タグ: 特別コラボ

2026年10月5日

主婦の友社へ訪問し、出版の現場と社会で活きる企画力について学びました。

9月2日、〈国文学マーケティングプロジェクト(担当:国文学科 深澤 晶久教授)〉にて、株式会社主婦の友社(以下主婦の友社)の本社を訪問し、特別プロジェクトに学生が参加しました。

授業と企業連携について

〈国文学マーケティングプロジェクト〉は、文学部国文学科の2年生以上を対象に開講されている集中講座です。「コミュニケーションメディアの変化」をテーマに、国文学科の学びと企業活動を結びつけながら企業のミッションやリーダーシップについて考え、社会で求められる力を身につけることを目標としています。

今回の授業では、書籍や雑誌の出版を行っている主婦の友社と連携を行いました。学生は、出版業界の業務内容や、部署ごとの具体的な仕事の紹介を通じ、自分が社会で働くビジョンを具体的に考える貴重な機会となりました。また、主婦の友社から提示された課題にもグループで挑戦。紙面や特集記事の企画を提案し、現役社員の方々からフィードバックをいただきました。

主婦の友社について

主婦の友社は創業以来100年以上の歴史を持つ出版社です。発信しているコンテンツについて、宇都宮氏は「ファッションや美容、住まい・インテリア、妊娠・出産・育児、料理、健康、さらにはシニア向けの生活情報(認知症、生活習慣病、更年期など)に至るまで、人のライフステージのあらゆる場面に関わる内容を扱っている」と説明しました。

発信の形態についても、雑誌や書籍にとどまらず、漫画や映像、イベントなど多様な手法を用いていることが紹介されました。

また、主婦の友社は、東京や大阪で読者参加型のウェルネスイベント「ご自愛市(ごじあいいち)」を毎年開催しています。今年3月に開催された「ご自愛市」では、本学の学生も登壇し、プレゼンテーションを行いました。今回、学生は昨年秋に開催された「ご自愛市」のトークセッション動画を視聴しました。動画を通じて、主婦の友社が発信している情報やコンテンツの内容、イベントの雰囲気について理解を深めました。

一人では成り立たない編集の仕事

雑誌『健康』編集部の松本氏、橋詰氏からは、編集の仕事について説明がありました。紙面の作成には、企画テーマの決定、取材、紙面の作成、原稿執筆、校閲など、各段階で関係者と連携しながら紙面を作成していることを紹介しました。取材に関する工程や対象者の選定、取材依頼、実際の取材対応など、それぞれの段階で多くの人が関わっていると説明しました。

続いて、『健康』が創刊50周年を迎えたことに触れながら紙面の具体例として、2026年10月号(2026年9月2日発行)に掲載されている防災企画について紹介しました。松本氏は「過去にも同テーマの特集を掲載したことがある」と話し、当時の記事が読者アンケートで高い支持を集めたことを紹介。高い反響から、改めて掲載されることになったことを紹介し、読者の反応が記事に影響を与えていることも話しました。

また、雑誌『ゆうゆう』編集部の秋谷氏は、編集の仕事について「一人では成り立たない仕事」と話し、「一冊の本が、著者にとって名刺代わりとなることもある。だからこそ、携わる仕事に責任をもち、誠実に向き合うことが大切」と学生に伝えました。

人事部の原氏からは、具体的な人事部の業務体制と勤務制度について説明がありました。初めに部署の業務が大きく「労務管理」と「採用業務」の2つに分かれることが紹介され、原氏は「労務管理では給与の計算や入退社の手続きなどを担当し、採用業務では書類選考から面接の調整までを一貫して担当している」と説明しました。

また、主婦の友社では『フレックスタイム制度(指定されたコアタイム以外は自分で勤務時間を調整できる勤務制度)』が導入されていると説明し、「勤務時間を柔軟に組み立てられる仕組みが取り入れられています」と話しました。

学生たちは出版に関心のある人が多く、メモを取りながら熱心に話を聞いていました。また、学生たちにとって仕事の内容が想像しやすい部署を取り上げた具体的な仕事内容の説明は、学生自身が働くビジョンをより明確に想像する機会となりました。

プロジェクト後半!課題にチャレンジ

学生はプロジェクトの後半に、①身近な健康課題を解決する誌面企画 ②同世代に向けたプレコンセプションケア(将来のライフイベントを見据えて、自分の生活や健康と向き合うこと)特集の企画という二つの課題に取り組みました。

課題には3つのチームに分かれて挑戦。学生たちは、松本氏から意見を聞きながら、自分たちに身近な悩みから企画を考案しました。

A班:課題①身近な健康課題を解決する誌面企画

〈自分、今日休みます〉をタイトルにSNSで起こる対人関係のストレスに注目した特集を発表しました。SNSの普及などにより連絡が常時つながるがゆえの負担感やストレスを指摘し、学生、社会人の部下、社会人の上司の3つに分けて悩みを整理する内容としました。最後に専門家の見解も交えながら「正解はない」というメッセージで締めくくることとしました。

A班:課題②同世代に向けたプレコンセプションケア特集の企画

〈この時代を生き抜く〉をタイトルに、ダイエットをテーマに特集を企画しました。課題点として「極端なダイエットに対する危機感が薄れていること」を紹介し、具体的な例を含めながらその危険性について注意喚起する内容としました。また、管理栄養士監修のもと、コンビニなどで実践しやすい食事の工夫を紹介し、4コマ漫画を用いて分かりやすく伝える誌面構成とすることも説明しました。

B班:課題①

〈間食総選挙 いつものおやつをゆるアップデート コンビニおやつ大攻略〉をタイトルに、間食をテーマにした特集を発表しました。学生は「間食を禁止・制限するのではなく、手軽に気楽に健康的なものへチェンジしていくという『ゆる健康』『コンビニおやつ攻略』の提案を行います」と話し、読者が「このおやつは意外とヘルシーである」と知り、次にコンビニを訪れた際の具体的な購買行動に繋がる記事を目指すと説明しました。

B班:課題②

〈プレコンって何? 今と未来を楽しむヒント〉というタイトルで企画を発表しました。紙面を三つのセクションに分けて構成し、プレコンセプションケアという言葉の説明、身近なテーマと絡めた具体的なエピソードや今日から実践できる行動リストの紹介を行った後、手軽に取り入れることができる手段を具体的に紹介し、読者が行動に起こしやすいように支援するとしました。

C班:課題①

〈肌かちゅ、して?〉をタイトルに、肌荒れをテーマにした記事を発表しました。学生は、肌荒れの背景にホルモンバランスの乱れや生活習慣の乱れがあることに触れ、メイクのスペシャリストの見解を交えて具体的に伝える構成を検討していると説明しました。

C班:課題②

〈輝く未来の自分 プレコンセプションケア〉をタイトルに、プレコンセプションケアの重要性をテーマに記事を発表しました。学生は、「聞き慣れない言葉への心理的なハードルを下げることを狙い、言葉の説明を冒頭に掲載する」とし、パートナーの有無別に使い分けられるチェックシートや専門家のインタビューや体験談で語られるケアの重要性など、読者が自分事としてとらえることができる企画を盛り込みました。

プロジェクトの終わりに

宇都宮氏から総括のコメントをいただきました。宇都宮氏は「就職した後にどのような会社や部署に配属されたとしても、雑誌や本以外でもコンテンツを作る機会は実務において多く存在しています。今回の授業で皆さんに体験していただいた、企画を組み立てる際の一連の流れや仕組みは、将来出版業界以外に進んだとしても十分に生かせる考え方だと思います」と、学生に伝えました。

学生にとって今回のプロジェクトは、具体的な業務内容の紹介を通じて自分のキャリアビジョンを創造するきっかけとなっただけでなく、課題として提示された企画立案のプロセスを通じて、社会に出た後も活きるスキルを身に着ける貴重な機会となりました。

担当教員のコメント

本年度(2026年度)、新たに開講した「国文学マーケティングプロジェクト」において、
昨年のウェルビーイングプロジェクトでも大変お世話になった主婦の友社様にご協力をいただきました。
国文学科の学生にとっては、興味関心の高いフィールドである出版業界において、編集という業務や人事に携わる社員の方からの貴重なお話しに続き、実際の企画業務について、事前にいただいた課題に基づき業務体験をさせていただきました。
出版業界を取り巻く環境も激変しており、社員の皆さんが日夜努力されているお姿を間近で拝見させていただいたことは、今後の学びに向けて大きな財産になったと思います。
この場を借りて主婦の友社様には、心から感謝申し上げます。

2026年10月5日

ウェブメディアの記事を企画!第一三共ヘルスケアとコラボした授業〈キャリア実践演習〉で学生企画の発表が行われました。

7月3日、〈キャリア実践演習(担当:国文学科 深澤 晶久教授)〉にて、第一三共ヘルスケア株式会社(以下、第一三共ヘルスケア)とのコラボ授業の最終発表が行われました。発表のお題は『第一三共ヘルスケアのオウンドメディアである〈健康美塾〉に掲載する記事の企画』です。

授業と社会連携について

キャリア実践演習は、文学部3年生以上の学年を対象とした共通教育科目です。ゲストとして登壇する企業について主体的な事前調査を行い、企業のプログラムに挑戦します。

第一三共ヘルスケアとのコラボ授業は4回開催にわたり実施されました。学生たちはこれまで、第一三共ヘルスケアのオウンドメディア〈健康美塾〉がどのような想いで情報を発信しているのかをはじめ、企業広報やメディア運営、記事制作の考え方や手法について学んできました。

今回の授業はその集大成として、学生が考案した企画のプレゼンテーションが行われました。

〈夏バテ診断 あなたのその倦怠感、夏バテかも?〉

1班は、〈夏バテ診断~あなたのその倦怠感、夏バテかも?〜〉をタイトルに、セルフチェックを盛り込んだ記事を提案しました。授業、アルバイト、趣味とやりたいことが多く忙しい大学生をターゲットに設定し、「病院に行くほどではないが、なんとなく体がだるい」と感じる人に向けて、夏バテの可能性に気づくきっかけとなるよう記事を構成。その具体的な内容として、10項目のチェックシートやQ&A形式の解説を盛り込み、症状の程度に応じた対処法や予防法を紹介しました。

フィードバックでは「読者の興味を引く構成としてセルフチェックシートが効果的だと感じた。また、『5分で読める』という目安の提示が、記事構成のトレンドを押さえている」と評価されました。さらに、よりよくするためのポイントとして「受診を勧める具体的な目安を示すことで、より安心して利用できる記事になる」とコメントが寄せられました。

〈ストレスサバイバーに聞く!緊張に打ち勝つ方法〉

2班は、〈ストレスサバイバーに聞く!緊張に打ち勝つ方法〉をタイトルに、緊張と向き合うためのヒントを紹介する記事を提案しました。ターゲットに大学生活や就職活動で人前に立つ機会の多い学生を想定し、「緊張を『なくすもの』ではなく『味方にするもの』と捉える新たな視点」を提示。人前で活動することを職とする舞台関係者やスポーツ選手へのインタビューを通して、失敗談も含めた等身大の体験談を紹介する構成としました。インタビューの対象に営業や教師や保育士、看護師など、人前に立つことが日常の職業を加えるほか、今日から実践できるルーティンも盛り込むと紹介。公開時期は環境の変化を迎える人が多い3月を想定しました。

フィードバックでは「緊張を前向きに捉える着眼点がいい。就活生だけでなく、ピアノの発表会を控えた子供やその親など、幅広い層に共感される普遍的なテーマである」と評価。よりよくするためのポイントとして「『この人だからできたんでしょ』と読者に感じさせないため、さらに科学的な根拠を加えるとより説得力のある記事になる」とのアドバイスが寄せられました。

