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「受験生の悩みを解消する缶」って?東洋製罐とのコラボ授業で学生のプレゼンテーションが行われました。
「受験生の悩みを解消する缶」って?東洋製罐とのコラボ授業で学生のプレゼンテーションが行われました。
12月11日に人間社会学部(担当:人間社会学部現代社会学科 篠﨑香織教授と吉田雅彦教授)の授業で、東洋製罐株式会社(以下、東洋製罐)との特別コラボが行われました。「受験生のお悩みを解消する缶とは?」をテーマに、学生たちはグループワークで事前にアイディアを考え、この日は企業の皆さまの前でプレゼンを行いました。 缶はリサイクル率90%以上! 授業の始めに、東洋製罐テクニカルセンター技術開発統括部の黒沢高博氏から会社の紹介がありました。東洋製罐は100年以上前に缶詰用の缶を作る会社として創業されました。一般消費者向けではなく、食品や生活用品などを取り扱っている企業に商品を販売しているBtoB企業です。現在は缶詰の缶だけでなくビール缶や様々な容器も製造しています。「容器というのは単純な工業製品ですが、中身が漏れたり腐ったりしてはいけない」と黒沢氏。機能はもちろん、買ってもらいたくなるような形状を考える感性も大事と話しました。 缶はアルミもスチールも93%以上と高いリサイクル率を誇ります。CO2排出の観点からも、学生たちに正しい分別を促されました。また、掲げているスローガンとして「SDfOs(Sustainable Development for Others)」と言う言葉をあげ、「自社のためだけでなく周りのひとや社会、環境を考え開発するという意味」と説明されました。 受験生にもホッとする時間を いよいよ学生たちのプレゼンです。 最初の発表はマーガレットチームから。使い捨てアイマスクを入れ、睡眠の質を上げられる缶を提案。学生たちが受験生のとき、勉強で目が疲れたり不安で眠れなかったりといった実際の悩みから、ほっとする時間を提供したいと考えました。 2番手はラテチーム。寝不足やストレスで肌が荒れる、スキンケアの時間がないという悩みに対し、おみくじ付のフェイスパックを缶に入れることを提案し、パックは顔に付けながら勉強もでき、モチベーションアップにつながるとしました。 発表後には企業の皆さまからコメントをいただきました。「缶に入れると直射日光を避けられるという、パックを缶に入れる理由もしっかり考えられていた。勉強の邪魔をしないというのも良かったです」と感想をいただきました。 次のぶどうチームは、面接に臨む受験生向けに考案。実践女子大学は推薦など面接を伴う受験が多いことに着目し、過去問題や実際に面接で聞かれた内容、大学生の日常が分かるメモなどを詰め込んだ缶を提案しました。 コメントでは「実際に皆さんが面接を受けた時の不安を、上手く中身に繋げアイディアにしていた」と感想がありました。 睡眠&お風呂の時間も有意義に 枕チームは受験勉強の時に仮眠ができる、簡易枕を缶に詰める案を発表しました。受験勉強中の仮眠は罪の意識を感じやすいですが、寝た方が集中力は回復し効率的に勉強できることもデータで示していました。 次のおふろチームはお風呂の時間も有効活用したい受験生向けに、お風呂時間でリラックスしつつ勉強もはかどるように防水の紙でできた単語帳と入浴剤のセットを考案。 コメントでは「最近受験を経験した皆さんならではのアイディア。細かい所までよく考えられていました」と感心のコメントがありました。 絵馬や音楽で応援! ハチチームは、アンケート結果から受験生はお守りを買うなどの神頼みをする傾向があると分析。缶に絵馬を入れ、書いてもらった絵馬をかけられる場所も用意し、絵馬には渋谷キャンパスにちなんでハチ公の絵を入れることを提案しました。 ミュージックチームはリラックスできるオリジナルミュージックで受験生を応援したいと、実際にAIを駆使して自分たちで音楽を制作。缶の中にはQRコードを入れ、読み取ると音楽が聴ける仕組みにしました。 企業の方からの感想では「缶に入れるものとして音楽に着目したことが斬新」とコメントがありました。 続いてのおもちチームは受験の不安を和らげる香りに注目。バスボム、ホワイトボード用のペン、サシェを缶に詰めました。缶の側面に特殊な加工を施しホワイトボードとして使うことも提案。ペンで目標を書くなど、缶を開けた後も有効活用できるように考えました。 目標達成するために ごうかくんおまもり隊チームは、受験当日の忘れ物への不安を解消する持ち物セットです。鉛筆と消しゴム、時計とお守りを詰めます。側面には学生たちが考えたオリジナルマスコットキャラクターをプリントし、受験生を応援します。 発表後のコメントでは「自分の受験期にあったら安心したと思う」という感想もありました。 最後のさくらチームは貯金箱を提案。合格後に使うお金を貯めるもので、側面には木のイラストをあしらいます。中には桜のシールを入れ目標を書き、その目標が達成したら木に貼っていくことで満開になる仕組みです。目標達成を見える化し、受験期のモチベーション維持に繋がるとしました。 使う場面を考えてアイディアを出す大切さ 全チームの発表後に黒沢氏から総評をいただきました。 「使う受験生のことをきちんと考えているという印象を受けました。ちょっとした後押しが力になるという実感から来ていると思います」と話しました。また、モノを消費するだけでなくそれを使ってどのようなことができるかという「コト消費」が考えられていたと評価。 「モノ消費からコト消費を考えるのは企業でも難しいと言っているところ。そこがしっかり考えられていて素晴らしかったと思います。」と感想をいただきました。 企業の課題に真剣に向き合い、それぞれのメリットも考えられた多種多様なアイディアが出たプレゼンとなった貴重な機会となりました。 担当教員からのメッセージ  Can詰めプロジェクトは二年目を迎えました。今回は、東洋製罐より黒沢様をはじめ、基盤技術開発部より尾崎紗代子様、メタル技術開発部より西純平様、岡本吏香様にお越しいただき、学生に近い目線と、社会で通じるかという視点からコメントならびに審査をお願いしました。  テーマに含まれている「受験生の悩み」は、履修者全員が経験してきたことであるため、困りごとは次々に思い浮かぶものの、それをどのように解決するのか、さらに「缶」を使う意味も含めて検討するのに苦戦していました。アイデアを根拠とともにまとめて、人に伝える、履修者にはこの訓練を引き続き重ねて欲しいです。  東洋製罐の皆さまと学生による相互評価の結果好評を得たチームのアイディアは、東洋製罐社にて缶詰にしていただき、本学のオープンキャンパスにて配布する予定です。  東洋製罐の皆さま、吉田先生、ご協力ありがとうございました。 担当教員からのメッセージ  1年J組の演習Ⅰ(後期)の授業は、クラス21人が4人程度のグループに分かれて、2つのテーマを学びました。 1つは、グループで、ZARA 渋谷公園通り店 タワーレコード渋谷店 ディズニーストア渋谷公園通り店 渋谷ロフト 無印良品 渋谷西武の中から、レポートのテーマにする企業を一つ選ぶ。一人ひとりがレポートのリサーチクエスチョンを考えて、Webで調査をし、結論の仮説を書く。グループで、実店舗を見に行く。一人ひとりがレポートを仕上げ、内容を解説するPowerPoint資料を作り、わからないことをグループで聴きあったり教えあったりする。クラスの人たちに向かってプレゼンして欠点を直すというものでした。基本的には一人ひとりで考えて調査して発表する内容でした。 もう1つが、F組との共同で「受験生のお悩みを解消する缶とは?」を考えて発表するグループワークでした。アイディア出しからプレゼン資料の作成、発表の分担・段取りという過程を、1人ではなくてグループで行いました。複雑なコミュニケーションをチームで行いながら、目標を期限までに達成する訓練になったと思います。また、企業の方や、2クラスの大勢の学生の前でプレゼンする緊張感を経験したことも良かったと思います。 このように、1人ひとりでレポートを仕上げてプレゼンする訓練と、チームで何かを達成する訓練の両方を体験できたことは、学生にとって良い機会でした。東洋製罐さま、篠﨑先生に感謝いたします。
