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2023年1月18日

「スマドリバーの認知度を上げる施策」とは?社員の皆さんを前に学生たちが施策案をプレゼンする授業が行われました。

人間社会学科・原田謙教授の授業で、10月24日(月)に渋谷スマートドリンキングプロジェクト(スマドリ株式会社、株式会社電通デジタル、 一般社団法人渋谷未来デザイン)とのコラボ授業が行われました。9月26日(月)に行われたオリエンテーションの「スマドリバーの認知度を上げる施策を考える」ための課題の最終プレゼンテーションです。プレゼン時間は10分。プロジェクトメンバーの方々を前に、4チームそれぞれアイデアに富んだ施策案を発表しました。

イメージカクテルでSNS投稿を促進

プレゼン1番手は3年生のBチーム。
スマドリを知るきっかけとして、まずインスタグラムのハッシュタグを統一することを挙げました。「#スマドリ気分」などシンプルなハッシュタグを決め、利用者がインスタグラムに投稿するときに迷わない工夫です。さらに、来てみたいと思わせる施策として「イメージカクテル」を提案。利用者が質問に答えることで、相手をイメージしたカクテルを作れるシステムです。イメージするのは推しでも恋人でも友人でも愛犬でもOK。作ってもらったカクテルはSNS映え間違いなしで投稿率も上がります。アルコール度数も選べるため、お酒が弱い人でも最後まで美味しく飲むことができます。サイズも小さくリーズナブルなメニュー展開を増やすことが提案されました。

プレゼン後の質疑応答でも「イメージカクテルいい!」と社員の皆さんからも好印象。「体験価値に着目している点がとてもよかったです」と感想をいただきました。また、サイズについて「お酒を飲まない人には、試し飲みできるような小さいサイズのニーズがあることも分かりました」と着眼点の良さに感心されていました。

パッと入って沼っちゃう!カフェから始まるスマドリ

次の発表は4年生によるCチーム。
スマドリバーの課題として、一人客や男性客が入りづらい点を挙げました。そこで、1階にスマドリカフェを併設し、2階をバーにする施策案を提案。カフェでは普段お酒を飲まない層の取り込みを狙います。アルコールも3%まで取り扱い、お酒が飲みたい人も気軽に飲める環境を作ります。またバーではアルコール度数を15%まで取り扱い、しっかり飲みたい人の希望も叶える案です。飲む人と飲まない人どちらもスマドリを使いやすくすることで、スマドリ自体の認知度が高まり、カフェとバーの客の移動を見込むことで売り上げアップも狙います。

質疑応答でも「スマドリ社内でもスマドリバーはカフェかバーかの議論はある」と方向性に着眼した点に感心されていました。カフェとバーがあった場合どちらに入るか割れてしまわないか、という質問には、学生は「飲まない人同士でも行ける、まずはきっかけになることを考えています」と回答しました。

飲める人と飲めない人をひとつにするために

3番手の発表は3年生のAチームです。
スマドリのコンセプト「飲める人と飲めない人が一緒に楽しめる」を実現するにはメニューの充実が必要と考えました。アルコール度数の弱いドリンクが多いので飲める人が物足りないと考え、マッコリやシャンパンなどドリンクの充実を提案。価格設定は、飲めない人も手を出しやすいワンコインくらいに下げることを挙げました。フードも、ドリンクとのセットやおつまみセットなど作り、飲めない人も楽しめるようにします。さらにリピーターを増やす施策として、フォロワー限定の割引やクーポンなどSNSを駆使したアピールを提案しました。

質疑応答では「そもそも皆さんはどういったお店にリピートしたくなりますか」「飲める人と飲めない人が一緒に楽しめるというのはどういう状況を想定していますか」など質問がたくさん。学生は「メニューが多く看板商品もいくつもあるお店」「お酒が入ると少し深い会話ができると思うので、そういったコミュニケーションが取れるような環境だと一緒に楽しめると思います」と具体的に回答し、社員の皆さんも興味深く聞いていました。

推し活をスマドリで!

最後の4年生によるDチームは、アイドルを推している女子大生をターゲットである「ペルソナ」に。飲酒は年に数回しかなく、お酒の味に慣れていないという設定です。スマドリバーのメニューでは味が想像しにくいという課題から、お酒の味が詳しく分かるメニューの説明やドリンク診断を提案しました。初めて飲むからこそお酒をもっと身近に感じられる工夫です。また、リピート獲得の施策として、期間限定の商品や、カクテルにカスタマイズ要素を追加することでオリジナルカクテルを作れることを提案しました。カスタマイズにはわたあめを利用し、カラーバリエーションを増やして色を選択できるようにすることで、推し活にも利用できるよう訴求する案です。

質疑応答では「推し活」について詳しく聞かれました。
推し活は一人ではなく友人など誰かと行うことが多いことや、メンバーカラーの商品があれば選ぶことなど、学生たちの生の声が聞かれ、社員の皆さんも興味深く耳を傾けていました。また、メニューの説明充実については、実際に商品名と味のイメージが違ったことがあるという学生の意見が。「せっかく推し活できる色があっても、飲めないと楽しめないしフードロスの観点からも良くない。ちゃんと楽しむためには味が気になりました」という実体験からの施策だったことに、社員の方も納得していました。

選ばれたグループはSIWで発表!

最後に社員の方々が話し合い、4グループの中から1グループが選ばれました。選ばれたのは「イメージカクテル」を提案したBチーム。
「飲める人飲めない人それぞれの課題を設定し、SNSやメニューの新規提案をしてくれました」
「イメージカクテルについてもっと詳しく聞きたいです」
と講評をいただきました。

選ばれたグループは、
11月12日(土)に行われる都市フェス「SOCIAL INNOVATION WEEK 2022」の中の、渋谷アイデア会議で実際にプレゼンし、スマドリ社社員や他参加者からのフィードバックやディスカッションに臨みます。

2023年1月18日

学生たちが「スマドリバーの認知度を上げる」施策案をプレゼンするスマドリバーとのコラボ授業が行われました。

現代社会学科・井上綾野准教授の授業で、10月28日(金)に渋谷スマートドリンキングプロジェクト(スマドリ株式会社、株式会社電通デジタル、 一般社団法人渋谷未来デザイン)とのコラボ授業が行われました。9月26日(月)に行われたオリエンテーションで出された課題「スマドリバーの認知度を上げる施策を考える」のプレゼンテーションです。事前に提出したプレゼン資料を見た社員の皆さんから、詳しく聞きたいと選ばれた5グループが最終プレゼンに臨みました。

出張スマドリで認知度アップ!

最初のチームは、スマドリバーだけでなく他の場所でも体験できる出店スタイルのスマドリを提案。
スマドリバーは渋谷センター街に1か所だけのため、夜のセンター街に抵抗感がある若い女性には行きづらいという課題が。そこで、ロックフェスやカクテルイベントへの出店を提案しました。また、他店舗のバーとコラボし他店舗でもスマドリを広めてもらったり、ホテルと提携し、ホカンスでスマドリを利用してもらったりという案も。誕生日会などのバースデープレートを付けることでSNSにも投稿されやすくなることを狙います。

発表後の質疑応答では「センター街を脱出するという大胆な発想ですが、スマドリの概念を浸透させるのに良いアイデアだと思いました」と感想が。
「フェスはお酒好きな人が良く行くのでは?」という質問には
「まずはお酒を飲める人飲めない人双方にスマドリという概念を広めることが大切だと考えました」と回答しました。
知ってもらうための施策であることに社員の皆さんも納得していていました。

公式インスタグラムのフォロワーを増やすには?

