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2023年3月17日

産学プロジェクトで、ルミネの「リアルとデジタルの融合を提案する」プレゼンがオンラインで行われました。

2023年3月23日付 繊研新聞 掲載
問題解決型産学プロジェクト Z世代に響くルミネの新サービス提案
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本学と大妻女子大学、跡見学園女子大学、女子美術大学の4校が、ルミネと行った問題解決型産学プロジェクトの最終報告会について繊研新聞で紹介されました。

繊研新聞社WEBサイトリンクhttps://senken.co.jp/

 2月7日(火)、産学プロジェクト「LUMINE×AOJJ」の学生たちによるプレゼンが行われました(オンライン)。実践女子大学・跡見学園女子大学・大妻女子大学・女子美術大学の4女子大共同のプロジェクトで、実践女子大学からは大川知子教授(生活科学部 生活環境学科)のゼミ生10名が参加。大学間を越えたチームを作り、ルミネから提示された課題解決に臨みました。

4か月のプロジェクト集大成!4女子大の学生が交流

 プロジェクトは昨年10月から開始。各大学の参加学生は全員3年生で、計41人。6チームに分かれ、主にオンライン会議で話し合いを重ねてきました。ルミネからの課題は「リアルとデジタルを融合したデジタルの新しい形」。最終報告会のこの日は、ルミネの重森淳一氏(常務取締役営業本部長)や渡名喜暁子氏(OMO推進部)をはじめ10名が参加くださり、各発表後には質疑応答も行われました。

「消費者」から「発信者」へ

 最初のチーム「premiere」はルミネの利用者が購入だけでなく、発信者になれるSNSのようなアプリを提案しました。目的はSNSに親しんでいるZ世代に「ルミネを憧れの店」にしてもらうこと。購買体験を発信し、見た人が店に行きたくなるものを目指します。ギフト機能やほしいものリストなども作り、友人や推しに匿名でプレゼントを贈ることも可能です。
 発表後の質疑応答では「仕組みがしっかり設定されていた」との感想が。「Z世代に憧れにしてもらうためのポイントはどこ?」という質問には、「インフルエンサーなどに発信してもらうことで、Z世代に訴求する」と説明。

コーディネートはルミネで

 次のチーム「twinkle」もコーディネートアプリを立ち上げることを提案。「フレンチレストランでデート」「原宿でショッピング」など様々なシチュエーションを設定し、それぞれに合ったコーディネートを、ルミネのショップ店員がセレクト。ルミネの通販アプリと連動し、気に入った商品はそのまま購入もできるようにします。また、パーソナルカラー診断や骨格診断なども行え、自分に似合うルックを探せる仕組みです。
 質疑応答で「コーディネートに使えるSNSは他にもあるが、使ってもらうには?」という質問に、学生は「気温別、TPO別のコーディネートが検索できるのがポイント」と回答し、ルミネの方も納得されていました。

ルミネのメタバース空間を作ろう

 次の「チームワンピース」は、メタバース空間を利用したサービスを提案。デジタル空間上のルミネを、自分好みのかわいいアバターで回れる仕組みです。メタバース上の店舗で気に入った商品はワンタップで通販サイトに飛べるほか、実店舗のルミネの様子もリアルタイムで配信。実店舗に行ってみたいと思わせ、店舗に行き慣れないひとも安心して足を運べる工夫です。若者だけでなく地方の人にもルミネを体験してもらえるデジタル利用法です。
 発表後は「メタバースを実際に利用して検討しているのが素晴らしい」と感想がありました。

リアルとのつながり「ルミネコレクション」

 「火11」チームは、店員とお客様の関わりを大切にしているルミネの強みを生かした企画を提案しました。ルミネのショップ店員がコーディネートを紹介する3分程度の動画投稿アプリで、店員一人ひとりに投稿してもらうことで、店員に会いに行きたいと思わせる工夫です。また半年に1回、ルミネ内で「ルミネコレクション」を開催。人気店員による東京ガールズコレクションのようなイベントで、リアルの店舗に来たくなるように促します。
 発表後には社員の方から「ルミネコレクション、楽しそう。ショップ店員のおすすめ力の強みが出ている」と感嘆の声がありました。

