社会連携プログラム
SOCIAL COOPERATION PROGRAM
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2024年3月15日

子どもと触れ合える紙の遊びを作ろう!「幼児教育法」の授業で学生たちがシーイーシーの子育てアプリのコンテンツ製作に挑戦しました。

幼児保育専攻科目「幼児教育法」(担当:生活科学部生活文化学科 井口眞美准教授)の授業で、株式会社シーイーシー(以下、シーイーシー)との特別コラボが行われました。企業の社会貢献活動の1つとして開発中の子育てアプリのコンテンツを学生たちが考えます。学生たちは楽しくも真剣に作品作りに取り組みました。

ITシステム企業の社会貢献

子育てアプリ「at Claps(アットクラップス)」の企画者であるシーイーシーの橋本涼子氏が登壇され、まずは簡単にシーイーシーの会社の紹介がありました。「56年続く老舗のIT企業であるシーイーシーをなんで皆さんが知らないかというと、企業や団体に対してシステムを提供しているからです」と橋本氏が話します。日本を代表する製造業や金融業、物流、公共まで幅広い業界に対し、ITサービスを提供しているそうです。

現在の企業はただ利益を求めるだけではなく、社会に対して貢献することが求められているという背景を説明しつつ、「シーイーシーも積極的に社会貢献への取り組みを行っていますが、企業が成り立つには社会が安定している必要がある」と語る橋本氏。企業が社会に還元することで社会がよりよい方向に向かい、企業もより成長することに繋がります。 橋本氏は「社会貢献活動は従業員のモチベーションアップにも繋がります。私もその内の1人です」と、自分が行っている社会貢献活動にやりがいを感じ、企業に対しても誇りを持つことができる好循環があることを語られました。

母としての強い思いから生まれたアプリ

シーイーシーは地域活性化や医療支援、災害支援やスポーツ振興など多くの社会貢献活動に取り組んでいます。「子育ての課題を解決したい」という強い思いをもつ橋本氏が新たな社会貢献として企画されたのが、紙のおもちゃを手軽に印刷できる子育てアプリ「at Claps」だそうです。

そこまでの思いが生まれたきっかけは橋本氏自身の経験によるものでした。長女を出産後仕事と家事の両立に必死で、あまり子どもと遊ぶ時間が取れず、懐かなくなってしまった際、保育園の先生に「大変だと思いますが娘さんのことを見てあげてください」と言われたそう。当時のことを振り返りながら橋本氏は、「娘と一緒に過ごす時間を作ろうと決めたことがこのアプリを企画するきっかけでした」と語りました。また、2人目は未熟児での出産となってしまい、子どもはもちろん橋本氏の命も危ない状態に。今ではお子さんもすくすく成長しているそうですが、その時の経験から「社会貢献がしたい」という思いより強まったと話しました。

子どもと紙を使ったコミュニケーションを

「at Claps」は、紙のおもちゃを手軽に印刷できる子育てアプリ。「公園に行くよりも、家で娘と一緒に紙を使った手作り遊びをすると、すごく温かい時間が過ごせた」という体験がヒントになりました。紙で作った作品は残るので、部屋に飾っておくこともできます。たとえ時間は短くとも質の高いふれあい時間を提供するのが「at Claps」の目的とのことです。

また、手を動かすことで脳に刺激を与え、子どもの成長や学びをサポートすることもできます。保育園の先生からも知育系のコンテンツは人気が高いものの、なかなか集約されたものがなく探しにくいという難点があります。「弊社では、そういった知識が少ないので、今、幼児保育を勉強している皆さんからアイディアをいただきたいなと思っています」と橋本氏は学生へ期待を寄せました。

紙の遊びを作ろう

学生たちも「at Claps」のコンテンツ作りにチャレンジ。お題は「遊びで身に付くコンテンツ製作」です。子どもの対象年齢は3~8歳頃まで、紙を使った遊びであればなんでも可。例えば点をつなぐとイラストになる「点つなぎ」は順番通りに線をつなぐことで数を覚えられます。塗り絵では動物や果物などの名前を覚えたり、英語に親しんだり。頭を使う遊びとして、ちぎり絵や迷路もあります。いくつかの例の紹介があった後、学生たちに紙が配られました。

まずは「何にする?」「こういうのあったら面白いかも」などと学生同士で話し合いながらアイディア出し。アイディアが固まった学生から書き始め、最初は賑やかだった教室は徐々に静かになり、最後は全員真剣にコンテンツ作りに取り組んでいました。

たくさんのアイディアがコンテンツに

30分ほど製作の時間が取られ、最後に発表。一人ずつ作品を映しながら簡単に紹介していきました。
点つなぎのクリスマスツリー、着せ替え人形、間違い探し、クロスワードや神経衰弱、福笑い、塗り絵などなど。いくつかのものを春夏秋冬に分類するものや、水槽に好きに魚を貼って水族館を完成させるもの、具を盛り付けてラーメンを完成させるもの、時計の針を動かして時間を覚えるものなども。変わり種ではトンボ眼鏡や4枚のイラストを好きにつなげてお話を作るというアイディアもあり、まさに十人十色、様々なアイディアが飛び出しました。

発表後、橋本氏は感激の面持ちで、「ほんとうに皆さん素晴らしいアイディアで驚きました。必ずアプリに載せさせていただくので楽しみにしていてください」とコメントしました。著作権が譲渡されたコンテンツはシーイーシーが預かり今年の3月にリリースされる予定のアプリに掲載されます。

担当教員からのメッセージ

事前打ち合わせでは、橋本氏らと「一人で考えるのは難しいだろうから、グループでアイディアを持ち寄って作品を完成させよう」と計画していたのですが、学生一人一人が、予想以上に素敵なアイディアを生み出していく様子を見て、予定変更。各自でコンテンツを考案することとなりました。学生たちは、豊かな発想力、創造力、自己表現力等、幼児保育専攻の専門性を発揮し、コンテンツ開発に取り組んでいました。学生のみならず関わった教員共々、コンテンツ公開がとても楽しみです。

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