2番手のチームはターゲットとなる「ペルソナ」を19歳の未成年に設定。
スマドリバーのインスタグラム公式アカウントが、20歳未満には表示されないことに言及し、年齢制限を18歳以上に引き下げることを提案しました。スマドリバー自体は20歳以下でも入店できるため、来店した未成年者に「20歳のお約束チケット」として、20歳の誕生日から1ヵ月使えるワンドリンクチケットを配布。未成年にも楽しんでもらえるアイデアを発案しました。またバースデープレートなどをメニューに増やし、SNSへの投稿も喚起する方法を提案しました。

社員の皆さんからは「お約束チケットはとても良い!」と好評の声が。
「どうしたら20歳になるのが楽しみになるのか考えたのが素晴らしいですね」と着眼点を褒めていました。

「推し色カクテル」でSNS投稿を狙う!

3番目のチームは推し活でカフェ巡りしているペルソナを設定しました。
推し活は、メンバーカラーの飲み物などを写真に撮りSNSに投稿するのが基本。「#推しのいる生活」のハッシュタグは161万件以上投稿されています。そのニーズに合わせ大手の飲食店も最近色に着目したメニュー展開が増えています。スマドリバーでも色展開のあるメニューを増やし、SNS映えする空間作りをすることで、SNSに投稿・拡散してもらうよう促進する案です。

質疑応答では「推し活にニーズがあることがわかりました」と感心の声が。
「投稿数が多いハッシュタグだと、その投稿が埋もれてしまうのでは」という疑問に、学生は「推し活をしている人はハッシュタグを付けた他の人の投稿も見るし拡散し合うので、投稿数の多いハッシュタグの方がたくさん見つけてもらえます」と解説。
学生たちの生の声に、社員の皆さんも興味深く耳を傾けていました。

男性でも入りやすい雰囲気作りとは

4番目のチームは25歳男性をペルソナに定めました。
飲みたいけど飲めない下戸という設定で、利用するSNSはツイッターです。ツイッターは20代男性の利用者が多いことに注目し、ツイッターのハッシュタグ「#スマドリバーで下戸の主張」を提案しました。スマドリバーは飲めない人には好評であることに着目。飲めない人をターゲットにすることで効率よく拡散されるとしました。またハッシュタグ投稿してくれた人の中から抽選でワンドリンクチケットをプレゼントなど来店も訴求します。

「全チームのなかでペルソナが男性だったのは、このチームだけでした。
なぜ男性に設定したのですか?」と質問され、学生たちは「周りに男女関係なく飲めない人が多いので、せっかくなら男性視点で考えてみたかった」とチャレンジしたことを答えていました。
社員の方からは「飲めない人の思いを広めることで、同時にスマドリの考え方を広められることが良い。飲めない人の意見に寄り添う体制を作ることが大切だと気付きました」と感嘆の声が聞かれました。

キッチンカーでスマドリを楽しむ

5番目のチームはSNS以外でスマドリを知ってもらうために、キッチンカーでビアガーデンやフェスなどに参加する案を提案。
店舗に行かなくても、イベント参加者にスマドリを知ってもらう作戦です。また、自分の顔とメニューを一緒に写るように写真を撮り、渋谷の店舗に来店したとき店員に見せると割引できるサービスを考案。この写真はSNSに投稿しなくても良いため、SNSで顔出ししたくない人でもサービスを受けられるよう考えました。

社員の皆さんからは「知ってもらうことの大切さを改めて感じました」と感想がありました。
「ビアガーデンに行くのは飲むのが好きな人では?」という質問には、学生は「フェスなら一緒に行く人が飲めないこともあるし、ノンアルコールのビアガーデンイベントもあるので、ニーズはある」とリサーチしたことを具体的に答えていました。

SIWでさらに深くプレゼン!

発表後、社員の皆さんで話し合いが行われ、5チームのなかから1チームが選ばれました。選ばれたのは「キッチンカー」を提案した5番目のチーム。
「ターゲットにどうやって知ってもらうのか、体験の設定まできちんと決まっていた」と講評がありました。
選ばれたチームは、11月12日(土)に行われる都市フェス「SOCIAL INNOVATION WEEK 2022」の中の、渋谷アイデア会議でプレゼンに臨みます。

最後に社員の皆さんから
「皆さん今回の課題は難しかったと思いますが、こうしたらいいのにと思う感覚はとても大切です。ぜひ大事にしてください」
「今回の経験が皆さんの将来の役に立てたらと思います」
と言葉をいただき、授業は終了しました。

2023年1月10日

桃谷順天館との産学連携授業で学生が新商品を提案!

 11月16日(水)、人間社会学部現代社会学科の井上綾野准教授による3年生ゼミ「演習ⅢB」にて、化粧品メーカーの桃谷順天館との産学連携課題のプレゼンテーションが行われました。当日は、桃谷順天館のグループ会社である明色化粧品営業部マネージャーの井上昴氏が本学に来校。桃谷順天館人事部シニアマネージャーの大江崇氏ともオンラインで結び、「演習ⅢB」の3年生と「演習ⅣB」の4年生の混合チーム5組が明色化粧品の新商品を提案しました。

課題は「業績アップにつながるような売れる新商品の提案」

今回の課題は、桃谷順天館のグループ会社である明色化粧品の新商品を提案するというもの。
「演習ⅢB」を履修する3年生に加え、井上准教授による「演習ⅣB」を履修する4年生も加わり、学年混合でAからEまでの5チームに分かれてこの課題に挑みました。

チームはそれぞれ、販売チャネルや主力商品など明色化粧品から提供された情報をベースに、「クッション下地」「フェイスマスク」「アイブロウ・アイラインスタンプ」「ヘアオイル」「メイクキープミスト」とまったく異なる商品を考案。
店頭やSNSでのプロモーション施策も併せて発表しました。

発表後には、井上准教授と明色化粧品の井上氏、桃谷順天館の大江氏が審査を行い、優秀な発表をした1位から3位までのチームを選出。選ばれたチームのメンバーは、井上氏より賞品(明色化粧品の製品)を授与されました。

1位は、斬新なアイデアが光る「アイブロウ・アイラインスタンプ」を提案したCチーム!

