TOPICS
トピックス一覧
条件から検索
Off
On
Template is not defined.
複数選択できます。
分類
キャンパス
学科
区分
規模
連携期間
年度
タグ
自身が生かされている意味とは?「キャリア・ショーケース」の授業で元スターバックスCEOによる「ミッション」についての講義が行われました。
4月23日に「キャリア・ショーケース」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で元スターバックスコーヒージャパンCEOであり、株式会社リーダーシップコンサルティング代表の岩田松雄氏の特別講演が行われました。自らの半生を通し、「ミッション」を自覚することの大切さを学生たちに伝えてくださいました。 自分はなぜ「生かされている」? この授業では学生が進行を担当します。CUBEと呼ばれる各班に分かれ自ら考え行動する力を養います。まず語られたのは「生きていることの不思議」。宇宙の誕生や地球の形成、そこから生命が生まれ人間へと進化してきた流れは、すべて偶然の積み重ねです。その視点から岩田氏は「生きているというより、(何か大きな力に)生かされていると感じる」と話します。 では、なぜ自分は生かされているのか。岩田氏は「人それぞれにミッションがあるから」と説明します。ミッションとは「存在理由」のこと。ミッションには、自分自身の役割を考える「個人のミッション」と、会社が存在する意味を考える「企業のミッション」があります。授業ではこの2つを軸に、自分の生き方や将来について考えていきます。 AI時代に必要な学びの本質とは AIの進化によって、多くのことが簡単に答えを得られる時代になりました。では、なぜ大学で学ぶ必要があるのでしょうか。 岩田氏はその理由を「視座を高める、視野を広げる、視点を鍛えるため」と説明します。自分とは異なる立場で物事を考え、興味のある分野だけでなく幅広く知識を得ること。「それによってイノベーション(変革)が起こりやすくなる」と話しました。そして得た情報をどう受け止めるかを考える力(視点)こそが重要だといいます。「卒業のためではなく、自分の土台をつくるために学び続けることが大切」と学生に伝えました。 また、変化の激しい時代だからこそ「不易流行」という考え方が必要だと強調します。岩田氏は「これは、変わらない本質(哲学)を大切にしながら、新しいもの(科学技術)も柔軟に取り入れるという考え方です。科学技術は加速度的に進歩しているが、人間の本質は何千年も変わっていないということ。今日お話しするミッションの大切さはいつの時代も変わらない。AIが答えを出してくれる時代だからこそ、人間に求められるのは「問う力」です。」と話し、常識を疑い、問題意識を持ち、自分で問いを立てるためにも、学び続ける姿勢が大切だと語られました。 AIが答えを出してくれる時代だからこそ、人間に求められるのは「問う力」です。問題意識を持ち、自分で問いを立てるためにも、学び続ける姿勢が大切だと語られました。 自分のミッションを見つけよう 岩田氏は、自身がミッションに気づいた経験を語りました。 「新卒で日産自動車株式会社に入社し、新入社員あいさつで『社長を目指す』と宣言し、先輩方から失笑をかった。しかし当時は社長の仕事は何も分からなかったが、高い目標が必要だと考えたからだといいます。ふと自社の企業理念を先輩達に尋ねても答えは得られませんでした。若い時から経営理念や社長に関心を持っていました。」 「経営に興味を持ったきっかけは、二つのハンバーガー店での気づき。同じ業種でも、楽しそうに働く店とそうでない店があることに疑問を持ち、経営に興味を持つようになります。そこでビジネススクールに進み、経営を学びました。経営学の授業では『会社=利益を追うもの(株主価値の最大化)』と教えられましたが、腑に落ちませんでした。」 「その後、株式会社アトラスの社長に就任。最初は社長就任挨拶で『株主価値の最大化が大切』と言っても社員には通じませんでした。その後ザ・ボディショップの社長をしている時に『企業は世の中を良くするためにある』と言う考えに至りました。ザ・ボディショップは、化粧品会社ですが、環境問題や人権問題に取り組む創業者のアニータ・ロディックの考えに共感しました。」 岩田氏は「企業は利益のためだけにあるのではない。世の中をよくするというミッションを実現する手段として利益が必要」と強調します。社会をより良くするために企業が存在するという考えに至ったプロセスは、これから進路を考える学生にとって大きなヒントとなる内容でした。 ミッションをもつことで働き方は変わる なぜ企業にもミッションが必要なのでしょうか。岩田氏は「共通のゴールを持てるから」と説明します。会社にはさまざまな価値観を持つ人が集まるため、同じ方向を目指すための軸が欠かせません。また、ミッションに共感した人が集まることで、組織としての一体感も生まれます。実際に岩田氏自身もスターバックスの理念に共鳴し、長い採用プロセスを経てスターバックスの社長に就任しました。 では個人のミッションはどう見つけるのか。ヒントは「情熱を持てること」「世界一になれること」「経済的原動力になること」の重なりを探すこと。つまり「好きで、得意で、人のためになること」です。「人にためになる」からその対価としてお金をいただけます。岩田氏は「ミッションはすぐに見つかるものではなく、また成長とともに進化させてもいい」と語ります。大切なのは、自分がなぜ生かされているのかを考え続けること。「働くとは、傍(はた)を楽にすること。自分の仕事が社会にどう役立つかを意識してほしいと思います」と講演を締めくくられました。 ミッションをどう見つけ、どう向き合う? 講演後は各グループで学びを共有し、質疑応答が行われました。 サークルでリーダーを務める学生からは「友人の関係性を越えて、組織の挑戦意欲を高めるにはどうすればよいか」と質問があり、岩田氏は「リーダーとは役割。自分のためではなく、チームのために何ができるかを考える“無私の心”が大切。だから時には厳しいことも言うべき」と答えました。また、「好きで得意なことが人のためになっているか自信がない」という声には、「人に感謝されたり褒められたりすることは、すでに誰かの役に立っている証拠。まずは好きなもの得意なものをつきつめていきましょう」とアドバイス。 さらに就職の失敗への不安については「もし落ちても、相手の見る目がないなと思って、ご縁があるところで頑張ればいい」と笑いも交えつつ回答。「就活面接で御社のミッションやビジョンに共鳴して~というのはだいたいの学生が言います。ただそれは相手起点で話している。自分起点で、自分はこういうミッションを持っていてこういう事をしたい、御社だったらそれが出来ると思った」と伝えれば良い。学生にとって、自分の軸はなにかを考える大切さに気づく機会となりました。 担当教員からのメッセージ 岩田様には、本学客員教授として、この科目のみならず本学の多くの科目でご講演、ご指導をいただいています。「ミッション」については、多くの学生の中に浸透しており、キャリア形成を考える上での軸となっており、学内の様々な活動は勿論、就活の際の「自分の強み」を考える上でも貴重な示唆をいただいています。さらに社会人となってからも、生き方の支えにもなっています。企業が社会で活動する意味、個人が社会で生きていく意味、まさにキャリアの本質に迫る内容は、学生の大きな気づき、そして学びに繋がっていることを感じます。改めて、この場を借りて、岩田様に心からお祈り申し上げたいと思います。
