渋谷にホテルを作るなら?「実践キャリアプランニング」で湘南レーベルとのコラボ授業を行われ学生たちがプレゼンテーションを体験しました。
大学共通教育科目「実践キャリアプランニング」(担当:髙橋裕樹特任教授)で、湘南レーベル株式会社との特別コラボが行われました。本学のある渋谷に新たにホテルを建てるならどんなところがいいのか。学生たちはそれぞれの顧客像を作成し、リサーチ。6月28日の授業では、最終プレゼンテーションに臨みました。
1週間が8日あったらホテルでどう過ごす?
湘南レーベルは、湘南のビーチカルチャーをベースにホテルやカフェ、シェアハウスなどを展開しています。
松山竜造氏は有名ホテルのレストラン勤務などを経て2020年に入社。現在はホテル事業部長として活躍されています。「8HOTEL CHIGASAKIの立ち上げに関わり、開業時は支配人も兼任されました。
8HOTELのコンセプトは、「1週間が8日あったとするならば、人はどのようなインスピレーションを抱くのだろう」というもの。湘南というビーチカルチャーと、ホテルで過ごす非日常を織り交ぜて作られています。
コンセプトに沿った体験価値として、8HOTELが提供しているもののうち特徴と言えるのがサウナとプール。サウナ好きの男性一人客にも多く利用されています。
また、毎週日曜にはヨガイベントも開催しており、プールでは水に浮かべたボードの上で行うサップヨガが若い女性やカップルから人気を集めています。
ペルソナに合ったサービスを考えよう!
コラボ授業は3週間にわたって行われました。
1回目では湘南レーベルのホテル事業について学び、どのようにホテル探しをしているかグループワーク。
2回目ではマーケティングのやり方を習い、最終課題に挑みます。
マーケティングでは商品やサービスを作る前に「ペルソナ」と呼ばれる理想の顧客像を立ち上げます。その顧客のニーズに合致したサービスなどを考え、企画を考えます。
松山氏から出された課題は「渋谷に8HOTELを作るなら?」。
「日帰り観光客」「ビジネス利用一人客」「記念日利用カップル客」の3つのターゲットが提示。その3組が楽しめる8HOTELを渋谷に作るなら、どんな体験価値を提供するかを考えます。
渋谷のどこに作る?どんな施設やサービスが必要?などディスカッションを通してグループで資料を作成。
3回目の授業で発表に臨みました。
渋谷のホテルでどんな体験価値を提供するか
学生は17グループに分かれ、発表を行いました。
それぞれのグループからさまざまな企画が発表されました。
場所は裏渋や代々木公園付近など、渋谷といえども静かで緑が多い地域が人気。
代官山や広尾などの高級住宅街の落ち着いた地域を提案するグループもありました。
また、本学のある六本木通り付近も「アクセスも良く静かなので良いと考えました」とするグループも。
逆に表参道やパルコ付近など渋谷ならではのアクセスと賑わいのある付近を選ぶグループもありました。
ほとんどのグループに共通していた施設はサウナです。
サウナは8HOTELも特徴のひとつでもあるため外せないと考えたグループが多かったようでした。
屋上にリラクゼーションスペースやプールを備え、非日常の空間を提供するとしたグループもありました。
ペルソナで違いが出たのは、日帰り観光客の設定です。
羽を伸ばしに来たバリキャリ女子、外国人男性、地方からプチ贅沢をしにきた女子大生、などなど。
それぞれのグループで想定されたターゲットに沿ってサービスもさまざまなものが提案されました。
例えば外国人向けに和室を完備。「渋谷で和室は珍しいのでは」と提案されました。
都心にいながら非日常が味わえるよう岩盤浴や足湯を提案したグループも。
また交通の良さを生かし、タクシーの手配やお迎えサービスを出したグループもありました。
イベントではヨガなど運動だけではなく、陶芸体験や和菓子作成体験なども。
近くのカフェなど飲食店と連携し無料券を付けるという案や、スマホをしまえるタイムロックボックスを完備しデジタルデトックスを促す案も。
これには松山氏も「なかなかない発想」と感嘆されました。
これからのホテルを考えてみよう
松山氏も「いろんな視点があっておもしろかったです。社内でもこういう考えはなかったという感想もたくさんありました」とコメントされました。「行きたいなと思えるホテルがいくつもありました」と話し、優秀グループを発表しました。
表彰されたのは、明治神宮外苑に隣接したエリアに作り、自然を感じられるホテルを提案したグループ。
屋上には芝生を敷いて自然との一体感を目指しました。
松山氏からは「課題解決感があり、プレゼンも分かりやすくまとまりがありました」と授賞理由が伝えられました。グループの学生からも「資料作りも工夫したので受賞出来て嬉しい」と喜びの声が聞かれました。
「これをきっかけにホテルというものを身近に感じてもらえたかなと思います」と授業の最後に松山氏は語り掛けました。
「ホテルも旅行でしか行かないものというイメージから、日常使いのできるものに変化しています。泊まるだけのホテルはこれから淘汰されていくと思っています。ホテルが何を残せるか、皆さんもホテルに遊びに来て考えてみてほしいと思います」と話し、「皆さんからいただくものが多い機会でした」と授業を締めくくられました。