社会連携プログラム
SOCIAL COOPERATION PROGRAM
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2023年5月24日

「女性とキャリア形成」の授業でアフラック生命の木島葉子氏から女性役員になるまでのお話を伺いました。

共通科目「女性とキャリア形成」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、アフラック生命保険株式会社(以下、アフラック生命)の木島葉子顧問をお迎えし、女性役員になるまでの経緯や大切にしていることについての講演が行われました。進行は担当のグループの学生たちが行うなど、学生主体の組み立てとなっており、講演後も積極的に質疑応答が行われました。

アフラック生命とはどんな会社?

木島氏は実践女子大学の卒業生。そして現在、実践女子学園の常務理事をされています。
「このような形で皆さんとお会いすることができて大変嬉しく思っております」と自己紹介が始まりました。アルバイトとスキーなどスポーツに夢中な大学時代を過ごしたと言い、
「女性のキャリアの話の冒頭にはふさわしくないかもしれませんが、大学生活は自分のやりたいことを自由にできる素晴らしい4年間です」と話しました。

今回進行を担当したグループの学生

就職活動をしてアフラック生命へ入社。当時はまだまだ小さな会社だったそうです。アフラック生命は、1974年に日本で初めてがん保険を提供する保険会社として誕生しました。がん保険は、がんに罹患された人々を経済的にサポートする「生きるための保険」です。来年50周年を迎えるにあたり「生きるを創る」というVISIONを掲げ、女性を含む人財の能力の発揮やダイバーシティ推進に取り組んでいます。

アフラック生命の推進するダイバーシティ

アフラック生命は創業時から役割や評価などの男女差はなく、1997年に生保業界で初の女性役員が誕生しました。しかし、2014年の女性の管理職は10%にとどまり、他社との差も無くなってきたため、女性活躍を推進していたとは言い難い状況に。
そこで目標を策定し、2025年までに部下のいる管理職の女性割合30%達成を目指しています。

育児と仕事の両立セミナーも積極的に開催。男性社員はもちろん、社外の配偶者も参加できるセミナーで、産休前や復帰後の働き方やキャリアを考えます。また男性の育休取得は100%を目指しており、取得時期はいつにするかなど上司の方から確認するようにして、育休を取りやすい環境を作っています。

働き方改革にも力を入れており、テレワークやフレックス制度も導入。
「重要なのは、こういった制度を育児や介護をしているなど限られた一部の社員が使うのではなく全社員が使うこと」と木島氏。さまざまな制度を組み合わせ、組織的に実践していくことが大切と話します。

危機時の対応で成長した

では木島氏がどのようにキャリアを築いていったのでしょう。
木島氏は「私自身のキャリアを話すうえで外すことができないのが危機時の対応です」と語りました。
2011年の震災の際は、翌日から業務を再開したものの、計画停電で継続に支障が出るという事態に。パソコンも電話も動かず、対応が困難になりました。ただ、そのとき物事の進め方や、やり方を決める判断材料をそろえることの重要さに気付いたといいます。

「危機時を経験することでだんだん不安は小さくなり、自信は大きくなっていきます」と木島氏。あの時大丈夫だったから今回もできると、困難にも主体的に取り組むことができるようになったと言います。
そして「主体的に取り組むことで、チームのサポートを得られることにもつながった」と話しました。

最後は気合!女性が活躍する社会へ

ただ、「キャリアをアップしていくとは、日々の積み重ねの結果である。」と話します。
必ずしも危機時の対応を経験しないといけないわけではなく、日々の仕事を真面目にやることが基本だと語りました。
「そして私が何より大切にしているのは、気合です」と木島氏。
何事も絶対にやりとげるという気持ちで、周りを巻き込み動かしていくのだと話しました。

経営など上に立つ一員として大事にしているのは、常に人に見られていることを忘れないということ。女性で役員を務めているのは日本ではまだまだ少ないため、ロールモデルとしての自覚を持ち恥ずかしくないように取り組んでいると言います。また、実践女子学園の理事になり、学園の精神である「女性が社会を変える、世界を変える」が自分の夢になったと言います。「100年以上前にこの考えを持っていたことに感動を覚えました」と話し、今の時代になんとしても実現したいと思っていると力強く語りました。

日本の女性の活躍推進はまだまだ道半ば。ただ、これからどんどん良くなっていくはずと言います。
「皆さんもぜひ自分の軸を持って頑張っていってほしいと思いますし、私も応援していきたい」と学生にエールを送りました。

自分のこれからに活かせる講演に

その後グループごとで感想を話し合い、木島氏への質問の時間が持たれました。
「男性がいない環境で育ち、強く言えないのですが、男性にも自分の意見を言えるようになるには?」という質問には
「私もどちらかというと黙っている方が好きなんです」と意外な回答が。
「ただ仕事をしているときは、役割を果すため自分のプライベートな性格は二の次だと思います。またそのための準備や練習をするなど、求められていることに対して自分はどう振舞えばいいかを考え実行することが大切です」と話しました。

「自分の強みの見つけ方は?」という質問には
「自分では見つけづらいので、友人や家族など他人に教えてもらうのがいいですよ」と回答されました。

最後に進行役の班の学生から
「できないことはないという強い言葉が印象に残りました。お話の内容をこれからにつなげていけたらと思います」と感想を述べ、
講義は終了しました。

担当教員からのメッセージ

企業トップを迎えて行う「女性とキャリア形成」も今年で3回目を迎えました。ゲスト講師のトップを務めていただいたのは、アフラック生命保険の元専務取締役で、本年4月からは本学の常務理事に就任された木島葉子さんでした。企業における女性の活躍という視点では、常にトップランナーを務めて来られた木島さん、やはり仕事には厳しく、人には優しくというご本人の確固たる理念をお聞かせいただきました。本学の卒業生であり、学生にとっては、本当に良きロールモデルであると感じました。今年も6人のゲストが登場されます。

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