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2023年11月24日

大学生の今、考えよう!「グローバルキャリアデザイン」の授業でマイナビ顧問による「なぜ働くのか」を問う講演が行われました。

共通教育科目「グローバルキャリアデザイン」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、10月13日に株式会社マイナビ(以下、マイナビ)顧問の浜田憲尚氏による講演が行われました。就職活動で利用必須のサービスを提供している企業の方のお話に学生たちも興味津々です。就職活動を前にした学生たちは改めて「働くとは何か」「なぜ働くのか」を考えるきっかけとなりました。

「働く」を考えるには今しかない!

浜田氏による講演はこの授業でも恒例となってきつつありますが「学生の皆さんの前で話すことはめったにないので、毎回緊張します」と、前置きをして話し始められました。
コロナ禍も終息しつつある現在、企業の採用意欲は急激に回復しつつあります。それは新卒に限らず、中途採用やアルバイトなどすべての雇用形態に言えること。どの業界も人手不足です。
そんな中、まさに就活を目の前にした学生たちに改めて考え直してもらいたいのが「なぜ働くのか」ということ。今働かなくてはならないのか、どこで、どんな仕事をするのか。
浜田氏は「それらについて深く考えるタイミングとしては今がとてもよい」と話し、「そのタイミングを活かさない手はない」と言います。
なぜなら日本は依然として新卒一括採用が主流のため、たくさんの企業が情報を提供し就活生たちを受け入れようとしているから。改めて働くとは何かを考える講演が始まりました。

企業と人をつなぐ仕事

マイナビは1973年創業。今年で50周年を迎える人材系の広告企業です。
主にインターネットなどのメディアを通して人と企業を繋ぐ事業をメインに行なっています。就活生はもちろん、アルバイトや転職、アスリートなどさまざまな人材と企業とのマッチングを行なっています。
マイナビの企業理念は「一人ひとりの可能性と向き合い、未来が見える世界をつくる」。ユーザーの人生に寄り添い、日常生活のあらゆる場面で使ってもらい、それによって前向きに人生が進んでいけるように支援することが目的です。

現在は海外展開事業のサポートを行なっている浜田氏ですが、なんと就職活動をせずにマイナビに入社したと言います。
面接の時間を間違えて行った会場で、当時の人事部長に声を掛けられ、とんとん拍子で最終面接まで進みそのまま入社されたそうです。そのため最初は「アルバイト感覚だった」と話します。
ただ「会社は楽しく、仕事も向いていると感じ打ち込めた」ため、こんなに長く勤められたと言います。この経験から、浜田氏は「深刻に考えすぎないこと」をアドバイスしました。
「一生懸命就活しても、一生勤められる企業かは分かりません。入ってからが勝負です。自分に合わないと感じたら、あるいはさらに新しいビジネスに挑戦したいと思ったら転職も考えていい」。
希望する企業が見つからないからと言って悩みすぎないようにと語りました。

たくさんの情報から何を目的に働くかを考える

就職活動を目前にした学生たちは不安も多いもの。ただ、ここで浜田氏はひとつのアンケート結果を見せました。
2023年8月に現4年生に行った「就職活動を漢字一文字で表すと?」の結果は、1位が「楽」。夢や将来が広がると前向きにとらえている学生も多いのです。
ただ2位は「苦」。「苦労したからこそ頑張れるという面もあります」と浜田氏。
「就職先を見つけることが目的になってはいけない。親や周りに言われたからと流されてしまわずに、自分の判断で見つけることも大事です」とアドバイスしました。

ではベストな就職とは何か。
何がベストなのかは人によって異なります。その答えを見つけるために働く目的を考えることが重要です。
「働く目的は人それぞれでいいと思います」、しかし仕事は糧(かて)を得るための手段であることは、誰にとっても共通しています。その「糧」を得る上で自分にとって何が重要か、自分の価値観や何にやりがいを感じるかを掘り下げ、それを企業が持つ理念やビジョンと照らし合わせる中で共感できる部分があるかどうかを確かめることが就職活動の第一歩として重要だと浜田氏はお話されました。

学生にとってベスト就職を実現するために、マイナビでは自己分析をサポートする機能や、インターンシップ情報、そして求人情報を質量の面から充実させています。できるだけ多くの選択肢からベストな1社を選んで頂くために、掲載企業数やその情報の質にこだわってサービス提供をしています。
浜田氏は「マイナビをフルに活用してぜひ悔いのない就職活動就活をしてください」と講義を締めくくりました。

OGからも貴重なアドバイス

実はこの授業を受講したことがきっかけで、2名の本学卒業生がマイナビに入社しています。
この日はOGである中嶋さんと渡辺さんも駆けつけてくれました。

授業の最後には質疑応答の時間が設けられ、浜田氏や先輩たちへたくさんの質問が飛び交いました。
「長く働き続けられたのは何が要因?」という質問に、浜田氏は「自分の成長と会社の成長を重ね合わせられたのが良かった。頑張ったらきちんと報われたのも大きい」と話しました。

先輩たちにも「就職活動前の今、やるべきことを教えてください」という質問が。
渡辺さんは「普段生活の中で目にする会社は本当にほんの一部。セミナーやインターンにたくさん参加してください。私も色んな会社を見たからこそ、いろんな会社に関われるマイナビに入社しました」と回答。
「就活の軸を決めたきっかけは?」という問いには、中嶋さんは「男女差のない仕事をしてしっかり稼ぎたいと思ったので、営業職を選びました。将来は転職することも視野に入れて自分の市場価値がさらに高まる会社を見つけていこうと思った、だからこそ、今の仕事に注力したい」と回答されました。

これから就職活動を行う学生たちにとってより就職活動について身近に、深く考えられるきっかけとなる授業でした。

担当教員からのメッセージ

私が企業の人事部時代に、採用業務を全面的にサポートいただいたマイナビ様、その時に浜田様と出会ってもう20年の歳月が流れます。こうして毎年、ゲストしてお招き出来ていることに、とても大切なご縁を感じています。

就職活動、採用活動も時代とともに様々な変化があることは肌で感じています。しかしながら、毎年、この時期に浜田様のお話しをお聞きして感じること、それは、「人と人とのご縁」だと思います。一期一会を大切にすることで、きっと素晴らしい会社が見つかり、長く長くお付き合いできる方との出会いが生まれると思います。学生たちの就職活動での健闘を祈り、改めて浜田様に心から感謝申し上げたいと思います。

2023年8月8日

ディズニーに若者がたくさん行くには?「キャリアデザイン」の授業で学生たちが東京ディズニーランドのスペシャルイベントをプレゼンしました。

3年生対象の共通教育科目「キャリアデザイン」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、7月4日に株式会社オリエンタルランドの横山政司氏をお迎えし、コラボセッションが行われました。この日は閑散期(冬季・春季)の東京ディズニーランドへ若者たちに来場してもらえる有効なイベントを考える課題のプレゼンテーション。各グループ1ヵ月かけて考えた、想いのこもった提案が発表されました。

冬は温かみを感じられるイベントを

発表はグループ4から始まりました。
冬季は冬の舞踏会をイメージし、若い女性に人気が高いプリンセスキャラクターをモチーフにティアラや王冠のついたカチューシャも販売。春季は来場者も体を動かせるダンスイベントを企画し、梅雨の時期は雨の日限定イベントを提案しました。
横山氏からは「プレゼン資料の作り方や見せ方が上手」と評価がありました。

次のグループ6は寒い冬季に愛情や温かみを感じさせる晩餐会をテーマに、レストラン内でプロジェクションマッピングやキャラクターと会える体験型イベントを企画しました。
春季は写真映えや自然に興味がある若者をターゲットに、キャラクターがフラワートピアリーになるものを考えました。

グループ7は、若者は経済的に余裕がないと、パークに行かない理由を分析し、価値に見合った満足度や新規性が大切と主張しました。
そこで冬季は音楽フェスをモチーフに、ダンサーやキャラクターと一緒に盛り上がれるイベントを考案。派手なキャッスルショーを行い、サイリウムやタオルなどのフェスならではのグッズも販売します。春季は桜まつりで日本の春を押し出しました。
「冒頭の現状分析が良かった」と横山氏も評価されました。

春は出会いの季節!多様性?コスプレも?

