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2024年4月8日

ポイ捨てをなくすためには?渋谷区と渋谷モディと連携し啓発動画を作成するJミッションの最終発表会が行われました。

本学、キャリアサポート部の低学年向けキャリア支援プログラム「Jミッション」で、渋谷区と渋谷モディとの特別連携企画が開催されました。学生たちは渋谷区のポイ捨てをなくすための啓発動画作成に挑戦。2月27日には、1ヵ月の成果を発表しました。

実際の企業からの「ミッション」に挑戦

「Jミッション」とは大学1・2年生が対象のプロジェクトです。企業からのミッション(課題)について、学生だけで構成されたチームで約1ヶ月間グループワークを行い、最終日に成果発表を行うというもの。有志で参加した学生10名は学年も学部もバラバラです。3つのグループに分かれ、それぞれディスカッションを重ねてきました。この日はいよいよ最終発表会が行われました。

今回ご協力いただいたのは、渋谷区と渋谷モディの皆さんです。1月31日のキックオフミーティング時に、学生たちに出された課題は、『渋谷の街のポイ捨てを解決する動画を作成すること』。15秒と30秒の動画をそれぞれ作成しました。中間発表を経て、さらに内容をブラッシュアップしました。優秀作品は、渋谷モディの店頭と館内のデジタルサイネージに実際に流されるということで、学生たちは渾身の作品を作成して最終発表に臨みました。

きれいな渋谷は「当たり前じゃない」

1グループは、清掃員の方にインタビューをし、「その背中は当たり前じゃない」と啓発する動画を作成しました。
ターゲットは渋谷モディの前を通る大学生たちで、ごみ問題に関心を持ってもらうため毎日清掃している人たちがいる事実を伝えました。
「掃除をしている人達の努力に気付いた」と、街中で自分たちが実際に見たことを主軸に動画を作成し、きれいな渋谷を作る人を見える化。気持ちのいい毎日を迎えられることは誰かの努力に支えられている、当たり前のことではないと伝えることで、ポイ捨てをなくすことに繋げようと考えました。

あなたの力できれいな渋谷を

2グループも渋谷にくる若者がターゲット。
ポイ捨てされたごみや、ごみが溢れているごみ箱などを映し、「きれいな渋谷にしたくない?」「きれいな渋谷をみんなで創ろう」とメッセージを伝えました。見て見ぬ振りをしたくなるようなポイ捨ての現状をリアルに伝え、このままの渋谷ではいけないと思ってもらえるよう共感性の高いフレーズを使って訴えることにこだわりました。

文化の違いを越えてポイ捨てをなくすには

3グループは、外国人観光客をターゲットに据えました。
文化の違いにより、ポイ捨てが当たり前だったり、ごみが気にならなかったりする外国人観光客にどう訴えるかを考えました。そこで粘土で作った人形を動かすクレイアニメで、ポイ捨てに悲しむハチ公を表現。観光客に人気のあるハチ公の目線にすることで関心を持ってもらおうと考えました。
またクレイアニメは可愛らしく見やすいことから、観光客だけでなく幅広い世代に興味を抱いてもらうことも目的に作成しました。

学生たちの成長が見えた発表

すべての発表が終わり、審査員の方々が別室で真剣に話し合い、今回の優秀作が決定されました。優秀賞は3グループが受賞しました。
渋谷区、渋谷モディの方から総評もいただきました。『企業側』の立場から表現の仕方などアドバイスを頂いた一方、中間発表を受けての伸びしろやストーリー性など、どのグループも好評いただきました。
そして、最後に「春休みの貴重な時間を割いていただいてありがとうございました。1ヵ月間という短い期間でしたが、皆さんの成長を感じられ楽しい機会でした」と学生たちの頑張りをねぎらいました。

参加学生は、1ヶ月間という短い期間の中で、グループワークを重ね、『啓発動画』というそれぞれの個性が光る作品を完成させました。
今回のJミッションを通して、学内、学外とのつながりをつくり、グループ一丸となってミッションに取り組んだことで、個々の成長に寄与することができました。

楽しんで全員で意見を出し合えた

優秀賞の3グループの学生たちには授業後にインタビューを行いました。

「私は2年生なのですが、Jミッションは1、2年でしか参加できないということで最後の機会だと思い、思い切って参加しました。ミーティングはWeb会議ソフトを使って進めました。私は動画を作ることがは苦手なのでどうなるかと思ったのですが、意見の言いやすいメンバーでとても楽しかったです。就活としても、学内の企画なのでインターンシップをいきなり受けるより安心して取り組めました」

「美学美術史学科の1年です。今回のJミッションには、『動画を作成する』との記載があったのを見て参加しました。もともと動画を作ってみたいと考えていたので、チャンスだと思いました。私が粘土でキャラクターを作ってきたことで、クレイアニメで動画を作ることになりました。採用されて嬉しかったです。動画の作成は何日もかかりましたが工程も楽しかったですし、先輩たちと繋がりができたこともとても嬉しいです」

1位の作品は渋谷区役所と渋谷モディのデジタルサイネージで、さらに2位の作品は渋谷区役所のサイネージで、実際に今回作成した動画が流れる予定です。(※4/15まで全作品放映中です。)

 ※下記動画は学生が制作した作品です。

2024年4月5日

”服装自由”の時は何を着る?「演習IIB」で青山商事とコラボ授業!
就活生の服装の悩みを解決するプレゼンテーションに挑戦しました。

2年生対象の「演習IIB」(担当:人間社会学部人間社会学科 広井多鶴子教授)の授業で、12月19日に青山商事株式会社(以下、青山商事)とのコラボ授業が行われました。11月に、就活生の服装の悩みに向き合う「#きがえよう就活」プロジェクトの一環として「就活服の悩みをどう解決するか」というテーマが出されており、学生たちは6グループに分かれ、課題解決法を考案。この日は、青山商事から6名、株式会社ニューズピックスから1名の方々が来校され、学生たちは皆様の前でプレゼンに臨みました。

自分らしさをどう表現する?

最初のグループ①は「オフィスカジュアルのサブスクリプション」と題して発表を行いました。
オフィスカジュアルとはどのような格好をしたらいいのか分からないという就活生の悩みに注目。女性に人気のファッションサブスクを参考にして、青山商事が就活生向けサブスクを展開することを提案しました。
若者向けのトレンドを抑えたオフィスカジュアルが、月に2回届く仕組みです。
青山商事の方からは「まさに若者たちが着たいと思う服を社内でブラッシュアップしているところなので、背中を押された気持ちになりました」というコメントがありました。

グループ②は、就活で結局黒スーツを選んでしまうのは、悪目立ちしたくないなどの保守的な意見が多いからと分析し、「就活は学生が企業を選ぶ側でもある」という自信を持つべきだと考えました。そこで、服装自由な企業にプロジェクトのロゴマークを提示してもらうことを提案。
就活生がロゴマークを見て企業を選び、安心して個性の出せる服装ができるようにします。
青山商事の方からは「自分が企業を選んでいくんだという意識を作っていく案になっている」と評価されました。

オフィスカジュアルって難しい!

