社会連携プログラム
SOCIAL COOPERATION PROGRAM
TOPICS
2026年10月5日

主婦の友社へ訪問し、出版の現場と社会で活きる企画力について学びました。

9月2日、〈国文学マーケティングプロジェクト(担当:国文学科 深澤 晶久教授)〉にて、株式会社主婦の友社(以下主婦の友社)の本社を訪問し、特別プロジェクトに学生が参加しました。

授業と企業連携について

〈国文学マーケティングプロジェクト〉は、文学部国文学科の2年生以上を対象に開講されている集中講座です。「コミュニケーションメディアの変化」をテーマに、国文学科の学びと企業活動を結びつけながら企業のミッションやリーダーシップについて考え、社会で求められる力を身につけることを目標としています。

今回の授業では、書籍や雑誌の出版を行っている主婦の友社と連携を行いました。学生は、出版業界の業務内容や、部署ごとの具体的な仕事の紹介を通じ、自分が社会で働くビジョンを具体的に考える貴重な機会となりました。また、主婦の友社から提示された課題にもグループで挑戦。紙面や特集記事の企画を提案し、現役社員の方々からフィードバックをいただきました。

主婦の友社について

主婦の友社は創業以来100年以上の歴史を持つ出版社です。発信しているコンテンツについて、宇都宮氏は「ファッションや美容、住まい・インテリア、妊娠・出産・育児、料理、健康、さらにはシニア向けの生活情報(認知症、生活習慣病、更年期など)に至るまで、人のライフステージのあらゆる場面に関わる内容を扱っている」と説明しました。

発信の形態についても、雑誌や書籍にとどまらず、漫画や映像、イベントなど多様な手法を用いていることが紹介されました。

また、主婦の友社は、東京や大阪で読者参加型のウェルネスイベント「ご自愛市(ごじあいいち)」を毎年開催しています。今年3月に開催された「ご自愛市」では、本学の学生も登壇し、プレゼンテーションを行いました。今回、学生は昨年秋に開催された「ご自愛市」のトークセッション動画を視聴しました。動画を通じて、主婦の友社が発信している情報やコンテンツの内容、イベントの雰囲気について理解を深めました。

一人では成り立たない編集の仕事

雑誌『健康』編集部の松本氏、橋詰氏からは、編集の仕事について説明がありました。紙面の作成には、企画テーマの決定、取材、紙面の作成、原稿執筆、校閲など、各段階で関係者と連携しながら紙面を作成していることを紹介しました。取材に関する工程や対象者の選定、取材依頼、実際の取材対応など、それぞれの段階で多くの人が関わっていると説明しました。

続いて、『健康』が創刊50周年を迎えたことに触れながら紙面の具体例として、2026年10月号(2026年9月2日発行)に掲載されている防災企画について紹介しました。松本氏は「過去にも同テーマの特集を掲載したことがある」と話し、当時の記事が読者アンケートで高い支持を集めたことを紹介。高い反響から、改めて掲載されることになったことを紹介し、読者の反応が記事に影響を与えていることも話しました。

また、雑誌『ゆうゆう』編集部の秋谷氏は、編集の仕事について「一人では成り立たない仕事」と話し、「一冊の本が、著者にとって名刺代わりとなることもある。だからこそ、携わる仕事に責任をもち、誠実に向き合うことが大切」と学生に伝えました。

人事部の原氏からは、具体的な人事部の業務体制と勤務制度について説明がありました。初めに部署の業務が大きく「労務管理」と「採用業務」の2つに分かれることが紹介され、原氏は「労務管理では給与の計算や入退社の手続きなどを担当し、採用業務では書類選考から面接の調整までを一貫して担当している」と説明しました。

また、主婦の友社では『フレックスタイム制度(指定されたコアタイム以外は自分で勤務時間を調整できる勤務制度)』が導入されていると説明し、「勤務時間を柔軟に組み立てられる仕組みが取り入れられています」と話しました。

学生たちは出版に関心のある人が多く、メモを取りながら熱心に話を聞いていました。また、学生たちにとって仕事の内容が想像しやすい部署を取り上げた具体的な仕事内容の説明は、学生自身が働くビジョンをより明確に想像する機会となりました。

プロジェクト後半!課題にチャレンジ

学生はプロジェクトの後半に、①身近な健康課題を解決する誌面企画 ②同世代に向けたプレコンセプションケア(将来のライフイベントを見据えて、自分の生活や健康と向き合うこと)特集の企画という二つの課題に取り組みました。

