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2024年7月22日

男女格差をなくすには?「実践キャリアプランニング」の授業で連合のジェンダー平等・多様性推進局長による講演が行われました。

5月17日に「実践キャリアプランニング」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、日本労働組合総連合会(以下、連合)のジェンダー平等・多様性推進局長である菅村裕子氏による講演が行われました。社会で女性として活躍する上で知っておくべき法律やルールについて分かりやすく解説され、学生たちにとって学びの多い授業となりました。

法律で女性の地位向上を

菅村氏は神戸大学の大学院へ進学。
卒業前の就職活動において、とある企業の面接で「女性が大学院に行ってなにがいいの?」と言われたと話します。
女性というだけで、学びの機会を得ることを否定されるのかと憤った経験を話されました。

法的トラブルに対する支援を行う法テラスを経て、女性の地位向上の仕事がしたいと青年海外協力隊に参加し、シリアなどに派遣。活動に尽力されました。
中東における女性の人権問題はよくニュースになりますが、「日本の女性も本当に大変」と菅村氏。現在は連合に勤務しています。

連合とは各企業・業界の労働組合が加盟しているナショナルセンター(中央組織)です。労働者は労働基準法を含む労働関係法令で守られてはいますが、「法律で守られている部分は必要最低限」と菅村氏。
連合は労働者の権利を守るために活動しています。

法律だけでは男女平等には不十分?

労働条件の最低基準を定める労働基準法は1947年に制定され、第4条において「男女同一賃金の原則」が明記されました。女性であることを理由として賃金の差別的取扱いはしてはいけないというこの条文は一見男女平等のように思えます。
「しかし、募集や採用、配置、教育訓練、昇進や定年等における、男女の差別的取り扱いは禁止されませんでした。」と菅村氏は指摘しました。
性別による差別をなくすことが必要と、1986年に「男女雇用機会均等法」が制定。
2007年改正により、女性だけでなく男女双方に適用される法律となりました。

しかし、長時間労働の慣行が引き続き残った結果、均等法には、男性と同様に長時間働けることを前提とした「男性並み平等」の課題があります。家事や育児などの家族的責任と男性並み平等との葛藤による仕事と家事・育児・介護の両立の困難から、少なくない女性がパートや有期、派遣雇用という形で雇用形態を変えて働いてきました。こうした労働者を保護するため、派遣法やパートタイム・有期雇用労働法が制定されています。
少しずつ改善していますが、完全な平等を実現するにはまだ課題も残っています。

育休は労組が勝ち取った!

菅村氏は育児休暇についても言及。
育児休暇も労組の取組から始まりました。当時は、女性が結婚したり子どもを産んだりしたら退職を迫られることが横行していました。電電公社の組合が働きたい女性たちからの要望を会社に要求。育児休暇が導入されたのです。

今では浸透してきた「育休」ですが、それでも男性の取得率はなかなか上がらない現実があります。休暇を取りたくても言い出せない人はまだ多くいます。
さらに、育休を取得できたとしても数か月の空白期間や、時短勤務はキャリアに響き昇進が叶わない女性も多くいます。結果として、男女間の賃金の差異は大きくなっています。
「これでは子どもを持つ人が少なくなっているのは、当たり前のことです」とさみしそうな口調で菅村氏は付け加えました。

もちろん国や企業も性別の格差をなくし、育休取得率を上げようと取組をしています。「女性の活躍推進企業データベース」では、女性の活躍認定「えるぼし」や子育てサポート認定「くるみん」などを取得している企業を確認することができます。
菅村氏はただ認定があるかを調べるだけではなく、その企業の賃金格差の内訳や、差異を是正するために取り組んでいるかをきちんと確認することが重要と伝えました。
「まだ格差がある中で、どうやって縮めていこうとしているのか、その企業の姿勢を確認できます。しっかり見て自分の働き方に合うかを知りましょう」

立ち止まらず少しずつ良くしていこう

講演の終わりに、学生はグループごとで話し合い、意見や感想をリアルタイムで掲示板に投稿。
深澤教授が読み上げる形で質疑応答が行われました。
「日本の賃金の男女格差を減らすには?」という質問には、菅村氏は「日本の企業では休みに対するネガティブな考えがある。性別関係なく、同じように休めるように変えていくべき」と回答されました。

「男女格差は根深い問題だと知りました。法律を改正しても変わらないのでは?」と危惧する質問には、「結婚退職、女性の定年は35歳という時代から比べると、先輩たちの頑張りによって、特にこの10年ほどで女性の正規雇用率は上がり、良くなっている。自分たちも頑張って次に続けていきたい」と菅村氏。
そして、「北欧では男女の賃金格差が少ないと言われますが、女性の多くは保育士などの公務員。ドイツもジェンダーギャップが少ない国ですが、女性に偏った短時間勤務など、性別により働き方に違いがあると聞いており、日本だけではない問題です。しかし難しいことだと思考停止にならず、少しずつよくしていきたいと思います」と力強く話され、授業を締めくくりました。
知っておくべき法律や少しずつ変わっている現状を学び、女性として社会に出ていく上で厳しい現実を知り学生たちには指針となる授業となりました。

2024年7月22日

ワークルールを知って働く!「実践キャリアプランニング」の授業で連合のフェアワーク推進局長による講演が行われました。

5月10日に「実践キャリアプランニング」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、日本労働組合総連合会(以下、連合)のフェアワーク推進局長である小林妙氏による講演が行われました。「働くことを考える」をテーマに、働く上で守るべきワークルールを教えていただきます。アルバイト中や就職活動中の学生にとって、安心安全に働くための基礎知識を知る機会となりました。

連合は働く人を守る組織

小林氏は教師を目指し教育学部を専攻するも、企業への就職に興味が湧き、証券会社へ入社。
その後転職した先が倒産の憂き目に遭うも、縁あって産業別労働組合(JAM)の仕事に関わるようになり、連合へ出向されました。

フェアワーク推進局では、非正規雇用などで働く人たちの声を集め、実態を把握し、課題解決につなげていく活動をしています。
その対象は非正規雇用者、パートやアルバイト、フリーランスや外国人労働者などさまざま。
またLGBTQといった性的少数者などの方々も対象です。性別・年齢・国籍・障がいの有無などに関わらず、一人ひとりが尊重され、公平で働きやすい職場環境を実現するために活動されています。

労働組合は、憲法28条で認められた「団結権」「団体交渉権」「団体行動権」といった3つの労働者の権利を実行し、労働者を守るためにあります。また、労働基準法という法律も含め労働者が働く安全、安心は守られているのです。これらが守られていない場合や改善して欲しい場合は、労働組合は企業側と対話し、要望をすることができます。
労働組合は企業と対等の立場であり、企業側は対話を断ることはできません。労働組合と対話をすることも法律で決められているためです。

労働組合って必要?

連合は、各企業・業界の労働組合が加盟するナショナルセンター(中央組織)です。労働組合とは働く人たちが自主的に組織するもの。職場の環境は安全か、法律違反はないか、ハラスメントはないかなど相談を受け、意見を取りまとめる窓口です。
労組は二人以上で作ることができ、現在連合には690万人以上が加入。非正規雇用者やパートなど正社員以外も加入でき、現在加入者の約2割が正社員以外の方です

「憲法や労働基準法があるなら、労働組合って必要?と思われる人もいるかもしれません」と小林氏。
「私も勤めている時は、労働組合のことをよくわかっておらず、時間外に色んなことを聞かれて正直邪魔だなと思っていました」と告白。
しかし、「今は必要だと思っています」と言います。

例えば週休2日が常識になっていることも労働組合の活動の結果。
労働基準法には「少なくとも毎週1日の休日か4週間を通じて4日以上の休日」としか決められておらず、週6日働くことは違法ではありません。
これでは労働者が大変だと労働組合が活動を行い、週2日の休みを勝ち取ったのです。
小林氏は「労働基準法以上の環境や働きやすさをきちんと獲得するために、労働組合や連合は必要です」と話します。「皆さんもこれから就職の際、労働組合がある企業に勤めてほしいと思います」と、就職先を決める基準のひとつにして欲しいと話しました。

ワークルールを知ろう!

