社会連携プログラム
SOCIAL COOPERATION PROGRAM
TOPICS
2022年7月27日

JR東日本の皆様と一緒に日野市の魅力を伝える「駅からハイキング」のコース作りを行いました。

6月22日(水)に日野キャンパスで、現代生活学科の授業(担当:須賀 由紀子教授)でJR東日本とのコラボ授業が行われました。学生たちは実際にJR日野駅にて行われる「駅からハイキング」というウォーキングイベントのコースや特典を考えます。キャンパスのある日野市の魅力を考えるアイディア出しをJR東日本の社員の皆様と一緒に行いました。

駅は「きっぷを買う場所」から「地域の魅力を発信する場所」へ進化している

須賀 由紀子教授

去年のこの授業の履修者である現代生活学科OGが、JR東日本に入社し八王子駅に配属となり奮闘していることが紹介され授業はスタートしました。

東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)は、北は青森県から南は静岡県・伊豆半島(伊東市)まで1都16県の東日本地域の、鉄道を中心にした業務を運営しています。現在約4万8千人の社員が働いています。昨年度はコロナ禍の影響で大きな赤字が出てしまいましたが、社会インフラのひとつとして大きく成長を続けている企業です。

企業理念は「究極の安全」と「すべての人の『心豊かな生活』の実現」。鉄道会社ですから安全はもちろん大事です。その上で同じくらい重要視されているのが豊かな暮らしの手助けをすること。窓口担当の鈴木氏は「駅はきっぷを買う場所でしたが、今では地域の魅力を発信する場所になっていると思っています」と言います。茨城県では自治体と共同し、名産の栗をアピールする「笠間栗ファクトリー」の建設や、JR青梅線沿線の空き家を「沿線まるごとホテル」に生まれ変わらせるなど、地域創生に力をいれています。豊田駅長の糸井氏は「キャンパスのある日野駅とともに、日野市のPRに力を入れていきたい」と言います。

「駅ハイ」ってどんなイベント?

その地域創生の取り組みとしてのひとつが「駅からハイキング」です。「駅ハイ」とも略され、季節に応じた地域の魅力を楽しめる無料のウォーキングイベントです。東日本各地の駅で実施され、常時50コース以上が用意されています。期間は、1日以上3ヶ月以内とコースによってバラバラ。アプリを使って参加受付するので、受付時間内であれば時間に縛られず日帰りでいつでも気軽にハイキングを楽しめます。また多人数で動くようなツアーと違って、コロナ禍でも自然や観光を楽しめるのも現代のニーズにぴったりです。

駅ハイは地域の文化や歴史、産業やグルメなど埋もれていた観光素材を掘り起こし、その地域の活性化につなげることが目的なので、地域の人が紹介したいスポットを取り上げコースに組み込みます。また、コースを巡る際に地元住民の方々とトラブルにならないように事前の相談や下見なども行う必要があります。他にもチラシやマップを作成したり、資料を集めたりと実施されるまでの工程はさまざま。ルートの案が提出されてから3ヶ月ほどで、ようやくコースが開始されます。

「駅ハイ」のコースを考えよう!

学生たちには日野駅からの「駅ハイ」コースを考える課題が与えられました。ただ、「元々駅ハイを知ってた方はいますか?」と聞かれて手を挙げた学生は0。それもそのはず、参加者の年齢の割合は50~60代の方が大半を占め、20代はわずかしかいません。そのため、ターゲット層をどこに向けるかも学生たちで考えます。あえて若者向けのルートにするのもひとつの案です。

参加人数は土日の多いコースで、一日平均100人。昨年日野駅で行った新撰組ゆかりの地を巡る自然散策コースは一週間で約750人が参加されました。

コースレイアウトは本当に多種多様。所要時間もコースによってまちまちですが、施設などの立ち寄り時間も含めてだいたい4時間ほど、約12~15kmくらいのものが多いとのこと。スタートとゴールの駅は必ずしも同じでなくてもよく、沿線沿いを歩いて隣駅がゴールというコースもあります。コース、立ち寄り施設、特典…すべてを学生たちで考えなくてはなりません。糸井駅長の「皆さんならではの視点でコースを考えてみてください」とエールを受け、後半のグループワークに移っていきました。

日野市の魅力って?どんな特典がいい?アイディア出しから形にする

学生たちは3つの班に分かれ、模造紙に思い付きやキーワードとなる言葉をふせんで貼り付け、アイディア出しをしていきます。それぞれの班をJR東日本の社員の皆さんが回り、話を聞きながらどんなことができるかアドバイスをしてくださり、さらに案を深めていきます。

TOYODA BEERを若者に楽しんでもらいたい、という班は、10月に行われる「オクトーバーフェスト」と連携した特典を考えていました。インスタ映えするビールフロートの開発や、ステッカーやコースターなど様々な案が出ました。TOYODA BEERは約130年前に現在の日野市域で誕生した多摩地域最古のビールで、現代に復刻されたクラフトビールです。

TOYODA BEERに注目する班はもう1班あり、謎解きまちあるきやおいしいパン屋さんのある日野市豊田地区のパンの食べ歩きなど50~60代の参加者も若者気分になれるような案を考えていました。

もう1班は若者をターゲットに、SNS上でのフォトコンテストやハッシュタグの活用などを考えていました。また、土日に家族で楽しんでもらえることを考え、子どもも喜ぶガチャガチャやモノ作りの体験を特典にするなどの案を話し合っていました。

教室には昨年のこの授業で試作したTOYODA BEERの学生オリジナルラベルも展示して、アイディア出しの空間を作りました。

※TOYODA BEER実行委員会のご了解のもと、教育上の目的で作成したものです。

申請する時に注意すべきことは?

授業はあっという間に終了。最後に糸井駅長から「自分たちもとても刺激になり、新しいものが生まれそうというワクワク感がありました」と言葉をいただきました。学生たちはグループワークを経て、6月末にはJR東日本に企画を提出。学生たちのコースが実施されるのは10月上旬の予定です。実際にコースの実施されるまでチラシやマップ作成に携わっていきます。

TOPICS一覧ページへ戻る