Z世代に寄り添った参加型サービス

 次の「推し活盛り上げ隊」もフェスの開催を提案。年に1回人気イラストレーターとアパレルブランドがコラボをかけた投票をして、自分の好きなイラストレーターやブランドを応援できるシステムです。アプリは店内でも使えるようにし、タグをスキャンすることで店員を介さずに口コミやコーディネートを見られるものを提案しました。アプリ利用でクーポンの配布やイベントの投票もできるようにします。
 発表後は「推し活という発想がおもしろく、年間スケジュール感も分かりやすかった」と感想をいただきました。

ルミネセレクト!ポップアップショップ

 最後の「fortuna」は、リアルの雰囲気に合わせたデジタルサイトの開設を提案しました。ルミネはいろんなブランドが集結しているのが魅力とし、さまざまなブランドを合わせた「ルミネセレクト」のポップアップショップを作る案を出しました。実店舗にも同じショップを出し、リアルとデジタルのギャップをなくす工夫です。季節ごとのコーディネートに合わせたコレクションを提示し、デジタルでの通販だけでなく実店舗に来てもらえるようにします。
 感想では「リアルなルミネのポップアップに着目とデジタルの融合のアイデアがいい」と仰っていました。

学生も成長できたプレゼンテーション

 すべての発表後に、重森氏から総評をいただきました。「オンラインのやりとりでチーム内のコミュニケーションも難しかったと思いますが、ここまでルミネについて考えていただけるとは」と語り、「ルミネの通販システムとアプリの連携の改善余地は、皆さんのおっしゃる通り」と学生の指摘も受け止められていました。「参考になる点がたくさんありました。今後ルミネも改善していく中で、皆さんからの案があるかもしれません。引き続きルミネを見続けてください」と学生たちへの頑張りを賞賛されました。

 各大学の教授たちからも最後に学生へ言葉があり、大川教授は「今回の経験を大いに糧にしていただきたい」と学生たちへエールを送りました。

参加学生の声

 「初めて他大学の人と協力しましたが、グループの雰囲気づくりや人間関係を築きながら企画を進め、他の人の意見も聞き取り入れることで、より良い案が生まれるというのを実感できました。コロナの影響で、大学内の友人すら、あまり作れませんでしたが、今回、他大学の友人ができたことも嬉しかったです」

 「自分の意見に根拠をつけて、明確なものとして提案する能力が身に付きました。もともと自分の意見を伝えることは得意でしたが、得意で、声が大きいからこそ、周りの賛同でまかり通っていたのだと、気付くことができました。周りも自主的になると、自分の発言は根拠がないと埋もれるため、根拠まで言葉で表すようにする癖が付きました」

 「調査とは、ある程度ではなく、徹底的に行い、深く掘り下げることが重要であることを学びました。また、自分では考えつかないアイディアを提案してくれる仲間がいることで、考えの幅が広がることを実感しました。自分と他人のアイディアを融合することで、新しいアイディアが生み出されたときが嬉しく、毎週内容がブラッシュアップされていくことに対して、やりがいを感じるプロジェクトでした」

 「協調性やチームワークの大切さを、改めて知ることが出来ました。話が煮詰まってしまった時、その案を諦めるのではなく、ブラッシュアップすることで達成感を得られました。達成感を得られたのも、チームのみんなが諦めない心で臨んでくれたからだと思っています」

大川先生の話

 2013年の着任時、ルミネ立川店とのお取り組みからスタートしたこの産学プロジェクトは、今年度で一旦終止符を打ちます。最後の5年間は女子大連携プロジェクトに発展し、素晴らしい先生方のご尽力により、年々精度の上がる内容になりました。これは、一研究室の一教員だけでは到底できなかったことです。  
 ドキドキの課題提示に始まり、いざスタートとなると、学生たちも真剣に取り組み、時にチームの意見の食い違いやフリーライドの問題もありましたが、そういった苦難を乗り越え、最終発表まで力を合わせて取り組んだ経験は、何にも代えがたい貴重なものでした。
 ルミネの皆様も、相手が学生だからと手加減せず、真摯に向かい合って下さったこと、学生たちの成長の一助に力をお貸し下さったことに、大変感謝をしております。10年に亘り、本プロジェクトに関わって下さった全ての皆様に、心から感謝申し上げます。

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