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2026年7月6日

アイデアを製品に!2026年度「演習Ⅱa」の授業で猿田彦珈琲とのコラボ授業が始まりました。

4月29日、演習Ⅱa(Kクラス担当:ビジネス社会学科 篠﨑 香織教授)にて、猿田彦珈琲とのコラボ授業が始まりました。初回の授業では、代表取締役の大塚朝之氏をはじめとする社員6人をお招きし、猿田彦珈琲のコーヒーにかける思いや経営哲学など、企業理念について紹介いただきました。また、企業が実際に抱える課題をテーマにした商品企画の内容も発表され、学生たちは今後、課題解決に向けた取り組みを進めていきます。

授業と連携企業について

演習Ⅱaは、人間社会学部の2年生を対象に開講されている専門科目です。授業を通じて、次年度以降のより専門的な学びに向けた具体的な根拠に基づく議論をする力や、正文献サーベイなどを通して必要な情報を収集し、活用する力を身に付けていきます。

猿田彦珈琲との連携は今年で2回目です。昨年は〈猿田彦珈琲のSNSについて考えよう〉をテーマに、SNS投稿の提案を行いました。学生たちが提案した投稿案はブラッシュアップの後、実際に猿田彦珈琲公式SNSアカウントで投稿が行われました。

インスタグラムの投稿→https://www.instagram.com/p/DSrqtLhAT8w/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

篠崎教授は「猿田彦珈琲との連携授業の一番の特徴は、皆さんのアイデアを単なる発表で終わらせず、『ワクワクを形に』して実際に店舗での商品化を目指すことです。直感だけでなく、論文やデータなどの根拠に基づいた提案を行う練習としてこの課題に取り組みましょう」と学生に呼びかけました。

授業のはじめに

学生たちの手元には猿田彦珈琲のカフェラテが配られ、心地よい雰囲気の中で授業がスタート。

「すっぱめのコーヒーとミルクを合わせることが、猿田彦珈琲のカフェラテの特徴です」と話す代表取締役の大塚氏から、猿田彦珈琲の価値観について説明がありました。

猿田彦珈琲の原点

起業時に「『親近感のある接客とおいしいコーヒー』が理想像だった」と話す大塚氏。その原点として、コーヒーショップが自身の居場所となったエピソードを紹介しました。

大塚氏は自身が役者を志していたことを紹介し、「オーディションの結果がなかなか実を結ばず、ふさぎ込んでしまった時期があった」と振り返りました。当時、ふらっと立ち寄ったコーヒーチェーン店で受けた親近感のある接客に「社会とのつながりを感じた」と話し、「友達未満の程よい距離感の交流が、『コーヒーショップは居場所である』という感覚につながった」と語りました。

さらに、友人の紹介でコーヒー豆を販売する店舗で勤務していた経験にも触れ、「豆の販売や、展示会の参加を通じて『飲み物のコーヒーを売りたい』という気持ちを抱くようになった」と話しました。

猿田彦珈琲の今

猿田彦珈琲は、「たった一杯で幸せになるコーヒー屋」をコンセプトに掲げるスペシャルティコーヒー専門店です。スペシャルティコーヒーとは、品質評価で高得点を獲得した高品質なコーヒーのことを指します。猿田彦珈琲では、市場全体の上位5%ほどの品質の豆を使用しており、コーヒー豆の買い付けから販売までを一貫して行っていることが紹介されました。

大塚氏は「国内に30以上の店舗を展開するほか、自家焙煎珈琲のドリップバッグなどの卸販売や、コーヒー飲料の商品監修も行っています」と話しました。また「6月に渋谷新南口に店舗がオープンします」と紹介しました。

店舗一覧→https://brand.sarutahiko.jp/shop

「利他的が得」な経営哲学

大塚氏は組織づくりに対する考えについて、「利他的な行動は、結果的に自分にも良い形で返ってくるのではないか」と語りました。

「利他的が得」になる仕組みについて、「利他的な行動をすると周囲から褒められ、その経験が自己肯定感や自信につながる」と説明。実際の例として、社員がバリスタの世界大会に出場した際のエピソードを紹介しました。

大会には先輩と後輩にあたる社員が出場し、最終選考では6名が順番に競技を行いました。競技順は事前に団体ごとに割り振られており、猿田彦珈琲には1番と6番の順番が与えられていました。大塚氏は、より早い順番の方が有利とされていることを説明しました。

大塚氏によると、競技順を決める際、先輩社員は後輩社員に1番の順番を譲ったそうです。大塚氏は、「世界大会で優勝できる可能性がもっとも高い順番を、自ら後輩に譲ったのです」と紹介しました。

その結果、大会では後輩社員が1位を受賞し、先輩社員は2位を記録しました。大会後には、先輩社員の姿勢を見ていたバリスタコーチや大会関係者から、「彼はすごい」と称賛の声が多く寄せられたそうです。大塚氏は、「この出来事以降、彼の社内での発言の質が明らかに変わりました。それは、この経験を通して自信がついたからだと思います」と話しました。

一見すると営利とは関係のない「利他的な行動」が、結果として組織やビジネスにも良い影響を与えていることを学生たちに伝えました。

課題の発表

大塚氏から猿田彦珈琲の価値観や商品づくりへの想いが語られた後、猿田彦珈琲が実際に抱える課題をテーマに、学生が取り組む3つの課題が提示されました。

まず、フード商品開発チームの三浦里芳氏から、学生全員が個人で取り組む課題〈アイスの商品企画〉について説明がありました。三浦氏は、課題提案の必須条件として「商品名、フレーバー、こだわりポイント、PR方法」を提示しました。また、課題の詳細な設定として「冬の販売を想定すること」や「学生や20代の若者をターゲットにすること」などが共有されました。

フード商品開発チームの坂本大樹氏と経営企画チームの河村美樹氏からは、グループごとに取り組む課題〈ジェラッテの商品企画〉と〈福袋の商品企画〉について説明がありました。

〈ジェラッテの商品企画〉では、坂本氏はジェラッテの抱えている課題として「認知度が低いこと、価格帯が適切か不安であること」の2点を挙げ、一日の店舗売り上げを約7杯から10杯に引き上げたいと考えていることを学生に伝えました。学生には「商品名」「フレーバー」「価格」「PR方法」の4点を盛り込んだ企画提案が求められ、販売期間を11月から2月とする条件も提示されました。また、実際の店舗を見学し、商品や価格設定について理解を深めてほしいと呼びかけました。

一方、〈福袋の商品企画〉では、河村氏から「20代前半の若者が興味を持ち、購入したくなる福袋」をテーマに企画してほしいとの説明がありました。あわせて、2025年の福袋が手土産需要を意識し、“手軽さ”をコンセプトに開発されたことも紹介されました。学生には「コンセプト」「価格帯」「外装」「内容物」の4点を提案条件として示し、「年末年始の具体的な利用シーンを想像しながら企画を考えてほしい」と期待を寄せました。

学生は前半に個人課題である〈アイスの商品企画〉に取り組み、発表を実施。その後、グループに分かれて〈ジェラッテの商品企画〉または〈福袋の商品企画〉の提案に挑戦します。

授業に関するインスタグラムの投稿はこちら

実践女子大学人間社会学部公式インスタグラムにて、授業紹介の投稿が行われました!
投稿リンク:https://www.instagram.com/p/DZ8pW_oAaMe/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

担当教員からのメッセージ

昨年に引き続き、猿田彦珈琲社との連携授業を担当することとなり、大変光栄に思っております。

 今年度は、「アイス」「ジェラッテ」「福袋」という三つの課題に取り組むという、挑戦的でありながらも大変貴重な機会をいただきました。アイスは他のカフェでも展開されている商品であるため、どのような差別化要素を組み込めるかが重要なポイントとなります。一方、ジェラッテは猿田彦珈琲オリジナルの商品であり、その魅力をいかに多くの方に知っていただくかが課題です。福袋については、「猿田彦珈琲らしさ」を打ち出しながら、女子大学生が思わず複数購入したくなるような商品を目指しています。

 ビジネス社会学科の学生は、商品企画やマーケティング、価値創造への関心が高い傾向にあります。だからこそ、市場や社会の動向にしっかりと目を向けながら、実践的な提案ができるよう授業を展開しています。

 5月27日には、履修者全員(26名)が猿田彦珈琲社の皆さまの前でアイスに関する提案発表を行いました。次回のジェラッテと福袋の発表は、チームごとに取り組んだ成果を発表する予定です。学生たちのアイデアが今秋・今冬の商品づくりに活かされるよう、引き続きサポートしてまいります。

 猿田彦珈琲社の皆さま、いつもおいしいコーヒーをありがとうございます。また、学生一人ひとりの力を引き出してくださる貴重なコメントをいただき、心より感謝申し上げます。

2026年7月1日

航空機廃材に新たな価値を JAL連携授業で学生がアップサイクル商品を企画・最終プレゼンを実施(6/16)

6月16日、人間社会学部ビジネス社会学科2年生が取り組んできた、日本航空株式会社(JAL)との産学連携授業「演習Ⅱa」(担当:若林宏保教授、井上綾野准教授)の最終プレゼンテーションが行われました。5月の授業で提示された「航空機の廃材を活用したアップサイクル商品」の企画課題に取り組んできた学生たちが、約1か月にわたる検討の成果を発表しました。