韓国便のサステナブル機内食を考えよう!「演習Ⅲa」の授業でJALとの特別コラボが始まりました。
4月28日に、「演習Ⅲa」(担当:人間社会学部ビジネス社会学科 角本伸晃教授)にて、日本航空株式会社(以下、JAL)との特別コラボ授業が開始されました。この日はオリエンテーション。JALが航空業界だけでなく、広く社会課題に取り組んでいることを学びました。授業の最後には数か月にわたって取り組むグループワークの課題も発表され、学生たちは新しい学びに積極的に取り組んでいます。 空の仕事から学ぶチーム力と前向きさ 登壇したのは、現役の客室乗務員でもある吉村真紀氏。「地球320周分、月まで16往復分ほど飛行機に乗っている」と語り、学生たちも驚きの表情。長時間乗務を続ける秘訣は「笑顔で前向きにいることと、チームの力」だといいます。「飛行中には救急車も消防車も来ません。すべて自分たちで対応します。だからこそ前向きに取り組むこと、そして大変なときに支えになる仲間の存在が大切です」と、チームビルディングの重要性を語りました。 もう一人登壇したのは鈴木茂樹氏。運航管理などの空港現業、機内食の開発などに携わり、著名なレストランとのコラボレーションメニューやサステナブルな食材を機内食に取り入れるための交渉などを担当されていました。 自己紹介の後はJALクイズが出題。JALのフラッグシップであるエアバスの機体カラーに込められた思いや企業理念、オリジナルドリンクなどに関する問題に、学生たちは手を挙げて積極的に参加しました。楽しみながら学べる時間となり、「クイズを通して大切にしていることが伝われば嬉しいです」と締めくくられました。 JALの価値観と目指す未来像とは ここからはJALの経営ビジョンについて。JALが目指すのは、航空会社の枠を超えて社会課題に向き合うことです。安心・安全な空の旅に加え、お客様の心に響く出会いや体験の提供を大切にしています。その実現のために策定されたのが「JALフィロソフィ」。これは、社員全員が共有する意識・価値観・考え方をまとめたもので、部門や職種を超えた連携を支える重要な指針です。 そして吉村氏は「皆さんにとってのウェルビーイングは何ですか?」と問いかけました。ウェルビーイングとは、自分にとって心地よい状態のこと。学生からは「モチベーション高く勉強できているとき」や「課題を終えたときの達成感」などの声が挙がりました。吉村氏は「心地よさは人それぞれ。JALもお客さま一人ひとりに『いいね』と思ってもらえる価値を提供できるよう変化しています」と語りました。 「六方よし」のためのウェルビーイング JALは企業として利益を出し続ける必要がありますが、利益だけを追うのではなく、すべてのステークホルダーに誠実であることを重視しています。これはESG経営と呼ばれ、環境や社会課題に企業として向き合う考え方です。 たとえば気候変動への取り組みでは、機体をカーボンで作ることで軽量化し、CO2排出量を減らす工夫を行っています。面白いところでは、家庭や飲食店の使用済み食用油を回収し、燃料に再利用する取り組みも。「渋谷区でもスーパーなどで集めていますので、皆さんもぜひ」と紹介されました。 多様性の面でも、障がいのある社員の活躍推進や男女差の解消に取り組んでいます。昔は、客室乗務員は子どもが出来たら定年、なんて言われていた時代もありました。今は子育てしながら働くのも当たり前。これは放っておいたら変わったわけではありません」と吉村氏。制度は自然に変わったのではなく、その都度の社員が、これがウェルビーイングなんだということを示していくことで少しずつ制度が整っていったのだと語りました。 またJALは「六方よし」の精神を大切にしています。世間、売り手、買い手がwin-winになる従来の「三方よし」に加え、作り手や環境、未来にも価値を届けることを目指しているのです。 韓国便のサステナブル機内食を考えよう! いよいよ課題の発表です。テーマは「JALグループのビジョンを体現する『サステナブル・韓国便ミール』の企画」です。韓国便のフライトは約2時間と短く、提供時間に余裕がありません。手早く出せるボックスミール形式で考えます。温めて提供することはできないので、冷たくても美味しいものを考えるのもポイントの一つです。 鈴木氏は「コストや食材など考えることは多いですが、私が機内食を考えるときは、『一番大事な人に食べてもらって笑顔になるか』をイメージしました」とアドバイス。家族や友人を思い浮かべ、楽しんでもらえるメニューを考えてほしいと語りました。吉村氏も「韓国はZ世代に人気の文化が多い国。ぜひ皆さんのウェルビーイングを感じるアイデアを提案してください」と期待を寄せました。 学生たちはグループで課題に取り組み、2か月後のプレゼンテーションに向けて準備を進めていきます。 担当教員からのメッセージ 角本ゼミではこれまで「観光」をメインテーマとしてきましたが、今年度はJAL航空みらいラボ様とPBLを行うことになりました。目的地への移動で航空機を利用する場合は長時間、閉鎖空間で過ごすために、機内食を楽しみにされている方が多いと思います。 今回のテーマは韓国便での機内食の提案ですが、その前提には「JALフィロソフィ」や「ウェルビーイング」があり、それを具現化する「サステナブルな機内食」をという趣旨説明を聞いて、ゼミ生たちも取り組む意欲がさらに高まったと思います。学生らしい型にはまらない提案を期待しています。 JAL航空みらいラボについて詳しい内容はこちら→https://www.jalaviofuture.co.jp/
奥菜恵さんが代表を務めるプロジェクト〈まるのWA〉のボランティア募集説明会が渋谷キャンパスで開催されました。
4月28日、渋谷キャンパスにて奥菜恵さんが代表を務めるフードバンク兼居場所づくりプロジェクト〈まるのWA〉について、学生ボランティアを募集する説明会が開催されました。 まるのWAについて まるのWAは、「子どもからお年寄りまで、世代を問わず気軽に集まり、ほっとできる居場所を作りたい」という奥菜さんの想いからスタートしたフードバンクプロジェクトです。居場所づくりとフードバンク活動をかけ合わせることで、参加者同士、参加者と運営といった人のつながりの循環を生み出しています。 奥菜さんは、プロジェクト設立の背景として、父の「誰かの役に立つようなことをしていきなさい」という言葉に影響を受け、長年ボランティア団体のスタッフとして活動してきたことを話しました。また、自身がシングルマザーを経験し、当時の孤独感や苦しい経験があるからこそ「同じ立場の人を支えたい」という想いがあることを紹介しました。 まるのWAでは月に一回、さまざまな企業から提供される商品の配布のほか、缶バッジ作りやリメイク体験などの体験イベントを開催しています。約20人が在籍する運営スタッフの中には、中高生などの学生も活動しており、イベント参加者のメイン層である親子連れを中心に、世代を超えた交流の場となっています。奥菜さんは「参加者からは『月に一回のこの場所が心の支えになっている』『子供が本当に楽しそうに過ごせている』といった言葉を寄せられている」と紹介し、「活動の意義や必要性を実感している」と話しました。 一方で、イベント参加人数の増加に伴い、参加人数が会場のキャパシティを上回ってしまうことや、「本当に必要な人に情報が届いているのだろうか」といった情報発信への不安といった課題についても学生に共有し、解決のために動き出そうとしていることを伝えました。 設立1周年にむけて 奥菜さんは学生に向けて、7月に開催予定の『まるのWA一周年イベント』について「コラボ企画第1弾としてみなさんに参加してほしい」と呼びかけました。続けて、「企画や運営、SNS運用など、皆さんが得意なことを通じて、さまざまな案を出しながらコラボレーションをしていけたらと思います」と話しました。 最後に「若い世代のリアルな言葉や感性には、とても大きな力があると思っています。たくさんの人の心や生活を支える活動を、皆さんと力を合わせて行えたら嬉しいです」と学生に語りかけ、説明会を結びました。 実践女子大学は今後も、企業や地域との連携を通じて、学生が社会課題に向き合い学びを実践する機会を創出してまいります。