子どもと触れ合える紙の遊びを作ろう!「幼児教育法」の授業で学生たちがシーイーシーの子育てアプリのコンテンツ製作に挑戦しました。
子どもと触れ合える紙の遊びを作ろう!「幼児教育法」の授業で学生たちがシーイーシーの子育てアプリのコンテンツ製作に挑戦しました。
幼児保育専攻科目「幼児教育法」(担当:生活科学部生活文化学科 井口眞美准教授)の授業で、株式会社シーイーシー(以下、シーイーシー)との特別コラボが行われました。企業の社会貢献活動の1つとして開発中の子育てアプリのコンテンツを学生たちが考えます。学生たちは楽しくも真剣に作品作りに取り組みました。 ITシステム企業の社会貢献 子育てアプリ「at Claps(アットクラップス)」の企画者であるシーイーシーの橋本涼子氏が登壇され、まずは簡単にシーイーシーの会社の紹介がありました。「56年続く老舗のIT企業であるシーイーシーをなんで皆さんが知らないかというと、企業や団体に対してシステムを提供しているからです」と橋本氏が話します。日本を代表する製造業や金融業、物流、公共まで幅広い業界に対し、ITサービスを提供しているそうです。 現在の企業はただ利益を求めるだけではなく、社会に対して貢献することが求められているという背景を説明しつつ、「シーイーシーも積極的に社会貢献への取り組みを行っていますが、企業が成り立つには社会が安定している必要がある」と語る橋本氏。企業が社会に還元することで社会がよりよい方向に向かい、企業もより成長することに繋がります。 橋本氏は「社会貢献活動は従業員のモチベーションアップにも繋がります。私もその内の1人です」と、自分が行っている社会貢献活動にやりがいを感じ、企業に対しても誇りを持つことができる好循環があることを語られました。 母としての強い思いから生まれたアプリ シーイーシーは地域活性化や医療支援、災害支援やスポーツ振興など多くの社会貢献活動に取り組んでいます。「子育ての課題を解決したい」という強い思いをもつ橋本氏が新たな社会貢献として企画されたのが、紙のおもちゃを手軽に印刷できる子育てアプリ「at Claps」だそうです。 そこまでの思いが生まれたきっかけは橋本氏自身の経験によるものでした。長女を出産後、仕事と家事の両立に必死で、あまり子どもと遊ぶ時間が取れず、懐かなくなってしまった際、保育園の先生に「大変だと思いますが娘さんのことを見てあげてください」と言われたそう。当時のことを振り返りながら橋本氏は、「娘と一緒に過ごす時間を作ろうと決めたことがこのアプリを企画するきっかけでした」と語りました。また、2人目は未熟児での出産となってしまい、子どもはもちろん橋本氏の命も危ない状態に。今ではお子さんもすくすく成長しているそうですが、その時の経験から「社会貢献がしたい」という思いがより強まったと話しました。 子どもと紙を使ったコミュニケーションを 「at Claps」は、紙のおもちゃを手軽に印刷できる子育てアプリ。「公園に行くよりも、家で娘と一緒に紙を使った手作り遊びをすると、すごく温かい時間が過ごせた」という体験がヒントになりました。紙で作った作品は残るので、部屋に飾っておくこともできます。たとえ時間は短くとも、質の高いふれあい時間を提供するのが「at Claps」の目的とのことです。 また、手を動かすことで脳に刺激を与え、子どもの成長や学びをサポートすることもできます。保育園の先生からも知育系のコンテンツは人気が高いものの、なかなか集約されたものがなく探しにくいという難点があります。「弊社では、そういった知識が少ないので、今、幼児保育を勉強している皆さんからアイディアをいただきたいなと思っています」と橋本氏は学生へ期待を寄せました。 紙の遊びを作ろう 学生たちも「at Claps」のコンテンツ作りにチャレンジ。お題は「遊びで身に付くコンテンツ製作」です。子どもの対象年齢は3~8歳頃まで、紙を使った遊びであればなんでも可。例えば点をつなぐとイラストになる「点つなぎ」は順番通りに線をつなぐことで数を覚えられます。塗り絵では動物や果物などの名前を覚えたり、英語に親しんだり。頭を使う遊びとして、ちぎり絵や迷路もあります。いくつかの例の紹介があった後、学生たちに紙が配られました。 まずは「何にする?」「こういうのあったら面白いかも」などと学生同士で話し合いながらアイディア出し。アイディアが固まった学生から書き始め、最初は賑やかだった教室は徐々に静かになり、最後は全員真剣にコンテンツ作りに取り組んでいました。 たくさんのアイディアがコンテンツに 30分ほど製作の時間が取られ、最後に発表。一人ずつ作品を映しながら簡単に紹介していきました。点つなぎのクリスマスツリー、着せ替え人形、間違い探し、クロスワードや神経衰弱、福笑い、塗り絵などなど。いくつかのものを春夏秋冬に分類するものや、水槽に好きに魚を貼って水族館を完成させるもの、具を盛り付けてラーメンを完成させるもの、時計の針を動かして時間を覚えるものなども。変わり種ではトンボ眼鏡や4枚のイラストを好きにつなげてお話を作るというアイディアもあり、まさに十人十色、様々なアイディアが飛び出しました。 発表後、橋本氏は感激の面持ちで、「ほんとうに皆さん素晴らしいアイディアで驚きました。必ずアプリに載せさせていただくので楽しみにしていてください」とコメントしました。著作権が譲渡されたコンテンツはシーイーシーが預かり今年の3月にリリースされる予定のアプリに掲載されます。 担当教員からのメッセージ 事前打ち合わせでは、橋本氏らと「一人で考えるのは難しいだろうから、グループでアイディアを持ち寄って作品を完成させよう」と計画していたのですが、学生一人一人が、予想以上に素敵なアイディアを生み出していく様子を見て、予定変更。各自でコンテンツを考案することとなりました。学生たちは、豊かな発想力、創造力、自己表現力等、幼児保育専攻の専門性を発揮し、コンテンツ開発に取り組んでいました。学生のみならず関わった教員共々、コンテンツ公開がとても楽しみです。
三女子大学連携:『生活の木』と考える「アロマ・ハーブ市場の現状分析と商品PR」の最終報告会を開催!
三女子大学連携:『生活の木』と考える「アロマ・ハーブ市場の現状分析と商品PR」の最終報告会を開催!