〈20代前半、一人暮らし、ズボラ女子のための、今日からできる美白ごはん〉

3班は、〈20代前半、一人暮らし、ズボラ女子のための、今日からできる美白ごはん〉をタイトルに、美容と食生活を結び付けた記事を提案しました。自炊は苦手でも美容への関心が高い一人暮らしの若年層をターゲットに設定し、「肌に良い食事をしたいが、何から始めればよいか分からない」という悩みに寄り添う内容を考案しました。肌に良い食材の紹介や専門家による栄養素の解説に加え、ライフスタイルに合わせた実践ができるように、コンビニ派と自炊派それぞれに向けた具体的な提案を盛り込んでいます。公開時期は「新生活に慣れ、自分の生活を振り返る余裕が出てくる時期」として5月を想定しました。

フィードバックでは「公開時期の工夫がターゲットの生活とあっていていい。また、“自炊派”と“コンビニ派”に分けて具体的な内容を提示する点も実用性が高い」と評価。よりよくするためのポイントとして「何をもって良いとするのか、栄養と肌の関係性をより具体的に示すことでさらに説得力が高まる」との助言がありました。

〈推しに会う前に、メイク崩れてない?実は100円で解決できます!〉

4班は、〈推しに会う前に、メイク崩れてない?実は100円で解決できます!〉をタイトルに、推し活を楽しむ大学生に向けた記事を提案しました。イベントやライブなどの特別な日に“可愛い自分でいたい”が、多くのお金をかけられないという悩みに着目し、100円ショップの商品を活用したメイク崩れ対策を紹介する内容です。

「推し活女子」に共通する「時間をかけてメイクしたけど会場についたときには崩れている」という経験を提示し、「今持っているコスメでも工程や方法を工夫すれば解決できる」という点をメッセージの核に、テクニックだけでなく、工夫で自信を持てる体験を届けることを目的としました。現役アイドル・ヘアメイクアップアーティストへのインタビューやプロに教わる具体的なツールの使い方などを伝え、すぐに実践してみたいと読者の行動を促す構成としました。

フィードバックでは「タイトルのキャッチーさと、自分のビジュアルをよりよくすることで気持ちも上げていく、というアプローチが素敵だと感じた」と評価。よりよくするためのポイントとして「ターゲットを“推し活”に限定せず、大事な予定がある人全般に広げることができそうです」との助言がありました。

授業の最後に

総括として、今回のコラボ授業の企画を担当した広告代理店の高橋氏と、進行を担当した溝口氏からコメントをいただきました。

高橋氏は広告代理店の仕事について「さまざまな企業や関係者の間に立ち、企画を取りまとめながらプロジェクトを推進していく役割」と説明。

業務の中では、企画の意図や進め方を関係者に伝えるため、プレゼンテーションを行う場面が数多くあることを説明し、学生たちへ「緊張していても聞き手の目を見て話すこと。反応を見ることで、こちらの話し方や説明を変化させることができ、より相手の理解度を高めるプレゼンテーションが可能になります」と実践的なアドバイスを送りました。

溝口氏はコラボ授業を振り返り「『実践的な企画力』と『構想力』の習得を目指し、皆さんにはグループワークに挑戦していただきました」と話し、さらに「意見をまとめることの難しさなど、グループワークの大変さを経験した半面、仲間と議論を深めることで、アイデアが膨らみ企画が出来上がっていく楽しさも実感したのではないかなと思っています」と学生に語りかけました。

続けて、「社会に出ると、正解のない課題に向き合いながら、自ら考え、周囲と協力して形にしていく力が求められます。今回の授業で培った企画力や発想力、相手の意見を受け止めながら議論を進める力は、これからの学生生活はもちろん、社会人になってからも必ず役立つはずです」とエールを送りました。

担当教員のコメント

本年度(2026年度)からスタートした「キャリア実践演習」においては第一三共ヘルスケア様にご支援をいただきましたが、仕上げとして『第一三共ヘルスケア様のオウンドメディアである 〈健康美塾〉に掲載する記事の企画』についての最終発表が行われました。
第一三共ヘルスケア様の社員の方に加え、このメディアを支える多くの関係者にお越しいただき、本当に丁寧にご支援をいだたきましたこと、学生にとっては本当にありがたく学びの多い時間となりました。
最後に、第一三共ヘルスケアの溝口様が語りかけて下さったお言葉「社会に出ると、正解のない課題に向き合いながら、自ら考え、周囲と協力して形にしていく力が求められます。今回の授業で培った企画力や発想力、相手の意見を受け止めながら議論を進める力は、これからの学生生活はもちろん、社会人になってからも必ず役立つはずです」は、まさにキャリア教育で学生に伝え、学んで欲しいこと、そのものであると思います。第一三共ヘルスケア様はじめ、授業にお越しいただいた多くの関係者の皆さまに、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

2026年10月2日

受け継がれる物語と印刷技術の関わりを学ぶ!〈国文学マーケティングプロジェクト〉にて印刷博物館を訪問し、特別講義が開催されました。

9月15日、〈国文学マーケティングプロジェクト(担当:国文学科 深澤 晶久教授)〉にて、印刷博物館を訪問し特別講義が実施されました。学生たちは館内見学や講義を通じて印刷というメディアの変遷と役割について理解を深め、印刷技術が情報の伝播にどのように関係があったか、そして文学と印刷の関連性について学習しました。

授業と社会連携について

〈国文学マーケティングプロジェクト〉は、文学部国文学科の2年生以上を対象に開講されている集中講座です。「コミュニケーションメディアの変化」をテーマに、国文学科の学びと企業活動を結びつけながら企業のミッションやリーダーシップについて考え、社会で求められる力を身につけることを目標としています。

今回の授業では、印刷に関する資料の収集・展示と活版印刷の保存・体験活動を行っている印刷博物館と連携を行いました。学生たちは印刷の歴史と紙面というメディアを通した情報コミュニケーションの変化について、展示の見学と源氏物語について取り上げた講義を通じて理解を深めました。学生たちは活版印刷の体験も行い、自分の手で印刷を行うことで印刷の技術や歴史をより自分事としてとらえるきっかけとなりました。

印刷博物館について

館内の見学と講義では、印刷博物館学芸員の式洋子氏にご案内・ご説明いただきました。

式氏ははじめに、印刷博物館について説明しました。運営はTOPPANホールディングスが行っており、博物館の役割として「展示や活版印刷(一文字ずつの活字を組み合わせて言葉や文章にしたあと、プレス機で圧力をかけて印刷する方法)の保存・体験を通じ、印刷の意味をあらためて考え、印刷の新たな可能性を提案しています」と話しました。また、「印刷にまつわるあらゆるものを所蔵しています」と続け、収蔵品のほか印刷関連図書も収集していると説明しました。

館内見学

学生は式氏の案内のもと、展示からビジュアルコミュニケーション(目で見てわかる情報を通した意思疎通)の歴史と変遷を学びました。世界の歴史、日本の歴史に沿って、印刷が担った役割の移り変わりと印刷技術の発展を学習しました。

学生は、はじめに世界の歴史を、旧石器時代の壁画や古代文明にはじまる資料のレプリカを見ながら学習しました。式氏は、どのような素材にどのような文字が記されているかを、時代背景や使用用途とあわせて説明しました。また、具体的な印刷方法や特徴を、実際に印刷された作品やそのレプリカを見ながら解説しました。

続く日本の印刷の歴史の展示室では、各時代の印刷技術がどのような担い手によって形作られ、どのように生まれたのかを学習しました。特に、活版印刷技術が諸外国との関係によってもたらされ、日本に適した形で普及したことなど、印刷の歴史と仕組みを学びました。式氏は「並んでいる印刷機たちは一見前後で変化がないように見えるかもしれませんが、地道な開発の積み重ねによって現在の印刷技術が作られています」と説明しました。

学生は展示物をじっくり鑑賞しながら、式氏の解説をメモしていました。館内は写真撮影が可能だったため、印象的な展示物を撮影しながら進む学生もいました。展示を通じて、印刷技術のあゆみとともに、印刷物の内容や伝える価値の変遷を学びました。

源氏物語に見る物語と伝播

館内見学の後、式氏から、源氏物語が1000年以上読み継がれてきた背景と伝わり方についての講義が行われました。

式氏ははじめに、源氏物語が平安時代中期に成立したことと、当時の印刷は宗教的な需要を背景に寺院が行っていたことを説明し、「文学などの書物の複製は手書きで行われ、源氏物語も書き写しで本が広まっていきました」と話しました。

また、平安時代後期から戦国時代にかけて、源氏物語は権力者や趣味人を中心に受け継がれたと説明しました。物語本編のほかにも、作中に登場する和歌の典拠(もとになった歌)を記したものなど、説明を加えた書籍が各時代で作られたと話しました。戦国時代の終わりに活版印刷の技術が日本に輸入されると、天皇や将軍を中心に日本での活字印刷が始まり、写本で伝わってきた源氏物語も、印刷された書籍として出版されるようになりました。

江戸時代に入ると、活版印刷の技術が民間にも広がって商業化し、書籍は庶民の娯楽の一つとして広く親しまれるようになりました。源氏物語も庶民に広がっていき、印刷技術が発達して挿絵が本に登場すると、絵の印象によって、読者の間に源氏物語の共通イメージが形成されていきました。

また、浮世絵、かるた、すごろくなどに源氏物語をテーマにした図像が使われていたこと、能など舞台作品としても上演されたこと、源氏物語の翻案作品(元となる作品をベースに、内容や表現などを変えて作られた新しい作品)も出版されていたことを紹介し、式氏は「多様なジャンルへの広がりを見ることができます」と述べました。

現代につながる源氏物語のバトン

式氏は、開国後もたびたび源氏物語の現代語訳が行われてきたことを紹介しました。「私たちが明治時代の文章を読んでも少し読みづらいように、過去の人も自分たちより前の世代の文章を読みやすい形に訳していました。世代ごとに理解しやすい表現に変化して今に伝わっています」と説明しました。

講義の最後に式氏は、源氏物語が各国の言語に翻訳されて出版されていることや、海外の翻訳書を逆輸入し、もう一度日本語に翻訳することで物語を見つめなおす試みも行われていることを紹介し、海外にも広がっていることを伝えました。また、日本でも電子書籍化や、アニメ・漫画の放映・出版など、様々なメディアで展開されていることを説明しました。

学生は、メディアの発展に合わせて源氏物語も形を変えながら今に伝わってきたことを学びました。

活版印刷を体験!