グループ5は冬季にバレンタインとホワイトデーをモチーフに、プリンセス&プリンスたちによるイベントを企画しました。
期間中は割引のペアチケットを販売したり、昼と夜でパレードを2部構成としたり、ストーリー性のある内容を提案しました。春季は、2026年にはよりグローバル化が進むことから多様性をテーマにしました。

グループ8は冬季に期間限定で、キャラクターとのグリーティングイベントを提案。春季は映画「スターウォーズ」シリーズをモチーフに男性をターゲットにしたイベントを考えました。
春は出会いの季節。映画の名台詞をもじり「新たな出会いに幸運を」をコンセプトとしました。人型ロボットを導入したリアルショーを行うことも提案しました。
横山氏も「春の季節と映画のコンセプトを結び付けた切り口は面白い」と感想を仰っていました。

次のグループ2は、冬季は初雪のお祝いをテーマに、過去イベントの人気キャラクターの復活を提案。
春季には、参加型の体験にお金を使う若者をターゲットに、秋で人気なコスプレを導入することを提案しました。コスプレできるキャラを限定し、秋季イベントとの差別化を図ります。
横山氏は「若者がパークに戻ってこない一番の理由が分かりにくいので、このイベントで本当に来てくれるかの考察がもう少し欲しかったです」と講評されました。

どうしたら若者が東京ディズニーランドに来たくなる?

次のグループ1は、若者は東京ディズニーランドよりも大人の雰囲気が味わえる東京ディズニーシーを好むという分析から、冬季に悪役たちを中心にした大人向けイベントを考えました。
春季はプリンセスキャラクターたちによるキャッスルショーを開催し、温かみのあるものを提案しました。

グループ9のキーワードは「なつかしさ」と「お一人さま」。
ヤングアダルト層は懐かしいものに「エモさ」を感じるという観点から、冬季は以前あったアトラクション「シンデレラ城のミステリーツアー」をモチーフにしたイベントを開催。春季は祝祭をテーマに一人でもパーク内をゆっくり回って楽しめるイベントを提案しました。また、冬季と春季のイベントはストーリーとしてつながっていて、どちらのイベントにも来ることで満足感の高いものになるものを提案しました。
「終了したアトラクションをモチーフにする着眼点や、仮説の置き方が面白い」と横山氏も感想を述べられました。

最後のグループ3は、冬季は猫や犬のディズニーキャラクターを集めたイベントを提案。
若者に人気の高い動物カフェから発想しました。春季は運動会をテーマに、応援合戦で一体感を味わえるイベントを考えました。お弁当箱型のフードの提供やハチマキのグッズも考案。コロナ禍があけた2026年には体を動かす需要が高まると考えての提案です。

「木を見て森を見ず」にならずに全体を見よう

すべての発表が終わり、最後に横山氏の総評がありました。
「皆さんにお願いしたことは、我々が考えても頭を悩ませる本当に難しいこと」と学生たちをねぎらいました。
ただ、今回の提案の多くが、アンケート分析と提案がうまく結びついていないことを指摘。
「一個一個の分析や提案は良いが、全体を見ることが出来ていなかった」とアンケート結果から分析、提案まで全部が一本でつながっていることを確認する大事さを伝えました。
その上で「良い気付きがたくさんありました」と学生たちのアイデアを褒め、「もしかしたらこれからのイベントに皆さんの案が使われるかも」と話されました。

最優秀賞は「なつかしさ」と「お一人さま」をキーワードにしたグループ9、優秀賞はグループ5が選ばれました。
受賞したグループには東京ディズニーランドのグッズが贈呈され、学生たちから歓声も上がり、和やかに写真撮影が行われました。

担当教員からのメッセージ

オリエンタルランドの横山様は、毎年、様々な切り口から、学生の関心が高いと思われるテーマをお題として提示いただいています。今回は、シーズンイベントの企画提案という壮大なテーマで、日頃から東京ディズニーリゾートをよく訪れている学生たちにとっては、身近でありながら、とても難しいテーマであったと振り返っています。アイデアは沢山浮かぶものの、オリエンタルランドの横山様が求められていることは、背景や環境などのしっかりとした分析であり、実際の仕事でも最も大切な「問いに対する理解度」を求めておられました。
授業時間では、事前の提案に対して、1グループ毎にフィードバックをいただけるなど、横山様には、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

2023年7月10日

ディズニーにもっと行きたくなる!「キャリアデザイン」の授業で東京ディズニーランドのスペシャルイベントを考える夢の課題が出されました。

3年生対象の共通教育科目「キャリアデザイン」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、6月6日に東京ディズニーリゾートの運営を行う株式会社オリエンタルランド(以下、オリエンタルランド)の横山政司氏をお迎えし、コラボセッションが行われました。学生たちは閑散期の集客に有効なイベントを考える課題に挑戦します。学生たちも大好きな東京ディズニーランドのイベントを企画するという夢のような課題に、皆真剣ながらも楽しそうに取り組んでいました。

季節のイベントを開発

「今日の出欠確認は仕掛けがあります」と深澤教授。
出欠管理システムが当たり付きになっていて、当たった2名の学生に東京ディズニーランドのグッズがプレゼントされ、学生たちから歓声が上がりました。


授業もディズニーの魔法にかかり和やかになったところで、本日のゲストである横山氏が登壇されました。

横山氏は1991年オリエンタルランドに入社。
最初は運営部に配属されました。その後、経理部やテーマパーク戦略部、人事部、フード本部などを歴任。2023年からマーケティング本部マーケティング開発部長に就任されました。
「皆さんがイメージしやすいのは、パークでやっているスペシャルイベントです」と横山氏。
クリスマスやハロウィンなど季節ごとに変わるイベントの企画・開発をしています。

現場の声を聴いてまずは試す!

横山氏は仕事のポリシーとして3つのことを大切にしていると話します。
1つ目は「現場のリアリティ」。
現場の声を聴くことが何より重要と言います。「人事部にいたときも、良かれと思って制度を改正しても、実は現場は望んでいないということもありました」と横山氏は語ります。

2つ目は「外から情報を得る」こと。
オリエンタルランドはチームワークがいい会社とした上で「チームワークがいいということは悪いことではないが、関心がチーム内に向きがち」と話します。意識して外の情報を得ることの大事さも話しました。

3つ目は「試してみよう!」。
仕事や企画は完璧に仕上げたくなってしまいますが、完璧にするには時間がかかります。
横山氏は「今は世の中の変化が早いので、完璧を目指して仕上げているとその間に環境が変わってしまっている可能性もあります」と言い、5~6割の出来でも、いったん上司に企画を出したり自分で動いてみたりすることが大事だと話しました。

課題発表!若者が閑散期にも東京ディズニーランドに来たくなるイベントとは?