ここで小林氏は「ワークルール」についての問題を出しました。
ワークルールとは、簡単に言えば企業側が労働者に対して、してはいけないことです。「知ってるつもりで実は知らないルールです」と小林氏は問題を出していきました。

例えば「学生アルバイトでも法律で守ってもらえるか?」という問題。答えは「もちろん守られます。年齢によっては深夜に働くことは法律違反ですが、知らずに働かされることもある」と小林氏は注意を促しました。
また意外な問題では「採用面接で尊敬する人は?と聞くのは良い?」というもの。「働く能力とは関係ない思想に関わることは、個人の自由であるべき」と小林氏。
好きな言葉や宗教なども聞くことはよくないと言います。「ただ、まだあまり浸透しておらずエントリーシートなどに項目があるといった現状です。そういった会社があったら、疑問を持つことも大事」と小林氏は話しました。
その他にも「インターンシップは無給が当たり前ではない」「時給は1分単位で支払われるべき」などのワークルールが紹介され、学生たちも興味深く聞いていました。

働くこと上で必要な知識を身に付ける

講演後、学生たちは質問をリアルタイムで掲示板に投稿し、深澤教授が読み上げる形で質疑応答が行われました。
「最低賃金を上げるように国に言ってください」という投稿に小林氏が「了解しました。連合など労働組合も最低賃金を決める会議に参画しているので、その担当に伝えます」と答えると、笑い声が起きました。
「国としても最低賃金を上げようという動きがありますので頑張っていきたいですね」と話されました。

「アルバイトでも有給休暇があると知らなかった」という感想には「一定期間・一定時間を働いているなど条件はありますが取れますので、社員の方にアルバイトも有休が取れると法律で決まっていると話してみましょう」と助言されました。
その他にもアルバイトやお金のことなど、働くことへの身近な質問が多数投稿されました。
学生たちは働く上で知っておくべき知識を得た大切な講演となりました。

2024年7月16日

新しいSNSを広めるには?「実践キャリアプランニング」で広告マーケティングを実践する体験授業が行われました。 

大学共通教育科目の「実践キャリアプランニング」(担当:髙橋裕樹特任教授)で、元株式会社電通の鈴木宣彦氏をお迎えしての広告ビジネスを体験する授業が行われました。商品やサービスを売るために、リサーチしたり広告チラシを考えたり。実際にワークを通して体験することで、マーケティングとはどんな仕事かを実践的に学ぶ機会になりました。

広告代理店は「なんでもやる」会社

鈴木氏は大学卒業後、新卒で電通に入社しました。
広告代理店とは何をする会社かと言えば、CMを製作したり広告を打って宣伝したり、ということを思い浮かべますが、それだけにとどまりません。
YouTubeの動画作成やグッズの製作まで、「依頼した企業の成長や課題解決のためならなんでもやる」と言います。
鈴木氏もまた、多くの企業のCMや中吊り広告の作成から、イベントなど幅広い仕事に携わってきました。コピー作成やCM製作をするクリエイティブ部門を経て、マーケティング、プロデュース部門などさまざまな仕事を経験しました。

「誰かの作ったメディアや仕組みを売るのではなく、自分が欲しいサービスを作って世の中を変えたい」と思うようになり、2022年に起業。
株式会社NOBU Planningを立ち上げました。グルメ動画SNS「Popdish」を開発・リリースしています。

Z世代向けの新しいグルメSNSを立ち上げ

授業は3週にわたって行われ、最初の授業では、広告コピーの作り方の基本的な考え方を学びました。
2回目からはグループワークです。
2回目はPopdishのチラシを作成し、3回目は改善点についてのプレゼンテーションを行いました。

PopdishはZ世代を中心とした若年層向けのグルメ動画SNSです。
Popdishのキャッチコピーは『「今食べたい」が、すぐに見つかる。』。
動画と地図が一緒になっており、行きたい飲食店を発見でき予約も可能なSNSです。従来のグルメサイトでは写真の投稿などはできるものの、「写真を盛る」ことによる実際のお店とのギャップに対する不信感もありました。
Popdishでは動画で閲覧できることで、実際の店内の様子や食事を想像しやすいというメリットがあります。
動画の一つ一つに正確な地図情報や飲食店情報が紐づいているため、予約もワンクリックで進めるのも特徴。さらに動画を投稿することで、ギフト券などに交換できるオリジナルポイントもたまります。

Popdishの改善点をプレゼン!

3回目のプレゼンテーションでは、競合他社のグルメアプリを利用している人へのヒアリングを行います。
実際にPopdishを使ってもらい、使い心地を確認。それをもとに改善案を作成しました。
学生は17チームに分かれ、パワーポイントで資料を作成。4分間のプレゼンテーションを行いました。

SNSでグルメ情報を得ている人からは流行りの店が分かるというメリットを発表したチームは、Popdishはまだ動画投稿の数が少ないためインフルエンサーなどに投稿してもらい、投稿数を増やすことを提案。
グルメ専用サイトを利用している人を調査したチームは、PopdishはInstagramやTiktokなどのZ世代向けSNSに慣れていない人は使いづらいという意見をピックアップしました。
そこで、検索機能をもっと充実させ、写真も投稿できるようにするなどを提案しました。

地図アプリでお店を探す人を調査した意見では、目的地近くの飲食店が分かるメリットを挙げ、Popdishの地図でも飲食店だけでなくランドマークやチェーン店が検索できるようにすると良いなどの意見がでました。
その他、17チームそれぞれの視点で、Popdishの良さ、改善点などをプレゼンしました。

マーケティングを実践的に学んだ授業

全チームの発表が終わると、鈴木氏による講評が行われました。
鈴木氏は「全体的にしっかりして結果をまとめて提案していたと思います」と学生たちの頑張りをねぎらいました。
全チームのなかから、特に素晴らしかった3つのチームには表彰もありました。評価ポイントは内容だけでなく、パワーポイントの画面の見やすさや、アプリへの使い込みについても言及。
1位になったチームには「提案してもらった追加機能は、まさに社内で改修しようとしていたポイントをしっかり網羅していた」とリサーチ力を絶賛されました。

「広告業界で実際にやっていることを皆さんにやってもらいました」と鈴木氏。
「広告の考え方や、ターゲティングやメッセージなど、さわりの部分だけですが、形はつかめたかと思います」と話しました。
今回のプレゼンテーションは、「人から聞いたことや調べたことを、自分のなかで咀嚼して分かりやすく伝える訓練になったと思います」と話しました。
学生にとっても実践的にマーケティングを学ぶ機会となりました。

2024年4月3日

式場の強みを生かして素敵な結婚式を考案!「実践キャリアプランニング」の授業で結婚総合情報誌ゼクシィとコラボした特別授業が行われました。

1月15日に、共通教育科目「実践キャリアプランニング」(担当:髙橋裕樹特任教授)の授業で、株式会社リクルートのゼクシィ編集部(以下、ゼクシィ)との特別コラボが行われました。テーマは「設定の結婚式場でカップルがやりたいと思うセレモニー・パーティ演出を考える」です。設定会場は渋谷にある株式会社エスクリ(以下、エスクリ)の「ラグナヴェールアトリエ」。文学部美学美術史学科2年の学生たちは、グループワークで式場の強みや今のカップルが何に興味があるかを調べ、企画をまとめこの日のプレゼンに臨みました。