午後は前原啓子氏から説明をうけながら、2人1組に分かれて活版印刷の体験を行いました。体験では源氏物語に登場する和歌を1人1首印刷しました。学生たちは、棚から活字を一つずつ手で選び取り、版を組んで印刷しました。

学生たちははじめに、活字(活版印刷に使用される1字ずつの文字のブロックのこと)を、文章の順番になるよう棚から専用の箱に集めました。その後、活字を和歌の並び順に、印刷用の枠に収めていきました。空白や行間にも専用の材料を詰め、活字の向きが間違っていないか確認しながら慎重に作業しました。手順の説明時には、活版印刷が盛んだった当時の解説もあり、学生たちは職人の仕事内容や活字の並び方が保存された棚を見ながら学びました。

活字をはめ込んだ後は、印刷機を使って手動で1人20枚印刷しました。インクの付け方や紙への印刷の仕方を教わった後、自分の手で印刷しました。

印刷後は丁合(紙を本のページ順に並べること)を行い、製本作業を体験しました。製本作業では冊子に穴をあけ、針と糸で本を綴じました。糸の綴じ方や針を通すときの力加減など、各自工夫しながら作業を行い、和歌集を完成させました。

特別講義の最後に

式氏から3つのお題が提示され、学生はそのうちの一つを選んでひとりずつ発表しました。

とくに『現代まで物語が伝えられてくるうえで重要だったことは何か』というお題には、源氏物語が写本によって伝わってきた背景から、「手間をかけてでも残したいという熱意があったこと」「物語をものとして残してきたこと」など、物語に魅了された人の行動に注目する意見や、絵巻やかるたなど「その時代にあった表現に変化してきたこと」「考察や、翻訳からの逆輸入など、様々な視点で物語を見つめてきたこと」など、物語自体が時代に応じて形を変え、多様な視点から見つめ直されてきたことに注目する意見が見られました。

最後に式氏は「今回皆さんには印刷物を通した情報コミュニケーションの歴史を学び、活版印刷の体験をしていただきました。現在の印刷技術がどのような背景で成立したか、実感してもらえたと思います。未来を考えるにあたって、過去を振り返ることも時には大切です。皆さんが将来について考えるきっかけとなればうれしいです」と学生に伝えました。

担当教員のコメント

今年2026年度に新たに開講した「国文学マーケティングプロジェクト」において
印刷博物館様には、企画段階から、当日の運営まで、本当にお世話になりました。
当日は、印刷文化の継承の歴史から博物館の見学、そして午後は、源氏物語を
テーマに実際に活版印刷を体験させていただき、仕上げは和綴じの制作まで、
至れり尽くせりのプログラムをご準備いただいたことに心から感謝申し上げます。
デジタル化の進展もあり、紙媒体というものが減少していることは事実ですが、
やはり「本」の価値というものは時代が変わっても受け継がなくてはいけない
大切なものであることを実感した一日でした。
式様はじめ多くのスタッフの方にお世話になりましたこと、この場を借りて
厚く御礼申し上げます。 

2026年9月17日

学生が商品企画を提案!〈演習Ⅱa〉の授業で行われた猿田彦珈琲とのコラボ授業で、学生の発表が行われました。

6月24日、演習Ⅱa(Kクラス担当:ビジネス社会学科 篠﨑 香織教授)にて、猿田彦珈琲から代表取締役の大塚朝之氏をはじめとする社員7名をお招きし、提示された課題に対する企画の発表を行いました。今回学生が取り組んだ課題は〈冬でも売れるアイスの提案〉〈1店舗あたり1日10杯のオーダーされるジェラッテ提案〉〈福袋の企画提案〉です。

これまでの授業のあゆみ

初回授業では大塚氏から猿田彦珈琲の理念やコーヒーにかける思いをご講演いただきました。講演後にはフード開発チームの三浦氏、坂本氏、経営企画チームの河村氏から学生が取り組む課題が発表され、授業を通して学生は〈冬でも売れるアイスの提案〉〈1店舗あたり1日10杯のオーダーされるジェラッテ提案〉〈福袋の企画提案〉に挑戦しました。アイスは学生・20代の若年層をターゲットに、11月から3月の販売を想定し、利用シーンなども踏まえて企画を検討しました。またアイスとジェラッテは猿田彦珈琲原宿店での販売を想定し、商品名やPR方法などアイデアを膨らませました。福袋についても、ターゲットやコンセプトを踏まえ、魅力的な商品構成を考案しました。
初回授業の記事はこちら→ https://socialcooperation.jissen.ac.jp/topics/10662/

また、授業の一環として猿田彦珈琲 原宿店を訪問し、実地調査を実施しました。実際の商品や店舗の雰囲気、来店客の客層などを調査し、企画に活かすためのヒントを収集しました。

アイスの提案

〈冬でも売れるアイスの提案〉では、学生一人ひとりが、企業から示されたターゲットや販売時期、利用シーンを踏まえながら、「どんなアイスなら売れるか」を考え、アイデアをプレゼンテーションにまとめました。

特に販売想定時期の冬でも「食べたい」と感じてもらえる商品を目指し、さまざまな視点からアイデアが展開されました。提案では「特別感」「ご褒美」「贅沢」をキーワードに、アイスを食べる時間そのものの価値に着目した企画が多く見られました。濃厚な味わいで贅沢感を演出するものや、購入後に仕上げを楽しむ体験型の商品、トッピングによってオリジナリティを生み出すものなど、価値の提供方法にも学生それぞれの工夫が盛り込まれました。また、SNSでの発信を意識し、見た目の華やかさや写真映えを重視した提案も多く発表されました。

フレーバーについては、猿田彦珈琲らしさを表現したエスプレッソやコーヒーを取り入れたものをはじめ、ショコラやチョコレートを使用した濃厚な味わいの商品、定番のバニラを独自の視点でアレンジしたものなど、多彩なアイデアが提案されました。

学生全員の発表の後に、三浦氏と大塚氏から提案に対する全体的なフィードバックが寄せられました。

三浦氏は「店舗調査でお客様としての体験をしっかりと積み重ねたことが伝わってきました。実現性の高い提案ばかりで、新しい視点をもらいました」と評価が寄せられました。

また、大塚氏からは「大学生の提案とは思えないほどレベルが高かった」との言葉に加え、「自身の体験から得た気付きと、市場調査から見えたニーズのバランスが学生それぞれで異なっていて面白かったです。そのどちらの視点も大切にしながら、今後の提案にも生かしてほしいです」と、今後の学びにつながるアドバイスも送られました。

ジェラッテの提案

ジェラッテと福袋はチームに分かれて発表が行われました。

ジェラッテの提案では“1店舗あたり1日10杯のオーダー”を目標に商品アイデアを考案しました。学生は、商品名、フレーバー、価格、PR方法の4点を軸に詳細な内容を考え、プレゼンテーションを行いました。

Cチーム:和もちジェラッテ

Cチームは“まるで飲む和菓子”をコンセプトに、黒蜜、きなこ、わらび餅を取り入れた〈和もちジェラッテ〉を提案しました。

コンセプトの理由について、調査結果を引用しながら「冬に食べたいと感じる人が多いこと」や「原宿店にも多く訪れる外国人観光客に需要があること」を説明。学生は商品のこだわりとして“食感”を提示し、食トレンドにおいて“もちもち”がキーワードであることを示しながら「わらび餅を取り入れることで食感にトレンド性を持たせるとともに、ドリンクのボリューム感向上を狙いました」と話しました。

また、ボリューム感の高さは満足度の向上とともに「スイーツの代わり」としての役割も狙えると説明。具体的に「友達とカフェに来たけど一人だけスイーツを頼みにくいシーン」に需要があると述べました。

PR方法としては店頭の試飲イベントや学割を提案。商品を実際に体験してもらうことで購買につなげる戦略を立てました。価格帯は「満足感や贅沢感と釣り合う680円程度」としました。

Bチーム:シーズンジェラッテ

Bチームは冬季の11月から2月にかけて販売する、冬の季節感を反映した期間限定のジェラッテ3商品と、それらに合わせた商品戦略を提案しました。

11月〜12月上旬に展開する第1弾は〈ドバイチョコチョコジェラッテ〉。SNSを中心にトレンドフードとなったドバイチョコから着想を得て、内容を「ピスタチオ、カダイフ、チョコフローズンにする」と提案しました。第2弾は12月下旬〜2月に展開する〈5層で楽しむ大人のショコラ&ベリージェラッテ〉。コーヒーゼリーとベリー果肉が味わいのアクセントであると紹介しました。第3弾は2月に展開する〈コーヒージェラッテ〉。コーヒーゼリー、ミルクフローズンにダルゴナコーヒーを乗せ、フローズンとダルゴナコーヒーの味わいの変化を楽しむと述べました。

戦略として、第一弾でトレンドに敏感な女子高校生や女子大学生に認知を広げた後、ホリデーシーズン限定の第二弾へ関心をつなげ、最終的に第三弾で猿田彦珈琲のブランドとの接点を生み出す、という段階的な戦略を説明しました。

PR方法としてはSNSを挙げ、「フレーバーの話題性を狙って投稿を行う」としました。価格については「有名コーヒーチェーンの期間限定ドリンクよりも安く、現在販売されているジェラッテと同じくらいの価格帯を狙い、650円に設定した」と話しました。

Aチーム:杏仁パレット

Aチームは〈杏仁パレット〉というジェラッテのフレーバーシリーズを提案しました。“SNS映え”、“新食感”、“毎日の小さなご褒美”をコンセプトに設定し、味は「ごろっといちごみるく杏仁」「冬みかん杏仁」「抹茶ノエル杏仁」「濃厚杏仁ミルクティー」の4種類を提案しました。

学生は市場調査から、杏仁豆腐が「専門店の出店など、注目度が高まっているスイーツ」であること、そしてスイーツの需要として“SNS映え”、“新食感”、“甘すぎない”の3点があることを紹介。杏仁豆腐をジェラッテに取り入れることで「甘すぎない風味と食感を、新感覚スイーツとしてジェラッテに取り入れることができる。また、白い杏仁豆腐がほかの具材と混ざっていくビジュアルの良さを写真映えに活かすことができる」と話しました。

また、複数フレーバーを展開することにより「並べて写真を撮りたくなるビジュアルにすることで、『飲みたい』だけでなく『写真を撮りたい』を購買動機につなげる」としました。PR方法としてSNSやインフルエンサーのPR投稿を提案し、販売価格は1つ700円と設定しました。

福袋の企画提案

福袋の課題では、コンセプトや価格帯、外装・見た目、内容物を具体的に考え、それぞれの設定に至った背景も含めてプレゼンテーションを行いました。

Fチーム

Fチームの発表では、各班のメンバーそれぞれが考案した福袋の企画を一人ずつ提案しました。

学生たちは、年末年始という季節性や課題で設定された20代のターゲットを踏まえ、商品の組み合わせを通じてどのような体験価値を提供できるかを考えました。「新年の目標を立てる」というシーンを想定し、オリジナルロゴ入りの文具を封入した企画や、「慌ただしい時期に家族でほっと一息つく時間」をテーマに、コーヒードリッパーやサーバーに加え、タンブラーやコースターなど実用性の高いアイテムを組み合わせた企画が提案されました。

また、「大人になった節目として少し贅沢なコーヒー時間を楽しむ」をテーマに、ドリップバッグやコーヒー豆の説明書を添え、自宅でもコーヒーへの理解を深めながら楽しめる福袋や、店舗調査で印象に残ったアイスに着目し、「猿田彦珈琲ならではの魅力を味わいながら、ご褒美時間を楽しむ人」をターゲットとしたアイスモチーフの限定焼き菓子を提案する企画も見られました。

さらに、コーヒーのリラックス効果に着目し、カフェインレスコーヒーのドリップバッグとアロマキャンドル、アイマスクを組み合わせることで、コーヒーとともに心身を癒やす時間を提案するなど、学生それぞれが多様な切り口でアイデアを発表しました。

企画には共通して、福袋の外装にポーチやトートバッグなど実用性の高いアイテムを採用し、購入後も日常的に活用できるよう工夫するなど、商品の魅力を高める提案が多く見られました。

Dチーム:新年を前向きに過ごす福袋

気軽に場所を問わずコーヒーを楽しみたい人をターゲットに、年末年始休暇明けの仕事を前向きに頑張れるよう後押しする福袋を提案しました。価格は3,000円と6,000円の2種類を設定し、どちらも猿田彦珈琲のロゴ入りトートバッグに封入する企画です。

3,000円の福袋には、「コーヒー豆」と「豆を挽くグラインダー」を組み合わせました。学生は、「新しい趣味を始めたい」という新年の気持ちに着目し、「グラインダーがあることで、さらに挽く豆が欲しくなる」と、福袋をきっかけに猿田彦珈琲のコーヒー豆の購入につなげる狙いを説明しました。

一方、6,000円の福袋には、「ポータブルブリューボトル」を提案。販売メーカーに商品コラボの実績があることも紹介しながら、「どこでも淹れたてのコーヒーが楽しめるボトル」として、仕事の合間や外出先でも手軽にコーヒーを楽しめる点をアピールしました。

また、どちらの福袋にも「朝昼夜のシーンに合わせた味わいのドリップバッグ」「デザインランダムコースター」「楽しみ方カード」を封入。特に「楽しみ方カード」は、初めてコーヒー豆を購入する人でもコーヒーの楽しみ方を知り、より特別な体験を味わえるよう工夫されていました。

Eチーム:日常に寄り添うご褒美福袋

Eチームは、福袋のコンセプトを「一年頑張った自分へのご褒美」に設定しました。企画の背景として、年末年始は自分へのプレゼント需要が高まることや、特に女性にその傾向が強いことを調査結果をもとに説明しました。

