析し、多くのアイデアを出すことが大切です」と学生たちにアドバイスを送りました。

学生たちは、今回の授業で学んだ缶の役割をテーマに重ねながら、缶詰の企画を進めていきます。

担当教員のコメント

東洋製罐株式会社のご協力により、本プロジェクトは5年目を迎えました。今年は、受験生が「もう無理」と感じたときに開けてもらい、少しでも「大丈夫」と思えるような缶詰の製作に挑戦します。
「社会システム論」では、社会システムをコミュニケーションの連鎖として捉えます。本プロジェクトは、その理解を深める実践の場です。中身だけでなく、パッケージや缶そのものもメッセージを伝えるメディアとして活かし、受験生の心に届く缶詰を目指します。
プロジェクトを始めた当初、「この缶詰をきっかけに実践女子大学に入学する学生が現れたらいいな」と思っていました。今年、ついに「オープンキャンパスで缶詰をもらい、このプロジェクトに参加したくて授業を履修した」という学生に出会いました。缶詰に込めたメッセージを受け取った学生が、今度はメッセージを届ける側になったことを大変うれしく思います。これからも、学生たちの想いが詰まった缶詰を通じて、新たなコミュニケーションが生まれることを期待しています。
改めまして、東洋製罐株式会社テクニカルセンター技術開発統括室の皆様に心より感謝申し上げます。

2026年10月5日

主婦の友社へ訪問し、出版の現場と社会で活きる企画力について学びました。

9月2日、〈国文学マーケティングプロジェクト(担当:国文学科 深澤 晶久教授)〉にて、株式会社主婦の友社(以下主婦の友社)の本社を訪問し、特別プロジェクトに学生が参加しました。

授業と企業連携について

〈国文学マーケティングプロジェクト〉は、文学部国文学科の2年生以上を対象に開講されている集中講座です。「コミュニケーションメディアの変化」をテーマに、国文学科の学びと企業活動を結びつけながら企業のミッションやリーダーシップについて考え、社会で求められる力を身につけることを目標としています。

今回の授業では、書籍や雑誌の出版を行っている主婦の友社と連携を行いました。学生は、出版業界の業務内容や、部署ごとの具体的な仕事の紹介を通じ、自分が社会で働くビジョンを具体的に考える貴重な機会となりました。また、主婦の友社から提示された課題にもグループで挑戦。紙面や特集記事の企画を提案し、現役社員の方々からフィードバックをいただきました。

主婦の友社について

主婦の友社は創業以来100年以上の歴史を持つ出版社です。発信しているコンテンツについて、宇都宮氏は「ファッションや美容、住まい・インテリア、妊娠・出産・育児、料理、健康、さらにはシニア向けの生活情報(認知症、生活習慣病、更年期など)に至るまで、人のライフステージのあらゆる場面に関わる内容を扱っている」と説明しました。

発信の形態についても、雑誌や書籍にとどまらず、漫画や映像、イベントなど多様な手法を用いていることが紹介されました。

また、主婦の友社は、東京や大阪で読者参加型のウェルネスイベント「ご自愛市(ごじあいいち)」を毎年開催しています。今年3月に開催された「ご自愛市」では、本学の学生も登壇し、プレゼンテーションを行いました。今回、学生は昨年秋に開催された「ご自愛市」のトークセッション動画を視聴しました。動画を通じて、主婦の友社が発信している情報やコンテンツの内容、イベントの雰囲気について理解を深めました。

一人では成り立たない編集の仕事

雑誌『健康』編集部の松本氏、橋詰氏からは、編集の仕事について説明がありました。紙面の作成には、企画テーマの決定、取材、紙面の作成、原稿執筆、校閲など、各段階で関係者と連携しながら紙面を作成していることを紹介しました。取材に関する工程や対象者の選定、取材依頼、実際の取材対応など、それぞれの段階で多くの人が関わっていると説明しました。

続いて、『健康』が創刊50周年を迎えたことに触れながら紙面の具体例として、2026年10月号(2026年9月2日発行)に掲載されている防災企画について紹介しました。松本氏は「過去にも同テーマの特集を掲載したことがある」と話し、当時の記事が読者アンケートで高い支持を集めたことを紹介。高い反響から、改めて掲載されることになったことを紹介し、読者の反応が記事に影響を与えていることも話しました。

また、雑誌『ゆうゆう』編集部の秋谷氏は、編集の仕事について「一人では成り立たない仕事」と話し、「一冊の本が、著者にとって名刺代わりとなることもある。だからこそ、携わる仕事に責任をもち、誠実に向き合うことが大切」と学生に伝えました。

人事部の原氏からは、具体的な人事部の業務体制と勤務制度について説明がありました。初めに部署の業務が大きく「労務管理」と「採用業務」の2つに分かれることが紹介され、原氏は「労務管理では給与の計算や入退社の手続きなどを担当し、採用業務では書類選考から面接の調整までを一貫して担当している」と説明しました。

また、主婦の友社では『フレックスタイム制度(指定されたコアタイム以外は自分で勤務時間を調整できる勤務制度)』が導入されていると説明し、「勤務時間を柔軟に組み立てられる仕組みが取り入れられています」と話しました。

学生たちは出版に関心のある人が多く、メモを取りながら熱心に話を聞いていました。また、学生たちにとって仕事の内容が想像しやすい部署を取り上げた具体的な仕事内容の説明は、学生自身が働くビジョンをより明確に想像する機会となりました。

プロジェクト後半!課題にチャレンジ

学生はプロジェクトの後半に、①身近な健康課題を解決する誌面企画 ②同世代に向けたプレコンセプションケア(将来のライフイベントを見据えて、自分の生活や健康と向き合うこと)特集の企画という二つの課題に取り組みました。