JAL社員になったつもりで商品企画に挑戦

JAL航空みらいラボ(WEB:https://www.jalaviofuture.co.jp/ )と連携した課題解決型授業が、最終発表を迎えました。授業では、JAL航空みらいラボの細野志麻氏をゲストに迎え、航空機のアップサイクルやJALのサステナビリティへの取り組みについて学びました。

細野氏からは初回授業で「JAL社員になったつもりでアイデアを考えてください!」と呼びかけがあり、学生たちは「廃材の特性を生かし、『Z世代から長く愛される』新商品を、社会や消費者への伝え方も含めて企画・デザインする」という課題に挑戦しました。

約50人の学生が10チームに分かれ、中間発表でのフィードバックを受けながら企画をブラッシュアップ。最終発表では、「なぜその商品なのか」「どのような価値を届けるのか」「どのように共感を生み出すのか」といった視点まで掘り下げた提案が各チームから発表されました。

初回授業の様子はこちらの記事から→https://socialcooperation.jissen.ac.jp/topics/10693/

Z世代に響く商品企画と発信戦略

学生たちは、航空機の廃材を活用した多彩な商品アイデアを提案。窓材を使ったキーホルダーやリング、座席レザーのスマートフォンケース・ネックピロー、シートベルトのApple Watchベルト、救命胴衣のガーランドなど、素材の特性を生かした企画が並びました。

さらに、「旅の記憶」や「人を支えてきた素材の物語」といったストーリー性にも着目。SNSで共有したくなるデザインや2次元バーコード を活用した素材の履歴紹介、航空券とのセット販売など、商品の魅力をどのように伝え、体験価値として届けるかという視点からの提案も見られました。推し活や旅行と組み合わせた楽しみ方、購入後の体験設計など、「いかに共感を広げるか」を意識した企画が多くのチームで共通していました。

発表後、細野氏は「中間発表から大きく成長した企画が多く、商品の背景やストーリーが伝わる内容になっていた」と評価。また、「楽しい商品だからこそ、どう楽しむのかまで伝えることが大切」としたうえで、企業やブランドとのコラボレーションでは理念や価値観との親和性を意識することの重要性など、実際の商品企画やマーケティングにつながる視点からアドバイスを送りました。

学生たちにとって、企業担当者から直接フィードバックを受けながら企画を磨き上げる経験は、企画力や提案力を高めるだけでなく、企業視点で課題を捉え、価値を創造する力を養う貴重な機会となりました。

アイデアと提案力が光った入賞チーム

最終発表後には審査結果が発表されました。

3位:チームH-AIR
ファーストクラスのシートレザーをアップサイクルしたネックピロー「SORA PILLOW」を提案。素材の品質やストーリー性に加え、コラボレーションの視点も盛り込んだ提案が評価されました。

2位:エアウィング
航空機の窓材を活用したリング「スカイリング」を提案。素材が持つストーリー性に加え、航空券とのセット販売など、旅と商品を結び付けた体験価値の高い提案が評価されました。

1位:麻辣湯(マーラータン)
航空機のシートベルトを活用したApple Watchベルトを提案。空港ごとに異なる刺繍デザインを取り入れ、「次は別の空港にも行ってみたい」と思わせる仕掛けを提案。完成品として販売することで利用者の利便性にも配慮し、デザイン性と実現性を兼ね備えた提案が高く評価されました。

担当教員からのコメント

今回の課題は実際の企業課題を扱う難易度の高いものでしたが、どのグループも非常に質の高い提案をまとめてくれました。学生たちは、Z世代のニーズやJALらしさ、実現可能性などを多面的に検討しながら企画を構築し、ストーリーづくりやネーミングにも高い創造性を発揮していました。また、JALの皆様からのフィードバックを受けて提案を磨き上げる姿勢からは、対話力や協働力の成長も感じられました。生成AIも効果的に活用しながら、自分たちの考えや熱意を形にできていたことが印象的でした。貴重な学びの機会を提供してくださったJALの皆様に心より感謝申し上げます。〈若林宏保教授〉

2026年6月2日

航空機のアップサイクル商品企画・デザインに挑戦!2026年度「演習Ⅱa」の授業でJALとのコラボ授業が始まりました。

5月12日、演習Ⅱa(担当:ビジネス社会学科 若林 宏保教授、井上 綾野准教授)にて、JALとコラボした航空機のアップサイクルに関する授業がスタートしました。JALから細野志麻氏をゲストにお招きし、JALが取り組むサステナビリティへの取り組みとアップサイクルの事例の講演と、学生が取り組む課題の発表が行われました。

授業と連携企業について

演習Ⅱaは、人間社会学部の学生を対象に開講されている専門科目です。授業を通じて、次年度以降のより専門的な学びに向けた具体的な根拠に基づく議論をする力や、正しい文献を選び必要な情報を正確に読み取る力などを身に付けていきます。

この授業では、企業から提示された課題に学生が取り組む「課題解決型」の授業として、旅客機や貨物機の運航を行うJALと連携しています。今回はコラボ授業の初回として、学生が取り組む課題が発表されました。また、課題に関連するJALの取り組みについて、客室乗務員の責任者や救難訓練の教官を経験した細野氏から解説が行われました。

細野氏は「JALではサステナビリティへの取り組みを強化しており、『社会価値創出を事業の中心・成長軸に据える』という価値観で様々な活動を行っています」と話し、その取り組みのひとつとして、アップサイクルについて解説しました

アップサイクルとJAL

細野氏ははじめに、「アップサイクルは“使われなくなった廃材を、新しい形に加工して活用すること”です」と紹介しました。

そして、JALにおける廃材について、「航空機そのものです」と説明。航空機には約300万点の部品が使用されており、座席に使われているレザーやシートベルトをはじめ、エンジンや窓などもアップサイクルの対象になっていると話しました。

細野氏は、アップサイクルの素材として活用されている例のひとつとして“救命胴衣”を紹介しました。機内で使用される部品や装備品には、安全を守るために厳格な使用期限が定められており、まだ使えそうに見えるものでも安全上の理由から廃棄されることがあるそうです。そのため、「年間約2000個の救命胴衣が、きれいなまま廃棄されていました」と説明しました。

アップサイクルがスタートしたきっかけ

JALでアップサイクルが始まったきっかけは、「救命胴衣のポーチ」だったと紹介しました。

定期交換する救命胴衣が年間2000個、故障も無いのに綺麗な状態のまま廃棄されるのを見た整備士が、「もったいない。何かできないか。」と声をあげたことがきっかけとなり、アップサイクルの取り組みが始まりました。

 この取り組みをきっかけに、安全のための使用期限を過ぎてしまった救命胴衣やシートベルトなど、ほかの装備品や部品類のアップサイクルに活動が広がっていきました。現在では、家具メーカーなど他社とコラボした取り組みも行われており、社員が制作したアップサイクル商品は現在もJAL公式オンラインストアやJAL工場見学の売店、不定期の物販イベントで販売されています。

JAL公式オンラインストア→https://ec.jal.co.jp/shop/e/e00020394/

新たな価値を付加するアップサイクルとストーリー

細野氏は、JALが行う航空機のアップサイクルについて「使用期限が切れた装備品や経年劣化で使用できなくなったものでも、“実際に運航で使用されていた”というエピソードがあります。一度役目を終えた部品の役割を加工によって変化させることで、新たな価値を生み出しています」と説明しました。

さらに、「使われなくても、航空機としてたくさん空の旅を経験している装備品たちが、新たに生まれ変わって価値を発揮することは乗務員としてもうれしく感じます」と、アップサイクルへの思いを語りました。

実際の商品

JALのアップサイクルの事例が紹介されました。シートベルトや救命具など、実際に機内で使用されていた装備品は、キーホルダーやポーチにアップサイクル。さらに、航空機の車輪止めに使用されていた木材は、神社とコラボした”滑らない”合格祈願のお守りとして活用されています。

また、実際に機内で使用されていたシートレザーは、スツールや小銭入れ、バッグへと生まれ変わっているほか、エンジンの部品や燃料タンクの点検口の蓋を使用したインテリアオブジェ、アクリル製の窓を使ったキーホルダーなども紹介されました。

実際のアップサイクル商品のほか、加工前の廃材を学生に渡す細野氏。

学生は実物を間近で観察し、素材を確かめて「かわいい」「しっかりしていて頑丈そう」など、感想を交換しました。

課題の発表

今回学生が取り組む課題は「廃材の特性を活かし『Z世代から長く愛される』新商品を、社会や消費者にどう伝えるかも含めて企画・デザインする」です。

細野氏は「JAL社員になったつもりでアイデアを考えてください!優秀な企画は実際に採用させていただく可能性もあります」と学生に声掛け。「必要に応じて他社とのコラボOK」など、発表の要件が共有されました。また、今回の企画でアップサイクルの材料として使用する廃材の特徴も紹介されました。