実践女子大学と大妻女子大学、跡見学園女子大学の三女子大学の3年生による「産学連携プロジェクト」の最終発表会が、1月31日に本学にて行われました。本学からは大川知子教授(生活科学部 生活環境学科)の研究室の学生7名が参加。大学間を越えてチームを作り、株式会社生活の木(以下、『生活の木』)からの出された課題に挑戦しました。 20代女性に『生活の木』の商品を使ってもらうには?  日本におけるハーブやアロマのパイオニアである『生活の木』との初めてのプロジェクトは、「20代女性が捉えるアロマ・ハーブ市場の現状分析と商品PR」をテーマに12月にスタート。学生22名は、4つのグループに分かれて課題に取り組み、実際に店舗に足を運ぶなど、互いに協力し合って、オンラインも活用しながらディスカッションを重ね、発表に臨みました。この日は、同社のマーケティング本部の重永氏、河野氏、望月氏から講評いただきました。 大学生活に新たな発見と安らぎを  早速、グループ1から発表開始。類似した他ブランドも含めた店舗視察から、「大学生活に新たな発見と心の安らぎを」をテーマに、以下の3つの提案を行いました。 ①「香りのときめきボックス」として、アロマディフューザーを手頃なサイズにして、店舗と各大学にガチャガチャとして 設置 ②「ほっとするひと時」を提供することを目的に、ハーブティーをおみくじボックスに入れて、各大学の食堂のお茶のサー バーの横に設置 ③インスタグラマーの登用として、同社のイメージと親和性も高く、YouTube登録者数が数十万おり、ファンクラブもある 方との協業  講評では、「ガチャガチャやおみくじというのは、社内では生まれづらいアイディアで面白い」(重永氏)、「このネーミングは学生のみなさんでないと出て来ない」(望月氏)と発想に感嘆。「若い皆さんとの接点づくりとしては、すごく良い案だと思う」(河野氏)とコメントされ、「アロマに触れた学生が、さらに店舗に足を運ぶようにするには?」と質問。学生は「『生活の木』らしい木目調の容器を使い、企業コラボをアピールする」や「ガチャガチャにクーポンを入れ、来店を促す」と回答しました。 「アロマ試供品」で認知向上  次のグループ2は、たまに付ける人も含め、20代の約9割が香水をつけることに着目。調査に行った学生自身が、店頭の商品を実際に試して購入した経験から、各女子大学のお手洗いなどに試供品を置くことを提案。商品は、外出するときに持ち運びやすく、低価格帯のロールオンフレグランスを選択。1階にシトラス、2階にピーチといったように各階に異なる香りを設置し、香りをイメージしやすい言葉で訴求したポスターを貼り、『生活の木』の認知向上を目指します。  「かなりしっかり現状分析をされている」(重永氏)と感心され、「香水とアロマのイメージの違いは?」と質問。学生は「香水は百貨店でブランドを選んで買うもので、アロマは室内というイメージ。持ち運べるものがあることを、今回初めて知ったため、ロールオンタイプの認知を広めるのは良いと思った」と答えました。「香りを文字にした際にどのように伝えるかは、我々も商品名を考える時に悩む部分だが、20代には分かりやすさも大切だということが参考になった」(望月氏)とのコメントをいただきました。 アロマ・ハーブをもっと身近に  グループ3は店頭視察で、アロマはテスターが多いものの、ハーブティーは試飲ができず効用が分かりにくい点を挙げました。学生たちの多くにはハーブについての知識がなく、手間のかかるイメージがあるため、手軽さが必要だと分析。そこで、コンビニのレジ横でのハーブティーの販売や、身近に感じ易いインスタライブなどで、アロマ講習会などを行うことを提案。また、学生のサブスクリプションの利用状況も調査した上で、提案を行いました。  「素敵な提案。特に、コンビニは実現したら素晴らしい」(河野氏)とコメント。「みなさんの世代には、まだまだインスタグラムが機能していることが分かり、参考になった。その際、SNS広告に抵抗はあるか?」(望月氏)と質問され、学生は「明らかに広告だと分かるものは飛ばす」「ビジュアルが良く、気になるものについては、タップして詳しく見ることがある」と答えていました。 approach to life  最後のグループ4は、20代の情報収集や商品との出会いのきっかけはSNSであることが多いと分析。『生活の木』の複数のSNSアカウントでは、アカウント名やロゴがバラバラであることを指摘。他社ブランドとの違いも比較し、『生活の木』の魅力を活かすパッケージの統一や、もっと本来のロゴを活用することを提案。さらに予算別のサブスクリプションサービスを設定することでリピーター獲得につながると発表しました。  「他社分析も、我々も課題だと感じている点をストレートに指摘いただいた」(重永氏)、「とてもいいポイントを突いている。マーケティングに携わる自分達でも、正に思っていた内容で感心した」(望月氏)とお褒めの言葉もいただきました。 大学の壁を超えた貴重な経験  全ての発表が終わり、重永氏から総評をいただきました。「12月から2ヶ月、テスト期間などもあり、忙しい時期だったと思うが、よくまとめてくれた」とねぎらいの言葉が。「みなさんの客観的な目線から検討いただき、『そういう発想があるんだ!』とか、『そういう見え方をしているんだ』ということが、我々としても大きな気づきになった。提案いただいた施策は、何れも実行出来たらいいと思う内容だったり、「そういうことをやりたい」と社内でも話が出ていたような内容であったり、是非、今回をきっかけに、我々も何か実現出来るように動いていきたい」と今後についても前向きなコメントもいただきました。  今回、実践的な課題に挑戦し、学生たちは市場分析やブランドのポジショニング、そして、プレゼンテーションスキルを学ぶ貴重な経験となりました。また、大学間を超えチームを組んだことで、多様な意見や価値観に触れ、人間的な成長と学びを得たプロジェクトでした。 主な学生のコメント  ・他大学の学生と協力して、一つの課題に取り組むという経験を通して、他の人たちの考えを知ることが出来、充実していた。また、今まで触れたことの無かったアロマ・ハーブについても  知るきっかけにもなった。  ・毎週のミーティングを重ねる度に出て来る課題を、それぞれ考えて、意見を出し合っては検討して…、を繰り返すことで完成度の高い商品PRを提案することが出来、このプロジェクトに  ついて考えることが多かった為、充実した時間だった。  ・新しい発想でアプローチ出来ることを、みんなで探して提案出来、充実していた。  ・店舗視察に行って現状分析を行い、案を出す為に、メンバーそれぞれが自主的に行動していたことが良い経験だった。 大川先生からのメッセージ  今年度、ファッションビジネス研究室の「産学プロジェクト」は、前期に一つ、後期に二つ挑戦しました。特に、後期の三女子大学連携は、普段から気心の知れたメンバーではない人たちと、どのようにタッグを組んでシナジー効果を出して行くのか、正に、学生のみなさんが実社会に出てから問われるスキルを身に付けることの出来る内容です。  現状では、学生のみなさんにとって少し遠い存在であるアロマやハーブを、どうしたら身近に感じることが出来るのか、限られた期間で実施したとは到底思えない素晴らしいアウトプットが出来、実際、『生活の木』の皆様が良い内容だったと感動して下さったことが、学生達の自信にも繋がります。総評でコメントを頂戴しましたように、今回の学生のみなさんの提案の内、何か一つでも実践出来ることを期待しています。   <『生活の木』について>     【公式HP】      https://www.treeoflife.co.jp/    【企業概要】    https://corp.treeoflife.co.jp/     【公式Instagram】 https://www.instagram.com/treeoflife_official/    ☆『生活の木』のサイトでも、本プロジェクトについて取り上げていただきました。→ 三女子大学×生活の木 産学連携プロジェクトについて       <今年度のその他のプロジェクト>   (前期)3研究室合同プロジェクト/ホットマン・ジャノメ     生活環境学科 アパレル・ファッション分野の3研究室が合同でアップサイクル・ドレスを制作! | 実践女子大学/実践女子大学短期大学部 (jissen.ac.jp)    (後期)三女子大学連携/第一弾:藤巻百貨店     他大学連携:『藤巻百貨店』とクリスマス商戦を考える「産学プロジェクト」を実施! – 社会連携プログラム (jissen.ac.jp)
高大連携で高校生もアイデア創出にチャレンジ!「グローバルキャリアデザイン」の授業でVISITS Technologies株式会社とのコラボワークショップが行われました。
高大連携で高校生もアイデア創出にチャレンジ!「グローバルキャリアデザイン」の授業でVISITS Technologies株式会社とのコラボワークショップが行われました。
