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2026年7月6日

アイデアを製品に!2026年度「演習Ⅱa」の授業で猿田彦珈琲とのコラボ授業が始まりました。

4月29日、演習Ⅱa(Kクラス担当:ビジネス社会学科 篠﨑 香織教授)にて、猿田彦珈琲とのコラボ授業が始まりました。初回の授業では、代表取締役の大塚朝之氏をはじめとする社員6人をお招きし、猿田彦珈琲のコーヒーにかける思いや経営哲学など、企業理念について紹介いただきました。また、企業が実際に抱える課題をテーマにした商品企画の内容も発表され、学生たちは今後、課題解決に向けた取り組みを進めていきます。

授業と連携企業について

演習Ⅱaは、人間社会学部の2年生を対象に開講されている専門科目です。授業を通じて、次年度以降のより専門的な学びに向けた具体的な根拠に基づく議論をする力や、正文献サーベイなどを通して必要な情報を収集し、活用する力を身に付けていきます。

猿田彦珈琲との連携は今年で2回目です。昨年は〈猿田彦珈琲のSNSについて考えよう〉をテーマに、SNS投稿の提案を行いました。学生たちが提案した投稿案はブラッシュアップの後、実際に猿田彦珈琲公式SNSアカウントで投稿が行われました。

インスタグラムの投稿→https://www.instagram.com/p/DSrqtLhAT8w/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

篠崎教授は「猿田彦珈琲との連携授業の一番の特徴は、皆さんのアイデアを単なる発表で終わらせず、『ワクワクを形に』して実際に店舗での商品化を目指すことです。直感だけでなく、論文やデータなどの根拠に基づいた提案を行う練習としてこの課題に取り組みましょう」と学生に呼びかけました。

授業のはじめに

学生たちの手元には猿田彦珈琲のカフェラテが配られ、心地よい雰囲気の中で授業がスタート。

「すっぱめのコーヒーとミルクを合わせることが、猿田彦珈琲のカフェラテの特徴です」と話す代表取締役の大塚氏から、猿田彦珈琲の価値観について説明がありました。

猿田彦珈琲の原点

起業時に「『親近感のある接客とおいしいコーヒー』が理想像だった」と話す大塚氏。その原点として、コーヒーショップが自身の居場所となったエピソードを紹介しました。

大塚氏は自身が役者を志していたことを紹介し、「オーディションの結果がなかなか実を結ばず、ふさぎ込んでしまった時期があった」と振り返りました。当時、ふらっと立ち寄ったコーヒーチェーン店で受けた親近感のある接客に「社会とのつながりを感じた」と話し、「友達未満の程よい距離感の交流が、『コーヒーショップは居場所である』という感覚につながった」と語りました。

さらに、友人の紹介でコーヒー豆を販売する店舗で勤務していた経験にも触れ、「豆の販売や、展示会の参加を通じて『飲み物のコーヒーを売りたい』という気持ちを抱くようになった」と話しました。

猿田彦珈琲の今

猿田彦珈琲は、「たった一杯で幸せになるコーヒー屋」をコンセプトに掲げるスペシャルティコーヒー専門店です。スペシャルティコーヒーとは、品質評価で高得点を獲得した高品質なコーヒーのことを指します。猿田彦珈琲では、市場全体の上位5%ほどの品質の豆を使用しており、コーヒー豆の買い付けから販売までを一貫して行っていることが紹介されました。

大塚氏は「国内に30以上の店舗を展開するほか、自家焙煎珈琲のドリップバッグなどの卸販売や、コーヒー飲料の商品監修も行っています」と話しました。また「6月に渋谷新南口に店舗がオープンします」と紹介しました。

店舗一覧→https://brand.sarutahiko.jp/shop

「利他的が得」な経営哲学

大塚氏は組織づくりに対する考えについて、「利他的な行動は、結果的に自分にも良い形で返ってくるのではないか」と語りました。

「利他的が得」になる仕組みについて、「利他的な行動をすると周囲から褒められ、その経験が自己肯定感や自信につながる」と説明。実際の例として、社員がバリスタの世界大会に出場した際のエピソードを紹介しました。