学生は、今回の授業で確認した実際のアップサイクル商品や、素材の特性を参考にしながら、グループに分かれて企画の提案を行います。

担当教員からのメッセージ

ビジネス社会学科2年生約50名が、JAL航空みらいラボ様と共に航空機のアップサイクル・アイデアに挑みます。
教員として期待するのは、単なる思いつきに留まらない「社会課題の解決とビジネスを結ぶ」リアルな視点です。約50名の仲間と切磋琢磨しながらプロの現場に本気でぶつかり、未来の循環型社会を形にする力を養いましょう。学生たちの瑞々しい感性とJAL様のプロの知見が融合し、どんなワクワクするイノベーションが生まれるか楽しみです。〈井上 綾野准教授〉

2026年2月19日

ファン獲得施策の提案!国文学科実践キャリアプランニングの授業にて、アンファー株式会社とコラボした課題の最終発表が行われました。

2025年12月12日、19日(金)に実践キャリアプランニング(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)にて、アンファー株式会社(以下アンファー)から発表された課題に対する、学生の発表が行われました。アンファーはスカルプDで広く知られている化粧品・健康食品メーカーです。

授業と企業連携について

「実践キャリアプランニング」は、1年生を対象とした必修の共通教育科目です。学生は、企業からのゲスト講師や在学生の先輩によるキャリア講演、企業と連携したPBL型課題などを通して、社会人基礎力を養い、多様化する女性のキャリアへの理解を深めていきます。

国文学科クラスでは、企業から提示される課題に学生がグループワークで取り組み、解決策を導き出す「課題解決型授業」として、アンファーとの連携を行っています。今回学生が取り組んだ課題は「〈スカルプDまつ毛美容液〉のリピート対策&新規顧客獲得の施策提案」です。

発表には、元アンファー株式会社常務取締役であり、現在もアンファー系列会社で相談役を務める中溝幸生氏と、まつ毛美容液担当部署から宇田川氏を迎え、講評やコメントが行われました。

発表の表彰として「アンファー賞」と「努力賞」が用意され、アンファー賞は2つのグループに、努力賞が1つのグループに授与されました。
受賞したグループには副賞として〈スカルプDまつ毛美容液〉シリーズが人数分贈呈されました。

この記事では、受賞した3つの班の発表内容をご紹介します。

【アンファー賞①】4班

4班は、商品の継続利用を支援する施策として、スマートフォン向けアプリを提案しました。独自に行ったアンケート調査の結果から、まつ毛美容液のユーザーには「毎日塗るのを忘れてしまう」という課題があることが分かり、継続をサポートする仕組みとしてアプリの活用を考えました。

アプリの機能としては、①使用を促すリマインド機能、②他のユーザーと交流できるコミュニティ機能、③継続日数に応じてバッジを獲得できる専用バッジ機能、④悩みに合わせた美容液の提案を行う診断機能の4つを提案しました。塗り忘れを防ぐだけでなく、達成感を得られる仕組みや他のユーザーに相談できる場を設けることで、まつ毛の変化が実感できないことへの不安の解消と継続利用の後押しを目指しました。

また、4班は「アプリのインストール自体が最大のハードルになる」と指摘し、商品パッケージにインストール画面へ直接アクセスできるQRコードを印刷することや、インストール特典としてクーポンを配布する施策もあわせて提案しました。

中溝氏は「課題の背景を深堀し、それに対応した施策をしっかりと論理的に提案してくれました。施策の内容にとどまらず、どうやったらそれが実行できるかという実現性の部分まで考えており、受賞の決め手となりました」とコメントを寄せました。

【アンファー賞②】7班

7班は、継続利用の促進策として、写真記録&比較機能やリマインド機能をもったまつ毛美容液専用アプリを、新規顧客の獲得策として「推し活」を活用したコラボレーション戦略を提案しました。

新規顧客獲得に向けた施策では、アイドルグループやキャラクターなど、人気のあるコンテンツとパッケージコラボレーションを行うことで、これまでまつ毛美容液を購入したことのない層にも、商品を手に取るきっかけをつくるとしています。さらに、アイドルやタレントが実際に使用しているコスメをSNSで紹介する「メイクレシピ」が注目を集めている点に着目し、「知名度の高い人物に紹介してもらうことで、商品の認知度拡大につなげる」と説明しました。

また、コラボレーションをきっかけに商品を購入した新規顧客に対し、限定グッズのプレゼントや、お渡し会など特別イベントへの参加権をアプリの継続特典として設定することで、使い続ける動機づけを図りました。特典を目指した継続的な利用を通じて、まつ毛美容液のファンになってもらうことを目指しました。

中溝氏は「論点が非常にわかりやすかった」とフィードバック。また「資料を見ながら発表を聞いていて、一番納得感がありました」と受賞の理由を紹介しました。

宇田川氏は「皆さんがコラボしてほしいコンテンツは何ですか?」と学生に質問。学生はアイドルグループの名前を回答しました。ウタガワ氏は興味深そうにうなずきながら「参考にさせていただきます」と話しました。

【努力賞】8班

8班は、「リピート率が低く、継続購入につながりにくい」という課題の要因を「実感の不足」「単調なケア」「塗り忘れ」の3点に整理しました。
これらを解決する施策として、①継続購入特典(ステップアップ割引)、②ゲーム感覚で続けられる記録アプリ、③SNSや有名人とのコラボレーション、④まつ毛サロンとの連携 の提案を行いました。

①の継続購入特典では、「使い続けるほどお得になる」仕組みを明確にするため、購入回数に応じて割引率が上がるステップアップ割引制度を提案しました。また④では、スカルプDの強みである「低刺激・色素沈着が起こりにくい」という特徴が「まつ毛パーマやエクステ後のデリケートなまつ毛に適している」と紹介。サロンと提携し、施術後に「お試しセット」を手渡すことで自宅でのケアを促し、商品の認知度向上と定期的な商品購入につなげるとしました。

中溝氏は「発表の起承転結も、資料もとてもわかりやすかったです。認知拡大とリピート対策の2つを同時に提案する内容でしたが、それぞれの提案内容のバランスもよかったです」とフィードバックを寄せました。

授業の終わりに

ゲストのお二人から総括のコメントをいただきました。

中溝氏は「長い時間をかけてアンファーからの課題に取り組んでいただきありがとうございました。私たちもとてもいい勉強になりました」と話しました。また、学生の発表に対して「課題の発表の中で、『新規顧客がつかない』『リピーターが増えない』など、問題の現象に対して言及している班は多くありました。それがどうして起こったか背景に至る部分まで分析し『どうしたら解決できるか』まで突き詰めていただくと、解決策が見えてきます。思考のプロセスとして、次回以降の経験に活かしていただければと思います。」と、全体のフィードバックを寄せました。

宇田川氏は「普段社内では考えられないような新たな視点を皆さんからいただきました。今後のプロモーションに活かせればなと考えています。また、私の学生時代に、企業の方と授業で関わり、課題から具体的なアクションまで思考する授業はありませんでした。企業として関わっている私としても、学生のみなさんにとっても、いい経験になったと思います。」と話しました。

今回の授業は、多くの学生にとって初めての社会連携授業、問題解決型授業となりました。
企業とコラボした課題を通じて、学生生活の先に広がっている社会へのつながりを実感する貴重な機会となりました。

担当教員からのメッセージ

今年の授業では、アンファー様にご支援をいただき、
まつ毛用美容液のマーケティングについて考えるワークセッションを行いました。
学生にとっては、身近な化粧品であるものの、リピート施策を立案することは
かなりハードルが高かったと思います。しかし、最後まで懸命に取り組んで
くれている姿は、本当に素晴らしく、プレゼンのスキルを含めて、
大きなポテンシャルを感じることとなりました。
なお、ゲストの中溝さんは、私の資生堂勤務時代の先輩であり、
今回は、多大なるご支援をいただきました。中溝様をはじめ、ご協力いただきました
アンファー株式会社の皆様方に、心から感謝申し上げます。

2025年7月1日

子ども服プロジェクト参加学生にインタビューしました!

株式会社F・O・インターナショナル(以下FOインターナショナル)との連携プロジェクトは、「実践女子大学こども服プロジェクト」と題し、課外活動として2024年5月にスタートしました。FOインターナショナルは、全国に子ども服ブランドを展開する企業で、『après les cours』や『BREEZE』などで知られています。

本プロジェクトは生活文化学科と生活環境学科(現:環境デザイン学科)の学生を対象に募集されました。生活文化学科には幼児保育専攻があり、子どもに関する学びを深めている学科です。一方、生活環境学科ではアパレルに関する授業が多く開講されています。プロジェクトにはこの2学科から、有志の学生たちがプロジェクトに参加しました。課外活動は授業とは異なり、単位は与えられません。学生たちは授業やバイトの忙しい合間をぬって、1年という長期間にわたり課題に取り組み続けてきました。卒業や個人の事情に伴う構成メンバーの入れ替わりを経て、最終的にメンバーは4人となりました。

このプロジェクトの目的は、2026年初夏コレクションのこども服を制作することでした。「あったら良いなを叶える服作り」を目標に、企画立案から提案までを行いました。プロジェクトは【保育園でニーズ調査のアンケート】を行うところから始まり、子どもに直接ほしい服をヒアリングする【子ども会議】も実施。その後、調査を集計し分析結果から導かれるニーズを明らかにした後、調査から得たニーズをもとにアイディアを出し、まとめて【子ども服のデザインの提案】をしました。

