10月25日に「自己表現法」(担当:日本語コミュニケーション学科 髙瀬真理子教授)の授業で、アパホテル株式会社(以下、アパホテル)の代表取締役専務である元谷拓氏による特別講演が行われました。印象に残る自己紹介の仕方や、自己ブランディングの大切さについて語られ、学生たちは楽しく自己表現の大切さについて知る講演となりました。
アパホテルって知ってる?
元谷氏は「皆さんが就職活動やアルバイトの面接など、人と会う中でチャンスを増やせるような話ができればと思っています」と始められました。
元谷氏はアパホテルの創業者と社長の次男であり、現在は専務として多くの企業とコラボ商品を生み出しヒットさせています。元谷氏は学生たちに「アパホテルって聞いたことがありますか」と問いかけます。
学生の多くは利用したことはなくとも知っている名前。
ホテルは予約をする時に、まず検索エンジンで地名と共に検索されます。「そのとき表示されても、聞いたことがないホテルだと怪しいと思われて選択肢に入らないんです」と話し、名前を覚えてもらうことの大切さを伝えました。
元谷氏の仕事の功績として特に大きなものがホテルにあるプールの底に、企業や商品のロゴを大々的に描くなどを行うネーミングライツ事業です。
ポカリスエットやコカコーラ、タリーズなどの大企業や、味ぽんやバスロマンなど一風変わった商品ともコラボ。
それによりホテルの宿泊者がSNSに写真を上げ、その投稿により話題にしてくれるようになります。ネットニュースに取り上げられさらに広がっていくことも。
宣伝ということに触れ、「皆さんも自分をブランディングしていくというのが大事だと思います」と話しました。
コロナ禍にもめげない
コロナ禍では旅行・観光業界は大きな打撃を受けました。
ホテル業界も同じく大変な状況でしたが、その中でアパホテルは国の依頼を受け、新型コロナウイルス感染者(軽症者)を受け入れる「ホテル療養」の場所として全面協力しました。業界大手のアパホテルが協力したことで、その後他社ホテルもホテル療養に協力する流れができていったのです。
アパホテルは女性の応募が多いことも特徴。
女性社員が多く活躍しています。ホテルの仕事の主業務は接客です。
ただ、その他にも売上や予約の管理、清掃などのほか、フランチャイズ事業やIT、グローバル事業など様々な仕事があります。特にDX(デジタルトランスフォーメーション)には力を入れていて、アプリでワンステップ予約やチェックインができるシステムを構築しています。
アパホテルで大切にしているのは「TIME IS LIFE」。
お客様の大事な時間をいただいているという考えの元、貴重な時間にやすらぎを与えることを理念としています。
自分の強みを知り工夫しよう
元谷氏は活躍し続ける人の特徴を3つにまとめました。
1つ目は困難があってもリカバリーが素早くできること
2つ目は時流を読む力や情報収集能力があること
3つ目は常に学び続ける姿勢 です。
「現状維持は衰退です」と元谷氏。好奇心を持って行動することが大切と語りました。
また、工夫とは常に「工夫ズ」という複数形であると話します。
1回の工夫は自己満足に過ぎず、「チャンスは工夫した直後にもうひと工夫するところから生まれます」と語りました。
ここで元谷氏は、学生たちに近くの席同士でその人の良い所を伝え合うワークを行わせました。
「優しい」「笑顔がいい」など言葉が飛び交います。
元谷氏は「自分の思っている自分と相手の見ている自分は違います」と話し、「自分の知らなかった自分も含めて、自分の魅力に磨きをかけておくことが大事です」と伝えました。
爪痕をのこす自己紹介とは?
「人間は生涯で2万回自己紹介をする」と話します。
多い人では10万回に上るといいます。覚えてもらうためには「自己紹介は3秒でする」ことをアドバイスしました。
キャッチフレーズなど短い言葉で印象付け、また会いたいと思ってもらえることが大事だと話しました。「恥ずかしがっていたらもったいない。工夫して戦略的にすることでチャンスに恵まれます」と語りました。
最後に元谷氏は「応援される人になりましょう」と話します。
「応援される人は実力以上にチャンスが増えます」と言い、相手から応援したくなる人物になっているかという目線で自己プレゼンをすることをアドバイスしました。
そして「皆さんのこれからを応援しています」と講演を締めくくられました。
授業の最後に、元谷氏は沢山のお土産を学生たちに配ってくださいました。
面白いコラボ商品などもあり、学生たちも笑顔に。
また会いたくなる自己紹介をしよう
アパホテルに就職した本学卒業生の菅澤優花さんからも挨拶をいただき、
「今回は母校での講演に来られて良かった」と話されました。
学生たちは最後に感想を発表し、「自己紹介を3秒でというのが印象に残りました」というものや「時は命という考えが印象的で、時間はお金に変えられない貴重なものだと感じました」と話しました。
改めて自己アピールの大切さを知る機会となりました。