 ※初回授業の様子はこちら

絵本やアートをコンセプトに

ゼクシィ編集長の森氏やデスクの吉松氏、全国で結婚式場を運営する株式会社エスクリ(エスクリ)の松田氏など企業の方を前に学生たちのプレゼンは始まりました。

最初の発表は6班。
絵本の世界をコンセプトとして考えました。
緑にあふれた温かい空間にし、絵本に出てくる有名な料理を出したり、クロスを使わずにテーブルの木目を生かしたりと、緑の多い設定会場の特色も生かし提案しました。

次の4班は、西洋アートをコンセプトに提案。
ゴッホの「ひまわり」など西洋美術のひとつの作品を題材にします。
新郎新婦によるイミテーションケーキの飾り付けや、参加者もドレスコードを決めてサンドセレモニーなどでアートを作るのに参加します。
各班の発表後は企業の方々からコメントをいただきました。
森氏は「ターゲットのカップルがやりたいこととクライアントである会場の魅力を考えていると思いました」と感心されました。

8班はナイトウェディングを考案しました。
バージンロードを天の川に見立て、テーブルの装飾も電球やキャンドルで星を表現するなど、渋谷の夜景を合わせて夜の雰囲気を出します。
お色直しも星空のようなシックなドレスを提案しました。
発表後、学生は「話し合ううちに話が広がって、テーマを絞るのが難しかったです」と話しました。

会場の雰囲気作りも大事!

5班は花に囲まれた結婚式を提案しましたました。
家にいるようなくつろぎを演出し、映画を見るよう時のようにポップコーンを食べながらウェディングムービーを鑑賞。
ウェディングケーキにプロジェクションマッピングで花の装飾をすることなども考えました。
エスクリの藤田氏は「白いケーキにプロジェクションマッピングをする案は新しく、なかなか思いつかないです」とコメントされました。

次の1班は「光と色彩の結婚式」と題して、西洋美術の印象派画家・モネをテーマに考えました。学生たちは実際に美術館で開催されていた「モネ展」に足を運んだ際に、20代女性の来場者が多かったことからコンセプトに選んだと話しました。
セレモニーは有名なモネの「庭園」を、披露宴は「睡蓮」をモチーフに内装を調え、各テーブルに水中花を置くなど会場の雰囲気作りをしました。

9班はファッショナブルをテーマに、ゲストのドレスコードなしという斬新なアイディアを提案。
また出入口にさまざまな種類の花を置き、ゲストは好きな花を1本選びテーブルの花瓶に差すことで、一人ひとりのカラーを大切にするコンセプトを表現しました。
藤田氏は「花を持ち寄るなどしてそれぞれテーブルに飾るのは、実際に流行っているアイディア」と話しました。

カップルもゲストも居心地よく過ごすためには

7班は新郎新婦もゲストも自然体でいられる披露宴が良いと考えました。
テーブルには座席指定がなく、コミュニケーションを取りやすい時間も設けます。
新郎新婦がテーブルを巡りやすいように各テーブル2席余剰に置くなど、空間演出も考えました。
学生からは「結婚式に対してぼんやりしたとイメージしかなかったが、皆でアイディアをすり合わせられて良かった」と感想がありました。

2班は某童話をテーマに選択。
7人の小人の衣装を着たバンドが演奏したり、女王の鏡をモニターで映し開会のご挨拶をしたり。他にもリンゴのお酒で乾杯などモチーフをふんだんに盛り込み、ゲストも映える写真を撮りたくなるような案を出しました。
森氏は「人気キャラクターや物語の設定などとコラボをすることが出来たらとても人気が出そうと思いました」と評価。
藤田氏も「女王の鏡の案などはブライダル業の人間からはなかなかでにくい斬新な案だと思います」と話しました。

最後は3班。
新郎新婦が好きな映画をモチーフにした披露宴を考えました。
例えば某映画のオープニングロールでご挨拶があったり、それに纏わる衣装をテーマにお色直ししたりなどを提案しました。
学生たちは「最初はなかなか案が出なかったが、皆で協力できてよかった」と感想を述べました。

新しいアイデアを創出

終了後、企業の皆様による審査があり、1位から3位までが発表され賞品がプレゼントされました。

3位は4班。
カップルの幸せを考え、企画にしっかり向き合っていたと評価されました。

2位は絵本の世界観で統一した6班です。
学生からは「まさか選ばれると思っていなかったけれど、グループ全員協力的に進められたと思います。頑張れてよかった!」と感想がありました。

そして1位は1班でした。
コンセプトが企画全体に行き渡っていたと評価をいただきました。
森氏は「参加者の心情から会場の強みまで分かりやすくまとめられていて、取り入れてみたい案も沢山ありました」と話されました。
学生は「同じ課題の中で、こんなにいろんなアイディアがあるんだと思った。直接フィードバックもいただけて貴重な体験でした」と話しました。

最後に総評をいただき、エスクリの松田氏からは「新しい考えや発見がありました。私はコンセプトや汎用性などから9班が一番良かったと付け加えておきます」と話されました。

森氏も「ここまで仕上げていただいて感動しています。企画のアイディアに、キーワードやコンセプトを作って考えていくことは、これから社会に出ても役立つと思います。これからも頑張ってください。」と学生たちをねぎらいました。

2024年4月3日

ターゲットが是非挙げたいと思う結婚式を考えよう!「実践キャリアプランニング」の授業でゼクシィとの特別コラボが始まりました。 

12月4日に共通教育科目「実践キャリアプランニング」(担当:髙橋裕樹特任教授)の授業で、株式会社リクルートのゼクシィ編集部(以下、ゼクシィ)との特別コラボが始まりました。初回のこの日はオリエンテーションが行われ、マーケティングについてと、そもそも結婚式とはどういうものなのかについて学びました。文学部美学美術史学科2年生の学生たちがグループワークで結婚式の企画を考え、1月にプレゼンテーションに挑戦します。

一緒に生きていく瞬間を応援する

ゼクシィ編集長の森氏やデスクの吉松氏、全国で結婚式場を運営する株式会社エスクリ(エスクリ)の竹野氏など企業の方を多数お招きし、授業は始まりました。
今回の授業で、学生たちは実際に企業で行われているマーケティングの手法を使い、ターゲットの気持ちを捕らえた新しい結婚式の企画を考えます。

まず森氏からゼクシィについての紹介がありました。
森氏が「ゼクシィを知っていますか」と問いかけると、学生のほとんどが手を挙げました。
ゼクシィは今年30周年を迎える結婚情報誌で、結婚式場やウエディング関連の情報を発信しています。

ただ、現代は結婚と結婚式は当たり前ではない時代。結婚式を挙げない、結婚自体もしないという選択をするカップルも多いのが現状です。
森氏は「今は結婚に限らず多様なパートナーシップがある。私たちは結婚に限らず、誰かと一緒に生きていく瞬間を応援していく仕事です」と話しました。

多様化する結婚のかたち

では、そもそも結婚式とどのようなものでしょうか。
基本的に結婚式とは、挙式と披露宴のセットです。
挙式は二人が誓い合う儀式を行うもので、チャペルなどで行うキリスト教式や神前式が一般的ですが、ゲストに誓う人前式などもあります。
披露宴は二人のお披露目の場で、感謝を伝え祝福を受けます。両親への感謝の手紙や、お色直しなど一般的な流れはありますが、最近ではその基本的なセットを行なわない、行なっても自分達なりにアレンジをするカップルも多いです。

「当たり前やこうしなくてはいけないということがなくなり、2人らしさを求められている」と森氏。
ではどのような結婚式なら挙げたいと思うのか、を考えていくことが求められます。

どんなコンセプトの式にする?