1位に輝いたのは、アイブロウ・アイラインのスタンプ、その名も「ポンdeメイク」という商品を考案したCチーム。
眉やアイラインに関するメイクに悩みを抱える20代~30代の男女をターゲットに、スタンプ方式で眉とアイラインのメイクを可能にするという斬新な商品アイデアを披露し、これが高く評価されました。
実はこのCチーム、中間発表時点での評価は低かったとのこと。どんな商品なのかイメージが伝わりづらいという井上准教授からの指摘をクリアし、見事1位という結果を勝ち取りました。

2位は「メイクキープミスト」を提案したEチーム、3位は「フェイスマスク」を提案したBチーム

2位は、メイク崩れを防止する「コンパクトキープミスト」を提案したEチーム。
毛穴の悩みを抱える人が多い点に着目し、保湿ができるメイクキープミストを提案しました。外出先でのメイク直しの際に使用できるコンパクトなサイズと、持ち歩きたくなるような高級感あふれるパッケージが特徴。
プロモーションにおいては、店頭施策、SNS施策に加え、プレゼント企画も準備しました。

3位は、明色化粧品の主力商品の一つ、「美顔水」シリーズの拡大を狙う「美顔フェイスマスク」の商品化を考えたBチーム。
現在、拡大を続けているフェイスマスク市場に目を付け、「美顔水」のシリーズのラインナップの一つとして、ニキビケアに特化したフェイスマスクを加えてはどうかと提案しました。

 惜しくも3位に入らなかったチームの発表は以下の通りです。

Aチーム:
ベースメイクが面倒だと考えている女性が多いことから、短時間で手を汚さずベースメイクができる「クッション下地」を提案。

Dチーム:
美容院代節約のためにセルフカラーをする人が増えていることから、セルフカラーをする人向けの「ダメージ軽減ヘアケアオイル」を提案。

「0を1にする」提案になっていたと企業より高評価を獲得

順位の発表を終えた井上氏からは、「僭越ながら順位を付けさせていただいたが、どのチームの提案もすばらしかった。

1位に選ばせていただいたCチームの『ポンdeメイク』の発表は、特に聞いていてワクワクした。発想が斬新で、“0を1にする”提案となっていた点が良かった。

2位の『美顔フェイスマスク』は、既存商品のラインナップの延長ということもあり、イメージしやすく企画の意図が伝わりやすかった。

3位の『コンパクトキープミスト』は、価格を安く抑えることにこだわらず、徹底的に見た目の高級感やかわいさに振り切って考えたら、さらに面白い提案になったかもしれない。

どのチームも、世の中にさまざまな商品があふれる中、自分たちの悩みを出発点にして考えてくれた点を評価したい」とコメントをいただきました。

大江氏からは
「皆さんの思いを感じつつ、納得しながら発表を聞かせていただいた。今回の提案から得たヒントをブラッシュアップしていけば、今後、さらに良いプレゼンができるようになるはず。市場の動向を見ながら興味のある分野に高くアンテナを張り、皆さんのアイデアをぜひ社会に還元してほしい」
と締めくくりました。

また、今回の発表に同席していた人間社会学部現代社会学科の角本伸晃教授は、
「それぞれのチームの発表を通して、今後に応用できるさまざまなヒントを得たと思う。座学では得られないPBLならではの学びを自分のものにして、今後も柔軟な発想を育てていってほしい。これからは、斬新な考えや取り組みが評価される時代。大学では優等生になろうとせず、ぜひぶっ飛んだ挑戦を!」
と学生にエールを送りました。

なお、今回学生が提案した商品は、明色化粧品で実際に製品化される可能性があるとのこと。学生たちの夢が詰まった製品が、店頭に並ぶ日も近いかもしれません。

優秀賞を受賞された学生の皆さまへのインタビュー

●今回の提案のポイント(着眼点)についてお聞かせください。
私たちの身近な悩みから発想を得たことが1番のポイントです。
普段メイクをするときに感じていることを言語化していき、「こういうものがあったらいいのにな」という夢を膨らませて今回の提案に辿り着きました。

●提案をまとめる上で、最も大事にしたものは何かお聞かせください。
メンバー1人1人が内容を理解できているか確認しながら進めることを最も大事にしていました。
0から1をつくるにあたり、それぞれの想像するものが大きく異なっていたので、同じイメージができているかを確認しながら話し合いを進めていきました。

●プレゼン資料にまとめるにあたって、こだわったことがあればお聞かせください。
私たちの提案は、商品デザインのイメージが伝わりにくいことが難点であったため、聞き手のイメージを膨らませる資料を作る点にこだわりました。具体的には、類似商品やパッケージデザインのイメージ写真を載せたり、商品デザインを実際に絵で描き、さらに文章で詳細を補足したりすることで、聞き手に商品のイメージが伝わりやすい資料作りを心掛けました。

●今回の提案全般で苦労したことやその克服方法についてお聞かせください。
アイラインのスタンプをどのように実現させるかという点に苦労しました。中間発表では、スタンプで細いアイラインを引くのは難しいというご指摘をいただきました。そこで、インターネットから情報を集め、ヘアピンや糸ようじでアイラインを引くというアイディアを参考に、商品デザインを考え直したことで、実現可能なアイラインスタンプを提案しました。

●実際に化粧品メーカーさまの課題解決に携わってみてどのようなことを感じたか、自分たちの提案がリアルに採用される可能性についてどう感じたかお聞かせください。
課題解決に携わってみて、自分たちのアイディアを伝えることの難しさを実感しました。実際に存在しない商品をどのようにしたらわかりやすくなるのか、本当に可能なのかなど試行錯誤をして、資料に反映させました。
自分たちの提案がリアルに採用される可能性については、純粋に嬉しいです。準備段階では、うまく伝わるかなど不安が多くありました。
実際に発表を終え、疑問点をご質問をいただけたため、私たちが求める化粧品について深掘りしてくださりました。
そしてありがたいことに最優秀賞をいただき、自信になりました。

●今回の授業でどのような学びが得られたか教えてください。また、得た学びを今後どのように活かしていきたいかお聞かせください。
今回の授業で、どんな発想をしても良いということを学びました。
「突飛なことを言えるのは学生のうち」ということを角本先生からおっしゃっていただき、そのことを大切にしようと感じました。
また発表を終え、大江様に「この案を誰かに話したか」と聞かれ、自分たちの案をクラスのみんなや先生以外に発表したことがなかったので、誰かに聞いてもらい、意見をもらう大切さを学びました。
これらの学びから今の私たちにしかできない考え方や周りに頼ることなど実践していこうと思いました。

井上綾野准教授のコメント

マーケティングを学ぶ場合、「机上の空論」では意味がありません。どのように商品が生み出され、販売されているのか、マーケティングのプロセスを企業から直接教えていただけるPBLには、座学では得られない学びがあると考えています。

今回は、今年の夏のオープンキャンパスで高校生向けに実施したPBLにご協力いただいたご縁で、桃谷順天館のグループ会社である明色化粧品とのコラボレーションが実現しました。通常、PBLではプロモーション関連の課題に取り組むことが多い中、今回はマーケティングにおいて非常に重要なプロセスの一つである「商品開発」が課題。商品開発担当者とPBLで組ませていただける機会は少なく、しかも、学生の提案した商品が実際に製品化される可能性もあることから、大変貴重なチャレンジとなりました。

対象が「化粧品」ということで、技術的な限界や薬機法のような規制を踏まえながら商品を考案するのは、学生にとって簡単なことではなかったと思います。それでも、5チームそれぞれがまったく異なる商品を考えてくれました。また、SNSでのプロモーション施策についても、全チームがそれぞれ異なるインフルエンサーを起用したインフルエンサーマーケティングを提案してくれました。より購入確度が高いユーザーにリーチするには、どのインフルエンサーが適しているのか、商品の特性に合わせて判断できるとは、さすがZ世代です。

実は、今回1位を獲得したのは、中間発表時点で提案内容の完成度が最も低かったチームです。当初は、どういう商品なのか分かりづらく、データによる説得力も弱かったため、その点を指摘しました。すると彼女たちは、きちんとデザインイメージをブラッシュアップさせ、アイブロウやアイラインのメイクに関してどのような悩みを抱えている人が多いのか、市場の声を拾って提案の根拠として資料に加えてきました。その点が、高評価につながったのだと思います。企業側からは、既存の商品の拡張という枠を超えた、斬新な商品の提案ができていた点も高く評価されました。