五輪開会式をプロデューサー視点で!2026年度国際理解とキャリア形成の授業にてスポーツニッポン新聞社とのコラボ授業がはじまりました。
4月21日(火)、国際理解とキャリア形成(担当:国文学科 深澤 晶久教授)の授業にて、スポーツニッポン新聞社から編集委員の藤山健二氏、記者の佐藤博之氏をお招きし、学生が取り組むグループワーク課題の発表が行われました。 授業の概要と企業連携 国際理解とキャリア形成は、2年生以上を対象に開講されている共通教育科目です。国際情勢の学習や、グローバル業務を経験した外部講師による講演を通じて、国際的な視野と幅広い知識を身に付けます。 また、この授業では〈オリンピックとパラリンピック〉をテーマにスポーツ新聞の発行を行っているスポーツニッポン新聞社と連携を行っています。今回の授業では、編集委員の藤山健二氏、記者の佐藤博之氏をお招きし、課題に関連するオリンピックについての講演と、学生が取り組む課題の発表が行われました。 スポーツニッポン新聞社って? 授業の初めに、佐藤氏からスポーツニッポン新聞社について説明がありました。 スポーツニッポン新聞社は、全国にスポーツ紙を発行する新聞社です。全国発行部数がスポーツ紙No.1であることや、「スポニチアネックス」というオンラインプラットフォームでは月間2億2000万ページビューを記録したことなどが紹介されました。印象的な紙面構成については、「見出しと写真を大きく配置し、さっと目を通すだけで要点をつかめるようにしています」と説明しました。 ミラノ・コルティナオリンピックにみるスポーツ取材 続いて、約40年のスポーツ記者キャリアの中で長年オリンピックの取材に携わってきた藤山氏から、オリンピックに関する取材の視点や背景についてご講演いただきました。 藤山氏は、ミラノ・コルティナオリンピックで金メダルを受賞したフィギュアスケートのペア種目のりくりゅうペアについて、「メダルを受賞したとき、選手がとても涙を流していたシーンが印象的でした」と話しました。続けて、日本ではシングル種目の競技人口が多いことや、スケートリンクでは種目を超えた共同練習が難しいことから、ペア種目の練習場所が不足しているという問題が長年存在していたことを紹介しました。「ペアの選手は、スケートリンクの営業時間が終わった深夜、もしくは始まる前の早朝に練習をしていました。長年の苦労を乗り越えた末のメダルだったからこそ、あの涙だったんです」と、スポーツ選手の結果の背景にあるエピソードを語りました。 藤山氏は、「スポーツ記者は、試合の裏で起こっていることを取材して記事にしているんです」と述べ、結果だけでは見えない背景を伝えるというスポーツ記者の役割を学生に伝えました。 ロサンゼルスオリンピックと“あたりまえ”への転換点 藤山氏は、2028年開催予定のロサンゼルスオリンピックに触れ、この土地でオリンピックが開催されるのは3回目であること、過去には1932年と1984年に開催されたことを紹介しました。 藤山氏は、1984年当時のオリンピックの価値観について「国の威厳を見せる場所、という意識が強かった」と紹介しました。1984年のロサンゼルスオリンピックは、史上初の民間主導(税金投入なし)で開催され、これまで税金で賄っていた運営資金を確保するために「テレビ放映権料」「スポンサー協賛金」「入場料」「グッズ販売」といった施策が初めて導入されました。これらは現在のオリンピックの運営の基盤となっています。 「もうひとつ、今となっては当たり前のことが初めて実施されました」と話す藤山氏。それは「開会式のショービジネス化」でした。また、その背景にテレビ放映やスポンサーとの運営資金の関係があることが説明されました。 課題の発表! 今年度、学生が取り組むグループワークの課題が発表されました。藤山氏から提示された課題は、「オリンピックの開会式のプロデュース」です。 提案には、「開会式テーマの設定、選手団入場と選手宣誓の実施、聖火台への点火方法」が必須条件として求められました。学生は総合プロデューサーの立場になりきって、オリンピック開会式の企画立案を行います。 藤山氏は、「開会式はオリンピックの『平和な社会のためにスポーツを役立てる』という意義を表現する場です。大会ごとに開会式のメインテーマが決まっており、2026年ミラノ・コルティナオリンピックでは『調和』が、2020年東京オリンピックでは『感動でつなぐ力』がテーマでした」と、オリンピックの開会式について説明しました。 さらに、2028年ロサンゼルスオリンピックでは『多様性』がコンセプトとして掲げられ、コンセプトを表現する公式ロゴが26種類用意されていることを紹介し、「企画を考えるときの一例として参考にしてください」と話しました。 授業の最後に 藤山氏は、「自由な発想で取り組んでください。実現が不可能と思うものでも大丈夫です。みなさんの創造力を発揮して、提案していただければと思います」と、企画に臨む学生にエールを送りました。 学生はこれから、企画のプレゼンテーションに向けてグループワークを進めていきます。 担当教員のコメント 恒例となりました「国際理解とキャリア形成」の授業におけるスポーツニッポン新聞社様との「オリンピックパラリンピック特別講座」も9年目となりました。今年も、スポーツニッポン新聞の藤山様、佐藤様、池田様にご支援をいただいての授業がスタートを切りました。ミラノコルティナの冬季オリンピックでは、日本人選手の活躍もあり、大いに盛り上がりました。やはり若者たちの飛躍の舞台としてこれからも発展し続けて欲しいと思います。今年は、「オリンピックの開会式のプロデュース」がテーマです。学生たちの豊かな創造力を活かした提案が楽しみです。
メタ認知を身に付けてこれからのグローバル人材になろう!東京きらぼしフィナンシャルグループによる特別講演が行われました