課題には3つのチームに分かれて挑戦。学生たちは、松本氏から意見を聞きながら、自分たちに身近な悩みから企画を考案しました。

A班:課題①身近な健康課題を解決する誌面企画

〈自分、今日休みます〉をタイトルにSNSで起こる対人関係のストレスに注目した特集を発表しました。SNSの普及などにより連絡が常時つながるがゆえの負担感やストレスを指摘し、学生、社会人の部下、社会人の上司の3つに分けて悩みを整理する内容としました。最後に専門家の見解も交えながら「正解はない」というメッセージで締めくくることとしました。

A班:課題②同世代に向けたプレコンセプションケア特集の企画

〈この時代を生き抜く〉をタイトルに、ダイエットをテーマに特集を企画しました。課題点として「極端なダイエットに対する危機感が薄れていること」を紹介し、具体的な例を含めながらその危険性について注意喚起する内容としました。また、管理栄養士監修のもと、コンビニなどで実践しやすい食事の工夫を紹介し、4コマ漫画を用いて分かりやすく伝える誌面構成とすることも説明しました。

B班:課題①

〈間食総選挙 いつものおやつをゆるアップデート コンビニおやつ大攻略〉をタイトルに、間食をテーマにした特集を発表しました。学生は「間食を禁止・制限するのではなく、手軽に気楽に健康的なものへチェンジしていくという『ゆる健康』『コンビニおやつ攻略』の提案を行います」と話し、読者が「このおやつは意外とヘルシーである」と知り、次にコンビニを訪れた際の具体的な購買行動に繋がる記事を目指すと説明しました。

B班:課題②

〈プレコンって何? 今と未来を楽しむヒント〉というタイトルで企画を発表しました。紙面を三つのセクションに分けて構成し、プレコンセプションケアという言葉の説明、身近なテーマと絡めた具体的なエピソードや今日から実践できる行動リストの紹介を行った後、手軽に取り入れることができる手段を具体的に紹介し、読者が行動に起こしやすいように支援するとしました。

C班:課題①

〈肌かちゅ、して?〉をタイトルに、肌荒れをテーマにした記事を発表しました。学生は、肌荒れの背景にホルモンバランスの乱れや生活習慣の乱れがあることに触れ、メイクのスペシャリストの見解を交えて具体的に伝える構成を検討していると説明しました。

C班:課題②

〈輝く未来の自分 プレコンセプションケア〉をタイトルに、プレコンセプションケアの重要性をテーマに記事を発表しました。学生は、「聞き慣れない言葉への心理的なハードルを下げることを狙い、言葉の説明を冒頭に掲載する」とし、パートナーの有無別に使い分けられるチェックシートや専門家のインタビューや体験談で語られるケアの重要性など、読者が自分事としてとらえることができる企画を盛り込みました。

プロジェクトの終わりに

宇都宮氏から総括のコメントをいただきました。宇都宮氏は「就職した後にどのような会社や部署に配属されたとしても、雑誌や本以外でもコンテンツを作る機会は実務において多く存在しています。今回の授業で皆さんに体験していただいた、企画を組み立てる際の一連の流れや仕組みは、将来出版業界以外に進んだとしても十分に生かせる考え方だと思います」と、学生に伝えました。

学生にとって今回のプロジェクトは、具体的な業務内容の紹介を通じて自分のキャリアビジョンを創造するきっかけとなっただけでなく、課題として提示された企画立案のプロセスを通じて、社会に出た後も活きるスキルを身に着ける貴重な機会となりました。

担当教員のコメント

本年度(2026年度)、新たに開講した「国文学マーケティングプロジェクト」において、
昨年のウェルビーイングプロジェクトでも大変お世話になった主婦の友社様にご協力をいただきました。
国文学科の学生にとっては、興味関心の高いフィールドである出版業界において、編集という業務や人事に携わる社員の方からの貴重なお話しに続き、実際の企画業務について、事前にいただいた課題に基づき業務体験をさせていただきました。
出版業界を取り巻く環境も激変しており、社員の皆さんが日夜努力されているお姿を間近で拝見させていただいたことは、今後の学びに向けて大きな財産になったと思います。
この場を借りて主婦の友社様には、心から感謝申し上げます。

2026年9月17日

学生が商品企画を提案!〈演習Ⅱa〉の授業で行われた猿田彦珈琲とのコラボ授業で、学生の発表が行われました。

6月24日、演習Ⅱa(Kクラス担当:ビジネス社会学科 篠﨑 香織教授)にて、猿田彦珈琲から代表取締役の大塚朝之氏をはじめとする社員7名をお招きし、提示された課題に対する企画の発表を行いました。今回学生が取り組んだ課題は〈冬でも売れるアイスの提案〉〈1店舗あたり1日10杯のオーダーされるジェラッテ提案〉〈福袋の企画提案〉です。

これまでの授業のあゆみ

初回授業では大塚氏から猿田彦珈琲の理念やコーヒーにかける思いをご講演いただきました。講演後にはフード開発チームの三浦氏、坂本氏、経営企画チームの河村氏から学生が取り組む課題が発表され、授業を通して学生は〈冬でも売れるアイスの提案〉〈1店舗あたり1日10杯のオーダーされるジェラッテ提案〉〈福袋の企画提案〉に挑戦しました。アイスは学生・20代の若年層をターゲットに、11月から3月の販売を想定し、利用シーンなども踏まえて企画を検討しました。またアイスとジェラッテは猿田彦珈琲原宿店での販売を想定し、商品名やPR方法などアイデアを膨らませました。福袋についても、ターゲットやコンセプトを踏まえ、魅力的な商品構成を考案しました。
初回授業の記事はこちら→ https://socialcooperation.jissen.ac.jp/topics/10662/

