ドコモとタッグを組んで企業の課題解決!「リーダーシップ開発a」の授業でNTTドコモとの特別連携授業が行われました。
「リーダーシップ開発a」(担当:人間社会学部社会デザイン学科・児玉充教授)の授業で、11月26日に株式会社NTTドコモ(以下ドコモ)との特別連携授業が始まりました。スマートフォンでおなじみの企業ですが、事業はその領域に留まりません。今回は、ドコモの強みである「量と質」の顧客情報を活かした課題提案に、学生たちが挑みます。
「スマホの会社」だけじゃない!
登壇したのは入社4年目の寺町沙紀氏。
入社時は顧客や加盟店の課題解決を担うカスタマーサクセス部に所属し、今回の学生への課題もこの部署が中心となります。
現在は人事部。
「ドコモは自ら手を挙げて異動できる制度があり、自分で人事を選びました。ドコモは幅広い事業を展開しているのでいろんな仕事に関われますし、自分でやりたい仕事を選択できるのも魅力です」と語りました。
「みなさん、ドコモは何をしている会社だと思いますか?」という問いに、多くの学生が「スマートフォンを販売する企業」と回答。
「実はそれだけではない、ということを知ってほしいです」と講義が始まりました。

ドコモは一般消費者に向けたコンシューマー事業のほか、法人事業も大きな事業の柱にしています。提携する企業は金融、医療から林業や漁業などの産業、自治体などさまざま。
それぞれの企業のDX推進やAIの導入を手助けしたり、通信システムを整備したり。通信に関わることだけではなく、それぞれの企業の課題解決をドコモが担っているのです。
dポイントを活用し一気通貫でサービスを提供
今回学生に出された課題はマーケティングです。
そもそもマーケティングとはなんでしょうか。寺町氏はマーケティングを「顧客に買ってもらえる仕組みづくり」と説明しました。
今の時代、良い商品なら必ず売れるわけではありません。
欲しい人に届くよう、どう伝えるかを設計することが基本です。

その軸として重要なのが「dポイント」。
ドコモ独自のポイントで、会員数はなんと1億人超。
スマホ料金などで貯まり、街中の店舗で使える利便性があります。加盟店は現在607社。
企業側もdポイントに加盟することで購買単価や来店頻度の向上が期待できるのです。
さらに大きな強みが「情報」です。
「ドコモの強みは量と質」と寺町氏。
dポイントの決済履歴や広告閲覧履歴、アカウント登録時に入力した属性など膨大なデータが蓄積され、購買行動を細かく把握できます。従来のTVCMでは分からなかった効果も、ドコモのデータを活用することで精密な分析やターゲットを絞ったプロモーションが可能になると語りました。
ドコモが誇る情報を使って新しいサービスを考えよう!
ドコモの持つ膨大な情報は、提携企業にも大きなメリットがあります。
たとえばメーカーは、商品を作っても実際に誰が買っているか分からないことが多いですが、ドコモと組むことで商品の流れや購買行動を把握できます。自治体も人流データを活用し、観光振興や地域イベントづくりに役立てています。
そこで、いよいよ課題の発表です。
学生は企業や自治体を想定し、その抱える課題をドコモのサービスを生かしてどう解決するかを提案します。また、誰に向けた施策なのか、ターゲットとなる顧客層を明確にすることも求められました。

「こうだったらいいな」の思いがビジネスの始まり

寺町氏は最後に「ビジネスの基本」について説明しました。
ビジネスとは顧客ニーズをつかみ、解決策を考えて商品やサービスに落とし込むこと。物を作れば売れた時代から、社会的価値や自己表現など多様な価値が重視されるようになり、購買にも体験や意味が求められるようになりました。
そのために重要なのが「ペルソナ」、つまり顧客像です。ペルソナを立てることで課題の仮説が作れます。
さらに競合や既存サービスにはない新しい価値を加える必要があります。
「既にあるビジネスなら、新たにやる必要はないですよね」と寺町氏。
顧客が本当に望み、代替できず、自社の強みが活かせるものを探すことが重要です。
「今回の課題はインターンの学生たちに出すような難しいものです」と寺町氏。
「ただ、難しく考えず、あなたが何をどう提案したいかが一番大事。こうなったら良いな、いうものを自由に考えてください」と学生たちの企画に期待を寄せました。
企業をどこにするか、課題は何か、ドコモと組む理由、活かす強み、ターゲットは誰か。考えることは多くあります。
学生たちはグループワークで企画を練り、12月のプレゼンテーションに臨みます。
担当教員からのメッセージ
本授業は少人数のグループワークを通じて、自分なりのシェアード・リーダーシップの発揮方法を体感し、人間社会学部で自律的に学習していくための専門知識やスキルの必要性を学ぶことを目的としています。近年、スマートフォンの普及に伴いデジタルマーケティングソリューションのビジネス領域が重要となっています。学生たちは新規ビジネスを考える上での各種フレームワークを学習し、dポイントデジタルマーケティングに関する課題に取り組みます。そして各チームでコラボしアイデアをまとめ、同社にプレゼンしご評価いただく予定です。独創的なアイデアからなるソリューションの発表を期待しています。



















































