続くグループ③は、SNSを利用する案を考えました。就活生の多くは、企業がどのような意図で服装自由にしているのか分からずに不安を感じていることに着目しました。
服装で評価が変わると思っている学生と、服装はそれほど重視していない企業の意識の隔たりをなくすため、大学生の約8割が利用しているInstagramを活用し、「#きがえよう就活」のタグを広めることを提案しました。
「服装の例として画像を上げるのに、Instagramは相性がいい。ぜひ検討させていただきたい」と青山商事の方から前向きなコメントをいただきました。

グループ④は、メンバー全員が黒スーツで就活をするつもりでいたことを告白。スーツ以外を選ぶためには、オフィスカジュアルを気軽に購入できることが必要だと考えました。
そこでアパレル企業等に協力してもらい、サンプルとして載っている服装の中から購入できるサイトを考案。
また服装についての疑問やレビューを書いたり投票できたりする機能を付け、就活生と企業との双方向のコミュニケーションが取れるようにしました。
講評では「レビューや質問で学生からもアクションできるのがいい。みんなが知りたいことがわかる仕組みになっている」と着眼点について高く評価していただきました。

服装の基準を分かりやすく

グループ⑤はクールビズにフォーカスしました。
就活生は夏の面接やインターンでスーツを着用しなければならないことに不満を持っていることに着目。クールビズに明確な定義がないことが原因と分析しました。提案は服装のピクトグラムを作成すること。
企業の採用ページにピクトグラムを提示してもらいます。
青山商事の方からは「悩みの解決方法が分かりやすく、最後まで筋の通った良いプレゼンでした」「賛同企業を増やすためにも、ピクトグラムは取り入れやすくて良いと思いました」というコメントをいただきました。

最後のグループ⑥は、服装自由が言われる一方でスーツで来てほしい企業もあることが就活生を悩ませている原因と分析。企業から就活の服装の例を挙げてもらうことを提案。採用ページに面接時の服装や、面接官の服装を載せてもらうようにします。
また、Instagramで「#インスタ就活プロジェクト」のタグを作り、各企業に就活向けの情報や服装を発信してもらいます。
青山商事の方からは「認知を広げるにはInstagramは相性がいい」「面接官の服装は確かに就活生が気になるポイントだ」という感想が寄せられました。

これからの就活が楽しくなるように

全発表終了後、優秀なプレゼンのグループが表彰されました。
「#きがえよう就活」賞に選ばれたのはグループ④。
受賞した学生からは「中間発表の後、一から考え直しましたが、賞をいただけてよかったです」「内容は難しかったがみんながそれぞれ自分の役割を果たしました」と喜びのコメントがありました。

「#きがえよう就活」賞を受賞したグループ④

もう一つの青山商事賞は、グループ⑤でした。
受賞した学生は「途中企画倒れになりかけてどうなるかと思いましたが、形になって良かったと思います」「スーツ以外で就活してみたくなりました」などとコメントしました。

青山商事賞を受賞したグループ⑤

最後に青山商事の平松氏から「みなさん、まじめに課題と向き合ってくれました」、「SNSなど学生目線の提案が、大変参考になりました」というコメントがありました。
そして、「今回の課題を通して、就活が少しでも楽しくなったらいいなと思います」ということばで、授業を締めくくってくださいました。

担当教員からのメッセージ

人間社会学科 広井多鶴子

当初、学生たちは、就活は黒のスーツが当たり前と思っていましたが、調べ、考え、話し合う中で、自分たち自身の固定観念に気づき、新たな考えをまとめていきました。そして、「自分たちは企業に選ばれるだけの存在ではなく、自分たちが企業を選ぶ存在だ」というように発想を転換!! 当たり前だと思っていることを問い直すことのおもしろさと重要性を実感できたのではないかと思います。

最終のプレゼンテーションは、中間発表よりもかくだんに完成度が高くなっていました。学生たちは、ほんの数週間でみちがえるように視野を広げ、根拠と説得力のあるプレゼンへと作り替えました。

それは、青山商事のみなさんの仕事への熱意と真摯さが学生たちに伝わったからだと思います。

学生からは、「本格的な産学連携授業は初めてで、実践的な学びが得られた」「企業の方から直接アドバイスをもらえる貴重な機会だった」といった感想が寄せられました。
何度も大学に足を運び、丁寧で的確なアドバイスをしてくださった青山商事のみなさんに、心より感謝いたします。

2024年4月3日

式場の強みを生かして素敵な結婚式を考案!「実践キャリアプランニング」の授業で結婚総合情報誌ゼクシィとコラボした特別授業が行われました。

1月15日に、共通教育科目「実践キャリアプランニング」(担当:髙橋裕樹特任教授)の授業で、株式会社リクルートのゼクシィ編集部(以下、ゼクシィ)との特別コラボが行われました。テーマは「設定の結婚式場でカップルがやりたいと思うセレモニー・パーティ演出を考える」です。設定会場は渋谷にある株式会社エスクリ(以下、エスクリ)の「ラグナヴェールアトリエ」。文学部美学美術史学科2年の学生たちは、グループワークで式場の強みや今のカップルが何に興味があるかを調べ、企画をまとめこの日のプレゼンに臨みました。

 ※初回授業の様子はこちら

絵本やアートをコンセプトに

ゼクシィ編集長の森氏やデスクの吉松氏、全国で結婚式場を運営する株式会社エスクリ(エスクリ)の松田氏など企業の方を前に学生たちのプレゼンは始まりました。

最初の発表は6班。
絵本の世界をコンセプトとして考えました。
緑にあふれた温かい空間にし、絵本に出てくる有名な料理を出したり、クロスを使わずにテーブルの木目を生かしたりと、緑の多い設定会場の特色も生かし提案しました。

次の4班は、西洋アートをコンセプトに提案。
ゴッホの「ひまわり」など西洋美術のひとつの作品を題材にします。
新郎新婦によるイミテーションケーキの飾り付けや、参加者もドレスコードを決めてサンドセレモニーなどでアートを作るのに参加します。
各班の発表後は企業の方々からコメントをいただきました。
森氏は「ターゲットのカップルがやりたいこととクライアントである会場の魅力を考えていると思いました」と感心されました。

8班はナイトウェディングを考案しました。
バージンロードを天の川に見立て、テーブルの装飾も電球やキャンドルで星を表現するなど、渋谷の夜景を合わせて夜の雰囲気を出します。
お色直しも星空のようなシックなドレスを提案しました。
発表後、学生は「話し合ううちに話が広がって、テーマを絞るのが難しかったです」と話しました。

会場の雰囲気作りも大事!

5班は花に囲まれた結婚式を提案しましたました。
家にいるようなくつろぎを演出し、映画を見るよう時のようにポップコーンを食べながらウェディングムービーを鑑賞。
ウェディングケーキにプロジェクションマッピングで花の装飾をすることなども考えました。
エスクリの藤田氏は「白いケーキにプロジェクションマッピングをする案は新しく、なかなか思いつかないです」とコメントされました。

次の1班は「光と色彩の結婚式」と題して、西洋美術の印象派画家・モネをテーマに考えました。学生たちは実際に美術館で開催されていた「モネ展」に足を運んだ際に、20代女性の来場者が多かったことからコンセプトに選んだと話しました。
セレモニーは有名なモネの「庭園」を、披露宴は「睡蓮」をモチーフに内装を調え、各テーブルに水中花を置くなど会場の雰囲気作りをしました。

9班はファッショナブルをテーマに、ゲストのドレスコードなしという斬新なアイディアを提案。
また出入口にさまざまな種類の花を置き、ゲストは好きな花を1本選びテーブルの花瓶に差すことで、一人ひとりのカラーを大切にするコンセプトを表現しました。
藤田氏は「花を持ち寄るなどしてそれぞれテーブルに飾るのは、実際に流行っているアイディア」と話しました。

カップルもゲストも居心地よく過ごすためには

7班は新郎新婦もゲストも自然体でいられる披露宴が良いと考えました。
テーブルには座席指定がなく、コミュニケーションを取りやすい時間も設けます。
新郎新婦がテーブルを巡りやすいように各テーブル2席余剰に置くなど、空間演出も考えました。
学生からは「結婚式に対してぼんやりしたとイメージしかなかったが、皆でアイディアをすり合わせられて良かった」と感想がありました。

2班は某童話をテーマに選択。
7人の小人の衣装を着たバンドが演奏したり、女王の鏡をモニターで映し開会のご挨拶をしたり。他にもリンゴのお酒で乾杯などモチーフをふんだんに盛り込み、ゲストも映える写真を撮りたくなるような案を出しました。
森氏は「人気キャラクターや物語の設定などとコラボをすることが出来たらとても人気が出そうと思いました」と評価。
藤田氏も「女王の鏡の案などはブライダル業の人間からはなかなかでにくい斬新な案だと思います」と話しました。