大会には先輩と後輩にあたる社員が出場し、最終選考では6名が順番に競技を行いました。競技順は事前に団体ごとに割り振られており、猿田彦珈琲には1番と6番の順番が与えられていました。大塚氏は、より早い順番の方が有利とされていることを説明しました。

大塚氏によると、競技順を決める際、先輩社員は後輩社員に1番の順番を譲ったそうです。大塚氏は、「世界大会で優勝できる可能性がもっとも高い順番を、自ら後輩に譲ったのです」と紹介しました。

その結果、大会では後輩社員が1位を受賞し、先輩社員は2位を記録しました。大会後には、先輩社員の姿勢を見ていたバリスタコーチや大会関係者から、「彼はすごい」と称賛の声が多く寄せられたそうです。大塚氏は、「この出来事以降、彼の社内での発言の質が明らかに変わりました。それは、この経験を通して自信がついたからだと思います」と話しました。

一見すると営利とは関係のない「利他的な行動」が、結果として組織やビジネスにも良い影響を与えていることを学生たちに伝えました。

課題の発表

大塚氏から猿田彦珈琲の価値観や商品づくりへの想いが語られた後、猿田彦珈琲が実際に抱える課題をテーマに、学生が取り組む3つの課題が提示されました。

まず、フード商品開発チームの三浦里芳氏から、学生全員が個人で取り組む課題〈アイスの商品企画〉について説明がありました。三浦氏は、課題提案の必須条件として「商品名、フレーバー、こだわりポイント、PR方法」を提示しました。また、課題の詳細な設定として「冬の販売を想定すること」や「学生や20代の若者をターゲットにすること」などが共有されました。

フード商品開発チームの坂本大樹氏と経営企画チームの河村美樹氏からは、グループごとに取り組む課題〈ジェラッテの商品企画〉と〈福袋の商品企画〉について説明がありました。

〈ジェラッテの商品企画〉では、坂本氏はジェラッテの抱えている課題として「認知度が低いこと、価格帯が適切か不安であること」の2点を挙げ、一日の店舗売り上げを約7杯から10杯に引き上げたいと考えていることを学生に伝えました。学生には「商品名」「フレーバー」「価格」「PR方法」の4点を盛り込んだ企画提案が求められ、販売期間を11月から2月とする条件も提示されました。また、実際の店舗を見学し、商品や価格設定について理解を深めてほしいと呼びかけました。

一方、〈福袋の商品企画〉では、河村氏から「20代前半の若者が興味を持ち、購入したくなる福袋」をテーマに企画してほしいとの説明がありました。あわせて、2025年の福袋が手土産需要を意識し、“手軽さ”をコンセプトに開発されたことも紹介されました。学生には「コンセプト」「価格帯」「外装」「内容物」の4点を提案条件として示し、「年末年始の具体的な利用シーンを想像しながら企画を考えてほしい」と期待を寄せました。

学生は前半に個人課題である〈アイスの商品企画〉に取り組み、発表を実施。その後、グループに分かれて〈ジェラッテの商品企画〉または〈福袋の商品企画〉の提案に挑戦します。

授業に関するインスタグラムの投稿はこちら

実践女子大学人間社会学部公式インスタグラムにて、授業紹介の投稿が行われました!
投稿リンク:https://www.instagram.com/p/DZ8pW_oAaMe/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

担当教員からのメッセージ

昨年に引き続き、猿田彦珈琲社との連携授業を担当することとなり、大変光栄に思っております。

 今年度は、「アイス」「ジェラッテ」「福袋」という三つの課題に取り組むという、挑戦的でありながらも大変貴重な機会をいただきました。アイスは他のカフェでも展開されている商品であるため、どのような差別化要素を組み込めるかが重要なポイントとなります。一方、ジェラッテは猿田彦珈琲オリジナルの商品であり、その魅力をいかに多くの方に知っていただくかが課題です。福袋については、「猿田彦珈琲らしさ」を打ち出しながら、女子大学生が思わず複数購入したくなるような商品を目指しています。

 ビジネス社会学科の学生は、商品企画やマーケティング、価値創造への関心が高い傾向にあります。だからこそ、市場や社会の動向にしっかりと目を向けながら、実践的な提案ができるよう授業を展開しています。

