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2024年7月22日

社会に出るための知識を付けよう!「実践キャリアプランニング」の授業で「日本労働組合総連合会」の副事務局長による講演が行われました。 

5月24日に大学共通教育科目「実践キャリアプランニング」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、日本労働組合総連合会(連合)の副事務局長である井上久美枝氏による講演が行われました。数回にわたって連合の皆さまがご協力くださり、働くことと女性の立場についてお話いただきました。その連続企画の最終回である今回は、現代のジェンダー平等について学ぶ機会となりました。

一人ひとり自立することが大切な時代

井上氏は独立行政法人の日本スポーツ振興センター出身。
国立競技場や国立代々木競技場の運営などを行う法人です。
連合に関わるようになってからは、男女雇用平等について本格的に携わり、男女雇用機会均等法などの改正にも関わりました。参考人として国会で意見陳述した経験も。

井上氏は「職場のなかだけでなく、社会にジェンダー平等を広めていきたい」と話します。
「これからは一人ひとりが自立して生きていく時代です。待っていても白馬の王子様はやってきません」と、女性が生きていくには一人ひとりの自立と、社会の理解が広まることが必要と語りました。

男女平等の現状は?

まず井上氏は戦前の女性の立場から話し始めました。
戦前の民法は「妻の無能力」と呼ばれる規定があったのです。夫の許可がなければ働くこともできませんでした。
この不平等に女性たちが立ち上がり、1945年に女性も参政権を獲得。
1946年には39名の女性議員が誕生しました。

しかし、その後の男女平等についての動きは遅々としており、現在の女性議員の数は46名。ほぼ増えていません。
井上氏は自身の経験として「技術家庭の男女共修」についても語りました。1990年まで中学生の授業は、男子は金属や電気技術を学ぶ技術科と、女子は料理や裁縫を学ぶ家庭科に分かれていました。
「もし、技術科の授業を受けていたら、私の職業人生は変わっていたかもしれません」と、最近まで性別役割が学業にも影響を与えていたことを伝えました。

とはいえ、世界全体を見れば少しずつジェンダー平等への流れは強まっています。
日本も国を挙げて取り組んでおり、2023年には上場企業は女性役員30%を目指すと方針を発表。この発表を受け、大手OA機器関連会社の株主総会で「役員候補に女性がいない」ことを理由に、社長再任に半数近く反対票が集まるなど、産業界にも少しずつ影響が及んでいます。

無意識の偏見に囚われないために

井上氏は、学生たちに知っておいてもらいたい言葉として「アンコンシャス・バイアス」を紹介しました。
アンコンシャス・バイアスとは無意識の偏見。男性は車の運転が上手い、女性は地図が読めないなど、いつの間にか感じてしまっている偏見のことです。
「こういう思い込みを言われたことはないか聞くと、多くの女性に経験があります」と井上氏。

合わせて「ステレオタイプ・スレット」についても説明しました。
「女子は数学が苦手だ」と言われたグループの女子の、数学テストの正答率が著しく下がったという研究を伝え、「自分に対して思い込みを入れないで進路選択してください」と語り掛けました。

女性が活躍する社会を目指して

続いて、雇用形態についてのグラフも提示。
正社員と非正規の割合をみると、一目瞭然で女性の方が非正規で働く割合が大きいのが分かります。
「働く女性は増えましたが、正社員ではないんです」と現代の問題点を話しました。さらに男女の賃金格差は国際的にみても、どの国も男性より女性は下回っています。
特に日本では、年金は給料がベースになっています。高齢の単身女性の貧困問題は深刻で、「きちんと国に取り組んでいただきたい問題です」と井上氏は話しました。

女性活躍のための壁は、「採用」「育成」「継続」「昇進」の4つあり、まだまだ男性ばかりの職場や、女性の採用率が低い職場も多くあることが問題です。
さらに育児と仕事の難しさはかなり深刻で、管理職などの役職を目指す女性も少ないのが現状。連合でも、地方連合会など100近い組織のうちトップが女性なのはわずか3つ。
井上氏は「これが現実。連合からも変えていきたい」と話しました。

けれど、「お茶汲みは女性の仕事でしたが今は違います。そうやって職場の規範や、社会の常識が変わってきています。それは時代の力。時代ってすごい」と井上氏。
「諦めず出来ることからしていかなければ」と語りました。

知るは力!知識を持って社会へ出よう

講演が終わると、学生は班ごとで話し合い意見や感想をリアルタイムで掲示板に投稿。
深澤教授が読み上げる形で質疑応答が行われました。
「女性は家事育児があるから非正規なのは仕方ないのかもしれないが…」という意見には「非正規でも仕方ないと思ってはいけません。家事育児は夫婦二人のこと。お互いが協力し合い、キャリアを築くことが大切」と思い込みを正しました。

「強制的に女性の役員を何割以上にするなどと決められないのでしょうか」という質問には「できます。実際にそうしている国もある。ただ日本では、実力に合わせてなるもので片方の性を優遇することは不公平ではという考えが根強い」と回答されました。
「女性も働く場が増えてきたと思っていたが、実際には非正規で働いていることが多いと知り残念な思い」という感想には、「そうですね。でも、知るは力です」と話しました。
知らずに社会に出るのと知ってから臨むのではまったく違います。
これから社会に出る学生たちに対しエールを送りました。

2024年7月22日

男女格差をなくすには?「実践キャリアプランニング」の授業で連合のジェンダー平等・多様性推進局長による講演が行われました。

5月17日に「実践キャリアプランニング」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、日本労働組合総連合会(以下、連合)のジェンダー平等・多様性推進局長である菅村裕子氏による講演が行われました。社会で女性として活躍する上で知っておくべき法律やルールについて分かりやすく解説され、学生たちにとって学びの多い授業となりました。

法律で女性の地位向上を

菅村氏は神戸大学の大学院へ進学。
卒業前の就職活動において、とある企業の面接で「女性が大学院に行ってなにがいいの?」と言われたと話します。
女性というだけで、学びの機会を得ることを否定されるのかと憤った経験を話されました。

法的トラブルに対する支援を行う法テラスを経て、女性の地位向上の仕事がしたいと青年海外協力隊に参加し、シリアなどに派遣。活動に尽力されました。
中東における女性の人権問題はよくニュースになりますが、「日本の女性も本当に大変」と菅村氏。現在は連合に勤務しています。

連合とは各企業・業界の労働組合が加盟しているナショナルセンター(中央組織)です。労働者は労働基準法を含む労働関係法令で守られてはいますが、「法律で守られている部分は必要最低限」と菅村氏。
連合は労働者の権利を守るために活動しています。

法律だけでは男女平等には不十分?

