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2026年10月15日

受験生の不安を解消!〈社会システム論〉の授業で、東洋製罐とコラボした「Can詰めプロジェクト」が今年も始まりました。

10月6日、実践女子大学人間社会学部の授業〈社会システム論(担当:ビジネス社会学科 篠﨑 香織教授)〉にて、東洋製罐株式会社(以下東洋製罐)の村瀬健氏をお招きし、2026年度「Can詰めプロジェクト」の初回授業が実施されました。東洋製罐との連携による本プロジェクトは、今年度で5年目を迎えます。学生たちは、村瀬氏による説明や動画を通じて、東洋製罐が取り扱うパッケージの価値や役割について理解を深めました。

授業と社会連携について

〈社会システム論〉は、人間社会学部の2年生以上を対象とした学科専門科目です。この授業では、これまでの自身の経験を題材として議論を行い、社会システムを「コミュニケーションの連鎖」として捉える視点を学んでいきます。学生は、時代の変化を踏まえつつ、社会を分析する視点を身につけます。

本授業では金属とプラスチック容器を中心に取り扱うパッケージメーカーである東洋製罐と連携を行っており、今年度も学生が企画・提案を行う「Can詰めプロジェクト」が始まりました。

「Can詰めプロジェクト」は、受験生の悩みの解決を目指して、すでに大学受験を経験してきた学生が、どの時期の、どのような悩みを、どのように解決するのか、問題を発見するところから取り組む企画です。個人のワークからグループワークを経て、アイデアをまとめ、東洋製罐の皆さまにプレゼンテーションを行います。その後、履修学生による相互評価と、東洋製罐の皆さまの評価を総合して、実物化するアイデアを決定します。実物化された缶詰は、次年度のオープンキャンパスで配布する予定です。

連携授業初回では、テクニカルセンター 技術開発統括室から村瀬健氏をお招きし、東洋製罐について、そしてパッケージとなる缶の特徴についてご説明いただきました。学生は、缶詰の役割とパッケージについて理解を深めました。

過去の「Can詰めプロジェクト」取材記事はこちら

2025年度→https://socialcooperation.jissen.ac.jp/topics/9872/
2024年度→https://socialcooperation.jissen.ac.jp/topics/7646/
2023年度→https://socialcooperation.jissen.ac.jp/topics/6476/
2022年度→https://socialcooperation.jissen.ac.jp/topics/4849/

東洋製罐とパッケージ

村瀬氏ははじめに、東洋製罐がパッケージ業界に位置する企業であることを説明し、村瀬氏が所属する開発拠点であるテクニカルセンターのほか、全国14カ所に生産工場があることを紹介しました。

つづいて村瀬氏は東洋製罐が手がける容器たちをスライドに映しながら「商品によって異なりますが、東洋製罐が手がけたパッケージには印がついているんです」と紹介しました。学生たちはスライドを見ながら早速各自の飲物を確認。中には印を発見した人もおり、東洋製罐のパッケージが生活の身近なところにあることを確認しました。

また、製造しているパッケージについて「パッケージは飲料や食品などの持ち運び、保存、販売に関わる存在であり、生活の当たり前を支えているものです」と紹介。続けてパッケージの役割を「中身を守る、どこにでも届ける、中身の価値を伝える」の三つにあることを解説しました。

さらに「東洋製罐では環境に配慮した包装材料や製造工程の開発を行っています」と話し、実際に水を使わない製造工程の開発や、環境負荷の低減を狙う飲料用アルミカップの開発が行われたことを紹介。アルミカップについて、アルミ缶のリサイクル率が99.8%であることに触れながら「環境問題への意識から、脱プラスチックを狙って製品を導入する企業さんもいます」と説明しました。

缶詰に込める意図と企画の方向性

篠﨑先生は「Can詰めプロジェクト」の企画について、東洋製罐グループホールディングス会長 大塚一男氏のインタビュー動画を引用しながら「『手に取ってもらうこと、守ること、ごみにならないこと』の三点がポイント。とくに『ごみにならないこと』に関しては『開けてすぐに捨てない』という視点でとらえ、中身を取り出した後も容器自体に価値を与えるような工夫を皆さんに考えてもらいたいなと思っています」と学生に伝えました。