最後は3班。
新郎新婦が好きな映画をモチーフにした披露宴を考えました。
例えば某映画のオープニングロールでご挨拶があったり、それに纏わる衣装をテーマにお色直ししたりなどを提案しました。
学生たちは「最初はなかなか案が出なかったが、皆で協力できてよかった」と感想を述べました。

新しいアイデアを創出

終了後、企業の皆様による審査があり、1位から3位までが発表され賞品がプレゼントされました。

3位は4班。
カップルの幸せを考え、企画にしっかり向き合っていたと評価されました。

2位は絵本の世界観で統一した6班です。
学生からは「まさか選ばれると思っていなかったけれど、グループ全員協力的に進められたと思います。頑張れてよかった!」と感想がありました。

そして1位は1班でした。
コンセプトが企画全体に行き渡っていたと評価をいただきました。
森氏は「参加者の心情から会場の強みまで分かりやすくまとめられていて、取り入れてみたい案も沢山ありました」と話されました。
学生は「同じ課題の中で、こんなにいろんなアイディアがあるんだと思った。直接フィードバックもいただけて貴重な体験でした」と話しました。

最後に総評をいただき、エスクリの松田氏からは「新しい考えや発見がありました。私はコンセプトや汎用性などから9班が一番良かったと付け加えておきます」と話されました。

森氏も「ここまで仕上げていただいて感動しています。企画のアイディアに、キーワードやコンセプトを作って考えていくことは、これから社会に出ても役立つと思います。これからも頑張ってください。」と学生たちをねぎらいました。

2024年4月3日

ターゲットが是非挙げたいと思う結婚式を考えよう!「実践キャリアプランニング」の授業でゼクシィとの特別コラボが始まりました。 

12月4日に共通教育科目「実践キャリアプランニング」(担当:髙橋裕樹特任教授)の授業で、株式会社リクルートのゼクシィ編集部(以下、ゼクシィ)との特別コラボが始まりました。初回のこの日はオリエンテーションが行われ、マーケティングについてと、そもそも結婚式とはどういうものなのかについて学びました。文学部美学美術史学科2年生の学生たちがグループワークで結婚式の企画を考え、1月にプレゼンテーションに挑戦します。

一緒に生きていく瞬間を応援する

ゼクシィ編集長の森氏やデスクの吉松氏、全国で結婚式場を運営する株式会社エスクリ(エスクリ)の竹野氏など企業の方を多数お招きし、授業は始まりました。
今回の授業で、学生たちは実際に企業で行われているマーケティングの手法を使い、ターゲットの気持ちを捕らえた新しい結婚式の企画を考えます。

まず森氏からゼクシィについての紹介がありました。
森氏が「ゼクシィを知っていますか」と問いかけると、学生のほとんどが手を挙げました。
ゼクシィは今年30周年を迎える結婚情報誌で、結婚式場やウエディング関連の情報を発信しています。

ただ、現代は結婚と結婚式は当たり前ではない時代。結婚式を挙げない、結婚自体もしないという選択をするカップルも多いのが現状です。
森氏は「今は結婚に限らず多様なパートナーシップがある。私たちは結婚に限らず、誰かと一緒に生きていく瞬間を応援していく仕事です」と話しました。

多様化する結婚のかたち

では、そもそも結婚式とどのようなものでしょうか。
基本的に結婚式とは、挙式と披露宴のセットです。
挙式は二人が誓い合う儀式を行うもので、チャペルなどで行うキリスト教式や神前式が一般的ですが、ゲストに誓う人前式などもあります。
披露宴は二人のお披露目の場で、感謝を伝え祝福を受けます。両親への感謝の手紙や、お色直しなど一般的な流れはありますが、最近ではその基本的なセットを行なわない、行なっても自分達なりにアレンジをするカップルも多いです。

「当たり前やこうしなくてはいけないということがなくなり、2人らしさを求められている」と森氏。
ではどのような結婚式なら挙げたいと思うのか、を考えていくことが求められます。

どんなコンセプトの式にする?

ここで学生たちに課題が出されました。
お題は「ターゲットカスタマーがクライアントの結婚式場で、やりたいと思うようなセレモニー・パーティ演出を考える」。
ターゲットと、式場はあらかじめ定められていますが、どのような内容の結婚式にするのかは一から学生たちが考えます。

ここからは吉松氏からマーケティングについての簡単な説明があり、その中で「コンセプト」についての話がされました。
コンセプトとは企画のぶれない方向性を定めたもの。「企業や商品など、どんなものにもコンセプトがある」と吉松氏は話します。
例えば本学、渋谷キャンパスの3階にある図書館は「人と情報が触発し合うオープンスペース」がコンセプトです。

そのコンセプトを考えるためにはターゲットのニーズを知ることが大切。そのために必要なことが調査やインタビューです。
しかし直接「何を求めているか」を聞いてもすぐに答えられる人は少ないもの。何が好きか、どんなことが苦手かなどを深堀することで、潜在的なニーズを見つけていきます。
「求めているものを引き出すために沢山回り道をして質問をしている」と言い、「大学卒業後も必要になるノウハウだと思うので頭の片隅に覚えておくと良いかなと思います」と話されました。

式場に合った結婚式を

そして今回のクライアントは式場です。
思いついた結婚式のアイディアが実際にできるかどうかは、式場に確かめる必要があります。
そのためにクライアントの式場を取材することも大事な過程です。「取材を通して、そのクライアントのことを何でも知っている状態になることが大事」と話されました。

本課題のクライアントであるエスクリの竹野氏から、エスクリについての紹介がありました。
エスクリは結婚式場運営会社。2003年に創業し、それまでなかった大都市の駅チカに式場を作り、業界にインパクトを与えました。
それまで結婚式場と言えば、郊外の広い場所や非日常感のある建物が一般的でしたが、ゲストが集まりやすい場所として商業施設の最上階などビルの中に式場を構えたのです。そのスタイルは受け入れられ、現在は全国27の式場を運営しています。

どんな結婚式ならやりたいか考えよう

今回の課題の設定会場は渋谷にある「ラグナヴェールアトリエ」。
竹野氏は「渋谷は文化の発信地。結婚式も同様に従来のやり方だけではなく、2人らしい結婚式を描けるように」とアトリエという名前、空間にしたと説明しました。なるべく創造性を発揮できるようあえて華やかなものは取り除き、装飾やデザインなどは控えめな空間になっております。

ただ、ターゲットであるカップルは建物の雰囲気やデザインだけで会場を決定する訳ではありません。どんな演出やプログラムが出来るのか、その演出を通してどんな時間を過ごせるのか、どんな感情を得られるのかを考えて企画を考える必要があります。
竹野氏は「皆様の企画で私たちもヒントを得られたら嬉しいなと思っています」と学生たちのプレゼンに期待を寄せました。

講義が終わると早速グループワークが開始されました。
森氏や竹野氏もグループを回って、学生からの質問を受けたりアイディアの相談に乗っていたりしました。
今回のアイディアは今後、実際に結婚式のパッケージとして使われる可能性もあります。学生たちはプレゼンテーションに向け真剣に話し合っていました。

 ※学生たちによる結婚式の企画プレゼンテーションの様子はこちら

2024年4月3日

障がいのある方たちが活躍するには?「福祉社会学」の授業でアイエスエフネット社長によるダイバーイン雇用についての講演が行われました。

11月9日に「福祉社会学」(担当:人間社会学科 山根純佳教授)の授業で、株式会社アイエスエフネット(以下、アイエスエフネット)代表取締役の渡邉幸義氏による「ダイバーイン雇用」についての特別講義が行われました。多様化する社会において、すべての人が働けるとはどういうことか、実際の取組紹介などを通して学ぶ貴重な機会となりました。

20歳の時に起業を決意

アイエスエフネットは2000年に創設。
クラウドサービスやネットワークを整備するITインフラ企業です。渡邉氏は「20歳のときに2000年に起業するぞと決めました」と言います。そこから逆算して計画を立て、宣言通りに起業したのです。
「自分は何もできないと考えている人がいるかもしれませんが、一歩踏み出さないと何も起こりません」と行動することの大切さを、まず学生たちに伝えました。

渡邉氏は「『タイパ(タイムパフォーマンス)』と言う言葉が流行っていますが、考えていただきたい言葉です」と言います。
なぜなら、時間で管理していると効率が優先されてしまうのでダイバーイン雇用の推進が進まないのではないか、と講演が始まりました。

マイノリティは本当に少ない?