 5月27日には、履修者全員(26名)が猿田彦珈琲社の皆さまの前でアイスに関する提案発表を行いました。次回のジェラッテと福袋の発表は、チームごとに取り組んだ成果を発表する予定です。学生たちのアイデアが今秋・今冬の商品づくりに活かされるよう、引き続きサポートしてまいります。

 猿田彦珈琲社の皆さま、いつもおいしいコーヒーをありがとうございます。また、学生一人ひとりの力を引き出してくださる貴重なコメントをいただき、心より感謝申し上げます。

2026年6月8日

「知っている」と「言語化できる」は違う?サイバーエージェントによる、AI活用の最前線とAI時代に求められる力を学ぶ特別講演が行われました。

5月15日、実践女子大学人間社会学部の授業「社会科学におけるソフトウェア設計(担当:社会デザイン学科 今田 一希専任講師)」にて、株式会社サイバーエージェント(以下サイバーエージェント) インターネット広告事業本部 AIクリエイティブ部門の川越寛之氏をお招きし特別講演が行われました。学生は、広告制作やデータ分析などの実例を通してAI活用の最前線を学ぶとともに、『知っていること』と『言語化できること』の違いや、AI時代に求められる力について理解を深めました。

授業と連携企業について

「社会科学におけるソフトウェア設計」は、人間社会学部の3年生を対象に開講されている専門科目です。現代社会でさまざまな場面で活用されているデジタル技術の中でも、ソフトウェアによる課題解決に注目。特に、生成AIを活用した実際の課題解決をテーマの中心に据え、学生たちはソフトウェア設計に挑戦します。

今回の授業では、Abemaなどの動画配信サービスを始め多様なクリエイティブ事業を行っているサイバーエージェントから、インターネット広告事業本部 AIクリエイティブ部門の川越寛之氏をお招きし、インターネット広告の現場で活用されているAIについて、そしてAIを活用するために必要な力について、体験型のワークを交えながらご講演いただきました。

川越氏は「サイバーエージェントではインターネット広告の作成にAIを活用しています。AIの導入や技術的なアップデートの結果、広告を制作する人員の大幅なスリム化が行われました」と説明。どうしてインターネット広告でAIが活用されているか、業界の特徴や傾向のお話から講演がスタートしました。

インターネット広告の仕組みとAIの需要

川越氏は、「広告業界の中心はインターネットです」と説明。インターネット広告では、広告がどれだけ多くのユーザーに見られたり、クリックされたりしているかといった〈品質評価〉が、広告掲載において重要な指標になると話しました。

また、広告の効果は掲載直後に高まるものの、その後は徐々に低下していく傾向があることを紹介。「広告効果が下がると品質評価も低下するため、良い広告を維持するには継続的な更新が必要です」と説明しました。

さらに、品質評価を高めるためには、ターゲットに合わせてさまざまなパターンの広告を作成する必要があると解説。「効果的な広告運用のために100本程度の広告パターンが必要な場合もあり、人の手による制作だけでは対応しきれない量になっています」と話しました。

加えて、AIは広告の制作だけでなく、広告効果の予測にも活用されていることを紹介。「判断をAIに任せることで、データに基づいた客観的な分析が可能になりました。その結果、広告効果は導入前と比べて2倍以上に向上しています」と説明しました。

“AIっぽくない”正体は言語化にあり

実際に川越氏がAIで生成した動画を学生に披露しました。動画では、女性が画面に向かって「実践女子大学の皆さん、こんにちは」と語りかけます。この女性の映像だけでなく、音声もAIによって生成されたものだといいます。自然で“AIらしさ”を感じさせない動画に、学生たちからは驚きのリアクションが上がりました。

違和感のない生成動画について、川越氏は「つくるためには言語化が大切です」と説明。生成AIは、プロンプトと呼ばれるユーザーからの指示文をもとに、文章や画像、動画などを生成する仕組みです。

「例えば、この動画の『ピントがぼけている状態から徐々に合っていく』という演出も、プロンプトによって指示しています」と紹介。映像の状況や動きを正確に言葉で表現し、プロンプトとして入力することで、より自然な動画を生成できると述べました。

さらに川越氏は、「生成AIは人間が入力したプロンプトによって出力結果が決まります。100本のバリエーションもプロンプトによって作り出されており、“AIで手作り”されているんです」と説明。動画素材そのものはAIが生成していても、どのような動画をつくるのかを考え、指示を与えているのは人間であることを紹介しました。

