社会連携プログラム
SOCIAL COOPERATION PROGRAM
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2025年12月15日

人生の全体を考えて未来に備えよう!東京都主催事業「ライフデザイン講座」が行われました。 

11月14日「ライフデザイン講座」が開催されました。本取り組みは、東京都「ライフデザイン構築支援事業」の枠組みのもとで実施しております。人生を一本の道に見立てワゴンに乗って進んでいくツールを用いながら、就職のその先にあるライフプランを考える時間が提供されました。学生たちは専用のアプリを利用し、楽しみながら将来のことを考える機会になりました。

未来の自分のSNS投稿をのぞいてみよう

この講座は渋谷区にある大学と連携し行われました。
本学の学生だけでなく、ライフデザインに関心を持った他大学の学生も多く参加。

講師はまず、東京都生活文化局が提供するアプリ「東京ライフデザインシミュレーター」を紹介しました。
ニックネームと、これからあなたが大切にしていきたいと思うことを入力するだけで、AIが8年後の自分がSNSに投稿している内容を予測し、一覧で表示してくれるというものです。手軽に「こんな生活をしているかも…」と想像できるユニークなツールで、講師も「時間のあるときにぜひいろいろ遊んでみてください」と呼びかけながら講演をスタートしました。

人生を俯瞰して考えてみる

そもそも「ライフデザイン」とは何でしょうか。
講師は「長期的な広い視点で人生をとらえ、俯瞰してみることです」と説明します。
そのためには人生で何を目標にするのかを明確にすることが重要です。
たとえば、「幸せな人生を歩みたい」と望む人は多いでしょう。「では幸せに一番影響することはなんでしょうか」と問いかけます。
正解は「自分で選ぶこと」。現代は価値観が多様化し、生き方に正解はありません。
だからこそ自分がどのような生き方を選ぶのか、自分が納得できる選択=「納得解」を持つことが大切だといいます。
「今回の講座が、自律的に人生を選ぶためのヒントになればうれしいです」と語りました。

続いて主なライフステージの見取り図を示しました。
仕事や結婚、子どもなどいくつかのグラフがありますが、仕事は20代から60代までで終了。
一方結婚や子どもに関するグラフは、その後の人生全体に影響が及んでいます。
「みなさんは今、就職活動のことは考えていると思いますが、その先の人生設計までは意識していないかもしれません。けれど働く期間は意外と短い。結婚や出産といった選択の影響はずっと長く大きいんです」と指摘。
「早めに考えておくことで意識的に情報を集めたり知ったりできる。多様なライフステージを考えておくことが大切です」と続けました。

何歳で結婚したい? 仕事はどうする?

ここで紹介したのが、設問に回答することで、自分の理想のライフスタイルの年表が表示されるツールです。設問は「仕事をする?」「仕事に何を求める?」「いつ頃結婚する?」「相手に求めるものは?」「どのくらい付き合う?」など具体的。なかには「デートのお金は自分と相手どちらが出すか」など細かい価値観を問うものも。
思わず悩んでしまう学生も多かったですが、講師は「まずは直感で、こうなったらいいなと思う選択肢を選んでください」とアドバイス。
自由にイメージしながら人生の可能性を楽しむことが、このツールのポイントだと説明しました。

完成した年表には、選んだ人生のイベントが時系列で並びます。「それぞれのライフイベントの重なるタイミングを知っておきましょう。特に20〜30代は結婚や出産など、重なることが多い。その時期までにどんな準備が必要か意識しておくと良いですよ」と話しました。

ライフステージごとで想定することは変わる!

次に、各ライフステージをデータに基づいて詳しく解説しました。
まず仕事については、定年まで勤めあげる考えを持っている若者は半数以下になっており、働くスタイルは多様化しています。そのため、自分は何のために働くのか、仕事に何を求めるのかも考えることが大切です。

結婚については、70年前と比べると平均年齢が約7歳上昇しているというデータが示され、「現在晩婚化の影響で、子育てと親の介護が重なるケースが課題になっています」と現代特有の問題にも触れました。
「結婚をする・しないも選択の時代ですが、人生に与える影響は大きいのでしっかり考えておきましょう」と話されました。

また、暮らしについても考えることはたくさん。
親と同居するか、地元に住むのか、退職後どんな活動をするのかなど。先のことだとおざなりにせず、どんな人生を送りたいのかトータルで人生を俯瞰することが大切であると示されました。

ライフデザインを考えて自分らしい人生を

講師はライフデザインを考えるコツとして、「定期的に見直す」ことを伝えました。
人生は何が起こるか分かりません。状況に応じて柔軟に計画をアップデートする姿勢が必要だといいます。
「自分が大学生のときは、ライフデザインなんてつゆほども考えていませんでした。でも振り返ると、もっと早く意識していれば良かったと思う場面もありました」と講師は自身の経験を紹介。
「前もって想定しておくことで、その選択をしたいなと思ったときのための情報を集めることが出来ます。今回の講座を、皆さんらしい人生を生きるヒントにしていただければと思います」と語り、講座は温かな雰囲気のなかで締めくくられました。

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