日本の障がい者の割合は7.6%。およそ15人に1人が何らかの障がいを有している計算です。
そして「その障がい者には親や家族がいます」と渡邉氏。
単純計算で全人口の5人に1人は障がいと共に生活している人たちなのです。
またセクシュアリティマイノリティを意味する「LGBTQIA」の当事者層は9.7%。ここ数年でセクシュアリティマイノリティの存在は急速に認知されていますが、企業では依然男性・女性の考えしかなく、知らずに相手を傷つけてしまうことも多くあります。

こういったマイノリティの人々と共に働くというひとつの形が、アイエスエフネットでの「ダイバーイン雇用」です。
ダイバーインとは、多様性を意味するダイバーシティと、受け入れるという意味のインクルージョンを掛け合わせた造語とのこと。多様な個性を受け入れることを目指した言葉です。

なぜダイバーイン雇用をするの?

ダイバーイン雇用を始めたきっかけは、会社を立ち上げたときに「無知識・未経験者の採用から始めたこと」と言います。
IT知識がなくても応募できるため、多くの応募があり人柄で選ぶことが出来たと話します。
しかし、採用した社員が決まった時間通りに出勤をしなかったり、勤務中にずっと寝ていたり…人柄は真面目で良い人ばかりなのに何故だろう、と渡邉氏は不思議に思い、根気強くヒアリングをしたり病院に通うよう促したそうです。
すると問題行動のあった人たちの9割に病気など何らかの原因が判明したと言います。
その人自身の意識の問題ではなかったのです。

障がいのある人たちに配慮し、働きやすい環境を整えることは簡単ではありません。
しかし「そういった方々は環境を整えたら、上手くパフォーマンスを発揮することができる」と渡邉氏は言います。
「人材」から「人財」へ変わったのです。
現在では、場合によっては専門医師と協力し、原因を突き止める体制が取られていることを紹介されました。

さらにアイエスエフネットでは、多くの女性社員も活躍しており幹部クラスもたくさんいます。
女性は、家庭と仕事の両立が難しく、出産や介護などのライフイベントにより仕事を辞めパートになる方が多いです。
「(学生たちに)就活をするにあたって、育休制度などは必ず確認してください」と渡邉氏は言います。
一定の基準を満たした子育てサポートに取り組んでいる企業に対して、国が認定した「くるみん」マークがあるかなどを調べたり、採用担当の人事に聞いてみるのもよいとコツを伝えました。「給料の良い企業に入社しても、辞めてしまっては意味がない」と生涯年収を考えることの大切さを伝えました。

渡邉氏は「根気強く傾聴し相手を知れば、どんな方でも問題なく仕事ができます」と力強く言い、「皆さんがこれから社会人として経験される中で、マイノリティとマジョリティという壁を取っ払って色んな方に目を向けていくことが大事です」と学生たちに語り掛けました。

学生たちによる質疑応答

講演後には、質疑応答の時間があり、学生たちから手が挙がりました。
「会社の施設で合理的配慮をしている例を教えてください」という問いには、渡邉氏が「群馬県沼津市では身体障害者用の車を3台購入し、トイレをバリアフリーにしました。東京では配慮されているところも多いですが、地方ではまだであることが多いです」と回答されました。
マイノリティとマジョリティ、障がいがある方との付き合い方など学生たちにも気付きの多い講演となりました。

2024年3月19日

「受験生の悩みを解消する缶」って?東洋製罐とのコラボ授業で学生のプレゼンテーションが行われました。

12月11日に人間社会学部(担当:人間社会学部現代社会学科 篠﨑香織教授と吉田雅彦教授)の授業で、東洋製罐株式会社(以下、東洋製罐)との特別コラボが行われました。「受験生のお悩みを解消する缶とは?」をテーマに、学生たちはグループワークで事前にアイディアを考え、この日は企業の皆さまの前でプレゼンを行いました。

缶はリサイクル率90%以上!

授業の始めに、東洋製罐テクニカルセンター技術開発統括部の黒沢高博氏から会社の紹介がありました。
東洋製罐は100年以上前に缶詰用の缶を作る会社として創業されました。一般消費者向けではなく、食品や生活用品などを取り扱っている企業に商品を販売しているBtoB企業です。現在は缶詰の缶だけでなくビール缶や様々な容器も製造しています。
「容器というのは単純な工業製品ですが、中身が漏れたり腐ったりしてはいけない」と黒沢氏。
機能はもちろん、買ってもらいたくなるような形状を考える感性も大事と話しました。

缶はアルミもスチールも93%以上と高いリサイクル率を誇ります。
CO2排出の観点からも、学生たちに正しい分別を促されました。また、掲げているスローガンとして「SDfOs(Sustainable Development for Others)」と言う言葉をあげ、「自社のためだけでなく周りのひとや社会、環境を考え開発するという意味」と説明されました。

受験生にもホッとする時間を

いよいよ学生たちのプレゼンです。

最初の発表はマーガレットチームから。
使い捨てアイマスクを入れ、睡眠の質を上げられる缶を提案。学生たちが受験生のとき、勉強で目が疲れたり不安で眠れなかったりといった実際の悩みから、ほっとする時間を提供したいと考えました。

2番手はラテチーム。
寝不足やストレスで肌が荒れる、スキンケアの時間がないという悩みに対し、おみくじ付のフェイスパックを缶に入れることを提案し、パックは顔に付けながら勉強もでき、モチベーションアップにつながるとしました。

発表後には企業の皆さまからコメントをいただきました。
「缶に入れると直射日光を避けられるという、パックを缶に入れる理由もしっかり考えられていた。勉強の邪魔をしないというのも良かったです」と感想をいただきました。

次のぶどうチームは、面接に臨む受験生向けに考案。
実践女子大学は推薦など面接を伴う受験が多いことに着目し、過去問題や実際に面接で聞かれた内容、大学生の日常が分かるメモなどを詰め込んだ缶を提案しました。

コメントでは「実際に皆さんが面接を受けた時の不安を、上手く中身に繋げアイディアにしていた」と感想がありました。

睡眠&お風呂の時間も有意義に

枕チームは受験勉強の時に仮眠ができる、簡易枕を缶に詰める案を発表しました。
受験勉強中の仮眠は罪の意識を感じやすいですが、寝た方が集中力は回復し効率的に勉強できることもデータで示していました。

次のおふろチームはお風呂の時間も有効活用したい受験生向けに、お風呂時間でリラックスしつつ勉強もはかどるように防水の紙でできた単語帳と入浴剤のセットを考案。

コメントでは「最近受験を経験した皆さんならではのアイディア。細かい所までよく考えられていました」と感心のコメントがありました。

絵馬や音楽で応援!