また、過去の「Can詰めプロジェクト」で実現化された缶の内容や配布方法について具体的に説明。配布当日には、渋谷キャンパス9階に設置されている自動販売機にも、同プロジェクトで企画した缶を設置したことを学生に伝えました。さらに缶の特徴である密閉性、遮光性、缶を開封するときの音と感触について触れながら「缶を開けたときの『解放感』をキーワードに、スローガンも含めて企画を考えてほしいです」と話しました。

学生は実際に実現化された過去のプロジェクトの缶を一人一つ受け取りました。実際に缶詰を手に取り、重さやパッケージなどを触って確認を行い、これから企画する内容に考えを巡らせていました。

授業の最後に

授業の終わりに村瀬氏は「皆さんが取り組む“受験生の悩みを解決する”という企画は、大学の学生募集という課題解決にもつながります」と述べ、今回の取り組みが授業内にとどまらず、大学が抱える課題の解決にもつながるものであることを学生に伝えました。続けて『自由で良い雰囲気をつくる』『批判をしない』といったグループワークを円滑に進めるためのポイント紹介。「企画を進めていく際、缶の特性に注目するだけでなく、受験生や受験生の親の心境、他大学との差別化などにも目を向けてみてください。目的を捉え、多角的に分析し、多くのアイデアを出すことが大切です」と学生たちにアドバイスを送りました。

学生たちは、今回の授業で学んだ缶の役割をテーマに重ねながら、缶詰の企画を進めていきます。

担当教員のコメント

東洋製罐株式会社のご協力により、本プロジェクトは5年目を迎えました。今年は、受験生が「もう無理」と感じたときに開けてもらい、少しでも「大丈夫」と思えるような缶詰の製作に挑戦します。
「社会システム論」では、社会システムをコミュニケーションの連鎖として捉えます。本プロジェクトは、その理解を深める実践の場です。中身だけでなく、パッケージや缶そのものもメッセージを伝えるメディアとして活かし、受験生の心に届く缶詰を目指します。
プロジェクトを始めた当初、「この缶詰をきっかけに実践女子大学に入学する学生が現れたらいいな」と思っていました。今年、ついに「オープンキャンパスで缶詰をもらい、このプロジェクトに参加したくて授業を履修した」という学生に出会いました。缶詰に込めたメッセージを受け取った学生が、今度はメッセージを届ける側になったことを大変うれしく思います。これからも、学生たちの想いが詰まった缶詰を通じて、新たなコミュニケーションが生まれることを期待しています。
改めまして、東洋製罐株式会社テクニカルセンター技術開発統括室の皆様に心より感謝申し上げます。

2025年12月25日

社会システム論の授業で、東洋製罐との連携「Can詰めプロジェクト」の最終発表会が行われました

11月14日(金)に社会システム論(担当:人間社会学部ビジネス社会学科 篠﨑香織教授)にて、東洋製罐株式会社(以下東洋製罐)と連携し、「受験生に寄り添う缶詰」の企画提案が行われました。東洋製罐と連携した商品開発の授業は、今年で4年目を迎えます。

授業と企業連携について

社会システム論は、人間社会学部の学生を対象とした専門科目です。この授業では、これまでの自身の経験を題材として議論を行い、社会システムを「コミュニケーションの連鎖」として捉える視点を学んでいきます。学生は、時代の変化を踏まえつつ、社会を分析する視点を身につけます。

本授業では東洋製罐と連携を行い、学生が企画・提案を行う「Can詰めプロジェクト」が実施されました。「Can詰めプロジェクト」は、受験生の悩みの解決を目指して、すでに大学受験を経験してきた学生が、どの時期の、どのような悩みを、どのように解決するのか、問題を発見するところから取り組む企画です。個人のワークからグループワークを経て、アイデアをまとめ、東洋製罐の皆さまにプレゼンテーションします。その後、履修学生による相互評価と、東洋製罐の皆さまの評価を総合して、実物化するアイデアを決定します。実物化された缶詰は、次年度のオープンキャンパスで配布する予定です。

東洋製罐の皆様

篠崎教授は初回授業の説明で「企画の目的である受験生の不安を解消することに、東洋製罐さんが考える缶詰の役割である『守る・支える・伝える』の意味を重ね合わせたプロジェクトです。私たちが普段商品選択の際に当たり前に行っている取捨選択を『商品とのコミュニケーション』と考え、みなさんが考案する缶が『メディア(媒介)』の役割を担い、受験生に皆さんの想いが伝わるように、『コミュニケーションすること』を意識してほしい」と学生に話しました。

最終発表会には、東洋製罐の技術開発統括室から村瀨健氏と千地早紀氏、基盤技術開発部から伊藤蒼一朗氏、メタル技術開発部から池山哲良氏がご参加くださいました。
全5チームの発表順番は挙手制により決められ、順番に発表が行われました。

これで受験も良い缶じ!!