1月5日に「グローバルキャリアデザイン」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業でVISITS Technologies株式会社(以下、VISITS Technologies)とのコラボワークショップが行われました。この授業は高大連携で行われ、本学併設校の実践女子学園の高校3年生も参加。高校生と大学生で協力し、デザイン思考のプロセスを体験しながら新しいアイディア創出のグループワークが行われました。 高校生も一緒にグループワーク この日は、30人ほどの高校生も参加。この春から本学に進学予定の実践女子学園高等学校の3年生です。くじ引きで大学生と高校生が一緒のグループになるよう全部で11グループに分かれ、授業が開始しました。VISITS Technologiesの野村博之氏の声掛けで、まずは自己紹介が行われました。「大学生はリーダーシップを取りつつ、高校生たちも気後れせずどんどん発言してくださいね」と促され、最初は緊張した様子の高校生たちからも笑い声が上がる班もありました。 イノベーションは「つなげる力」 VISITS Technologiesはデザイン思考力アセスメントの開発・運用を行っており、大手企業や政府とも連携している注目企業です。日本では「論理的思考力(ロジカルシンキング)」を重視して教育やビジネスが行われてきたと言います。しかし海外では20年ほど前からデザイン思考力に注目が集まっており、多くのイノベーションが生み出されています。イノベーションを一例で説明すると、スマートフォンが代表例です。なぜなら「体験が変わった」から。例えば、電車の中での過ごし方は、昔は新聞や本を読むのが一般的でしたが、現在ではほとんどの人がスマートフォンのを操作をしています。 野村氏は「イノベーションはこれまでなかった組み合わせによって新たな価値や体験を生み出すこと」だと話しました。何かを創り出すには才能だけではなく、この「つなげる力」が重要。そのアイディアを生み出す時に利用される手法の一つがデザイン思考なのです。 新しいショッピング体験を考えよう いよいよ「デザイン思考ワークショップ」の開始です。 今回は「未来のショッピング体験」を考えることで、デザイン思考のプロセスを体験します。まずは大型ショッピングモール、ECサイト、コンビニのそれぞれの良いところを考えます。学生たちは付箋に1つずつできるだけ多くを書きだし、グループの中で発表し合いました。ショッピングモールなら「まとめて買い物できる」「一日楽しめる」、ECサイトは「中古品も買える」「口コミが見られる」、コンビニなら「家から近い」などなど。様々な意見が出そろいました。 そして、自分たちがどのサービスを新しく考えるかを決め、コンセプトを話し合います。例えばコンビニを選んだグループであれば、ECサイトやショッピングモールの良いところを掛け合わせた「口コミの見られるコンビニ」というようなコンセプトになります。野村氏は「自分たちがそれを使いたいか、ワクワクするか、誰が喜ぶかを考えてみてください」と決めるときのコツを伝えました。 話し合いをしながらグループごとに模造紙にアイディアをまとめていきます。大学生は高校生に「どう思いますか?」など促し、上手に意見を引き出していました。 未来のECサイトはこうなる! あっという間に時間は過ぎ、いよいよ発表。発表は教室内を2つのスペースに分け2グループずつ同時に行われました。 グループFは「実際に商品を試せるECサイト」を考えました。チャット機能で店員の説明を聞けたり、化粧品などは試供品を無料で試せなど、購入前に商品を確認できるサービスです。 野村氏は「ECサイトは着心地や質感などが分かりにくい。かゆいところに手が届くサービスだと思います」とコメントされました。 グループCは「仮想空間で直接触れることができるECサイト」を提案しました。VRゴーグルを活用し、空気圧を使い触った感触を再現する技術を使うことを考えました。 野村氏は「実際に触感の分かる技術が出てきている。地方の人も助かるアイディアだなと思いました」と話しました。 新しい技術も取り入れて グループBは「映画が観られるコンビニ」を発表。コワーキングスペースのように設置し、コンビニ商品を購入すれば映画代に充てられるシステムも考案。映画館では声が気になってしまう子ども連れや障害のある方、推し活にも利用できるとしました。 「家では集中できない小さい子どもがいる家族連れにも良いですね。マネタイズもしっかり考えられている」と野村氏も評価しました。 グループAは「後悔しないショッピングモール」として、商品についているQRコードを読み込むことで、モール内の類似商品を比較できるシステムを考えました。 野村氏は「服はブランドごとに販売されていて比較が難しい。値段やサイズなど比較できるのは便利ですよね」と話しました。 最後のグループGは「一緒に買い物ができるECサイト」です。離れたところにいる友人や家族と画面共有して、相談しながら買うことができるというものです。割り勘でプレゼントを買う時や、お揃いのものを買う時などに活用できるとしました。 野村氏は「ネットの買い物でも誰かに相談したい時はあるのですごく良い機能だと思いました」と話しました。 全グループの発表が終わると、野村氏は「皆さんの中には、創造力が必ず眠っています。皆さん自分の中に創造力はあると思って、世の中を変えるアイディアや新しいビジネスのアイディアを生み出して欲しいです」と語り、授業は終了しました。 新しくアイディアを生み出す体験することのできた、貴重な機会となりました。 担当教員からのメッセージ 今、社会で求められている「デザイン思考力」この学びを深めること、そして高大連携プログラムの試みとして、毎年実践女子大学キャリア教育科目「グローバルキャリアデザイン」と、春から実践女子大学に入学予定の実践女子学園高等学校の3年生とのコラボ授業を継続しています。参加メンバーには、昨年12月にあらかじめ「デザイン思考力アセスメント」を受検してもらっています。大学生は、積極的にリーダーシップを発揮してもらい、高校生には一足早く大学での授業を体験して貰おうという試みです。今回のプレゼンも、まさにZ世代の極めて柔軟な発想が随所に見られ、参加し学生、生徒のこれからのさらなる成長がとても楽しみです。まさに「大学生」と「高校生」のタッグで最強のイノベーションが起こる予感がします。アセスメントから本授業までご支援をいただきましたVISITS Technologiesの松本様、野村様、今井様に心から感謝申し上げます。
関係人口を創出するには?「実践キャリアプランニング」の授業でJALとコラボし、学生たちがプレゼンに臨みました。
関係人口を創出するには?「実践キャリアプランニング」の授業でJALとコラボし、学生たちがプレゼンに臨みました。
共通教育科目「実践キャリアプランニング」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、日本航空株式会社(以下、JAL)との特別授業が行われ、学生たちは12月に2週に渡りプレゼンテーションに臨みました。テーマは「地域活性化をするため関係人口を創出する取り組みとは」です。学生たちはそれぞれ地域を決め、グループワークを通して企画を考えました。JALからは産学連携部の田中優子氏と吉村真紀氏、オペレーションコントロール部の荻原千紗氏の3名が来校され、学生たちのプレゼンを興味深く聞かれていました。 観光だけじゃなく地元に関わるか 最初の5班は新潟県での企画を考えました。米の産出額1位の新潟県は、カレー専用米を作っていることに注目。地元の食材を使用したカレーを作りイベントを開催し、JALでコメ作りツアーも実施します。子ども食堂や高齢者施設などにも提供することを提案しました。 発表後はJALの皆さんから講評がありました。田中氏は「子ども食堂や高齢者との関係を重視して、地域に関わる意欲が見えました」とコメントされました。 次の2班は、兵庫県の但馬地域を選びました。温泉が有名な地域ですが、宿泊施設などの人手不足が深刻です。そこでリゾートバイトの形で2週間ほど滞在し、観光施設の手伝いや町の魅力を発信することを提案しました。観光客とは違う目線で地域と関わり、地元の人とも交流することができるとしました。 荻原氏は「労働人口を増やしたいという考えが良いなと思いました。リゾートバイトに行った人が地域の良いところを見つけ、それを発信できるのは良いですね」と感想を伝えました。 身近な地域をどう活性化する? 3班は、本学の日野キャンパスがある東京都日野市を選択。市の総人口が減少しており、空き家が全国平均より1.3倍多いという課題に注目しました。空き家をリノベーションして、シェアハウスを経営することを提案。庭で家庭菜園を行い交流の場にすることを企画しました。 