ハチチームは、アンケート結果から受験生はお守りを買うなどの神頼みをする傾向があると分析。
缶に絵馬を入れ、書いてもらった絵馬をかけられる場所も用意し、絵馬には渋谷キャンパスにちなんでハチ公の絵を入れることを提案しました。

ミュージックチームはリラックスできるオリジナルミュージックで受験生を応援したいと、実際にAIを駆使して自分たちで音楽を制作。
缶の中にはQRコードを入れ、読み取ると音楽が聴ける仕組みにしました。

企業の方からの感想では「缶に入れるものとして音楽に着目したことが斬新」とコメントがありました。

続いてのおもちチームは受験の不安を和らげる香りに注目。
バスボム、ホワイトボード用のペン、サシェを缶に詰めました。缶の側面に特殊な加工を施しホワイトボードとして使うことも提案。ペンで目標を書くなど、缶を開けた後も有効活用できるように考えました。

目標達成するために

ごうかくんおまもり隊チームは、受験当日の忘れ物への不安を解消する持ち物セットです。
鉛筆と消しゴム、時計とお守りを詰めます。側面には学生たちが考えたオリジナルマスコットキャラクターをプリントし、受験生を応援します。

発表後のコメントでは「自分の受験期にあったら安心したと思う」という感想もありました。

最後のさくらチームは貯金箱を提案。
合格後に使うお金を貯めるもので、側面には木のイラストをあしらいます。中には桜のシールを入れ目標を書き、その目標が達成したら木に貼っていくことで満開になる仕組みです。目標達成を見える化し、受験期のモチベーション維持に繋がるとしました。

使う場面を考えてアイディアを出す大切さ

全チームの発表後に黒沢氏から総評をいただきました。

「使う受験生のことをきちんと考えているという印象を受けました。ちょっとした後押しが力になるという実感から来ていると思います」と話しました。また、モノを消費するだけでなくそれを使ってどのようなことができるかという「コト消費」が考えられていたと評価。

「モノ消費からコト消費を考えるのは企業でも難しいと言っているところ。そこがしっかり考えられていて素晴らしかったと思います。」と感想をいただきました。

企業の課題に真剣に向き合い、それぞれのメリットも考えられた多種多様なアイディアが出たプレゼンとなった貴重な機会となりました。

担当教員からのメッセージ

 Can詰めプロジェクトは二年目を迎えました。今回は、東洋製罐より黒沢様をはじめ、基盤技術開発部より尾崎紗代子様、メタル技術開発部より西純平様、岡本吏香様にお越しいただき、学生に近い目線と、社会で通じるかという視点からコメントならびに審査をお願いしました。

 テーマに含まれている「受験生の悩み」は、履修者全員が経験してきたことであるため、困りごとは次々に思い浮かぶものの、それをどのように解決するのか、さらに「缶」を使う意味も含めて検討するのに苦戦していました。アイデアを根拠とともにまとめて、人に伝える、履修者にはこの訓練を引き続き重ねて欲しいです。

 東洋製罐の皆さまと学生による相互評価の結果好評を得たチームのアイディアは、東洋製罐社にて缶詰にしていただき、本学のオープンキャンパスにて配布する予定です。

 東洋製罐の皆さま、吉田先生、ご協力ありがとうございました。

篠﨑香織教授
吉田雅彦教授

担当教員からのメッセージ

 1年J組の演習Ⅰ(後期)の授業は、クラス21人が4人程度のグループに分かれて、2つのテーマを学びました。
 1つは、グループで、ZARA 渋谷公園通り店 タワーレコード渋谷店 ディズニーストア渋谷公園通り店 渋谷ロフト 無印良品 渋谷西武の中から、レポートのテーマにする企業を一つ選ぶ。一人ひとりがレポートのリサーチクエスチョンを考えて、Webで調査をし、結論の仮説を書く。グループで、実店舗を見に行く。一人ひとりがレポートを仕上げ、内容を解説するPowerPoint資料を作り、わからないことをグループで聴きあったり教えあったりする。クラスの人たちに向かってプレゼンして欠点を直すというものでした。基本的には一人ひとりで考えて調査して発表する内容でした。
 もう1つが、F組との共同で「受験生のお悩みを解消する缶とは?」を考えて発表するグループワークでした。アイディア出しからプレゼン資料の作成、発表の分担・段取りという過程を、1人ではなくてグループで行いました。複雑なコミュニケーションをチームで行いながら、目標を期限までに達成する訓練になったと思います。また、企業の方や、2クラスの大勢の学生の前でプレゼンする緊張感を経験したことも良かったと思います。
 このように、1人ひとりでレポートを仕上げてプレゼンする訓練と、チームで何かを達成する訓練の両方を体験できたことは、学生にとって良い機会でした。東洋製罐さま、篠﨑先生に感謝いたします。

2024年3月8日

高大連携で高校生もアイデア創出にチャレンジ!「グローバルキャリアデザイン」の授業でVISITS Technologies株式会社とのコラボワークショップが行われました。

1月5日に「グローバルキャリアデザイン」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業でVISITS Technologies株式会社(以下、VISITS Technologies)とのコラボワークショップが行われました。この授業は高大連携で行われ、本学併設校の実践女子学園の高校3年生も参加。高校生と大学生で協力し、デザイン思考のプロセスを体験しながら新しいアイディア創出のグループワークが行われました。

高校生も一緒にグループワーク

この日は、30人ほどの高校生も参加。この春から本学に進学予定の実践女子学園高等学校の3年生です。くじ引きで大学生と高校生が一緒のグループになるよう全部で11グループに分かれ、授業が開始しました。
VISITS Technologiesの野村博之氏の声掛けで、まずは自己紹介が行われました。「大学生はリーダーシップを取りつつ、高校生たちも気後れせずどんどん発言してくださいね」と促され、最初は緊張した様子の高校生たちからも笑い声が上がる班もありました。

イノベーションは「つなげる力」

VISITS Technologiesはデザイン思考力アセスメントの開発・運用を行っており、大手企業や政府とも連携している注目企業です。日本では「論理的思考力(ロジカルシンキング)」を重視して教育やビジネスが行われてきたと言います。しかし海外では20年ほど前からデザイン思考力に注目が集まっており、多くのイノベーションが生み出されています。イノベーションを一例で説明すると、スマートフォンが代表例です。なぜなら「体験が変わった」から。例えば、電車の中での過ごし方は、昔は新聞や本を読むのが一般的でしたが、現在ではほとんどの人がスマートフォンのを操作をしています。

野村氏は「イノベーションはこれまでなかった組み合わせによって新たな価値や体験を生み出すこと」だと話しました。何かを創り出すには才能だけではなく、この「つなげる力」が重要。そのアイディアを生み出す時に利用される手法の一つがデザイン思考なのです。

新しいショッピング体験を考えよう

いよいよ「デザイン思考ワークショップ」の開始です。

今回は「未来のショッピング体験」を考えることで、デザイン思考のプロセスを体験します。まずは大型ショッピングモール、ECサイト、コンビニのそれぞれの良いところを考えます。学生たちは付箋に1つずつできるだけ多くを書きだし、グループの中で発表し合いました。ショッピングモールなら「まとめて買い物できる」「一日楽しめる」、ECサイトは「中古品も買える」「口コミが見られる」、コンビニなら「家から近い」などなど。様々な意見が出そろいました。

そして、自分たちがどのサービスを新しく考えるかを決め、コンセプトを話し合います。例えばコンビニを選んだグループであれば、ECサイトやショッピングモールの良いところを掛け合わせた「口コミの見られるコンビニ」というようなコンセプトになります。野村氏は「自分たちがそれを使いたいか、ワクワクするか、誰が喜ぶかを考えてみてください」と決めるときのコツを伝えました。

話し合いをしながらグループごとに模造紙にアイディアをまとめていきます。大学生は高校生に「どう思いますか?」など促し、上手に意見を引き出していました。

未来のECサイトはこうなる!