なお、今回のPBLには、あえて「演習ⅢB」の3年生と「演習ⅣB」の4年生の混合チームで取り組んでもらいました。3年生はより提案経験豊富な4年生の姿に刺激を受け、4年生は後輩を指導することでリーダーシップを学び……と、双方にメリットがあったようです。普段交わらない他学年との交流により良い意味での化学反応が起き、学生のモチベーションアップにもつながったと考えています。

本学では、社会学や行動経済学、統計学など、さまざまな学問分野のアプローチによるPBLを数多く実施しています。学生でありながら自分たちの提案が形になるプロセスを体験できるPBLは、大変貴重な学びの場です。また、そのような体験の積み重ねは、アウトプット力を磨くことにもつながります。まずは、それぞれの学問分野の理論をきちんと学び、その知識をPBLで生かす――。PBLの実践で得た知見は、今後の就職活動でも強力な武器になるはずです。

今後も引き続き、マーケティングだけでなく、地域連携や啓発広告のPBLにも取り組んでいきます。より多くの学生が参加し、偏差値では測れないスキルを積極的に身につけていってくれたらと願っています。

2022年12月23日

桃谷順天館との産学連携授業で学生が商品のキャッチコピーをプレゼン!(11/10)

 11月10日(木)、人間社会学部現代社会学科の角本伸晃教授による1年後期授業「経済学概論」にて、化粧品メーカー桃谷順天館との産学連携課題のアイデアを発表するプレゼンテーションが行われました。当日は、桃谷順天館人事部シニアマネージャーの大江崇氏を迎え、事前の審査で選ばれた12チームが商品のキャッチコピーなどを発表。優秀な成績を収めた3チームが表彰されました。

ピーリングジェリーのキャッチコピーと、販促用ハッシュタグを考えるのが課題

 今回の課題は、桃谷順天館のグループ会社である明色化粧品から発売されているピーリングジェリー「DETクリア」の店頭POPおよびパッケージのキャッチコピーと、SNSで商品PRに用いるハッシュタグを考案するというもの。
学生たちは3~5名ほどのグループに分かれ、気温や湿度と売上の相関関係が高い商品であることも踏まえつつ、季節性、販売促進上の課題、市場環境、トレンドなどを考慮しながらアイデアをまとめました。

当日、発表を行ったのは事前に審査を通過した12チーム。100人以上の受講生が集まった大教室で、1チームあたり5分の時間制限の中、練り上げたアイデアを披露しました。

全チームの発表後には、角本教授と桃谷順天館の大江氏が審査。その結果、優秀賞2チームと最終賞1チームが選出され、受賞チームは表彰状と賞品(桃谷順天館の化粧品)が授与されました。

最優秀賞は、ぶれないターゲティングとデータを用いた説得力、音声でのプレゼン演出で評価された【Mチーム】!

最優秀賞を獲得したMチームの提案のポイントは、男性をターゲットにしたPR戦略。
店頭POP用に
「男性必見!ツルスベモテ男になれるチャンス!」、
パッケージ用に
「つるすべたまご肌も夢じゃない?! マスクで荒れた肌も速攻回復!DETクリアで角質完全オフ!」
と、2つのキャッチコピーを考案。

「#まだ使ってない?!男性必見!DETクリアで肌悩み&角質完全オフ即実感できるツルスベ肌」
と、あえて長めのハッシュタグを提案しました。
近年の男性の美容意識の高まりに目を付け、男性がスキンケアのためにどんな化粧品を使っているかをデータで提示。
説得力のある発表が高く評価されました。

また、商品のキャッチフレーズ「いつでもデート肌に。DETクリア」も合わせて作成。
そのキャッチフレーズを音声としてPowerPointのスライド資料に埋め込み、プレゼンの途中で再生するという演出を加えた点もユニークでした。

当該商品の画像をプレゼン資料に盛り込んだ【Kチーム】と、商品名をハッシュタグに盛り込み、プラスαの提案も行った【Oチームが】優秀賞を獲得

優秀賞を受賞した一つ目のチームはKチーム。毛穴の悩みに焦点を当てつつ女子大学生にターゲットを絞り、
「濡れた手で簡単!手軽につるすべ毛穴レス美肌」(店頭POP用)、
「実感!毛穴・黒ずみゼロ赤ちゃん肌」(パッケージ用)といったキャッチコピーを提案。
SNS用のハッシュタグには「#DET最強美肌」と商品名を分かりやすく盛り込んだほか、プレゼン資料の表紙には当該商品である「DETクリア」の商品画像を配置し高評価を得ました。

優秀賞を受賞したもう一つのチームであるOチームは、コロナ禍のマスク生活による肌荒れに悩む人がどのくらいいるのかデータで示しつつ、男性を含む全世代をターゲットに設定。
「マスク生活、スキンケア見直しませんか?」(店頭POP用)、
「角質オフしてマスク生活でも乾燥0へ!」(パッケージ用)という2つのキャッチコピーと、
「#簡単角質ケア」「#濡れた手でもOK」といった複数のハッシュタグを提案。さらに、商品を温泉旅館においてもらい認知度を高めるといったプラスαのアイデアも盛り込み、その点も高く評価されました。

 最優秀賞、優秀賞を除くほかの9チームの発表は以下の通りです。

【Aチーム】
10~20代をターゲットにし、これからの季節「冬」に着目して提案

【Eチーム】
当該商品購入者のボリュームゾーンの母親世代にターゲットを設定

【Hチーム】
商品の特徴を「ポロポロピーリング」いったキャッチーなワードで表現

【Jチーム】
既存のハッシュタグと当該商品オリジナルのハッシュタグの併用を提案

【Nチーム】
男性もターゲットに含め、ジェンダーニュートラルなボトルデザインも提案

【Qチーム】
金銭的理由でエステサロンに行けない若年層にコスパの良さをアピール

【Tチーム】
将来顧客として中高生をターゲットにし、印象的なハッシュタグを発案

【Vチーム】
ケアの手軽さから、急がしい人、ずぼらな人、時短を求めている人に訴求

【ACチーム】
ピーリング・ゴマージュ市場で当該商品が売上1位であることを強調

授業後のアンケートでは、9割以上が産学連携(PBL)に再び取り組みたいと回答

授業後のアンケートでは、このような産学連携(PBL)の取り組みを「またしてみたい」「少ししてみたい」と答えた学生が96%。満足度の高さがうかがえる結果となりました。

具体的には、
「実在の商品について提案をすることも、多くの人の前でプレゼンテーションをすることも初めてだったので良い経験になった」
「他チームが自分たちのチームにはない発想をしていて勉強になった」
「データやグラフ、イラストや音声を盛り込むことで、プレゼンの説得力が増すと学んだ」
「どうやって商品を改善するか、なぜその商品が売れているのかなど、企業が抱える課題に目を向けられるようになった」
「グループワークにおけるチームワークの重要性も学んだ」
「実際に企業の方と連携できる機会は大変ありがたく、将来、仕事でプレゼンする機会にもこの経験を役立てたい」
など、前向きな感想が寄せられました。