田中氏は「ESGの考えを自分に引き当てて地域を考えるというのが素晴らしい」と話されました。 12班は、メンバーが行ったことがある県の候補の中から宮崎県を舞台に選びました。宮崎県は観光地が南北に離れていて、移動が大変という課題を挙げました。そこで地元の人に観光名所を教えてもらったり一緒に巡ったりするツアー式の方法を考案。また宮崎県は雨量が多い時期もあり、その影響を受けて傷がついた食品もあることから、それらを安く販売することを提案しました。 吉村氏は「目を見てプレゼンしていて、伝わってくるものがありました」と評価しました。 美味しいご当地食材を食べよう 10班は、ラーメンで関係人口の創出にチャレンジ。ご当地ラーメンを巡れる「ラーメンガチャ旅」を考案しました。山形県、北海道、山梨県など有名なラーメン店がある県をランダムにツアーにし、それぞれの県でラーメンを食べ、観光もしてもらうという案です。 荻原氏は「行き先がランダムに決まるので興味が薄かった県に行くきっかけになる」と興味を持っていました。 前半ラストは6班。新潟県の弥彦村にフォーカスしました。新潟県は米だけでなく枝豆の作付けも全国1位とデータを示し、風味豊かな枝豆を作っている村に1泊2日で行くツアーを提案しました。周辺の観光地巡りのほか、枝豆の収穫体験やつかみどり、皮の調理方法を学ぶ料理教室など枝豆を中心にした企画を考えました。 吉村氏は「枝豆にフォーカスしていることで分かりやすく、プレゼン力の高い発表でした」と感想を話しました。 まずは知ってもらうこと 後半のトップバッターは7班から。生協のようなスタイルで給食を配達し、地方の郷土料理から興味を持ってもらうことを目的とし、全国の給食配達サービスを考案しました。ターゲットは地産地消をしにくい首都圏の人々。給食は栄養バランスが考えられており、日本の和食は世界遺産にもなっています。食料自給率が低い日本の食材を食べる意識付けにもなるとしました。 吉村氏は「ターゲットを都心の人にしたのがいい。孤食の問題や共働きで自炊をしない層にもアピールできるのでは」と評価しました。 次の9班は、宮崎県をチョイス。班のメンバーの出身地です。まずは若者をターゲットにPR動画コンテストを提案しました。宮崎県の知っていることやオススメすることについて動画を作成→SNSにアップし、優秀作には牛肉やマンゴーなど宮崎県の特産品をプレゼントするという企画です。また、空き家を活用したワーケーションなども行うことでその行き来にJALの利用も促しました。 田中氏は「メンバーが一緒に出身地について考えるのが良いですね。関係人口を増やすにはまず知ってもらうことが大切」とコメントしました。 佐賀の魅力を届けよう 8班は佐賀県に注目。魅力度ランキングが低いと言われていますが、玄界灘や有明海でとれる海鮮は人気が高く、有田焼の大会には世界中から人々が集まってきます。そこで、『おてつたび』という手伝いしながら旅をする取り組みとコラボして、地元の漁師や店を手伝う企画を考えました。『おてつたび』では交通費が出ないため、JALが連携し交通の援助をすることも提案しました。 吉村氏は「『おてつたび』という既存にあるシステムと新しい発想を繋げるるというのは、これから求められる能力」とコメントしました。 4班も佐賀県を取り上げました。佐賀県は魅力度が低いと言われますが、実は佐賀牛など特産品の効果からふるさと納税は上位にランクインしています。そこで2泊3日の佐賀県ツアーを企画。例年10~11月に開催されているバルーンフェスタに合わせて、気球試乗や酪農体験、焼き物体験ができるスケジュールを考えました。メンバーは実際に佐賀料理が食べられる渋谷にあるレストランにみんなで行き、郷土料理も実食したと話しました。 吉村氏は「実際に食べてみたと言うフィールドワークの説得力がありました」と感心されました。 JALが乗り入れてない地域こそコラボを 次の1班は、山梨県を選びました。山梨県には空港がなく「JALの航空便が飛んでいないからこそJALとコラボする意味がある」と発表を始めました。知識があるシルバー層と、金銭的・時間的に余裕がない子育て世代が相互協力することを提案。寺子屋JALを開設し、宿題の指導やものづくり、JALの人と協力して英語教室を行うことを考えました。 田中氏は「教育に焦点を当てて考えたのが素晴らしい。地域住民が充実感を得られることが良いですね」と話しました。 最後の11班は、富山県でグルメフェスを開催することを提案しました。初夏は甘えび、冬はカニなど豊かな食材が獲れることをPRし、観光客の増加を目指します。またグルメフェスを通し地域コミュニティも活性化できるとしました。富山県にはJALの乗り入れ空港がないため近隣県のファミリー層をターゲットとしました。 荻原氏も「私も行ってみたいと思いました」と興味をひかれていました。 継続していける企画を考える大切さ 授業の最後には、前半・後半それぞれのプレゼンの中から優秀賞が選ばれました。前半は5班、後半は4班が選ばれ、学生たちには賞状と、賞品としてJALのキーホルダーやパスケースがプレゼントされました。学生たちからは「自分たちで一から考えて頑張ったので、表彰していただき嬉しいです」と喜びの声が聞かれました。 吉村氏は「どの班も甲乙つけがたかった。今回の発表を良い経験にしてください」とコメント。荻原氏も「時間がない中チームワークを発揮してくれたことに感謝しています。私自身楽しく、皆さんの発想を聞けてとても良い機会になりました」と刺激になったことを話されました。 最後に田中氏が「関係人口を増やすアイデアを考えるのは難しかったという皆さんの感想はそのとおり。その難しい難題によくチャレンジしてくれたと思います」と学生たちの努力をねぎらいました。そして「関係人口の創出は、1回限りでなく継続していくことが難しい。貢献していけるか、やりがいがある企画か、喜びを感じられるかということが継続していく秘訣。これから就活に向かう中で、こうした考えを頭に置いてくれると嬉しいです」とこれから就職活動を行う学生に向けてアドバイスをされ、コラボ授業を締めくくりました。 担当教員からのメッセージ 日本航空様とのコラボは3年目、毎年、様々な視点からのお題を提示いただき、学生たちは真剣に向き合いながら、社会課題に対する視野を広げたり、日本航空様に関する事業領域の広さを学びつつ、学科の学びとの接続を考えてくれています。幅広い領域を学ぶ学科であるだけに、こうしたキャリア教育科目でも、学科の学びとの親和性を大切にする必要性を感じています。今年も、レベルの高いプレゼンテーションが多く、短い時間にも関わらず、ベストを尽くしてくれたことは素晴らしいと感じました。毎年、多くの気づきに繋がるテーマ設定をいただき、また、沢山の社員の方にお越しいただくなど、日本航空様のご配慮に心から感謝申し上げます。
ライブ配信アプリの女子大生利用者を増やすには?「ビジネスプランニング」でDeNA×クロス・マーケティンググループとのコラボ授業が行われました。
ライブ配信アプリの女子大生利用者を増やすには?「ビジネスプランニング」でDeNA×クロス・マーケティンググループとのコラボ授業が行われました。
1年生対象の「ビジネスプランニング」(担当:生活科学部現代生活学科 上野亮助教)授業で、株式会社クロス・マーケティンググループ(以下、クロス・マーケティング)と株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)とのコラボ授業が行われました。テーマは「女子大生のPocochaの利用を増やすための施策の提案」です。学生たちはグループワークで企画を考え、1月10日にプレゼンテーションに臨みました。企業の方々もオンラインで参加してくださり、直接講評をいただきました。 女子大生がPocochaをたくさん使うようになるには? 『Pococha』はDeNAが運営するライブコミュニケーションアプリです。誰でも「ライバー」と呼ばれる配信者になることができ、「リスナー」と呼ばれる視聴者とコメントなど双方向でコミュニケーションを取れることが特徴です(Pocochaの利用は18歳以上)。利用者の年齢層は幅広く、男性の割合が高め。ライバーは、ライバーとしてのランクや毎回の配信の盛り上がりに応じて、報酬を獲得することができます。無課金でも十分楽しめる仕組みで、初心者でも簡単に始められるアプリです。今回は、女子大生の利用者を増やす企画を考える課題が学生たちに出されました。 当日はクラスを半分に分け、2か所同時に発表が行われました。それぞれに企業の方もオンラインで参加。各グループのプレゼンとクロス・マーケティングの小川氏と前口氏、DeNAの山本氏の講評をレポートします。 ライバーとリスナー どっちを増やす? 1班はライバーを増やす案として、若い女性も安心して参加できる「企業が全面サポートするファンミーティング」を提案しました。ファンミーティングは個人で行うにはハードルが高いもの。企業主催であればセキュリティも整い、女子大生が参加しやすいと考えました。