インタビューにこたえてくれたのは、プロジェクト最終メンバーである4人の学生です。

左から、 生活環境学科3年     菊田涼香さん
     生活環境学科2年     藤田理沙さん
     生活環境学科3年     草分真桜さん
生活文化学科生活心理専攻4年  若月愛さん

ーお集まりいただきありがとうございます!参加のきっかけと、活動の中で担当されたことや特に力を入れた点について教えてください。

若月さん「ゼミの先生から紹介されたことがきっかけです。社会人と同じ立場で商品開発ができるということに魅力を感じて参加しました。注力したところはニーズ調査です。プロジェクトに参加していた先輩に細かいところを教えてもらいながら質問項目を作成し、返ってきた結果を並べて分析しました」

藤田さん「プロジェクト告知のメールを見て応募しました。服飾に強く関心があり、何かプロジェクトに参加できたらなと探していたところにメールが届いたため、『やってみようかな』と思ったことが参加のきっかけです。注力したところは服のデザインです。着まわしやすさを重視した襟付きの服を提案しました。学科の学びの中でも、服のデザインは取り組んできたので、アイディア出しなどを積極的に行いました」

菊田さん「私も、藤田さんと同じくメールがきっかけで参加しました。2年生になったタイミングで新しいことに挑戦したいと思っていて、プロジェクトに参加することで自分の力がつくかなと思いました。担当した部分は服のデザインです。プロジェクトが進むにつれて変更点がたくさん出てきてけっこう大変だった部分もありましたが、子どもが好むデザインという点は常に意識していました。子ども会議や身近な保護者の方などにもお話を聞き、アイディアをもらってデザインしていました」

草分さん「参加のきっかけは、大学からの参加募集のメールを見たことです。最初は応募するか迷っていたのですが、締め切りの数日前に菊田さんもこの活動が気になっているという話を聞いて、知り合いがいるなら私も参加してみようと思い応募しました。活動の中では、アパレルを学んでいる学科として、デザインや素材のアイデアを出す役割をしていました。当時の四年生の方が卒業してからは、少しずつですが全体をまとめる役割をすることも増えていきました。たまにしか集まれない中で多くのことを進めていかないといけなかったので、他の学生の皆さんや、FOインターナショナルの浅井さんへの進捗状況の報告などをこまめに行うことを意識していました」

ー活動の中で一番印象的だったこと、大変だったこととそれをどのように乗り越えたか教えてください。

若月さん「プロジェクト全体の印象で、商品化してきちんと売り出すということで、求められるレベルやクオリティがとても高かったです。何回もミーティングを重ね、リテイクややりとりをたくさんしたことが大変でした。だからこそ、OKをいただいたときの嬉しさがすごく心に残っています。また、服に関する前提知識が何もない状態で参加したので、そこも大変でした。ネットで調べたりお店に足を運んだり、どんなものが売られているかとにかく知る行動を起こしたこと、FOインターナショナルの担当者である浅井さんに相談してアドバイスをもらうことで、なんとか乗り越えることができたと思いました」

藤田さん「アイディア出して提出して、そのフィードバックがきて、フィードバックをもとにまたアイディア出して提出して……。この繰り返しが一番大変だったなと思います。また、今回三人(若月さん藤田さん菊田さん)で一つのデザインを提出することになったのですが、作業分担もかなり大変でした。主なやり取りが対面ではなくメッセージアプリだったため、スケジュール調整や進捗の共有が難しかったです。日にちや作業内容などを細かく聞いたり個別に連絡を取ったりと、密にコミュニケーションを取ることを心がけたところ、最後は分担も作業もスムーズに行うことができ、成長を感じることができました。印象に残っていることは、プロジェクトの一番初めに展示会の見学に行ったことです。現場の、本物の企業さんが動いている様子を生で感じることができてすごくおもしろかったです」

菊田さん「大変だった点は、いただいたフィードバックをアイディアに反映させることです。もらった内容を踏まえて考え直すことが難しかったのですが、グループで一つの案を出すことも微妙な意思疎通のズレがあったりしてうまくまとまらないときもあり、大変でした。しかし、プロジェクトの後半ではだんだんコツをつかんでまとまっていき、それはやっぱりうれしかったです。デザインを行う上で不安だったこととして、デザイン面でも子ども服という面でも知識が不足していたことがありました。しかし市場調査をネットや店頭で行い、いろんな洋服を見ること、どんな服だったかをたくさん見てデザインを考えました」

草分さん「課外活動ということで、授業と比較して強制力のない中、自主的に動くことが大変でした。学科や学年もバラバラなメンバーが、どのくらいの頻度でどこに集まるかなど、すべて自分で決めなくてはいけない活動であることに気づくまでに時間がかかってしまったなと振り返って思います。また、連絡手段がメッセージアプリに限定されていたことも大変でした。どうやったらスムーズに活動できるかとか、連絡が途切れないようにと考えながら行動していました。時には催促のような連絡もしてしまったと思うのですが、しつこいくらい連絡を取り合えたほうがいいと考えて活動していました」

展示会に参加した時の様子
初回のミーティングの様子
デザイン提案時の実際のスライド

ー活動に参加してよかったこと、活動を通して自分が成長したと思うところについて聞かせてください。

若月さん「社会人の皆さんが業務で実際に行っていることに、学生として参加させていただけたことが良かったです。今後社会に出ていくときに、絶対自分のためになるような経験ができたと思っています。また、この活動に参加しなかったら絶対に出会えなかった学生のみなさんに会えて、いろいろ話すことができたこともすごくよかったです。成長した点は、やはり計画性が身についたことだと思います。先のことを考えて、行動順序をたてて進めていくということは、やっていくなかで前よりも進歩を感じています」

藤田さん「子供服を創っている企業さんのプロセスを間近で見ることができたことがすごく貴重な経験だったなと思っています。全体の流れは知識としてありましたが、授業のような書いて学んでのルールだけの状態とは全く違う、現場の進め方を見ることができ、すごく実りのある経験だなと思いました。また、このプロジェクトに参加しないと出会えなかった皆さんに会えたこともよかったです。とくに、先輩方のプレゼン資料の作り方や人にものを伝える方法など、お手本として見習って学んでいくことができる人たちがそばにいたことで自分の成長にもつながったし、自分も先輩たちのように成長したいなと感じることができました」

菊田さん「参加してよかったことは、学生の間に企業さんと一緒に商品化の流れを経験できたことです。授業でも商品化の流れは学んではいたものの、実際にやってみると知らないことがすごく多くあり、大変ではあったけどやっぱり学びになったなと思いました。また、他学科他学年の普段かかわりがない学生さんと出会ったこともよかったです。それぞれに自分にはないものを持っている人たちばかりだったので、すごく刺激を受けて自分もがんばろうとおもい、プロジェクトを途中でやめることなく最後まで参加できたと思っています。成長できたところは、先を考えて行動する計画性が身についたところです。また、商品化について、服をデザインするときにニーズと目的をしっかり考える重要さを学びました」

草分さん「参加してよかった点は、やはり授業では学べないようなことを経験できたことだと思います。プロジェクトが進んでいく中、ニーズや売り出し方など実際に商品開発を行っている人が考えていることを聞くことができ、そんな機会は授業ではまずないので、すごく勉強になりました。実際に作業を一緒に進めていく今回のプロジェクトに参加しないと聞けなかったことだったので、貴重だと思いながら活動していました。成長できたことは、社会連携だからこそできた社会人の方との関わり方とチームワークの二つかなと思います。さっきも話したように、学生だけど社会人の方とやり取りの中で感じた緊張感や、意識を一段階あげて取り組む必要性など、早めのインターンの気持ちを味わうことができました。社会人として行うやりとりを、みんながいるから一人じゃない気持ちで、相談や話し合いをしながら行えたことはすごく成長につながったなと感じました」

ー学科の勉強で得た知識のうち、今回のプロジェクトに活きたなと思ったことがあれば教えてください。

調査結果まとめのスライド(若月さん作)

若月さん「ニーズ調査の分析方法について、学んできたことが活きたなと思いました。自分で課題を立てて分析方法を選択し、実験・考察を行うといった流れをいろんな授業で経験してきたため、その部分を生かすことができたと思います。また、もともと数字が苦手だったのですが、授業を受けたことで情報が見やすくなったと実感した部分もありました」

草分さん「素材に対する知識が活きたなと思いました。もちろん丁寧に説明していただいたのですが、授業を受けていないと具体的に理解できない箇所もあったので、特につながっていたなと感じました」

ー社会人である連携企業の方(担当者の浅井様)とやりとりする機会が多かったと思います。関わりながらプロジェクトを進めてみてどのように感じましたか?