ここで学生たちに課題が出されました。
お題は「ターゲットカスタマーがクライアントの結婚式場で、やりたいと思うようなセレモニー・パーティ演出を考える」。
ターゲットと、式場はあらかじめ定められていますが、どのような内容の結婚式にするのかは一から学生たちが考えます。

ここからは吉松氏からマーケティングについての簡単な説明があり、その中で「コンセプト」についての話がされました。
コンセプトとは企画のぶれない方向性を定めたもの。「企業や商品など、どんなものにもコンセプトがある」と吉松氏は話します。
例えば本学、渋谷キャンパスの3階にある図書館は「人と情報が触発し合うオープンスペース」がコンセプトです。

そのコンセプトを考えるためにはターゲットのニーズを知ることが大切。そのために必要なことが調査やインタビューです。
しかし直接「何を求めているか」を聞いてもすぐに答えられる人は少ないもの。何が好きか、どんなことが苦手かなどを深堀することで、潜在的なニーズを見つけていきます。
「求めているものを引き出すために沢山回り道をして質問をしている」と言い、「大学卒業後も必要になるノウハウだと思うので頭の片隅に覚えておくと良いかなと思います」と話されました。

式場に合った結婚式を

そして今回のクライアントは式場です。
思いついた結婚式のアイディアが実際にできるかどうかは、式場に確かめる必要があります。
そのためにクライアントの式場を取材することも大事な過程です。「取材を通して、そのクライアントのことを何でも知っている状態になることが大事」と話されました。

本課題のクライアントであるエスクリの竹野氏から、エスクリについての紹介がありました。
エスクリは結婚式場運営会社。2003年に創業し、それまでなかった大都市の駅チカに式場を作り、業界にインパクトを与えました。
それまで結婚式場と言えば、郊外の広い場所や非日常感のある建物が一般的でしたが、ゲストが集まりやすい場所として商業施設の最上階などビルの中に式場を構えたのです。そのスタイルは受け入れられ、現在は全国27の式場を運営しています。

どんな結婚式ならやりたいか考えよう

今回の課題の設定会場は渋谷にある「ラグナヴェールアトリエ」。
竹野氏は「渋谷は文化の発信地。結婚式も同様に従来のやり方だけではなく、2人らしい結婚式を描けるように」とアトリエという名前、空間にしたと説明しました。なるべく創造性を発揮できるようあえて華やかなものは取り除き、装飾やデザインなどは控えめな空間になっております。

ただ、ターゲットであるカップルは建物の雰囲気やデザインだけで会場を決定する訳ではありません。どんな演出やプログラムが出来るのか、その演出を通してどんな時間を過ごせるのか、どんな感情を得られるのかを考えて企画を考える必要があります。
竹野氏は「皆様の企画で私たちもヒントを得られたら嬉しいなと思っています」と学生たちのプレゼンに期待を寄せました。

講義が終わると早速グループワークが開始されました。
森氏や竹野氏もグループを回って、学生からの質問を受けたりアイディアの相談に乗っていたりしました。
今回のアイディアは今後、実際に結婚式のパッケージとして使われる可能性もあります。学生たちはプレゼンテーションに向け真剣に話し合っていました。

 ※学生たちによる結婚式の企画プレゼンテーションの様子はこちら

2024年3月8日

関係人口を創出するには?「実践キャリアプランニング」の授業でJALとコラボし、学生たちがプレゼンに臨みました。

共通教育科目「実践キャリアプランニング」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、日本航空株式会社(以下、JAL)との特別授業が行われ、学生たちは12月に2週に渡りプレゼンテーションに臨みました。テーマは「地域活性化をするため関係人口を創出する取り組みとは」です。学生たちはそれぞれ地域を決め、グループワークを通して企画を考えました。JALからは産学連携部の田中優子氏と吉村真紀氏、オペレーションコントロール部の荻原千紗氏の3名が来校され、学生たちのプレゼンを興味深く聞かれていました。

観光だけじゃなく地元に関わるか

最初の5班は新潟県での企画を考えました。
米の産出額1位の新潟県は、カレー専用米を作っていることに注目。地元の食材を使用したカレーを作りイベントを開催し、JALでコメ作りツアーも実施します。子ども食堂や高齢者施設などにも提供することを提案しました。

発表後はJALの皆さんから講評がありました。田中氏は「子ども食堂や高齢者との関係を重視して、地域に関わる意欲が見えました」とコメントされました。

次の2班は、兵庫県の但馬地域を選びました。
温泉が有名な地域ですが、宿泊施設などの人手不足が深刻です。そこでリゾートバイトの形で2週間ほど滞在し、観光施設の手伝いや町の魅力を発信することを提案しました。観光客とは違う目線で地域と関わり、地元の人とも交流することができるとしました。

荻原氏は「労働人口を増やしたいという考えが良いなと思いました。リゾートバイトに行った人が地域の良いところを見つけ、それを発信できるのは良いですね」と感想を伝えました。

身近な地域をどう活性化する?

3班は、本学の日野キャンパスがある東京都日野市を選択。
市の総人口が減少しており、空き家が全国平均より1.3倍多いという課題に注目しました。空き家をリノベーションして、シェアハウスを経営することを提案。庭で家庭菜園を行い交流の場にすることを企画しました。

田中氏は「ESGの考えを自分に引き当てて地域を考えるというのが素晴らしい」と話されました。

12班は、メンバーが行ったことがある県の候補の中から宮崎県を舞台に選びました。
宮崎県は観光地が南北に離れていて、移動が大変という課題を挙げました。そこで地元の人に観光名所を教えてもらったり一緒に巡ったりするツアー式の方法を考案。また宮崎県は雨量が多い時期もあり、その影響を受けて傷がついた食品もあることから、それらを安く販売することを提案しました。

吉村氏は「目を見てプレゼンしていて、伝わってくるものがありました」と評価しました。

美味しいご当地食材を食べよう

10班は、ラーメンで関係人口の創出にチャレンジ。
ご当地ラーメンを巡れる「ラーメンガチャ旅」を考案しました。山形県、北海道、山梨県など有名なラーメン店がある県をランダムにツアーにし、それぞれの県でラーメンを食べ、観光もしてもらうという案です。

荻原氏は「行き先がランダムに決まるので興味が薄かった県に行くきっかけになる」と興味を持っていました。

前半ラストは6班。新潟県の弥彦村にフォーカスしました。
新潟県は米だけでなく枝豆の作付けも全国1位とデータを示し、風味豊かな枝豆を作っている村に1泊2日で行くツアーを提案しました。周辺の観光地巡りのほか、枝豆の収穫体験やつかみどり、皮の調理方法を学ぶ料理教室など枝豆を中心にした企画を考えました。

吉村氏は「枝豆にフォーカスしていることで分かりやすく、プレゼン力の高い発表でした」と感想を話しました。

まずは知ってもらうこと

後半のトップバッターは7班から。
生協のようなスタイルで給食を配達し、地方の郷土料理から興味を持ってもらうことを目的とし、全国の給食配達サービスを考案しました。ターゲットは地産地消をしにくい首都圏の人々。給食は栄養バランスが考えられており、日本の和食は世界遺産にもなっています。食料自給率が低い日本の食材を食べる意識付けにもなるとしました。

吉村氏は「ターゲットを都心の人にしたのがいい。孤食の問題や共働きで自炊をしない層にもアピールできるのでは」と評価しました。

次の9班は、宮崎県をチョイス。班のメンバーの出身地です。
まずは若者をターゲットにPR動画コンテストを提案しました。宮崎県の知っていることやオススメすることについて動画を作成→SNSにアップし、優秀作には牛肉やマンゴーなど宮崎県の特産品をプレゼントするという企画です。また、空き家を活用したワーケーションなども行うことでその行き来にJALの利用も促しました。