発表後の質疑応答では「実際に行うならどんなイベントを想定していますか」と問われ、学生は「有名になりたいという女子大生がファンミーティングすることでリスナーとの距離が近づけるイベントを想定しました」と回答しました。 2班はリスナーを増やすため、シニア配信者に注目。一人暮らしの20代女性のうち8割が「食事は誰かと食べたい」と回答しているアンケート結果に着目しました。祖父母と孫をイメージした広告をSNSで流したり、シニア配信者をピックアップできるタブを作ったりという案を出しました。 「皆さんは実際にシニア世代の配信を見たいですか」と質問され、学生は「若い人は飽和状態なので年齢を重ねた人の話を聞きたい」と回答。また、「今皆さんがさみしいときにしていることと、配信を見ることはどう違いますか」といった質問には「第三者だからこそ話しやすいこともあると思うので、悩みを打ち明けられると思います」と回答しました。 Pocochaでデビューを目指せ 3班は、Pocochaは報酬システムが安定していることに注目しました。ミス・コンテストを企画し、期間内の配信数やアイテム数でランク付けします。上位のライバーは事務所所属や、化粧品など賞品を用意します。 質疑応答では「実際にやってみたいですか?」と問われ、学生は「自宅で配信できるのでやってみたいと思って企画しました」と回答しました。また「化粧品はどんなものをもらったら嬉しいですか」と質問され「プチプラでもブランド品でも、お試しできるのは女子大生には嬉しいと思います」と答えていました。 4班は、リスナーを増やす案。若い女性はダイエットに敏感です。DeNAの子会社であるDeSCヘルスケア株式会社が運営するダイエットアプリ『カラダモ』と連動し、ライバーと一緒に運動する配信を提案しました。 質疑応答で「どんな人の配信が見たい?」「どういった運動を想定している?」と質問され、「インフルエンサーの筋トレや、トレーナーの運動は参考になると思います」「自宅で行える運動。配信者から応援をもらえれば、双方向でコミュニケーションを取れるPocochaの強みを活かせると思います」と、学生たちは回答しました。 推し活したい女子大生を増やそう 5班は、Pocochaを初めて使う際の操作が分かりづらいと課題を挙げました。そこでチュートリアルの充実を提案。ライバーがショッピングモールでコスメなどの実演販売することで身近に感じてもらえる案も考えました。 「網羅的にデータを見ていると思いました。ショッピングモールのユーザーをターゲットにするのは面白い視点」と感想をいただきました。 6班もリスナーを増やす方法を考えました。サバイバルオーディションの開催を提案しました。オーディション参加者の配信を視聴することで投票できるシステムにし、ポイントがたまるとライバーと1対1で会話できる特典を考えました。 「ちゃんと女子大生の興味関心を引くだろうなと思いました」と講評があり、重ねて「その後Pocochaに定着させるには?」と質問されました。学生は「デビュー後もPocochaで配信することで、リスナーは推し活できると思います」と回答していました。 実体験をもとに具体的に企画を考えよう 全チームの発表後には総評をいただきました。「女子大生ならではのアイデアもあり面白かったです。課題整理も丁寧でよく考えられていました。ただ、周りの友人や自分たちで取ったアンケートなど、もっと生の声を取り入れるとさらに良かった。企画を考えるときは自分にも覚えがあるな、という消費者としての体験が大切。実体験を反映できるよう考えてみてください」とコメントをいただきました。また「皆さんが企画を考えるとき、イメージを持って作っているはずです。そのイメージを言語化し具体的な施策をより詰めていくと、聞いている人にも伝わっていきます」とアドバイスも。最後は「素敵な企画を考えていただきありがとうございました」と学生たちの頑張りをねぎらわれました。 1年生でまだ企画立案も慣れていないなか、実際に企業が抱えている本物の課題に取り組んだ貴重な機会となりました。 担当教員からのメッセージ  今回、この授業を履修し、実際にPBL(Project Based Learningのこと。課題解決型学習とも訳される、文部科学省が推進するアクティブラーニングの一種)にチャレンジした学生は学部1年生です。そのため、多くの学生にとっては、実際に社会で活躍する企業の皆様方を前に、自分たちの考えた内容を提案するのは、初めての挑戦であったと思います。本授業では、全14回の授業の前半の内に、グループワークを進める方法や様々な分析手法等、企業が提示する課題を取り組むに当たって必要なことについて、学修しています。その後、企業から出題頂いたテーマに取り組むことになります。 今回の最終発表会では、これまでの学修内容を踏まえて、株式会社クロス・マーケティンググループ、株式会社ディー・エヌ・エーの両社から出題されたテーマに対し、学生ならではの視点や感性、考え方も取り入れながら、企画立案した内容を報告し、両社の皆様から、そのフィードバックを受けました。学生達が体験した企画立案、報告、フィードバックという、この一連の経験自体が大きな学修成果になったことと思います。今回、経験した内容は、実際に社会に出た後も活かせる内容です。学生達には、ぜひこの貴重な経験を活かした活躍をしてもらいたいと考えております。 この度は、このような貴重な機会を頂きました、株式会社クロス・マーケティンググループ、株式会社ディー・エヌ・エーの皆様に、この場を借りてお礼を申し上げます。
「『学び』から考えるウェルビーイング」JWP(実践ウェルビーイング・プロジェクト)のメンバーが参加
「『学び』から考えるウェルビーイング」JWP(実践ウェルビーイング・プロジェクト)のメンバーが参加
2月10日(土)、実践ウェルビーイングプロジェクト(JWP)の1年生から3年生のメンバー9人が、ユームテクノロジージャパン株式会社を訪問し、「『学び』から考えるウェルビーイング」と題したワークショップに参加しました。 ――最新のラーニングプラットフォームを活用したワークショップ 文学部国文学科の深澤晶久教授が2021年に立ち上げた正課外のプログラム「実践ウェルビーイングプロジェクト(以下、JWP)」。有志の学生たちがさまざまな活動を通してウェルビーイングについて学んでおり、2月10日(土)は2023年度の活動の締めくくりとして、ユームテクノロジージャパン株式会社を訪問。「『学び』から考えるウェルビーイング」と題したワークショップに参加しました。 講師を務めてくださったのは、最新のテクノロジーを駆使したオンライン学習プラットフォームを展開するユームテクノロジージャパン株式会社のラーニングエバンジェリストで、人材開発コンサルティング事業や学習の研究を手掛ける株式会社ラーニングシフトの代表でもある小仁聡氏。ワークショップは、ユームテクノロジージャパンが提供するラーニングプラットフォーム「UMU」を活用して進められました。 ――学ぶことの重要性と、ウェルビーイングとの関係を考察 最初に学生たちが向き合ったテーマは「なぜ学ぶことが⼤切か?」。学生たちが事前に答えたアンケートの結果を共有しつつ、「学び」をどう捉えるか、小仁氏はさまざまな視点を提示していきます。日本でも大ヒットしたビジネス書「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略」を紹介すると、人生戦略は「教育・仕事・引退」といった3つのステージから、マルチステージへとシフトしていると説明。「⽣産性資産」「活⼒資産」「変⾝資産」を意識的に身につけることの意義や、予測不可能な事態が起きる社会が「VUCA(Volatility、Uncertainty、Complexity、Ambiguity)」から「BANI(Brittle、Anxious、Non-Linear、Incomprehensible)」へと変化していることに触れ、創造的なリスキリングの重要性を指摘しました。 続くテーマは、「何を学習するとよいのか?」。「ウェルビーイング」という言葉はWHO(世界保健機関)や、2015年の国連サミットで採択されたSDGs、OECD(経済協⼒開発機構)のEducation2030プロジェクトが提⽰した「ラーニング‧コンパス2030」で取り上げられています。小仁氏はそのうちの「ラーニング‧コンパス2030」に注目。⾃律的学習⼒を磨くことが⼤切だとし、リフレクションにより学びの動機の源となるビジョンを明確にすることで、現状とのギャップを埋めようとする内発的動機、いわゆるクリエイティブ‧テンションを高められると語りました。 さらに小仁氏は、学びに意欲的な割合が幸せな活躍層に多いという調査結果を引用。幸せな活躍につながる5つの学びの特性についても解説しました。 なお学生には、その都度気付いたこと、その気づきから次に起こすアクションを並べて書き込める「ブリッジングシート」が配られ、このシートに書き込み行う時間も適宜設けられました。