福袋には、外装を兼ねたトートバッグのほか、ポーチ、タンブラー、カフェラテシロップ、ステッカーなど、実用性の高いアイテムを封入。グッズはベージュやブラウンを基調としたシンプルなデザインとし、日常生活に取り入れやすいことを意識して企画されました。

学生は、「温かみのある雰囲気と猿田彦珈琲らしさ、そして年代を問わず普段使いしやすいデザインを意識した」と説明しました。さらに、ポーチとタンブラーは3色展開とし、どの色が入っているか分からないランダム仕様を採用。福袋限定デザインの実用的なアイテムをランダムで封入することで、「特別感」「実用性」「わくわく感」の3つの価値を提供する工夫が盛り込まれました。

価格は6800円。学生は「『頑張ったから買おう』と思いきって購入ができる価格に設定した」と話しました。価格は6,800円に設定。学生は、「一年頑張った自分へのご褒美だからこそ、思い切って購入できる価格を意識した」と、その価格設定の理由を説明しました。

授業の最後に

社員の皆様から発表に対する総括のコメントをいただきました。

フード商品開発チーム 坂本氏

「あらかじめシーンコンセプトという共通の前提はありましたが、班ごとの発表には個性が光り、それぞれがまとまりのある内容に仕上がっていました。ここまで考えてくれるとは思っていなかったです。今回取り組んでくれた企画の考え方はいろんな仕事に役立つと思います。タイミングをみて、皆さんと一緒に商品開発にむけて動けたら嬉しいです」

経営企画チーム 河村氏

「コーヒー屋なので、コーヒーにまつわるタンブラーとかマグカップでなければいけないという概念が自分の中にありましたが、雑貨やリラックスするためのアロマキャンドルなど『そういうものもアリなんだ』と、皆さんが提案していただいた内容がすごく新しい発見でした。発表の中には現在考えている企画と通じるようなものもあり、デザインやコンセプトなどがとても参考になりました。ありがとうございました。」

代表取締役 大塚氏

「今年もすごく勉強になりました。我々としても学びの場であり、どちらの企画も商品化に向けて進めていきたいと思います。今回の企画を考えるような、背景を深堀して商品を考えていく思考方法は、今後必ず参考になると思います」

担当教員のコメント

4月末から6月末にかけて、駆け足ではありましたが、学生たちは「アイス」「ジェラッテ」「福袋」という3つの商品企画に取り組み、提案を行いました。

 まず、カフェの利用や「おいしさ」に関する論文のレビューを行い、スイーツや福袋についての情報収集、店舗でのフィールドワークなどを重ねました。その上で、アイスは個人で、ジェラッテと福袋はグループで企画をまとめました。

 個人とグループ、それぞれのワークの良さや難しさを経験するとともに、単に「面白いアイデア」を考えるだけではなく、猿田彦珈琲社が実際の商品として世に送り出すことを想定して、ターゲットや価格、商品内容、伝え方などを考えることの難しさと面白さを学ぶことができました。学生にとって、大学の授業で考えたアイデアが、実際の商品につながる可能性を持つという経験は、大きな刺激になったと思います。

 これから迎える秋・冬シーズンにおいて、学生たちの提案のどのような部分が実際の商品に活かされるのか、私たちも猿田彦珈琲社の商品展開を楽しみにしています。

 学生の提案を、単なる授業内の発表で終わらせるのではなく、企業の皆様に実際に検討していただき、その可能性を検証できる企業連携授業は、決して多くありません。このような得難い機会を与えてくださいました大塚社長をはじめ、猿田彦珈琲社の皆様に、心より御礼申し上げます。

 また、授業のたびにおすすめのドリンクをご用意いただきましたことにも、重ねて御礼申し上げます。毎回、今日はどんなドリンクをいただけるのか、学生とともに楽しみにしていました。4月はカフェラテ、5月は蜂蜜のラテ、6月はお抹茶ラテをいただきました。どれも大変おいしくいただきました。ごちそうさまでした。

2026年9月15日

写真でつながるコラボ!〈日本のメディア文化〉の授業でフォトクリエイトと連携し、Photomaticをテーマに企画を考案しました。

7月9日、実践女子大学国際学科専門科目〈日本のメディア文化(担当:国際学科 グリーン,バーバラ准教授)〉にて、株式会社フォトクリエイト(以下フォトクリエイト)とのコラボ授業が実施されました。フォトクリエイトは、渋谷キャンパスにも設置されている韓国発セルフフォトブースPhotomaticの運営を行っています。初回授業では代表取締役社長の大迫由典氏と、セルフフォト推進部の田中愛莉氏からフォトクリエイトの事業領域やPhotomaticについてご説明いただいたのち、学生が取り組む課題として『PhotomaticのIPコラボ企画の考案』が提示されました。学生はグループワークに取り組み、コラボ授業最終回では学生一人一人が考案した企画をフォトクリエイトの皆様に直接プレゼンテーションを行いました。

授業と企業連携について

〈日本のメディア文化〉は、国際学科3年生を対象に開講されている専門科目です。漫画やアニメ、映画、ゲームなどの日本のポップカルチャーを通して、作品の歴史や文化的背景だけでなく、社会や政治とのつながりを理解し、物事を多角的・批判的に考察する力を身につけます。

今年度はフォトクリエイトと連携し、課題解決型授業を実施しました。フォトクリエイトは、インターネット写真サービス事業を中心に写真に関するサービスを多角的に展開しており、その一つとして韓国発セルフフォトブランドPhotomaticの運営を行っています。Photomaticは渋谷キャンパスにも設置されており、今回初めて授業での連携が行われました。

フォトクリエイトについて

フォトクリエイトについて、代表取締役社長の大迫由典氏から説明がありました。

大迫氏ははじめに「フォトクリエイトは株式会社キタムラホールディングスのグループ会社です」と説明。株式会社キタムラホールディングスには〈カメラのキタムラ〉をはじめ、写真撮影やカメラに関する業務を手がける企業が所属していることを紹介しました。

大迫氏は「カメラ業界の客層の中心は大人世代が多く、“若者のカメラ離れ”ともいわれています。しかし、思い出の一瞬を写真に収め、現像して手元に残し、見返すことで、より深い思い出になっていくカメラの価値を若年層にも広げたいと考え、写真やカメラに触れるきっかけとなるコンテンツとしてPhotomaticの取り扱いをスタートしました」と説明しました。

大迫氏はさらに、Photomaticでは撮影データとともに写真を1枚プリントアウトすることを紹介しながら、「撮った写真を持ち帰ることで、撮影した日を『忘れられない思い出の日としてほしい』という願いが込められています。プリントアウトされた写真を通じて、撮影そのものだけでなく、体験を提供しているサービスという側面にも注目していただきたいです」と学生に話しました。

Photomaticについて

続いて、セルフフォト推進部の田中愛莉氏からPhotomaticについて、具体的なサービス内容やIPコラボ(キャラクターや作品、ブランドなどの知的財産とのコラボレーション)について説明がありました。

Photomaticは韓国を拠点とするセルフフォトブースブランドです。写真撮影のほか、撮影データのオンライン共有や写真の印刷が体験できるフォトブースを提供しています。

田中氏は「無加工でアナログな写真の風合いなど、印刷用紙や写真の質にこだわっている」と紹介しました。また、「ブースには、箱形で中に入って撮影するクラシックタイプと、大人数での撮影や全身撮影にも対応したマルチタイプの二種類があります」と説明。ブースを活用した事業として、ブースのレンタル、常設ブースの運営、IPコラボの三種類があることを紹介しました。

特にIPコラボについては、「私達から企業に営業に行くことはもちろん、企業側から問い合わせが来たり、代理店や関係会社の方から連絡が来てコラボが実現することもあります」と、コラボレーションが決まるまでの経緯を説明。限定フォトフレームの作成や撮影ブースのデコレーションのほか、ライブ会場やイベント会場にブースを出店するなど、さまざまな方法でコンテンツとのコラボレーションを行っていると紹介しました。

田中氏は、PhotomaticがIPコラボを行う理由として、「思い出を残す体験を提供できること」と「Photomaticの利用者層に対してコンテンツの認知拡大を図ること」の二点を挙げました。コラボレーションの狙いとして、ファンとのエンゲージメント強化やSNSでの話題拡散、新規顧客層の獲得があるといいます。

サービスを通じてファン側には、オフラインでコンテンツとより深くつながる機会を持てることや、撮影データをSNSでシェアしたくなるような体験を提供できる点が利点として挙げられました。一方、コンテンツ側にも、ファンとのつながりを深められることに加え、Photomaticの主な利用者層である10~20代への新たな認知拡大、プロモーションによる収益、コラボレーション終了後も形として残るコンテンツを通じたファンとの関係性の強化といった利点があると説明されました。

課題について

初回授業の最後には、田中氏から学生が取り組む課題が発表されました。

課題は「IPコラボの企画考案」です。コラボを行うIPを一つ選び、その理由やターゲット層、コラボの具体的な内容、期待される効果、想定される課題とその解決方法を提案します。

学生の発表

学生の発表では、多様なIPとのコラボ企画が発表されました。アイドル、アーティスト、ゲーム、アニメ・キャラクターなど、それぞれのコンテンツから見込まれるファン層の年代や、具体的な利用シーンを想定した企画が提案されました。自分が好きなコンテンツとのコラボを提案する学生も多く、好きなものを企画考案の視点から見つめ直した発表が多く行われました。

例えば、キャラクターとの対面イベントが主要都市に限られている点に着目し、着ぐるみを着たキャラクターの写真を柄にした限定フォトフレームをPhotomaticに導入することで、地方のファンにも着ぐるみとの撮影機会を提供し、キャラクターへの愛着を深める企画が提案されました。また、海外ファンの多いキャラクターとコラボし、日本らしいデザインを取り入れた限定フォトフレームをキャラクターごとに提供することで、インバウンド需要に応えるといった提案も見られました。

また、アイドルのライブやリリースイベントに合わせてブースを設置するアイデアや、毎年シリーズの新作が公開される映画と連動して映画館にブースを設置する企画など、実際のイベントスケジュールと連動した提案も行われました。後者では、親子をターゲットにコンテンツに関連するアイテムを有料で貸し出すことで、撮影体験への没入感を高める工夫が盛り込まれていました。

混雑による集中や収益確保などの運営面の課題に対しては、「入場を時間指定の事前予約制にし、スタッフも配置する」といった解決策が提案されました。また、『学園を舞台にした少女漫画』をコラボIPとして提案した学生は、「コンテンツの特徴を生かし、撮影2回目の人に学生証デザインの特典を配布し3回目以降の撮影時に特典を提示すると割引になるリピート施策を行う」と提案するなど、それぞれのIPの特徴に合わせた解決策も見られました。

企業からのフィードバック

学生の発表に対して、田中氏から講評が寄せられました。実際に業務に携わる立場から、ビジネスとしての可能性、ターゲットとなる消費者の行動、コラボレーションを実現するための具体的なアプローチなどについて、コメントが寄せられました。また、企画の実現可能性だけでなく、収益性やプロモーションとの相性、ターゲット層への訴求方法など、多角的な視点からフィードバックが行われました。

このコラボ授業を通じて学生は、身近なコンテンツを題材に、消費者のニーズや収益性などのビジネス的な観点からIPコラボを考え、企画を提案する視点を学びました。また、実際の企業とのコラボレーション事例や現在進行中の企画にも触れながら、学生たちの提案を実務の現場と照らし合わせて考える貴重な機会となりました。

2026年9月7日

魅力を伝える記事を執筆!英文学科の授業でベルトラ株式会社とコラボし、記事作成やインバウンド向け情報発信に挑戦しました。

7月17日、〈社会を考える(担当:英文学科 佐々木真理教授)〉にて、ベルトラ株式会社(以下、ベルトラ)とのコラボ授業が実施されました。ベルトラはウェブ完結型の旅行代理店で、ツアーやアクティビティの販売のほか、旅行情報を発信するウェブメディアの運営を行っています。授業を通して学生は「英語のウェブ記事を執筆する」課題に挑戦し、最終授業でその発表が行われました。