話はスペシャルイベントについて。東京ディズニーリゾートでは年間を大きく5つの期間に分けてイベントを考えています。
4~6月が「春」。ゴールデンウィークは来園者が多いですが、全体的に集客が落ち着きます。
7~8月の「夏」は夏休みで繁忙期。ただ、最近は猛暑の影響もあり以前よりは落ち着いていると言います。
9~10月の「秋」はハロウィン。仮装してディズニーパークを楽しめるといまや一番人気のイベントです。
11~12月は「クリスマス」。こちらもイベントムードを楽しみに多くのゲストが来園します。
そして1~3月の「冬」は寒さもあり一番集客が弱い時期です。「春と冬の時期の集客をなんとかしたいと思っています」と横山氏。

ここで課題の発表です。
テーマは「ヤングアダルト層(19~34歳)に向けた2026年の冬と春のイベントを考える」です。
「1~3月の冬の時期と4~6月の春の時期に、最低1回ずつ東京ディズニーランドに来てもらえるイベントをそれぞれ提案してください」と提示されました。

コロナ禍以降、徐々に来園者も戻っていますがヤングアダルト層の回復が鈍いというのも現在の課題。
現在東京ディズニーランドのチケット代は1万円近い日もありますが「このイベントを行なっていたら、自分はお金払って絶対に行く!という自信を持った提案をしてください」と横山氏。
「感動する提案を待っています、頑張ってください」と学生たちの提案に期待を寄せました。

自分たちの企画が実現するかも!?

2026年は3年後。
今とどう状況が変わっているのか、顧客はどう行動変容しているか、想定しなくてはなりません。
難しい課題ですが「2025年まではすでに企画が決まっていますが、2026年はまだなので、皆さんの案がパークで実現するかもしれません」と横山氏が話されると、学生たちもやる気満々。
さっそく積極的にグループディスカッションが行われました。

「アトラクションをモチーフにするのは?」「待ち時間が長いのがネックだから、パークを歩き回れるイベントは?」など案が飛び交っていました。
「イベントは女性メインになりがち」や「ヤングアダルト層はディズニーシーへ行くイメージがある。自分や周りもそう」と分析する学生も。
「ランドでもちょっと大人っぽいイベントはどうだろう」「キャラクターに絶対に会えたら私は行きたい」など、まずは自分の興味から発生したイベント案も出ていました。
「ディズニーのどこが好きか改めて調べよう」「ディズニーで何にお金を使う?」など、さまざまな視点からイベントを考え始めていました。
学生たちは中間提案を経て、ひと月後にプレゼンテーションに臨みます。

担当教員からのメッセージ

オリエンタルランドの横山様には、毎年、本授業にご支援をいただいています。履修しているのは3年生が中心、そろそろインターンシップを経て就職活動も本格化していきます。企業分析の視点を一歩掘り下げてみることが出来ればという思いで、毎年様々なテーマをご準備いただいています。学生にとっては、身近な企業ではありますが、企業としての努力は並大抵のものではありません。普段のゲストの立場ではなく、社員目線で企業の戦略を考えて欲しい、そんな思いも込めて今年のテーマもご用意いただきました。今までにない難しさもあると思いますが、この授業を通して一皮むけて欲しい、そんな願いもあります。7月初旬の提案を期待したいと思います。

2023年6月23日

「未来フォーラム」のメンバーと直接交流!学生たちが企業の方々とグループ対話する特別授業が行われました。

5月30日に3年生対象の共通教育科目「キャリアデザイン」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で「未来フォーラム」の皆さまをお迎えし、学生たちとのグループ対話が実施されました。実際に社会で働く方々との貴重な交流の機会です。学生たちは名刺交換のやり方から、働くやりがいや入社のきっかけなど、直接お話を伺える特別な時間となりました。

労働組合の集まりである「未来フォーラム」

この日の教室は熱気に満ちていました。学生のほか14労組30名の方が参加され、教室も2部屋用意。14のグループにそれぞれの企業の方が着席されています。学生たちはこれから1回15分ずつ、計4グループを回り企業の方とグループ対話を行います。

初めに、代表幹事を務めるセイコーエプソン労働組合の品川友執行委員長から「未来フォーラム」について紹介がありました。
未来フォーラムとは「業種の枠を超え、理念に共感する労組の集まり」です。小売業、サービス業、メーカーなど「ここまで業種の幅が広いのは珍しい」と話します。
現在は27労組が参加し「人のために、社会のために、未来のために」という理念のもと、自分たちの会社と社会を良いものにするために活動されています。
品川氏は「ここにいるメンバーにも率直に、真摯に話すようにお願いしていますので、遠慮せず質問をぶつけてください」と挨拶され、グループ対話が始まりました。

学生たちはこの日に備え特別に大学サイドで用意した名刺を用意し、質問も考えてきました。仕事に対する本音を聞けるまたとない機会です。学生たちは緊張しつつも前のめりに、たくさんの質問を企業の方々に問いかけていました。
※今後のインターンシップなど社会人と出会うことも増えると考え、学生総合支援センターに支援いただき、毎年、この授業の履修学生のために名刺を用意しています。

その企業を選んだ理由は?

多くの学生が気になるのは、やはり「その企業に入社しようと思った理由」です。

商業施設に加え金融サービスなどを展開する株式会社丸井グループの方は
「もともと商業施設が好き。街づくりにも携われる面白さもあった」と回答。
反対に、電機メーカーのアルプスアルパイン株式会社の方は「自分の手でモノを作りたかった」と語り、
「モノを作る会社はたくさんある。細かいものから形のないものまで。自分は何がやりたいか知ることが大切」と話しました。

住宅設備機器メーカーTOTO株式会社の方は、「一緒に働きたい人で選んだ」と言います。
面接やインターンで担当してくれた社員の雰囲気や話しやすさが決め手のひとつとなったと話しました。

株式会社資生堂の方は
「他者貢献が自分のなかで大事。自分の立場で役に立つことができる」ことがやりがいと答えていました。

いま企業が取り組んでいることや工夫

普段の生活では気付かない各企業のこだわりを直接聞けるのもメリットです。
プリンタメーカーのセイコーエプソン株式会社が業界をリードする企業として力を入れているのは、環境に配慮すること。特にインクを捨てるとき、水質や土壌に影響の出ないものを研究していると話しました。

スーパーマーケットを展開するサミット株式会社では、店ごとに買い物時にストレスがない配置を考えたり、総菜の味付けは老若男女誰でも美味しく食べられるようにこだわったり「楽しい買い物体験」を実現しています。

自己分析と企業選択…どう結び付ける?

ある学生は「自己分析と企業選択がまだ結び付かない」という悩みを話していました。
IT企業のBIPROGY株式会社の方は、「いろんな業界の人の話を聞く」ことをおすすめ。
セイコーエプソン株式会社の方も「企業説明会を聞きまくり、ワクワクしない、違和感をあるところを削っていく」という消去法を提案していました。

面接のコツを聞かれた給湯機メーカーの株式会社ノーリツの方は
「一緒に働きたいのは、前向きで元気なひと。学歴も見るが人柄で選ぶ」だろうと元気に面接に臨むことをアドバイスされていました。

何を軸に企業を決める?

何を基準に企業を選べばいいか、というのは多くの学生が抱える悩みです。
漢方薬品メーカー株式会社ツムラの方は「働きやすさを考えたほうが良い」と助言。これから女性が活躍する社会になるのは間違いないと言い、女性の管理職割合や育休の取得率など情報を確認することは重要と話しました。

近畿日本ツーリスト株式会社の方も、有休を時間単位で取得できるなど、福利厚生が充実していることが入社理由のひとつと話し、「福利厚生や制度は確認しておくといい」と話しました。

ただ、BIPROGY株式会社の方は「福利厚生より雰囲気を重視」と、制度が整っていても社風が自分に合うか合わないかは大切だと話しました。社内の雰囲気を知るには、インターンやOG訪問など直接会社の中を見る機会を増やすように助言しました。
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社の方は「やりがいを日々感じながら仕事するのは難しい」と言い、働く時間をいかにストレスのない充実したものにするか、何を基準に働きやすさを決めるかを考えることをアドバイスしました。

学び続けていこう!