また、授業の一環として猿田彦珈琲 原宿店を訪問し、実地調査を実施しました。実際の商品や店舗の雰囲気、来店客の客層などを調査し、企画に活かすためのヒントを収集しました。

アイスの提案

〈冬でも売れるアイスの提案〉では、学生一人ひとりが、企業から示されたターゲットや販売時期、利用シーンを踏まえながら、「どんなアイスなら売れるか」を考え、アイデアをプレゼンテーションにまとめました。

特に販売想定時期の冬でも「食べたい」と感じてもらえる商品を目指し、さまざまな視点からアイデアが展開されました。提案では「特別感」「ご褒美」「贅沢」をキーワードに、アイスを食べる時間そのものの価値に着目した企画が多く見られました。濃厚な味わいで贅沢感を演出するものや、購入後に仕上げを楽しむ体験型の商品、トッピングによってオリジナリティを生み出すものなど、価値の提供方法にも学生それぞれの工夫が盛り込まれました。また、SNSでの発信を意識し、見た目の華やかさや写真映えを重視した提案も多く発表されました。

フレーバーについては、猿田彦珈琲らしさを表現したエスプレッソやコーヒーを取り入れたものをはじめ、ショコラやチョコレートを使用した濃厚な味わいの商品、定番のバニラを独自の視点でアレンジしたものなど、多彩なアイデアが提案されました。

学生全員の発表の後に、三浦氏と大塚氏から提案に対する全体的なフィードバックが寄せられました。

三浦氏は「店舗調査でお客様としての体験をしっかりと積み重ねたことが伝わってきました。実現性の高い提案ばかりで、新しい視点をもらいました」と評価が寄せられました。

また、大塚氏からは「大学生の提案とは思えないほどレベルが高かった」との言葉に加え、「自身の体験から得た気付きと、市場調査から見えたニーズのバランスが学生それぞれで異なっていて面白かったです。そのどちらの視点も大切にしながら、今後の提案にも生かしてほしいです」と、今後の学びにつながるアドバイスも送られました。

ジェラッテの提案

ジェラッテと福袋はチームに分かれて発表が行われました。

ジェラッテの提案では“1店舗あたり1日10杯のオーダー”を目標に商品アイデアを考案しました。学生は、商品名、フレーバー、価格、PR方法の4点を軸に詳細な内容を考え、プレゼンテーションを行いました。

Cチーム:和もちジェラッテ

Cチームは“まるで飲む和菓子”をコンセプトに、黒蜜、きなこ、わらび餅を取り入れた〈和もちジェラッテ〉を提案しました。

コンセプトの理由について、調査結果を引用しながら「冬に食べたいと感じる人が多いこと」や「原宿店にも多く訪れる外国人観光客に需要があること」を説明。学生は商品のこだわりとして“食感”を提示し、食トレンドにおいて“もちもち”がキーワードであることを示しながら「わらび餅を取り入れることで食感にトレンド性を持たせるとともに、ドリンクのボリューム感向上を狙いました」と話しました。

また、ボリューム感の高さは満足度の向上とともに「スイーツの代わり」としての役割も狙えると説明。具体的に「友達とカフェに来たけど一人だけスイーツを頼みにくいシーン」に需要があると述べました。

PR方法としては店頭の試飲イベントや学割を提案。商品を実際に体験してもらうことで購買につなげる戦略を立てました。価格帯は「満足感や贅沢感と釣り合う680円程度」としました。

Bチーム:シーズンジェラッテ

Bチームは冬季の11月から2月にかけて販売する、冬の季節感を反映した期間限定のジェラッテ3商品と、それらに合わせた商品戦略を提案しました。

11月〜12月上旬に展開する第1弾は〈ドバイチョコチョコジェラッテ〉。SNSを中心にトレンドフードとなったドバイチョコから着想を得て、内容を「ピスタチオ、カダイフ、チョコフローズンにする」と提案しました。第2弾は12月下旬〜2月に展開する〈5層で楽しむ大人のショコラ&ベリージェラッテ〉。コーヒーゼリーとベリー果肉が味わいのアクセントであると紹介しました。第3弾は2月に展開する〈コーヒージェラッテ〉。コーヒーゼリー、ミルクフローズンにダルゴナコーヒーを乗せ、フローズンとダルゴナコーヒーの味わいの変化を楽しむと述べました。

戦略として、第一弾でトレンドに敏感な女子高校生や女子大学生に認知を広げた後、ホリデーシーズン限定の第二弾へ関心をつなげ、最終的に第三弾で猿田彦珈琲のブランドとの接点を生み出す、という段階的な戦略を説明しました。

PR方法としてはSNSを挙げ、「フレーバーの話題性を狙って投稿を行う」としました。価格については「有名コーヒーチェーンの期間限定ドリンクよりも安く、現在販売されているジェラッテと同じくらいの価格帯を狙い、650円に設定した」と話しました。

Aチーム:杏仁パレット

Aチームは〈杏仁パレット〉というジェラッテのフレーバーシリーズを提案しました。“SNS映え”、“新食感”、“毎日の小さなご褒美”をコンセプトに設定し、味は「ごろっといちごみるく杏仁」「冬みかん杏仁」「抹茶ノエル杏仁」「濃厚杏仁ミルクティー」の4種類を提案しました。

