社会連携プログラム
SOCIAL COOPERATION PROGRAM
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2023年5月18日

美学美術史学科の学生が日本紙通商(株)(日本製紙グループ)との協働プロジェクトで防水ダンボールの新しいアイデアの創出を行いました。

2023年3月に美学美術史学科の下山肇教授のもと、日本紙通商㈱(日本製紙グループ)協同プロジェクトが行われました。「防水ダンボールの新しい使用方法をデザインする」ため学生たちは、女子大生ならではの考えや感性を活かしてアイデア出しを行いました。3月13日(月)は、なんと本社に伺い、社員の方々にアイデアの卵を見ていただく貴重な機会になりました。今回人気のあったアイデアをまとめ、後日最終プレゼンテーションに臨みます。

アイデアの出発点は自分の好きなもの

場所は御茶ノ水にある、日本紙通商㈱(日本製紙グループ)の本社内。
学生たちは少し緊張しつつも、初めて実際の企業のなかに入る貴重な経験になりました。

まずは下山教授から今までの概要が説明されました。先日、日本紙通商㈱(日本製紙グループ)の皆さまが大学を訪れ、学生たちは防水ダンボールを実際に見せていただきました。
そこで感じたことを活かし、新たなアイデア創出するためこれまでに6回話し合いを行ってきました。
女子大生ならではのアイデアを活かすため、出発点としたのは
①今自分にとってホットなもの、こと ②今ほしいもの ③(防水ダンボールから発想して)水と言えば何?の3つ。

まずは防水ダンボールそのものからは離れ、自分の好きなものなどを挙げていきました。
タコ焼き機、コスメ、ゲームやアニメ、映画、サウナ、一人旅、アウトドア、編み物、ランドセル…。
さまざまなものが提示されました。

③では水彩絵具、お風呂、ペットボトル飲料、洗濯やトイレといった素直な連想から、水害や水ようかんといったものまで。
「そうして抽出したものに、一見かけはなれた印象の防水ダンボールをくっつけたときに、いったいどういうことが考えられるだろうかということをみんなで話し合い、たくさんアイデアを出してきました」
 アイデア出しには3つのポイントが。
 ・発想は中途半端なところで終わらせず、とことん突き詰めること。
 ・一つの価値観を裏返して反対の意味をくっつけたらどうなるか考えてみること。
 ・遠い属性と思われるものをくっつけてみること。
この3つのやり方で、「質より量」とアイデアをとにかくたくさん出しました。

面白いアイデアに投票しよう!

「今までの社会連携のやり方ですと、最後まで提案の検討が終わったあとに連携先企業へプレゼンテーションを行い、その結果に対して企業の方が評価をしてくださることが多かったのですが、今回は案が固まる前にアイデアに対していっしょにディスカッションを行いたく、時間を取っていただきました」と下山教授が今回の意図を説明すると、アイデアが部屋いっぱいに並べられました。机だけでは足りず、床にも所狭しと並べられます。その数は80個以上。こんなものがあったらいいな、面白いなという発想からスタートしたまだ柔らかいアイデアの数々です。

例えば「雨×防水ダンボール」というアイデアでは、「リサイクルできる傘」として、安価でビニール傘の代替品になる「ダンブレラ」が考案されていました。また「楽器×防水ダンボール」ではダンボールを組み立てて作るドラムセットという、面白いアイデアです。

企業の方も含め、学生たちにはシールが配られました。この日行うことは、全てのアイデアを見てそのなかから自分が良いと思ったものにシールを貼ってアイデアを絞り込む作業です。シールの色は3種類。ピンクは「最も成功する可能性が高そうなアイデア」、緑は「最もユーザーを喜ばせると思えるアイデア」、青が「最も画期的なアイデア」にそれぞれ貼っていきます。シールは色ごとに4枚まで貼ることができます。

アイデアはひとつひとつどれも新鮮で興味深く、企業の方々も「どれにしようか本当に悩む」「決めるのが難しい」とうなり、学生たちの発想力に感心していらっしゃいました。

人気を集めたアイデアは?

全員がシールを貼り終えると、シールの数が多いアイデアが発表されました。「衛生的に使える使い捨てまな板」や「子どもに人気なアニメのアイテムを模したしゃぼん玉機」、「自転車のかごカバー」や「子ども向けダンボールハウス」などが挙げられました。「アイシャドウパレット」には、軽くて持ち運びやすく、落としても割れないパッケージという利点あり、多くのシールが貼られていました。

「筋トレできるダンボール」を考案した学生は「成長×ダンボール」から発想。箱型のダンボールを棒の端に2つ付け、水を入れてウェイトトレーニングできる器具を発案しました。「汗をかいてもすぐにお風呂に入れる」などのメリットを挙げていました。

特に人気を集めたアイデアが「棺」。アイデアを出した学生は「自分が参列したお葬式で、棺はシンプルな木製のものしかなく、地味に感じた」といいます。「ダンボールなら印刷もできるし、自分が死んだときに自分の手で描いたものも良いなと思いました」と自分の体験から発想したことを語りました。発展して「ペット用の棺があればいいなと思った」という意見も出ていました。

本当に商品化できる?最終プレゼンへ!

最後に企業の皆さまから感想や気になったアイデアを伺いました。アウトドアがお好きだという方からは「カヌー」案が推されました。「アイシャドウパレット」を推した方は、「実は今、アイシャドウのチップを紙ストローで試作しているんです」と、併せて進められそうと実現可能性を感じていらっしゃいました。

全員が投票し、絞られたアイデアは20個ほど。ここからさらに何案かを選び出し、ブラッシュアップして3月23日(木)の最終プレゼンテーションに臨みます。

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