グループ対話の時間はあっという間に終了し、企業の皆さんから感想を頂きました。

「学び続ける姿勢に刺激をもらいました。大学を卒業しても、自分のキャリアを考えるという勉強が続いていく。今日は自分のキャリアを振り返るきっかけになりました。一緒に学び続けていきましょう」と話される方も。

品川氏も「社会に出たら誰も正解を教えてくれません。自分の気持ちに向かい合い、自分で決めていくことが大事。それが正解だった時にやりがいが出ます」と話し、
「これから皆さんが社会に出て、共に働けることを楽しみにしています」とエールを送りました。

最後には学生からの感想も。
「働いて楽しかったこと、つらかったことなど経験を聞けて良かった」や
「どんな業界がありどんな企業がどんな仕事をしているのかまだまだ分からないと思います。今後の就職活動などでも苦しいことや悩むこともあると思うが、今日聞いたことを参考に頑張ろうと思います」
と前向きな感想がありました。

授業時間後も多くの学生が残り、まだまだ話足りないと対話が続いていました。
学生たちにとって多くの刺激となる貴重な機会となった授業でした。

担当教員からのメッセージ

私自身が企業勤務時代に労働組合専従の経験があったこともご縁で、毎年、「未来フォーラム様」に、この授業にお越しいただいています。
毎年感じることは、労組役員の皆さん、特に「未来フォーラム」に所属している皆さんの熱量の大きさです。誰よりも社員に寄り添い、そして会社の発展を望む、これからの労働組合の方向性を指し示しておられると思います。
多様性の時代の中で、労組役員の方のご苦労は大変なものがあると思いますが、こうした皆さんが活躍されている企業で働けることは幸せだと思います。
学生も名刺交換からスタートした社員の方との真剣勝負、企業の説明会ではなく、働き甲斐ややりがいなどを直接お聞き出来る貴重な時間となりました。
毎年、本当に多くの方にご支援いただいていること、心から感謝申し上げます。

2023年6月16日

「キャリアデザイン」の授業で日本経済新聞社の村山氏による今の日本経済や企業を学ぶ講演が行われました。

5月16日に3年生対象の共通科目「キャリアデザイン」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、株式会社日本経済新聞社(以下、日経新聞)の村山浩一氏をお迎えし、「今、働くこと」を考えるための講演が行われました。実際に日経新聞に掲載された記事を引用しながら、企業の昔と今の違いや経済に関することを、学生たちにも分かりやすく話されました。

これからの時代をどう乗り越える?

村山氏は新卒で日経新聞に入社して以来、経済や経営に関わる記事を1000本以上執筆してきました。実践女子大学の前理事長のインタビュー記事も書いたことがあるとのこと。学生向け討論番組「日経カレッジ・ラボ」の制作に携わっていたこともあり、番組には深澤教授も出演されています。現在は教育事業ユニットのシニア・コンテンツ・プロデューサーとして、教育研修コンテンツを開発されています。

村山氏の話は、AGC株式会社(以下、AGC)のCMから始まりました。AGCは歴史のある大手ガラス製造会社でしたが、ガラス以外も扱う素材ソリューション会社へ社名とともに変革を遂げました。これには「両利きの経営」への意志が感じられると言います。両利きの経営とは、既存の事業を深掘りするとともに新たな事業を開発すること。「日本企業は、新たな事業の開発をすることは苦手なのですが、これからの時代を生き残るためには必要とされています」

産業界をみる上で、世界情勢も注視する必要があります。「今の世界を象徴するキーワードは”分断”だと思います」と村山氏。ロシアのウクライナ侵攻などに象徴されるように、世界的に対立が大きくなっています。同時にグローバル化は急速に広がり、日本企業も対立の影響を受けています。分断は政治だけでなく、経済においても重要なポイントなのです。「この分断をどう乗り越えていくか、どう新しい世界を作っていくかが大きな課題です」

日本に会社はいくつある?

次に村山氏は「日本の上場企業は何社あるでしょう」と問いかけました。学生たちは「100?」「1万社?」と答えるなか、正解は約4,000社。「では日本に会社は何社あるでしょうか」と再度問いかけが。「10万社?」「5万社?」と答えが出ましたが、正解はなんと400万社。99%以上が中小企業です。「皆さんの中にも、中小企業に就職する方もいると思います。たくさんの中小企業が活躍して、日本の経済が成り立っているんだなということを分かっていただければと思います」と村山氏は語りかけました。

「皆さんはどんな企業に就職したいですか」という問いかけには「メーカー系」や「金融」と答える学生がいました。ここで示されたのが、世界の時価総額上位企業の記事。1989年には世界上位20位のうち日本企業は14社ありましたが、2019年では41位でようやく出てきます。数十年経てば業績や世界の評価は大きく変わるのです。「皆さんが現役で働いている間にも、順位が大きく変わる可能性があります」と、大手企業だからといって、ずっと安泰だとは限らないことを伝えました。

お給料はどのくらい?

話は年収の話題へ。「皆さん社会人になったらどのくらいの年収がほしいですか?」と聞かれ、「500万円」「困らない程度に」「600万円くらい」という回答が出ました。日本の給与平均は443万円。ただ正社員では508万円ですが、非正規雇用だと197万円と大きな開きがあります。「学生で、希望の会社に入れなかったらアルバイトでもいいと言う方がいるけれど、私は、できれば正社員でどこかの企業に入ったほうが良いと思っています」と伝えました。

これから就活する学生たちに一番身近な話題として、採用の話も。採用側からの観点として、データサイエンスやAI、ITの知識を持っていることに期待が集まっているという記事には、「特に今の時代を反映している」と話されました。

メディアリテラシーを身に付けよう

最後はメディアとの付き合い方。「メディアリテラシーはどの業界で働いても重要です」。なぜならどんな情報もメディアを通して知ることになるからです。特にビジネスの話題には日経新聞は最適で、読者のうち課長クラス以上の役職に就いている人が45%を占めています。日経新聞で得た情報は、取引先との話題や企画案作りにも活用されています。

村山氏は「今日紹介したなかで、少し興味を持った記事もあるんじゃないかと思います」と語りかけ、「新聞は難しいというイメージがあるかもしれないけれど、興味を持ったものから読んでみると良いと思います」と話しました。

就活にも情報をうまく活用して

講演が終わると学生たちはグループで感想などを話し合い、質問をまとめました。質疑応答では就活やビジネスに関わる質問が飛び出しました。「中小企業やスタートアップの会社の情報をどうみつけていけば良いでしょうか」という質問には、「日経新聞を含む、メディアを見てみましょう。メディアに載るということは、取材したくなる企業ということ。そのなかで気になる企業を自分で調べるといい」と話し、「上場企業でも、今は社長の決算会見や株主総会の様子などの動画が無料で見られる時代です。こういった会見はとても貴重で、企業がどちらの方向を向いて動いているのかが分かる。ぜひ活用してほしいと思います」とアドバイスしました。

村山氏は「これからも勉強や就活に励んでください」と話し授業は終了しました。経済や経営者のニュースの最前線を知る村山氏のお話は、学生たちにも刺激になるものでした。

担当教員からのメッセージ

毎年ご支援をいただいている村山様には、極めて旬な経済や企業に関わるお話しをいただいています。グローバルレベルで日々変化を続けている経済界にアンテナを立てることは、就活のみならず、これからの社会を支える大学生にとっても極めて大切なことであることを気づかせて下さいます。情報をどこから集め、そして峻別する力がより求められる大学生にとって、大変学びの深いお話しをいただきました。この場を借りて心から感謝申し上げます。

2023年6月16日

「国際理解とキャリア形成」の授業で元資生堂海外支社社長の海外キャリアと挑戦することの大切さについて講演が行われました。

5月9日に共通科目「国際理解とキャリア形成」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、株式会社タイキ営業本部長の藤井恵一氏をお招きし講演が行われました。株式会社資生堂(以下、資生堂)で勤務していた際の幅広い海外経験を中心にお話しされ、学生たちはグローバルキャリアを改めて考える授業となりました。

