2月25日(土)に実践Well-Beingプロジェクト研究会(以下、JWP研究会)による「女子大生フォーラム「What is Well-Being~自分を輝かせるキャリアの描き方~」が開催されました。本フォーラムはJWP研究会の有志の学生が企画・運営を行い、実践女子大学のほか聖心女子大学や慶應義塾大学など7大学の女子学生が参加。ゲスト講師にEVOL株式会社代表の前野マドカ氏をお迎えし、ウェルビーイングについての理解を深めました。
JWP研究会の活動は?
はじめに今回の企画運営を行う5名の学生たちから、本フォーラムの説明がありました。
去年はSDGsについて学んできたJWP研究会。しかし不確実な未来を生きていく女性がキャリアを築き自信をもって人生を歩んでいくために、より自分自身に目を向けることが大切と考え、今年度はウェルビーイングへの学びを深めることを重点に活動してきました。
「本フォーラムでは、一年を通して学んだことを参加者に共有する機会にしたいと考えています」と開催の主旨を伝えました。
ウェルビーイングって?
まずJWP研究会の活動を通して学んだ「ウェルビーイングについて」の発表がありました。
ウェルビーイングとは、狭い意味での心身の健康だけでなく、「身体的、精神的、社会的に良好な状態であること」であると説明。ウェルビーイングが近年注目されている理由として、ウェルビーイングの研究が深まってきたことの他に、時代の変化とともに「モノの豊かさから心の豊かさへ」変化してきたことを説明しました。
ウェルビーイングはビジネスにおいても注目されています。企業が利益のみ追及するのではなく、働き方の多様化など働く人たちの幸福も追求するべきという考え方です。様々な場面で注目されるウェルビーイングについて、より理解を深めていこうというのが本フォーラムの目的です。
7大学の女子学生が交流!
ウェルビーイングの基礎知識が共有されたところで、フォーラムの目的の1つでもある参加者同士の交流を深める時間に。
3~4名に分けられたチーム内で、それぞれ自己紹介となぜこのフォーラムに参加したかを話しました。また、アイスブレイクとして運営学生が考案した漢字クイズが実施され、最初は緊張気味だった参加者の皆さんも徐々に楽しそうに会話を始めていました。
自分を輝かせるキャリアの描き方とは
続いて、ゲストの前野マドカ氏による講演が行われました。
JWP研究会では以前、ウェルビーイング研究の第一人者である前野隆司氏にお話を伺う機会があり、そのご縁でパートナーである前野マドカ氏に学生たちから講演を依頼しました。マドカ氏も隆司氏に感化され幸せの研究を始め、現在では幸せを広めるワークショップやプログラムを開発されています。
前向きな人は創造力や生産性も高く、周りに良い影響を与えるという研究結果があります。「幸せは移ります。皆さん覚えておいてくださいね」と前野氏。では幸せな人とはどんな人でしょう。それは夢や目標を持ち、多様な人とつながりを大切にして前向きに自分らしく生きる人のこと。
「やってみよう」「ありがとう」「なんとかなる」「ありのままに」が幸せの4つの因子です。
人間は、ないもの・苦手なもの・できないことに目が向いてしまう生き物。しかしそれでは幸せになれません。自分にあるもの、得意なもの、できていることに目を向けることが大切と言います。
「自分の良さや強みは意外と自分では分からないので友達や家族に聞いてみましょう」前野氏はアドバイスを送りました。
「Well-Beingダイアログカード」使った幸福度を高めるワークショップ
ここで、前野氏がグループに1枚ずつWell-Beingダイアログカードを配りました。幸福度研究に基づいて作られたカードにはそれぞれ問が書かれています。
例えば「自分にありがとうと言いたいことは?」「本気で取り組んでいることは?」「人生をかけて成し遂げたいことは?」など。
答えを考えることで自分自身の大切なことや軸について知ることができるカードです。グループごとで話し、他の意見を聞くことで幸福度を高めていきます。
対話は盛り上がり、自然と拍手が出るグループも。それぞれグループで対話したあと、感想を発表しました。
「自分にもいいところがあるんだと気づけた」という意見や
「皆違う答えだが共通点があった」などという感想が出ました。
「自己分析にもつながった」という気付きもありました。
女性のキャリアは自分で作っていける
最後に前野氏はキャリアについて語りました。
前野氏は「女性のキャリアはいかようにでも作れます」と断言します。せっかく築いたキャリアを、ライフステージが変わるたびに壊してしまうのではと怖れる女性は多いもの。しかしキャリアとは本当に好きなこと、わくわくすることを追い求めていくことでできていくと前野氏は言います。
起業することだってひとつの選択です。
「私も以前は専業主婦で、自分がいまこんな仕事をしているなんて想像していなかった」と語り、最初からキャリアを決めつけずに、やりたいことや夢をたくさん考えておくことが大切と話しました。
Well-Being宣言!
フォーラムの最後には参加者全員が「Well-Being宣言」を行いました。
自分自身にとってのウェルビーイングを考え、言語化できるようにします。
風船型の紙が配られ、それぞれの思うウェルビーイングを宣言。グループ内で発表し合います。全員分の「Well-Being宣言」は模造紙に貼り付け、可愛らしく飾られました。
最後に参加者から、
「自分から主体的に動こうと思った」や「やりたいことをやってみる、前向きに行動していきたい」などの考えや、
「自分に自信を持つという共通点がありつつ、そのなかでもそれぞれに違いがあった」という気付きがシェアされました。
前野氏は「自分をいい状態にすることを、しっかり考えてくれてとても嬉しいです。全員に応援メッセージを送りたい」と語り、女子大生フォーラムは終了しました。
企画・運営した学生たちの話
コロナ禍で先行きが見えず、人とのつながりが希薄な学生生活だったので思い出に残る活動がしたいと考え、ウェルビーイングという前向きな言葉に惹かれて研究会に入りました。
受け身の活動が多かった中、自分たちで主体的に行動したくて今回の女子大生フォーラムを企画しました。
他大学にも訪問し、チラシを置いていただくなどの宣伝活動を行った結果、想像以上にたくさんの方が参加してくださいました。
自分たちが頑張って開いた場で、皆が笑顔で交流しているのを間近で見ることができたことが何よりも嬉しかったです。
深澤晶久教授の話
2021年度に立ち上げた「JWP(実践ウェルビーイングプロジェクト)研究会」も2年目を迎えました。
2020年責任世代である私自身が、2050年責任世代である学生たちに、少しでも良い形でバトンを渡したい、そんな想いから辿り着いたのが「Well-Being」でした。その2年目の活動のファイナルイベントが、今回の「女子大生フォーラム」でした。企画から運営まで、まさにプロジェクト・マネジメントをやり遂げてくれた学生たちの姿に、大きな成長を感じるとともに、頼もしさまで身に着けてくれました。
この企画にお力添えいただいた前野マドカ様に、この場を借りて心から感謝申し上げます。そして、参加してくれた学生の皆さんにとって、さらにウェルビーイングな時間が沢山訪れることを祈ります。