若月さん「いい意味で学生相手に妥協しない対応をしてくださいました。この程度でいいよというラインをつくらず、同じ目線に立ってアドバイスをくれました。ただ高いハードルをだしてそのままというわけではなく、超えるためにはこうしたらいいよ、こういうのもあるよ、と解決策を細かく教えてくださって。大変な部分もあったのですが、その分やりがいを感じましたし、ありがたかったです」

藤田さん「ここが悩んでいますと言ったら改善策の提案や根拠となる情報のURLまで送ってくれて、本当に学生に寄り添って向き合っていただいたなという印象があります」

菊田さん「まとまりきらなくなったときに相談したところ、わざわざ専用のグループをつくってやりとりをしてくださりました。途中経過を聞いてくれたり、参考資料や画像も送ってくださって、本当に寄り添ってくれたなと思います」

草分さん「学生に委ねられる部分が思っていたよりも多かったです。もともとの形が決まっているものではなく、自由にやってくださいというスタンスでした。その自由度に最初はびっくりして、思っていたよりも学生が主導で動かなくてはいけないということがあったので、結構戸惑いました。しかし、担当者の浅井さんが連絡のやりとりなどをとても学生に寄り添って行ってくれて、こちらからも連絡や相談がしやすかったです。浅井さんが他の業務をしながらこちらのプロジェクトも見てくださっていることを知っていたので、その気持ちにこたえなきゃという気持ちがどんどん大きくなっていきました。やり取りの中でハラハラする場面もあったのですが、学生にもわかるように説明してくださるし、実践の先輩ということもあって話しやすかったなという印象がありました」

プロジェクト担当教員の井口眞美教授と参加学生
服のデザイン提案の様子

ー最後に、企業の方と関わるプロジェクトということで、参加前に想定していたことと参加してみた実際の印象で一番ギャップがあったこと、気づきなどがあれば教えてください。

若月さん「今回のプロジェクトで扱う内容と学科の専攻がまったく違う分野だったので、ある意味関わること全部がギャップの連続のような印象でした。細かい部分にまでこだわってつくっていく過程に触れることができ、試行錯誤や検討を間近で見ることができた点で、すごい経験だったなと思います」

藤田さん「作業工程の複雑さに一番驚きました。とくに生地の素材を選ぶ際、市場調査としていろんなお店一店一店見て回って検討を重ねたところが大変で、いい意味ですごくちゃんとしているプロジェクトなんだと実感しました。社会人や会社ってこんなかんじなんだと肌で感じることができて、ちょっと怖いところもありつつ、自分ももっと頑張らないといけないなという心構えができたと思います」

菊田さん「想像以上に学生主体のプロジェクトでした。参加したときは結構軽い気持ちで参加しちゃったなと思うところがあって。藤田さんが話していたように、素材選びの市場調査など本当に細かい部分まで学生にゆだねられていて、自分たちで考えてやらなきゃいけないっていうのは参加してから驚いたところです」

草分さん「もっと一部分のお手伝いだと思っていました。全体にわたって学生が主体となって動くということが一番ギャップだったところです。また、学生がお客さんのような立場でなくて、仕事のように、対等に扱ってくださったところに参加の意味があったなというか、やりがいってこんなに大きいんだっていうことに気づきました」

ーありがとうございました!

最後に

今年3月に本学の生活文化学科幼児保育専攻を卒業した梅内琴音さんから、本記事を制作するにあたりメッセージをいただきました。梅内さんは、同じくプロジェクトに参加していた内田美輝さんと共に卒業を迎えるまでプロジェクトで活動されていました。

「私はニーズ調査とデータ分析を行いました。保育園では保育園で着る服に関する保護者と保育者対象のアンケート調査をし、児童館では子ども目線での子ども服に関する「子ども会議」を行いました。初めての調査分析だったため、質問内容から分析の仕方などわからないことが多かったのですが、先生方や他専攻の学生に力をお借りしながら進めることができました。データの分析、まとめ方によって様々なニーズが見えてくることを知り、楽しく活動することができました。」

そのほか、詳しい活動内容は現在制作中のリーフレットにて紹介する予定です。

企業担当者様よりメッセージ

私は実践女子大学 生活環境学科を卒業後、同学科で4年間助手として勤務し、現在はFOインターナショナルにて企画MDとして働いています。企業で働く中で、学生時代に学んできた内容と現場との間にギャップを感じたこと、そして大学と連携することで、より良いモノづくりができるのではないかという2つの想いから、本プロジェクトを立ち上げました。
企画MDの仕事では、さまざまな声に耳を傾け、少しでも多くのニーズに応えるように日々努めています。今回は、より正確なニーズの把握を目的に、データ収集からご協力いただきました。こうした形でデータを収集するのは私にとって初めての取り組みでしたが、非常に参考になる情報を得ることができました。
当初の予定より長期にわたる活動となり、学科や学年が異なる学生同士でのプロジェクト運営は、決して容易ではなかったと思います。学生の皆さんの想いや自由な発想を大切にしながらも、「売れるもの」をつくるという現実とのバランスを取るため、何度もミーティングを重ねていきました。有志による活動にもかかわらず、学業や他の予定と両立させながら、真摯に取り組んでくださった皆さんに心から感謝しています。今回の活動が少しでも皆さんの経験や成長につながり、学びとなっていれば良いなと思います。
今後の皆様のさらなるご活躍を、心より楽しみにしております。

担当教員よりメッセージ

依頼をいただいた当初は、専門外であるためお引き受けできるのか迷いも多かったのですが、「保護者、子どもたちのニーズを踏まえた子ども服開発」というコンセプトに応えるため、日野市内の保育現場に調査依頼を行うなど、学生たちの自主的な活動の下支えに徹しました。

初対面のメンバーもいる中、店舗に足を運んだり、相談してプレゼン資料を作成したりしながら、よりよい仕上がりを目指す学生たちの姿には感心するばかりでした。

近い将来、考案したデザインが商品化される日が待ち遠しいてす。

2024年7月26日

ディズニーのファンをもっと増やそう!「キャリアデザイン」の授業でオリエンタルランドとの特別コラボが始まりました。 

3年生対象の大学共通教育科目「キャリアデザイン」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)において、6月11日に東京ディズニーリゾートの経営・運営を行う株式会社オリエンタルランド(以下、オリエンタルランド)のマーケティング開発部長である横山政司氏をお迎えして、特別コラボ授業が行われました。学生たちは、憧れのオリエンタルランドの社員となった気持ちで、実際に企業が現在進行形で考えているリアルな課題解決に挑みます。

海を埋め立てて造られた「東洋一のレジャーランド」

はじめに横山氏は「ディズニーリゾートは世界にいくつあるでしょうか」と学生たちに質問しました。「5つ」「7つ」と答えが出る中で、正解は6つ。
そのうち東京ディズニーランドは3番目に誕生しました。アメリカの国外に初めて出来たディズニーリゾートです。

オリエンタルランドは1960年に設立しました。社名には「東洋一のレジャーランドを作る」という思いが込められています。
創業者がアメリカに視察に行った際、現地のディズニーランドに衝撃を受け「日本の子どもたちにもぜひ体験させたい!」と夢を抱いたところから始まりました。
現在東京ディズニーリゾートのある浦安市は、当時は漁師町。
一帯を埋め立てるため、漁師と粘り強く交渉が行われました。漁業権を放棄してもらうとき、創業者たちは「絶対にあなたたちの海は無駄にはしない」と漁師たちに素晴らしいテーマパークにすることを誓ったそうです。

『本物』にこだわりハピネスを提供する

1964年から埋め立て工事は始まり、1970年に完了。工事が始まって、東京ディズニーランドが開業したのは1983年。
「皆さんが生きてきた時間より長い年月をかけて東京ディズニーランドはできたんです」と横山氏は言います。1981年の当時の社長は「どれだけ時間と費用がかかってもいい」「作る以上はアメリカにあるディズニーランドに勝るものを」という信念があったと横山氏は語りました。

オリエンタルランドの企業使命は「夢、感動、喜び、やすらぎを提供する」。
横山氏は「東京ディズニーリゾートでは、お客様にハピネスを提供することが企業使命の実現に繋がります」と言います。
テーマパークのビジネスモデルは利益を投資に回すスタイル。
利益をさらにアトラクションやイベントなどに投資し、「ハピネスという新たな価値を提供することでまた売上を上げる」というモデルだと説明しました。

どうしたら人口減少しても利益を出せる?

ここで問題になるのが、日本の人口減少です。
テーマパークはお客様に遊びに来てもらわなければいけません。「どうしたら人口が減っても利益を産み、それを投資に循環させてハピネスを提供し続けられるでしょうか」と横山氏は学生たちに問い掛けました。

学生は班でディスカッションをしてそれぞれ案を考えます。
「海外からの集客を増やす」「遠方に住んでいる人へアプローチする」「AIの導入」などさまざまな答えが出ました。
横山氏は「どれも間違いではないです」と言い、他にリピート回数を増やしたり、離脱者を減らしたりという観点を話しました。
そして「これらを実現させるためには、ファンを増やすことが大事です」と言います。

ディズニーファンクラブ会員を増やす施策を考えよう!