広告に惹かれて資生堂へ

大学時代は勉強にサークルにアルバイトにと学生生活を謳歌した藤井氏。今でもつながっている友人がおり、「振り返ると、ネットワークを作るという考えの土台になった時期でした」と語りました。就活の時には広告やエンターテイメントビジネスに興味があったと言います。資生堂には、当時の広告がとてもかっこよく、惹かれたので面接を受けたと話しました。

1983年に入社。最初の仕事は北九州や長岡の支社での営業でした。現場での仕事は充分経験した頃、自分のキャリアについて考えるように。本社での勤務や海外勤務に興味が出て、海外派遣制度や別部門へのジョブチャレンジ制度へ応募などを積極的に行ったといいます。結局その時に海外へ行くことは叶わなかったものの、「アクションを取ったことで色んな人が自分を見てくれてつながりができ、その後本社のマーケティング部門へ行くことができました」と経験を語りました。

憧れのフランス駐在!異文化に「浸る」こと

海外への憧れは残っていたものの、本社勤務はとにかく多忙。
海外勤務の夢は半ばあきらめていたとき、突然フランスへ異動の辞令が来ました。
ヨーロッパの薬事法規制に対応したり、子会社のフランス、イタリア、ドイツなどと本社の商品・マーケティング戦略について意見交換したり、どう売上や知名度を拡大するかを考える日々でした。加えて、フランスに設立した子会社の社長まで任されましたが、結果的に不採算事業からの撤退ということで会社清算を担当。最後の1年間は弁護士と打合わせ、取引先との契約打切り商談、従業員の解雇などつらい日々でしたが、後々この経験が活かせることになったと話しました。

憧れの海外生活でしたが、英語もフランス語もほぼできないまま始まったといいます。英語は大量の書類を読み慣れていき、ヨーロッパ人とも英語でコミュニケーション。英語だけに集中し、フランス語は結局できないままと話しました。

海外旅行と海外生活の違いは異文化に「触れる」ことと「浸る」ことだと言います。異文化のなかに入って生活することで行動の背景も理解できるようになっていきます。
「例えばフランスでは日照時間が短いため、晴れていれば冬でもテラス席に座ります。日焼け止めよりも焼けたい願望が強かった」と話し、身近な行動からも日本との違いを感じたと話しました。「それが分かることでコミュニケーションの内容や仕方も変わってくる」と言います。
また、「日本人なら、歴史や文化などもっと日本のことを勉強しておくべきだったと思いました」と反省点も語りました。

ついに海外支社の社長へ

その後本社へ戻り国際マーケティング部のグループリーダーを任されます。ヨーロッパやアジア、アメリカなど各現地の子会社と連携を取るなかで、海外販売会社のトップに興味を持つようになりました。海外の会社の社長という立場からは何が見えるのか、自分なら何が出来るのか考えるようになり、国際事業の役員へ思い切って直訴します。念願叶い、カナダの子会社の社長に就任しました。

赴任してすぐ取り組んだのは社長として何を考えているのか、何を目指しているのかビジョンを従業員にシェアすることでした。「製品ではなく夢を売る」というスローガンを共有し、次のステージを目指しトロントやバンクーバーなど大都市で大々的なプロモーションを展開し、売上拡大を図りました。また、SDGsの先駆けとなるCSR活動への取組や、東日本大震災の写真展をカナダで行うなどの活動も積極的に行いました。英語も再度学びなおし、週2回家庭教師に文法と会話を習ったり、初めてTOEICを受験しました。

社長を経験し、ポジションの難しさを改めて痛感したと言います。
日本と違い海外では部下の責任と権限が明快であるため、一度部下に業務を託したら、部下の責任と権限のもとで業務を遂行しており、ある程度の期間をみないと進捗状況を把握することができず、フラストレーションが溜まることもありました。しかし何かがあればすべて自分が責任を負うという重責もあります。一方で提案次第では会社全体を動かせるパワーがあることも実感。「日本では経験できないことができ、非常に楽しかったです」と話しました。

「凡事徹底」と「最大の挑戦」を

57歳のとき「もうこの会社ではやりきった」という思いが出てきます。まだ貢献できる会社やワクワクできる仕事があるはずだという考えが湧き出て、転職を決意。縁があって化粧品OEMメーカーの株式会社タイキに入社しました。現在も自社ブランドの開発・マーケティング・販売や取引先のPB開発に携わっています。

最後に学生たちへ、人が真似できないほど物事を一生懸命にやること、挑戦することの大切さを伝えました。
「やり方を変えれば結果も変わってきますし、チャンスもでてきます。そのチャンスに向かってどれだけ高くジャンプできるか、出会いを大切にしながらぜひチャレンジしてください」とメッセージを伝えました。

ネットワークを作り好奇心を持って

講演が終わると、学生から質問が飛び交いました。
「自分から主体的にキャリアアップしていたように感じましたが、そのモチベーションは何ですか」という質問には、藤井氏は「新しいこと、面白いことにチャレンジしたい、次は何が出来るかという好奇心が根底にありました」と回答。
これからオーストラリアにワーキングホリデーに行くという学生には、今の会社でも資生堂時代のつながりが活きていることを伝え、「海外に行ったら向こうの人とネットワークを作っておきましょう。いつか思いがけないところでつながるかもしれません」と、アドバイスされました。

最後には藤井氏から化粧品の試供品が学生たちにプレゼントされ、和やかな雰囲気で写真撮影が行われました。学生たちにとって海外で活躍するための前向きな力を学ぶ、貴重な講演となりました。

担当教員からのメッセージ

今から約30年前に、同じ職場でお目にかかった藤井さん、その頃の仕事は国内のブランドマーケティングでした。その後、藤井さんは海外中心のお仕事に、私は労働組合と人事、全く畑は別になりましたが、ブランドマーケッター時代に苦楽を共にしたことが、今でも藤井さんとのご縁を繋いでくれているわけです。私の印象は、仕事ぶりも身のこなしも、“かっこいい人”、今でも化粧品業界で活躍されている姿は、素晴らしいと思います。毎年のご支援に心から感謝申し上げます。

2023年6月15日

ファーストペンギンになろう!「キャリアデザイン」の授業で元日経新聞の記者が講演を行い失敗を恐れず行動する大切さを話されました。

5月9日に3年生対象の共通科目「キャリアデザイン」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、元株式会社日本経済新聞社(以下、日経新聞)の大村泰氏が招かれ講演が行われました。大村氏は在職中の多くのインタビューの中から学生たちへ伝えたい名言を集めてきてくださいました。講演の中でこれからの時代の情報の扱い方や、失敗を恐れず行動をしていくことの大切さを語られました。

深澤教授とは部活の友人

大村氏は、深澤教授の高校時代の同級生。二人は野球部で、共に白球を追った仲です。
大村氏は日本経済新聞社で数々の業務に就かれた後、日経メディアマーケティングの代表取締役社長を務められ、2023年3月に日経を退職したばかり。退職を機に、第二のキャリアデザインを考えているところと言います。
また、学生の前で講演をされるのは今回が初めて。「今日が第二のキャリアのデビュー戦です」と講演を始められました。

大村氏の子どもの頃の夢は小説家。書く仕事がしたくて新聞記者を目指し、日経新聞に入社しました。最初は記者ではなく記事の編集をする整理部に配属になりました。入社後は失敗と挫折の連続だったと言います。しかし最後は先輩が助けてくれたと感慨深く話されました。

「今日、新聞を読んだひとはいますか」大村氏の問いかけに手を挙げた学生はゼロ。学生たちは無料のニュースサイトやテレビ、SNSなどから情報を得ているという回答に。若い世代が新聞を読む機会が減っているのが新聞業界の課題です。

