社会連携プログラム
SOCIAL COOPERATION PROGRAM
TOPICS
2023年6月19日

学生たちが渋谷のスローなツアーを提案!原田ゼミ(都市と地域の社会学)で博報堂とJR東日本のコラボ授業が行われました。

人間社会学科 原田謙教授のゼミで、5月29日に株式会社博報堂(以下、博報堂) ミライの事業室と東日本旅客鉄道株式会社(以下、JR東日本) 東京感動線とのコラボ授業が行われました。渋谷でスローに過ごす体験ツアーを学生たちが提案し、実際に開催することを目標にしています。今回は土台となる案出しを行い、企業のみなさんと質疑応答でブラッシュアップしていきました。

渋谷のスローな過ごし方をツアーにしよう

JR東日本の「東京感動線」は、山手線を起点に心豊かな生活を提案するプロジェクトです。街の個性を引き出し、人と人の繋がりを作る「エキとマチをつなげる」をコンセプトに、地域と連携し街を探索したくなる仕掛けづくりを行っています。タッグを組んだのが博報堂 ミライの事業室。渋谷の街づくりサービス「shibuya good pass」を開発している繋がりから、「Slow Platform 渋谷駅0番線」という駅構内のスペースを活用したプロジェクトを共同で行っています。

2022年度後期の原田先生の「フィールドワーク論」の授業では、渋谷駅0番線プロジェクトとコラボし、渋谷で一息つけるスローな場所を紹介した「渋谷スローマップ」が作成されました。今回はその発展版として、「渋谷をスローに過ごすツアー」を学生たちが考案します。

現在、東京感動線は、体験シェアサービス「aini」と連携し、山手線の暮らしをより楽しめる体験ツアーを提供しています。ツアーの内容は地域によって多種多様。
上野駅の歴史を知る構内ツアーや、東京駅は鉄道古物を使ったアクセサリー作り等があります。

朝はのんびり&夜はご褒美

学生たちはainiのツアーを参考に、各チーム2つずつ案を考えてきました。

Aチームは、忙しい朝の時間をのんびりするモーニングツアーと、日々の疲れを癒すご褒美ツアーを考案しました。

モーニングツアーでは、朝8時にカフェでゆっくりと朝食を取り、その後代々木公園でサイクリング。最後は美術館で美術鑑賞するツアーを提案しました。午前中を活用することで充実した一日を過ごすことができ、ゆったりとした時間を過ごすことで心豊かになるとプレゼンしました。

夜のご褒美ツアーは金曜日の19時にレストランでディナーを楽しみ、足湯カフェでリラックス。その後はシーシャカフェで過ごしたり、夜景を見たりを選べる贅沢な時間を過ごすツアーです。働く女性をターゲットに、一週間頑張った自分にご褒美を用意しました。

デジタルデトックスで有意義な時間を

Bチームはスローな時間を過ごすために、デジタルデトックスというコンセプトを決め2つの案を考えました。

1つめは親子で参加するツアー。
スマホの電源を切ってもらい、使い捨てカメラを配布。喫茶店や明治神宮でゆっくり過ごし、お弁当を買って食事を楽しみます。その様子はフィルムカメラで撮影し、思い出に残してもらうというツアーです。

もう1つはおひとり様専用で、金曜日の夜に読書をするためのツアーです。
アナログレコードなどを聞けるカフェで静かに読書を行い、最後にはツアー参加者同士で本についての感想などを話し合います。
デジタルを離れ、人と人の対話を楽しめるとプレゼンしました。

価格はどうする?人数は?

発表のあとには、学生から質問もありました。
特に価格設定はどのくらいが妥当なのか、という質問は両班とも気になるところ。

JR東日本の方は
「正直ピンキリです。金額に見合った内容で、お客様が納得される値段であることが大事」と回答。ただ、今回は学生考案のツアーとして打ち出す予定のため、「値段が高すぎるとお客様にどう思われるかというところはあります。価格の一つの決め方として、催行人数が半分でも成立するように決めるということがあります」とアドバイス。ツアーは必ず定員が埋まるとは限りません。定員に届かなくても、赤字が出ないようにするのは大切な考えです。

その他にも、
人数は?サイクリングやピクニックなど外で行うイベントは、雨の時はどうしたらいい?飲食の場合、席は一緒?移動の時間はどう過ごす?など細かい確認や決定すべき事項がいくつか出ていました。

学生ならではのツアー体験で付加価値を

発表後は企業の皆さまから講評もいただきました。

モーニング&ナイトツアーについては、JR東日本の方から
「時間帯で区切るという発想がなかったので面白いと思いました。レストランやカフェも、自分では踏み込みにくいところもツアーなら行きやすいというのは良い案」と感想を話されました。

デジタルデトックスの案にも、博報堂の方から
「デジタルデトックスというコンセプトは、都会に住んでいる人向けならではと思いました」という感想が。
また、「私も本が好きなので、カフェの前に本屋巡りなども良いかも」と提案もありました。

ただ共通して伝えられたのは
「大事なのは、わざわざツアーに参加したくなる付加価値を考えること」。

どのツアー案も、個々でやろうと思えばできることです。それでもツアーに参加する価値や特別感を考えてほしいと話されました。
例えば、美術館で作品の案内が聞ける、レストランではツアー限定のメニューがある、など。学生ならではの目線で、体験の提案を考えてほしいと期待を寄せました。

学生たちは今回の案を練り直し、夏休み前を目安に提案予定。秋には実際にツアーの開催を目指します。

TOPICS一覧ページへ戻る