あっという間に時間は過ぎ、いよいよ発表。発表は教室内を2つのスペースに分け2グループずつ同時に行われました。

グループFは「実際に商品を試せるECサイト」を考えました。
チャット機能で店員の説明を聞けたり、化粧品などは試供品を無料で試せなど、購入前に商品を確認できるサービスです。

野村氏は「ECサイトは着心地や質感などが分かりにくい。かゆいところに手が届くサービスだと思います」とコメントされました。

グループCは「仮想空間で直接触れることができるECサイト」を提案しました。VRゴーグルを活用し、空気圧を使い触った感触を再現する技術を使うことを考えました。

野村氏は「実際に触感の分かる技術が出てきている。地方の人も助かるアイディアだなと思いました」と話しました。

新しい技術も取り入れて

グループBは「映画が観られるコンビニ」を発表。
コワーキングスペースのように設置し、コンビニ商品を購入すれば映画代に充てられるシステムも考案。映画館では声が気になってしまう子ども連れや障害のある方、推し活にも利用できるとしました。

「家では集中できない小さい子どもがいる家族連れにも良いですね。マネタイズもしっかり考えられている」と野村氏も評価しました。

グループAは「後悔しないショッピングモール」として、商品についているQRコードを読み込むことで、モール内の類似商品を比較できるシステムを考えました。

野村氏は「服はブランドごとに販売されていて比較が難しい。値段やサイズなど比較できるのは便利ですよね」と話しました。

最後のグループGは「一緒に買い物ができるECサイト」です。
離れたところにいる友人や家族と画面共有して、相談しながら買うことができるというものです。割り勘でプレゼントを買う時や、お揃いのものを買う時などに活用できるとしました。

野村氏は「ネットの買い物でも誰かに相談したい時はあるのですごく良い機能だと思いました」と話しました。

全グループの発表が終わると、野村氏は「皆さんの中には、創造力が必ず眠っています。皆さん自分の中に創造力はあると思って、世の中を変えるアイディアや新しいビジネスのアイディアを生み出して欲しいです」と語り、授業は終了しました。

新しくアイディアを生み出す体験することのできた、貴重な機会となりました。

担当教員からのメッセージ

今、社会で求められている「デザイン思考力」この学びを深めること、そして高大連携プログラムの試みとして、毎年実践女子大学キャリア教育科目「グローバルキャリアデザイン」と、春から実践女子大学に入学予定の実践女子学園高等学校の3年生とのコラボ授業を継続しています。参加メンバーには、昨年12月にあらかじめ「デザイン思考力アセスメント」を受検してもらっています。
大学生は、積極的にリーダーシップを発揮してもらい、高校生には一足早く大学での授業を体験して貰おうという試みです。今回のプレゼンも、まさにZ世代の極めて柔軟な発想が随所に見られ、参加し学生、生徒のこれからのさらなる成長がとても楽しみです。まさに「大学生」と「高校生」のタッグで最強のイノベーションが起こる予感がします。アセスメントから本授業までご支援をいただきましたVISITS Technologiesの松本様、野村様、今井様に心から感謝申し上げます。

2024年3月8日

関係人口を創出するには?「実践キャリアプランニング」の授業でJALとコラボし、学生たちがプレゼンに臨みました。

共通教育科目「実践キャリアプランニング」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、日本航空株式会社(以下、JAL)との特別授業が行われ、学生たちは12月に2週に渡りプレゼンテーションに臨みました。テーマは「地域活性化をするため関係人口を創出する取り組みとは」です。学生たちはそれぞれ地域を決め、グループワークを通して企画を考えました。JALからは産学連携部の田中優子氏と吉村真紀氏、オペレーションコントロール部の荻原千紗氏の3名が来校され、学生たちのプレゼンを興味深く聞かれていました。

観光だけじゃなく地元に関わるか

最初の5班は新潟県での企画を考えました。
米の産出額1位の新潟県は、カレー専用米を作っていることに注目。地元の食材を使用したカレーを作りイベントを開催し、JALでコメ作りツアーも実施します。子ども食堂や高齢者施設などにも提供することを提案しました。

発表後はJALの皆さんから講評がありました。田中氏は「子ども食堂や高齢者との関係を重視して、地域に関わる意欲が見えました」とコメントされました。

次の2班は、兵庫県の但馬地域を選びました。
温泉が有名な地域ですが、宿泊施設などの人手不足が深刻です。そこでリゾートバイトの形で2週間ほど滞在し、観光施設の手伝いや町の魅力を発信することを提案しました。観光客とは違う目線で地域と関わり、地元の人とも交流することができるとしました。

荻原氏は「労働人口を増やしたいという考えが良いなと思いました。リゾートバイトに行った人が地域の良いところを見つけ、それを発信できるのは良いですね」と感想を伝えました。

身近な地域をどう活性化する?

3班は、本学の日野キャンパスがある東京都日野市を選択。
市の総人口が減少しており、空き家が全国平均より1.3倍多いという課題に注目しました。空き家をリノベーションして、シェアハウスを経営することを提案。庭で家庭菜園を行い交流の場にすることを企画しました。

田中氏は「ESGの考えを自分に引き当てて地域を考えるというのが素晴らしい」と話されました。

12班は、メンバーが行ったことがある県の候補の中から宮崎県を舞台に選びました。
宮崎県は観光地が南北に離れていて、移動が大変という課題を挙げました。そこで地元の人に観光名所を教えてもらったり一緒に巡ったりするツアー式の方法を考案。また宮崎県は雨量が多い時期もあり、その影響を受けて傷がついた食品もあることから、それらを安く販売することを提案しました。

吉村氏は「目を見てプレゼンしていて、伝わってくるものがありました」と評価しました。

美味しいご当地食材を食べよう

10班は、ラーメンで関係人口の創出にチャレンジ。
ご当地ラーメンを巡れる「ラーメンガチャ旅」を考案しました。山形県、北海道、山梨県など有名なラーメン店がある県をランダムにツアーにし、それぞれの県でラーメンを食べ、観光もしてもらうという案です。

荻原氏は「行き先がランダムに決まるので興味が薄かった県に行くきっかけになる」と興味を持っていました。

前半ラストは6班。新潟県の弥彦村にフォーカスしました。
新潟県は米だけでなく枝豆の作付けも全国1位とデータを示し、風味豊かな枝豆を作っている村に1泊2日で行くツアーを提案しました。周辺の観光地巡りのほか、枝豆の収穫体験やつかみどり、皮の調理方法を学ぶ料理教室など枝豆を中心にした企画を考えました。

吉村氏は「枝豆にフォーカスしていることで分かりやすく、プレゼン力の高い発表でした」と感想を話しました。

まずは知ってもらうこと

後半のトップバッターは7班から。
生協のようなスタイルで給食を配達し、地方の郷土料理から興味を持ってもらうことを目的とし、全国の給食配達サービスを考案しました。ターゲットは地産地消をしにくい首都圏の人々。給食は栄養バランスが考えられており、日本の和食は世界遺産にもなっています。食料自給率が低い日本の食材を食べる意識付けにもなるとしました。

吉村氏は「ターゲットを都心の人にしたのがいい。孤食の問題や共働きで自炊をしない層にもアピールできるのでは」と評価しました。

次の9班は、宮崎県をチョイス。班のメンバーの出身地です。
まずは若者をターゲットにPR動画コンテストを提案しました。宮崎県の知っていることやオススメすることについて動画を作成→SNSにアップし、優秀作には牛肉やマンゴーなど宮崎県の特産品をプレゼントするという企画です。また、空き家を活用したワーケーションなども行うことでその行き来にJALの利用も促しました。

田中氏は「メンバーが一緒に出身地について考えるのが良いですね。関係人口を増やすにはまず知ってもらうことが大切」とコメントしました。

佐賀の魅力を届けよう

8班は佐賀県に注目。
魅力度ランキングが低いと言われていますが、玄界灘や有明海でとれる海鮮は人気が高く、有田焼の大会には世界中から人々が集まってきます。そこで、『おてつたび』という手伝いしながら旅をする取り組みとコラボして、地元の漁師や店を手伝う企画を考えました。『おてつたび』では交通費が出ないため、JALが連携し交通の援助をすることも提案しました。

吉村氏は「『おてつたび』という既存にあるシステムと新しい発想を繋げるるというのは、これから求められる能力」とコメントしました。

4班も佐賀県を取り上げました。
佐賀県は魅力度が低いと言われますが、実は佐賀牛など特産品の効果からふるさと納税は上位にランクインしています。そこで2泊3日の佐賀県ツアーを企画。例年10~11月に開催されているバルーンフェスタに合わせて、気球試乗や酪農体験、焼き物体験ができるスケジュールを考えました。メンバーは実際に佐賀料理が食べられる渋谷にあるレストランにみんなで行き、郷土料理も実食したと話しました。