労働条件の最低基準を定める労働基準法は1947年に制定され、第4条において「男女同一賃金の原則」が明記されました。女性であることを理由として賃金の差別的取扱いはしてはいけないというこの条文は一見男女平等のように思えます。
「しかし、募集や採用、配置、教育訓練、昇進や定年等における、男女の差別的取り扱いは禁止されませんでした。」と菅村氏は指摘しました。
性別による差別をなくすことが必要と、1986年に「男女雇用機会均等法」が制定。
2007年改正により、女性だけでなく男女双方に適用される法律となりました。

しかし、長時間労働の慣行が引き続き残った結果、均等法には、男性と同様に長時間働けることを前提とした「男性並み平等」の課題があります。家事や育児などの家族的責任と男性並み平等との葛藤による仕事と家事・育児・介護の両立の困難から、少なくない女性がパートや有期、派遣雇用という形で雇用形態を変えて働いてきました。こうした労働者を保護するため、派遣法やパートタイム・有期雇用労働法が制定されています。
少しずつ改善していますが、完全な平等を実現するにはまだ課題も残っています。

育休は労組が勝ち取った!

菅村氏は育児休暇についても言及。
育児休暇も労組の取組から始まりました。当時は、女性が結婚したり子どもを産んだりしたら退職を迫られることが横行していました。電電公社の組合が働きたい女性たちからの要望を会社に要求。育児休暇が導入されたのです。

今では浸透してきた「育休」ですが、それでも男性の取得率はなかなか上がらない現実があります。休暇を取りたくても言い出せない人はまだ多くいます。
さらに、育休を取得できたとしても数か月の空白期間や、時短勤務はキャリアに響き昇進が叶わない女性も多くいます。結果として、男女間の賃金の差異は大きくなっています。
「これでは子どもを持つ人が少なくなっているのは、当たり前のことです」とさみしそうな口調で菅村氏は付け加えました。

もちろん国や企業も性別の格差をなくし、育休取得率を上げようと取組をしています。「女性の活躍推進企業データベース」では、女性の活躍認定「えるぼし」や子育てサポート認定「くるみん」などを取得している企業を確認することができます。
菅村氏はただ認定があるかを調べるだけではなく、その企業の賃金格差の内訳や、差異を是正するために取り組んでいるかをきちんと確認することが重要と伝えました。
「まだ格差がある中で、どうやって縮めていこうとしているのか、その企業の姿勢を確認できます。しっかり見て自分の働き方に合うかを知りましょう」

立ち止まらず少しずつ良くしていこう

講演の終わりに、学生はグループごとで話し合い、意見や感想をリアルタイムで掲示板に投稿。
深澤教授が読み上げる形で質疑応答が行われました。
「日本の賃金の男女格差を減らすには?」という質問には、菅村氏は「日本の企業では休みに対するネガティブな考えがある。性別関係なく、同じように休めるように変えていくべき」と回答されました。

「男女格差は根深い問題だと知りました。法律を改正しても変わらないのでは?」と危惧する質問には、「結婚退職、女性の定年は35歳という時代から比べると、先輩たちの頑張りによって、特にこの10年ほどで女性の正規雇用率は上がり、良くなっている。自分たちも頑張って次に続けていきたい」と菅村氏。
そして、「北欧では男女の賃金格差が少ないと言われますが、女性の多くは保育士などの公務員。ドイツもジェンダーギャップが少ない国ですが、女性に偏った短時間勤務など、性別により働き方に違いがあると聞いており、日本だけではない問題です。しかし難しいことだと思考停止にならず、少しずつよくしていきたいと思います」と力強く話され、授業を締めくくりました。
知っておくべき法律や少しずつ変わっている現状を学び、女性として社会に出ていく上で厳しい現実を知り学生たちには指針となる授業となりました。

2024年7月22日

ワークルールを知って働く!「実践キャリアプランニング」の授業で連合のフェアワーク推進局長による講演が行われました。

5月10日に「実践キャリアプランニング」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、日本労働組合総連合会(以下、連合)のフェアワーク推進局長である小林妙氏による講演が行われました。「働くことを考える」をテーマに、働く上で守るべきワークルールを教えていただきます。アルバイト中や就職活動中の学生にとって、安心安全に働くための基礎知識を知る機会となりました。

連合は働く人を守る組織

小林氏は教師を目指し教育学部を専攻するも、企業への就職に興味が湧き、証券会社へ入社。
その後転職した先が倒産の憂き目に遭うも、縁あって産業別労働組合(JAM)の仕事に関わるようになり、連合へ出向されました。

フェアワーク推進局では、非正規雇用などで働く人たちの声を集め、実態を把握し、課題解決につなげていく活動をしています。
その対象は非正規雇用者、パートやアルバイト、フリーランスや外国人労働者などさまざま。
またLGBTQといった性的少数者などの方々も対象です。性別・年齢・国籍・障がいの有無などに関わらず、一人ひとりが尊重され、公平で働きやすい職場環境を実現するために活動されています。

労働組合は、憲法28条で認められた「団結権」「団体交渉権」「団体行動権」といった3つの労働者の権利を実行し、労働者を守るためにあります。また、労働基準法という法律も含め労働者が働く安全、安心は守られているのです。これらが守られていない場合や改善して欲しい場合は、労働組合は企業側と対話し、要望をすることができます。
労働組合は企業と対等の立場であり、企業側は対話を断ることはできません。労働組合と対話をすることも法律で決められているためです。

労働組合って必要?

連合は、各企業・業界の労働組合が加盟するナショナルセンター(中央組織)です。労働組合とは働く人たちが自主的に組織するもの。職場の環境は安全か、法律違反はないか、ハラスメントはないかなど相談を受け、意見を取りまとめる窓口です。
労組は二人以上で作ることができ、現在連合には690万人以上が加入。非正規雇用者やパートなど正社員以外も加入でき、現在加入者の約2割が正社員以外の方です

「憲法や労働基準法があるなら、労働組合って必要?と思われる人もいるかもしれません」と小林氏。
「私も勤めている時は、労働組合のことをよくわかっておらず、時間外に色んなことを聞かれて正直邪魔だなと思っていました」と告白。
しかし、「今は必要だと思っています」と言います。

例えば週休2日が常識になっていることも労働組合の活動の結果。
労働基準法には「少なくとも毎週1日の休日か4週間を通じて4日以上の休日」としか決められておらず、週6日働くことは違法ではありません。
これでは労働者が大変だと労働組合が活動を行い、週2日の休みを勝ち取ったのです。
小林氏は「労働基準法以上の環境や働きやすさをきちんと獲得するために、労働組合や連合は必要です」と話します。「皆さんもこれから就職の際、労働組合がある企業に勤めてほしいと思います」と、就職先を決める基準のひとつにして欲しいと話しました。

ワークルールを知ろう!