学生は市場調査から、杏仁豆腐が「専門店の出店など、注目度が高まっているスイーツ」であること、そしてスイーツの需要として“SNS映え”、“新食感”、“甘すぎない”の3点があることを紹介。杏仁豆腐をジェラッテに取り入れることで「甘すぎない風味と食感を、新感覚スイーツとしてジェラッテに取り入れることができる。また、白い杏仁豆腐がほかの具材と混ざっていくビジュアルの良さを写真映えに活かすことができる」と話しました。

また、複数フレーバーを展開することにより「並べて写真を撮りたくなるビジュアルにすることで、『飲みたい』だけでなく『写真を撮りたい』を購買動機につなげる」としました。PR方法としてSNSやインフルエンサーのPR投稿を提案し、販売価格は1つ700円と設定しました。

福袋の企画提案

福袋の課題では、コンセプトや価格帯、外装・見た目、内容物を具体的に考え、それぞれの設定に至った背景も含めてプレゼンテーションを行いました。

Fチーム

Fチームの発表では、各班のメンバーそれぞれが考案した福袋の企画を一人ずつ提案しました。

学生たちは、年末年始という季節性や課題で設定された20代のターゲットを踏まえ、商品の組み合わせを通じてどのような体験価値を提供できるかを考えました。「新年の目標を立てる」というシーンを想定し、オリジナルロゴ入りの文具を封入した企画や、「慌ただしい時期に家族でほっと一息つく時間」をテーマに、コーヒードリッパーやサーバーに加え、タンブラーやコースターなど実用性の高いアイテムを組み合わせた企画が提案されました。

また、「大人になった節目として少し贅沢なコーヒー時間を楽しむ」をテーマに、ドリップバッグやコーヒー豆の説明書を添え、自宅でもコーヒーへの理解を深めながら楽しめる福袋や、店舗調査で印象に残ったアイスに着目し、「猿田彦珈琲ならではの魅力を味わいながら、ご褒美時間を楽しむ人」をターゲットとしたアイスモチーフの限定焼き菓子を提案する企画も見られました。

さらに、コーヒーのリラックス効果に着目し、カフェインレスコーヒーのドリップバッグとアロマキャンドル、アイマスクを組み合わせることで、コーヒーとともに心身を癒やす時間を提案するなど、学生それぞれが多様な切り口でアイデアを発表しました。

企画には共通して、福袋の外装にポーチやトートバッグなど実用性の高いアイテムを採用し、購入後も日常的に活用できるよう工夫するなど、商品の魅力を高める提案が多く見られました。

Dチーム:新年を前向きに過ごす福袋

気軽に場所を問わずコーヒーを楽しみたい人をターゲットに、年末年始休暇明けの仕事を前向きに頑張れるよう後押しする福袋を提案しました。価格は3,000円と6,000円の2種類を設定し、どちらも猿田彦珈琲のロゴ入りトートバッグに封入する企画です。

3,000円の福袋には、「コーヒー豆」と「豆を挽くグラインダー」を組み合わせました。学生は、「新しい趣味を始めたい」という新年の気持ちに着目し、「グラインダーがあることで、さらに挽く豆が欲しくなる」と、福袋をきっかけに猿田彦珈琲のコーヒー豆の購入につなげる狙いを説明しました。

一方、6,000円の福袋には、「ポータブルブリューボトル」を提案。販売メーカーに商品コラボの実績があることも紹介しながら、「どこでも淹れたてのコーヒーが楽しめるボトル」として、仕事の合間や外出先でも手軽にコーヒーを楽しめる点をアピールしました。

また、どちらの福袋にも「朝昼夜のシーンに合わせた味わいのドリップバッグ」「デザインランダムコースター」「楽しみ方カード」を封入。特に「楽しみ方カード」は、初めてコーヒー豆を購入する人でもコーヒーの楽しみ方を知り、より特別な体験を味わえるよう工夫されていました。

Eチーム:日常に寄り添うご褒美福袋

Eチームは、福袋のコンセプトを「一年頑張った自分へのご褒美」に設定しました。企画の背景として、年末年始は自分へのプレゼント需要が高まることや、特に女性にその傾向が強いことを調査結果をもとに説明しました。

福袋には、外装を兼ねたトートバッグのほか、ポーチ、タンブラー、カフェラテシロップ、ステッカーなど、実用性の高いアイテムを封入。グッズはベージュやブラウンを基調としたシンプルなデザインとし、日常生活に取り入れやすいことを意識して企画されました。

学生は、「温かみのある雰囲気と猿田彦珈琲らしさ、そして年代を問わず普段使いしやすいデザインを意識した」と説明しました。さらに、ポーチとタンブラーは3色展開とし、どの色が入っているか分からないランダム仕様を採用。福袋限定デザインの実用的なアイテムをランダムで封入することで、「特別感」「実用性」「わくわく感」の3つの価値を提供する工夫が盛り込まれました。

価格は6800円。学生は「『頑張ったから買おう』と思いきって購入ができる価格に設定した」と話しました。価格は6,800円に設定。学生は、「一年頑張った自分へのご褒美だからこそ、思い切って購入できる価格を意識した」と、その価格設定の理由を説明しました。

授業の最後に

社員の皆様から発表に対する総括のコメントをいただきました。

フード商品開発チーム 坂本氏

「あらかじめシーンコンセプトという共通の前提はありましたが、班ごとの発表には個性が光り、それぞれがまとまりのある内容に仕上がっていました。ここまで考えてくれるとは思っていなかったです。今回取り組んでくれた企画の考え方はいろんな仕事に役立つと思います。タイミングをみて、皆さんと一緒に商品開発にむけて動けたら嬉しいです」

経営企画チーム 河村氏

「コーヒー屋なので、コーヒーにまつわるタンブラーとかマグカップでなければいけないという概念が自分の中にありましたが、雑貨やリラックスするためのアロマキャンドルなど『そういうものもアリなんだ』と、皆さんが提案していただいた内容がすごく新しい発見でした。発表の中には現在考えている企画と通じるようなものもあり、デザインやコンセプトなどがとても参考になりました。ありがとうございました。」