田中氏は「メンバーが一緒に出身地について考えるのが良いですね。関係人口を増やすにはまず知ってもらうことが大切」とコメントしました。

佐賀の魅力を届けよう

8班は佐賀県に注目。
魅力度ランキングが低いと言われていますが、玄界灘や有明海でとれる海鮮は人気が高く、有田焼の大会には世界中から人々が集まってきます。そこで、『おてつたび』という手伝いしながら旅をする取り組みとコラボして、地元の漁師や店を手伝う企画を考えました。『おてつたび』では交通費が出ないため、JALが連携し交通の援助をすることも提案しました。

吉村氏は「『おてつたび』という既存にあるシステムと新しい発想を繋げるるというのは、これから求められる能力」とコメントしました。

4班も佐賀県を取り上げました。
佐賀県は魅力度が低いと言われますが、実は佐賀牛など特産品の効果からふるさと納税は上位にランクインしています。そこで2泊3日の佐賀県ツアーを企画。例年10~11月に開催されているバルーンフェスタに合わせて、気球試乗や酪農体験、焼き物体験ができるスケジュールを考えました。メンバーは実際に佐賀料理が食べられる渋谷にあるレストランにみんなで行き、郷土料理も実食したと話しました。

吉村氏は「実際に食べてみたと言うフィールドワークの説得力がありました」と感心されました。

JALが乗り入れてない地域こそコラボを

次の1班は、山梨県を選びました。
山梨県には空港がなく「JALの航空便が飛んでいないからこそJALとコラボする意味がある」と発表を始めました。知識があるシルバー層と、金銭的・時間的に余裕がない子育て世代が相互協力することを提案。寺子屋JALを開設し、宿題の指導やものづくり、JALの人と協力して英語教室を行うことを考えました。

田中氏は「教育に焦点を当てて考えたのが素晴らしい。地域住民が充実感を得られることが良いですね」と話しました。

最後の11班は、富山県でグルメフェスを開催することを提案しました。
初夏は甘えび、冬はカニなど豊かな食材が獲れることをPRし、観光客の増加を目指します。またグルメフェスを通し地域コミュニティも活性化できるとしました。富山県にはJALの乗り入れ空港がないため近隣県のファミリー層をターゲットとしました。

荻原氏も「私も行ってみたいと思いました」と興味をひかれていました。

継続していける企画を考える大切さ

授業の最後には、前半・後半それぞれのプレゼンの中から優秀賞が選ばれました。
前半は5班、後半は4班が選ばれ、学生たちには賞状と、賞品としてJALのキーホルダーやパスケースがプレゼントされました。学生たちからは「自分たちで一から考えて頑張ったので、表彰していただき嬉しいです」と喜びの声が聞かれました。

吉村氏は
「どの班も甲乙つけがたかった。今回の発表を良い経験にしてください」とコメント。
荻原氏も
「時間がない中チームワークを発揮してくれたことに感謝しています。私自身楽しく、皆さんの発想を聞けてとても良い機会になりました」と刺激になったことを話されました。

最後に田中氏が
「関係人口を増やすアイデアを考えるのは難しかったという皆さんの感想はそのとおり。その難しい難題によくチャレンジしてくれたと思います」と学生たちの努力をねぎらいました。そして「関係人口の創出は、1回限りでなく継続していくことが難しい。貢献していけるか、やりがいがある企画か、喜びを感じられるかということが継続していく秘訣。これから就活に向かう中で、こうした考えを頭に置いてくれると嬉しいです」とこれから就職活動を行う学生に向けてアドバイスをされ、コラボ授業を締めくくりました。

担当教員からのメッセージ

日本航空様とのコラボは3年目、毎年、様々な視点からのお題を提示いただき、学生たちは真剣に向き合いながら、社会課題に対する視野を広げたり、日本航空様に関する事業領域の広さを学びつつ、学科の学びとの接続を考えてくれています。幅広い領域を学ぶ学科であるだけに、こうしたキャリア教育科目でも、学科の学びとの親和性を大切にする必要性を感じています。今年も、レベルの高いプレゼンテーションが多く、短い時間にも関わらず、ベストを尽くしてくれたことは素晴らしいと感じました。毎年、多くの気づきに繋がるテーマ設定をいただき、また、沢山の社員の方にお越しいただくなど、日本航空様のご配慮に心から感謝申し上げます。

2024年2月15日

働き続けたい企業の条件とは?「実践キャリアプランニング」の授業でホテルマリオットとのコラボ授業が行われました。

共通教育科目「実践キャリアプランニング」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、世界的ホテルチェーンのマリオットとのコラボ授業が行われました。学生たちはグループワークを経て、12月に2週に渡りプレゼンテーションに臨みました。テーマは「働きたい、定着したいと思えるホテルとは?」です。授業を通し自分たちが働きたい企業を考える機会ともなりました。

女性も若者も活躍できる職場とは?

トップバッターはグループ3。
働きたいと思える企業の条件として、復職後に前のポジションに戻ることができたり、本人の働きやすい役職に移るなど臨機応変な対応をしてもらえることを挙げました。
ホテルは24時間のシフト勤務が多いため、女性が働きやすいよう子どもを預けられるベビーシッターサービスなどのアイディアも出しました。
また多様性を重視し、制服の男女差をなくすことを提案。女性が管理職を目指せる体制を整えることも重要だとしました。

発表後はマリオットの大野裕子氏から「改善策の目安や、具体的な施策が出ていて想像しやすかったです」と講評がありました。

2番手はグループ8です。
働きたいと思う企業として「柔軟性があること」を重要視。
管理職が高齢化し、若い人の意見が通りにくく昔からのルールが多いことを課題に挙げました。昇給や昇進の機会を明確にするため、3年など一定期間働いたら昇進するなどキャリアアップがしやすい体制が大事だとしました。

大野氏は「若い人の気持ちが分かりやすかった。ただ、ご高齢の方は知識もあるので、排除するのではなく一緒に作っていけるような施策もあればより良かったです」と話しました。

効率的に働くことが重要

続いてのグループ10は、「働く時間」に着目しました。
残業が多い企業では長く働くことができないことをデータで示しました。
有給消化のしやすい環境作りとして計画的な付与制度などを提案。定着したい企業の条件としてワークライフバランスを大切にすることを挙げました。
大野氏は「資料をエビデンスとして出していて説得力がありました。若い人にとって有給の取得は大事なんだと感じました」と納得された様子でした。

次はグループ1。
「効率化」に注目して、無駄を省きトラブルを減らすための施策を考えました。スキルマップを作るなど社員の得意不得意を把握することや、若い人は異動にいいイメージがないため異動を少なくすることなどを提案。
また、髪色の自由や社員の副業を認めるなど、様々な案を考えました。
大野氏も「具体的に何をすればいいかが明確で分かりやすかったです」とコメントされました。

ホテル業界の現状は?

グループ7は、ホテル業界の現状を改めて分析しました。
学生の知り合いにホテル勤務の方がおり、インタビューで「休みが少ない」「汚れる仕事やクレームが大変」など不満や改善点を確認。
また「福利厚生がしっかりしている」など良い所も紹介していました。業界全体として人手不足が課題であるとして、外国籍労働者を雇ったり、AI導入に力を入れたりすることを提案しました。
大野氏からは「ホテルの内情を良く調べている。外国籍労働者をどう取り入れるかなど、時代を先取りした提案でした」と感心の言葉が聞かれました。

前半最後のグループ5は、女性が産休や育休を取りやすい環境作りが重要だと考えました。
男性の取得率も上げることや、取得時のマニュアル作りなどを提案。
また、労働時間の把握やメンタルケアの窓口を設けるなど、働きやすい環境を具体的に提示しました。
大野氏は「パワーポイントもストーリーに合わせて作られていて、完成度が高く聞きやすかったです」とコメントされました。