授業と企業連携について

〈社会を考える〉は英文学科3年生を対象に開講されている専門科目です。『異文化交流と共生について考える』をテーマに、連携企業が抱える課題についてリサーチ、情報、解決方法を発信することを通じて、異文化交流の方法を探究します。

この授業ではオンライン旅行代理店であるベルトラと連携を行い、ゲストとして武部氏とミジェル氏をお招きし、企業説明や学生が考えた企画に対するフィードバックを行っていただきました。

ベルトラについて

ベルトラはウェブ完結型の旅行代理店です。ミジェル氏は「ツアーやアクティビティを旅行客向けにオンライン販売しています」と紹介しました。また「ツアーを販売している旅行会社もお客様と捉え業務を行っています」とBtoBの側面もあることを紹介しました。

ミジェル氏は「クルーズに特化したサイトや来日する海外の方向けのサイトなど、旅行メディアの運営も行っており、情報発信も行っています」と実際にサイトを紹介。旅行者が事前に情報収集を行う傾向から、積極的な情報発信を行っていると述べました。

旅行情報サイトの記事について

ミジェル氏は訪日外国人向けに旅行情報サイトに掲載している記事の書き方について解説を行いました。

記事のテーマには、①外国人に体験してほしいこと ②外国人への疑問 ③観光問題 の3つのジャンルがあると紹介し、具体的にどのような内容があるか考えるミニワークを学生と行いました。学生は、“カワイイ”文化を体験できる飲食店や、渋谷のスクランブル交差点の様子を撮影することへの疑問、ごみのポイ捨て問題など、選んだ理由も説明しながらひとりずつ発表が行われました。

また、ミジェル氏は「記事の書き方にはパターンがある」と話し、疑問と回答を軸に構成する『Q&A形式』や、〈おすすめ○○選〉といったスタイルの『リスティクル』などが紹介されました。また、「何を一番伝えたいかゴールを先に設定し、1記事に1つのメッセージに集中する」といったライティングスキルについても説明がありました。

初回授業の最後には、ミジェル氏から「ターゲットに向けた情報発信」について説明がありました。ミジェル氏は「私が制作した動画コンテンツで、外国人観光客の観光地でのマナーについて問題提起をしたことがあります。それは、海外のインフルエンサーが投稿した動画で行われていた行動に対するマナーを指摘するもので、動画を見て行動を真似をしようとする外国人観光客をターゲットに、マナーへの意識をもってもらおうとしました」と説明。しかし、実際に動画を閲覧したユーザーの多くは日本人だったといいます。マナーの指摘に対する肯定的なコメントも多く、動画の閲覧数も増えたと話しながら「事前に定めたターゲットではない層にコンテンツが刺さる場合もある」と紹介しました。

最後にミジェル氏は「ベルトラのHPに掲載する訪日外国人観光客に向けた記事を作成する」という課題を発表しました。

授業のあゆみ

学生は授業の時間を活用し、実際に東京の観光地に足を運び、観光客の様子やどのようなコンテンツが人気かフィールドワークを行い、記事のネタを調査。その後、ミジェル氏から紹介があった三つの記事のテーマ、記事の書き方のパターンから一つずつスタイルを選び、外国人観光客に観光地を紹介する記事の作成を行いました。

中間発表では、フィールドワークで訪れた観光地、記事のテーマ、書き方のパターン、内容案の発表を行い、ミジェル氏から内容をより発展させるためのアドバイスをいただきました。コラボ授業最終回では、学生が実際にライティングした英語の文章をスライドに組み込み、記事の内容について発表が行われました。

学生の発表

最終発表には武部氏とミジェル氏をお招きし、学生の発表に対してフィードバックをいただきました。

グループ1〈海外の人に届ける駄菓子を楽しめるバーの魅力〉の紹介

日本人が幼少期から親しんできた駄菓子を「海外では知名度が高くないものの日本ならではの文化」と位置づけ、海外のお菓子と比較したランキング形式を取り入れながら紹介しました。知名度の低さを新しさとして提示することで、旅行者にとって忘れられない思い出のきっかけになることを目指しました。

グループ2〈竹下通りにあるユニークなお土産店〉の紹介

キャラクターショップと日本土産店を「外国人目線で」調査し、英語表記の有無やイラストによる説明といった表示に関する工夫を紹介しました。日本限定商品や、こけし、漢字をモチーフにしたTシャツなどの商品比較を通じて、ポップカルチャーと伝統文化の両方を楽しめる場所であることを伝えました。

グループ3〈抹茶文化と外国人観光客〉の紹介

外国人に抹茶が人気な理由を分析した上で、フィールドワークから「カフェの延長として抹茶ラテやスイーツを楽しんでいる」実態を紹介しました。同時に、茶道という伝統文化の文脈が正しく理解されないまま消費されている点を問題提起し、店内に歴史を紹介するパネルを設置するといった改善策を提案しました。

グループ4〈新しい東京の歩き方〉の紹介

2回目以降の訪日リピーターをターゲットに、渋谷・裏原宿・表参道エリアの神社や飲食店を徒歩で巡る一日ルートを提案しました。ヴィーガンやグルテンフリーに対応し英語表記のある飲食店を厳選するとともに、徒歩移動によって特定駅のオーバーツーリズムを緩和する効果にも言及しました。

グループ5〈渋谷における外国人観光客のマナー問題〉の紹介

路上飲酒やごみ放置、騒音といった問題事例を挙げ、観光客と地域住民の相互理解の重要性を主張しました。フィールドワークで実際にマナーの悪い観光客と遭遇した報告のほか、マナーを守る外国人観光客へのインタビューも交え、空港やホテルでの情報発信を通じて理解を広げていく必要性を訴えました。

グループ6〈かわいい体験型レストランの紹介〉の紹介

渋谷にある「熊と温泉」をモチーフにした飲食店を取り上げ、店のコンセプトやアクセス、人気メニューを紹介しました。入店時に熊耳のカチューシャを着用する仕掛けなど、世界観を味わうユニークでかわいい体験ができる点を打ち出し、思い出に残る食事体験として提案しました。

グループ7〈渋谷・表参道の都会に存在する自然スポット〉の紹介

商業施設の屋上庭園や公園といった緑を感じられるスポットを、入場料の有無やベンチの数などとともに紹介しました。地元で日常を過ごす大学生の視点から、観光地巡りにとどまらず地元の人と同じように自然の中で過ごす東京の日常体験を提案しました。

ミジェル氏は学生の発表に対し「中間発表からの仕上がり具合に驚いています」とコメント。「自分たちできちんと考えてくれたことが伝わってきました。内容も充実していました」と学生たちに伝えました。

今回のコラボ授業は学生たちにとって、感じたことや考えたことを海外の人に正しく伝える力のほか、グループで一つの提案を作り上げる協働力を身に着ける貴重な機会となりました。

担当教員のコメント

このたびは、株式会社ベルトラ様との連携授業という大変貴重な機会をいただき誠にありがたく存じます。

 海外からの観光客を対象に、日本文化や観光地の情報を発信するWeb記事を英語で執筆する、という課題は、学生にとって非常に挑戦し甲斐のあるものでした。
 ベルトラの皆様から、Web記事執筆にあたって心がけること、ヒントなどを丁寧にご講義いただくことで、情報をまとめて発信する能力だけではなく、社会で働く上での着眼点や姿勢なども学ぶ機会となりました。
 
 ベルトラの皆様には、最終回のプレゼンテーションでも温かいコメントをいただき、
また、授業終了後には各グループに対する非常に詳細なコメントもフィードバックしていただき、心より御礼申し上げます。

 学生の皆さんに、この授業で得た知識や培った能力を、今後の学びや活動に活かしてもらえることを願っています。

2026年8月7日

「サステナブルな機内食」って?「演習Ⅲa」の授業で、JALの韓国線の機内食を考える特別コラボのプレゼンテーションが行われました。 

7月7日に「演習Ⅲa」(担当:人間社会学部ビジネス社会学科 角本伸晃教授)の授業で、日本航空株式会社(以下、JAL)との特別コラボ授業が行われました。今回は2ヶ月かけて取り組んでいた課題のプレゼンテーション。テーマは「サステナブルな韓国便の機内食を考える」。学生たちは班に分かれ、この日のために企画を練り上げてきました。

企業さながらのプレゼンテーション

本日のプレゼンテーションには、6名が審査員として参加しました。
現役客室乗務員の吉村真紀氏をはじめ、機内食企画担当部署など、実際の企業プレゼンテーションさながらの顔ぶれです。学生たちが緊張した面持ちで臨むなか、吉村氏は「今日は実際に機内食を決めているメンバーが集まっています。皆さんの発表をとても楽しみにしてきました。現場の意見を直接聞ける貴重な機会でもあります」と期待を寄せ、プレゼンテーションが始まりました。

機内食に遊びを!

最初の班は、韓国旅行をより楽しめる機内サービスを提案しました。
到着後に現地グルメを満喫できるよう、機内食は軽めのサラダラップを主食としたセットを考案。副菜には、冷めてもおいしく食べられる濃い味付けのグラタンを組み合わせました。食べ終えると、容器の底に旅行運などの占いが現れる仕掛けも取り入れています。
さらに2次元バーコード付きカードを配布し、韓国語の基本的なあいさつや日本とのマナーの違いを紹介するトラベルガイドを閲覧できるようにするなど、到着後も安心して旅行を楽しめる工夫を盛り込みました。

発表後の講評では、「参考になる点が多かった。占いの仕掛けは若い人ならではの発想ですね」と評価されました。
また、「飛行機を降りた後まで考えた提案が印象的でした。韓国便はフライト時間が短いことを理由に発想を広げていなかったと気付かされました」と、担当者からも高い評価が寄せられました。

心と身体を満たすセルフメイクBOX

続いての班は、20代女性をターゲットに、美容や健康に配慮した機内食を提案しました。
メインはベーグルサンドで、ヨーグルトやクリームチーズを添え、自分好みに味をアレンジできる内容です。具材にはバナナやベリーなど、機内で気になりやすいむくみ対策を意識したビタミン豊富な食材を取り入れました。

講評では、「心のウェルビーイングに着目した点が印象的でした。カロリーを気にせず楽しめる機内食という発想は新鮮です」と高く評価されました。
一方で、「ターゲットが明確で企画の軸がしっかりありました。ただ、ビジネス利用の男性などには物足りない可能性もあります。より幅広い層に訴求できる工夫があると、さらに良い提案になったでしょう」とアドバイスが送られました。

未来食を体験できる機内食

最後の班は、JALが日本発の国際線やラウンジで提供している「未来の食材50」に着目。
「未来からきたランチボックス」と題し、未来の韓国料理を提案しました。「未来の食材50」とは、環境負荷が少なく健康にも配慮した食材のこと。もやしやわかめなど身近な食材も含まれています。
これらを使った韓国風おにぎり「チュモッパ」やナムルをメインにし、さらに「未来の食材50」のトレーディングカードを付属。2次元バーコードから食材を使ったレシピを見られる工夫も盛り込みました。

前の2班とは異なるアプローチに、JALの担当者からは「内容がプロのようによく調べられていた」と高い評価が寄せられました。
「食を通して新たな気付きを提供し、お客さまの発見につながる提案だった」「おいしさだけでなく学びも届けられる」といった講評に加え、「日本食の要素を取り入れると、韓国との橋渡しになるのでは」といった実践的なアドバイスもあり、学びの多い発表となりました。

実際の企画にも刺激になる発表に

最後に中間発表にも参加された鈴木氏から総評がありました。
「中間発表から大きくレベルアップしていました。韓国線の機内食は特に難しいテーマですが、皆さんが真剣に取り組んでくれたことが伝わりました。JALでは思いつかない発想も多く、私たちも大いに刺激を受けました。ここにいるメンバーで今回の学びを今後の機内食づくりにも生かしていけると思います」と講評されました。