ここで小林氏は「ワークルール」についての問題を出しました。
ワークルールとは、簡単に言えば企業側が労働者に対して、してはいけないことです。「知ってるつもりで実は知らないルールです」と小林氏は問題を出していきました。

例えば「学生アルバイトでも法律で守ってもらえるか?」という問題。答えは「もちろん守られます。年齢によっては深夜に働くことは法律違反ですが、知らずに働かされることもある」と小林氏は注意を促しました。
また意外な問題では「採用面接で尊敬する人は?と聞くのは良い?」というもの。「働く能力とは関係ない思想に関わることは、個人の自由であるべき」と小林氏。
好きな言葉や宗教なども聞くことはよくないと言います。「ただ、まだあまり浸透しておらずエントリーシートなどに項目があるといった現状です。そういった会社があったら、疑問を持つことも大事」と小林氏は話しました。
その他にも「インターンシップは無給が当たり前ではない」「時給は1分単位で支払われるべき」などのワークルールが紹介され、学生たちも興味深く聞いていました。

働くこと上で必要な知識を身に付ける

講演後、学生たちは質問をリアルタイムで掲示板に投稿し、深澤教授が読み上げる形で質疑応答が行われました。
「最低賃金を上げるように国に言ってください」という投稿に小林氏が「了解しました。連合など労働組合も最低賃金を決める会議に参画しているので、その担当に伝えます」と答えると、笑い声が起きました。
「国としても最低賃金を上げようという動きがありますので頑張っていきたいですね」と話されました。

「アルバイトでも有給休暇があると知らなかった」という感想には「一定期間・一定時間を働いているなど条件はありますが取れますので、社員の方にアルバイトも有休が取れると法律で決まっていると話してみましょう」と助言されました。
その他にもアルバイトやお金のことなど、働くことへの身近な質問が多数投稿されました。
学生たちは働く上で知っておくべき知識を得た大切な講演となりました。

2024年7月18日

ハピネスの循環で世界一のホスピタリティを!「女性とキャリア形成」の授業で株式会社オリエンタルランドの元執行役員をお迎えし講演が行われました。 

6月6日に大学共通教育科目「女性とキャリア形成」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)で株式会社オリエンタルランド(以下、オリエンタルランド)の元執行役員の永嶋悦子氏が講演を行いました。夢の世界を運営するスタッフのホスピタリティの高さはどう養われているのか、その秘訣は「ハピネスの循環」にあると語ってくださいました。

開園当初はキャストとして活躍

この日はまさに東京ディズニーシーの新エリア「ファンタジースプリングス」のオープン当日。記念すべき日に講演いただくことになりました。永嶋氏は1982年にオリエンタルランドに入社。
最初はアトラクションのキャスト(スタッフ)としてコスチュームを着て活躍し、その後役員になりました。

開園当初の日本はまだコンビニエンスストアが出てきたばかりの時代。
ディズニーランドも遊園地という認識が強く、飲食物を持ち込むゲスト(来園者)も多かったと言います。
「今では考えられないですが、アトラクションにバナナを持ち込んで食べてる方もいたくらい、当時の日本人もマナーは悪かったんですよ」と話し、笑顔どころか、眉間にしわを寄せてゲストに飲食物の注意をしては謝っていたと、笑いを交えて話されました。

ハピネスを届けるためにはコミュニケーションが大事

開園当初からどのようにディズニーランドが成長していったかを語られる中で、キャストのホスピタリティが上がっていったことが大きいと永嶋氏は話します。
世界に6つあるディズニーリゾートのなかで一番のホスピタリティ高さと言われるようになり、本場アメリカからも視察にくるように。
「ホスピタリティとは人間力のことだと私は思います」と永嶋氏は語りました。

「キャストが目指すべきゴール、それはゲストにハピネスをお届けすることです」と永嶋氏。
「驚かれるかもしれませんが、キャストには接客マニュアルがないんです」と話します。
キャストが心掛けていることはあいさつだと言い、「ゲストと会話をするために、まずあいさつするんです」と話します。いかにゲストとコミュニケーションを取るか、どうやってゲストを喜ばせるかをそれぞれのキャストが考えて行動します。
今では有名になった水たまりや落ち葉でディズニーキャラクターを描く「カストーディアルアート」もキャスト発案です。

永嶋氏は印象的な出来事として東日本大震災のことを話されました。
約1か月パークが閉園している間に、どのようにゲストとコミュニケーションを取るか、どうサプライズを提供するか定期的に集まってディスカッションを繰り返したと語りました。

インクルージョンを広めていくために

永嶋氏は「接客のためのマニュアルはないですが行動基準がある」と話します。
安全・礼儀正しさ・ショー・効率、の4つの基準がこれまでありましたが、「そのなかに最近インクルージョン(多様性)が入りました」と紹介しました。

しかし、オリエンタルランドも昔は男社会で、ジェンダー問題への理解も十分ではなかったという永嶋氏が役員時代、キャストのリーダー育成プログラムに手を挙げたキャストに性別違和をカミングアウトされた人がいたのですが、広報の男性役員からその人をリーダーから落とすよう指示があったと語りました。
永嶋氏はこの決定に反対し猛抗議しましたが、結局その人は落選。
翌年再度プログラムを受け、ようやく合格されました。
「ディズニーは進歩的だとイメージされていましたが、内部の状況は大きく遅れていた」と、永嶋氏は当時の苦い経験を話されました。

キャスト同士でお互いを高め合う

キャストのホスピタリティの高さの秘訣は「キャストのコミュニケーション活動」にあると永嶋氏は言います。
開園前に各アトラクション対抗のカヌーレースを行ったり、年に一度のサンクスデーで役員たちがキャストをもてなしたり。
永嶋氏が「一番効果がある報奨活動」と言うのは、キャスト同士で褒めてたたえ合うスピリットオブ東京ディズニーリゾートの取組です。
お互いにサンクスカードを送り、カードの一番多いキャストは大々的に表彰されます。

なぜそこまでキャストをねぎらうのかと言えば、「キャストに、実際に感情を持ってハピネスを体感してもらい、同じようにゲストにハピネスをお届けしてほしいからです」と永嶋氏は話しました。
ハピネスをもらったキャストはパフォーマンスが向上し、その分ゲストにさらにハピネスを提供できる、という「ハピネスの循環」が行われるのです。
「ぜひパークに遊びにきてください」と永嶋氏は講演を締めくくりました。

管理職の試験を受けたときの気持ちは?

講演後には質疑応答が行われました。
はじめに「男社会のなかで、なぜ管理職の試験を受けたのですか」という質問がありました。
永嶋氏は「差別というよりは、女性は弱いものだから守ってあげようという考えが当時はありました」と話しました。
初めて管理職の試験を受けたとき、永嶋氏は落ちてしまったのですが、自分よりもあまり仕事ができない男性が合格したのを見て「自分より仕事ができない人が上司になることが許せなかった」と笑いを交えて答えました。
また、「今までできなかった仕事にチャレンジできることは面白いことです」と管理職にチャレンジした気持ちも語りました。

「永嶋さんが思うインクルージョンを向上させるコツや考えを教えてください」という質問には、「いろんな身分、年齢の方が働けるということ。
これから定年という考えもなくなってくると思います。そういうこともひとつのインクルージョン」と回答されました。
「オリエンタルランドで働いたことで得た財産は?」という質問には「人。さまざまなつながりになったり、長い付き合いになったり、助けられています」と答えられました。

ディズニーリゾートに通底するホスピタリティの高さの秘訣に触れ、学生たちにも刺激になった講演でした。

担当教員からのメッセージ

永嶋様と初めてお会いしてから、もう20年以上になります。
いつもアグレッシブな永嶋様から色々なことを学ばせていただいています。
とりわけ確固たる信念をお持ちになり、メンバー一人ひとりのことに気を配りながら、先頭に立って組織を牽引されるリーダーシップについては、私の目標でもありました。
今回も、テーマパークのオープン当時のこと、管理職としてのご苦労など、
学生にとっては、極めて貴重な時間になったと思います。
この場を借りて、改めて感謝申し上げます。

2024年7月17日

絵のように見せる様式美!「民俗芸能特講a」の授業で歌舞伎俳優が実演を交え講演会が行われました。

6月24日(月)に美学美術史学科専門科目「民俗芸能特講a」(担当:文学部美学美術史学科 串田 紀代美准教授)の授業で、歌舞伎俳優の中村梅乃(うめの)氏と中村梅寿(うめとし)氏による歌舞伎の講演会が行われました。教室の前側には畳が敷かれ、歌舞伎の様式美である「絵面(えめん)」について、実演も交えて丁寧に教えていただきました。普段なかなか触れる機会の少ない伝統芸能について学ぶまたとない機会でした。

歌舞伎は女性から始まった!