AIと並走する制作作業と言語化

川越氏は「AIを活用するにあたって言語化は非常に重要ですが、プロンプトとして入力できるほど自分でははっきりと言語化できていない要素も活用していくことが、今後重要になってくるのではと感じています」と話し、学生に「自分の理想の服」を生成してみるワークを提示しました。

ワークでは、「自分の理想の服」をテーマに生成AIを活用。学生は理想に近い服の画像をAIに提示し、画像に含まれる特徴やデザイン要素を言語化しました。続いて、生成された文章をもとに、画像生成用のプロンプトを生成。完成したプロンプトを用いて画像生成を行いました。

学生たちは、画像の言語化からプロンプト作成までのプロセスにAIを活用することで、自分の中にあるイメージを具体的な形として表現する体験をしました。

講演の終わりに

川越氏は最後に、「“知っていること”と“言語化できること”はイコールではありません」と話します。ワークで体験したように、言葉にできないイメージであっても、AIを活用することで表現につなげることができると説明しました。

また、自身が好きなゾンビ映画を例に挙げ、「好きな作品であれば、どのシーンが魅力的で、何がどのように動くのかを具体的にイメージできます。しかし、そのイメージは自分が持っているものであり、AIは持っていません。AIに再現させるためには、自分のイメージを伝える必要があります」と解説。

さらに、学生がワークを通じて体験した“知っていること”と“言語化できること”の関係性に再び触れ、「“知っていること”を増やし、自分の引き出しを豊かにすることで、AIを十分に活用できる力を身に付けることができます。大学生活の中で、自分の好きなことや興味のあることについて知識を深めてほしい」と学生へ呼びかけ、講演を締めくくりました。

担当教員からのメッセージ

この講義は、AIの利活用についてをテーマとしています。

「AIの利活用」に限らず、データサイエンスなど私が講義で担当しているテーマは須らく、座学で理屈を知っても有用性や利便性に気づくことは難しく、実際に自分で使ってみたり、学生自身の身近で利用されている実例を実際に見聞きすることで、初めて価値を感じられるのではないかと考えています。

今回、川越様にはSNSなど学生の身近なことに対してAI技術が利活用されている実例をお話しいただき、演習を交えて実際に使ってみることを体験させていただきました。

心より御礼申し上げます。

受講生たちには、ご講演や講義を通じて「AIというよくわからないけど凄いっぽい新技術」から「AIという自分をサポートし、アイデアを具体化するツール」へ昇華させ、今後社会で求められるであろうスキルを持った人材への成長の一助としてほしいなと思います。

2026年6月2日

航空機のアップサイクル商品企画・デザインに挑戦!2026年度「演習Ⅱa」の授業でJALとのコラボ授業が始まりました。

5月12日、演習Ⅱa(担当:ビジネス社会学科 若林 宏保教授、井上 綾野准教授)にて、JALとコラボした航空機のアップサイクルに関する授業がスタートしました。JALから細野志麻氏をゲストにお招きし、JALが取り組むサステナビリティへの取り組みとアップサイクルの事例の講演と、学生が取り組む課題の発表が行われました。

授業と連携企業について

演習Ⅱaは、人間社会学部の学生を対象に開講されている専門科目です。授業を通じて、次年度以降のより専門的な学びに向けた具体的な根拠に基づく議論をする力や、正しい文献を選び必要な情報を正確に読み取る力などを身に付けていきます。

この授業では、企業から提示された課題に学生が取り組む「課題解決型」の授業として、旅客機や貨物機の運航を行うJALと連携しています。今回はコラボ授業の初回として、学生が取り組む課題が発表されました。また、課題に関連するJALの取り組みについて、客室乗務員の責任者や救難訓練の教官を経験した細野氏から解説が行われました。

細野氏は「JALではサステナビリティへの取り組みを強化しており、『社会価値創出を事業の中心・成長軸に据える』という価値観で様々な活動を行っています」と話し、その取り組みのひとつとして、アップサイクルについて解説しました