人手不足を解消する施策は

翌週の後半はグループ4から。
ホテル業界の離職率が高い理由は、人手不足と長時間労働にあると課題を立てました。グループの中にホテルでアルバイトをしている学生がおり、実感として人手不足を感じていると伝えていました。
そこで、契約社員など非正規雇用や、隙間時間で働けるアルバイト制度を導入することを提案しました。
大野氏は「デメリットをどうやったら補えるのかよく考えられていました」と感想を述べました。

グループ12は、離職率を下げるには、従業員が不安に思うことを言い合えて改善できる環境を整えることが大切と発表。従業員同士良い所を褒め合うサンキューカードをポイント制にして導入し、モチベーションを上げる案を提案しました。また女性が働きやすいようリモートワークできる環境や、託児所や復帰支援を整備することが大切と話しました。
大野氏は「具体的な施策があった」と感心。「子どもを産んでから復帰したい人はどのくらいいますか?」と学生たちに聞く場面も。1/4ほどの学生たちが手を挙げていました。

福利厚生や評価を明確にする

次のグループ11も、ホテル業界の人手不足に注目しました。AIを利用した予約システムやサービスの導入、服装の規定を緩めること、福利厚生の充実が大切だと発表。服装はブランドを保つためにも必要ですが作業しやすいものに緩めたり、福利厚生は従業員それぞれが利用したいサービスを選べたりする案を考えました。
大野氏からは「プレゼンが分かりやすく見やすかったです。他社の事例なども合わせて可視化していた」と評価しました。

続いてのグループ2は、互いに評価し合える、助け合える環境作りを提案しました。ホテルは、調べただけでも20種類以上の仕事がありますが、お客様からしたら全員「ホテルのスタッフ」であるとして、違う分野でもある程度の共通認識を把握することを上げました。また、成果が残りにくいサービス業の従業員も平等に評価することで仕事にやりがいを持たせることを提案しました。
大野氏は「ホテル特有の表と裏の仕事の働き方の平等性に着目したのはすごい。おっしゃる通りだと思いました」と納得のコメントをされました。

AIを上手に導入する

グループ6は、20代の学生は、福利厚生や自分の生活を大切にできる企業で働きたいと考えていると発表。ホテル業界は休みが取得しづらいことや夜勤など従業員の負担が多いと分析しました。AIを導入し人手不足の改善と、繁忙期と閑散期の差を調整するなど提案しました。
大野氏は「ホテルでは接客することでサービスが向上する場面もあり、機械化はまだ難しいところもありますが、自分の時間を大切にするZ世代の考え方などが分かりました」と感想を話しました。

最後はグループ9。
職場の雰囲気が良く、モチベーションを保てるところで働きたいとしました。
1on1ミーティングを行い部下の成長を支援したり、オフィスなどバックヤードも綺麗にするなどの案が出ました。
また、就活前から学生が知りたい情報を共有することなども提案していました。
大野氏も「バックヤードから少しでもテンションを上げるのは普段からやっています」と案に納得していました。

自分がどんな企業で働きたいかを考えよう

授業の最後には、前半後半それぞれのプレゼンの中から優秀賞が選ばれました。
前半はグループ5、後半はグループ11が選ばれ、学生たちには賞品にウェスティンホテルのお菓子がプレゼントされました。
学生たちからは「賞をもらえると思っていなかったので嬉しいです」とほっとしたコメントが聞かれました。

大野氏は総評として
「どのグループも短い時間の中で精度の高い発表にまとめていて、甲乙つけがたいものでした。これから就活の時に、自分がどういう企業に属していきたいのかを考える棚おろしができたのではないでしょうか」と話し、
「今の若者たちがどんなことを考えているか、どういう職場が働きやすいと思っているかを知れたので、持ち帰って共有したい」と大野氏も刺激になったと話しました。
また、「ホテル業界はとても魅力的です。大変な仕事ですが、365日一度も同じ日はありません」とホテル業界の素晴らしさも語られ授業は終了しました。

担当教員からのメッセージ

初めてのマリオット・インターナショナル様とのコラボ講座、大野様から業界や業種についてとても丁寧にご説明をいただいた上で、今回の課題解決に向けての取り組みを進めました。これから就職活動を始めるメンバーにとっては、非常に身近なテーマではありましたが、すでにマリオット・インターナショナル様は、相当高いレベルでの制度面やしくみが完成されており、学生独自の視点で新しいテーマ設定に辿り着けるかが心配でしたが、学生たちは短い時間をハードルにせず、新たな視点から、数多くの斬新なアイデアを提案してくれました。今後の企業研究に向けて、貴重な経験になったものと思います。この場を借りてマリオット・インターナショナルの大野裕子様には、心から感謝申し上げます。

2024年2月2日

耕作放棄地をどう活用する?英文学科の授業でどろんこ会の課題に対するプレゼンテーションが行われました。 

12月8日に文学部英文学科対象の「実践キャリアプランニング」(担当:髙橋裕樹特任教授)の授業で、社会福祉法人どろんこ会(以下、どろんこ会)との特別授業が行われました。この日は、どろんこ会代表の高堀雄一郎氏の前で、前回の授業で出されていた「耕作放棄地が年々増えている現状に対してどのように対応するべきか考える」という課題について、学生たちは緊張の面持ちで発表に臨みました。
 ~前回の授業はこちら~

 ※耕作放棄地とは:「以前耕作していた土地で、過去1年以上作物を作付け(栽培)せず、この数年の間に再び作付け(栽培)する意思のない土地」と定義されています。

農地バンクやキャンプ場などで活用

最初の発表はグループ6から。
耕作放棄地を農地バンクとソーラーシェアで活用する案を出しました。
農地バンクとは、耕作放棄地を登録し農地のレンタルを支援する制度。並行して農地に太陽光パネルを設置するソーラーシェアを行うことで、災害時に非常用電源にもなると発表しました。

発表後は高堀氏から講評をいただき「話題になっている解決法でよく調べていると思いました」とコメントされました。

次のグループ4は、農業を行いながらできる、少人数でコストがかからないことを条件として案を考え、人気のあるバレルサウナとキャンプ場の経営を提案しました。
人件費など経費も計算し、初期費用が回収できる期間の目安も伝え、実現可能性を伝えました。
またSNSで広告を展開し、宣伝することも計画することを伝えました。

高堀氏は「経費や販売価格などもきちんとよく調べているし、ただ案と考えるだけでなく宣伝するところまでも考えていた」と感嘆のコメントを述べました。

後継者を育てるには?

グループ3は、農業の後継者の確保を課題に定め、耕作放棄地を農業高校や大学の農学部の実習地とすることを提案。
海外での農業トレーニングの取組や、新潟の農業高校で行われている農業キャンパスツアーなどを例に出し、実習の時間を多くとることで、若者が農業により関心を持つとしました。

高堀氏は「農家出身の方がいるのかと思ったくらい、実感がありました」とプレゼンに感心。
「高校生に限らず農業に携わりたい人が学べる場があった方が良いということにハッとしました」と着眼点の良さを褒められました。

続いてグループ7は、近くにコテージを立てリゾートとして貸し出すレンタル菜園や、農場が併設されている福祉施設ケアファームに活用することを提案しました。
また修学旅行に農業体験を取り入れることで、若者に農業に触れてもらう機会を増やすことも提言しました。

高堀氏は「山間部の放棄地は、上下水道や電気などの設備を整えることを考えると現実には難しいかも」と懸念点もあることを伝えました。

提案のデメリットも考えてみよう

グループ9は、若い層に農業の魅力を伝える行事が必要と提案。
若者も楽しめる観光、体験農園を作ることを伝えました。

高堀氏は「観光面では常に人が来るかどうかは難しい」と実際にはハードルが高いことを伝えました。

次のグループ8は、管理の手間が少なく、初期費用も抑えられるトランクルーム経営をプレゼン。
また、今後の目標としては耕作放棄地の現状を広めることが必要と伝えました。