お二人は中村梅玉門下の兄弟弟子です。
梅乃氏は主に女性役を演じる「女方」、梅寿氏は男性役を演じる「立役」として活躍されています。
梅乃氏が「歌舞伎俳優というと、家系で代々受け継がれているように思うかもしれませんが、そうではない人たちもいます」と語り、お二人とも梨園(歌舞伎界)の外部から「自分の意志で、職業として歌舞伎俳優を選んでこの世界に入りました」と自己紹介されました。

まずは歌舞伎の歴史からスタート。
歌舞伎の語源は「傾き(かぶき)」で、常識にとらわれないアバンギャルドな行動のこと。
奇抜な風体を取り入れた新しいかぶき踊りを、1603年に出雲阿国が行ったのが始まりと言われています。
出雲阿国は女性で、意外にも歌舞伎は女性から始まったのです。
しかし歌舞伎踊りに男性が夢中になってしまい、風紀を乱すと幕府は女性が舞台に立つことを禁じました。
その後内容も、踊り中心のショー要素の強いものからストーリー重視になり、男性が女性を演じる女方が生まれ、今につながる歌舞伎の大きな特徴となっていきました。

400年以上さまざまな形で受け継がれる

歌舞伎は大きく分けて、江戸時代からみた歴史物語である「時代物」と、江戸時代当時の写実的なドラマ「世話物」の2つがあります。
「この2つは見た目から違います」と梅乃氏は強調します。
時代物は色彩豊かで派手な見た目で、世話物は庶民の地味な服装。化粧法も違うのも面白いところです。

明治から昭和初期にかけて、西洋の演劇や文学の影響を受けて生み出された「新歌舞伎」や、昭和中期以降、現代的な舞台技術を駆使した「新作歌舞伎」も作られるようになりました。
現在ではアニメ作品とコラボするなど、伝統芸能と新しいジャンルの掛け合わせも多く出てきています。
梅寿氏は「新作歌舞伎は難しいけれどゼロから掘り下げる面白さがあります」と話します。
「このように400年以上、工夫を凝らしながら人々を魅了し続けてきた歌舞伎は、今なお進化を遂げているのです。」と梅乃氏は続けます。

絵のようにみせるとは?

歌舞伎は、ひとえに「様式美によって表現される演劇」なのです。
演技、演出、身体表現などそれぞれに型があり、いかに美しく見せるかを追求する芸術。
舞台全体を絵画的な美しさで構成するという概念を、歌舞伎では「絵面(えめん)」と言うのだそうです。

ここでお二人が立ち上がり、実際に様式美の身体表現を実演されました。
女方の表現では、胸を張り肩を落とすことで、女性的なシルエットに見せます。
また背筋は保ったまま膝を折ることで身長を低く見せます。「この体勢は太ももがパンパンになりますが、こうすることで親子、上司と部下など上下関係も見た目で表せる」と梅乃氏。

さらに大事なのが「斜め45度」の美学です。
二人が会話する場面で、お互いが本当に向かい合ってしまっては、観客から見えるのは横顔だけ。
それでは演技が劇場に広がっていきません。そのとき45度に体を開くことで大きく表現できるのです。

実演により歌舞伎の魅力を知る

歌舞伎のだいご味である「見得(みえ)」についても実演を交えながらの解説に納得します。
梅乃氏は「映像で言うストップモーションやクローズアップ」と例えます。非日常的な動きをすることで、観客の視線を誘導したり、場面を印象付けたりするのです。この見得も、踏み出した足先や、顔の向きの角度は45度が基本です。

「やみくもに手を広げて目をひんむいているわけではないんです。すべての動きに意味があり計算されています」
梅寿氏が動きを教え、学生も一緒に見得の動きを体験した一幕もありました。

最後にはお二人による寸劇が披露されました。
なんと今回のために書き下ろしてきてくださった特別なものだそうです。
傘や刀など小道具も使い、立廻りも入れた贅沢な作品で、学生たちも真剣に見入っていました。

ぜひ歌舞伎を観てみよう

講義後には質疑応答の時間も持たれました。
「歌舞伎を始めたきっかけはなんですか?」という質問に、梅乃氏は「小学生のとき歌舞伎を見てすごい世界だと思い、徐々にやってみたいと思うようになり国立劇場の養成所に通いました」と回答。
梅寿氏は「私は歌舞伎が好きだったというわけではなく、習い事として日本舞踊をやっていたことがきっかけです。師匠に勧められこの世界に入りました」と梅寿氏。お二人それぞれのきっかけに、学生は興味津々です。

まだ歌舞伎を観たことがないという学生からは「最初に観ると良い作品を教えてください」というリクエストに、梅乃氏は「時代物よりも世話物の方が話の内容も分かりやすいです」と教えてくださいました。
「裏方に当たる方も全員男性なのでしょうか」という問いには、「女性の方もたくさん活躍されています。衣裳さんなどは女性の方が多いセクションも。大道具さんなど力仕事にも女性はいます」と女性の活躍にも言及なさいました。

最後に梅乃氏が「ぜひ絵面にも注目して歌舞伎に触れてみてください」と話し、授業は終了しました。
歌舞伎俳優による実演を間近で見る素晴らしい機会となりました。

担当教員からのメッセージ

「民俗芸能特講a」の授業履修者は70名を超えています。しかし、歌舞伎、能狂言、人形浄瑠璃といった日本を代表する古典芸能の舞台に自ら足を運ぶ大学生は、ほぼおりません。「伝統文化の継承者は無理でも、学生たちにはよき舞台鑑賞者になってほしい...」こんな話を株式会社生活と舞踊の代表である梅澤暁氏に相談したことがきっかけで、中村梅乃氏をご紹介いただき、本講演会が実現しました。次は劇場の客席で、歌舞伎の様式美「絵面」や「斜め45度の美学」を学生に思い出してほしいです。

2024年7月17日

誇りを持ってキャリアを積み重ねる。「女性とキャリア形成」の授業で元日本銀行審議委員の政井貴子氏が講演を行いました。

5月16日に、大学共通教育科目「女性とキャリア形成」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、SBI金融経済研究所株式会社の取締役理事長である政井貴子氏をお迎えして講演が行われました。本学の卒業生でもある政井氏は、自身の経験から、学租の思いを受け継ぎ女性活躍の道を実現していく大切さについてお話くださいました。

男女差をなくすことは世界平和につながる?