3月17日に、東京きらぼしフィナンシャルグループのデジタル営業戦略部 部長 吳 尚燁(オ・サンヨウ)氏による特別講演が行われました。これからの時代に求められる新たなグローバル人材とはどのようなものかを、経験を交えながらお話しくださいました。多様性の時代における「メタ認知」の重要性について、学生たちの学ぶ機会となりました。 海外では予想外のことが起こるのは当たり前 吳 氏は登壇すると、「안녕하세요(アンニョンハセヨ)」と韓国語であいさつ。そのまま韓国語で話し始め、学生たちは突然のことに戸惑い気味です。するとオ氏は「みなさん今、戸惑いましたよね」と日本語で話しだされました。「海外旅行や留学では、予想外のことが起こります」と語り、言葉や常識が通じない中でどう準備し、どう対応するかを考える講義が始まりました。 吳氏は以前、韓国の新韓銀行に勤務し中国・アメリカ・インド・ベトナムなど8カ国を回りながらコンサルティングを行われてきました。2022年には、インターネット銀行の設立を経験するためきらぼし銀行に入社。現在も韓国やベトナムなどを行き来し、海外進出を目指す日本企業や、日本進出を目指す海外企業の支援を行っています。 「海外に行けばグローバル人材」ではない! 忙しく海外を飛び回る吳氏は、周囲から「グローバル人材だね」と言われることがあるそうです。「でも私はそうは思っていません。日本語も話せますが、小学生の頃に大阪に住んでいたこともあり、日本はローカル(故郷)の一つという感覚です」と語りました。 グローバル人材を取り巻く環境も大きく変化しています。以前は、語学力が高く海外滞在の経験がある人がグローバル人材とされていました。しかし現在はAIや通訳技術の発展により、現地に行かなくてもオンラインでコミュニケーションが可能に。かつては物理的に国境を越えることが「グローバル」でしたが、今は「認知や文化の境界を取り払うこと」だと吳氏は話します。 見た目で決めつけず背景を考える 「認知と文化の境界を取り払う」とはどういうことなのでしょうか。吳氏はさらに説明を続けました。多様性の時代、人間のハードとソフトが一致しないケースが増えているといいます。例えば、両親の国籍が違う人が、海外で幼少期を過ごし、現在日本で生活している場合、さまざまなルーツが混ざっています。見た目や国籍は日本人でも、思考や育った環境、文化は海外で形成されている人が多くなっているのです。「社会は見た目や国籍で日本人と判断しますが、名前や言語だけではその人のアイデンティティは分からない時代です。そうした人と出会ったとき、あなたはどの国の人として向き合うべきでしょうか」と、学生たちに問いかけました。 また、AIの発展により「外国語を話せなくてもよい」と言われることもありますが、吳氏は「それ以上に、自分のアイデンティティをどう表現するかが重要」と話します。対面であれば伝わるニュアンスも、ビデオ通話やAI翻訳では伝わりにくいことがあります。言語が話せること以上に自分をどう表現するかを考えることが、今後ますます重要になると語りました。 メタ認知を駆使して多文化を理解しよう では、これからのグローバル人材にはどのような考え方が求められるのでしょうか。吳氏は「メタ認知」だと語ります。メタ認知とは、自分の考えや感情を一歩引いてとらえ、客観的に見る力のことです。「人は自分のことで精一杯で、相手の考えを想像するのは難しいものです。だからこそ一歩引いて、『あの発言の背景には何があるのか』と、感情ではなく構造で考えるトレーニングが大切です」と説明しました。多文化に触れると戸惑うこともありますが、文化的な違いや背景を理解する大切さを伝えました。 また、自分の武器を考えることも重要です。自分の強みや自分らしさを見つめ直し、軸を持つことの大切さにも触れました。「みなさんはこうした考えを持てる人材だと思っています」と学生たちにエールを送り、講演を締めくくりました。 メタ認知を実践するには 最後に質疑応答の時間が設けられました。「ついイライラしてしまい、一歩引いて考えるのが難しい。メタ認知のために心がけていることは?」という質問に対し、「すべて一歩引いて考えられる人はいないと思います。感情が先走ってしまっても、あとで必ず振り返ることが大切。そのときの感情や状況を整理し、どう対応すべきだったかを考えてみましょう」と回答しました。 また、「自分の意見を言うべきときと、メタ認知すべきときの見極めは?」という質問には、「第一声を我慢すること。感情のまま話すと、自分の立場で言いたいことだけに偏りがちです。表現や言葉選びを工夫し、自分らしさをどう伝えるかも大切ですね」と話しました。 国際的な人材を目指す学生にとって、実体験に基づく実践的な話を伺えた、刺激ある機会となりました。
人工石の指輪の認知を広めるには?「実践デザインラボⅠ」の授業でBrillarとの特別コラボが行われ学生たちが施策を提案しました。
「実践デザインラボⅠ」(担当:人間社会学部社会デザイン学科 標葉 靖子教授)の授業で、12月19日に株式会社Brillar(ブリジャール)との特別コラボ授業が行われました。この日は1か月前に出された課題に対するプレゼンテーション。テーマは「人工石の指輪をひとつのライフスタイルや自己表現として広めるための具体的な施策を考える」です。学生たちはグループワークを経て発表に臨みました。 レンタルサービスで良さを広めよう Brillarの代表取締役である小原亦聡氏も来校し、「楽しみにしてきました」とコメント。「店にも来てくれたと従業員から聞いています。シャープな質問もあったそうですね」と、学生たちの調査力に感心していました。さらに「成長過程にあるブランドとして良い施策があれば取り入れたい」と、提案に期待を寄せました。 いよいよ学生たちの発表です。トップバッターは「カメレオン」チーム。人工石に関する意識調査では、人工石が指輪の素材として使用されていることを知らない人が83%にのぼり、まだ十分に知られていない現状や、従来の価値観によるイメージが課題だと整理しました。そこで提案したのが、名付けて「Brillar select」というレンタルサービスです。記念日や結婚式などで指輪やネックレスを1週間貸し出し、利用している様子をSNSに投稿するとクーポンが使える仕組みにして、人工石ジュエリーの認知向上と抵抗感の軽減を目指します。 発表後、小原氏から「以前、婚約指輪の購入者向けに結婚式でのレンタルサービスを行ったことがあります」と実例が紹介されました。過去に類似の取り組みも行っており、その可能性と課題の両面について意見交換が行われました。 SNSで若い世代にアプローチ 続いての「こしあん」チームはSNSの活用を提案しました。意識調査では、天然石を選ぶという従来の価値観が根強く、人工石を積極的に選びたいひとは少ないことを確認。そこで、SNSで情報を得ている若い世代にアプローチし認知度アップを狙います。利用するSNSは「X」で。バズっている投稿を検証し、画像や情報の発信方法などを具体的に提案しました。 「この仕事はInstagramから始めたので、いまでもInstagramに投稿が偏っているかもと感じました」と小原氏。「他のSNSへの対応やインフルエンサーへのオファーなどにも力を入れるべきかもしれませんね」とコメントされました。 「自分らしさとは何か」を問いかける 次のチーム「長女」は、人工石を宝石ではなくファッションとして提案するプレゼンを行いました。商業施設でミニランウェイを開催し、実物を見る機会を増やします。展示の場ではサステナブルな価値も訴求しやすいと説明しました。さらに銀座などの駅で、デジタルサイネージ広告を展開。イメージ動画も自分たちで作成しました。「自分らしさとは何か」を問いかけることで、新しい愛の表現としての選択肢を提示しました。 小原氏は「動画も作り込まれていて、完成度の高い発表でした」と感嘆されました。「主体的に選んでいるつもりでも、社会的なイメージに影響されていることは多い。新しい自己表現としての切り口はとても良いですね」と語りました。 