高堀氏は「トランクルームは都市部では人気があるが、地方では土地があるためなかなか需要がない」とデメリットも伝えました。

グループ5は、義務教育の「総合」の授業で農業を取り入れ、都内近郊の耕作放棄地を授業で利用することを提案しました。
山間部の耕作放棄地は大型農具を練習する教習所として活用すること、コンバインなどは練習する場所がないため農業初心者が利用できるようにします。
また、殺処分前の競争馬を引き取り、乗馬教室も併設することで収益も考えました。

高堀氏からは「馬というアイデアは斬新。エコにも配慮されていて、ヤギや馬の活用は大まじめに考えられる方法。プレゼンがうまかった」と褒められました。

どうやって利益を上げるか

グループ2はどろんこ会の取組を考慮し、高齢者介護施設を併設し農業を活用することを提案しました。
高齢者の認知症予防や運動にも利用できるとしました。

高堀氏も「障がい者や高齢者施設との組み合わせはどろんこ会としてもやっていきたいと感じました」と共感しました。

最後のグループ1は、農地バンクなどの複雑なシステムに抵抗感を感じてしまうことが問題と定義。
施設を作るなどの案ではなくまずは若者に耕作放棄地の問題を伝え、農業を身近に感じられるよう魅力を伝えることが大事としました。

高堀氏は「農業で収入をどうやってあげるかが大事。そのポイントをもっと深堀出来ていればさらに良かった」と着眼点の良さを感心されました。

ITや営業力も農業には大切

全グループの発表が終わり、どろんこ会の皆様が各グループを採点。
高堀氏から優秀なアイデアだったグループが発表され、グループ4が選ばれました。
グループ4の発表は「経費や販売価格などもきちんとよく調べていて、うちの事業部にきてほしいと思ったくらい。提案も話題になりそうな内容だった」と絶賛されました。
最優秀賞を受賞したグループ4のメンバーには減農薬の南魚沼産コシヒカリがプレゼントされます。

授業の最後に、高堀氏から「皆さんお疲れさまでした」とねぎらいの言葉がかけられました。
「耕作放棄地に関しては、正解の答えがあるものではない。どろんこ会もやっていることが本当に正しいのかわからないが手探りでやっています」と話され、法人化などをして組織力を向上することの大切さを伝えました。
「そのためには実地で農業する人だけでなく、広報力、営業力、IT技術も必要。そういった分野の人にどんどん農業に参画してもらうことも大事です」と農業を広めるための課題を、学生たちにも共有しました。

学生からのコメント

課題解決型の授業を経験したことがなかったため、現状分析から具体策を提案するまでの工程がいかに大変なものか、深く理解するきっかけへと繋がった。
当日までに満足のいく状態まで準備をすることができたと考えるが、チームで協力をして行うことの難しさを強く実感した。
他の授業でのグループディスカッションやプレゼンテーションにおいても非協力的な人はいるが、全員で協力をすることによってより多種多様な意見が生まれると考える。
したがって今回のプレゼンテーションにおいて、グループメンバーにさらに働きかけることが必要であったと考え、少し反省をした。当然ながら意見を求めることはしたが、新たな意見が出なかったり、担当を申し出てくれる人がいなかったり、今回のプレゼンテーションを通して、私自身のグループをまとめる力や意見を引き出す力がないことが明確になり、少し悲しさを覚えた。
しかし、自分自身で最後までやり遂げられたことで自信が得られ、またグループのリーダーを務めることに今まで以上に抵抗がなくなったため、1位を取ることができなくても得られたものは大きく、良い経験となった。今後は働きかける力を養い、自分の意見も主張しながら、協力をしてプレゼンテーションやディスカッションを遂行していきたい。

担当教員からのメッセージ (大学教育研究センター 特任教授 髙橋裕樹)


後期の英文学科の企業連携プログラムには、全国に子育て支援施設約160カ所運営されているどろんこ会グループの高堀雄一郎様にお越しいただき、「インクルーシブ教育を阻む教育課題」や「耕作放棄地」という社会課題について問題提起していただき、グループに分かれ課題解決プレゼンテーションを実施し、最優秀グループに表彰と賞品をいただきました。
お忙しい中、ご参加いただき感謝申し上げます。

2024年2月2日

保育園のインクルーシブ教育って?英文学科の授業でどろんこ会とのコラボが行われました。 

11月17日に文学部英文学科対象の「実践キャリアプランニング」(担当:髙橋裕樹特任教授)の授業で、社会福祉法人どろんこ会(以下、どろんこ会)との特別コラボが始まりました。代表の高堀雄一郎氏が登壇され、インクルーシブ教育や「福祉×農業で地域や日本をよくするための挑戦」についてお話下さいました。授業の最後には地域、農業について考える課題が出され、学生たちは12月にプレゼンテーションに挑みます。

子どもの成長を高める保育園を

どろんこ会は、3つの法人は保育園運営、2つの法人は農業に関わる法人からなるグループです。
きっかけは高堀氏が大学生の頃に始めた学習塾でした。小中学生を対象に英語や数学を教えていたと言います。中には障害を持った子や不登校の子も。
様々な子に触れ合う中で「偏差値の良い学校に行くことよりも、その子なりに努力し、成長することが素晴らしいのだと気付いた」と言います。
自分自身も成長したいと思い大学を卒業後、塾は後輩に託し高堀氏は就活する道を選びました。

高堀氏は結婚後、子どもを認可外保育園に預け共働きをしていました。
しかし預けられる時間が限られていたり、外で遊ばせてもらえなかったりなど保育園の制度に疑問を抱きます。
子ども・保護者・保育者・地域の4者とも満足度の高い保育園が必要と感じた高堀氏は、25年前に夫妻で認可外保育園を始めたのです。

生きる力を育む保育園

どろんこ会の信条は「本物の体験を通じ生きる力を育む」。
園庭を広く取り、鶏を飼い田んぼもあり日々の生活の中で、子どもたちが多くのことに触れ合えるようにしています。
遊具はなく、子どもたち同士で遊びを作っていくスタイルです。

認可と認可外の大きな違いは補助金が出ること。そのため認可外は経営が厳しいのが現状です。高堀氏も休みなく体を張った運営を行いました。初年度は休日3日。それでも自然と触れ合う教育方針は評判を呼び、定員は徐々に満員に。さらに転機になったのは、待機児童が問題になっていた埼玉県朝霞市から、認可を取って社会福祉法人としてやっていかないかとの打診でした。それが「どろんこ会」誕生のキッカケです。

インクルーシブで子どもを預かる

どろんこ会の大きな特徴が「インクルーシブ教育」です。
障害のある子は別の保育室に分ける分離教育が一般的な中、子どもたちを障害の有無で分離せず 一緒に保育をしています。子どもたちは個性がばらばら。
「子どもたち同士がコミュニケーションを取ることで生きる力が育まれると気付いた」と高堀氏。
自然な触れ合いの中で、発達支援も行っています。

ただ、完全に一緒に運営していくにはいくつも壁がありました。
認可保育園のため、役所から教室を分けるように指導があったのです。最初の施設はやむを得ず分離しましたが、徐々に入り口や事務所を共用にする工夫をしてきたと言います。
高堀氏は、大切なのは「理想実現のため粘り強く戦えるか」と話します。
役所に代わり内閣府規制改革推進室や議員と意見交換を行い、課題を訴えたと話しました。

高堀氏は「子育て保育領域に優秀人財の流入が大事」と語りました。
今まで保育園に勤める人は子どもが好きという人がなるものでした。
ただ、子どもたちは5、6年保育園で過ごします。
高堀氏は子どもが保育園でどう過ごすかで人格形成に大きな影響を与えると考え、「この間に生きる力を育めるかで日本の未来が変わる」と語りました。
そのためには「優秀な人材が参画することで収入も得られる業界であり、循環にしなくてはいけない」という目標も話されました。