この授業は学生たちが司会進行します。
学生に紹介されると、政井氏は「なぜこの授業があるのかについて、私なりに説明していきたいと思います。」と講演を始められました。

まずは「男女共同参画社会基本法」について。日本の男女差別を撤廃するおおもとです。
「もっと遡ると国連にたどり着きます」と政井氏。国連は二つの大戦を経て、戦争を二度としないために設立されました。
「戦争防止のための組織がなぜ差別撤廃に踏み込んでいるのかと言えば、過去の日本において、男性しか政治や経済などのものごとを決めていなかったことに気付いたからです」と政井氏は話します。
人類の半分は女性であり、人種もさまざま。国連は、いろんな立場の人たちが合同で話し合いをしていたら、戦争は起きなかったかもしれないという反省からできた組織なのです。
男女が平等に社会で活躍できることが、安定的な経済、そして平和につながるという考えが根底にあります。

完全な男女平等までは道半ば

日本も少しずつ法律を調え、1985年男女共同参画社会基本法を制定。
それまで男性に隠れていた女性が、各々自分が幸せだと思う、豊かだと思う生活を選べるように少しずつ変わって行ったのです。
ジェンダーギャップ指数を見ても、日本は健康と教育の分野ではほぼ男女格差のないところまできています。
「ところが、ここまで平等に育ててきておいて、経済や政治になるとまだまだ」と鋭い一言の通り、経済や政治の分野では男女平等とはいいづらい状況です。

今はあまりギャップを感じていなくても、「女子大を卒業して社会に出たとき、ひょっとしてこれは、と思うことがあるのだろうなと思います」と、政井氏は学生たちに心構えを促しました。
あるアンケート調査では、社会において『男性の方が優遇されていると思う』と回答した割合は8割。
「性差役割の思い込みギャップは若い世代では減ってきていますが、育休取っている男性同僚のことはあまり仕事をしていないように感じてしまうなど、意識が完全に変わっていない。今は過渡期です」と現状を伝えました。

外資系から公的機関まで

政井氏は本学の英文学科を卒業後、外資系の金融機関に就職。
英語を使うのではなく、英語で仕事をするのが当たり前の職場に行きたいと思い外資系に。約20年間外資系の企業で活躍してきました。

日本の慣習やビジネスでの立ち振る舞いが足らない部分と感じ、2007年に現SBI新生銀行に転職。
「当時、女性を中途採用で正当に評価してくれた会社は他になかった」と言い、前職から継続してキャリアを積み重ねられたと話しました。
2012年に役員に就任。役員になると自分が決められることの幅が広がり、会社や社会に対して一層働きかけることができる
ことを感じ、やりがいを覚えたと話しました。
その後、日本銀行の審議委員へ就任。世界に向け、日本を紹介したり政策を伝えたりする場面が増えていき、これからの日本について考えるようになったと言います。

2021年からは現職に。テレビ出演、講演の仕事も増えていきました。
「自分が出演するなんて、と思いますが長く仕事しているとそのことに詳しくなっていく。知識を共有することも大事な仕事」と話しました。

創設者の思いを引き継いで活躍して

最後に、本学の創設者・下田歌子の話題も。
当時から外国の留学生を受け入れていたことを上げ、「相当革新的なキャリアウーマン」と評します。
どうやって出資してもらって学校設立できたのか、どのように帝国婦人協会設立したのか、それがどんなに大変なことか「実際に女性として役員をやってしみじみ思う」と言い、改めてすごい人物だと知ったと話しました。

「彼女は国連ができる前に、国のことを決めるには女性も参画するべきと主張しています。男女差が相当ある時代に女性が自立することの大切さを知っていた。彼女が作った学校のもと学んでいることを誇りに思って、学租の思いを皆さんなりに実現していかれるといいなと思います」と講演を締められました。

極意は分からないことは素直に教えてもらう

授業の最後には質疑応答が行われました。
「人生を決める際に自分の軸になっている考えは?」という質問には、「モヤモヤしないかどうか。なんとなく気が進まない、すこしでも引っ掛かることがあると思ったら その直感を基準にしてみる」と回答。

次の質問は「女子大から経済界という男性が多い環境に飛び込んだとき、どのように関わっていったのか」というもの。
政井氏は「知らないことは取り繕わないこと。卒業当時は、経済も詳しくなかったので、分からないことは教えてくださいと言う質問魔だった。知らないことを隠さないで聞けることが重要」と話しました。

「女子大に入って良かったことは?」という質問もありました。
「共学だったら男子がやっているポジションも、女子大だと女子がやらなくてはいけない。共学だとどうしても女子はアシスト的になっているところも多いですが、女子大だと女子がリーダーシップを取らざるを得ない。そして学校とは失敗しても大丈夫な場所です」と回答しました。
女性として活躍するロールモデルの一人として、学生たちに多くの刺激を与えてくださった講演となりました。

担当教員からのメッセージ

本学卒業生として毎年ご登壇いただいている政井貴子様は、外資系の金融機関をご経験の後、日本銀行の政策委員会審議委員を務められた方であり、外資系、国内系、そして政府系と3つの金融機関でのキャリアを歴任されている方は、他に例をみない素晴らしいロールモデルです。
 
マクロな厳しい視点からのアドバイスもいただけた一方、仕事だけが人生ではないというご自身の経験からのお言葉は学生の心に深く届いたことと思います。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

2024年7月17日

企業は世の中を良くするためにある!「女性とキャリア形成」の授業で元スターバックスCEOによる「ミッション」についての講義が行われました。 

5月2日に大学共通教育科目「女性とキャリア形成」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業に、元スターバックス・コーヒー・ジャパン株式会社CEOの岩田松雄氏をお招きしました。現在は株式会社リーダーシップコンサルティング代表として、多くのリーダーを育成されている岩田氏。学生たちに向け自身の「ミッション」を考えるきっかけとなる講演を行っていただきました。

人はだれでも人生においての「経営者」である

本授業の進行は担当のグループ(CUBE)が行いました。
担当CUBEの学生は「アルバイト先でチームリーダーを任されており、メンバーをどうまとめるかが悩み。本日は良いリーダーになるための考えを学びたい」と話し、岩田氏を紹介しました。

岩田氏が登壇されると「リーダーに一番必要なことは、その組織のミッションを明確にしメンバーに語ることです」と講演を始められました。
ミッションは一般的には使命と訳されますが、「なんのために企業や組織が存在するのか?それがミッションです。」と語ります。
「企業といわれてもまだ実感できないと思いますが、自分たちが所属する組織、例えばサークルやアルバイト先などにおいてもミッションはとても大切です」

また、「みなさんはご自身の人生においては、間違いなく経営者です。自分で意思決定をし、その結果責任を持つという意味で、全員が人生の経営者なのです」企業経営に限らず、自身の人生についてのミッションを考えてみることを勧めました。

情報に流されないために

現代は変化の激しいVUCAの時代です。
コロナ禍やウクライナ侵攻、ガザ侵攻など現在、世界中で大きな変化や危機が起こっています。
こういった問題は「遠い世界のことではなく、自分たちにも大きな影響があります。大きな変化の時代を生き延びるためには、高い視座と視野を持ち広い視点を鍛えることが大切です。」

「特にネットの使い方については注意が必要です。ネットには情報があふれていますが、実は自分が関心のあるトピックスしか見ていません。全然視野が広がっていないのです。企業や組織に常に求められるイノベーション(革新)というのは、ほとんどの場合既知と既知を新しく組み合わせることで起きます。イノベーションを起こすためには意識的にいろんなことを見て知る必要があります。広く社会、政治、世界情勢、環境、気候など興味を持つことがとても大切です。」

「現在は情報は洪水です。放っておいても多く情報が入ってきます。次から次に入ってくる情報に対し、自分はどう反応するか、対処するかは自分自身の問題です。自分自身の視点を鍛える必要があります。」

企業の目的は利益じゃない!

