「実践プロジェクトa」(担当:髙橋 裕樹特任教授)で、7月10日にカルビー株式会社(以下、カルビー)とのコラボ授業が行われました。この日はカルビーのSDGsへの取組の認知度アップのためにできる施策について、プレゼンテーションを行いました。三者三様の特色のあるプレゼンとなりました。
折りパケ運動を広めよう
チームじゃるびーは「折りパケ運動」に注目。
折パケ運動とは、折りパケ運動とは食べた後の空きパッケージを小さく折りたたんで捨てることで、ゴミの嵩を減らし、ご家庭のゴミ袋の量を削減しよう!という運動です。
しかし、学生たちが行ったアンケートによると、折パケ運動について知っている人は8%ほど。カルビー公式チャンネルYouTubeの中でも折パケ運動関連の再生回数は少なく、認知度は低い状態です。
ただ、取り組んでみたいと回答した人の割合は80%以上と高く、潜在的に環境問題に関心があることを示しています。
そこで、コンビニとコラボして、折パケの回収ボックス設置を提案。ボックスは好きな味や新商品への投票などと連動させます。また新商品プレゼントなどの特典を付けることで回収促進も目指します。
プレゼン後にはカルビーの荒木氏から質疑応答があり、折りパケ運動に注目された理由を確認されました。学生たちは「子どもでも簡単にできるのに知られていないことが惜しいと思った」と述べ、実際に折パケをやってみた学生は「これをきっかけに続けられたらと思います」と話しました。
荒木氏は「コンビニなど他の企業を巻き込むのは面白い。環境問題は利害関係が生まれてはいけないと思うのでいっそ競合社と手を組むなども考えたい」と、考えが広がったことを話されました。
環境問題に関心ある若者に訴求するには?
チーム推ししか勝たんのターゲットは未就学児から小学生と、大学生。
学生は9割が環境問題を自分事と捉え関心があり、拡散力もあると説明しました。学生の一人は子ども食堂のボランティア体験から小学生も拡散力があると実感していると話しました。
若い世代に訴求するために新パッケージの提案。主力商品のポテトチップスの表面にSDGsのロゴを付け、環境配慮しているとわかるようなナチュラルな色合いにすることを考えました。
また、体験型フェスの提案も。お祭りの屋台のように各人気商品でブースを設置し、できたてを提供できる形で、使っている油など環境に配慮していることを伝えます。そしてZ世代の情報収集時に使うSNSの一つであるインスタグラムにも、環境への取組についての投稿をすることを勧めました。
荒木氏は「ターゲットがしっかり決められていて、構成が分かりやすくまとまっていたと思います」と話しました。「カルビーの内部では新パッケージの提案はなかなか出てこない発想だったので新鮮」と感心され、環境週間など期間限定で行うのは良いかもしれないと、「ポテトチップス担当部門にも伝えようと思いました」と案の面白さを評価されました。
学食でアピール!
最後のモノクロチームは、大学生がターゲット。アンケート結果などから、大学生の環境への意識は高く解決に向け関わりたいと思っているものの、日常生活がエネルギーや環境問題につながらず実感がないと分析しました。
そこで、学食とコラボしたイベントを提案。学食で限定デザインのポテトチップスを販売し、袋はリサイクルボックスに回収することで、学食の割引券がもらえるなどのメリットを提案しました。パッケージも大学生にも手に取ってもらいやすいカラーやイラストを考えました。SNSの活用方法として学食コラボのポテトチップスを投稿すると、抽選で割引券などがもらえる仕組みも考えました。
発表後、荒木氏は「学食というのは学生ならではの提案。非常にいい提案だと思いました。全国の大学でできたら力になりそう」と学生のアイデアに感嘆。一点、割引券などのメリットがないと環境への取組は難しいのかと問いかけ、学生たちは「興味がない人が環境問題に関心を持つきっかけにはメリットがあることが一番だと思う」と回答しました。
学びの多かったプレゼン
授業の最後には、学生一人ひとりずつ感想を話しました。
「この授業を受けるまで、例えば折パケ運動も知らなかった。他にも環境に対する取り組みは自分にもできることがあるのではないかと思った」
「皆のプレゼンを聞く中で、環境への意識はあるけど、なかなかアクションにうつせていなかった自分もいることに気付いた」
と、環境問題について考え直す機会になった学生も。
プレゼンについても、
「同じ課題なのに各チームで方向性も規模も対象も全く違い面白いなと思った。楽しみながらみんなの発表も聞けました」
「アイデアはパッと出てきても、なぜそれにしたかの根拠を見つけるのが難しいと実感した」
「皆で話し合うことの楽しさが知れた。皆違う意見を持っていて自分の考えも広げられた貴重な体験でした」
と、自分たちの力になったことを実感した学生が多くいました。
最後に荒木氏から総評をいただきました。
「カルビーの内部でも難しい課題でした。3チームとも違いがあって気付きがたくさんありました。真剣に取り組んでいただけて嬉しかったです」と話し、「楽しかったと言ってくれたのが非常に嬉しい。商品を作るときも自分たちが楽しまないと良い商品はできなかったりする」と語り、積極的に取り組む姿勢の大事さを伝え、授業は終了しました。