吉村氏は「実際に食べてみたと言うフィールドワークの説得力がありました」と感心されました。

JALが乗り入れてない地域こそコラボを

次の1班は、山梨県を選びました。
山梨県には空港がなく「JALの航空便が飛んでいないからこそJALとコラボする意味がある」と発表を始めました。知識があるシルバー層と、金銭的・時間的に余裕がない子育て世代が相互協力することを提案。寺子屋JALを開設し、宿題の指導やものづくり、JALの人と協力して英語教室を行うことを考えました。

田中氏は「教育に焦点を当てて考えたのが素晴らしい。地域住民が充実感を得られることが良いですね」と話しました。

最後の11班は、富山県でグルメフェスを開催することを提案しました。
初夏は甘えび、冬はカニなど豊かな食材が獲れることをPRし、観光客の増加を目指します。またグルメフェスを通し地域コミュニティも活性化できるとしました。富山県にはJALの乗り入れ空港がないため近隣県のファミリー層をターゲットとしました。

荻原氏も「私も行ってみたいと思いました」と興味をひかれていました。

継続していける企画を考える大切さ

授業の最後には、前半・後半それぞれのプレゼンの中から優秀賞が選ばれました。
前半は5班、後半は4班が選ばれ、学生たちには賞状と、賞品としてJALのキーホルダーやパスケースがプレゼントされました。学生たちからは「自分たちで一から考えて頑張ったので、表彰していただき嬉しいです」と喜びの声が聞かれました。

吉村氏は
「どの班も甲乙つけがたかった。今回の発表を良い経験にしてください」とコメント。
荻原氏も
「時間がない中チームワークを発揮してくれたことに感謝しています。私自身楽しく、皆さんの発想を聞けてとても良い機会になりました」と刺激になったことを話されました。

最後に田中氏が
「関係人口を増やすアイデアを考えるのは難しかったという皆さんの感想はそのとおり。その難しい難題によくチャレンジしてくれたと思います」と学生たちの努力をねぎらいました。そして「関係人口の創出は、1回限りでなく継続していくことが難しい。貢献していけるか、やりがいがある企画か、喜びを感じられるかということが継続していく秘訣。これから就活に向かう中で、こうした考えを頭に置いてくれると嬉しいです」とこれから就職活動を行う学生に向けてアドバイスをされ、コラボ授業を締めくくりました。

担当教員からのメッセージ

日本航空様とのコラボは3年目、毎年、様々な視点からのお題を提示いただき、学生たちは真剣に向き合いながら、社会課題に対する視野を広げたり、日本航空様に関する事業領域の広さを学びつつ、学科の学びとの接続を考えてくれています。幅広い領域を学ぶ学科であるだけに、こうしたキャリア教育科目でも、学科の学びとの親和性を大切にする必要性を感じています。今年も、レベルの高いプレゼンテーションが多く、短い時間にも関わらず、ベストを尽くしてくれたことは素晴らしいと感じました。毎年、多くの気づきに繋がるテーマ設定をいただき、また、沢山の社員の方にお越しいただくなど、日本航空様のご配慮に心から感謝申し上げます。

2024年3月7日

ライブ配信アプリの女子大生利用者を増やすには?「ビジネスプランニング」でDeNA×クロス・マーケティンググループとのコラボ授業が行われました。

1年生対象の「ビジネスプランニング」(担当:生活科学部現代生活学科 上野亮助教)授業で、株式会社クロス・マーケティンググループ(以下、クロス・マーケティング)と株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)とのコラボ授業が行われました。テーマは「女子大生のPocochaの利用を増やすための施策の提案」です。学生たちはグループワークで企画を考え、1月10日にプレゼンテーションに臨みました。企業の方々もオンラインで参加してくださり、直接講評をいただきました。

女子大生がPocochaをたくさん使うようになるには?

『Pococha』はDeNAが運営するライブコミュニケーションアプリです。
誰でも「ライバー」と呼ばれる配信者になることができ、「リスナー」と呼ばれる視聴者とコメントなど双方向でコミュニケーションを取れることが特徴です(Pocochaの利用は18歳以上)。利用者の年齢層は幅広く、男性の割合が高め。ライバーは、ライバーとしてのランクや毎回の配信の盛り上がりに応じて、報酬を獲得することができます。無課金でも十分楽しめる仕組みで、初心者でも簡単に始められるアプリです。今回は、女子大生の利用者を増やす企画を考える課題が学生たちに出されました。

当日はクラスを半分に分け、2か所同時に発表が行われました。
それぞれに企業の方もオンラインで参加。各グループのプレゼンとクロス・マーケティングの小川氏と前口氏、DeNAの山本氏の講評をレポートします。

ライバーとリスナー どっちを増やす?

1班はライバーを増やす案として、若い女性も安心して参加できる「企業が全面サポートするファンミーティング」を提案しました。ファンミーティングは個人で行うにはハードルが高いもの。企業主催であればセキュリティも整い、女子大生が参加しやすいと考えました。
発表後の質疑応答では「実際に行うならどんなイベントを想定していますか」と問われ、学生は「有名になりたいという女子大生がファンミーティングすることでリスナーとの距離が近づけるイベントを想定しました」と回答しました。

2班はリスナーを増やすため、シニア配信者に注目。
一人暮らしの20代女性のうち8割が「食事は誰かと食べたい」と回答しているアンケート結果に着目しました。祖父母と孫をイメージした広告をSNSで流したり、シニア配信者をピックアップできるタブを作ったりという案を出しました。

「皆さんは実際にシニア世代の配信を見たいですか」と質問され、学生は「若い人は飽和状態なので年齢を重ねた人の話を聞きたい」と回答。また、「今皆さんがさみしいときにしていることと、配信を見ることはどう違いますか」といった質問には「第三者だからこそ話しやすいこともあると思うので、悩みを打ち明けられると思います」と回答しました。

Pocochaでデビューを目指せ

3班は、Pocochaは報酬システムが安定していることに注目しました。
ミス・コンテストを企画し、期間内の配信数やアイテム数でランク付けします。上位のライバーは事務所所属や、化粧品など賞品を用意します。

質疑応答では「実際にやってみたいですか?」と問われ、学生は「自宅で配信できるのでやってみたいと思って企画しました」と回答しました。また「化粧品はどんなものをもらったら嬉しいですか」と質問され「プチプラでもブランド品でも、お試しできるのは女子大生には嬉しいと思います」と答えていました。

4班は、リスナーを増やす案。
若い女性はダイエットに敏感です。DeNAの子会社であるDeSCヘルスケア株式会社が運営するダイエットアプリ『カラダモ』と連動し、ライバーと一緒に運動する配信を提案しました。

質疑応答で「どんな人の配信が見たい?」「どういった運動を想定している?」と質問され、「インフルエンサーの筋トレや、トレーナーの運動は参考になると思います」「自宅で行える運動。配信者から応援をもらえれば、双方向でコミュニケーションを取れるPocochaの強みを活かせると思います」と、学生たちは回答しました。

推し活したい女子大生を増やそう

5班は、Pocochaを初めて使う際の操作が分かりづらいと課題を挙げました。
そこでチュートリアルの充実を提案。ライバーがショッピングモールでコスメなどの実演販売することで身近に感じてもらえる案も考えました。

「網羅的にデータを見ていると思いました。ショッピングモールのユーザーをターゲットにするのは面白い視点」と感想をいただきました。

6班もリスナーを増やす方法を考えました。
サバイバルオーディションの開催を提案しました。オーディション参加者の配信を視聴することで投票できるシステムにし、ポイントがたまるとライバーと1対1で会話できる特典を考えました。

「ちゃんと女子大生の興味関心を引くだろうなと思いました」と講評があり、重ねて「その後Pocochaに定着させるには?」と質問されました。学生は「デビュー後もPocochaで配信することで、リスナーは推し活できると思います」と回答していました。