キャラクターとコラボして展開 最後は「プリキュア6」チームです。意識調査から、ジュエリー選びの基準は「知っているブランド」であることが重視され、価格も大きな判断材料になると分かりました。宝飾業界は定番ブランドの基盤が強く新規参入が難しい一方、手に取りやすい価格帯であれば選択肢に入ることにも着目。そこで若者への認知拡大策として、ポップアップストアの実施を提案しました。カスタムチャーム作りやサンリオなど既存キャラクターとコラボすることで、ブランドをより身近に感じてもらう狙いです。 小原氏は「百貨店でポップアップを行ったことはありますが、若者向けではありませんでした」と振り返り、「キャラクターの力を借りるのも一つの有効な案ですね」とコメントしました。 意識調査からしっかりと 発表の締めくくりには、小原氏から総評がありました。「意識調査など大変だったと思いますが、どの班もしっかり調べていて素晴らしかったです。ありがとうございます」と、学生たちの努力をねぎらいました。さらに「気になってはいたもののやっていなかったところも指摘され、やはり力を入れるべきと気付かされました」と、学びの多い発表だったと振り返りました。 小原氏(株式会社Brillar代表取締役)からのメッセージ 今回の取り組みを通じて、モアサナイトという新しいジェムストーンに対する若い世代の率直な声に触れ、その可能性を改めて強く実感しました。既存の価値観にとらわれず、自分自身の基準で「美しさ」や「選ぶ意味」を判断する姿勢は、これからのジュエリーの未来そのものだと感じています。ブリジャールは、創業9周年を迎える中で、日本におけるモアサナイト市場を切り拓いてきました。まだ一般的ではなかった時代から、モアサナイトの持つ本質的な美しさと価値を信じ、発信し続けてきたからこそ、今こうして次世代の共感に繋がっていると考えています。モアサナイトは、単なるダイヤモンドなどの代替素材ではなく、これからの時代にふさわしい新しい選択肢であり、新しいスタンダードです。今回得られた若い世代のリアルな視点を大切にしながら、その魅力をさらに広げ、次の時代のジュエリー文化を形づくっていきたいと思います。 担当教員からのメッセージ 今回の社会連携プロジェクトでは、学生たちにとって実地調査や資料作成を通じて、立案に至るまでのプロセスを体験的に学ぶことのできる機会となったのではと思います。 あらためて学生にこのような貴重な機会をご提供いただいた小原様をはじめとするBrillarの皆様に厚く御礼申し上げます。
「深ゼミ Year’s Party 2026」が開催されました
文学部国文学科の深澤晶久教授にキャリア教育を学んだ学生やOGの有志が集う「深ゼミ Team FAN Year’s Party 2026」が、3月14日(土)に渋谷キャンパスにて開催されました。 世代を越えてつながる、深ゼミ交流の広がり 当日は、過去最多となる94名が参加し、本学を卒業して多彩な企業で活躍するOGと現役学生が、学部・学科の垣根を越えて交流を深めました。 冒頭では、木島葉子理事長にご登壇いただき、本学の卒業生として後輩たちへ温かいエールが送られました。 理事長のあいさつの後には、参加した卒業生一人ひとりから、現在の仕事やこれまでのキャリアについて簡単な自己紹介が行われました。多様な分野で活躍する先輩たちの話に、学生たちは熱心に耳を傾けていました。 会場では、在学生とOGによるグループセッション(ワールドカフェ)が行われ、就職活動への不安や悩み、業界選択のポイントなどについて活発な意見交換がなされました。セッションごとに席を移動しながら、多くの先輩・後輩が交流する様子が見られました。 さらに、キャリアや大学に関する内容をテーマとした「深ゼミクイズ」も実施され、会場は大いに盛り上がりました。 約3時間にわたり、学年や立場を越えた交流が行われ、久しぶりの再会を喜ぶ姿や、新たなつながりが生まれる様子が随所に見られました。 深ゼミは2015年にスタートし、これまでに800人を超える学生・OGが参加しています。本イベントは、学生と卒業生がつながり、互いに学び合う場として、着実に広がりを見せています。 会場の様子 担当教員からのメッセージ 「大学の価値は卒業生が決める」こんな言葉を日々学生に伝えてきました。「社会で活躍して時々母校に帰る、その姿を学生がロールモデルとして目標にする」そんなサイクルを作れないかと思い10年前に始めた「深ゼミ」も10年が経過しました。最初は15名ほどでスタートしたこの会も、約100名の卒業生、在学生が集う会へと発展してきました。母校に誇りを持ち、先輩後輩の絆を深め、大学生としても卒業生としても矜持を胸に、さらに活躍して欲しいと考えています。
デザイン思考で挑戦!実践プロジェクトbの授業にてTANZO、ゼクシィとの連携授業の最終発表が行われました。
1月14日(水)、実践プロジェクトb(担当:美学美術史学科下山肇教授)の授業にて、鍛造指輪株式会社(以下、TANZO)常務取締役 曽我石 龍之介氏と株式会社リクルートのゼクシィ編集部(以下、ゼクシィ) Divison総括本部 マリッジ&ファミリーDivision 朝賀しお莉氏、鈴木莉乃氏をお招きし、学生の提案の最終発表が行われました。 授業と企業連携について 実践プロジェクトbは、2年生以上の学年を対象に開講されている共通教育科目です。問題解決(PBL)型授業で、企業から渡される課題に対して、学生が解決策の提案を行います。この授業では、課題に対する解決策を考える方法としてデザインの考え方を取り入れています。 今年度はTANZO、ゼクシィとの企業連携が行われ、ブライダル分野の課題に挑戦しました。TANZOは婚約指輪や結婚指輪を中心にオーダーメイドの指輪を製作・販売を、ゼクシィは結婚に関する総合的な情報発信を行っています。 授業のあゆみ 初回授業では、曽我石氏、朝賀氏、鈴木氏が来校し、〈新しい出会いの手段を創造する〉という課題が発表されました。その後、それぞれの企業の紹介とブライダル業界が抱える課題点が共有されました。学生には、課題として既存の出会い方にとらわれない「新たな出会いの手段」を見つけ出すことが求められていると伝えられ、大学生ならではの柔軟な発想への期待が寄せられました。 その後、まずは学生自身が「自分が出会いたい人」のイメージを出発点としてイメージボードを作成。完成後は学生間でイメージボードの交換が行われ、自分ではなく、『クライアント』の求める人物と出会える場の企画の考案を進めていきました。キーワードの抽出・整理を行いながらアイデアを発展させ、中間発表での企業からのフィードバックをもとに企画内容を具体化。その間、AIを思考の壁打ち相手として活用しながら企画を段階的に検討し、『出会いの手段』の提案へとまとめていきました。 中間発表でのフィードバックを受け、企画のブラッシュアップを行った学生たち。それぞれのクライアントが求める『出会いたい人物』に出会える場をテーマに、企画の最終発表が行われました。 学生の発表 ニャン・テリジェンス クライアントの求める”出会いたい人物像”と、既存のマッチングサービスにおける「外見や条件は分かる一方で、人の価値観が見えにくい」という問題点に着目し、外見や条件だけでなく内面の相性を重視した出会いを目指す、AIを活用したマッチングプラットフォーム〈ニャン・テリジェンス〉を提案しました。 