社会連携プログラム
SOCIAL COOPERATION PROGRAM
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2023年11月28日

女性が前向きに生きる秘策とは?「社会学概論」の授業でサニーサイドアップグループ社長の次原悦子氏による特別講演が行われました。

10月11日に、1年生対象の「社会学概論」(担当:人間社会学科 原田謙教授)の授業で、株式会社サニーサイドアップグループ(以下、サニーサイドアップ)の代表取締役社長の次原悦子氏による特別講義が行われました。さまざまなモノやヒトをPRして「たのしいさわぎ」を起こしてきた会社を起業した経緯や、女性が前向きに世の中を生きていくための秘策を明るく話されました。

17歳で起業!

学生たちは予習としてサニーサイドアップグループの企業サイトを見てくる課題が出ていました。
講演の前に原田教授から「サイトを見てどのような会社だと思ったか一言で表現してみよう」とアンケートが。集まったワードは明るい、楽しそう、おしゃれ、自由などポジティブな言葉が並びました。わちゃわちゃ、元気などの表現もあり、学生たちもすでにパワーを感じ取っている様子です。

登壇された次原氏も「今日皆さんに会えるのを楽しみにしてきました。
少しでも役に立てる話が出来たらいいなと思っています」と講演を始められました。

サニーサイドアップは、1985年に次原氏が若干17歳のときに創業されたPR会社です。
当初は朝から晩まで働き詰めでしたが、「自分が社会に参画できることがとても楽しかった」と言います。

マンションの一室で始まった会社は少しずつ大きくなっていき、1995年当時まだ無名だった中田英寿元サッカー選手らトップアスリートと契約。2005年には世界的ムーブメントとなったホワイトバンドプロジェクトを手掛け、最近では商業施設やさまざまな商品・サービスのPRを手掛けています。

   ※「黒子に徹する」という次原悦子氏本人の方針により、顔にめだまやきを載せております。

PR・ブランドコミュニケーションってどういう仕事?

次原氏は「PR・ブランドコミュニケーションという仕事は、世の中にまだ知らないモノやヒトを、付加価値を付けて知らせて話題にしてもらい、最終的には行動してもらう仕事です」と話しました。
伝達するだけでなく、その先の購買などのアクションに繋げてもらうことが目的です。

例えば、今は専門店もたくさんあるパンケーキもその1つ。
ハリウッド俳優が映画撮影の合間に食べにくる小さなカフェに目を付け、「世界一の朝食」と大々的に打ち出しました。

このキャッチコピーは「誰も言っていなかったのですがPRでは言える技です」と次原氏。
それまでパンケーキと言えば、日本では家庭でお母さんが焼くおやつだったものを「カフェのテラスで食べるおしゃれな朝食」というイメージを浸透させました。「PRは日陰の仕事ですが、今では皆が知っていることを仕掛けていたんです」と話しました。

女性が活躍する社会のための企業の在り方

「PRはメディアやニュースを使いますが、その手法を使って社会課題の解決にも取り組んでいます」と次原氏。
話題は女性活躍へ。
日本はまだまだ女性の社会進出が遅れていることが課題です。
ただ次原氏は「女性が活躍することで経済が動きます」と話します。女性が購買を決定する割合は7割と言われています。圧倒的に女性が買うものを決めているのです。
しかし、その売るものを決めるプロセスに女性がいないのはおかしいのでは、と次原氏は訴えました。

日本も2030年には役員に占める女性比率を30%以上にすることを目指しています。
現在は9.1%と、ハードルの高い目標ですが少しずつ頑張っています。
その中でサニーサイドアップは女性が社長であり、グループ全体で取締役の50%が女性とのこと。
全従業員でみても6割が女性と、女性が活躍している企業の筆頭なのです。

世の中をしぶとく生きるために

その中で次原氏は「女性が世の中をしぶとく生きていくための秘策」を12個、教えてくださいました。

1つ目は「自分にできないことを知る」。自分よりもできる人を見つけて頼ることが大切と話します。次の秘策は「忘れよう」で、「自分で思っているほど他人は気にしていません」と、くよくよ思い悩まないことも大事と話しました。
その他にも、「ご縁を作ってくれた人のことを忘れない」や「情報を効率よく入れよう」、「解釈を変えるだけで過去も変えられる」など、人生を前向きに生きていく秘策を惜しげもなく披露してくださいました。

目の前のことを一生懸命やる

講演後は質疑応答が行われました。
スマートフォンを使用した無記名のアンケート形式で「ちょっと直接聞きづらい質問」も募集。たくさんの質問が集まりました。
「ワークライフバランスはどちらを重視していますか」という質問に「どちらがどちらと考えていません。それぞれが必要なことで相互に影響しています」と答えられました。

「なかなか売上が成長しなかったときのターニングポイントは?」という質問には、「当時無名だったアスリートたちが活躍してくれたこと。でもそのアスリートたちへの繋がりも、そこまでに培った人間関係が作ったと思っています」と話されました。

就職に対する質問も。
「どんなスキルを持っていたら採用してもらえる?」には「リーダーシップが大事。小さなことでも自分からアクションできることがこれからの企業に必要」と回答。

「どんな行動をして未来を変えましたか」という質問には「起業した当時は未来の夢や目標はなかった。目の前のことに没頭し一生懸命にやっていたら、だんだん自分の道ができていました」と話しました。

第一線で活躍する女性の貴重な話を聞くことができ、学生たちも未来を考える力になった講演でした。

担当教員からのメッセージ

人間社会学部には、ジェンダー、SDGs、広告・PRにかんする授業がたくさんあります。こうした分野の最前線で活動されている次原さんは、未来をみすえた企業が実際にどのように「行動」に移しているのかについて、とても具体的に説明してくださいました。
また、17歳で起業した次原さんのライフコースから紡ぎだされた「女性が世の中をしぶとく生きていくためのTips」は、これからの学生たちのキャリアデザインにとって参考になるものばかりでした。授業終了後の学生のコメントをみても、とてもポジティブな表現に溢れていました。
ご多忙の中ご講演頂いた次原さん、本当にありがとうございました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

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