課題には3つのチームに分かれて挑戦。学生たちは、松本氏から意見を聞きながら、自分たちに身近な悩みから企画を考案しました。

A班:課題①身近な健康課題を解決する誌面企画

〈自分、今日休みます〉をタイトルにSNSで起こる対人関係のストレスに注目した特集を発表しました。SNSの普及などにより連絡が常時つながるがゆえの負担感やストレスを指摘し、学生、社会人の部下、社会人の上司の3つに分けて悩みを整理する内容としました。最後に専門家の見解も交えながら「正解はない」というメッセージで締めくくることとしました。

A班:課題②同世代に向けたプレコンセプションケア特集の企画

〈この時代を生き抜く〉をタイトルに、ダイエットをテーマに特集を企画しました。課題点として「極端なダイエットに対する危機感が薄れていること」を紹介し、具体的な例を含めながらその危険性について注意喚起する内容としました。また、管理栄養士監修のもと、コンビニなどで実践しやすい食事の工夫を紹介し、4コマ漫画を用いて分かりやすく伝える誌面構成とすることも説明しました。

B班:課題①

〈間食総選挙 いつものおやつをゆるアップデート コンビニおやつ大攻略〉をタイトルに、間食をテーマにした特集を発表しました。学生は「間食を禁止・制限するのではなく、手軽に気楽に健康的なものへチェンジしていくという『ゆる健康』『コンビニおやつ攻略』の提案を行います」と話し、読者が「このおやつは意外とヘルシーである」と知り、次にコンビニを訪れた際の具体的な購買行動に繋がる記事を目指すと説明しました。

B班:課題②

〈プレコンって何? 今と未来を楽しむヒント〉というタイトルで企画を発表しました。紙面を三つのセクションに分けて構成し、プレコンセプションケアという言葉の説明、身近なテーマと絡めた具体的なエピソードや今日から実践できる行動リストの紹介を行った後、手軽に取り入れることができる手段を具体的に紹介し、読者が行動に起こしやすいように支援するとしました。

C班:課題①

〈肌かちゅ、して?〉をタイトルに、肌荒れをテーマにした記事を発表しました。学生は、肌荒れの背景にホルモンバランスの乱れや生活習慣の乱れがあることに触れ、メイクのスペシャリストの見解を交えて具体的に伝える構成を検討していると説明しました。

C班:課題②

〈輝く未来の自分 プレコンセプションケア〉をタイトルに、プレコンセプションケアの重要性をテーマに記事を発表しました。学生は、「聞き慣れない言葉への心理的なハードルを下げることを狙い、言葉の説明を冒頭に掲載する」とし、パートナーの有無別に使い分けられるチェックシートや専門家のインタビューや体験談で語られるケアの重要性など、読者が自分事としてとらえることができる企画を盛り込みました。

プロジェクトの終わりに

宇都宮氏から総括のコメントをいただきました。宇都宮氏は「就職した後にどのような会社や部署に配属されたとしても、雑誌や本以外でもコンテンツを作る機会は実務において多く存在しています。今回の授業で皆さんに体験していただいた、企画を組み立てる際の一連の流れや仕組みは、将来出版業界以外に進んだとしても十分に生かせる考え方だと思います」と、学生に伝えました。

学生にとって今回のプロジェクトは、具体的な業務内容の紹介を通じて自分のキャリアビジョンを創造するきっかけとなっただけでなく、課題として提示された企画立案のプロセスを通じて、社会に出た後も活きるスキルを身に着ける貴重な機会となりました。

担当教員のコメント

本年度(2026年度)、新たに開講した「国文学マーケティングプロジェクト」において、
昨年のウェルビーイングプロジェクトでも大変お世話になった主婦の友社様にご協力をいただきました。
国文学科の学生にとっては、興味関心の高いフィールドである出版業界において、編集という業務や人事に携わる社員の方からの貴重なお話しに続き、実際の企画業務について、事前にいただいた課題に基づき業務体験をさせていただきました。
出版業界を取り巻く環境も激変しており、社員の皆さんが日夜努力されているお姿を間近で拝見させていただいたことは、今後の学びに向けて大きな財産になったと思います。
この場を借りて主婦の友社様には、心から感謝申し上げます。

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