イメージボードから『多趣味』『清潔感』『対話力』の3点を要素として抽出し、AIとの対話による性格分析やAIが話題を提供するテーマトークを通して、データに基づくマッチングと実際の対話の両面から相性を確かめられる仕組みを設計しています。特に『清潔感』の要素として姿勢の良さに着目し、カメラの情報をAIが分析して姿勢が悪くなると猫の鳴き声で知らせる機能を提案しました。 さらに、参加者を連携企業に勤める社会人に限定することで、サービスの信頼性向上と安定した参加者確保を図り、企業価値の向上にもつなげる点を特徴としています。 曽我石氏は「ネーミングが素敵です。AIの要素が加わることで、分析とフィードバックのサイクルが実現可能だと想像できました」とコメントしました。朝賀氏は「異なる人に惹かれる側面もあると思うので、『価値観が同じ』だけではない、多様な出会いをサポートできるとさらに良くなると思います」とフィードバックしました。 教えあい料理教室 クライアントの求める人物像を表したイメージボードから『誠実な人間性』『食に対する興味』の二点に着目し、出会いにおいて表面的な情報だけでは分かりにくい相手の本質を短期間で知ることができる“出会いの場”として〈教えあい料理教室〉を提案しました。 買い出しから片付けまでを参加者自身が担い、レシピを教えあいながら交流する点が特徴です。集合後は買い出しから始まり、調理や食事、片付けまでの流れを共にすることで自然なコミュニケーションが生まれるように設計しました。また、一連の作業を通して食の好みや性格、ライフスタイル、指示の出し方など、参加者の本質を知ることができるとしました。 体験価値を重視する大学生や20〜30代社会人を対象に集客し、本気度を担保するため月額3,000円の会費を設定しました。料理を通して参加者の本質的な部分を知ることができる企画として説明されました。 曽我石氏は「出会ったあと、実際に付き合ってみたときに感じるズレが少なそうです」とコメントしました。朝賀氏は「初心者歓迎の部や、逆に食べるだけの人の枠を設けるなど、参加者の条件はさらに展開できそうです」とフィードバックしました。鈴木氏は「慣れてきたときに人の本質が出る気がするので、3回以上の参加を必須にするなどの条件を付けるとよいのではないでしょうか」とコメントしました。 仮想協働生活アプリ〈OUR LIFE〉 クライアントの「出会いたい人」の要素を示したイメージボードから、『優しくて笑顔が柔らかい』『想像力豊かで思いやりがある』『たばこを吸わない』という点に注目し、「相手に誠実に向き合う姿勢」「第三者との関わりから見える本来の性格」「健康的な生活」の三点を“出会いの場で見極めたい要素”として抽出しました。 既存の出会いの手段では実際の生活に関する情報が不足しているという課題を踏まえ、人を選ぶのではなく“確かめる”場として仮想生活マッチングアプリ〈OUR LIFE〉を提案しました。企画はAIによる自己分析とマッチング、共同生活、卒業の三段階で構成され、共同生活では献立や食事、子どもと遊ぶ体験、ストレスイベントなどのタスクを通して金銭感覚や健康意識、対応力を見極める仕組みとしました。 期間は1日・1週間・1カ月から選択可能とし、本気の出会いの場として月額3,600円の参加費用を設定しました。 朝賀氏は「“ゲーム=攻略”と捉える人もいるため、より“出会い”にフォーカスした方向性で展開していくと、マッチングアプリとしての安全性が高くなると思います」とコメントしました。 鈴木氏は「スマートフォンの歩数と連動して移動距離が見られたり、ステータスとしてポップが表示されたりするなど、リアルと連動した機能があるとよりよいのではないでしょうか」とフィードバックしました。 〈SYNC TO UNLOCK〉 クライアントのイメージボードにある『気遣いができる、ユーモアがある、韓国風ストリートファッション』といったキーワードから、コミュニケーション能力の高さ、視野の広さ、トレンドへの敏感さを出会いの場に必要な要素として抽出しました。これらを踏まえ、ファッションブランドに焦点を当てたイベント型POP UP SHOP〈SYNC TO UNLOCK〉を提案しました。 本企画では「脱出ゲームをクリアしなければ商品を購入できない」という制約を設け、初対面の参加者同士が協力せざるを得ない状況を生み出すことで、自然な交流を促します。さらにゲーム内容も、求められる人物像の要素が発揮されるよう設計しました。脱出後には参加者ごとに異なるクーポンを配布し、共有することで全員が利用できる仕組みとすることで、参加者同士のコミュニケーションを促し、連絡先交換などイベント後の関係形成にもつなげる企画として説明しました。 朝賀氏は「ファッションブランド以外のコンテンツでも実施できそうな内容だと思いました」とコメント。曽我石氏は「実施することでアパレルブランドに対する愛着も上がり、ビジネスとしても成り立つ企画だと思います」と話しました。 バーチャルとリアルをつなぐマッチングアプリ クライアントのイメージボードから、「趣味を一緒に楽しめる人」という要素に注目しました。物事に取り組む姿勢や態度を知ることができ、同じ趣味を持つ人と出会える場として、シミュレーションゲームとマッチングアプリを組み合わせたサービスを提案しました。 このサービスでは、理想の暮らしをシミュレーションしながらタスクをこなすことでポイントが付与される仕組みを採用しています。アプリの登録者は、好きなコンテンツのタグ付けや、過去に参加したライブチケットの登録などを行い、「好き」を通じたマッチングが行われます。 また、タスクには生活における価値観に関する内容を設定し、同じ物事に対する取り組み方や姿勢を判断できる設計としました。さらに、タスクをこなして得られたポイントは、実際のライブチケットやグッズと交換できるようにすることで、オンライン上で協働した相手とリアルで出会うための導線を確保しました。 朝賀氏は「同じ趣味を持つ友達のコミュニティを広げる目的でもできそうです。チケットやグッズ目的の人もアプリを使用すると思うので、出会い目的を確実にするシステムがいると感じました」とコメント。鈴木氏は「ポイント交換チケットの転売対策も必要だと思いました」とフィードバックしました。 朝食コミュニティ クライアントのイメージボードにある「いただきますが言える人」「細身の体形の人」「自己管理ができる人」という要素に着目し、「朝ごはん」を共に食べる食事会を出会いの場として提案しました。 ターゲットは25〜39歳の会社員とし、1日の始まりである朝を整えることで自分自身や仕事の調子を整えたいと考える人々を想定しています。参加者は出社前に会場へ集まり、到着後は各自のタイミングで「いただきます」をして食事を開始する仕組みとすることで、自発的に挨拶ができる人物かどうかを確認できる点を特徴としました。さらに参加条件にBMI23未満を設定し、「細身の体形」という要素を満たす設計としています。食事はグラム単位での事前申請制とし、完食をおかわりの条件とすることでフードロスにも配慮しました。最後に参加者全員で「ごちそうさま」を言うことを合図に終了する企画として説明しました。 曽我石氏は「中間発表からより詳細な内容が詰まっていて、具体的なイメージがつきました。グラム単位で指定するということは、美意識が高い人たちが集まりそうですね」とコメント。