若者たちに贈る「名言集」

今回大村氏は、学生たちに伝えたい言葉として、インタビューした多くの成功者の言葉のなかから選りすぐりの「名言集」を持ってきてくださいました。最初は「ファーストペンギン」。財界の重鎮、小林喜光氏の言葉です。ファーストペンギンとは、群れの中から真っ先に海に飛び込んでいくペンギンのこと。転じて、勇気と主体性を持って行動する先導者のことを意味します。「企業文化もファーストペンギンが出ると変わっていく」と大村氏は語りました。

「ラストマン」というのは最終責任者という意味で、最後の責任を取るリーダーのこと。どんな活動でもリーダーは必要です。そのなかで、ただ選ばれるのではなく自分で考え行動し責任を取れるリーダーになってほしいと大村氏は話しました。

中外製薬会長の言葉は「失敗を恐れるな」でした。「日本は失敗に厳しいですが、アメリカでは失敗すればヒーローになる」と言い、チャレンジ精神の大事さを伝えました。モルガン・スタンレー証券のアドバイザー、ロバート・フェルドマンの言葉は「いでよ異端児」。「チームワークを大切にするなかで、挑戦のためには異端児もいなくてはいけない」と話しました。

メディアをどう使い分けるか

ニュースの影響力の大きさを示す事件として、大村氏は2016年のアメリカ大統領選について触れました。当時世論はクリントン氏の圧倒的有利と思われていましたが、結果はトランプ氏の勝利。これには共和党寄りのメディアFOXTVの報道が大きく寄与していると言われています。また、AIはSNSなど含めビッグデータの解析からトランプ氏勝利を予想していたと言います。

これからの時代、情報をどう扱うかは大きな問題です。
そこで大村氏は「上手にメディアを使い分けることが大切」と言います。例えば物事について詳しく知りたいとき、ネットニュースだけではなく新聞がどう書いているかを読むことを勧めました。新聞各社がそれぞれどのように報じているか、それは本当なのかを疑う姿勢を持つことで「自分なりの立ち位置というのが分かるようになります」と話します。また、1対1の対話力を磨くことも大切。「名言は1対1で話しているときに出てきます」と話しました。

AIとどう付き合っていく?

現在話題の「chatGPT」に関しても話されました。「すごく大事な問題で、いろいろ考えなくてはいけない」と語りました。「インターネットのように、世の中を変えてきたものというのは必ず浸透します。間違いなく、10年後や20年後の将来には当たり前の技術になっている」と言います。AIに仕事が奪われるという未来予測もある中で、では何に気を付けていけばいいのでしょうか。

AIにできないことは、判断することや新しく何かを生み出すことです。「これからは自分たちに何が出来るかを考えていく時代になるでしょう」と、自分で考え判断する大切さを伝えました。

失敗を失敗のままにしない

講演後、学生たちはグループディスカッションを経て大村氏への質疑応答が行われました。「名言の中で失敗を恐れるなとあったが、どうしても失敗を怖がってしまう。どうしたら一歩進めますか」という質問には「失敗するかもと立ちすくむのではなく、失敗した場合のリスクをどう乗り越えていけるか考えることだと思います。経験者に聞いたり調べたり、失敗を失敗のままにせず、どう立ち上がるかだと思います」と回答しました。

「情報をどのように取捨選択すればいいでしょうか」という質問には、「新聞を読むのが良いと思います。新聞は記者が現場に行き、一次情報にあたって取材しています。裏付けが取れた情報しか載りません」と、新聞の情報の正確性を伝えました。また「週に1回でも新聞の1面だけでも読むと、今何が起こっているかが分かる」と、新聞を利用することを勧めていました。

最後に大村氏は「今回の授業で一番伝えたかった言葉はファーストペンギンです」と話しました。「最初に手を挙げて発言することや、一番に教室に入って準備することもそう」と、先陣を切る勇気を持つことの重要さを再度伝えました。

学生たちにとっても、失敗しても挑戦することの大切さを学んだ講演となりました。

担当教員からのメッセージ

大村氏と初めて会ったのは高校1年の時、以来約半世紀が経とうとしています。しかし、今でも時々会う大切な仲間の一人、やはり社会で大切なのは人脈であることを改めて感じています。大村さんが会社を離れると聞いてお目にかかった時に、私の夢は大学生に自分の経験や生き様を伝えることだと聞き、今回の舞台をご用意させていただきました。豊かな経験に基づく珠玉の言葉の数々に、大村さんのキャリアの年輪の厚さを感じました。

2023年6月6日

人生は冒険だ!「キャリアデザイン」の授業でキャリアを漫画の世界に例えたユニークな講演を行われました。

5月2日に3年生対象の共通科目「キャリアデザイン」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、Life Ship株式会社代表の田形正広氏をお招きし「ワンピースキャリア論」の講演が行われました。深澤教授との縁により実践女子大学で講演を行うのは今回で8回目。現実のキャリアを漫画の世界に例え、分かりやすく楽しい授業に、学生たちも興味津々で耳を傾けていました。

学生たちも楽しみにしている「ワンピースキャリア論」

今回なんと8回目となる恒例の講義。
田形氏は「毎年この授業で思うことは皆さんとても優秀で、質問がとても上手」と気さくに話されます。講演に使うパワーポイントの資料も、数年前に受講した学生が作ってくれたものとのこと。「あとで質問の時間を取りますので、思ったことがあればぜひ聞いて下さい」と講義は始まりました。

田形氏は、人材派遣サービス会社での営業を経て、2020年に派遣社員の評価システムを提供する企業を立ち上げました。順風満帆のように見えますが、新卒だった2000年は就職氷河期。入社できたものの半年で退職。転職先ではシステム開発に失敗するなど浮き沈みもあるキャリアといいます。その田形氏が大好きなのが、週刊少年ジャンプで連載中の、世界的人気を誇る漫画「ワンピース」。主人公のルフィを中心に海賊たちが大冒険を繰り広げる物語です。

自由に一生懸命に「今」を生きる

今回、田形氏が伝えたいメッセージは2つ。
1つは「人生は冒険だ!」です。「就職はゴールではなく、大冒険の始まりです」と田形氏。社会に出ると、常に挑戦することを求められますし、いやなことやつらいこともたくさんあります。ただ同時に、出会える人、行ける場所はどんどん広がっていきます。「その先に最高の感動や宝物が待っています」と田形氏は語りました。

このメッセージで忘れていけないことは
「自分の人生の主役は自分だということ」です。誰かに判断を任せずに、自分で決めて前に進むことが大事だと話しました。

もう1つは「海賊になろう!」。
海賊とは楽しく、自由に、一生懸命に今を生きている人のこと。自由とはなんでも好き放題してもいいという意味ではありません。自由とは、自分で決めるということ。自分で決めると、他人のせいにはできなくなるので責任が伴います。「責任を負うほど自由になれるんです」と田形氏。自分が本当にやりたいことをやるためには、自分の行動に責任を持つという覚悟が必要だと語りました。

では海賊の反対はなんでしょうか。
それは「幽霊」だと田形氏は定義しました。過去への執着や未来への不安に気を取られて「今」に足がついていない存在です。悩んだり迷ったりしながらも、まずは「今」行動を起こすこと。その大切さを伝えました。

人生における「宝物」とは?