横山氏は「東京ディズニーリゾートにファンクラブがあるのを知っていますか?」と質問。
手を挙げたのは数人でした。オフィシャルパークファンクラブである「ファンダフル・ディズニー」は2004年から始まり、現在会員数は約10万人。メンバー限定のグッズがもらえたり、ファンイベントなどに参加出来たりとさまざまな特典がついています。
ただ、若者の会員は多くありません。

そこで、今回の課題は「Z世代のファンダフル・ディズニー会員を獲得する施策を提案する」こと。
「本当にこれは、私の部署で大事な課題になっています」と横山氏。
学生たちは「マーケティング開発部に配属された新入社員となって」課題解決に挑みます。提案資料は、Z世代に会員が少ない原因について仮説をたて、成功すると思える根拠を示す、という実際の企業さながらのものを作成します。

横山氏が「ファンダフル・ディズニーは今年20周年。スペシャル企画をやりたいと考えているので、良い施策があったら採用されるかもしれません」と話すと、学生たちもやる気充分でさっそくグループで話し合っていました。
グループワークを経て約1か月後、最終発表に臨みます。

2024年3月14日

三女子大学連携:『生活の木』と考える「アロマ・ハーブ市場の現状分析と商品PR」の最終報告会を開催!

実践女子大学と大妻女子大学、跡見学園女子大学の三女子大学の3年生による「産学連携プロジェクト」の最終発表会が、1月31日に本学にて行われました。本学からは大川知子教授(生活科学部 生活環境学科)の研究室の学生7名が参加。大学間を越えてチームを作り、株式会社生活の木(以下、『生活の木』)からの出された課題に挑戦しました。

20代女性に『生活の木』の商品を使ってもらうには?

 日本におけるハーブやアロマのパイオニアである『生活の木』との初めてのプロジェクトは、「20代女性が捉えるアロマ・ハーブ市場の現状分析と商品PR」をテーマに12月にスタート。学生22名は、4つのグループに分かれて課題に取り組み、実際に店舗に足を運ぶなど、互いに協力し合って、オンラインも活用しながらディスカッションを重ね、発表に臨みました。この日は、同社のマーケティング本部の重永氏、河野氏、望月氏から講評いただきました。

大学生活に新たな発見と安らぎを

 早速、グループ1から発表開始。類似した他ブランドも含めた店舗視察から、「大学生活に新たな発見と心の安らぎを」をテーマに、以下の3つの提案を行いました。

①「香りのときめきボックス」として、アロマディフューザーを手頃なサイズにして、店舗と各大学にガチャガチャとして
 設置

②「ほっとするひと時」を提供することを目的に、ハーブティーをおみくじボックスに入れて、各大学の食堂のお茶のサー
 バーの横に設置

③インスタグラマーの登用として、同社のイメージと親和性も高く、YouTube登録者数が数十万おり、ファンクラブもある
 方との協業

 講評では、「ガチャガチャやおみくじというのは、社内では生まれづらいアイディアで面白い」(重永氏)、「このネーミングは学生のみなさんでないと出て来ない」(望月氏)と発想に感嘆。「若い皆さんとの接点づくりとしては、すごく良い案だと思う」(河野氏)とコメントされ、「アロマに触れた学生が、さらに店舗に足を運ぶようにするには?」と質問。学生は「『生活の木』らしい木目調の容器を使い、企業コラボをアピールする」や「ガチャガチャにクーポンを入れ、来店を促す」と回答しました。

「アロマ試供品」で認知向上

 次のグループ2は、たまに付ける人も含め、20代の約9割が香水をつけることに着目。調査に行った学生自身が、店頭の商品を実際に試して購入した経験から、各女子大学のお手洗いなどに試供品を置くことを提案。商品は、外出するときに持ち運びやすく、低価格帯のロールオンフレグランスを選択。1階にシトラス、2階にピーチといったように各階に異なる香りを設置し、香りをイメージしやすい言葉で訴求したポスターを貼り、『生活の木』の認知向上を目指します。

 「かなりしっかり現状分析をされている」(重永氏)と感心され、「香水とアロマのイメージの違いは?」と質問。学生は「香水は百貨店でブランドを選んで買うもので、アロマは室内というイメージ。持ち運べるものがあることを、今回初めて知ったため、ロールオンタイプの認知を広めるのは良いと思った」と答えました。「香りを文字にした際にどのように伝えるかは、我々も商品名を考える時に悩む部分だが、20代には分かりやすさも大切だということが参考になった」(望月氏)とのコメントをいただきました。

アロマ・ハーブをもっと身近に

 グループ3は店頭視察で、アロマはテスターが多いものの、ハーブティーは試飲ができず効用が分かりにくい点を挙げました。学生たちの多くにはハーブについての知識がなく、手間のかかるイメージがあるため、手軽さが必要だと分析。そこで、コンビニのレジ横でのハーブティーの販売や、身近に感じ易いインスタライブなどで、アロマ講習会などを行うことを提案。また、学生のサブスクリプションの利用状況も調査した上で、提案を行いました。

 「素敵な提案。特に、コンビニは実現したら素晴らしい」(河野氏)とコメント。「みなさんの世代には、まだまだインスタグラムが機能していることが分かり、参考になった。その際、SNS広告に抵抗はあるか?」(望月氏)と質問され、学生は「明らかに広告だと分かるものは飛ばす」「ビジュアルが良く、気になるものについては、タップして詳しく見ることがある」と答えていました。

approach to life

 最後のグループ4は、20代の情報収集や商品との出会いのきっかけはSNSであることが多いと分析。『生活の木』の複数のSNSアカウントでは、アカウント名やロゴがバラバラであることを指摘。他社ブランドとの違いも比較し、『生活の木』の魅力を活かすパッケージの統一や、もっと本来のロゴを活用することを提案。さらに予算別のサブスクリプションサービスを設定することでリピーター獲得につながると発表しました。

 「他社分析も、我々も課題だと感じている点をストレートに指摘いただいた」(重永氏)、「とてもいいポイントを突いている。マーケティングに携わる自分達でも、正に思っていた内容で感心した」(望月氏)とお褒めの言葉もいただきました。

大学の壁を超えた貴重な経験

 全ての発表が終わり、重永氏から総評をいただきました。「12月から2ヶ月、テスト期間などもあり、忙しい時期だったと思うが、よくまとめてくれた」とねぎらいの言葉が。「みなさんの客観的な目線から検討いただき、『そういう発想があるんだ!』とか、『そういう見え方をしているんだ』ということが、我々としても大きな気づきになった。提案いただいた施策は、何れも実行出来たらいいと思う内容だったり、「そういうことをやりたい」と社内でも話が出ていたような内容であったり、是非、今回をきっかけに、我々も何か実現出来るように動いていきたい」と今後についても前向きなコメントもいただきました。

 今回、実践的な課題に挑戦し、学生たちは市場分析やブランドのポジショニング、そして、プレゼンテーションスキルを学ぶ貴重な経験となりました。また、大学間を超えチームを組んだことで、多様な意見や価値観に触れ、人間的な成長と学びを得たプロジェクトでした。

主な学生のコメント

 ・他大学の学生と協力して、一つの課題に取り組むという経験を通して、他の人たちの考えを知ることが出来、充実していた。また、今まで触れたことの無かったアロマ・ハーブについても
  知るきっかけにもなった。

 ・毎週のミーティングを重ねる度に出て来る課題を、それぞれ考えて、意見を出し合っては検討して…、を繰り返すことで完成度の高い商品PRを提案することが出来、このプロジェクトに
  ついて考えることが多かった為、充実した時間だった。

 ・新しい発想でアプローチ出来ることを、みんなで探して提案出来、充実していた。

 ・店舗視察に行って現状分析を行い、案を出す為に、メンバーそれぞれが自主的に行動していたことが良い経験だった。

大川先生からのメッセージ

 今年度、ファッションビジネス研究室の「産学プロジェクト」は、前期に一つ、後期に二つ挑戦しました。特に、後期の三女子大学連携は、普段から気心の知れたメンバーではない人たちと、どのようにタッグを組んでシナジー効果を出して行くのか、正に、学生のみなさんが実社会に出てから問われるスキルを身に付けることの出来る内容です。

 現状では、学生のみなさんにとって少し遠い存在であるアロマやハーブを、どうしたら身近に感じることが出来るのか、限られた期間で実施したとは到底思えない素晴らしいアウトプットが出来、実際、『生活の木』の皆様が良い内容だったと感動して下さったことが、学生達の自信にも繋がります。総評でコメントを頂戴しましたように、今回の学生のみなさんの提案の内、何か一つでも実践出来ることを期待しています。

  <『生活の木』について>

    【公式HP】      https://www.treeoflife.co.jp/
    【企業概要】    https://corp.treeoflife.co.jp/
    【公式Instagram】 https://www.instagram.com/treeoflife_official/

   ☆『生活の木』のサイトでも、本プロジェクトについて取り上げていただきました。→ 三女子大学×生活の木 産学連携プロジェクトについて
    

  <今年度のその他のプロジェクト>
   (前期)3研究室合同プロジェクト/ホットマン・ジャノメ

    生活環境学科 アパレル・ファッション分野の3研究室が合同でアップサイクル・ドレスを制作! | 実践女子大学/実践女子大学短期大学部 (jissen.ac.jp)

   (後期)三女子大学連携/第一弾:藤巻百貨店

    他大学連携:『藤巻百貨店』とクリスマス商戦を考える「産学プロジェクト」を実施! – 社会連携プログラム (jissen.ac.jp)

2024年2月19日

自販機で社会貢献!「経営学概論」の授業でダイドードリンコとの特別コラボが行われました。 

12月6日、人間社会学部1年生の必修科目の一つである「経営学概論」(担当:人間社会学部現代社会学科 篠﨑香織教授)の授業で、ダイドードリンコ株式会社(以下、ダイドードリンコ)の特別講義が行われました。学生は『自販機でできる社会貢献』という事前課題について考えて授業に参加しており、指名された学生はその発表もしました。企業の経営戦略を直接学ぶ貴重な講義であったと同時に、学生たちのアイディアを企業に評価していただく交流の機会となりました。

自販機は一番顧客に近い!

