社会連携プログラム
SOCIAL COOPERATION PROGRAM
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2023年6月26日

未来の就活生の服装は?「演習IIA」で青山商事と就活時の服装の課題解決に取り組むコラボ授業が行われました。

2年生対象の「演習IIA」(担当:人間社会学部人間社会学科 広井多鶴子教授)の授業で、5月31日に青山商事株式会社(以下、青山商事)の皆さんとのコラボ授業が行われました。就活生の服装の悩みに向き合う「#きがえよう就活」プロジェクトの一環として、学生たちは未来の就活生の服装を考える課題に取り組みます。

紳士服大手の青山商事の課題とは?

最初に平松氏から青山商事の紹介がありました。
青山商事は「洋服の青山」「THE SUIT COMPANY」などビジネスウェア事業を中心に展開する企業です。店舗は全都道府県にあり、紳士服業界では現在シェアトップを誇ります。また、カード事業や飲食店などを展開するフランチャイジー事業、販売代理店契約をしている100円ショップ「ダイソー」も展開しています。とはいえ売上高の約7割をビジネスウェア事業が占め、青山と言えばスーツの印象が強いのも事実。しかし、実はスーツ以外にも、カジュアルなジャケットやレディスの服も取り扱っています。

ビジネスウェアのカジュアル化はコロナ禍を機に加速しており、ビジネスパーソンの服装は変化しています。また青山商事の顧客層は50代以上が中心で、働く人のボリュームゾーンである20~40代に必要とされる企業であり続けなければいけないというのが青山商事の課題です。

そこで誕生したのが「シン・シゴト服ラボ」という共創コミュニティ。
学生やビジネスパーソンと一緒に社会課題の解決に取り組み、これまでにテレワーク用の商品開発などを行いました。

「#きがえよう就活」プロジェクトって?

今回の「#きがえよう就活」もシン・シゴト服ラボのプロジェクトのひとつ。
ここからは岡本氏から「#きがえよう就活」についての説明が始まりました。
きっかけはコミュニティメンバーの一人が就活で服装選びに悩んだという言葉だったと言います。岡本氏は「それを聞いてビビッときました」と話しました。店舗の店長時代に、「服装自由」に悩んでいた就活生を接客していたこともあり、このコミュニティで課題を解決するべきではないかと思ったと言います。

近年では面接に「服装自由で」「私服で」など指定する企業も多いですが、アンケートを取ったところ服選びに困った学生は9割近く。課題として、会社がなぜ「服装自由」や「私服」と指定するのか意図が分からないこと、また、「自由」と言われても例えばデニムでもいいのか、企業の社風が分からないことが挙げられました。

就活生の服装の悩みを解決したい!

「#きがえよう」就活PJは、就活の暗黙のルールやマナーなどに悩むより自分の未来を考える時間にしてほしいという想いのもと活動しています。そのアクションとして、開設したのが「#きがえよう就活」の特設サイトです。
賛同企業は現在25社あり、選考時の服装指定の意図や理由も合わせて記載されています。新卒生が実際に着て行った服装を見える化し、グラフなどで示しました。特に実際に内定者がどんな服装だったかも記載し、内定にどの程度影響しているかもわかるようにしています。

リリース後はSNSなどで大きな反響を呼び、メディアにも取り上げられました。また、洋服の青山の店舗でも、就活生への対応マニュアルを刷新。
学生向けのパンフレットも新しくしています。

就活市場の現状は…

次に本学卒業生の澤田氏から就活市場の現状についても話がありました。
コロナ禍により面接のオンライン化も進みましたが、現状は対面とオンラインをどちらも行う企業も増えてきています。
「対面になると服装はスーツ率が高い」と澤田氏。また、「青山商事は本当に服装自由でデニムなどでも大丈夫ですが、自由の幅は企業によります」と言います。どうすればいいか悩んだときは、説明会などで対応した社員の恰好を参考にすると良いとアドバイスがありました。また、「服装自由と指定した理由を人事担当に聞いてもいい」と話しました。

就活生の服装の未来について考える

ここで、いよいよテーマの発表です。
今回学生たちには、「就活生の服装の未来」について考えるようお題が出されました。
課題の分析からデータ収集、調査まで学生たちが行います。

就活の暗黙のルールに悩まされずに自分を表現するにはどうすればいい?
理想と現実のギャップは?何を解決するべき?
考えることは数多くあります。

平松氏は
「世の中に実現できないことはありません。ぜひ自由な発想で考えてください。ワクワクする提案を楽しみにしています」と、
学生たちのプレゼンに期待を寄せました。

スーツ?カジュアル?就活にはどんな服装がいい?

学生たちは残りの時間を使ってさっそくグループディスカッションを始めました。
ある学生は「落ち着いた色ってどこまでだろう」と問いかけ、
「オフィスカジュアルを基準にと言われても、女性は服の幅が広く迷う」と話すと、周りの学生も共感していました。
「リクルートスーツは就活でしか着ないため、サステナブルではない」との指摘も出ていました。

「私服、自由とする理由は気になるしお手本も知りたいけど、それを企業に提示されたら結局自由ではないのでは」と矛盾を指摘する学生も。
「就活はスーツが多いのに、入社したら自由になるのはなぜ?」と根本的な疑問を出す学生もいました。

学生たちはグループワークを重ね、7月に最終プレゼンテーションに臨みます。

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