岩田氏が経営に興味を持ったきっかけは某ハンバーガーショップの例だと言います。
Aの店舗は従業員が楽しそうに生き生きと働いているのに、Bの店舗はつまらなそうに仕事をしているのがとても不思議に思ったそうです。同じような商品を売っていて、働いているアルバイトの時給もほぼ同じなのに、この差はなんだろうと考えました。
そして、それが経営・マネジメントの差だと気付き、経営の勉強を志すようになったと話しました。

日産自動車株式会社に入社し、製造・購買・財務など幅広く経験し、UCLAビジネススクールで経営を学び、帰国後日本コカ・コーラ株式会社や株式会社タカラ、株式会社アトラスなどの社長や役員を歴任しました。
2005年にはイオンフォレスト(THE BODY SHOP JAPAN(以下、ザ・ボディショップ))の社長に。
この時、企業理念について共鳴されたと言います。「ザ・ボディショップ」は英国の自然派化粧品ブランド。ボディソープや香水、乳液などを販売しています。
一般的に化粧品の安全性を確認するために動物実験をしていますが、「ザ・ボディショップ」は動物実験に反対しています。女性の美のために尊い動物の命が失われるのはおかしいという考え方です。その他、環境問題や人権問題、また30年以上前からフェアトレードにも取り組んでいます。
「ザ・ボディショップ」の創立者であるアニータ・ロディックの考えが企業理念となり、企業として世の中を変えていこうとする姿勢に岩田氏は感銘を受けたと話しました。

「どうしてミッションが大切なのか?ミッションを高く掲げると、それ共鳴した人が集まり、ゴールを共有でき、同じ方向を目指す仲間ができます。企業というのは世の中を良くするためにある。企業の目的は利益の最大化を図ること、という考えは間違い。利益はあくまでも手段であり、最終的な目的は世の中をよくすること(=ミッション)です」と強調されました。

自分のミッションに合わせて就活を

自分のミッションの見つけるためには、「好きで、得意で、人のための重なりを考えることです。とても難しいことですが、まずは自分が本当に夢中になれる好きなことを探しましょう。好きなことさえ分からない人は、まず目の前のことを一所懸命行ってください。頑張っていることを見てくれている人が必ずいます。目の前の仕事を一所懸命にやることで、新しい可能性が広がります。次の仕事やステージに繋がります」

「人は事故や災害、病気などでいつ死んでもおかしくありません。私は生きているのではなく、生かされているという感覚を持っています。その生かされている理由がミッション(=使命)です。」
これから就活に向かう学生たちに「会社のミッションありきではなく、自分のミッションを達成できそうな会社を見つけて欲しい」と話しました。その後ミッションに従って行動したスターバックスのパートナーの感動的な接客の事例紹介がありました。スターバックスでは、アルバイトの一人一人までに「人々に活力を与える」というミッションが浸透しているから、日々お店でのあの素晴らしい接客があるのです。

目の前のことを一所懸命やろう

講演のあと学生たちからの質疑応答が行われました。
「自分の好きなことと得意なことが重ならない時はどちらを選ぶべき?」という質問には、「まずは好きなことから始めれば良い。その好きを深めていけば、必ず得意になっていきます。得意なことを人に教えたり、人のために活用ができ、それでお金をいただける。また苦手だと思っても、それを一所懸命やっていれば得意になることもあります。意外と自分自身の得意なものは気付いていないものです。ですから、良いことも悪いことも人からのフィードバックを謙虚に受けましょう。」と励まされました。

「ミッションが見つかってきても、ビジョン(目標や最終地点)はどうやって決めていけばいいでしょうか」という質問には
「3年先、5年先の実現可能な目標を立てていくこと。まず目の前のことをやって経験を重ねることで、自分の実現可能な範囲も見えてくる」と回答されました。

最後にCUBEの学生から感謝の言葉が述べられ、「大学生活やアルバイトも含め、目の前のことを一生懸命全力で取組み、好きなこと得意なことを見つけていきたい」と学びと感想を話しました。
学生たちにとって、自分が人生で何を成し遂げたいのかを考える大切なきっかけとなりました。

担当教員からのメッセージ

岩田様には、この科目のみならず、本学の多くの科目でご講演をいただいています。
「ミッション」については、多くの学生の中に浸透しており、他の科目での学びと
結び付ける事例も出てきております。
企業が社会で活動する意味、個人が社会で生きていく意味、まさにキャリアの本質に
迫る内容は、学生の大きな気づき、そして学びに繋がっていることを感じます。
改めて、この場を借りて、岩田様に心からお祈り申し上げたいと思います。

2024年7月16日

新しいSNSを広めるには?「実践キャリアプランニング」で広告マーケティングを実践する体験授業が行われました。 

大学共通教育科目の「実践キャリアプランニング」(担当:髙橋裕樹特任教授)で、元株式会社電通の鈴木宣彦氏をお迎えしての広告ビジネスを体験する授業が行われました。商品やサービスを売るために、リサーチしたり広告チラシを考えたり。実際にワークを通して体験することで、マーケティングとはどんな仕事かを実践的に学ぶ機会になりました。

広告代理店は「なんでもやる」会社

鈴木氏は大学卒業後、新卒で電通に入社しました。
広告代理店とは何をする会社かと言えば、CMを製作したり広告を打って宣伝したり、ということを思い浮かべますが、それだけにとどまりません。
YouTubeの動画作成やグッズの製作まで、「依頼した企業の成長や課題解決のためならなんでもやる」と言います。
鈴木氏もまた、多くの企業のCMや中吊り広告の作成から、イベントなど幅広い仕事に携わってきました。コピー作成やCM製作をするクリエイティブ部門を経て、マーケティング、プロデュース部門などさまざまな仕事を経験しました。

「誰かの作ったメディアや仕組みを売るのではなく、自分が欲しいサービスを作って世の中を変えたい」と思うようになり、2022年に起業。
株式会社NOBU Planningを立ち上げました。グルメ動画SNS「Popdish」を開発・リリースしています。

Z世代向けの新しいグルメSNSを立ち上げ

授業は3週にわたって行われ、最初の授業では、広告コピーの作り方の基本的な考え方を学びました。
2回目からはグループワークです。
2回目はPopdishのチラシを作成し、3回目は改善点についてのプレゼンテーションを行いました。

PopdishはZ世代を中心とした若年層向けのグルメ動画SNSです。
Popdishのキャッチコピーは『「今食べたい」が、すぐに見つかる。』。
動画と地図が一緒になっており、行きたい飲食店を発見でき予約も可能なSNSです。従来のグルメサイトでは写真の投稿などはできるものの、「写真を盛る」ことによる実際のお店とのギャップに対する不信感もありました。
Popdishでは動画で閲覧できることで、実際の店内の様子や食事を想像しやすいというメリットがあります。
動画の一つ一つに正確な地図情報や飲食店情報が紐づいているため、予約もワンクリックで進めるのも特徴。さらに動画を投稿することで、ギフト券などに交換できるオリジナルポイントもたまります。

Popdishの改善点をプレゼン!