最初に自販機営業企画部の松本英康氏からご挨拶があったのち、人事総務部の真野祐子氏からダイドードリンコの説明がありました。
ダイドードリンコは、1950年代に栄養剤を販売したことからスタートした大同薬品工業を起源とし、ダイドーグループホールディングスの中の清涼飲料事業を担っています。グループ会社はこの他に、医薬品、医療品事業やゼリーなどの食品事業があります。

本社は大阪府にあり「今回のメンバーは、全員大阪から来ています」と真野氏。
ダイドードリンコの事業は、自動販売機での販売が約8割を占めるのが特徴。競合他社の同事業は約3割のため大きな違いです。また自動販売機に並ぶ商品に占める50%がコーヒー飲料で、主な購買層は男性だそうです。
なぜ自販機での販売がメインなのかと言えば、店舗販売よりも利益率が高いことや、顧客により近い距離で販売できるといったメリットがあるからです。

ダイドードリンコの飲料事業のもうひとつの特徴はファブレス経営であること。
ファブレス経営とは、自社で工場を持たず100%製造委託しているビジネスモデルです。工場にかかる大きなコストを削減できるのがメリットです。

優秀な人材に入社してもらうには

「当社の経営戦略として、優秀な人材を確保することに重きを置いています」と真野氏。
経営戦略を考える上で、持続的な競争優位を確立することが非常に大切です。そのためには優秀な人材を採用し、定着してもらうことを重視しているそうです。
優秀な人材にダイドードリンコに興味を持ってもらうために行っている施策として、フルリモートワークや副業可能、充実した福利厚生制度などが紹介されました。

特に働く女性にとって好評なのが、コアタイムのないスーパーフレックス制度やリモートワーク、法定よりも長い期間利用できる時短勤務制度です。
こういった取組みを行うことで、社員がプライベートと仕事の両立がしやすくなり、直近3年間ではライフイベントを理由にした退職者はなしという成果に繋がっているそうです。
真野氏は「企業の、ヒトに対するアプローチということに焦点を当てて見てみると、商品だけからは見えなかったことが見えてくる」と就活の際に企業サイトなどをよく見てみることを勧めていました。

自販機で女性を助けたい

次にダイバーシティ推進グループの井阪愛歩氏、大植あかね氏、奥川美優氏から、ダイドードリンコが取り組んでいる女性の社会進出についてのお話がありました。
まず「日本のジェンダーギャップ指数の順位を知っていますか?」という質問があり、選択肢の中の一つである「100位以下」に多くの学生の手が挙がりました。
井阪氏の「皆さんさすが知ってらっしゃいますね」との言葉通り、日本の順位は2023年時点で125位。特に女性役員の数が少ないことは国も課題としており、2030年までに女性役員の割合を30%まで上げることを目標としています。

ダイドードリンコでも2023年から自販機営業企画部内にダイバーシティ推進グループを発足。女性の自販機利用を増やそうと女性発案の企画で新たなコンテンツを開発しています。
例えば女性が誰もが経験し、悩みのタネである生理。アンケートで特に多い悩みである「急な生理への対応」として生理用ナプキンを購入できる自販機を開発しました。
誰もが使える自販機で生理用品を販売することで社会の理解促進も図ります。

この他にも赤ちゃんのおむつやお菓子の販売など、さまざまなモノを自販機で販売することに精力的にチャレンジしています。本学の渋谷キャンパス9Fにもダイドードリンコの自販機があり、オープンキャンパスのときに「赤本缶(https://www.jissen.ac.jp/learning/human_sociology/interview/shinozaki.html)」を搬出しました。
「世の中の潜在的な課題を見つけて自販機で解決するお手伝いをすることが私たちの仕事」と奥川氏は語りました。

社会貢献できる自販機って?

事前に学生たちには「自販機でできる社会貢献」を考える課題が出ており、授業の最後にダイドードリンコのメンバーが指名した学生が自分のアイディアを発表しました。
募金をしたら写真が撮れてSNSに投稿できる仕組みを提案した学生のアイディアには、松本氏は「募金ができる自販機は既にあるが、写真が撮れるアイディアは斬新」と高く評価していました。
省エネに着目した学生は、照明を消し、常温の飲料専用の自販機を提案しました。
「常温飲料のニーズがあることが分かりました。省エネの観点から常温の発想になったのもすごい」と着眼点の良さが評価されました。

野菜など無人販売所の役割のある自販機を提案した学生もおり、特産品などの地産地消にもつながるアイディアが出ました。
「モノを売る自販機はあるので、地域と協力すれば可能性がありそう」と松本氏はほかの主体との連携の必要性に言及していました。
他にも秀逸なアイディアが次々飛び出し、企業の皆様から感嘆の声が上がりました。

学生たちは企業がどんな経営戦略を取っているか、また社会貢献活動にどう取り組んでいるかを知る機会となった講義でした。

担当教員からのメッセージ

ダイドードリンコ社とは、赤本缶を自動販売機から搬出する企画を立てたのを機にご縁を得ました。
飲料事業を持つ企業の中でも差別化が際立っていることや、女性の社会進出を後押ししている企業というイメージが強いことから、「経営戦略」の回にぜひお越しいただきたいとお声がけしました。

 当日は、入社3年目、子育て中、転職の経験ありなど、学生にとって数年先から20年ぐらい後までのロールモデルになる社員の方たちからお話を伺う機会になり、「働きたいように働く」ことのイメージが少し掴めたのではないかと期待しています。実際、「ダイドードリンコ社で働いてみたい」という履修者の声が複数ありました。また、「社会貢献につながる自動販売機」の学生のアイディアについて、松本氏より一つひとつ丁寧にコメントをいただき、アイディアの面白さと実現可能性の両立の難しさを実感する機会になりました。

 早朝より大阪からお越しくださいまして、また有意義な授業の実現にご協力いただきまして、本当にありがとうございました。

2024年2月2日

原材料から育てるこだわりを知る。「国文学マーケティングプロジェクト」の授業で叶 匠壽庵とのコラボ授業が行われました。~後編~ 

2023年11月に、文学部国文学科「国文学マーケティングプロジェクト」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業の一環として、連携企業である株式会社 叶匠寿庵(以下、叶匠庵)の本社がある滋賀県大津市の『寿長生の郷』を訪問しました。 当日は、角田人事部長からのオリエンテーションに続き、西垣執行役員からの講話、社員による施設視察、そして陶器づくりなど、約5時間の滞在期間をフルに活用し、企業の理解に繋げる内容を体験しました。その後、舞台は再び渋谷キャンパスに戻り、学生たちは課題として出されていた叶匠庵の「企業案内」を制作しプレゼンに挑みました。
 ~前編はこちら~

『寿長生の郷』訪問

国文学科の学びとビジネスを結び付けるという全く新しい視点でスタートした「国文学マーケティングプロジェクト」の最大の山場に位置付けた視察研修、4回目を迎えた本年は、新型コロナウイルスの状況も落ち着いており、また、昨年に続き最高の天候にも恵まれ、履修学生9名とともに素晴らしい体験をさせていただきました。叶匠壽庵様は、本年も本学への対応について、芝田社長をはじめ多くの社員の方からは最大限のご配慮とおもてなしをいただき、意義ある時間となりました。

商品名、広報誌、そして包装紙など、様々な部分に万葉集とのつながりがあるなど、国文学と現代企業に極めて深い関係性を再認識するなど、この授業で目指した学びへの進化に繋がったものと考えています。 学生たちは、この視察研修で得た知見や学びを生かし、それぞれの感性や美意識を生かした「企業案内」の制作に取組みます。

学生の声

 お菓子に使用する梅、柚子、蓬などを自社で作り、良い素材から良い商品を作っている様子を実際に見ることができました。また、自然や昔からある建物、道具をできる限りそのままの形で残していくための取り組みを肌で感じ、今社会に求められている持続可能性が如何に当たり前にしなければならないことなのかを改めて考えました。

 今回の訪問を通して、企業理念から伝統文化まで幅広く学ぶことができました。とくに農作物を育てたり、動物を飼ったりと、全て自らの手で取り組んでいることを知り、意識の高さを痛感しました。また、社内の人と連携をとりそれぞれが個性や強みを活かして働ける場所であると感じました。このように、今回感じたことを就活にも活かして行きたいと思います。

 視察を通し、現地では里山に残る自然だけでなく、社会の未来についても考え実践する企業の姿に感動しました。また今回数多くお会いした社員の方々の仕事への真摯な姿勢を拝見したことで、自分の考える社会人像がより明確に固まりました。

最終プレゼンテーション

1月11日の授業では、叶匠壽庵の角田人事部長、伝統工芸士の吉田様に、オンラインでご参加いただき、8名の学生が作成した「企業案内」のプレゼンテーションを行いました。バラエティー豊かなそれぞれの作品に対し、両氏から温かいフィードバックをいただきました。