農業における課題

どろんこ会では農業経営も行っており、新潟県南魚沼市で農薬をほぼ使わず米の生産を行い、保育園の給食に使われています。
子どもたちに田んぼに触れ合う経験を持たせたい、それも年に1回の収穫だけでなく日常的に関わらせたいという思いから、23年前に農家に直談判したことがきっかけです。
そこから縁が出来て、株式会社南魚沼生産組合の設立に至りました。

ここで学生たちに課題が出されました。
テーマは「農作放棄地が年々増えている現状に対してどのように対応するべきか」。
南魚沼市では、中山間地で耕作放棄地が増加しています。中山間地とは山の斜面のことで平地よりも農業がしづらい地域です。
ただ、手入れされていないと雨水などによる洪水や土砂崩れの危険性も出てきます。
また、最近ではイノシシなど鳥獣被害も。

しかしコメ作りは肥料、燃料、人件費など様々なお金がかかり、時間もかかりますが収入は多いとは言えません。
そのためなり手不足が深刻となっています。耕作放棄地は、売買したり建物を建てたりすることが難しいということもあります。
この課題をどう解決するかを学生たちが考えます。
日本でどこも行なっていなさそうな新規性、仕組み化できる継続性、実現性があるかが評価基準です。

失敗を失敗のままにしない

授業の最後には質疑応答の時間が取られました。
学生たちは掲示板機能で質問を行い、高堀氏に回答いただきました。
「保育園の現状の課題は?」という質問には「インクルーシブを推進しているところが少ない。そのため職員の認知が進まない。どう全国に広めるかが課題」と話しました。
「今まで辛かったことは?」という質問には「サラリーマン時代に頑張りが評価されなかったことは辛かったが、自分でやりはじめたことは、いくら休みが取れなくても辛いと思ったことはない」と話されました。

学生たちはこれまであまり触れることのなかった、インクルーシブ教育や農業について知る貴重な機会となりました。

~12月に行われた、学生のプレゼンの様子はこちら~

2024年1月19日

やりたいと思ったらすぐチャレンジしてみよう!「実践キャリアプランニング」の授業で英文学科OGによる社会人1年目の経験を伺いました。 

11月17日に共通教育科目「実践キャリアプランニング」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で英文学科の卒業生である徳山瑠奈さんが講演を行いました。今年の4月に株式会社エービーシー商会(以下、ABC商会)に入社してからのやりがいや苦労、学生時代の活動など、学生たちの身近な先輩として経験を話されました。授業の最後には質疑応答も行われ、これから就活に向かう学生たちにとって参考になる授業となりました。

ABC商会ってなんの会社?

徳山さんは2023年3月に文学部英文学科を卒業したばかり。
趣味は一人旅で「最近は中国地方に行き瀬戸内海を一周したり、カメラ片手に全国を回るのが好きです」と話しました。
「皆さんに近い存在の社会人かなと思いますので、参考にしていただけたら嬉しいです」と講演が始まりました。

徳山さんは今年4月にABC商会に入社しました。
「ウソみたいな名前ってよく言われるんですが、ABC商会が本当の名前です」と徳山さん。建材を扱う専門商社です。
建材とは、床や壁、天井など建物の内装・外装に使われる建築資材のこと。トイレのカウンターなど備え付けの資材も含まれます。

キャッチフレーズは「ABC商会の商品の上を歩いたことのない人はいない」。
商品幅が広く、誰もが一度は利用したことがあるような主要な駅や商業施設、テーマパーク、有名なカフェなど多くの場所にABC商会の建材が使われています。意外なところでは仮設の通路の壁などにも。
徳山さんは「地震に耐えうる金属素材として、こんなところにも使われたりしています」と紹介しました。

宣伝部で奮闘中!

徳山さんが配属されたのは宣伝部。
広く一般に向けたCMではなく、建築関係の企業向けの宣伝を行っています。建築雑誌や総合カタログの広告、ショールームや展示会の企画を考えています。

また、施工例の写真や動画を作成し、営業が取引先の企業に見せる資料なども製作。
浅草駅での撮影に同行したときは、電車と施工品が同時に写るよう、電車の来る時間を確認したり通行人に配慮したりといった対応を行ったと話しました。
「屋外の撮影の場合は天候も関係するので、全国の天気を確認することも私の仕事の一つです」と語りました。

とにかく何でもチャレンジしよう

徳山さんの大学生活はコロナ禍真っただ中。
あまり外部で活動できない中、インパクトのあるエピソードとなったのが岩手県久慈市の闘牛大会にボランティアで参加したこと。
その他にも、深澤教授の授業の繋がりでラジオニッポンの番組に出演したり、オリンピックで視覚障害の方をサポートしたりなど多くのことに挑戦しました。また、半月ほど一人で沖永良部島に有償ボランティアも経験。

「自分が決めて取り組んだ経験は自分を形作る糧となる」と徳山さんは話します。
「自分でやってみようと思ってチャレンジした経験は、成功失敗に関わらずその行動自体が立派な起承転結のエピソードになるのかなと思います」と、自分は何が好きか、何が得意かといったプラスのことだけでなく、自分の苦手なことなども分かったと語りました。
「大学時代はあっという間なので、やりたいと思ったことはすぐに行動に移していって欲しいなと思います」とアドバイスしました。

就活も納得いくまでやりきって

そんな徳山さんがABC商会に入社したきっかけは風景写真でした。カメラで撮影するうちに、背景や空間に写る素材に興味を持つようになったと言います。
人々や地域に寄り添った空間を提供したい、と考えABC商会に入社。社会人として半年ほどが経ちました。

「似たような仕事はあっても同じものはないので正解がない。年代や経験も違う人たちの意見のすり合わせが難しいです」と苦労も語ります。自分が今求められているのは、新しい視点や意見を伝えていく力だと痛感していると話しました。
ただ、「携わった仕事が目に見えるカタチとなるとやってよかったと思います」とやりがいも語りました。

就活に向かう学生たちに向けてのメッセージは、何を重視するかを明確にすること。自分の納得のいく結果まで諦めず、最後までやりきって欲しいと話しました。
「就活は苦しいイメージがあると思うけど、自分を知れるいいチャンスです」とエールを送りました。

就活についての質問がたくさん

各グループでディスカッションをした後、質疑応答の時間が取られました。アンケート機能を使って、学生達から沢山の質問や感想を送られました。
「就活で資格は役に立ちましたか?」という質問には、徳山さんは「マナープロトコール検定はホスピタリティ業界を目指すには良いと思うし、意外と休憩中の姿勢や身なりも見られています。マナーの第一ステップは身に付けるべき」と回答。

「入社の決め手は?」という質問には、「社内の雰囲気。面接のときに実務に関わっている方の話を直接聞けたことによりイメージが出来た」と話します。「自分が学生の時、雰囲気で決めたという回答には疑問があったんですが、直感や雰囲気もやっぱり大事です」と続けました。

「コロナ禍じゃなかったら何をしていた?」との質問には「留学していたかも」と話し、「自分は大学生活やり切ったと思っていたけれど、今考えるともっとできたこともあったかもと思うし、人生の過ごし方は違う選択肢もあるかもしれないと思って過ごしてください」と語りました。

学生たちにとって、非常に参考になった実りある講演となりました。

担当教員からのメッセージ

徳山さんのことを漢字一文字で表すとしたら「動」だと思います。とにかく、興味があっても、それほどなくても、まずは一歩踏み出して行動すること、このことの大切さを教えてくれた学生さんでした。ちょうどコロナの時に入学された世代、辛いことも沢山あったと思いますが、そのことを乗り越えて、充実した学生生活を過ごされ、社会でも、順調に一歩一歩成長されている姿には、頼もしさすら感じられました。これからも後輩の良きロールモデルとして、さらなる飛躍を期待したいと思います。ありがとうございました。