なお、学生が提案したアイデアについては、桃谷順天館の社内で実際に販促に生かすか検討いただけるとのこと。今後の展開が楽しみです。

学生コメント

私たちのチームは、女性に比べて美容への関心が低いと思われている男性をターゲットにした商品を提案しました。

苦労したのは、どのようなキャッチコピーなら目に留まるのかを男性目線で考えること。100人以上が参加している授業ということもあり、いかにほかのチームとの差別化を図るかという点も意識しました。なぜこの商品なら売れると考えたのか、その根拠をデータで示すだけでなく、商品名と韻を踏んだキャッチフレーズを音声に落とし込んでスライド資料に盛り込んだり、アピールしたい言葉を強調するために極力情報をそぎ落として、文字の色や太さといったスライドのビジュアル面にも工夫を凝らしたり。もちろん、「どのような提案をすれば桃谷順天館様の売上アップに貢献できるか」という点は最重視して考えました。

 企業の課題解決に携わるといった活動は今回が初めてでしたが、非常に新鮮な経験であったと同時に、化粧品というとても身近なテーマで取り組めたことがとても楽しかったです。また、一つの商品を売るためには統計分析に基づくマーケティングなど企業側のさまざまな努力があることや、長く愛される商品を作るためには常にブラッシュアップを重ねる必要があることも知ることができました。商品を販売する側、購入する側の双方の目線に立って考える機会にもなり、非常に貴重な学びになったと感じています。

今回の私たちの提案が、商品化に結びつく可能性もあるとうかがいました。だからこそ、企画から実際の販売へと進んでいく過程についてもぜひ知りたいと思いますし、自分が何か物を購入する際には、キャッチコピーを始めとする販売戦略にも目を向けていきたいと考えるようになりました。このPBLで得た知見を、今後のプレゼンや提案といった学修の場に生かすとともに、社会活動に参加したり、将来仕事に就いたりする上でのヒントにしていきたいです。

桃谷順天館人事部シニアマネージャー 大江崇氏のコメント

角本先生のゼミ生が当社に就職してくれたことをきっかけに、2020年度から実践女子大学との産学連携(PBL)に参加させていただいています。

今回は授業の一環ということもあり、「授業の内容を踏まえているか」「データや文献を引用して説得力のある提案をしているか」といった点を加点対象として審査させていただきました。非常に興味深いご提案ばかりで甲乙付けがたかったのですが、最優秀賞を獲得したMチームは、明確なターゲット設定により提案の趣旨が一貫している上に、キャッチコピーの面白さも抜きん出ていたと思います。

化粧品のPRにおいては、学術的な理屈だけでなく「感性」も非常に重要で、はやっていると認識した時点で既に旬が過ぎているということも多々あります。昨今のコロナ禍で、「マスクで隠れるリップ周りの商品は売れない」「マスクに隠れない目元周りの商品が売れている」といった、従来のトレンドだけでは説明できない需要の変化も起きています。だからこそ若い感性を生かしつつ、簡単には数値化できないトレンドを反映したご提案をいただき、大変満足しております。

今回、選ばれたチームはもちろん、残念ながら選外となったチームも含め、発表していただいた内容については当社の企画部門で共有したいと考えています。実際の販促物に活用させていただく場合は、あらためて皆さんにご報告させていただきます。

なお、今回発表の対象とならなかったチームも、受賞を逃したチームも素晴らしいアイデアをご提案くださいました。今後より一層感性を磨き、授業での学びと紐付けながら、それを卒論などに生かしていただければ幸いです。また、この取り組みを機に化粧品業界に興味を持っていただき、ゆくゆくは学生の皆さんの就職先の選択肢に我々の会社を加えていただければ大変光栄です。

角本伸晃教授のコメント

2020年度は3年生対象のゼミ、2021年度は2年生対象のゼミと、桃谷順天館との産学連携(PBL)に3年連続で取り組ませていただいております。今年度は1年生対象の授業「経済学概論」の一貫。需要曲線のシフト要因には、所得要因だけでなく温度や湿度と行った環境要因もあり、「DETクリア」という製品と販売実績と湿度の相関が高いことを説明した上で、キャッチコピーやハッシュタグを提案してもらいました。行動経済学の観点から、キャッチコピーにおける韻を踏むことの有効性なども指導。最優秀賞のMチームは、これらをすべて考慮した提案をしてくれました。

昨今、座学で知識を教える講義形式だけでなく、学生が能動的に学修に参加する「アクティブラーニング」を授業に取り入れるよう文部科学省も提唱しています。それを受け、本学でもさまざまな産学連携(PBL)に挑戦。座学の講義形式の授業を「アクティブラーニング0」とするなら、プレゼンやグループワーク、外部講師を招いた講演を取り入れた授業は「アクティブラーニング1.0」、企業や地域と連携してさまざまな提案をし、商品開発や地域政策に生かしてもらうのが「アクティブラーニング2.0」と捉えるならば、ゆくゆくは「アクティブラーニング3.0」を目指して取り組んでいます。とはいえ、学問としての講義内容を消化し切れないままアイデア勝負に陥ってしまっては意味がありません。学問としての経済学をしっかりと学びながら、低学年から産学連携(PBL)に取り組むことには大きな意義があると考えています。今回の取り組みについては少なくとも、「アクティブラーニング1.5」のレベルには到達していると思います。

この経験を礎に、2年次、3年次ではさらに専門性を取り入れた提案にチャレンジし、徐々に研鑽を積んでいけば、他大学の学生との競争を強いられる学外コンテストや今後の就職活動でも十分戦えるだけのスキルを身につけられるはずです。教職員側も、そのスキルを身につけられる学びの場を提供できるよう、工夫していきます。

今回のプレゼン発表に同席いただいた井上綾野先生の演習でも、桃谷順天館の商品開発の課題に取り組んでいます。また、私が担当するほかの授業では、株式会社東京サマーランドとの産学連携(PBL)なども行っています。今後は産学連携に加え地域連携のPBLにも取り組んでいきたいと考えていますので、学生の皆さんはぜひ機会があればチャレンジしてみてください。

2022年12月7日

学生たちがフィールドワークで「スローな渋谷」の魅力を探す、博報堂とJR東日本とのコラボ授業が行われました。

人間社会学科「フィールドワーク論」(担当:原田 謙教授)の授業で、11月9日(水)に(株)博報堂 ミライの事業室とJR東日本 東京感動線によるプロジェクト「Slow Platform 渋谷駅0番線」とのコラボ授業が行われました。学生たちはブレインストーミングで「スローな渋谷」の魅力を探し、フィールドワークのテーマ出しを行いました。

渋谷のより心地よい街づくりに学生たちも参加!

