社会連携プログラム
SOCIAL COOPERATION PROGRAM
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2023年6月23日

「未来フォーラム」のメンバーと直接交流!学生たちが企業の方々とグループ対話する特別授業が行われました。

5月30日に3年生対象の共通教育科目「キャリアデザイン」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で「未来フォーラム」の皆さまをお迎えし、学生たちとのグループ対話が実施されました。実際に社会で働く方々との貴重な交流の機会です。学生たちは名刺交換のやり方から、働くやりがいや入社のきっかけなど、直接お話を伺える特別な時間となりました。

労働組合の集まりである「未来フォーラム」

この日の教室は熱気に満ちていました。学生のほか14労組30名の方が参加され、教室も2部屋用意。14のグループにそれぞれの企業の方が着席されています。学生たちはこれから1回15分ずつ、計4グループを回り企業の方とグループ対話を行います。

初めに、代表幹事を務めるセイコーエプソン労働組合の品川友執行委員長から「未来フォーラム」について紹介がありました。
未来フォーラムとは「業種の枠を超え、理念に共感する労組の集まり」です。小売業、サービス業、メーカーなど「ここまで業種の幅が広いのは珍しい」と話します。
現在は27労組が参加し「人のために、社会のために、未来のために」という理念のもと、自分たちの会社と社会を良いものにするために活動されています。
品川氏は「ここにいるメンバーにも率直に、真摯に話すようにお願いしていますので、遠慮せず質問をぶつけてください」と挨拶され、グループ対話が始まりました。

学生たちはこの日に備え特別に大学サイドで用意した名刺を用意し、質問も考えてきました。仕事に対する本音を聞けるまたとない機会です。学生たちは緊張しつつも前のめりに、たくさんの質問を企業の方々に問いかけていました。
※今後のインターンシップなど社会人と出会うことも増えると考え、学生総合支援センターに支援いただき、毎年、この授業の履修学生のために名刺を用意しています。

その企業を選んだ理由は?

多くの学生が気になるのは、やはり「その企業に入社しようと思った理由」です。

商業施設に加え金融サービスなどを展開する株式会社丸井グループの方は
「もともと商業施設が好き。街づくりにも携われる面白さもあった」と回答。
反対に、電機メーカーのアルプスアルパイン株式会社の方は「自分の手でモノを作りたかった」と語り、
「モノを作る会社はたくさんある。細かいものから形のないものまで。自分は何がやりたいか知ることが大切」と話しました。

住宅設備機器メーカーTOTO株式会社の方は、「一緒に働きたい人で選んだ」と言います。
面接やインターンで担当してくれた社員の雰囲気や話しやすさが決め手のひとつとなったと話しました。

株式会社資生堂の方は
「他者貢献が自分のなかで大事。自分の立場で役に立つことができる」ことがやりがいと答えていました。

いま企業が取り組んでいることや工夫

普段の生活では気付かない各企業のこだわりを直接聞けるのもメリットです。
プリンタメーカーのセイコーエプソン株式会社が業界をリードする企業として力を入れているのは、環境に配慮すること。特にインクを捨てるとき、水質や土壌に影響の出ないものを研究していると話しました。

スーパーマーケットを展開するサミット株式会社では、店ごとに買い物時にストレスがない配置を考えたり、総菜の味付けは老若男女誰でも美味しく食べられるようにこだわったり「楽しい買い物体験」を実現しています。

自己分析と企業選択…どう結び付ける?

ある学生は「自己分析と企業選択がまだ結び付かない」という悩みを話していました。
IT企業のBIPROGY株式会社の方は、「いろんな業界の人の話を聞く」ことをおすすめ。
セイコーエプソン株式会社の方も「企業説明会を聞きまくり、ワクワクしない、違和感をあるところを削っていく」という消去法を提案していました。

面接のコツを聞かれた給湯機メーカーの株式会社ノーリツの方は
「一緒に働きたいのは、前向きで元気なひと。学歴も見るが人柄で選ぶ」だろうと元気に面接に臨むことをアドバイスされていました。

何を軸に企業を決める?

何を基準に企業を選べばいいか、というのは多くの学生が抱える悩みです。
漢方薬品メーカー株式会社ツムラの方は「働きやすさを考えたほうが良い」と助言。これから女性が活躍する社会になるのは間違いないと言い、女性の管理職割合や育休の取得率など情報を確認することは重要と話しました。

近畿日本ツーリスト株式会社の方も、有休を時間単位で取得できるなど、福利厚生が充実していることが入社理由のひとつと話し、「福利厚生や制度は確認しておくといい」と話しました。

ただ、BIPROGY株式会社の方は「福利厚生より雰囲気を重視」と、制度が整っていても社風が自分に合うか合わないかは大切だと話しました。社内の雰囲気を知るには、インターンやOG訪問など直接会社の中を見る機会を増やすように助言しました。
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社の方は「やりがいを日々感じながら仕事するのは難しい」と言い、働く時間をいかにストレスのない充実したものにするか、何を基準に働きやすさを決めるかを考えることをアドバイスしました。

学び続けていこう!

グループ対話の時間はあっという間に終了し、企業の皆さんから感想を頂きました。

「学び続ける姿勢に刺激をもらいました。大学を卒業しても、自分のキャリアを考えるという勉強が続いていく。今日は自分のキャリアを振り返るきっかけになりました。一緒に学び続けていきましょう」と話される方も。

品川氏も「社会に出たら誰も正解を教えてくれません。自分の気持ちに向かい合い、自分で決めていくことが大事。それが正解だった時にやりがいが出ます」と話し、
「これから皆さんが社会に出て、共に働けることを楽しみにしています」とエールを送りました。

最後には学生からの感想も。
「働いて楽しかったこと、つらかったことなど経験を聞けて良かった」や
「どんな業界がありどんな企業がどんな仕事をしているのかまだまだ分からないと思います。今後の就職活動などでも苦しいことや悩むこともあると思うが、今日聞いたことを参考に頑張ろうと思います」
と前向きな感想がありました。

授業時間後も多くの学生が残り、まだまだ話足りないと対話が続いていました。
学生たちにとって多くの刺激となる貴重な機会となった授業でした。

担当教員からのメッセージ

私自身が企業勤務時代に労働組合専従の経験があったこともご縁で、毎年、「未来フォーラム様」に、この授業にお越しいただいています。
毎年感じることは、労組役員の皆さん、特に「未来フォーラム」に所属している皆さんの熱量の大きさです。誰よりも社員に寄り添い、そして会社の発展を望む、これからの労働組合の方向性を指し示しておられると思います。
多様性の時代の中で、労組役員の方のご苦労は大変なものがあると思いますが、こうした皆さんが活躍されている企業で働けることは幸せだと思います。
学生も名刺交換からスタートした社員の方との真剣勝負、企業の説明会ではなく、働き甲斐ややりがいなどを直接お聞き出来る貴重な時間となりました。
毎年、本当に多くの方にご支援いただいていること、心から感謝申し上げます。

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