代表取締役 大塚氏

「今年もすごく勉強になりました。我々としても学びの場であり、どちらの企画も商品化に向けて進めていきたいと思います。今回の企画を考えるような、背景を深堀して商品を考えていく思考方法は、今後必ず参考になると思います」

担当教員のコメント

4月末から6月末にかけて、駆け足ではありましたが、学生たちは「アイス」「ジェラッテ」「福袋」という3つの商品企画に取り組み、提案を行いました。

 まず、カフェの利用や「おいしさ」に関する論文のレビューを行い、スイーツや福袋についての情報収集、店舗でのフィールドワークなどを重ねました。その上で、アイスは個人で、ジェラッテと福袋はグループで企画をまとめました。

 個人とグループ、それぞれのワークの良さや難しさを経験するとともに、単に「面白いアイデア」を考えるだけではなく、猿田彦珈琲社が実際の商品として世に送り出すことを想定して、ターゲットや価格、商品内容、伝え方などを考えることの難しさと面白さを学ぶことができました。学生にとって、大学の授業で考えたアイデアが、実際の商品につながる可能性を持つという経験は、大きな刺激になったと思います。

 これから迎える秋・冬シーズンにおいて、学生たちの提案のどのような部分が実際の商品に活かされるのか、私たちも猿田彦珈琲社の商品展開を楽しみにしています。

 学生の提案を、単なる授業内の発表で終わらせるのではなく、企業の皆様に実際に検討していただき、その可能性を検証できる企業連携授業は、決して多くありません。このような得難い機会を与えてくださいました大塚社長をはじめ、猿田彦珈琲社の皆様に、心より御礼申し上げます。

 また、授業のたびにおすすめのドリンクをご用意いただきましたことにも、重ねて御礼申し上げます。毎回、今日はどんなドリンクをいただけるのか、学生とともに楽しみにしていました。4月はカフェラテ、5月は蜂蜜のラテ、6月はお抹茶ラテをいただきました。どれも大変おいしくいただきました。ごちそうさまでした。

2026年7月31日

オリエンタルランド・クリエイションズを訪問し、学生がプログラムに挑戦しました。

5月25日、キャリア実践演習(担当:国文学科 深澤 晶久教授)にて、株式会社オリエンタルランド・クリエイションズ(以下、OCS)に学生が訪問しプログラムに挑戦しました。プログラムでは企業説明のほか、キャリアに関する講演や社員との座談会、代表取締役社長 向井 丈晴氏を交えたランチ会など、キャリアに関する視点を深めるほか、社内視察を交えた課題解決の施策提案を行いました。

OCSについて

OCSは〈「デザイン」を通じて世界に笑顔と幸せを届けます。〉というミッションを掲げ、オリエンタルランドとグループ会社をはじめ、さまざまなクライアントに対して、デザイン、商品、印刷物、デジタル、写真、映像セグメントのクリエイティブを提供している会社です。と紹介がありました。

次に組織図をスライドに投影しながら、各部門の説明があり、企画営業部と制作部がクリエイティブ制作事業を担当していることを紹介。さらに、「案件ごとにチームが結成され、協力してクリエイティブを提供します」と説明しました。実際にOCSが担当したデザインや商品、ツール、HP、動画などがスライドで紹介され、「自分が担当したクリエイティブの展開開始日に現地視察を行うことも。ゲストのリアクションなどを直接確認することもあります」と話しました。

続いて、リゾートオペレーション部門が担当しているフォトサービス事業の業務内容が説明されました。

部門にはさらにテーマパーク内にある各フォトロケーションでのカメラマンによる撮影からプリント、販売までを担当するグループと、ホテルにおける婚礼や宴会等での各種写真の撮影からアルバム等の構成、販売を担当するグループがあるとの紹介がありました。

OCSが、各種デザインや思い出となるコンテンツの制作など、ゲストの体験につながるクリエイティブを提供していることを学んだ学生たち。テーマリゾートの運営を支えるグループ企業の事業領域紹介を通じて、一つの商品やサービスが企業間の連携によって支えられていることを学びました。

現役社員によるキャリア講演

企画営業部の齋藤氏によるキャリア講演が行われました。齋藤氏は講演の冒頭、「講演を準備する中で、自分自身のキャリアを改めて振り返る機会になりました」と話し、自身の歩んできた道のりと、その経験を通して気づいた価値観について学生へ語りかけました。

齋藤氏は株式会社オリエンタルランド(以下OLC)にデザイン職として中途入社。その後、グループ会社への出向やOLCへの帰任を数度経験し、現在はOCSで企画・営業・デザインなど幅広い業務に携わっています。

講演は、「私は失敗しない」という言葉から始まりました。しかし、それは数多くの困難や失敗を乗り越えてきた経験から、「何とかする」「何とかなる」「やり切る」という覚悟を表す言葉であると学生へ説明しました。

キャリアスタートと経験

齋藤氏は新卒で保険会社に事務職として入社。「『就職のタイミングが来たからとりあえず働く』という感覚だった」と振り返るものの、「仕事は長く続けたいし、楽しく働きたい。“好き”を仕事にしたい」と考え、その状態に近づくべく3年で退職を決意。

『職人=かっこいい』『仕事好きな大人=かっこいい』。そして、小さい頃読んだ『ウォルト・ディズニー』の伝記から、好奇心をビジネスにしてきた、ウォルトの生き方に憧れ、ディズニーに携わりたいと考えていました。