授業はJR東日本の「東京感動線」についての説明から始まりました。東京感動線とは、山手線を起点に心豊かになるライフスタイルを提案するプロジェクトです。上野駅のなかでアートの展示・販売をしたり、寛永寺と協力して写経体験を手掛けたりと、街の個性を引き出す取組みや人と企業等とのつながりを創出し、「ちょっとだけ未来」のライフスタイルも意識しながら、様々な取組を行っています。JR東日本の担当者は「山手線は駅ごとに街の個性が全然違う、世界的に見ても貴重な路線です」と言います。個性的な街のなかで、駅を交流拠点にして新しい価値を提供していくことが目的です。

次に(株)博報堂 ミライの事業室から。ミライの事業室では2年ほど前から「shibuya good pass」というサービスを開発し、渋谷の街づくりに参加できるシステムを作っています。例えば恵比寿や初台などでは、市民起案のプロジェクトをWEB投票などを活用し支援する取り組みや、代官山では、遊休地にひまわりを植え、地域の住民で育てる取り組みなどを行っています。その活動の中で、JR東日本とタッグを組み、渋谷駅構内に「Slow Platform 渋谷駅0番線」を作りました。みんなでつくる、スローな駅。」をコンセプトに、癒やしやコミュニケーションを生み出す実験をしています。今回は「この場所を拠点に、渋谷の街の課題解決にぜひ皆さんも参加していただきたいと思います」ということでした。

スマートな街・渋谷のスローな面を発見する

舞台となるのは、渋谷駅の「新南口」に隣接する「Slow Platform 渋谷駅0番線」です。学生たちにはあまり馴染のない場所のようでした。新南口は、元々JR埼京線のホームがあった場所で、渋谷駅のなかでも恵比寿駅寄りに突き出た箇所にあります。埼京線のホームが新しく山手線付近に出来たことで、現在は連絡通路としてのみ利用されています。ここを拠点に「スローな渋谷を考える」、が今回の課題です。

渋谷は日々新しいビルが建つ進化的な街ですが、街が育ち「新しい場所」ができると同時に「古い場所」も出てきます。新しい場所は注目されますが、一方で役目を終えていく場所も生まれているのです。ただ、新しい場所はスマートですが、忙しなく疲れてしまう一面も。一方、古い場所は目立たないけれど、その分ほっとしたりする面があったりします。どちらの面も発見することで、より心地よい渋谷が見つかるのでは、という取り組みです。

そもそも「スロー」ってなんだろう?

いよいよグループワーク開始です。博報堂の担当者がファシリテーターとなり、ワークショップが始まりました。まずは「渋谷でビジーに感じること」をふせんに書きだします。渋谷で過ごしていて忙しない、窮屈、居心地が悪いと感じることを思いつくままに書きます。それをグループのなかで発表し合いながら、模造紙の右半分にふせんを貼ります。話し合いのなかで同じような意見を集めたり新しい意見を取り入れたりしていきます。

満員電車、サイネージ広告、酔っ払い、キャッチや歩きスマホ…それぞれのビジーが書き出されていきます。グループ内で出し合ったところで、学生たちにペンが配られました。「ビジーに感じたもののなにが嫌なのか、どういう気持ちになるのか要因を深堀して、その気持ちを書いていきましょう」と声掛けがありました。「閉塞感」「うるさい」「怖い」「迷惑」「歩きづらい」などコメントが書き込まれます。駅ではほとんどの人が急いでいるので「緊張する」や「もたもたしていると申し訳ない」などというコメントも。

渋谷の街でビジーなことを認識したところで、それを解消する「スロー」を見つけていきます。方法は同じ。ふせんに、癒される、落ち着く、気持ちが良いところなどスローなことを書き出し、今度は模造紙の左半分に貼っていきます。コーヒー、手をつないだ親子、人の少ない場所、車内アナウンスが優しいとき、仲のいい友人、昼間の空いている電車などなど、スローもたくさんの意見が。それにつくコメントは「ほっこりする」「かわいい」「気を遣わない」「季節を感じる」「デジタルデトックス」などさまざま。学生たちは「それ分かる」と言い合いながら積極的にディスカッションしていました。

フィールドワークでどんな「スロー」を探そう?

ビジーとスローの両面出たところで、渋谷をフィールドワークする際に探してみたいスローの方向性を決めます。それぞれのグループで特色を話し合い、発表しました。Aグループは「雰囲気が良くて落ち着く場所」、Bグループは広告や大音量でスピードが速いというビジーに対し「目から入る情報や心とお金の負担を減らせるところ」という方向になりました。Cグループは「自然を感じられる人の少ない場所」、Dグループも「自然があり一人になれるところ」というものです。Eグループは、渋谷に銭湯があることに着目し、「あまり知られていない昔からあるお店や場所」を探します。

授業の終わりには企業の皆様からコメントをいただきました。博報堂からは「渋谷の街は開発が進んでいますが、渋谷でもスローな場所があることを多くの人に知ってもらえたらと思います」。JR東日本からは「電車はビジーなイメージと思っていましたが、空いている電車などスローの意見もあるのかと発見でした。たくさんの意見が出て、自分たちも勉強になりました。年代問わずビジーやスローの感覚は同じだと感じました」。「これからフィールドワークするなかで、今回ふせんに貼っていないようなことも発見してもらえたら」と期待の声もかけられました。

学生たちはこれからインタビューや写真観察を行い、最終授業ではフィールドワークを通して見つけた新たな「スローな渋谷」をプレゼンします。

2022年10月17日

「スマドリバー」の認知度を上げる施策を考える!電通デジタルの皆様からデジタルマーケティングの手法を学ぶ講義が行われました。

9月26日(月)に人間社会学科・原田謙教授と現代社会学科・井上綾野准教授の授業で、「スマドリバーの認知度を上げる施策を考える」ため、デジタルマーケティングの体験授業が行われました。株式会社電通デジタルから山能貴輝氏、荒木真衣氏、水藤彩佳氏が講義を行って下さいました。学生たちはデジタルマーケティングの手法を使い施策を考え、10月末にプレゼンテーションに望みます。

「スマドリ」ってなに?―飲み方にも、多様性を―

「スマドリ」とは「スマートドリンキング」の略で、お酒を飲む人・飲まない人、飲みたい時・飲めない時、あえて飲まない時など、自分の体質や気分に合わせて「飲み方」の選択肢を広げることで、多様性を受容できる社会を実現するために商品やサービスの開発、環境づくりを推進していくことです。コロナ禍をきっかけに日々の生活の多様化は加速しました。お酒との付き合い方もその一つです。大勢での飲み会が減り、自分のペースで楽しむ人たちが増えてきました。そこでアサヒビール株式会社と株式会社電通デジタルが「スマートドリンキング」を推進するために合弁会社として「スマドリ株式会社」を設立。

今年6月にはスマドリ株式会社と一般社団法人渋谷未来デザインが主催となり「渋谷スマートドリンキングプロジェクト」を発足。大学生を含む渋谷の若者を中心に飲酒の適量や飲み方などの啓発活動が始まっています。

山能氏による講義も「お酒ってなに?」「酔うってどういうこと?」というところからスタートしました。国が推奨する一日あたりのアルコール適正量は男性20g、女性10gとされています。アルコール度数5%のビール500mlでアルコール量は20g。つまり、実はビール1本で適正量に届いてしまうのです。飲みすぎると脳や身体に影響を与え、健康を損なったり事故につながったりしてしまう可能性があることが示されました。

また、お酒を飲める人・飲めない人の違いについても学びます。アルコール代謝の時に出る「アセトアルデヒド」を分解する酵素の活性が強いか弱いかは遺伝で決まります。日本人はお酒に弱い人が全体の約44%とされ、約2人に1人が弱い体質なのです。また女性は一般的に体格やホルモンの関係から男性よりも酔いやすいことが説明されました。

スマドリでは、「飲めない自分のままでいい-飲めても飲めなくても、みんな飲みトモ-」をコンセプトに、スマドリの世界を体験できる「SUMADORI-BAR SHIBUYA」を渋谷センター街に今年6月~展開。お酒が飲める人も飲めない人も、Alc.0%/0.5%/3%の自分に合ったアルコール度数と好きな味を楽しめます。飲めない人にとってのバーという非日常な空間と、カフェのようで入りやすい安心感を両立する場です。

デジタルマーケティングを体験!