朝賀氏は「休日プランやランチ会など、様々なパターンがつくれそうです」と企画の発展性について指摘。鈴木氏は「クライアントの要望通り、『いただきます』を自然に発生させるシステムがきちんと設計されていてよかったです」と評価しました。 授業の終わりに 曽我石氏は「授業で終わらせることがもったいなく感じるくらい、社会につながる提案でした」とコメント。朝賀氏は「就職活動のエントリーシートに”学チカ”として十分かけるような、充実した発表でした」と話しました。鈴木氏は「アイデア出しやスライド作成など、提案を考える過程も参考になりました」と話しました。 今回の授業は学生にとって、デザインの考え方を取り入れながら、アイデアを企画として具体的な形にしていく過程を実践的に学ぶ貴重な機会となりました。クライアントの要望をもとに考え、試行錯誤を重ねながら企画を磨き上げていく経験を通して、発想力だけでなく、相手のニーズを捉えて形にする力を養う機会となりました。 担当教員からのメッセージ 【生成AIの活用と他者視点の融合】 今回の授業では、主に二つのポイントを設定しました。 第一は、生成AIを活用したデザイン思考の実践です。第二は、自分自身ではなく「他の履修者」をクライアントとして想定し、企画を構想することでした。 まず生成AIについてですが、現在はまだ技術の過渡期にあり、その利用については賛否さまざまな意見があります。しかしデザイン分野においては、今後重要なツールになると考えられるため、学生には早い段階で実際に体験してもらうことを重視しました。 ただし、生成AIは使えばよいというものではなく、使い方によっては単なる作業の効率化にとどまってしまいます。そこで授業では、「どのようにAIを使うのか」という思考の組み立て方そのものを学習の中心に据えました。まず自分自身の発想を起点にアイデアを練り上げ、その過程で資料やデータの収集、調査や取材を重ねます。その上で、ある程度まとまった構想を生成AIに投げかけ、返ってきた提案や視点を再び思考の材料として検討し直す、という往復を行いました。こうした過程を通して、AIに依存するのではなく、自分の構想を軸にしながら活用する姿勢を体験的に学ぶことができたと考えています。 もう一つのポイントである「他履修者をクライアントとすること」についてですが、通常の課題制作では、自分自身から発したものやことをテーマとして考えることが多くなります。しかしその場合、主観的な考えから抜け出せず、発想が行き詰まったときに突破口を見出しにくいという側面があります。そこで今回は、自分ではない「他履修者」から発した題材を元とすることで、より客観的な視点から問題設定や提案を行う方法を試みました。デザインは本来、自分ではなく常に自分以外の 「何か・誰かのために」行う行為であり、その実践的な思考方法を体験することが目的でした。 結果として、協働企業の方々からは非常に高い評価をいただきました。企画内容についても、「ここで終わらせるのはもったいない。さらにビジネス化の可能性を検討し、次のフェーズへ進めたい」というご意見をいただくことができました。 学生の持つ高いポテンシャルと、生成AIなどの現代技術を組み合わせた方法論によって、実社会と接続した充実した授業を実現できたと考えています。
生成AIとクリエイティブ!サイバーエージェントとのコラボ授業で、学生の制作物の最終発表が行われました。
2025年12月23日(火)演習Ⅱb(担当:人間社会学部人間社会学科 粟津 俊二教授)にて、株式会社サイバーエージェント(以下サイバーエージェント)から川越寛之氏をお招きし、制作物の最終発表が行われました。 授業と企業連携について 「演習Ⅱb」は、人間社会学部の2年生を対象に開講されている専門科目です。学科での学びをさらに深めるための基礎知識を身につけることを目的としています。粟津教授が担当するクラスでは、「生成AIを活用し、社会連携推進室を紹介するポスターを制作する」という課題に取り組んでいます。授業では、Web広告事業でAIを用いたクリエイティブを行っている株式会社サイバーエージェントと連携し、生成AIの活用方法を実践的に学んでいます。コラボ授業初回の様子はこちら→https://socialcooperation.jissen.ac.jp/topics/9598/ これまでの授業で、川越氏や粟津教授から生成AIの活用方法のレクチャーを受けてきた学生たち。5つのグループに分かれ、生成AIを活用しながら制作を行いました。今回の授業では、川越氏のほか、社会連携推進室の職員2名も授業に参加しました。学生はこれまでの制作をパワーポイントにまとめ、発表を行いました。最優秀賞と優秀賞に、サイバーエージェントと粟津教授から記念品の授与が行われました。 これまでの授業で、川越氏や粟津教授から生成AIの活用方法のレクチャーを受けてきた学生たち。5つのグループに分かれ、生成AIを活用しながら制作を行いました。今回の授業では、川越氏のほか、社会連携推進室の職員2名も授業に参加しました。学生はこれまでの制作をパワーポイントにまとめ、発表を行いました。最優秀賞と優秀賞に、サイバーエージェントと粟津教授から記念品の授与が行われました。 本記事では、授業の発表順に班の成果物を紹介します。 B班:社会連携を手のひらサイズで B班は、トランプカードをモチーフにしたコンパクトな宣伝カードを制作しました。表面は桜のマークを中心に配置した左右対称のデザインで、シンプルな線や配色がトランプの図像を想起させます。裏面にはQRコードを大きく配置し、受験情報や企業ロゴを分かりやすく掲載しました。裏表でイメージを統一したデザインには、生成AIが活用されています。 B班は現状の課題として「認知度が低いこと」を挙げ、「どのように伝えるかが重要である」と分析しました。大学の魅力を補強するツールとして、見る人が自ら情報を得たいと思える掲示物の制作を目指したといいます。宣伝カードはスマートフォンのケースに挟めるサイズで、学生は「手に取った人が自分事として捉えられるように設計した」と意図を説明しました。 また、QRコードを読み取ってもらうための工夫として、独自に行ったアンケート結果をもとに、「『読み込めば得になる』と感じたときに、QRコードを読み取る人が多いことが分かった」と説明。QRコードの先にある情報への興味を高めるため、カード上の文字情報は最低限に抑えたといいます。制作物は、オープンキャンパスでの配布に加え、構内に設置されているデジタルサイネージでの掲示を想定しています。 川越氏からは「思わず見直したくなるデザインで素敵です。配布物としての役割が明確で、とても良いと思います」とのフィードバックがありました。職員からも「社会連携プロジェクトに参加する、未来の芽を育てる制作物だと感じました。学生だけでなく企業の方にも配布できそうで素敵です」とコメントが寄せられました。 E班:実践の場をもっと多くの学生へ! E班は、コミックストーリー型の紹介ポスターを制作しました。A4サイズの用紙を縦に使用し、上部三分の二には四コマ漫画、下部三分の一にはキャッチコピー、紹介文、社会連携ホームページのQRコードを配置しています。 四コマ漫画は女性を主人公とし、アメリカンコミック風のタッチで描かれています。漫画の内容は、社会連携プロジェクトに参加する過程で生じる感情の変化を表現しており、1コマ目では参加前の不安な気持ちを、2〜4コマ目ではプロジェクト参加を通してポジティブな経験を得ていく様子を描いています。