書き込んだ内容は、いくつかのグループに分かれてお互いに共有。これがさらなる気づきを喚起している様子でした。 また、講義の合間にはグループワークも。「学びとウェルビーイングの関係を考える」というテーマの議論では、「学びはウェルビーイングを目指すためのツールである」「学びはウェルビーイングに向かうまでのプロセスである」「学びとウェルビーイングは豊かな生活を築く両輪である」など、ウェルビーイングを考察するにあたり有用な意見が各グループから出されました。 ――学びとウェルビーイングからつながるキャリア形成の道 最後のテーマは「どのようにして学びキャリアを形成するか?」。ラーニングコンパスでも提唱されている⾏動モデル「AAR(Anticipation、Action、Reflection)」や、意志的キャリア形成の4要素「VITM(Vector、Image、Trial、Meaning)」の説示に、熱心に耳を傾ける学生たち。最後に、今回のワークショップを通して自分の思考がどのように変化したのか、それぞれが自分の言葉で言語化することにチャレンジしました。 「学びは勉強であり、面白くないものだと考えていたが、人と関わり自分を高めて人生を豊かにするための行為すべてが学びだと考えるようになった。学び続けることが生き続けることだと知り、今後は自身の強みを見つけながら積極的に多くの活動に取り組みたいと思うようになった」「学びは単なる興味の探究だと考えていたが、探究の過程にもさまざまな手段があると考えられるようになった。今後はAARサイクルや自律的学習を日常で実践していきたい」などと今回のワークショップを振り返った学生たち。学びという視点からウェルビーイングを考えることを通して、今後のキャリア形成における重要なヒントも持ち帰りました。 2024年度もJWPは新たな取り組みを続けていきます。 ◆参加学生のコメント ◆ユームテクノロジージャパン株式会社/株式会社ラーニングシフト 小仁聡氏のコメント 経済産業省が提唱する「社会人基礎力」、それを養うための「リフレクション」を軸に、小学校から社会人までさまざまな層のリーダーシッププログラムで使用しているメソッドを取り入れながら、「『学び』から考えるウェルビーイング」という新たな視点で企画したのがこのワークショップです。 今回、実践女子大学の学生の皆さんとお会いして驚いたのは、その意欲の高さです。ワークショップ内では、気づきとそこから得られる次のアクションを「ブリッジングシート」に書き込んでいただきましたが、皆さん、びっしりとたくさん書き込みをされていて大変驚きました。これまで、ほかのキャリア講座などでもこのブリッジングシートを導入してきましたが、これほどたくさん書き込んでいる例はあまり見受けられません。正課外であるJWPの活動に自主的に取り組んでいるだけあり、考える力を身につけている学生さんが多いと感じました。 OECDの「ラーニング‧コンパス2030」でもウェルビーイングという目標を目指す姿が描かれているように、学びとウェルビーイングは切り離せない関係にあります。学びは人生を豊かにしてくれるもの――。今回のワークショップでお伝えしたこと、すべてを実践する必要はありませんが、どれも試して損のないことばかりです。どれか一つでも、学生の皆さんの新たなアクションにつながれば幸いです。 担当教員からのメッセージ 2023年度のJWP(実践ウェルビーイングプロジェクト)の締めくくりとして、私が企業時代にお世話になったユームテクノロジー社の小仁さんにお願いして最先端の学びを実感できるワークショップを実施いただきました。 「学び」そのものがウェルビーイングである。「学び」は、日々の授業は勿論、あらゆる体験・経験などが学びであり、どれだけ主体的に取り組めるかで、ウェルビーイングの質やレベルが変わってくる。そんな思いから、今年度のファイナルプログラムにいたしました。 小仁様には、本当に素晴らしいプログラムを構築いただき、心から感謝申し上げます。この学びを、2024年度のJWP(実践ウェルビーイングプロジェクト)の活動に繋げていきたいと思います。 文学部国文学科 深澤晶久教授
JWP(実践ウェルビーイング・プロジェクト)の4年生メンバーが資生堂グローバルイノベーションセンターを訪問(1/30)
JWP(実践ウェルビーイング・プロジェクト)の4年生メンバーが資生堂グローバルイノベーションセンターを訪問(1/30)
1月30日(火)、実践ウェルビーイングプロジェクト(JWP)のメンバーが深澤晶久教授とともに株式会社資生堂の複合体験施設「資生堂グローバルイノベーションセンター(以下、S/PARK)」を訪問。資生堂のウェルビーイングへの取り組みについてレクチャーを受け、施設を見学しました。JWPの活動の一環として資生堂グローバルイノベーションセンターに訪れるのは、昨年10月に続いて2回目となります。  ※前回の資生堂グローバルイノベーションセンターへの訪問記事はこちら ――ウェルビーイングという言葉が生まれる以前から、ウェルネス領域に取り組んできた資生堂 2021年、文学部国文学科の深澤晶久教授が立ち上げた正課外のプログラム「実践ウェルビーイングプロジェクト(以下、JWP)」。有志の学生たちがさまざまな活動を通してウェルビーイングについて学んでおり、S/PARKの訪問は昨年10月に続いて2回目。今回は、JWP発足時からのメンバーでプロジェクトの中心的な役割を担ってきた4年生5名が参加しました。 まずは、資生堂の中田美奈子さんによるレクチャーからスタート。資生堂が2019年にオープンしたS/PARKのコンセプトやウェルビーイングへの取り組みについて解説いただきました。かねてより、日本発のビューティカンパニーとしてウェルネスへの展開を推し進めてきた資生堂。ウェルビーイングという言葉が一般化する前から、ウェルネスという合言葉のもとウェルビーイングを体現してきたという説明に、学生たちは大いに感銘を受けた様子でした。 「S/PARKは、“美のひらめきと出会う場所”。『都市型オープンラボ』として多くの研究員が勤務する資生堂最先端の研究施設であると同時に、お客さまと研究員のコミュニケーションを通じて、ビューティイノベーションや新たな価値を創造する場でもあります」と中田さん。社員しか立ち入ることができない一般開放エリア以外のワークプレイスも動画でご紹介いただき、学生たちは最先端のウェルネスオフィスの設備に驚きの声を挙げていました。 ――「S/PARK Cafe」でランチ。「S/PARK Beauty Bar」や「S/PARK Museum」も見学 レクチャーの後は、毎日の気分や体調に合わせておいしくて健康的な食事を楽しめる「S/PARK Cafe」でランチタイム。“野菜中心の”という意味の“ベジセントリック”をコンセプトにしたこのカフェにも、ウェルビーイングを実践する資生堂ならではの考え方が生かされています。学生たちは旬の食材がふんだんに使われた彩り鮮やかなランチプレートを味わい、体の内側から“美”をサポートしたいという資生堂の思いに触れました。 さらに、ランチのあとは、パーソナライズスキンケアサービスや貴重な化粧体験が楽しめる「S/PARK Beauty Bar」、入場無料の体験型ミュージアム「S/PARK Museum」などを見学。視覚や嗅覚、触覚といった五感を通して、あらためて資生堂が考えるウェルビーイングについて考察を深めました。 ◆参加学生のコメント 「ウェルビーイングには確固たる定義がないからこそ、“美”というウェルビーイングの新たな視点が得られて多くの学びがありました」(人間社会学部人間社会学科4年 竹川 歩) 「S/PARKの3階、4階には、他社の方々とのコラボレーションする際に利用できるホールやラボを備えていると伺い、企業間には競争だけでなく、お互いに技術を持ち寄ってより良い製品を作るという姿勢も必要だと感じました」(人間社会学部人間社会学科4年 福田 悠乃) 「ウェルビーイングという言葉が一般的になる前から、気付けばウェルビーイングを実践していたというお話をお聞きし、大変感銘を受けました。資生堂とのご縁をつないでくださった深澤先生にも感謝申し上げます」(人間社会学部現代社会学科4年 牛尾 恋々) 「S/PARKはとてもきれいな施設で驚きました。ワークプレイスにはジャングルジムや、居住区間を再現したスペースもあると動画でご紹介いただき、一つの製品を作り上げるには研究はもちろんのこと、環境も重要なのだと感じました」(人間社会学部現代社会学科4年 遠藤 美和) 「研究所というと堅いイメージがありますが、S/PARKは低層階が一般の方々にも開放されていて、社会とのつながりを大切にしているところが素晴らしいと思いました。」(人間社会学部現代社会学科4年 齋藤 由佳)
生活環境学科:『STAFF START』を展開するバニッシュ・スタンダードによる特別講義を実施!