発表後、学生たちも感想を共有。
「他の授業でもグループワークは経験しましたが、今回はコストや提供方法まで考え、実際さながらの企業のプレゼンテーションを実践できました」と振り返りました。
また、「中間発表で多くの指摘を受け、企画を一から練り直しました」と話す班もあり達成感をにじませていました。

授業の終わりには、吉村氏から修了証が授与され、会場は和やかな雰囲気に。
企業と連携し、本格的な企画立案とプレゼンテーションを経験した貴重な学びの機会となりました。

担当教員からのメッセージ

中間発表会では学生としてはとても素晴らしい提案をしてくれましたが、アイディア勝負の面がありました。機内食というビジネスの一部であるからには、コスト制約を無視するわけにはいきません。中間発表会ではその点をご指摘いただきました。その後、最終発表会に向けて、ゼミ生たちはコスト面だけでなく中間発表会でいただいた他のコメントも意識しながら、ブラッシュアップしていきました。最終発表会では当初予定の倍の審査委員の方々にお越しいただき、緊張感の増す中で、堂々と発表をしてくれました。このPBLを通して、学生たちは共創力を大きく伸ばすことができました。

2026年8月6日

五輪開会式のプランを発表!2026年度〈国際理解とキャリア形成〉にてスポニチコラボ授業の最終プレゼンテーションが行われました

7月14日、実践女子大学共通教育科目〈国際理解とキャリア形成(担当:国文学科 深澤 晶久教授)〉にて、スポーツニッポン新聞社(以下スポニチ)とのコラボ授業として提示された課題『オリンピックの開会式をプロデュースする』に対する学生の発表が行われました。スポニチからは編集委員の藤山健二氏、ビジネス開発局の池田智子氏、記者の佐藤博之氏をお招きし、学生の発表に対するフィードバックをいただきました。

授業と社会連携について

国際理解とキャリア形成は、2年生以上を対象に開講されている共通教育科目です。国際情勢の学習や、グローバル業務を経験した外部講師による講演を通じて、国際的な視野と幅広い知識を身に付けます。

 また、この授業は〈オリンピックとパラリンピック〉をテーマに、スポニチと連携して行っています。今年度は『オリンピックの開会式をプロデュースする』というテーマに、学生が挑戦しました。発表では、開会式のテーマ、選手入場、選手宣誓、聖火点火の4点を必須条件とし、学生たちは自由な発想で開会式を企画しました。

今回の授業では、グループワークの成果を発表し、編集委員の藤山健二氏からフィードバックをいただきました。また、授業の最後には、スポニチ賞として最優秀賞が贈られました。

3班:想像を創造へ

3班は開催地を日本と想定し、〈想像を創造へ〉を開会式のテーマに企画を考えました。未来の技術を使って活躍する漫画キャラクターをテーマの象徴として採用し、学生は「タイムマシンや空を飛ぶ小型の飛行装置など、想像を技術によって実現しています。あこがれや望みを象徴したキャラクターとして採用しました」と話しました。

選手入場では、4箇所に設置された扉から同時に入場するとしました。入場の演出としてプロジェクションマッピングで入場国の風景を映し出し、観客が各国の文化や自然に触れられるようにしながら、そのキャラクターが登場するアニメのテーマソングを、その国の言語で歌ったバージョンで流すとしました。

また、選手宣誓は柔道の阿部一二三選手、阿部詩選手とし、「柔道という日本らしさと、兄妹でオリンピックに出場するという夢と絆の表象として採用しました」と話しました。

聖火台は大樹をイメージしたデザインとし、「根は努力、幹は現在の選手、葉は選手にあこがれる次世代を表しました」と話しました。点火者は柔道を習っている子供とし、漫画に登場する飛行道具を身につけて空を飛び、聖火に点火する演出を紹介しました。スポーツを通じて次世代へつなぐ未来を伝えるとしました。

藤山氏は「大会ごとにキャラクターは存在していますが、すでに有名なキャラクターを採用するという点が驚きでした。また、選手入場を4箇所から入場する案も、着眼点がよかったと思います。全体を通して実現性と夢があり大変良かったです」とフィードバックを寄せました。

6班:Every color tells a Different Story

6班は、2028年ロサンゼルスオリンピックの開会式について企画しました。〈Every color tells a Different Story〉を開会式のテーマに、多様性、太陽、持続可能性をキーワードに設定し、開会式を演出しました。選手入場はギリシャからアルファベット順に入場し、開催国であるアメリカが最後に入場するとしました。入場では各国のウェア以外に伝統装束も着用し、世界の文化に触れることができる演出としました。また、各国オリジナルロゴを作成し、入場国に合わせてドローンでロゴや国旗を空に映し出すことで、観客に視覚的な楽しさを感じてもらうことを狙いました。選手宣誓は、アメリカ代表の主将と副主将が行うとしました。

聖火台への点火方法として、大砲風に装飾したピッチングマシンから火の玉を投球し、野球選手がホームランとして聖火台へ聖火を届ける演出を提案しました。学生は「追加競技として採用されることや、メジャーリーグでも有名で世界的に注目度が高いことから、スポーツらしいダイナミックな演出ができると考えました」と話しました。また、点火の際に花火とドローン、ランタンによる演出を行い、会場の一体感を表現しました。さらに、聖火台とランタンに太陽のモチーフを取り入れることで、大会テーマとの親和性も図りました。

藤山氏は「直球勝負な内容だと感じました。企画した要素に対して背景まできちんと考えられており、本当の記者会見のようなリアリティのある発表でした」と話しました。

5班:響きあう伝統と未来

5班は札幌を舞台にした冬季オリンピックの開会式を提案しました。開会式のテーマは〈響きあう伝統と未来〉です。選手入場は国ごとにそりに乗って行われ、そりのデザインに国旗の色やモチーフを取り入れることとしました。選手宣誓は「冬季五輪をけん引する存在」であるスノーボードの平野歩夢選手、スキージャンプの高梨沙羅選手が行うことを提案しました。

また、聖火台はアイヌの伝統家屋“チセ”の木組みをイメージし、北海道産の高級木材と軽量アルミニウムを融合させたデザインにするとしました。点火は火矢を用いて聖火台を射ることで行うとし、点火した瞬間にその火が天に昇るような光の演出を、ドローンを活用して行うとしました。学生は「現実の炎とプロジェクションマッピングやドローンによるデジタル技術の輝きの融合をイメージしました」と話しました。

さらに、場外の特設イベントとして、聖火点火体験ブースを設けることを提案しました。設置された聖火台のオブジェクトに向けて、来場者が手元のスマートフォンから一斉に火矢を射ることで点火を疑似体験。参加者により一体感を感じてもらうとしました。

藤山氏は「冬季オリンピックの開会式を提案してくれるとは思っていませんでした。札幌を舞台にする上で、アイヌ民族に注目してくれたことがよかったです。また、体験スペースとはいえ観客を点火に取り入れる発想はこれまでにない斬新なもので、参加型で一体感を演出するアイデアがとてもよかったです」とコメントを寄せました。

4班:わ

4班は開催地を日本と想定し、〈わ〉を開会式のテーマに企画を考えました。学生はテーマについて「〈わ〉には平和の“和”、五輪の“輪”、そして日本文化の“和”という意味が込められています」と述べました。また「日本文化をわかりやすく織り交ぜ、他国との調和や平和、そして過去から未来を表現します」と話し、その演出全体を考えるベースとして『万物が互いに影響し合い循環する』という東洋思想である“五行思想”を取り入れると説明しました。

選手入場の順番については、オリンピックのシンボルマークである五輪が5大陸を表していることに触れながら「ギリシャを先頭に5大陸ごとに順番に入場し、日本がアジア大陸の最後として入場する」と説明しました。また、選手宣誓には柔道の阿部一二三選手、阿部詩選手を起用するとし、「柔道が日本の伝統競技であること、兄妹の絆がスポーツの努力を象徴することから採用した」と起用の理由を話しました。さらに、聖火ランナーとして歌舞伎俳優の市川團十郎氏を起用することを提案し、「日本の伝統文化を象徴する歌舞伎の力強さをストレートにアピールし、日本ならではの魅力を伝える点火セレモニーとする」としました。

藤山氏は「まず、テーマをひらがなとした点が、同じ発音で複数の意味を持つ日本語の特徴を活かした発想で素敵でした。また、“五行思想”に着目した点も面白かったです。さらに5つの大陸を意識した入場順は、オリンピックの原点である“大陸の団結”に立ち返った発想で良かったです」とコメントしました。

2班:3つのB 〜Bridge、 Believe、 Beyond〜

2班は夏季オリンピックを想定し、〈3つのB 〜Bridge、 Believe、 Beyond〜〉をテーマに開会式を企画しました。学生は「テーマでは3つのBを通じて、オリンピックが世界中の人をつなぎ、お互いを信じながら、新たな未来へ歩み出すきっかけとなることを表現した」と話しました。選手入場は競技ごとに行うとし、選手宣誓は次の世代へつなぐ“Bridge”の象徴として、10代のオリンピック選手である、スケートボードの吉沢恋選手と小野寺吟雲選手を選出しました。

聖火の点火者は2024パリ五輪で金メダルを獲得したフェンシング団体の日本選手とし、採用理由を「チーム競技で仲間を信じ、限界を超えた先の金メダルであると考え、Believe、Beyondの象徴として採用した」と説明しました。点火者たちが聖火台へ集まり、ひとりひとりのトーチから聖火が灯された後、光が会場全体に広がる演出を行うとし、学生は「重ねた想いが未来に広がっていく様子を表現しました」と話しました。また、聖火台は両端に階段を設け、上から見ると橋に見えるデザインにすると説明し、学生は「橋でつながり、信じる力で支え合い、限界を超えて未来を切り拓くという3Bのコンセプトを意味として込めた」と話しました。

藤山氏は「開催都市を選ばない普遍性のある提案で、内容の完成度も高かったです」とフィードバック。「また、スケートボードやフェンシングといった競技の目の付け所がマニアックで面白かったです」と話しました。

1班:コネクト

1班は2032年夏季オリンピック開催地であるオーストラリアを舞台に、<コネクト>をテーマとした開会式を企画しました。また「スポーツを通じた人とのつながりと自然との共存」をコンセプトに、演出を考案しました。

選手入場は「競技ごとに船に乗り、シドニー・オペラハウス周辺の海を同時に周遊する」と提案。入場にかかる時間の短縮を狙いました。また、選手宣誓はオーストラリア選手の最年少と最年長が行い、「スポーツが持つ歴史を次世代へつないでいく〈コネクト〉を表現する」としました。学生は「追加競技に、現地で人気のオーストラリアンフットボールが採用された場合、その競技の選手から選出する」と話し、開催国の魅力も発信すると述べました。

聖火点火は、オリンピックで実施される競技から選手が一人ずつ参加して点火を行い、聖火台は「ニューサウスウェールズ州のシンボルである花、ワラタをモチーフとしたデザインにする」とし、自然との共存というテーマの表現につなげました。

さらに、オペラハウス前でのオーストラリア室内管弦楽団の演奏に加え、ゴールドコーストのサーファーズパラダイスで先住民族の伝統音楽やダンス〈マニカイ〉〈コロンボリー〉を披露すると話しました。

藤山氏は「オーストラリアンフットボールという、ローカルだけれども現地で圧倒的な人気を誇るスポーツを取り入れてくれて、よく調べたなと感じました。また、オーストラリアの歴史として先住民族問題を忘れずに取り入れてくれて大変良かったです」と話しました。

スポニチ賞の表彰

すべての班の発表が終了した後、藤山氏、池田氏、佐藤氏の3名がスポニチ賞の審査を行いました。

協議の結果、最優秀賞は2班〈3つのB 〜Bridge、 Believe、 Beyond〜〉に決定。藤山氏は評価のポイントを「企画内容の実現可能性の高さ」と説明しました。2班には、オリンピック公式グッズの防水ポーチが藤山氏から贈呈されました。また、参加賞としてスポニチグッズのペンが学生に配布されました。

