社会連携プログラム
SOCIAL COOPERATION PROGRAM
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2023年2月21日

「実践キャリアプランニング」でロレアル パリによるエシカルマーケティングについて学ぶコラボ授業が行われました。

共通科目「実践キャリアプランニング」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、食生活科学科の学生が、先週に引き続きロレアル パリの菊池氏による講義を受けました。先週はストリートハラスメントに立ち向かう5Dの講義でしたが、今回のテーマはマーケティング。学生たちはマーケティングの流れを学び、エシカルマーケティングに大切な要素について考え、後日プレゼンに挑戦します。

マーケティングってどんな仕事?

菊池氏は「マーケティングとはなんでしょう」とまずは学生たちに問いかけました。
辞書を引くとマーケティングとは、製品、サービス、流通、お客様に届けるための一連の体系的な市場活動のこと。「つまり、全部ですね」と菊池氏。
製品を作るところから届けるところまで、すべての活動がマーケティングです。

マーケティングの流れとしては、
1.市場の分析をする
 ↓
2.消費者の分析をする
 ↓
3.コミュニケーションの立案をする
 ↓
4.販売戦略を立案する
 ↓
5.販売し反応をもとに再度1に戻る、といったサイクルです。

なかでも3の過程での「消費者インサイト」の深堀が特に大切。
製品を届けるターゲットを定め、どういうコンセプトなどで広告を作るかを考える上で、消費者の「やりたいこと」と「やりたいけどできないこと」を明らかにすることは重要です。これが分かれば消費者の悩みを解決する、より消費者に響く広告が作ることができるからです。

広告を作って終わりなのではなく、その後販売時期や店舗、SNSやメディアの展開方法などを考えるのもマーケティングの仕事。それには競合他社の動きも見つつ、できるだけ良い時期や方法を見極めなくてはなりません。さらに発売したあとには消費者の反応などを蓄積し、次の市場分析につなげていくのです。

現代におけるエシカルマーケティングの重要さ

「最近では倫理的に広告を作るということがキーワードになっています」と菊池氏は言います。「エシカルマーケティング」とも言われ、社会的責任や環境問題などに対する価値観に基づいたマーケティング方法のことです。いくつか企業名も挙げ実例が示されました。

環境問題に力を入れているアパレル企業では、リサイクル素材の製品を製造したり買い物袋を廃止したりしており、またあるバス用品メーカーでは動物実験反対のメッセージが入ったショッパーの提供などを行いました。

人種問題では、BLMをきっかけに「白=美しい」という潜在的な刷り込みをやめようという運動が始まっており日本でも現在「美白」という文句は使われなくなってきています。
スポーツ用品メーカーもBLMに共鳴した選手を広告に起用し、大きなムーブメントになりました。このほか、セクシャリティに関する広告の実例なども紹介されました。

エシカルマーケティングに大切な要素ってなんだろう?

「ただ、よく考えてみるとこれはどうなんだろうと思う、配慮できていない広告もたくさんあります」と菊池氏。
ここでいよいよ課題発表です。

課題は
「人権問題を意識し、配慮の足りる広告を作るために大切なことを理解する」。

学生たちはグループワークで人権問題に配慮した広告、できていない広告を集め、人権問題を意識した広告を作るために大切な要素を探します。
その上で、配慮が足りていない広告をどうすればよくなるのかを考え、プレゼンします。
難しい課題ですが「自分が最近買った製品など身近なところから考えていってみてください」と菊池氏からアドバイスがありました。
学生たちはこれからグループワークを経て、12月に最終プレゼンに臨みます。

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