生活環境学科:『STAFF START』を展開するバニッシュ・スタンダードによる特別講義を実施!
1月15日に、1年生対象の「ファッションビジネスの世界」(担当:生活科学部生活環境学科 大川知子教授)の授業で、株式会社バニッシュ・スタンダード/カスタマーサクセス担当の今野俊氏による特別講義が行われました。同社が手掛ける『STAFF START』とは?それは普段、学生たちが利用しているサービスの舞台裏でした。 授業概要  「アパレル」「建築」「プロダクト」を複合的に学ぶことのできる生活環境学科の、1年生向けの科目『ファッションビジネスの世界』の最終講義で、現在、注目を集める『STAFF START』を展開する(株)バニッシュ・スタンダード/カスタマーサクセス担当の今野 俊氏による特別講義が実施されました。『ファッションビジネスの世界』は、ファッション産業の概観を繊維・テキスタイル(川上)・アパレル(川中)・小売(川下)の形成過程を歴史に学びながら、これからの産業の在り方を考える授業です。  その最終講義の今回のテーマは、「ECとOMOの現在」。ECはElectric Commerce(電子商取引)の略で、インターネットを介して商品の売買をすること。学生のみなさんには「ネットショッピング」として身近にあります。現在ではOMO(Online Merges with Offline)という考え方が主流になり、生活者は実店舗とオンライン(ECやSNS)をシームレスに行き来しながら商品を購入します。特にコロナ禍以降、自宅に居ながら買い物が可能なEC市場が拡大しており、このような現状の中で、今回登壇いただいた(株)バニッシュ・スタンダードが提供する『STAFF START』は、主に小売において画期的なサービスを提供しています。  授業の冒頭、今野氏の自己紹介からスタート。これまでにアパレル企業での販売やマーチャンダイザー(MD)としてのご経験を経て、現在は同社の「カスタマーサクセス」という職種で活躍されています。講義は、バニッシュ・スタンダードの概要から始まりました。バニッシュ・スタンダードという社名には、「常識を革める」という意味が込められており、同社が提供するスタッフDXサービス『STAFF START』は、ECの台頭により、実店舗への来店顧客の減少や、それに伴う売上の減少、また、現在の日本においてあらゆる小売業で抱えている報酬の魅力度の低下といった課題を、専用アプリを通じて、店舗に所属するスタッフをDX(デジタルトランスフォーメーション)化し、自社のECサイトやSNS上でのオンライン接客を可能にすることによって解決しています。  『STAFF START』は、サービス開始から7周年。2023年現在での利用者(アカウント)数は23.3万人にも上ります。2018年の利用者数は25,000人程でしたので、コロナ禍を契機に、ほんの5年間で10倍にも急増しています。また、導入ブランドは2,600を超えています。現代のOMOを下支えするのは、正にこの仕組みで、学生たちは最新事例に触れ、学びを深めることが出来ました。  『STAFF START』は、EC上に投稿出来るアプリです。店頭スタッフは、ECそのものや、EC上の自身のコンテンツへの誘客としてSNSを活用しており、このアプリでは、その可視化が可能です。例えば、店舗スタッフが商品コーディネートなどの情報をSNSにアップすると、そこからオンラインショッピングへのアクセス数、売上金額等、全てのプロセスが可視化され、そのスタッフの貢献度が報酬となって評価に加算されます。従来は、投稿内容の売上貢献度は不明瞭でしたが、それを明らかにすることで、働く方たちのインセンティブにもなっています。彼らの販売力を、実店舗は勿論のこと、EC上の接客でも活かすことで、月間500万円以上売上げる人は840名にも上り、また、月間の最高売上は2億6,000万円と驚異的な数字となっています。また、画像を通して、顧客との関係づくりにも役立っています。  また、このサービスにより、大都市にある店舗が必ずしも高い売上を誇る訳ではなく、実際、都道府県別一人当たりの売上の1位富山、次いで石川、栃木と続き、東京は10位となっており、立地による不利益をも凌駕しています。今回の事例は、接客サービス、ひいては働くことそのもの価値の変換が起こっていることを示す事例となり、学生達からも大きな反響を得ました。 学生の主なコメント ・店舗スタッフが活躍できるチャンスがあるということが、印象に残りました。個人の売上成績をしっかりと評価し、 首都圏のみならず、地方にいる優秀なスタッフも活躍できるようにしているのは、とても良い取り組みだと感じました。 ・私自身、ネットで服を買う時に、スタッフの方の着画を参考にしていたので、知らず知らずの内に、このサービスを 使っていたのだと気づきました。将来、ショップ店員になりたいと考えていましたが、低賃金が心配ごとのひとつでした。 ですが、『STAFF STRAT』を知り、更にこの夢に向き立っていきたいという気持ちが強くなりました。 今回の講義を、今後の糧にして、もっと勉強を頑張りたいと思います。 ・「ECサイトに、店舗スタッフを立てる」という斬新なアイディアに、はじめは果たして意味があるのか、寧ろ、 人手の無駄遣いになるのではないかと疑問を抱きましたが、その考えは直ぐに覆されました。 自分が想像していたよりも可能性は広がっており、この仕事自体を前向きに捉えてみる機会になりました。   ※バニッシュ・スタンダードのウェブサイト    企業情報|株式会社バニッシュ・スタンダード (v-standard.com)   ※『STAFF START』のウェブサイト    STAFF START(スタッフスタート)とは|スタッフDXサービス (staff-start.com) 大川先生からのメッセージ    常に社会の動きと連動するファッション産業は、変化のスピードがとても速いです。この産業について学ぶことは、結果的に、他産業を考える際にも応用出来ることが面白さです。今年度は、最近頻繁に『繊研新聞』等の業界紙でも取り上げられている『STAFF START』を運営するバニッシュ・スタンダードの今野様にご登壇いただくことが叶いました。  店舗スタッフは、私たちが商品を購入する際に、助けになって下さる方たちで、魅力のある仕事ですが、収入面を含めて、長年改善出来ない様々な課題にも直面していました。そのような中、誕生した『STAFF START』は、コロナ禍により急速に進んだSNS経由のECとの連携も強めながら、オンラインの強みである物理的な距離も軽々と飛び越え、また、店舗スタッフの方たちの可能性を最大限に引き出すことの出来るアプリです。  学生のみなさんの感想を読むと、実は普段からコーディネートをチェックしている人がほとんどでした。ビジネスは、その基礎となる原理原則を学ぶことがとても大切ですが、一方で、時代の流れに即した事例研究も重要で、学生のみなさんの興味を喚起する、良き学びとなりました。このような機会を与えて下さったバニッシュ・スタンダード様に、心から御礼を申し上げます。