漫画の下部には、「『面白そう!』を、未来の自信に。座学だけじゃ終わらない大学生活へ」というキャッチコピーが配置されています。 E班は、社会連携プロジェクトに未参加の学生が多いという資料を引用し、入学後にプログラムの存在を知らなかった学生や、参加経験のない在学生をターゲットに設定しました。参加につながっていない要因として、社会連携プログラムの内容や魅力が十分に伝わっていないことがあると分析しました。参加に対する後ろ向きな先入観を前向きな印象へと変えることを目的に、ポスターを制作しました。漫画を用いて感情に訴求することで、参加意欲の向上や、プロジェクト参加への不安解消を狙っています。 職員からの「漫画の作成はAIですか?」という質問に対し、「イラストはGeminiで生成し、コマ割りは自力で行いました。細かい部分は手直しをしています」と回答しました。川越氏は「学校内にはあまりないテイストの掲示だと思います。掲示を見てもらうためのフックとして効果的だと感じました」とコメントを寄せました。 A班:高校生の未来をひらく! A班は、お守りの形をしたリーフレットを制作しました。リーフレットはA4横置きサイズで、右開きの三つ折り形式です。表面には「合格」の文字と校章を配置し、お守りをモチーフにした装飾が施されています。開いた内側には、過去の社会連携プロジェクトの紹介や、社会連携の魅力が掲載されています。さらに、リーフレットを一枚開くと絵馬の印刷が現れる点が大きな特徴です。 このリーフレットは、受験を控える高校生をターゲットに制作されました。高校生にとって親近感のある企業を中心に、有名企業と連携した事例を紹介することで、社会連携プロジェクトを身近に感じてもらうことを狙っています。また、紹介文を短く簡潔にまとめることで、気軽に読んでもらえる構成としました。夏のオープンキャンパスでの配布を想定しています。 リーフレット活用の提案として、学生は「オープンキャンパスに来場した高校生が、願い事を書いた絵馬をリーフレットから切り取り、専用ブースに貼ることを想定しています。また、貼る際のサポートを在校生や職員が行うことで直接的な交流につなげることができます」と説明しました。 川越氏は「コンセプトがいいですね。リーフレットをお守りの形にするというアイデアのような、形そのものを変える手法は実際にダイレクトメール広告の手法としても有効です」と評価しました。 また、職員からは「説明会参加者に特典のような形で配布を行い、説明会を聞いた後にスペースに貼りに行く、という導線もできそうですね」といった声もあがりました。 C班:文字と動画の合わせ技 C班は、動画のQRコードを配置した社会連携プログラムの紹介ポスターを制作しました。A3サイズを縦に使用し、社会連携プログラムの目的や実績など、客観的な情報を中心に構成しています。文章は、ポップな形のタイトルとともにカラフルなボックス内に配置され、背景のグリッド柄と組み合わさることで、親しみやすさを感じられるデザインとなっています。 現状の課題として「認知度が低いこと」を挙げ、「大学生目線で制作する」ことをコンセプトに設定しました。ターゲットは在学中の大学生です。社会連携プログラムを初めて知る人でも全体像をつかみやすいよう構成を工夫したほか、参加学生数などをデータで示しました。ポスターの視認性の高さや直感的に理解しやすい特徴に着目し、エスカレーター付近やエレベーター内など、ふと目に入ってしまう場所への掲示を想定しています。 QRコードから視聴できる動画は、学生が社会連携プログラムへの参加経験を語る内容となっており、「実際の経験者の話を加えることで、ポスターに記載した内容の説得力を高めたい」と制作意図を説明しました。 川越氏は「情報のまとめ方がわかりやすく、文字情報をしっかり載せる戦略が活かされていると思いました」と評価した上で、「文章にもう少し学生の人間味やリアルな声が反映されると、さらに良くなると思います」とフィードバックを行いました。 粟津教授は「学内に掲示する際は、どの時期に貼るかが重要だと感じました。4月など、履修登録を行う時期に掲示すると、より効果が高いのではないでしょうか」とコメントを寄せました。 D班:オリジナルキャラクターで伝える! D班は、オリジナルキャラクターを活用したパンフレットを提案しました。A4サイズを横置きにして二つ折りにした、冊子のような形状をしています。紫とピンクを中心とした淡いパステルカラーを基調とし、D班が考案したオリジナルキャラクターであるウサギの妖精〈コラボン〉のイラストが随所に描かれています。リボンやハートマークなど、キュートな装飾も特徴です。 D班は、現状の課題を「認知度が低いこと」と設定し、受験生となる高校生をターゲットに、持ち帰ってもらえるパンフレットの制作に取り組みました。オープンキャンパスや文化祭での配布を想定しています。デザインは親しみやすさを重視し、流行色のパステルカラーを用いることで手に取りやすい印象に仕上げています。紹介内容として、過去の事例のほかに参加を通して身に付くスキルなどを記載することで、参加するメリットが伝わる構成としました。 また、「みんなの夢を応援する存在」としてオリジナルキャラクター〈コラボン〉を設定し、キャラクターのコメントを随所に配置することで、より親しみやすく、読み進めたくなる工夫を施しています。コラボンの制作については、「下書きのイラストをAIに読み込ませ、プロンプトでアレンジを加えました」と、制作過程も紹介されました。 川越氏は「キャラクターや色選びの理由など、なぜそれを選んだのかが丁寧に説明されており、発表がとても分かりやすかったです」とコメントしました。 職員からは「パンフレットは置いてあっても、なかなか手に取ってもらいにくいものですが、手に取るきっかけとしてキャラクターは十分だと感じました」と評価が寄せられました。 授業の最後に すべての班の発表が終了したあとは、川越氏、粟津教授、職員による賞の審査の時間が設けられました。 審査の結果、最優秀賞を受賞したのはA班。絵馬を書いて飾る一連の企画の独創性と、社会連携推進室の拠点である〈JISSEN PLAY BASE〉に足を運んでもらうための強力なきっかけになる点が評価されました。 優秀賞はD班に授与され、オリジナルキャラクターの制作という新しい視点と、パンフレットの内容の完成度の高さが評価されました。 受賞した2班には、サイバーエージェントからAbemaグッズの授与が行われました。 授業の総括として、社会連携推進室職員から「大人が考えると硬くなってしまう情報を、受験生や大学生に分かりやすく非常に上手に作っていただいたなと思います。賞の受賞に問わず、みなさんに発表していただいた制作物のアイデアは、社会連携を発信する広報に活用させていただきます」とコメントが寄せられました。 この授業を通して、企画の提案プロセスを経験した学生たち。プレゼンスキルにとどまらず、新しい技術を柔軟に受け入れ活用していく力を身に着けることができました。 担当教員のコメント 今回の授業では、生成AIをツールとして活用し、学内部署が実際に抱える問題の解決に有効な成果物を作ることを目指しました。実際の現場で通用するモノや仕組みを作り上げるのは、単なるアイデア提案よりも様々なことを考える必要があります。学生にとっても、得難い経験になったでしょう。