アップサイクルとJAL

細野氏ははじめに、「アップサイクルは“使われなくなった廃材を、新しい形に加工して活用すること”です」と紹介しました。

そして、JALにおける廃材について、「航空機そのものです」と説明。航空機には約300万点の部品が使用されており、座席に使われているレザーやシートベルトをはじめ、エンジンや窓などもアップサイクルの対象になっていると話しました。

細野氏は、アップサイクルの素材として活用されている例のひとつとして“救命胴衣”を紹介しました。機内で使用される部品や装備品には、安全を守るために厳格な使用期限が定められており、まだ使えそうに見えるものでも安全上の理由から廃棄されることがあるそうです。そのため、「年間約2000個の救命胴衣が、きれいなまま廃棄されていました」と説明しました。

アップサイクルがスタートしたきっかけ

JALでアップサイクルが始まったきっかけは、「救命胴衣のポーチ」だったと紹介しました。

定期交換する救命胴衣が年間2000個、故障も無いのに綺麗な状態のまま廃棄されるのを見た整備士が、「もったいない。何かできないか。」と声をあげたことがきっかけとなり、アップサイクルの取り組みが始まりました。

 この取り組みをきっかけに、安全のための使用期限を過ぎてしまった救命胴衣やシートベルトなど、ほかの装備品や部品類のアップサイクルに活動が広がっていきました。現在では、家具メーカーなど他社とコラボした取り組みも行われており、社員が制作したアップサイクル商品は現在もJAL公式オンラインストアやJAL工場見学の売店、不定期の物販イベントで販売されています。

JAL公式オンラインストア→https://ec.jal.co.jp/shop/e/e00020394/

新たな価値を付加するアップサイクルとストーリー

細野氏は、JALが行う航空機のアップサイクルについて「使用期限が切れた装備品や経年劣化で使用できなくなったものでも、“実際に運航で使用されていた”というエピソードがあります。一度役目を終えた部品の役割を加工によって変化させることで、新たな価値を生み出しています」と説明しました。

さらに、「使われなくても、航空機としてたくさん空の旅を経験している装備品たちが、新たに生まれ変わって価値を発揮することは乗務員としてもうれしく感じます」と、アップサイクルへの思いを語りました。

実際の商品

JALのアップサイクルの事例が紹介されました。シートベルトや救命具など、実際に機内で使用されていた装備品は、キーホルダーやポーチにアップサイクル。さらに、航空機の車輪止めに使用されていた木材は、神社とコラボした”滑らない”合格祈願のお守りとして活用されています。

また、実際に機内で使用されていたシートレザーは、スツールや小銭入れ、バッグへと生まれ変わっているほか、エンジンの部品や燃料タンクの点検口の蓋を使用したインテリアオブジェ、アクリル製の窓を使ったキーホルダーなども紹介されました。

実際のアップサイクル商品のほか、加工前の廃材を学生に渡す細野氏。

学生は実物を間近で観察し、素材を確かめて「かわいい」「しっかりしていて頑丈そう」など、感想を交換しました。

課題の発表

今回学生が取り組む課題は「廃材の特性を活かし『Z世代から長く愛される』新商品を、社会や消費者にどう伝えるかも含めて企画・デザインする」です。

細野氏は「JAL社員になったつもりでアイデアを考えてください!優秀な企画は実際に採用させていただく可能性もあります」と学生に声掛け。「必要に応じて他社とのコラボOK」など、発表の要件が共有されました。また、今回の企画でアップサイクルの材料として使用する廃材の特徴も紹介されました。

学生は、今回の授業で確認した実際のアップサイクル商品や、素材の特性を参考にしながら、グループに分かれて企画の提案を行います。

担当教員からのメッセージ

ビジネス社会学科2年生約50名が、JAL航空みらいラボ様と共に航空機のアップサイクル・アイデアに挑みます。
教員として期待するのは、単なる思いつきに留まらない「社会課題の解決とビジネスを結ぶ」リアルな視点です。約50名の仲間と切磋琢磨しながらプロの現場に本気でぶつかり、未来の循環型社会を形にする力を養いましょう。学生たちの瑞々しい感性とJAL様のプロの知見が融合し、どんなワクワクするイノベーションが生まれるか楽しみです。〈井上 綾野准教授〉