保険会社退職後は大学で専攻した日本語教師を海外で1年経験し、その後入社した制作会社では、公的機関に出向。出向先で事務の仕事に取り組む傍ら夜間のデザインスクールでデザインの基礎を学びました。当時の経験を「海外生活では度胸が身に付き、公的機関での仕事では、人の役に立てることに大きなやりがいを感じました」と振り返りました。

その後、準社員としてOLC商品部へ入社し、2年間勤務した後、中途採用試験に合格して商品デザイングループの社員となりました。

齋藤氏は「人は誰もが、自分の人生の責任者なのです」というウォルト・ディズニーの言葉を引用しながら、OLCに入社するまでの約7年間は、自分で考え、自分の意思で道を選択しながら進んできたことを学生へ伝えました。

入社後の経験

 入社後、テーマパークの商品開発のためのデザイン素材集の作成、商品デザインや開発、監修などの他にも、テーマパーク以外で展開されるキャラクター商品の開発やマーケティングにも携わり、沢山の新規企画の立ち上げを実現してきたといいます。

「グッズのデザイン業務の中では、デッサンやイラストの制作に苦労しました」と振り返る齋藤氏。当時の経験を「やればやるほど自分の得意・不得意がわかるようになりました。できないことがあるだけ、多くの人に助けてもらいました。アドバイスをくれる先輩や、力を貸してくれる協力会社の職人さんなどの中で働く楽しさを強く感じました」と振り返りました。

また、「とんでもない業務量の時もありましたが、『やってから文句を言う』というスタンスで、やってのけました」と言いながら、同時に『数字に強いクリエイター』を目指し、ビジネススクールに通ったことも告白。「とにかく時間が足りなかったですが、適応能力が身に付きました」と笑いながら話してくれました。

その後も多様な業務を経験し、OCSへ出向したタイミングでコロナ渦に突入。ソーシャルディスタンスなど、従来とは異なる形での企画が求められる中、やったことのない技術を体験価値につなげられるかなど色々な取り組みを繰り返したことを述べ、「正解が分からない中、チームで試行錯誤しながら挑戦することが楽しかったです」と話しました。

キャリアを振り返って

さまざまな経験を経た現在、齋藤氏は「企画、営業、提案からデザインまで幅広い業務に携わっています」と話しました。そして、これまでで、本当にやってきてよかったこととして「その時できることを最大限やってきたこと」を挙げました。目の前にある仕事一つ一つに一生懸命に取り組んできた積み重ね、一見繋がりがないような経験の数々が後の自分の強みになっていきました。そして、なによりもその『一生懸命』が、ヒトとの繋がりを生み今の財産になっているといいます。

講演の終盤、齋藤氏は自身のキャリアを振り返る中で、一つの大きな気づきがあったと語りました。

「私は、ディズニーが好きだから仕事を続けられていると思っていました。でも振り返ってみると、本当に好きだったのは、人の役に立つことでした。」

仕事を通じてゲストが喜ぶことはもちろん、一緒に働く仲間が助かったり、笑顔になったりすることに、自分自身が最もやりがいを感じていたといいます。

「だから私は、ディズニーが好きというより、仕事が好きなんだと気づきました。そして、その得意分野がディズニーなので、今の仕事を心から楽しめています。」

さらに学生へ、「人生はゲームのようなもの」という考え方も紹介しました。

ゲームでは、設定変更できないキャラクターや出来事にでくわします。設定を変えられるのは、自分自身のスキルや考え方や次の行動、戦略です。

「想定外のこと、納得いかないことにでくわしたときは『そうきたか!』とだけ思ってください。『なぜ自分だけこんなめに?』とそこに躓き思い悩むのはもったいない」と学生たちに語りかけ、出来事は変えられなくても、その後どう行動するかで、その先を変えることができると説明。人生はゴールで決まるものではなく、それまでの経験や時間の全てが人生であり、そのプロセスが価値であると伝えました。

講演の最後には、「長く大人をやっていてもわからないことは沢山あります。でも、自分が今どこに向かっているのかという現在地を見失わなければ、人は必ず前へ進むことができます」と学生たちへメッセージを送りました。

フォトサービスとPBL

プログラムの後半には、現役社員から提示される課題に学生が挑戦しました。リゾートオペレーション部門の江口氏が登壇し、課題の説明が行われました。

江口氏は、テーマパーク内で提供されているフォトサービスの時間帯責任者を担当しています。「各フォトロケーションでの撮影や受付、プリント、販売など、最前線で活躍しているキャストの育成や管理、より多くのゲストに写真をお届けするための施策の立案・実行を行っています」と、日々の業務について紹介しました。

また、「最前線で活躍するキャストのモチベーションを高く保つためにはどうすればよいかなど、キャストを育成・管理するリーダーとしてのスキルも求められていると感じています」と説明。学生たちはサービス運営を支える仕事について理解を深めました。

江口氏から提示された課題は、〈より多くのゲストに写真をお届けするための施策の提案〉です。実際の業務フローが紹介された後、1日の目標など具体的な条件と、設定シーンにおける利用状況を数値化したデータが配布されました。

江口氏は特に、「サービスを提供しているキャストの行動変容によって数値向上につながる内容を提案してほしい」と学生に呼びかけました。また、「数値化されたデータを読み解き、見つけた課題から施策を考えることも一つのアプローチです」とヒントを示しました。

学生たちは3つのグループに分かれ、施策を考えるディスカッションを実施。配布資料をもとに、どの数値を改善すべきかを分析し、そのために必要な施策についてアイデアを出し合いました。