チームねこ缶の目的は、受験当日の「勉強以外の失敗を予防」し、受験生の「緊張を和らげる」ことです。その背景として、試験当日に62%もの受験生が勉強以外の失敗を経験している調査結果と、進学校の生徒でも強い緊張を感じるデータから、勉強量に関わらず対策が必要と説明しました。

缶の中身は〈受験完全攻略すごろく〉と、〈香り付きの練り消し〉です。 すごろくは、学生の体験談に基づき、起こりうる勉強以外の失敗例を知ることで、その予防と心づもりを促します。紙の切り取りでコマが作れる点や、さいころサイトのQRコード記載など、缶の内容だけで遊べる工夫も凝らしました。裏面には「深呼吸」「ツボを押す」といった具体的なリラックス行動が記載され、緊張対策を伝えます。 練り消しは、香りや懐かしさによるリラックス効果に加え、練るときの指先の反復動作による落ち着き効果を狙いました。

缶のデザインは、合格を連想させる桜のモチーフをAI生成画像で作成。受験後もインテリアとして利用できるよう、部屋になじみやすい色合いに仕上げました。大学ロゴと「未来を切り開ける」というメッセージを英語で添えています。

受験探偵☆お悩み解決~受験探偵事務所~

Dチームの目的は、受験生が抱える大学生活への漠然とした不安を解消することです。調査結果から、高校生が大学生活の中でも特にバイトやサークルに興味を持っていることを紹介し、この関心に寄り添い、具体的な情報を提供することで不安を解消できると述べました。この企画提案のプロセスを探偵に見立て、「探偵事務所」をコンセプトとしました。

中身は、受験生に向けた報告書風の手紙、付箋、そして一部に封入する限定の缶バッジです。 手紙は、在校生へのアンケートに基づき、大学の魅力やファッション事情など誰でも役立つデータで構成され、具体的な情報提供で不安を解消します。また、応援メッセージも封入し、受験生へエールと共に安心感を届けます。 付箋や缶バッジは、調査結果から「高校生に人気の実用アイテム」として採用。特に缶バッジは100個中10個のみの限定封入にすることで、缶の価値向上を狙いました。

缶のデザインは、レンガを背景に探偵風の服装をした女の子を大きく印刷し、調査中のイメージを連想させることで、探偵コンセプトを明確に伝えます。

笑って簡単合格!

チームダジャレは、大学受験の日程が発表される5〜7月の高校3年生をターゲットに、「笑い」をキーワードにした缶詰を提案しました。背景として、不安や緊張の感情によって増えるコルチゾール(ストレスホルモン)が脳の記憶に関する働きを鈍らせることを紹介しました。続けて、コルチゾールによって鈍った脳の部位は「笑い」によって働きが活性化することを述べ、「笑うことで自律神経のバランスを整え、効率的な勉強につなげる」ことを目的としました。

缶には、ダジャレで語呂合わせがされている英単語帳、受験日程整理シート、そして実践女子大学の受験日程QRカードを封入。 ダジャレ英単語帳は、受験生が「クスッと笑える」息抜きを提供し、笑いによって脳を活性化させ、より勉強がはかどる状態をサポートします。日程整理シートは、受験日程調整にかかる時間を効率化し、「勉強に時間を費やしたい」という悩みの解消を狙いました。

缶のデザインは、白地に黒のドット柄を採用。困難に立ち向かう自信の表明として使用される「I can do it!」に缶をかけた「I 缶 do it!」という英文を印刷しました。英文を隠せばただの小物入れに見える、再利用を考えたデザインです。