総括のコメント

藤山氏は「予想を超える素晴らしい提案でした。スポニチ賞を設けていますが、みなさんには自分の発表に自信を持ってもらえればと思います」と、発表全体への感想を述べました。続けて、オリンピック取材時のエピソードや、有森氏との対談を振り返りながら、学生たちへエールを送りました。

藤山氏は、あるメダリストに取材した際、金メダルを取れた理由を尋ねると「”負けず嫌い”だったから」と返ってきたエピソードを紹介しました。「その言葉を聞いた直後は『アスリートはそういうものだろう、よくある回答だな』と思っていました。でも話を聞くうちに、そうではないと気づいたんです」と振り返り、「その選手が言う“負けず嫌い”は、誰かへの対抗心ではなく、自分自身に対しての負けず嫌いだったんです」と説明しました。

さらに「一流の選手でも、緊張に悩んだり負けて落ち込んだりします。その選手も『練習でもういいやと感じる時もあるけれど、それでも自分に負けたくなくて続けてきた。その結果がオリンピックにつながった』と話していました」と、アスリートの心の内を紹介しました。

また、有森氏との対談で出た『自分で自分を褒めたい』という言葉についても触れ、藤山氏は「自分が満足するまでは負けを認めない。そして満足のいく結果が出たら、自分をほめる。これは皆さんのこれからの人生でも、大切な考え方になるのではないかと思います」と学生たちに伝えました。

最後に「今後、どうしても悩むことが出てくると思います。そんなときはぜひ有森氏との対談で聞いた信条を思い出して乗り越えてください。これからも、もっと楽しい毎日を送ってもらえたらと思います。本当に皆さん、お疲れ様でした。ありがとうございました」と、学生たちへ言葉を贈りました。

学生たちは、企画提案や対談を通して、一つの提案をやり抜く力やチームで動く協働力、自分の人生を支える力強い信条を学びました。

担当教員のコメント

2014年からスタートした本授業では、一貫してオリンピックパラリンピックを学生とともに考えてきました。そして、スポーツニッポン新聞社さまにも、一貫してご支援を継続いただいてきました。
スポニチ藤山様には、毎年、お題をいただいたり、オリンピックパラリンピックの裏話の数々をご披露いただくなどスポーツを通しての国際理解を深めることにお力添えをいただきました。
今年のテーマは、将来のオリンピックパラリンピック開会式をプロデュースするという壮大なテーマでしたが、学生たちも想像力や創造力を目いっぱい発揮いただき、素晴らしいプランが提案されました。
スポーツニッポン新聞社様のご支援に対し、心から感謝申し上げます。

2026年8月6日

自分と向き合い可能性を開く!〈国際理解とキャリア形成〉スポニチコラボ授業に有森裕子氏が登壇し、対談形式でご講演いただきました。

6月23日、実践女子大学共通教育科目「国際理解とキャリア形成(担当:国文学科 深澤 晶久教授)」にて、スポーツニッポン新聞社とのコラボ授業の一環で、五輪メダリストであり現日本陸上競技連盟会長の有森裕子氏をお招きし、アスリートとしてのご経験やキャリアの中で得た価値観について、編集委員の藤山健二氏との対談形式でご講演いただきました。

授業と社会連携について

国際理解とキャリア形成は、2年生以上を対象に開講されている共通教育科目です。国際情勢の学習や、グローバル業務を経験した外部講師による講演を通じて、国際的な視野と幅広い知識を身に付けます。

 また、この授業では〈オリンピックとパラリンピック〉をテーマにスポーツ新聞の発行を行っているスポーツニッポン新聞社と連携を行っています。今回の授業では、バルセロナオリンピックで銀メダル、アトランタオリンピックで銅メダルを獲得した元マラソン選手である有森裕子氏をお招きし、長年オリンピックの取材に取り組んできた編集委員の藤山健二氏との特別対談が実施されました。

陸上との出会い

陸上を始めたきっかけは、「小学校の頃に信頼していた先生が陸上クラブの担当だったから」という理由だけだったと話す有森氏。また、「中学校の運動会で参加した800m走で3年連続優勝したことが、自分の自信につながった」と話しました。有森氏は、結果を左右するのは自分自身だけという陸上競技の特性が、自分に合っていると感じたそうです。

藤山氏が「自信が持てるものが欲しかったということでしょうか」と質問すると、有森氏は「自分に自信が持てる、自分を認めることができるような機会がなかったため、自信満々に自分を表現できる友人たちがうらやましかったんです。何でもいいから『私はこれ』と言えるものが欲しいと思っていました」と話しました。

あきらめない気持ちとやる気

陸上が自分の自信につながることを実感し、高校進学と同時に陸上部への入部届を提出したという有森氏。しかし、「進学した学校が陸上の名門であることを知らず、中学校時代に陸上競技での入賞経験がなかった私は門前払いされました」と話しました。

「顧問の先生から入部を却下されたにもかかわらず、どうしても入部したくて、行く先々で先生を待ち伏せすることを1か月くらい続けました」と続け、最終的に仮入部という形で陸上部へ。有森氏は「そのまま高校卒業まで部活動を続けましたが、大会での受賞歴はありませんでした」と話しました。それでも大学で競技を続ける決断をしたといいます。

藤山氏は「高校3年間頑張って結果が出なければ、やめる人も多いと思います。どうして大学でも陸上を続けようと思ったのでしょうか」と質問しました。

有森氏は、あきらめずに進む自分を応援してくれる存在がいたことが大きかったと話し、進路に迷った際、陸上部の先生から「あきらめずに続けたら相手が先にあきらめるかもしれない。それまであきらめなかったら、自分が前に行けるかもしれない。俺はお前をずっと応援するから、それまで頑張れるか」と言われたことを紹介しました。

続けて「先生の『かもしれない』という言葉を聞いて、『自分が何かできる可能性があるということだな』と思ったんです。自分が可能性をあきらめなければ、その道を応援してくれる人がいる。そう思ったときに『やめる』という選択は頭に浮かびませんでした」と話しました。

大学進学後はけがの休養からの復帰を経て、卒業後は実業団に所属。実業団入団の経緯も「通常、実業団への入団は勧誘か紹介で決まるのですが、私はそれを知らなかったんです。直接アプローチを行い、面談にこぎつけました」と話しました。

有森氏は入団できた背景について「当時の企業の状況と私のやる気がかみ合ったから」と振り返り、「会社は不祥事を立て直していくために“やる気”のある人材を求めていました。私は実績がないものの、走ることに対する“やる気”はしっかりと持っていました」と説明。「監督との面談で『これから先、どうしたいか』を伝えました。その“やる気”が伝わり、『今会社が求めている力を持っている』という点が評価されて入団することができたんです」と話しました。

オリンピックに関する有森氏のキーフレーズ

藤山氏はオリンピックに関する話題として、インタビューで有森氏が語った『自分で自分をほめたい』という言葉を紹介し、「この言葉は有森氏を代表する言葉として知られています。この言葉に込めた思いについて聞かせてください」と質問しました。

有森氏は「銅メダルを獲得したアトランタオリンピックで、競技後に行われたインタビューの最後に出た言葉でした。アナウンサーからの質問に対し『なんでもっと頑張れなかったんだろうと思うレースはしたくなかった』と話した後、ふと自分の中で今回のレースを振り返ったんです。その時、何一つそう思う瞬間はなかった。そう思ったときに『自分で自分をほめたいと思います』という言葉が自然と出ました」と、当時どのような思いでその言葉が生まれたのか語りました。

また、「アトランタオリンピックまでの道のりの中で、手術などさまざまなことがあり、周囲からは『有森は終わってしまったな』と言われることもありました。何とか自分を信じるしかない状況の中で、やっと戻ることができた4年後の舞台だったんです」と振り返りました。さらに、「誰も褒めてくれなくても、自分で『本当によくやった』と思えました。レースを振り返ったとき、あの言葉以外は出てこなかったんです。自分自身を最大限に見つめて出た言葉なので、周りの反応は関係ありません。たとえ歓声がブーイングに変わっていたとしても、同じ言葉を口にしていたと思います」と話しました。

有森氏の信条

藤山氏は「有森氏が現役時代の経験から導き出した、これからの人生にプラスになるような信条やモットーがあるということで、ご紹介します」と話しスライドに言葉を投影しました。有森氏は〈世の中にたった一人しかいない自分の生き方にこだわる〉について、次のように話しました。

有森氏は「たった一人しかいない自分であることに誇りや特別感を持つことは大切です。それと同時に、周囲の助けがあって自分が生きていけるとも感じますが、その助けを“頼ろう”と判断するのも自分だと思っています。しっかりとした自分自身を自覚していないと、何歳であろうが人にコントロールされるようになってしまいます」と話しました。また「私の場合、周囲と違うことがエネルギーになり楽しかったです。自分らしさをつくると面白いですよ」と学生へ伝えました。

藤山氏は有森氏の言葉を受け、「その根底にあるのは自己肯定感の高さだと感じます。誰しも自分自身の嫌なところを感じていると思いますが、自分を好きになるためにはどうしたらいいのでしょうか」と質問しました。

有森氏は「自分が決めたことを自分がやらないと、やりきれない自分が嫌になってくると思います」と回答。続けて、「私自身も自分の全部が好きなわけではありません。しかし、そういう部分を自覚して生きていくことと、無自覚に生きていくことには大きな違いがあると思っています。すぐに変えることはできなくても、自覚できていれば変わることができるタイミングや、変化のチャンスを逃すことが少なくなると思っています」と、自分の苦手な部分と向き合う考え方を共有しました。

さらに、学生へのアドバイスとして『嫉妬』という感情について説明。

有森氏は嫉妬を『嫌い』と別の感情であることに触れ、「他人に対して嫉妬するということは、『そうなりたい』という欲求が自分にあるということであり、伸びしろの部分です。人を貶めるために使わなければ自分にちゃんと関心を持っている証である、ものすごいエネルギーなんです」と解説しました。学生に「簡単なことではないけれど、自分が嫌だと感じている部分にもそういう視点があるんだと感じることで、自分を好きになれる瞬間が早く訪れると思います」と伝えました。

講演の最後に

藤山氏は、学生が取り組む〈オリンピックの開会式をプロデュースする〉という課題に関連し、「選手から見た理想の開会式とはどのようなものですか」と有森氏に質問しました。

有森氏は「実は現役時代、オリンピックの開会式には参加していません。マラソンはコンディションの調整が難しく、開会式に出る選手はあまりいないんですよ。ですが、開会式は単なるイベントではなく、選手と応援する人が一体感を感じられる場であってほしいなと思います」と回答しました。

さらに、スペシャルオリンピックス(知的障害のあるアスリートの競技大会)で行われたアスリートファーストの開会式や、世界陸上競技選手権大会で観客の視点に立ち、競技の見やすさを意識した大会運営を例に挙げながら、陸上競技大会の運営に対する考え方も変化していることを紹介。「競技に参加する選手が最高のパフォーマンスを出せることが大切」と話しました。

尽きることのない話題の中、予定の時間を迎え、対談は締めくくられました。

その後、学生からの質疑応答の時間が設けられ、「走っているときに心が折れそうなとき、どうしていましたか?」という質問に、「“苦しい”は頑張ろうとしているから出る感情です。ネガティブでは全くなく、苦しくなるくらい頑張っている証拠なのであきらめる理由にはならないです。逆に、“嫌になること”は自分の力になりません。嫌と感じていることは周りにも伝わりますし、進化を止めます。自分がどちらの感情であるかは見極めたほうがいいです。考えてみると案外嫌なことは少なかったりします」と回答。自分の感情を見失わずに進むことの大切さを伝えました。