2025年2月3日

冬休みにはこれがおすすめ!ゼミ「演習ⅡB」でサイバーエージェントの川越氏をお迎えしてプレゼンテーションが行われました。

12月24日に「演習ⅡB」(担当:人間社会学部人間社会学科 粟津 俊二教授)のゼミでプレゼンテーションが行われました。テーマは「これから迎える冬の休暇におすすめの活動、遊びを紹介する」。学生たちはグループに分かれ資料を作成。株式会社サイバーエージェントの川越寛之氏をゲストに迎え、行われた発表の様子をご紹介します。

自然巡りでリラックス

最初はD班から。
自然がストレスを軽減するという先行研究を調べ紹介。
例えば自然の音には、人間が一番心地よく感じられる「1/fゆらぎ」があり自律神経が整うことなど、自然でリラックスできるのは科学的にも明らかであると伝えました。
この冬オススメの場所としては白川郷と箱根をピックアップ。特に箱根は都心からアクセスが良く、山や湖、温泉など自然が豊富なのでぜひ行ってみてほしいと紹介しました。

各班の発表後には川越氏からコメントをいただきました。
「たくさん要素を集めていて、会話がたくさん生まれそうな内容でした。もっとアピールする点をしぼっても良かったです」とアドバイスも交えて感想を下さいました。

体験×LUUP

次のB班はみんなでLUUPに乗った体験の動画から発表をはじめました。
LUUPとは電動キックボードのシェアサービス。
短距離移動用の乗り物として浸透してきましたが、LUUPを遊びに使うことでいつもと違った景色が見られ、非日常さを感じられるとアピールしました。おすすめとして目黒川沿いをLUUPで移動しながらお店巡りをするコースを紹介し、体験の良さを伝えます。

LUUPを「しょっちゅう使います」と言う川越さんは、「知りたい情報が全部入っていた。入りの動画も掴みとしてとても良かった」と感心したコメント。
「LUUPだからこそできる、というところがもっとあれば」と改善点も伝えました。

行こう!サウナ・岩盤浴へ!

A班は一見分かりづらいサウナと岩盤浴の違いを解説し、自分のニーズの合う方を楽しむことを提案。
どちらも体を温める施設ですが、サウナは蒸し風呂。リフレッシュ、疲労回復に向いており、低血圧やスポーツする人におすすめです。岩盤浴は石の遠赤外線を利用し時間をかけて体を温めるもの。リラックスでき冷え性改善に効果があります。
最後にサウナと岩盤浴のそれぞれおすすめの施設を紹介。メンバーが通っている施設も紹介しました。

発表後、川越氏は「なぜどちらかにせず2つ紹介したんでしょうか」と質問。
学生は「メンバーにサウナ派と岩盤浴派がいて、なにが違うんだろうという疑問から始まった」と回答しました。
川越氏は「それならいっそ対決型にしたら、もっと面白く解像度の高い発表になったかも」と、内容はそのままでも、さらにブラッシュアップできると伝えました。

おうち映画館はじめませんか?

E班はまず、教室の電気を消し全員にお菓子を配ります。
提案は、自宅で映画館のような環境を作って映画を楽しむこと。
プロジェクターや良いスピーカーなどがなくても、部屋を暗くしてスマホを切り、お菓子と共に楽しむだけでも雰囲気を楽しめるとアピール。ポップコーン、チョコ、スナック菓子などお菓子別におすすめ映画を紹介し、最後に1分ほどの短篇映画を流し「配ったお菓子を食べながら楽しんでください」と気分を盛り上げました。
川越氏は「取り上げているテーマがすごくいい。電気を消すなども良い演出でした」と褒められました。

四国自然旅

最後はC班。
自然を楽しめる場所として、離島を紹介しました。そのなかでも温暖でSNS映えする離島が多い四国をピックアップ。
四国はアクセスが悪いと思われがちですが、神戸や大阪など地方都市も近く足を伸ばすのも良いとアピールします。アートの直島、グルメの小豆島などアクティビティを紹介しました。

川越氏からは、「情報を網羅していて資料も見やすい」とお褒めの言葉があったあと、「ただ、情報よりもみなさんが何故行きたいと思ったかが大事。どこに魅力を感じたのか、もっと友達に話すように伝えましょう」と強調されました。