咲かせよう、自分だけの春。

まなび日和は、実践女子大学の「上品さと温かさ」を受験生に伝えることや、自分も入学して企画に挑戦したいと思えるきっかけを作ることをテーマにしました。調査結果から、高校3年生の約8割が勉強法に不安を持ち、推薦入試などでは面接など勉強以外の対策の悩みも大きいことを紹介。「これらの不安感に寄り添うアイテムを提供したい」と述べました。

缶の中身は、入試や勉強のアドバイスが詰まった小冊子と、しおりです。 小冊子は、アンケートに基づいた具体的なアドバイスで構成し、受験生の持つ不安を解消し、心が軽くなることを目指しました。 しおりは、参考書に挟んで使用する実用性の面から採用。ドライフラワーをイメージしたデザインで、手作りの温かさで応援の気持ちと特別感を伝えます。また、ガラス瓶の形にすることで「努力や思い出を瓶に詰める」というメッセージを込めました。

缶のデザインには、合格を願う「桜咲く」という思いを込めました。色は学校のイメージカラーである紫とピンクを中心に、柔らかで温かい雰囲気に仕上げ、「春に向かって頑張ろうと思ってもらえる」ようなデザインを提案しました。

不安感から安心”缶”へ

おまもり缶パニーは企画のコンセプトを「不安感から安心”缶”へ」と紹介。高校生が抱く受験に関する不安感の現状として、進路を考える際に不安な感情を抱く人が多いという調査結果を共有しました。また、保護者も子供の精神面や距離の取り方に悩んでいる調査結果を引用し、受験生とその家族の両方の不安に寄り添うことを意図しました。

缶の中身は、メッセージカード2枚、カイロ、お守りです。 メッセージカード1枚は、在校生から受験生へエールを送る手紙、もう1枚は白紙で封入。白紙のカードには、「応援メッセージを書いてもらいたい人に渡せるように」という意図が込められ、応援してくれる人がいることを形に残すことで受験生の背中を押します。 お守りは、そのメッセージカードが入れることができる工夫がされており、試験当日に持ち歩くことで「大切な人からの応援を身近に感じる」ことができます。 カイロは、指先の冷えが筆記試験に影響することから、学生の経験に基づき採用されました。

缶詰の効果として、「『自分は応援されている』という確信を持ってもらうことで不安感を安心感に変え、頑張ってみようという前向きな気持ちを引き出すことができる」と説明しました。缶のデザインは、ベージュとブラウンのグラデーションを基調とし、受験生の机の上に置いても違和感のないものを提案しました。

授業の終わりに

最後に総括として村瀬氏からコメントが寄せられました。

村瀬氏は「みなさんの感性や気持ちが素直に盛り込まれており、聞いていてとても楽しい発表でした」とにこやかに話し、
「アイデアを考える中で調査をしたり、提案するもののネーミングを考えることは、商品企画上大変大切な要素となります。ネーミングは、それを変えただけで売り上げが変わることがあるほど、重要です。調査については、モニターや対象者以外の人からもデータを取ると、さらに良い企画につながります」と今後の授業にむけたアドバイスを寄せました。

篠﨑教授は、「各チームが、受験の悩みの根幹を探り、発見した問題に対して深く掘り下げて検討したことがわかる発表でした。少し先になりますが、皆さんの想いが受験生に届き、このプロジェクト参加したくて実践女子大学にきたという新入生に出会えることを楽しみにしています」と述べました。
 実物化するアイデアが決定したら、缶詰めにする作業はまごころを込めて履修者全員で行います。

担当教員からのメッセージ

東洋製罐株式会社テクニカルセンターの皆さまのご協力のもと、本プロジェクトは4年目を迎えることができました。活動を続ける中で、2023年に配布した「赤本缶」を知っている、2024年に配布した「おふろ×ミュージック缶」を持っていると話す学生に出会う機会もあり、取り組みの広がりを実感しております。今夏には「女子大応援隊!缶」をオープンキャンパスで配布し、多くの来学者の皆さまにお届けすることができました。

 「缶」がもつ本来の価値に加え、受験生の悩みに寄り添い、学生の想いをいかに込めて届けられるか——。私たちの挑戦は、これからも続いてまいります。

 今年度は、東洋製罐株式会社のホームページならびに東洋製罐グループホールディングスのホームページ(社会貢献活動ページ)に、本プロジェクトの記事を掲載していただきました。
 改めまして、深く感謝申し上げます。

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