田形氏は「冒険には宝物がセット。では宝物とはなんでしょうか」と問いかけました。学生たちはグループで話し合い、「いままでのキャリア」「自信や努力」「成果」などの回答が出ました。なかには「死ぬときに分かる」と言った回答も。田形氏も思わず「深いですね」と感心しました。

田形氏の思う宝物は、「仲間・愛情・仕事」だと言います。
つらい時も一緒に乗り越えられる仲間や、家族などへの愛情、そして「天職」です。「どれか一つでもみつけられた人は自分の人生を主役として生きている証拠です」と話しました。そのなかで、天職は実はまだ田形氏も見つけられていないと言います。「天職とは自分にしかできない仕事のことですが、自分らしく自分だけではできない仕事をすることでもある。仕事とは、働くことで人や社会の役に立つこと。成長するほどより役に立てるようになります。」

冒険を楽しむための武器と力

田形氏は冒険を楽しむための武器と力があるということも話してくれました。武器になるのが、例えば資格やスキル、専門知識など。ただしこういった武器は身に付けるのに時間やお金がかかります。絶対に必要ではありませんが、自分に合っているものや必要だと思ったものは取得することを勧めました。

「武器は必要に応じて持てば良い」と語った田形氏は、「誰もが必須で身に付けるべき」だと2つの力について語りました。

1つめは自己を客観視したり、他者の気持ちに共感するといった自他を感じ取る力。自分を客観的に俯瞰し、相手の考えや気持ちを洞察し共感する力です。自己分析や相手の立場に立つことは社会に出る上でとても重要です。

2つめは自己コントロール力。やるべきことややりたいことをやる、という行動力の他、やっちゃいけないことをやらないという自制心も必要です。例えばダイエットしているとき、甘いものを食べたいけど食べない、という自分を律することも大切な力です。この2つの力を極めていけば人生において不可能なことはほとんどないと語りました。

学生にも響いた楽しい講演に

質疑応答の時間ではたくさんの学生が手を挙げました。

「人生をワンピースに例えるようになったきっかけは?」という質問には「元々好きだったんですが、他にも様々な本を読んでいくなかで、ワンピースには人生に必要なほとんど全ての要素がつまっている。仕事や人生についても多くを教えてくれるすごい物語だと思った」と回答しました。
就活で職種選びに悩んでいるという学生からは「なぜ今の仕事を選んだのですか」と質問され、「新卒で入った会社はモノを売る仕事だったが、自分に合わず辞めてしまった。でも営業は好きで自信もあった。自分の得意な事や価値観、経験を加味して今の仕事にたどり着いた」と話されました。
最後に田形氏は「皆さんの人生をより良いものにしてください」と学生たちに語り、講演を終えられました。

担当教員からのメッセージ

同じキャリアコンサルタントのネットワークでお目にかかった田形さん。明るく前向きで、常にアグレッシブな生き方をリスペクトしています。そんな田形さんにお越しいただいたから8年、学生もとても楽しみにしているコマです。こんな身近なコミックに、キャリアを深く学べるコンテンツが詰まっていたことには、本当に驚きです。そして、そのことに気づいて講座を創られた田形さんの素晴らしいセンスにも乾杯です。学生の気づきも驚くほど多いのも特徴です。
改めて感謝申し上げます。

2023年6月5日

ウェルビーイングについて学ぶ! JWP研究会が女子大生フォーラム「What is Well-Being~自分を輝かせるキャリアの描き方~」を開催しました。

2月25日(土)に実践Well-Beingプロジェクト研究会(以下、JWP研究会)による「女子大生フォーラム「What is Well-Being~自分を輝かせるキャリアの描き方~」が開催されました。本フォーラムはJWP研究会の有志の学生が企画・運営を行い、実践女子大学のほか聖心女子大学や慶應義塾大学など7大学の女子学生が参加。ゲスト講師にEVOL株式会社代表の前野マドカ氏をお迎えし、ウェルビーイングについての理解を深めました。

JWP研究会の活動は?

はじめに今回の企画運営を行う5名の学生たちから、本フォーラムの説明がありました。
去年はSDGsについて学んできたJWP研究会。しかし不確実な未来を生きていく女性がキャリアを築き自信をもって人生を歩んでいくために、より自分自身に目を向けることが大切と考え、今年度はウェルビーイングへの学びを深めることを重点に活動してきました。
「本フォーラムでは、一年を通して学んだことを参加者に共有する機会にしたいと考えています」と開催の主旨を伝えました。

ウェルビーイングって?

まずJWP研究会の活動を通して学んだ「ウェルビーイングについて」の発表がありました。
ウェルビーイングとは、狭い意味での心身の健康だけでなく、「身体的、精神的、社会的に良好な状態であること」であると説明。ウェルビーイングが近年注目されている理由として、ウェルビーイングの研究が深まってきたことの他に、時代の変化とともに「モノの豊かさから心の豊かさへ」変化してきたことを説明しました。

ウェルビーイングはビジネスにおいても注目されています。企業が利益のみ追及するのではなく、働き方の多様化など働く人たちの幸福も追求するべきという考え方です。様々な場面で注目されるウェルビーイングについて、より理解を深めていこうというのが本フォーラムの目的です。

7大学の女子学生が交流!

ウェルビーイングの基礎知識が共有されたところで、フォーラムの目的の1つでもある参加者同士の交流を深める時間に。
3~4名に分けられたチーム内で、それぞれ自己紹介となぜこのフォーラムに参加したかを話しました。また、アイスブレイクとして運営学生が考案した漢字クイズが実施され、最初は緊張気味だった参加者の皆さんも徐々に楽しそうに会話を始めていました。

自分を輝かせるキャリアの描き方とは

続いて、ゲストの前野マドカ氏による講演が行われました。
JWP研究会では以前、ウェルビーイング研究の第一人者である前野隆司氏にお話を伺う機会があり、そのご縁でパートナーである前野マドカ氏に学生たちから講演を依頼しました。マドカ氏も隆司氏に感化され幸せの研究を始め、現在では幸せを広めるワークショップやプログラムを開発されています。

前向きな人は創造力や生産性も高く、周りに良い影響を与えるという研究結果があります。「幸せは移ります。皆さん覚えておいてくださいね」と前野氏。では幸せな人とはどんな人でしょう。それは夢や目標を持ち、多様な人とつながりを大切にして前向きに自分らしく生きる人のこと。

「やってみよう」「ありがとう」「なんとかなる」「ありのままに」が幸せの4つの因子です。

人間は、ないもの・苦手なもの・できないことに目が向いてしまう生き物。しかしそれでは幸せになれません。自分にあるもの、得意なもの、できていることに目を向けることが大切と言います。
「自分の良さや強みは意外と自分では分からないので友達や家族に聞いてみましょう」前野氏はアドバイスを送りました。

「Well-Beingダイアログカード」使った幸福度を高めるワークショップ

ここで、前野氏がグループに1枚ずつWell-Beingダイアログカードを配りました。幸福度研究に基づいて作られたカードにはそれぞれ問が書かれています。
例えば「自分にありがとうと言いたいことは?」「本気で取り組んでいることは?」「人生をかけて成し遂げたいことは?」など。
答えを考えることで自分自身の大切なことや軸について知ることができるカードです。グループごとで話し、他の意見を聞くことで幸福度を高めていきます。

対話は盛り上がり、自然と拍手が出るグループも。それぞれグループで対話したあと、感想を発表しました。
「自分にもいいところがあるんだと気づけた」という意見や
「皆違う答えだが共通点があった」などという感想が出ました。
「自己分析にもつながった」という気付きもありました。

女性のキャリアは自分で作っていける

最後に前野氏はキャリアについて語りました。
前野氏は「女性のキャリアはいかようにでも作れます」と断言します。せっかく築いたキャリアを、ライフステージが変わるたびに壊してしまうのではと怖れる女性は多いもの。しかしキャリアとは本当に好きなこと、わくわくすることを追い求めていくことでできていくと前野氏は言います。

起業することだってひとつの選択です。
「私も以前は専業主婦で、自分がいまこんな仕事をしているなんて想像していなかった」と語り、最初からキャリアを決めつけずに、やりたいことや夢をたくさん考えておくことが大切と話しました。

Well-Being宣言!