もっと自分たちの感性を大事にしよう

授業の終わりには、学生間での投票の結果発表。
最多はE班でした。
この日はクリスマスイブということもあり、賞品として先生からクリスマスプレゼントが。学生たちはほっとした表情で喜んでいました。

川越氏からの総評では「僕が大学生だったときとは比べものにならないくらい全員素晴らしかったです」とねぎらいのコメントをいただきました。
今回のプレゼン資料には生成AIを使った班も。
「AIで構成を考えたりすることもできるので、どんどん使ってみてください」と話されました。
そして「最後にひとつだけ」と、付け加えます。
「何度かコメントでも言いましたが、ただの情報よりもみなさんの体験の方が断然価値が高いです。今後プレゼンをするときは、もっと自分たちの考えや感性を信じてやると良いと思います」
自分の意見をどう伝えるか、プレゼンテーションの面白さと奥深さを知れる授業となりました。

担当教員よりメッセージ

大学では、調べた情報をまとめて論理的に伝える練習が、多くの授業で行われます。今回は、せっかく川越様に見ていただく機会を得られましたので、魅力や面白さを伝えるという課題にチャレンジしてもらいました。表現する内容も方法も少し違いますので戸惑いもあったようですが、様々なアイデアを出しながら最後まで頑張ってくれました。伝えるということについて、普段とは違う視点から考える良い機会が得られたと思います。川越様には、この場を借りて、心より御礼申し上げます。

2024年8月7日

高速道路で使用した横断幕をアップサイクルしよう!中日本高速道路株式会社とのコラボ授業が行われました。 

人間社会学部の「演習Ⅱ・Iクラス」(担当:ビジネス社会学科 篠﨑香織教授)で中日本高速道路株式会社(以下、NEXCO中日本)とのコラボ授業が行われました。5月から準備を始め、様々な学びを通して、工事の情報を知らせる役割を果たしこれまでは廃棄されていた横断幕の別の利用を考える、アップサイクル案を検討しました。そして、7月3日に八王子支社の皆様の前で最終プレゼンテーションに臨みました。

高速道路の安全を守るNEXCO中日本

NEXCO中日本は、関東甲信から東海、北陸エリア(東京都、神奈川県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県)の高速道路の管理をおこなっています。

大切な仕事のひとつが高速道路の工事です。工事は渋滞などの原因にもなるためドライバーにとって大切な情報。電光掲示板に場所や期間などの情報が表示されますが、電光掲示版に載る情報は、事故や渋滞、天候状況などもあり、工事の情報だけを表示し続けることは難しいそうです。そのために用意されているのが横断幕です。本線を横断する跨道橋に横断幕を設置して、今後の工事の予定やこの先で工事があることなどを知らせます。

そこで学生に出された課題は「ターポリン樹脂の特性を活かした横断幕のアップサイクル案」を考えること。NEXCO中日本の事業内容を踏まえて、社会的課題の解決や地域貢献につながるアイデアにするようにという指示も担当教員から出ました。

当初はグループでアイデアを出して発表する予定になっていました。しかし、最初に個人でアイデア出しを始めたところ、面白いアイデアがいくつも出てきたことから、グループごとに意見を集約するのはやめて、最後まで個人で取り組むという方向転換をしました。

NEXCO中日本が使用している横断幕の素材は、ターポリンと反射ターポリンです。前者はポリエステル製の布を軟質の合成樹脂で挟んだビニール素材の生地で、防水性、耐久性に優れ、色褪せしにくいというという特徴があります。後者は、ターポリンの表面に反射材を加工しているのでやや厚みがあります。車のヘッドライトや街灯の光を反射するのが特徴で、夜間でもはっきりと文字が見えるため、照明が少ない中央道などで使用されています。

学生は、それぞれの特性を生かしたアイデアを検討しました。

防犯グッズにアップサイクル

この授業では、中間発表のときから挙手制を採っていて、準備ができた学生から次々に発表を行いました。

 

多くの学生から出たのは、ランドセルカバーにするアイデアです。

反射ターポリン特性をうまく使った案で、地域の交通安全啓発も行っているNEXCO中日本の活動と関連性があります。実際にターポリン樹脂を購入して自作してきたという学生もいました。すぐ作れるように型紙を持参し、交通安全教室などの中でワークショップをすることも提案しました。