3回目のプレゼンテーションでは、競合他社のグルメアプリを利用している人へのヒアリングを行います。
実際にPopdishを使ってもらい、使い心地を確認。それをもとに改善案を作成しました。
学生は17チームに分かれ、パワーポイントで資料を作成。4分間のプレゼンテーションを行いました。

SNSでグルメ情報を得ている人からは流行りの店が分かるというメリットを発表したチームは、Popdishはまだ動画投稿の数が少ないためインフルエンサーなどに投稿してもらい、投稿数を増やすことを提案。
グルメ専用サイトを利用している人を調査したチームは、PopdishはInstagramやTiktokなどのZ世代向けSNSに慣れていない人は使いづらいという意見をピックアップしました。
そこで、検索機能をもっと充実させ、写真も投稿できるようにするなどを提案しました。

地図アプリでお店を探す人を調査した意見では、目的地近くの飲食店が分かるメリットを挙げ、Popdishの地図でも飲食店だけでなくランドマークやチェーン店が検索できるようにすると良いなどの意見がでました。
その他、17チームそれぞれの視点で、Popdishの良さ、改善点などをプレゼンしました。

マーケティングを実践的に学んだ授業

全チームの発表が終わると、鈴木氏による講評が行われました。
鈴木氏は「全体的にしっかりして結果をまとめて提案していたと思います」と学生たちの頑張りをねぎらいました。
全チームのなかから、特に素晴らしかった3つのチームには表彰もありました。評価ポイントは内容だけでなく、パワーポイントの画面の見やすさや、アプリへの使い込みについても言及。
1位になったチームには「提案してもらった追加機能は、まさに社内で改修しようとしていたポイントをしっかり網羅していた」とリサーチ力を絶賛されました。

「広告業界で実際にやっていることを皆さんにやってもらいました」と鈴木氏。
「広告の考え方や、ターゲティングやメッセージなど、さわりの部分だけですが、形はつかめたかと思います」と話しました。
今回のプレゼンテーションは、「人から聞いたことや調べたことを、自分のなかで咀嚼して分かりやすく伝える訓練になったと思います」と話しました。
学生にとっても実践的にマーケティングを学ぶ機会となりました。

2024年6月13日

【日野】日野のまちの課題解決を目指そう!テレビ東京『田村淳のTaMaRiBa』のご協力のもと「実践プロジェクトc」の授業が始まりました。

共通教育科目「実践プロジェクトc」(担当:生活科学部生活環境学科 一色 ヒロタカ准教授)の授業が4月10日に始まりました。株式会社テレビ東京のテレビ番組『田村淳のTaMaRiBa』からのご協力のもと、日野市の地域課題解決を目指す特別講座です。この日のオリエンテーションではイノベーションを起こす大切さを学び、学生たちは積極的に授業に取り組む姿勢を見せていました。

ひとつの企業ではできないことも連携すれば生み出せる

登壇されたのはテレビ東京のプロデューサーである今井豪氏です。
ふだんゲスト講師の方が来られたときは、講師の方のみで講義をされますが、そこは多くのテレビ番組を製作してきた今井氏。
「台本を作ってきました」と、一色先生にもマイクが渡されました。一色先生が「台本を見てびっくりしたんですけど、僕のセリフもちゃんと書いてあって」と話すと学生たちからも笑い声が。
そのやりとりの通り、今井氏は1回限りのゲストではなく、建築家でもある一色先生とともに前期を通して授業を担当してくださいます。学生たちの提案を形にするためにバックアップしてくれる贅沢な環境です。

今井氏は入社からテレビ東京一筋。
バラエティ番組の企画や開発に携わっていましたが、東日本大震災をきっかけに「なぜテレビ番組を作っているのだろうと考えた」と言います。
テレビの力で復興や地域の役に立ちたいと考えましたが、一つの企業では限界がありました。悔しさを感じていたところ、他の最先端技術を持つ企業の人たちも同じように話していたのを知ります。
そして企業が連携すれば新しいサービスを生み出せることに魅力を感じ、ビジネス共創番組『田村淳のTaMaRiBa』をスタートさせました。

テレビ番組と連携して日野のまちの地域創生しよう!

「地域の困りごとをほったらかしにしない」と2022年から始まった『田村淳のTaMaRiBa』。
島根県江津市のリブランディングや、沖縄の三線の音源をデジタルで残すプロジェクトなどさまざまな地域の課題に取り組んでいます。
また、大学生と一緒にサービスや商品開発などの地域創生につながる活動も行っています。
本授業ではこの番組のプラットフォームをお借りして、本学日野キャンパスがある東京都日野市を舞台に、自治体や企業と連携し課題解決に挑みます。

授業の進め方としては、まずはフィールドワークで街のリサーチから始まります。
日野の街を実際に歩いたりヒアリングしたり、本やウェブも活用して課題や可能性を見つけていきます。
次に企画作り。街の仕組みを変えてみるアイディアや居場所作りなど、さまざまな視点から街を見て、ビジネスプランや課題解決のアイディアを具体的に作っていきます。
発表を経て、実際にデザインに起こします。
そして、最終プレゼンテーションではスタジオでの収録も予定されています。

イノベーションは誰にでも起こせる

この授業に取り組むうえで大切にして欲しい合言葉として、今井氏が提示したのが「イノベーションって天才たちの発明なんかじゃない!」でした。
今井氏は「これは身をもって痛感し、信じている言葉です」と話しました。イノベーションは新しいテクノロジーと思われることがありますが、「新結合」の意味で、誰もが知っていることを新たに結びつけること。
自分の持っているものと課題を掛け合わせることで、イノベーションを起こすことができるのです。

イノベーションを起こすためには自分の本当の強みを知り、どうビジネスや社会に活かせるかを考えることが大切。
一色先生は「授業の中で自分をいかにブラッシュアップしていけるかがポイントです」と話しました。
グループワークで進めますが、企業や自治体、街に住む人たちと実際に交流をするのもこの授業の特徴です。
「沢山の人と会って話して、自分がやりたいことや得意なことを見つけたり活かしたりして欲しい」と今井氏も話しました。

まずは日野のまちを知ろう

最後に来週への課題が発表されました。
1つ目は日野がどういうところか、自分なりに調べること。
地形や風景、歴史、特徴、観光地的な魅力、企業などなど。特徴をあぶり出すことが課題です。
2つ目は誰のためにやってみたいか、ターゲットを決めること。
ペルソナと言って仮想の人物像を作り上げていく作業です。フルネームから性別、年齢、休日の過ごし方、仕事など一から考えます。
条件は日野に住んでいる、または日野で働いている人物であること。
そして、インサイトと呼ばれる、その人物の抱いている不満や悩みなども書き出してみることが課題です。