続いては荒木氏によるマーケティングの説明が始まりました。そもそもマーケティングとは、商品やサービスが売れる仕組み作りのことで、データを活用したマーケティングのことをデジタルマーケティングと言います。
人々が商品にどう反応したのかデータを蓄積し分析。顧客に商品を届けるためにニーズを知り、デザインや宣伝方法等を考えるのです。

データとは、デジタルコンテンツを使った履歴や位置情報、検索履歴など多岐に渡ります。また、その人の職業や年齢、行動パターンなどもデータになります。

ペルソナを決めてカスタマージャーニーマップを作成しよう

最後に水藤氏から「カスタマージャーニーマップ」の説明が始まりました。カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品を購入するまでのプロセスを旅に例えて、行動や心理を可視化するものです。

マップを作成することで、顧客の行動や心理を「線」で考えられるようになります。ライフスタイルの一環としてスマドリを広げていくためには、日常のさまざまなところでスマドリの考えを知り興味を持ってもらうことが大切です。そのためには、ターゲットがどのような行動や心理をたどるのかを考えることが必要になります。

マップを作成する際に大事なのがターゲットの人物像。仮想の人物「ペルソナ」を設定し、今回はその人物がどのように「SUMADORI-BAR SHIBUYA」を知り、興味を持ち利用するまでを考えます。

今回は大学生でお酒が飲めないペルソナを設定。時間が与えられ、班に分かれてペルソナシートを埋めていきます。「どんなことに興味があって何を使って検索するのかなど、具体的に固める方が施策を考えるときに手掛かりになります」と山能氏。バイトは何をしている?テレビ番組は何を見る?どこに住んでる?趣味は?相談して人物像を固めていきます。

人物像が決まったらマップの作成です。
まず考えるのは「利用前」の状態。ペルソナが「SUMADORI-BAR SHIBUYA」をどこで知り興味を持つのか。インスタグラム、友達の誘い、口コミなど、ペルソナの性格や行動に沿って考えます。

学生たちは「街で見かけてもすぐには入らないよね」「友達はどういう繋がりだったら興味持つかな」と細かく考えていました。

選ばれた案はSIWで発表!

この日の講義ではここまで。利用中・利用後のマップの作成と、「SUMADORI-BAR SHIBUYA」の認知度を上げる具体的な施策案を考えることが次回までの課題となりました。「例えばSNSのキャンペーンを行うという案の場合、利用するSNSはTwitterかinstagramか、キャンペーンの参加方法やどんな賞品があるのかなど細かく考えてください」と水藤氏。「そのためにはペルソナをしっかり固めることが大切です」とアドバイスしました。

考えた案は10月末の講義でプレゼンします。中から選ばれたアイデアは、アイデアと出会う6日間と題した都市フェス「SOCIAL INNOVATION WEEK 2022」の中の、渋谷アイデア会議で実際にプレゼンし、スマドリ社社員他参加者からのフィードバックやディスカッションの場が与えられます。良い案はその後実施されるかも!実際の企業に案を出せる機会はそうありません。学生たちもやる気に満ちて講義を終えました。

2021年6月18日

<学生記者レポート>日本相撲協会とのコラボグッズ販売を再開しました!新商品も登場(6/18追記)

※2021年6月18日追記
2021年6月16日 日本経済新聞 掲載
キャンパス発この一品「相撲グッズ — 実践女子大」

本学と日本相撲協会との産学連携の取り組みが、日本経済新聞の朝刊で紹介されました。
取材には、生活環境学科 塚原肇教授とゼミ生4名が参加し、相撲グッズの取り組みについて説明しました。

取材応対する塚原肇教授
相撲グッズを説明する学生
最後に皆で集合写真

2021年1月19日掲載

販売コーナー前で記念撮影
お客さんを丁寧にご案内

 本学と日本相撲協会が、新型コロナウイルスの感染拡大(コロナ禍)で中断していたコラボ商品の販売を、大相撲11月場所から再開しました。ハンドクリームが新商品に加わり、商品ラインナップがさらに充実。販売スタッフに駆け付けた本学学生の頑張りもあり、11月場所でのグッズ販売は驚きの売り上げを記録しました。本学は政府の緊急事態宣言の再発令を受け、大相撲初場所への学生ボランティアの派遣は中止しましたが、コラボ商品は親方・協会担当者の手により初場所も国技館内売店で販売が継続されています。

 大相撲令和2年11月場所は、11月8日から22日まで両国国技館(東京都墨田区)で行われました。コロナ禍のため本来の福岡国際センター(福岡市)に代えての開催です。本学の学生は15日間の場所期間中、28人が販売スタッフのボランティアとして参加。売り上げ増や相撲のイメージアップに一役買いました。

「祖父母に自慢?」「つながりが欲しくて」

 人間社会学科3年の君島ほのかさん、国文学科1年の関口千夏さんは、そんな相撲大好き実践ガールズの2人です。2人とも今回が初めての参加で、開催期間中、君島さんは2日間、関口さんは5日間、それぞれグッズ販売を手伝いました。2人が今回参加を決めたのは、君島さんは「(国技館での見聞を)相撲ファンの祖父母に自慢できるかも知れないと思って」、関口さんは「オンライン授業ばかりで渋谷キャンパスに来たのは入試と健康診断の2回だけ。同級生や上級生とつながりがほしくて」という理由からだったそうです。

 年6回の本場所開催中のグッズ販売は、令和2年1月の初場所以来となります。この間、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、3月の春場所は無観客で開催。5月の夏場所は4月緊急事態宣言で中止に追い込まれました。7月の名古屋場所以降は観客制限を設けながらの実施となり、11月場所も上限5千人の観客制限が設けられていました。

コロナ禍がきっかけの関口さん

延べ76人が参加、驚きの売れ行き

 販売は午後1時から午後5時まで4時間の真剣勝負。本学からは連日、平日は平均3~4人、週末は同7~8人と場所期間中15日間で延べ76人の学生が販売の応援に駆け付けました。その甲斐もあったからでしょうか。当初、観客制限で危惧された売り上げは、蓋を開けてみれば予想外の売れ行き。関口さんによると、「初日や日曜日は本当にすごかった。売り場には10人以上の行列が出来ました。女性や男性を問わず、若い人がたくさん買ってくれました」と当時の売れ行きの凄さを振り返ります。

 販売したコラボグッズは、「豆しぼり手ぬぐい」(税込み1,200円)、「メガネふき」と「リップクリーム」、「はんどくりいむ」(以上税込み500円)の4種類です。わけても、人気はハンドクリームやリップクリームで、場所期間中、ハンドクリームは2,000個、リップクリームは1,300個と驚きの売り上げを達成しました。ハンドクリームとリップクリームをセットで買うとポーチが無料で付いてくるサービスもあったからか、君島さんによると、「日によっては、最後の方はポーチがなくなった日もあった」ほどです。

スタッフ体験を語る君島さん

かわいいデザイン、香りが魅力

 このうち、新商品のハンドクリームは、リップクリームと同じピンク色で、例えば、君島さんはデザインが魅力と推奨します。「商品のデザインがかわいい。相撲好きの女性も増えており、そういう女性にも手に取ってもらえるような商品。男性が奥さんや娘さんにお土産に買って帰るのもいいと思った」からだそうです。

 他方、関口さんが挙げる魅力は香りで、「リップクリームとハンドクリームの香りがお相撲さんの髷と同じ瓶付油の香り。初めてかいだ香りだが、お相撲さんぽくっていいと思った」と話してくれました。