あるグループでは、提案の方向性が固まった段階で江口氏から「その価値を、キャストがどのようにゲストへ伝えられるかも考えてほしい。例えば、こんな声掛けをしてみるという方法もあります」と具体的なアドバイスを受ける場面もありました。江口氏は「最前線で体験価値を提供するキャストによってサービスは支えられています。その力をより活かす形で色々な施策を考えてください。」と話し、時間帯責任者としてサービス運営に携わる立場ならではの視点で学生に助言を送りました。

ディスカッション後は各グループが施策を発表。「案内文章にわくわく感を持たせたい」といった利用者視点からオペレーション改善を提案するグループや、ニーズを分析し、その要素を案内文章へ反映する施策を提案するグループ、利用者への説明を充実させることで、サービスの魅力をより効果的に伝える施策を考案したグループなど、多様なアイデアが発表されました。

また、「今考えていただいた施策は、『撮影体験』というパーク内での体験価値を、より多く提供することにつながるものです。そして、その体験は思い出をカタチとして残していただくことにもつながります」と述べ、今回の課題解決提案がどのような価値を生み出すのかを説明しました。

さらに、「みなさんが考えた施策を実際に形にするのは、最前線で活躍するキャストです。キャストに施策の価値をどう伝えるか、また、実行に向けたモチベーションをどのように高めていくかなど、日々、複数の要素を考えながら進めることが求められます。」と話し、業務における難しさとやりがいを学生に伝えました。

学生は、時間帯責任者の視点で課題に取り組むことで、サービスを支える多様な業務と、実際の業務で求められている広い視点について理解を深めました。

学生はキャリア講演や課題に挑戦することを通じて、社会人として求められる仕事への姿勢やより広い視野について理解を深めました。

講演や課題以外にもこんなことを行いました

お昼の時間には、代表取締役社長 向井 丈晴氏を交えてランチ会が開催されました。学生と同じテーブルに社員の皆さんも着席。学生は、社員の方に直接質問をしながらリラックスした様子で昼食を楽しみました。逆に社員から学生への質問もあり、双方の意見交換の場としても盛り上がりました。

また、講演や課題のワークのほかに、社員と学生の座談会も開催されました。座談会では齋藤氏のほかに企画営業部から太田氏、和田氏、池﨑氏が参加。学生一人一人から寄せられた質問に、4人それぞれから回答されました。座談会での質問を一部抜粋し、掲載いたします。

Q一番大変だった仕事は?

池﨑氏「商品を作る工場とやり取りをしながら納品までのスケジュール管理を行ったことです。海外の方と話すこともあり、意思疎通や意識の統一に難しさを感じました」

和田氏「映画と連動したイベント企画の担当をしたことです。複数の制作物を同時並行で進捗管理を行わなくてはならず、大変でした」

太田氏「ECサイトを立ち上げたことです。ウェブに関するノウハウがない中で構築しなくてはならず、分からないことの範囲が広い点が大変でしたが、それが良い経験になり今に繋がっています。」

齋藤氏「企画が進んでいた商品を、予定していた日に納品することが難しいとの連絡が来たことです。関係者と協議し対応することで、何とか商品販売までこぎつけました。他にも大変なことはいろいろありますが、このようにエピソードにもなりますし、何とかなります。恐れるものではないです」

Q.好きなことを職にするためにどうしたか

池﨑氏「今好きを仕事にしていることは、タイミングと憧れが重なった結果だったと思います。これまでつらいこともありましたが、『食べることが好き』という一つの好きがあったからこそ頑張れたと思っています。一つの好きからつながっていろんな好きが増えたので、なにかひとつ見つけることが大切なのかなと思っています」

太田氏「好きを職にする入社きっかけではなかったですが、代わりに『負けず嫌い』でやり抜いてきたなと思っています。できたことが自信につながり、乗り越えた分できることも増えました。このような経験が仕事の楽しさにつながっていると思います」

和田氏「好きなことを職にする、という目標を諦めなかったことが一番大きかったと思います。それが今の仕事につながっていると感じています。」

齋藤氏「考え方として私がよく言うのは『好き』になる必要はなく『プロ』になれ。何事も極めると仕事が楽しくなります。ただもともと『好き』だった業界に行くことは続けるモチベーションになりますね。」

担当教員のコメント

文学部キャリア科目群の一つとして、今年(2026年)開講したキャリア実践演習では、
オリエンタルランドクリエイションズ様に大変お世話になりました。
向井社長や前山部長にご尽力いただき、素晴らしいプログラムを
企画いただき、当日は、多くの社員の方のお力添えもいただきました。
オリエンタルランドグルーブを支える大きな柱として存在する
オリエンタルランドクリエイションズ様での至れり尽くせりのプログラムは、
学生にとってもとても意義深く印象に残る一日となりました。
普段はゲストとして眺めていた風景をキャストの側から学ぶという貴重な
体験をさせていただくことが出来ました。
なぜ、いつも笑顔で満たされているのか、深い視点での研鑽を積めたたことに
心から感謝いたします。
改めて貴重な経験をさせていただいた向井社長、前山部長をはじめとする
オリエンタルランドクリエイションズ様の社員の皆さまに御礼申し上げます。

2026年6月1日

JALふるさとアンバサダーってどんな仕事?「実践プロジェクトa」の授業でJALとの特別コラボ授業が始まりました。 

5月11日に日野キャンパスにて、「実践プロジェクトa」(担当:村山 浩一特任教授)の授業で、株式会社JAL航空みらいラボとの特別コラボ授業が開始されました。この日はオリエンテーションとして、日本航空株式会社(以下、JAL)の地域活性化の取り組みについて学びました。授業の最後には企業から課題が出され、学生たちはグループワークに取り組みます。