フォーラムの最後には参加者全員が「Well-Being宣言」を行いました。
自分自身にとってのウェルビーイングを考え、言語化できるようにします。
風船型の紙が配られ、それぞれの思うウェルビーイングを宣言。グループ内で発表し合います。全員分の「Well-Being宣言」は模造紙に貼り付け、可愛らしく飾られました。

最後に参加者から、
「自分から主体的に動こうと思った」や「やりたいことをやってみる、前向きに行動していきたい」などの考えや、
「自分に自信を持つという共通点がありつつ、そのなかでもそれぞれに違いがあった」という気付きがシェアされました。

前野氏は「自分をいい状態にすることを、しっかり考えてくれてとても嬉しいです。全員に応援メッセージを送りたい」と語り、女子大生フォーラムは終了しました。

企画・運営した学生たちの話

コロナ禍で先行きが見えず、人とのつながりが希薄な学生生活だったので思い出に残る活動がしたいと考え、ウェルビーイングという前向きな言葉に惹かれて研究会に入りました。

受け身の活動が多かった中、自分たちで主体的に行動したくて今回の女子大生フォーラムを企画しました。

他大学にも訪問し、チラシを置いていただくなどの宣伝活動を行った結果、想像以上にたくさんの方が参加してくださいました。

自分たちが頑張って開いた場で、皆が笑顔で交流しているのを間近で見ることができたことが何よりも嬉しかったです。

深澤晶久教授の話

2021年度に立ち上げた「JWP(実践ウェルビーイングプロジェクト)研究会」も2年目を迎えました。
2020年責任世代である私自身が、2050年責任世代である学生たちに、少しでも良い形でバトンを渡したい、そんな想いから辿り着いたのが「Well-Being」でした。その2年目の活動のファイナルイベントが、今回の「女子大生フォーラム」でした。企画から運営まで、まさにプロジェクト・マネジメントをやり遂げてくれた学生たちの姿に、大きな成長を感じるとともに、頼もしさまで身に着けてくれました。
この企画にお力添えいただいた前野マドカ様に、この場を借りて心から感謝申し上げます。そして、参加してくれた学生の皆さんにとって、さらにウェルビーイングな時間が沢山訪れることを祈ります。

2023年5月24日

「女性とキャリア形成」の授業でアフラック生命の木島葉子氏から女性役員になるまでのお話を伺いました。

共通科目「女性とキャリア形成」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、アフラック生命保険株式会社(以下、アフラック生命)の木島葉子顧問をお迎えし、女性役員になるまでの経緯や大切にしていることについての講演が行われました。進行は担当のグループの学生たちが行うなど、学生主体の組み立てとなっており、講演後も積極的に質疑応答が行われました。

アフラック生命とはどんな会社?

木島氏は実践女子大学の卒業生。そして現在、実践女子学園の常務理事をされています。
「このような形で皆さんとお会いすることができて大変嬉しく思っております」と自己紹介が始まりました。アルバイトとスキーなどスポーツに夢中な大学時代を過ごしたと言い、
「女性のキャリアの話の冒頭にはふさわしくないかもしれませんが、大学生活は自分のやりたいことを自由にできる素晴らしい4年間です」と話しました。

今回進行を担当したグループの学生

就職活動をしてアフラック生命へ入社。当時はまだまだ小さな会社だったそうです。アフラック生命は、1974年に日本で初めてがん保険を提供する保険会社として誕生しました。がん保険は、がんに罹患された人々を経済的にサポートする「生きるための保険」です。来年50周年を迎えるにあたり「生きるを創る」というVISIONを掲げ、女性を含む人財の能力の発揮やダイバーシティ推進に取り組んでいます。

アフラック生命の推進するダイバーシティ

アフラック生命は創業時から役割や評価などの男女差はなく、1997年に生保業界で初の女性役員が誕生しました。しかし、2014年の女性の管理職は10%にとどまり、他社との差も無くなってきたため、女性活躍を推進していたとは言い難い状況に。
そこで目標を策定し、2025年までに部下のいる管理職の女性割合30%達成を目指しています。

育児と仕事の両立セミナーも積極的に開催。男性社員はもちろん、社外の配偶者も参加できるセミナーで、産休前や復帰後の働き方やキャリアを考えます。また男性の育休取得は100%を目指しており、取得時期はいつにするかなど上司の方から確認するようにして、育休を取りやすい環境を作っています。

働き方改革にも力を入れており、テレワークやフレックス制度も導入。
「重要なのは、こういった制度を育児や介護をしているなど限られた一部の社員が使うのではなく全社員が使うこと」と木島氏。さまざまな制度を組み合わせ、組織的に実践していくことが大切と話します。

危機時の対応で成長した

では木島氏がどのようにキャリアを築いていったのでしょう。
木島氏は「私自身のキャリアを話すうえで外すことができないのが危機時の対応です」と語りました。
2011年の震災の際は、翌日から業務を再開したものの、計画停電で継続に支障が出るという事態に。パソコンも電話も動かず、対応が困難になりました。ただ、そのとき物事の進め方や、やり方を決める判断材料をそろえることの重要さに気付いたといいます。

「危機時を経験することでだんだん不安は小さくなり、自信は大きくなっていきます」と木島氏。あの時大丈夫だったから今回もできると、困難にも主体的に取り組むことができるようになったと言います。
そして「主体的に取り組むことで、チームのサポートを得られることにもつながった」と話しました。

最後は気合!女性が活躍する社会へ

ただ、「キャリアをアップしていくとは、日々の積み重ねの結果である。」と話します。
必ずしも危機時の対応を経験しないといけないわけではなく、日々の仕事を真面目にやることが基本だと語りました。
「そして私が何より大切にしているのは、気合です」と木島氏。
何事も絶対にやりとげるという気持ちで、周りを巻き込み動かしていくのだと話しました。

経営など上に立つ一員として大事にしているのは、常に人に見られていることを忘れないということ。女性で役員を務めているのは日本ではまだまだ少ないため、ロールモデルとしての自覚を持ち恥ずかしくないように取り組んでいると言います。また、実践女子学園の理事になり、学園の精神である「女性が社会を変える、世界を変える」が自分の夢になったと言います。「100年以上前にこの考えを持っていたことに感動を覚えました」と話し、今の時代になんとしても実現したいと思っていると力強く語りました。

日本の女性の活躍推進はまだまだ道半ば。ただ、これからどんどん良くなっていくはずと言います。
「皆さんもぜひ自分の軸を持って頑張っていってほしいと思いますし、私も応援していきたい」と学生にエールを送りました。

自分のこれからに活かせる講演に

その後グループごとで感想を話し合い、木島氏への質問の時間が持たれました。
「男性がいない環境で育ち、強く言えないのですが、男性にも自分の意見を言えるようになるには?」という質問には
「私もどちらかというと黙っている方が好きなんです」と意外な回答が。
「ただ仕事をしているときは、役割を果すため自分のプライベートな性格は二の次だと思います。またそのための準備や練習をするなど、求められていることに対して自分はどう振舞えばいいかを考え実行することが大切です」と話しました。

「自分の強みの見つけ方は?」という質問には
「自分では見つけづらいので、友人や家族など他人に教えてもらうのがいいですよ」と回答されました。

最後に進行役の班の学生から
「できないことはないという強い言葉が印象に残りました。お話の内容をこれからにつなげていけたらと思います」と感想を述べ、
講義は終了しました。

担当教員からのメッセージ

企業トップを迎えて行う「女性とキャリア形成」も今年で3回目を迎えました。ゲスト講師のトップを務めていただいたのは、アフラック生命保険の元専務取締役で、本年4月からは本学の常務理事に就任された木島葉子さんでした。企業における女性の活躍という視点では、常にトップランナーを務めて来られた木島さん、やはり仕事には厳しく、人には優しくというご本人の確固たる理念をお聞かせいただきました。本学の卒業生であり、学生にとっては、本当に良きロールモデルであると感じました。今年も6人のゲストが登場されます。