自転車に関連するグッズのアイデアもたくさん出ました。

防水性に着目した学生は、自転車やバイクの保護カバーを提案しました。防犯用のかごカバーを提案した学生は新聞記事を示して、「自分の居住地域をはじめ、同じ日に複数の地域でひったくりが頻発しており、かごカバーは警察も推奨しています」と地域の防犯に貢献できる点を強調しました。そのほか、自転車の鍵につけるキーホルダーや、自転車の前後に貼れる反射シールを提案した学生もいました。シールは杖や帽子などにも貼れるため、夜道の安全につながると、汎用性の高さをアピールしました。

日常品として使えるものを

日常品として使えるものを提案した学生から出てきたアイデアは、パソコンカバーとブックケースです。「バッグやコインケースなどのアップサイクル品はすでに出ていますが、若者向けは少ない印象」、「雨の日に濡れて欲しくないものを守りたい」というのが考案理由でした。

ビニール傘が年間8000万本も捨てられていることを問題視し、世界に一つしかないものであるならば、みんなが大切にするのではと傘を提案した学生もいました。このアイデアは、丈夫で遮光性に優れたターポリン樹脂の特性を活用したものです。

幼稚園や小学校など砂場の雨除けにしたらどうかという地域貢献につながるアイデアも出ました。さらに、植木鉢の代わりになるプランターカバーやシートベルトカバーなどの制作を、SA(サービスエリア)やPA(パーキングエリア)で行い、自分たちで作ることで、NEXCO中日本の取り組みを知ってもらうのはどうかという企画も出てきました。

ユニークな案では、ライブで使える「ファンサービスうちわ」がありました。

うちわに文字を貼り付け「推し」にアピールするもので、光に反射する特性を活かすことができます。この発表をした学生は、「NEXCO中日本がこれまで関わりの薄かったエンターテイメント業界とつながることで、新しい可能性が拓けるのでは」と提案しました。

 

これから実物化を検討!

他にも、レジャーシートやフリスビー、交通安全のお守り、避難所に使えるカーテン状の仕切りなど多くの案が出てきました。

全員の発表が終わると、八王子支社 総務企画部の高取部長と宮部課長から総評をいただきました。

高取様からは、これまで学生が積み重ねてきた準備への労いと多様なアイデアに対するお褒めの言葉をいただきました。これまで社内でも色々なアイデアを検討してきたが、ファンサービスのうちわのような発想はなかなかなく、大変面白いとのことでした。

宮部様からは、「色々な情報を調べて、検討してくれてありがとうございました。アップサイクルについてしっかり調べ、素材の特徴を活かしたものを考えてくれました。社員に社用のノートパソコンを貸与していますが、併せてパソコンカバーを作って配るのもいいかもと思いました」という感想をいただきました。「安全を何よりも優先するという、NEXCO中日本の理念を大事にしてくれて、交通安全に関連付けたものが多かったのも嬉しかったです」とも話されました。

発表中に学生は、①ターポリン樹脂の特性を生かしたアイデアか、②NEXCO中日本社の活動とアイデアにつながりがみえるか、③実現可能か、この3点についてお互いのアイデアを評価しており、最後にどのアイデアを実物化すると良いかの投票を行いました。学生から高評価を得たアイデアとNEXCO中日本の皆さんから好評だったアイデアが実物化される予定です。最後にNEXCO中日本の中村様から、NEXCO中日本の企画で進めているワークショップの案内があり、ぜひ遊びに来てくださいとお声がけをいただきました。

一つの役割を果たしたものに、新たな価値を与えることでまた社会に役立てていくという循環を、自分たちの手で実現していくという得難い機会に恵まれ、学生も担当教員も非常に多くのことを学ぶことができました。

NEXCO中日本八王子支社の皆さま、ありがとうございました。

なお、2024年9月8日(土)に本学日野キャンパスで開催予定の“JISSENマルシェ”の企業・自治体ブースにて、NEXCO中日本社によるワークショップがございます。上記学生のアイデアも製作する企画になっております。ぜひ、おいでください。

詳細はこちらをご覧ください。
https://www.jissen.ac.jp/125th/marche.html