講義の最後に有森氏は「けがの時、この言葉にずいぶん救われた」という『何で』と『せっかく』の話を学生に贈りました。

「何か想定外のことが起きたとき、『なんで』と考えることが多いですが、それを考えて良くなることはほとんどないです。『何で』を『せっかく』に変えるとポジティブになります。『せっかくなら』と、今しかできないことに目を向けることができ、嫌なことがあっても自分にとってプラスになることを考えることができるんです。『せっかく』をきっかけに自分をいい方向に持ち直し、その自分を通して周りも良くなる。たったこれだけのことですが、自分の心持ち1つ、使う言葉1つで、変えることができます。ぜひやってみてほしいなと思います」

担当教員のコメント

有森さんにご登壇いただくのは、今回が6回目となります。その間には、東京2020そしてパリ2024が開催され、早いもので再来年はロサンゼルス2028です。オリンピックパラリンピックを通して国際理解に繋げようとする試み、毎年スポニチ様にご支援いただいています。
有森さんの数々のエピソードからは、決してあきらめない心や、逆境の時にこそ「せっかくだから」という言葉を乗せることで、常に前向きに物事を考えること、そして挑戦する気持ちの大切さなど、数々のお言葉をいただきました。この場を借りて、有森さん、そしてスポニチの藤山様はじめ関係の皆様には、心から感謝申し上げます。

2026年8月6日

現役社員が語る仕事と子育て!〈国際理解とキャリア形成〉で資生堂グローバルブランドユニットの岡野静佳氏をお招きしご講演いただきました。

6月16日、実践女子大学共通教育科目「国際理解とキャリア形成(担当:国文学科 深澤 晶久教授)」にて、株式会社資生堂(以下資生堂)の岡野静佳氏をお招きし特別講演が行われました。学生は、岡野氏の商品開発に関するご経験やご自身の“学チカ”の話を通じ、就職活動や仕事について理解を深めました。また、岡野氏は現在、二児の育児とフルタイム勤務を両立させており、キャリアの選択肢を示す存在として、学生が将来を具体的にイメージするきっかけとなりました。

授業と社会連携について

国際理解とキャリア形成は、2年生以上を対象に開講されている共通教育科目です。国際情勢の学習や、グローバル業務を経験した外部講師による講演を通じて、国際的な視野と幅広い知識を身に付けます。

今回の授業では資生堂から岡野静佳氏をお招きし、キャリアや商品開発の仕事について、そして子育てと仕事の両立のリアルに触れるご講演をいただきました。岡野氏は現在、二児を育てながらフルタイムの勤務を両立させています。キャリアを語る岡野氏の講演に、学生は真剣に耳を傾けていました。

岡野氏のキャリア

初めに、岡野氏のキャリアについて説明がありました。資生堂への入社後、百貨店担当の営業として約3年間勤務。その後「社内のジョブチャレンジ制度に応募し、本社の国際事業部へ異動しました」と話しました。岡野氏は「営業として勤めていた時、上司との面談のたびに『国際的な仕事をしたい』と伝えてました」と、グローバルにかかわる業務に対して積極的だったと話しました。

そして異動後、配属されたのは未経験であったメーキャップ商品開発担当。岡野氏は「仕事の面で、先輩たちとの比較や理想の自分とのギャップに悩みました。しかし、先輩たちにも私のような新人の時代があったはずと考え、食らいついて仕事を続けました」と話しました。また、商品開発は企画から発売までに年単位の時間がかかることを説明し、岡野氏は「担当して3年ほど経った頃、ようやく仕事のやりかたが掴めるようになりました。つかめてからはとても楽しく、バリバリ働きました」と振り返りました。

その後、2020年に第一子の産休に入った岡野氏は続けて第二子も出産。約4年間の育児休暇を経て、一昨年スキンケアの商品開発担当として復帰したと話しました。育児休暇からの復帰後は、育児と仕事を両立する日々だといい、さらに岡野氏は「実は10か月間の研修を受け、今年1月から正式にマネージャーとして勤務しています。管理職として増えた仕事に翻弄されつつ、頑張って働いています」と話しました。

岡野氏のキャリアの原点

岡野氏は自身のキャリアの原点として、大学時代の留学中に経験したとある出来事を学生に話しました。

留学中、旅に出るため飛行機の出発を待つ空港の待合ロビー。周囲に空席が目立つ中、男性が真隣に座ってきたといいます。警戒心から「なんですか」と尋ねたものの返答はありませんでした。不審に思っていると、男性から手元の機械を用いて飛行機の行き先について質問され、初めてこの男性が視覚と聴覚の両方に障害のある人(盲ろう者)だとわかったといいます。岡野氏は「彼はアナウンスや掲示の情報を受け取ることができず、誰かに教えてもらわなければ状況に気づけない立場なんだ、と気づきました」と話しました。

そこから機械や手のひらに文字を書いてコミュニケーションを図り、「不慣れで拙くゆっくりとしたやり取りしかできず、大した会話はしていなかったと思います」と話しました。優先搭乗の案内がかかり、グランドスタッフの介助の元搭乗ゲートに向かう男性を見送った岡野氏。「男性がくるっとふりかえり、すごい笑顔で大きく手を振ったんです。向いている方向は全く違っていたのですが、きっと私に向けてしてくれたんだろうと思いました」と話しました。

当時の経験を振り返り「当時、体験したことがないほどの達成感を感じ『すごくいいことをしてあげられたんだろうな』という純粋な印象が今も根強く残っています」と話し、岡野氏のキャリアの軸でもある「心を重んじる究極のおもてなし」という価値観を持つきっかけとなったことを紹介しました。

さらに学生に「私はこの出来事を『学チカ(就活の自己PRの定番の質問である“学生時代に力を入れたこと”」のこと)』として就活面接で話しました。皆さんも『力を入れたこと』という言葉に引っ張られすぎず、自分の経験を自分の言葉に変えることを大切にしていただきたいと思います」と話しました。

商品開発の仕事

岡野氏は商品開発のプロセスを、メーキャップ担当時に開発に携わった〈SHISEIDOメーキャップ PICO 2018〉を例に説明しました。

岡野氏は「商品開発では、なぜその商品を作るかという戦略を明確にしたうえで、その目的を達成するために必要な要素とミッションを調査・分析によって導き出していきます」と説明。

〈SHISEIDOメーキャップ PICO 2018〉は、ブランドのメーキャップ商品の大幅リニューアルを前に新規顧客を獲得するための企画として立ち上がったといい、岡野氏は「新規顧客を『かわいい』でひきつけるものとして提案したものが〈SHISEIDOメーキャップ PICO 2018〉となります」と説明しました。

また、さまざまな調査の結果、新規顧客が見込める世代が若年層であったことや、ポーチの中身を調査した際に資生堂の商品が一つも入っていなかったことなどから「“若いお客様に『可愛い』『ポーチに1個入れたい』と思ってもらえる商品をつくること”をミッションとして設定した」と話しました。

その後、「ミッションを達成するにはどうしたらよいか、具体的な商品の企画が始まります」と話し、実際の提案資料をスクリーンに投影しながら、『20代女性』というターゲットや『商品の機能だけじゃなく、見た目の可愛さやストーリーも重要』というニーズなど、〈SHISEIDOメーキャップ PICO 2018〉開発時の詳細な設定を紹介。客観的な要素をそろえたうえで、それをどうしたら商品に落とし込むことができるか、コンセプトなどを決定すると説明しました。

〈SHISEIDOメーキャップ PICO 2018〉のコンセプト決定について、岡野氏は「商品コンセプトを考えていく段階で『手つむぎ』をキーワードにしました。日本の伝統工芸など、手作業で完成する商品に込められた職人さんの美意識を、エッセンスとして取り入れたかったんです。そこで贈り物や自分へのご褒美として購入される『和菓子』をコンセプトとして採用しました」と話しました。

また、「商品の販売スタートの時期が2月だったのですが、ブランドのメーキャップ商品リニューアルは秋。そこで、季節ごとに和菓子をモチーフにした色を約2カ月おきに展開するという戦略を考えました」と話し、「販売戦略に合わせ、商品の色を開発していきます」とプロセスを紹介。色の開発について「試作と修正のトライアンドエラーを重ね、研究所やメーキャップアーティストと連携しながら商品ごとに独自の色を作り出します」と話しました。

岡野氏は「〈SHISEIDOメーキャップ PICO 2018〉はSNSなどでも大変好評で、2019年、2020年と続きました。また、老舗和菓子屋とのコラボレーションも実現しました」と語りました。さらに、〈SHISEIDOメーキャップ PICO 2018〉の商品開発には2年かかったと話しながら「スキンケアの商品開発には最低3年はかかります。今も2032年に発売する商品について、考え始めています」と商品開発のサイクルについて説明しました。

制度が支える働き方

商品開発という責任ある仕事をこなしながらも、岡野氏は二人の子どもを育てる母親でもあります。仕事と育児の両立について、岡野氏は資生堂を「とても働きやすい環境です」と話し、その両立を支える要素として〈スーパーフレックス制度〉を紹介しました。スーパーフレックス制度は1か月の所定労働時間を満たしていれば、出勤・退勤時刻を比較的自由に調整できる勤務制度です。岡野氏は「中抜けや休みなど、プライベートの時間をあまり損なわずに自分が動きたいように動くことが許されている」と話しました。

制度を活用した働き方、そして仕事と家庭の両立を行っている具体的な例として、岡野氏の一日のタイムスケジュールがスライドに投影されました。朝食の準備や幼稚園への送り出しを終えた後、9時台から出社して勤務を続け、午後4時台には退勤。就寝も子どもに合わせて早い時間帯にとり、起床は午前の3時。岡野氏の具体的なライフスタイルに触れ、学生も驚きの表情。岡野氏は「業務時間を前倒しすることで、夕方以降に行うはずの仕事を早朝の時間帯で行い、育児と仕事を両立しています」と話しました。

講演の最後に

学生からの質疑応答の時間が設けられました。

学生から「来年から新卒として企業で働きます。理想の自分とのギャップを実感し落ち込んだ状況で、自分がこれを大切にしていたからこそ乗り越えられたと感じることを教えてください」という質問に対し、岡野氏は「『大きな夢』と 『小さな目標』の両方を持つことです」と話しました。

続けて「『いつか国際関係の業務をしたい』という大きな夢をずっと持っていましたが、それだけでは心が折れる時もあったため、『今日は○○さんに話しかける』など小さな目標を設定していました。誰にでも新人時代はあるものです。上司や先輩たちも新人のことをきちんと見たいけど、忙しいとどうしても無理な時もあります。先輩たちに話しかけに行くコミュニケーションを積極的に取ることや、自分から仕事を取りに行くことも大切だと思います」とアドバイスをしました。

また、「〈SHISEIDOメーキャップ PICO 2018〉の商品開発における色づくりについて詳しく教えてください」という質問には「こちらが『この色がいい』と作ったサンプルを研究所に送り、実際にメーキャップ製品として使用できる成分で色を試作してもらいます。研究所から送られてきた試作に対して、さらに色味の修正をかけまた戻ってきてを納得がいくまで繰り返します」と回答。また、「どういう色味にするか、資生堂に所属するメイクアップアーティストと相談しながら色を決めていきます」と話し、岡野氏は「日々の生活の中で『美しい』と感じた瞬間の印象を大切にしながら色を作り上げています。飲んでいたお茶の色や、パンに塗ったジャムの色などから着想を得ることもありました」と説明しました。

担当教員のコメント

今年も、岡野様にご登壇いただきました。初めてお会いしたのは2006年、私が企業の採用を担当していた時でしたから、それからもう20年になります。管理職にもなられ、今や資生堂の中心的な存在して活躍されている姿を、本当に頼もしく、そして嬉しく拝見しました。
仕事にも、育児にも、全力で取り組むお姿が、学生の心に強く響いたようです。
そして、毎年お聞かせいただく究極のおもてなしのエピソードは、学生の心に深く刻まれたことと思います。岡野さんの益々のご活躍を心からお祈り申し上げます。本当にありがとうございました。