「今回の授業はビジネスの感性を磨いたり自分のやりたいことを見つけたりするのにも、とても向いていると思います」と今井氏は語ります。
「今ビジネスでは、実際にアイディアを形にできるアートの感性が成功するために不可欠な要素になっています」と言い、どうやって自分の形を表現していくかの授業は日本では少ないため、貴重な経験になると話しました。
ただ「この授業はなかなか大変だと思います」と一色先生。「ものやサービスを作ることはそんなに簡単じゃない。とても時間がかかることです。14回の授業だけで全部を作れると思わなくていいので、ここをスタートにして大きな企画になっていくかもしれないという気持ちで取り組んでください」と話しました。
学生たちも、これからの授業の展望に前のめりで話を聞いていました。

担当教員からのメッセージ

地域から学ぶことの面白さ!そして、そこからデザインを考える面白さ!これは社会実装型の授業の最大の醍醐味です。社会のニーズも、答えを自分でつくり出せる人材を求めています。この授業では、まさにリアルな社会から自分自身の答えをつくりだし、その答えを持って社会へアプローチしていきます。学生と教員が協働・共創して、日野のまちをデザインしていいきます。

2024年6月13日

【渋谷】イノベーションの薪をくべよう!テレビ東京『田村淳のTaMaRiBa』のご協力のもと「実践プロジェクトc」の授業が始まりました。

共通教育科目「実践プロジェクトc」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業が4月10日に始まりました。本授業は株式会社テレビ東京(以下、テレビ東京)のテレビ番組『田村淳のTaMaRiBa』からのご協力のもと、さまざまな企業と連携し、学生たちがさまざまな課題解決に挑む予定です。

テレビ番組で地域創生やビジネスを作る!

授業の開始は自己紹介から。
2年生から4年生まで、幅広い学部学科の学生40名が集まりました。
ひとしきり盛り上がったところで、深澤教授から今回のゲスト講師である今井豪氏の紹介がされました。
今井氏はテレビ東京の番組プロデューサーです。ここで今井氏は「今回のために動画を作ってきました」と自身で編集した動画を披露。
「自己陶酔も入っています」と謙遜されましたが、学生たちはスタイリッシュな動画に見入っていました。

その動画で紹介されたのが、今井氏が総合プロデューサーを務めているテレビ番組『田村淳のTaMaRiBa』。
タレントの田村淳さんを司会にした、地方創生やスタートアップ企業の支援などを番組の中で行っているビジネス共創番組です。この番組の特徴のひとつがさまざまな企業と連携していること。
例えば沖縄の伝統芸能・三線の音源をデジタル保存する取り組みにはヤマハ株式会社が協力しています。他にも大手IT企業やデベロッパーなど、多くの企業と連携。
また、大学生や高校生たちも参加し、番組内で一緒に地域創生や課題解決に取り組んでいます。

協力し合うことでできることがある

「こんな番組を作っているけれど、僕は決して意識が高いわけではありません」と今井氏。
ではどうしてこうした番組作りに携わっているのか、その理由として今井氏は東日本大震災の時のことを語りました。
大きな被害を前にして、なぜテレビ番組を作っているのか、自分に何ができるだろうかと考えたと言います。
「しかしテレビ局だけでは何もできなかった。無力だと思っていたら、企業に勤めている方たちも同じことを言っていたんです」。大企業でも1社ではできることに限界がある。
しかし、企業同士が協力し繋がればできるようになると気付いたと話しました。

本授業の大きな特長は、ゲスト講師の今井氏が前期を通して授業に参加されることです。
今井氏と深澤教授が一緒になって授業を進めていく形です。学生たちがやってみたいこと、提案したことを案で終わらせず、実行できるところまで深澤教授だけでなく今井氏や番組がサポートしてくれます。
「できれば番組でも、この授業の進捗を収録できればと思います」と今井氏。
番組に出演する可能性も出て、学生たちの目も輝きました。

誰でもイノベーションは起こせる!

「今回の授業を進めるにあたって、ひとつ合言葉を決めたいと思います」と今井氏は話し始めました。それは『イノベーションって天才たちの発明なんかじゃない!』。
「イノベーションってなんでしょう。どんなイメージですか?」と今井氏は問いかけます。
「すごい技術」「がらっと変えること」など学生たちから回答がありました。
今井氏は、「イノベーションは身の周りにあるものにヒントがある。いつも何かにチャレンジすることが大切」といくつかイノベーションの例を挙げました。

町工場の釣り糸が最先端医療に使われたり、電車に乗って参拝するのを宣伝したことで初詣が生まれたり。
「技術がなくても、自分たちの課題を組み合わせるだけで良いアイディアが生まれることがある。自分のこれまでの経験と何かを掛け合わせてイノベーションは起こる。だからこそまずは自分の強みを発見することが大事」と今井氏は語りました。

イノベーションを起こすヒントとして、今井氏は「一日1回ビジネスの妄想を記述する」ことをしていると話しました。
例えば渋谷駅を出てから大学のキャンパスに着くまでにあるコンビニで、イートインコーナーが混んでいて座れなかったとき、今井氏は「回転率を上げるにはどうすればいいか考えてみる」と、自分が感じた不満や疑問を解決する方法を想像してみると話していました。

誰のために何をしたい?

最後に、来週の授業までの宿題の発表がありました。
1つ目は「自分にとって大事な地域(街)について考える」こと。
今住んでいる街や大学のある渋谷区、地元、祖父母の住んでいる地域など、自分に縁のある地域を選び、そこでやってみたいことを考える宿題です。
2つ目は「誰のためにやってみたいか、ターゲットを決める」です。
自分のやりたいことや作りたいものが、どんな人に向けたものであるかを考えるための「ペルソナ」を考えます。フルネームから性格、職業、どんな生活をしているか将来の夢などどんな人物かを深く掘り下げていきます。
「絵は下手でいいので似顔絵も書きましょう。最初は恥ずかしいかもしれないけれど、具体的になればなるほど自分のやりたいことが分かってくる。だまされたと思って書いてみてください」と今井氏は語りました。

今後グループごとにテーマとターゲットを決め、内容を詰めていきます。
「やりたい内容はこれから決定していくので、どんな企業と連携するかは皆さんの発想次第。番組ではいろんな企業と繋がりがあるのでどんどん利用していいです。皆さんと面白い企画を作っていければと思います」と今井氏はこれからの授業に期待をかけました。

担当教員からのメッセージ

本年から新たにスタートした講座は、テレビ東京さんの番組と並行して行われる極めてリアリティ溢れる講座です。そして、根底に流れるテーマは、今の時代に最も必要な視点であり、力でもあるイノベーションです。地域再生を考えながら、様々なフィールドで活躍されるゲストを交えながらの航海がスタートしました。相当な荒波も予想されますが、主体性に溢れる学生たちと、無事に目的地に着けるよう伴走していきたいと考えています。