 本学と日本相撲協会は2017年12月、包括的連携協定を締結しました。これを受け、生活環境学科の学生を中心に「実践すもうガールズ」を結成、公式グッズの開発などに取り組んできました。これまでコンパクトミラーや扇子、メガネ拭き、リップクリーム、手ぬぐいの商品化にこぎつけています。

国技館内のグッズ販売コーナー
親方と学生がグッズ販売

コロナ禍で初場所の学生派遣を中止

 11月場所でようやく再開したコラボグッズ販売でしたが、初場所で再び暗転します。というのも、場所前に力士ら協会員878人を対象に行ったPCR検査で力士5人の陽性が判明したからです。感染判明や濃厚接触の疑いで、横綱白鵬を含む力士65人が初日から全休に追い込まれました。全力士665人の約1割に当たり、腰痛の横綱鶴竜含めると戦後最多となる関取16人が初日から休む異常事態です。

 本学も1月7日の政府の緊急事態宣言の再発令を受け、初場所へ販売ボランティアの学生派遣を中止しました。しかし、国技館内の売店は親方や相撲協会の担当職員の手で営業を続けており、コラボ商品の購入は可能です。また公式オンラインショップ「すもうストア」も初場所から開設しており、コロナ禍を避け、コラボ商品を含むお目当ての商品がネットで買えるようになりました。

取材メモ

 相撲協会とのボランティア活動は、社会との関わりはもちろんですが、オンライン授業が続くなか、学生同士が交流する貴重な機会となりました。とりわけ喜んだのは、コロナ禍でキャンパスに足を運ぶ機会がなかった1年生ではないでしょうか。「今回初めて同じ大学の友人が出来た」などと笑顔で語ってくれました。感染者は増加の一途をたどり、いつまたキャンパスに通えるようになるかは分かりません。同じ大学の学生が学年を超えて知り合える機会は見逃さないよう、学生たちもアンテナを張っておくといいですね。

英文学科4年 松村桐杏
2021年6月18日

渋谷区との連携授業!「スタートアップ」をテーマに渋谷区グローバル拠点都市推進室の田坂氏が講演(5/26)

共通教育科目「キャリアデザイン(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)」では、2021年5月26日、渋谷区役所でスタートアップ支援事業を担当する渋谷区グローバル拠点都市推進室の田坂克郎さんをお迎えし、講演を実施しました。アメリカのサンフランシスコ州立大学大学院への留学をきっかけに、サンフランシスコ日本総領事館での勤務などを含め、長年にわたって「スタートアップの聖地」ともいわれるシリコンバレーを見続けてきた田坂さんから、ベンチャービジネス(起業)に関するお話をうかがいました。

渋谷区 グローバル拠点都市推進室
田坂 克郎 氏

学生たちにも身近な渋谷というエリアが
将来、世界的なスタートアップの街になる

 この日の講演では、最初に「スタートアップ」について解説が行われました。田坂さんによると「新しいテクノロジー、アイデアをもつ企業で、単年での事業拡大が事業計画に組み込まれている」ことを意味する言葉で、1990年代~2000年代にシリコンバレーで誕生。以来、世界のスタートアップの中心地となったシリコンバレーには、アメリカのベンチャー投資総額の40%にあたる600億ドル(約6兆円)が集まり、毎年3~4万社が起業されているそうです。

 そして、1990年代から日本を代表するベンチャー企業を生んできた渋谷区は、日本で最もシリコンバレーに近い文化をもつエリアとされています。そこで田坂さんは、将来的に渋谷区を世界的なスタートアップの街にするため、国内外のスタートアップビジネスを誘致、その活動を支援する「SHIBUYA STARTUP SUPPORT(SSS)」に取り組んでいるとのことでした。

「スタートアップ」について解説

「違和感」を大切にすることが
起業へとつながっていく

 講演中には「暮らしの中にある違和感」というテーマで、田坂さんが学生たちに質問。すると、「みんな同じでなければいけないという雰囲気」「就活は黒髪じゃないといけない」「男性が家事育児を『手伝う』ということ」「独身が下に見られがち」など、活発な意見が出されました。

 これに対して田坂さんが紹介したのが、日本初の更年期に特化したオンライン相談サービス『TRULY』を立ち上げた、女性起業家の二宮未摩子さん。二宮さんが起業に至るきかっけが、「女性のライフステージに寄り添うソリューションがない」という違和感だったということから、起業家(アントレプレナー)にとって「自分らしさの探究」、つまり自分の内側から出る違和感を大切にすることは、非常に大切であることが語られました。

学生たちから活発な意見が出されました

起業家を育成するために
渋谷区が行っている支援活動を紹介

女性起業家の堀江愛莉さんのコメントを紹介
起業家を育成するオンライン学校「SHIBUYA STARTUP UNIVERSITY(SSU)」

 ほかにも、シリコンバレーでの活躍からCNN「10 Visionary Women(10人のビジョナリーウーマン)」に選ばれた、女性起業家の堀江愛莉さんの「『自分らしい』をベースにしたリーダーシップがあってこそ、世界に通用するリーダーになれる」というコメントを紹介。起業家になるだけなく、企業などでキャリアを築いていくためには、「外側(社会)からの期待によって形成する自分」ではなく、「こうしたい、こうありたいで形成する自分」を大事にすべきであることが語られました。

 講演の終盤には、渋谷区が行っている起業家への支援活動も紹介されました。ひとつは、渋谷区と野村不動産、meeTalkが共同し、H1O神南に開設された起業家支援拠点。もうひとつが、起業家を育成するオンライン学校「SHIBUYA STARTUP UNIVERSITY(SSU)」です。いずれの活動にも、インターンやプログラムへの参加などをとおして、本学の学生たちも学びの機会を得ることが可能で、今後の展望が期待されます。

学生たちが自身のキャリアを考える
ひとつのきっかけとなった刺激的な講演

 講演が終了すると、田坂さんの興味深いお話に感銘を受けた学生たちから、たくさんの拍手が送られました。学生たちのアンケートからも、「渋谷区でスタートアップが生まれやすい環境をつくっていることをはじめて知りました」「起業することは自分に縁のない話だと思っていましたが、起業はしなくとも、自分が本当にやりたいことをやるチャレンジ精神は非常に参考になりました」「ベンチャーという選択肢があることを今の段階で知ることができてよかったです」「H1OとSSU。ぜひ機会があるならば参加させて頂きたいです」など、非常にポジティブな姿勢が感じられ、就活前に学生たちが自身のキャリアを考えるうえで、大きな刺激を得られる機会となりました。

講演終了後、興味深いお話に感銘を受けた学生たちから、田坂氏にたくさんの拍手が送られました

学生の可能性は無限!
社会のリアルを学生に伝えることで成長の機会に!

Zoom授業を進行する深澤教授

担当教員の深澤教授から授業後、以下のお話がありました。
「この授業では、様々な分野からのゲストをお招きし、社会のリアルな姿を学生に伝えることで学生の視野を広げ、視座を高めることを目指しています。しかし、スタートアップ企業に関わる分野のお話しは初めてでした。学生がどのような反応をしてくれるか不安もありましたが、かなり多くの学生が、田坂様からの今後のプロジェクトに参加したいと回答してくれており、本学学生の新たなる可能性を見いだせたというのが実感です。学生のポテンシャルは無限です。貴重なご講演をいただきました田坂様に、心から感謝申し上げます。」