社員の幸福を大切にする

JAL航空みらいラボは、2024年に設立されたJALグループの新会社。航空分野で培った知識や経験を活かし、大学との連携にも力を入れています。
今回登壇したのは、長年客室乗務員として活躍されている戸田亜希氏、塩崎雅子氏、そして札幌からオンライン参加した水上みのり氏の3名。
塩崎氏は「学生の皆さんと関わることで、新しい発想に刺激を受けています。私たちにとっても学びの多い時間です」と話し、講義がスタートしました。

まず戸田氏から、JALについての紹介がありました。
JALは1951年に設立。現在は日本航空で初となる女性社長が経営を担っています。
主な事業は航空運送ですが、物流や金融など幅広い分野にも挑戦しています。
「コロナ禍で旅客需要が大きく減少した経験から、航空以外の事業強化にも取り組んでいる」と話されました。

さらに紹介されたのがJALの企業理念。
その中には「全社員の物心両面の幸福を追求する」という言葉があります。
戸田氏は「利益だけでなく、社員がやりがいや誇りを持って働けることを一番に大切にしている」と説明しました。
安全運航を支えるためにも、社員一人ひとりが前向きに働ける環境づくりが重要。そのためにも、社員全員の幸せが大切だと考えているのです。

JALが取り組む地域活性化とは?

JALでは、サステナブルでウェルビーイングな未来を目指し、「JALビジョン2035」を掲げています。
テーマは「安全・安心」「心に響く出会いと体験」「関係・つながりの創造」の3つ。
今回の授業は、その中の「関係・つながりの創造」に大きく関わります。
戸田氏は「地域活性化とは何をすることだと思いますか?」と学生たちに問いかけます。地域活性化とは、単にイベントなどで盛り上げることではありません。地域で安心して暮らせる環境を整え、将来にわたって活力ある社会を維持していくことだと説明しました。

では、なぜJALが地域活性化に取り組むのでしょうか。
戸田氏は「航空業界は、人やモノの移動によって成り立っています」と話します。地域が元気になることで移動も増えることは、JALにとっても大きなメリットがあります。
JALの強みである「移動」を活かし、人と地域をつなぐ役割を担っているのです。

JALふるさとアンバサダーって?

JALが行う地域活性化の取り組みのひとつに、「JALふるさとアンバサダー」があります。
これは、地域のために働きたいという思いを持つ客室乗務員のこと。各地に移住しながら地域の魅力発信や活性化に取り組む活動を行っています。
ここからは、実際に札幌でアンバサダーとして活動する水上氏がオンラインで登壇しました。
水上氏は客室乗務員として全国を飛び回っていましたが、地域事業本部への異動をきっかけに観光開発に携わるようになると、「もっと地域に深く関わりたい」と感じるように。
その思いから、出身地である札幌のふるさとアンバサダーに手を挙げたと話しました。

JALふるさとアンバサダーは2020年に始まり、現在は23名が全国各地で活動しています。実際にその土地で暮らしながら、地元では当たり前になっていて気づかれていない魅力を掘り起こしていくのが大きな役割。
水上氏は「地域のリアルな声を大切にしながら、CAとして培ったおもてなしの経験を活かしています」と話しました。

活動内容は、地元食材を使った商品開発や観光PRなどさまざま。
特徴的なのが、生産から加工、販売までを一気通貫で行う「6次産業」である点です。アンバサダー自ら実際に現地へ何度も足を運び、人とのつながりを築きながら、新たな地域の価値を生み出しています。

地域の未来を考える課題に挑戦!

水上氏は学生たちへ「もし皆さんがJALふるさとアンバサダーだったら、地域のために何をしますか?」と問いかけました。地域活性化は「楽しかった」で終わらせず、その後もどう継続していくかを考えることが大切です。
そのため「今回の課題でも、どうすれば人に楽しんでもらえるかと、どうすれば持続可能な取り組みにできるかの両方を意識してほしい」と呼びかけました。

続いて戸田氏から課題内容が発表されました。
テーマは「JALふるさとアンバサダーの視点で、地域に寄り添いながら魅力を発信する企画を考える」というもの。
地域選びから学生自身が行い、「なぜJALが関わる意味があるのか」「地域にどんなメリットがあるのか」まで考える必要があります。
さらに、既存のアイデアではなく、独創性のある企画であることも求められました。

なかなかの難問に、学生からは「理想的なアイデアを、持続可能なビジネスとして成立させるにはどんな視点が必要ですか」という質問も。
これに対し塩崎氏は、地域名産を使った商品の包装作業を障害のある方に依頼し、新たな雇用につなげた事例を紹介。
「その商品だけで利益を出すのではなく、地域にどんな価値を生み出せるか、どんな課題解決につながるかを考えることが大切」とアドバイスされました。

学生たちは3班に分かれ、地域の魅力や課題について議論を重ねながら企画づくりに挑戦。
7月の最終プレゼンテーションに向け、グループワークを進めていきます。

担当教員からのメッセージ

「高校の授業とは全く進め方が違っていて驚いた」「実践的な授業を初めて受け、大変有意義に思う」――。戸田亜希様、塩崎雅子様、水上みのり様にきめ細かくご指導いただき、学生にとって大変よい刺激となりました。受講生は、いずれも実践女子大学に入学したばかりの1年生。実践的な学びを楽しんでいます。
戸田様をはじめ3名の方々からは、「地域に寄り添い、地域の魅力を伝える企画を考える」という課題をいただきました。これに対して、学生らは「人とのつながりを大切にしながら、長期的な地域活性化につながるアイデアを練っていきたい」と意気込んでいます。キャリア自律が重視される時代に、このような社会連携プロジェクト型の授業に協力いただき、心から感謝申し上げます。