実体験をもとに具体的に企画を考えよう

全チームの発表後には総評をいただきました。
「女子大生ならではのアイデアもあり面白かったです。課題整理も丁寧でよく考えられていました。ただ、周りの友人や自分たちで取ったアンケートなど、もっと生の声を取り入れるとさらに良かった。企画を考えるときは自分にも覚えがあるな、という消費者としての体験が大切。実体験を反映できるよう考えてみてください」とコメントをいただきました。
また「皆さんが企画を考えるとき、イメージを持って作っているはずです。そのイメージを言語化し具体的な施策をより詰めていくと、聞いている人にも伝わっていきます」とアドバイスも。
最後は「素敵な企画を考えていただきありがとうございました」と学生たちの頑張りをねぎらわれました。

1年生でまだ企画立案も慣れていないなか、実際に企業が抱えている本物の課題に取り組んだ貴重な機会となりました。

担当教員からのメッセージ

 今回、この授業を履修し、実際にPBL(Project Based Learningのこと。課題解決型学習とも訳される、文部科学省が推進するアクティブラーニングの一種)にチャレンジした学生は学部1年生です。そのため、多くの学生にとっては、実際に社会で活躍する企業の皆様方を前に、自分たちの考えた内容を提案するのは、初めての挑戦であったと思います。本授業では、全14回の授業の前半の内に、グループワークを進める方法や様々な分析手法等、企業が提示する課題を取り組むに当たって必要なことについて、学修しています。その後、企業から出題頂いたテーマに取り組むことになります。
 今回の最終発表会では、これまでの学修内容を踏まえて、株式会社クロス・マーケティンググループ、株式会社ディー・エヌ・エーの両社から出題されたテーマに対し、学生ならではの視点や感性、考え方も取り入れながら、企画立案した内容を報告し、両社の皆様から、そのフィードバックを受けました。学生達が体験した企画立案、報告、フィードバックという、この一連の経験自体が大きな学修成果になったことと思います。今回、経験した内容は、実際に社会に出た後も活かせる内容です。学生達には、ぜひこの貴重な経験を活かした活躍をしてもらいたいと考えております。
 この度は、このような貴重な機会を頂きました、株式会社クロス・マーケティンググループ、株式会社ディー・エヌ・エーの皆様に、この場を借りてお礼を申し上げます。

2024年2月22日

「グローバルキャリアデザイン」の授業でクレディセゾンとカードの新しい可能性を探る特別コラボが行われました。 

3年生対象の共通教育科目「グローバルキャリアデザイン」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、12月22日に株式会社クレディセゾン(以下、クレディセゾン)とのコラボ授業が実施されました。学生たちはカードの機能やサービスを考えるグループワークを行い、短い時間で考えをまとめ、プレゼンを行いました。

金融系だけど自由な社風

クレディセゾンから谷口佑貴氏、野村早苗氏、上村郁美氏、金秋奈氏が来訪され、まずはそれぞれの自己紹介。
その後、戦略企画部の金氏から、一日の流れや仕事の内容の紹介がありました。

クレディセゾンは完全フレックス勤務制を取り入れ。
服装も自由で「金融系は厳しいイメージがあるかもしれないですが、自由に働いています」と金氏。
戦略企画部は、消費者にセゾンカードを利用してもらうためのアプローチ方法を考えることが主な仕事です。お客様に選んでもらうための割引サービスやポイント還元、キャンペーンを考え、社内外の人と打ち合わせを行っています。

クレジットカード会社ってどういう仕事?

クレジットカードは、消費者が加盟店で商品を購入する際にクレジットカードを利用し、請求日にまとめて利用額を支払ってもらうシステムです。
消費者は現金を持たなくて良くなり、ポイントや割引などのサービスを受けられるメリットがあります。
また、カードを利用できると消費者の購買意欲が上がる傾向が。加盟店はクレジットカード会社に手数料を支払う必要がありますが、売上が上がりやすいというメリットもあります。

普段使いのメインカードに選んでもらうには、他社に負けないプロモーションや安心安全なカードである必要があります。
クレディセゾンは新機能や業界初ということに力を入れており、今では他社でも出ているナンバーレスカードや縦型のデザインなどを打ち出してきました。
また表面に人気の有名人やキャラクターとコラボするなど、意外性のあるキャンペーンも。
金氏は「一番はお客様に喜んでもらえるように、使いやすいと思ってもらえるようにカード開発しています」とまとめました。

どんなカードがあれば便利?

ここで、谷口氏から本日取り組む課題の発表がありました。
テーマは「過去・現在・未来に自分が欲しいと思えるカードとは?」です。
学生たちは8グループに分かれ、それぞれ過去・現在・未来の3つから担当を決めました。
大学生になる前の「過去」、大学生の「現在」、社会人になった時の少し先の「未来」、それぞれのタイミングで便利であったり必要であったりする機能やサービスを考えます。

グループワークの時間は45分間。
学生たちはさっそく話し合いを始めました。
「サブスクや毎月ある出費がどのくらいか分かる機能は?」や「アプリのように送金や支払いが簡単にできると便利」などのアイディアや、「大学生らしいカードってなんだろう」というお題に「大学とコラボして学割の利くカードは?」「カードのデザインはスクールカラーで」などのアイディアを出し合っていました。
別のグループでは「デートの前ってお金がかかるよね」「カップルで使えるカードは?」など新しい視点の提案を探っていました。

お金の知識を知るサービス

あっという間に時間は過ぎ、いよいよ発表です。
模造紙に案を書き、ポストイットなどで補足をした簡易のプレゼン資料が出来上がりました。
発表は教室を2か所に分け、2グループずつ同時に行いました。

グループCは、大学生になる前に受けられる、お金の知識に関するサービスを挙げました。
大学生になるとお金を自分で管理する機会が増えますが、奨学金やクレジットとデビットカードの違い、リボ払いなど分からないことも多く、学校側などもあまり説明がないと指摘。
web上などで優しく教えてくれるサービスがあれば安心とまとめました。
上村氏は「就活時などはしていましたが、入学時に知りたかったという需要があるのは初めて知ったので、ぜひ前向きに検討したいと思いました」とコメントされました。

グループEは、マイデザインクレカを提案。
自分のスマホに入っている画像の中からお気に入りのものを選び、自分オリジナルカードを作れるものです。
自由にカスタマイズもでき、ライブ会場などに専用機械を設置することやSNSに投稿することでプロモーションを行います。
野村氏からは「すでにあるデザインから選ぶのではなく、自分で選びカスタマイズできるという案はすごく良い。プロモーションもよく考えられていました」と話されました。

カップルで使えるカード

グループFはマッチングアプリと連動したカードを考案しました。クレジットカードがあるという信用やサクラ問題に対応でき、価値観の合うマッチングが出来るとしました。また、エステや飲食店、旅行などデートで使うと割引が利くサービスを考えました。
上村氏は「カード会社が審査をすることを安心として使うサービスという発想は、今までなく面白かったです」と話しました。

グループGは海外旅行をする際、支払いタイミングでレートが分かる機能があれば便利と考えました。
また社会人になったとき、金銭管理の手助けになるような予算管理などのサービスがあると安心と発表しました。
野村氏は「クレジットカードを作る大きな動機のひとつは海外旅行。現地でレートが分かるというのはいいなと思いました」とコメントされました。

あっという間の授業時間でしたが、その場で考えをまとめ発表するという社会人に必要な能力を体験できる機会となりました。

担当教員からのメッセージ

クレディセゾン様には、毎年この授業で大変お世話になっております。今年も、インターンシップさながらの展開となり、学生も緊張感に溢れつつも、楽しくグループワークに取り組んでくれました。キャッシュレス化が進む中、他社との差別化も考えながらの事業戦略のことも勘案しつつ、ユーザーとしての視点も絡めつつの議論とプレゼンテーション、真剣な学生の表情が印象的でした。お越しいただいた社員の方からも、クレディセゾン様の社風が伝わっており、自由闊達に活躍されていることが窺われました。年末のご多忙のところご協力いただきましたクレディセゾン様に、改めて心から感謝申し上げます。