そしてこの授業のフィナーレは、吉田氏のご指導のもと、『寿長生の郷』で制作に取り組んだ陶器の披露でした。2か月にわたり、心を込めて焼き上げていただき完成した陶器をみて学生も感動の声を挙げていました。
世界に一つのオリジナル陶器を手元に、角田部長と吉田様を囲んでの記念撮影を行い、授業は終了しました。

学生の感想

今回この授業を受けて、国文学をマーケティングに活かしている企業があることを知ることができたことがまず私にとっては大きかったです。専門性を活かすのはとても難しいし、ほとんどの国文学生は一般企業に就職しますし、おそらく私もそうだろうと思っていました。しかし、一般企業に入っても大学で学んだ国文学の専門知識が活かせるかもしれないと知ることができて、企業選びの一つの基準にもなりました。また、国文学がマーケティングを学ぶきっかけにもなりました。マーケティングと聞くと身構えてしまい、今後のために必要な知識だとは分かっていながら積極的に学ぼうとはしてきませんでした。しかし今回、資生堂や叶匠壽庵の国文学を活かしたマーケティングの講義を聞き、また『寿長生の郷』を訪れて興味を持ちました。持続可能で長く愛される場所・商品・企業や、従業員の方同士のコミュニケーション、お客様との交流を間近でみることができました。教室での座学やインターネットで調べるだけでは分からないよりリアルな姿を知ることができたのが良かったです。

近年ではインターネット上に様々な情報が溢れ、その影響を無意識のうちに受けていたのか就職活動を進める程、どこか自分の軸ではなく、他人から見てどこがいいのかと考え、経済的・時間的ゆとりのある人間になりたいような、自信がないからこそ人に決めてもらいたい気持ちが増えてきていました。しかし、叶匠壽庵様に伺った際に改めて自分軸で幸せな人生を作る大切さ、角田部長の言われた「自分らしく働ける場所」の大切さを考えさせられました。就職活動を行う中で大企業、専門職など働いている人が凄く特別な人に自分にはなりえないような大人だと感じられますが、その人も普通の人で自分と同じように悩み考えている人間だと認識でき、そのことから「自分を変に着飾らなくていい」と言われているように思いました。

本講義を受けて、「自分らしく働ける場所」「無理のない背伸び」「自分の本当の軸」を大切に着飾らなくていいような業界や業種を見つけていきたいと思いました。また深澤先生自身も何十年もたって教師として大学に勤めているということを聞き、焦らず「今」の納得内定先を見つけていきたいと思います。

担当教員からのメッセージ

この講座も今年で4回目、資生堂の大木企業資料館長、叶匠壽庵の角田人事部長をはじめ、本当に多くの方に支えられていることを改めて深く感じています。これも、資生堂様や叶匠壽庵様が、人を大切にする経営を実践されているからであり、その温かさは年々増していることすら感じています。

そのような中、今年も9名の国文学科3年生が履修してくれました。渋谷キャンパスでの講義、『寿長生の郷』の訪問など、多くの経験を通じて学びを深めてくれたものと感じます。普段学んでいる国文学というものの大切さを、企業活動を通して実感することが出来れば、今の学びの深みや重要性に対する理解がより高まるものと考えています。

本講座に関わって下さった全ての方と、真摯な姿勢で授業に臨んでくれた学生に感謝いたします。

2023年3月30日

東洋製罐とのコラボ授業で「受験生の悩みを解消する缶」というアイディアの詰まったプレゼンが行われました。

人間社会学部の「演習Ⅰ」の授業(篠﨑香織教授と金津謙専任講師の担当クラス)で、12月12日(月)に東洋製罐株式会社とのコラボ授業が行われました。テーマは「受験生のお悩みを解消する缶の提案」。学生は4-5人ずつ12チームに分かれ、それぞれ知恵を絞りオリジナルの缶とキャッチコピーを考えてきました。この日は企業の皆さまの前で5分間のプレゼンを行いました。従来の缶の使い方にとらわれない、アイディアの詰まった缶が次々に発表され、レベルの高いプレゼンとなりました。

受験生の悩みを解消する缶とは?

トップバッターのゴールドチームは「缶から幸運を」をキャッチコピーに、おみくじのついたフォーチュンクッキーを提案。
おみくじには先輩たちの手書き文字の応援メッセージも印刷し、受験生の当日の緊張を和らげます。コスト計算や、クッキーが割れないよう緩衝材を入れることなどまで考えました。

りこみゆチームは受験生の必需品・赤本が重いことに着目。
過去問一回分だけ缶に入れ、持ち運びや勉強するハードルを下げるというアイディアを出しました。
発表後は東洋製罐の方から「課題の目の付け所がいい。皆さんの経験が生きていると思いました」と感想をいただきました。

三番手のチームポチャッコは勉強の疲れを癒すアロマ缶を提案。
倒れても周りを汚しにくいビーズ素材のアロマディフューザーを入れ、勉強中に手軽に癒しを取り入れられるよう工夫しました。

缶に入れるのは食べ物だけとは限らない!

シルバーチームは「一緒に成長できる仲間がほしい」という観点から、缶で育てる植物栽培セットを提案しました。
机の上でローズマリーやタイムなどのハーブを育てることで、緑の癒し効果と視覚的に成長を感じられると説明しました。
企業の方からも「非日常のワクワク感がいいし、私も欲しいです」という感想も。

JJっこチームは「学習力も女子力もUP!」をテーマに缶の中を分割してミントタブレットと単語帳・ヘアゴムを入れることを提案。
受験勉強の集中力が続きづらい悩みをデータで提示し、集中力を高めるミントに注目しました。
発表後にも「データできちんと示してくれて説得力がありました」とコメントがありました。

プラチナチームは、受験時はスマホが見られないため時間が分からない不安を解決する「ビーズウォッチ」を提案しました。
ストラップはビーズで、自分で作ることができ試作品も作りアピールしました。
コメントでも「実際に作ることで分かることもあるので、とても良いプレゼンでした」と感心の言葉がありました。

香りで癒し&やる気を導く!

ラベンダーチームは、受験生のプレッシャーを和らげるアロマディフューザーを提案しました。
香りが人に及ぼす効果が高いデータも示し、繰り返し使えるアロマストーンとオイルを缶に入れることを提案。
香りに着目したチームは複数ありました。

フラワーチームは缶を2段構造にして、1段目に花びら型の入浴剤を、2段目にアロマキャンドルを入れることをプレゼンしました。
湯船に浸かることは疲労回復になること、火のゆらぎは癒し効果があることも説明しました。
コメントも「視覚と香りの両面から癒しを取り入れているのが良い」と着眼点に感心されました。

続くチームぼむも入浴剤を提案しました。
入浴剤の効果や缶のデザイン、コストも細かく計算しプレゼン資料を作りました。

ストレス以外にも悩みはある

当日の不安を解消する缶を考えたのはおこめチームです。
鉛筆、消しゴム、鉛筆削りなど実用的なものを詰め込み、缶を持ち運べば受験の際に困らないようにしました。
缶はコーヒー缶タイプの細長いもので、ペン立てにもなります。
「缶を持ち運ぶというのは新しい発想」と東洋製罐の皆さんもびっくりのアイディアです。

チームココアは大学に行く自分を想像できないという悩みを解消する缶を。
大学の情報や在学生の実際の声を、写真も入れ分かりやすくまとめることを提案しました。
自分もやりたいことを書き込め、モチベーション維持につなげます。
サンプルを作って分かりやすくプレゼンしました。

チームlight!は目の疲れにフォーカスし「can pass light」というLEDライトを提案。
缶に穴をあけランプシェードにして楽しみます。
コメントでは「名称がいい」や、「缶に穴を開ける発想は面白い」という感想がありました。

包装も進化!東洋製罐とはどんな会社?

発表後に、東洋製罐テクニカルセンターの永井信彦氏から企業の説明がありました。東洋製罐は主に金属缶やPETボトル、プラスチック容器を製造販売する会社で、金属、プラスチック、ガラス、紙の4大包装資材の容器を様々な分野に提供している東洋製罐グループホールディングス傘下の企業です。金属缶は飲料、食品、生活用品などあらゆる用途に利用されています。安心安全はもちろん、環境問題にも配慮されています。「缶が自然分解されるには50〜200年という時間がかかります」と永井氏。現在日本ではアルミ・スチール缶は94%がリサイクルされていると語り、学生たちにも分別を促しました。

東洋製罐は企業相手に製品を売る会社ですが、最終的に使うのは一般の人たち。「皆さんの意見も聞いて作っています」と、カレーのレトルトパウチを紹介。個食化が進み、レトルトの消費が増えてきた現代に合わせ、技術革新により電子レンジ可の環境配慮型レトルトパウチが開発されたことを話されました。

最後に「どのチームもプレゼンがとても上手で資料もきれいでした」と、プレゼンが初めての1年生とは思えない質の高さにお褒めのコメントもいただきました。各発表に対して参加学生はリアルタイム投票機能で評価を行い、この結果に基づき企業の皆さまと先生方で協議し1位を決定。
1位のチームのアイデアは、東洋製罐のご協力のもと実物作製され、オープンキャンパスなどで受験生に向けて提供される予定です。