タグ: 東京

2026年9月17日

先頭に立つことだけがリーダーじゃない!「集団・コミュニケーション論」の授業で株式会社ANA総合研究所の多田浩司氏による特別講演が行われました。

7月1日に「集団・コミュニケーション論」(担当:国際学部国際学科 久保田佳枝准教授)の授業で、株式会社ANA総合研究所の多田浩司氏による特別講演が行われました。「自分らしいリーダーシップ」を軸に、現代求められるリーダー像について語られました。

ANAはチャレンジ精神あふれるベンチャー企業

ANAは1952年に2機のヘリコプターから始まりました。初の民間航空会社としてスタートしたANAは「今でこそ一日1000便もの飛行機が飛ぶ大きな会社ですが、創業当時はまさにベンチャー企業そのものでした」と多田氏。
その後は着実に歩みを進めるだけでなく1986年には国際線定期路線の就航や、2012年にはLCC(格安航空会社)である「Peach Aviation」の運航開始など、常に一歩先を見据えたチャレンジの連続であった歴史を語りました。

多田氏は航空機整備や安全推進などの総合職技術系としてANAに入社。
現在は豊富な経験を活かし、ANA総合研究所の一員として、各種の調査・研究や大学での講義を行っています。

時代に合わせたリーダーの姿とは?

多田氏はまず、「皆さんはリーダーシップと聞いてどんな人を思い浮かべますか」と学生たちに問いかけました。
「命令する人や権威のある人というイメージは、旧来型のリーダーシップです」と説明。かつての高度経済成長期は豊富な経験をもとに指示を出し、部下はそれに従うことで成果を上げるスタイルがこれまでの主流だったと話しました。

一方で、変化の激しい現代ではそれだけでは対応しきれません。
多田氏は、対話や共感を大切にし、メンバーに寄り添いながら力を引き出すリーダーが求められていると語ります。
「『俺についてこい』ではなく、『一緒に頑張ろう』と支え合える環境をつくるリーダーも重視されています」と説明しました。

ただし、旧来型のリーダーシップが悪いということではありません。経験に裏打ちされた決断力も、相手に寄り添う傾聴力も、どちらも欠かせない力です。
「大切なのは優劣ではなく、時代に合わせて求められるリーダー像が変化しているということです」と学生たちに伝えました。

「着いていく」ことがリーダーになる?

多田氏は、ある講演で紹介された映像を学生たちに見せました。
それは、一人が踊り始めるとその姿に影響されて次々と人が加わり、大きな輪になっていく動画でした。
この映像をもとに、多田氏は「リーダーは大切な存在ですが、実は過大評価されがちです」と話しました。

重要なのは、最初にリーダーについていく「フォロワー」の存在です。
「最初のフォロワーになるには、リーダーと同じくらい勇気が必要。『それいいね』『手伝うよ』と最初に声を上げる人がいるからこそ、周りも動き始めます」と、フォロワーシップの重要性を伝えました。

さらに、リーダーはフォロワーに一方的に指示を出すのではなく、対等な立場で一緒に行動することが大切だと説明。
「重要なのはリーダー個人ではなく、活動を前へ進めることです。一人で完璧を目指す必要はありません」と語り、それぞれの得意分野を生かして役割を分担する「シェアドリーダーシップ」の考え方も紹介しました。

多様な価値観を活かすリーダーシップ

ここで多田氏は、DISCという性格類型の自己診断を学生たちに体験してもらいました。DISCは、人の行動特性を主導型(Dominance)、社交型(Influence)、慎重型(Conscientiousness)、安定型(Steadiness)の4つに分類する考え方です。

「どのタイプが優れているということではありません。大切なのは、人によって考え方や行動の特徴が違うことを知ることです」と多田氏。社会に出ると多様な価値観を持つ人と協力して働くため、リーダーが全員の意見をまとめる難しさも生まれます。
しかし、「多様なメンバーであるからこそ、皆で意見交換することに価値があるのです」と多田氏。
「同じタイプの人ばかりでは新しい発想は生まれにくい。異なる個性を認め合い、それぞれの強みを生かせる環境づくりが、新しい価値を生み出します」と語られました。

安全を守るANAグループのアサーション文化

続いて多田氏は、ANAグループの「アサーション」文化を紹介しました。
アサーションとは、互いを尊重しながら率直に意見を伝え合うコミュニケーションのことです。上下関係の中で意見を言えないことが重大な事故につながりかねない航空業界では、パイロットの訓練でも重視されています。

「上下関係は年齢や経験、レギュラーか補欠かといった立場など、さまざまな場面で存在します。だからこそ、上の立場の人が意見を言いやすい環境をつくることが重要です」と多田氏。
また、「アサーションは攻撃的でも、何も言わない非主張的な態度でもだめ。相手を認めた上で自分の考えを伝え、お互いを尊重することが大切です」と語りました。

最後に、「リーダーに必要なのは、人の可能性を奪うのではなく、引き出す言葉を掛けること」と締めくくりました。
「先頭に立って引っ張る人だけがリーダーではありません。仲間を支え、ときには後ろから後押しすることも立派なリーダーシップです」と、誰もが実践できるリーダー像を学生たちに伝えました。

2026年9月17日

住宅を通して「心地よい関係性」を考えよう!「対人コミュニケーション論」の授業で、旭化成ホームズの河合慎一郎氏による特別講演が行われました。 

6月24日に「対人コミュニケーション論」(国際学部国際学科)の授業で、旭化成ホームズ株式会社のLONGLIFE総合研究所長である河合慎一郎氏による特別講演が行われました。河合氏は二世帯住宅を通して、人と人とのつながりや関係性について講演。親子や社会など「つながり方のデザイン」について考える機会となりました。

家を通して考える、人と人とのつながり方

河合氏は登壇すると、「私は住宅に関わる仕事をしています」と自己紹介されました。
「『なぜ国際学科の授業で住宅の話をするのだろう』と思った人もいるかもしれません。でも、住宅を通して考えることは、皆さんが学んでいる国際的な視点や人との関わりとも深くつながっています」と語り、講演が始まりました。

河合氏は、もともと住宅設計を手がける一級建築士として約450棟の戸建住宅を設計。その経験を生かし、現在は「人の暮らし方」を研究するLONGLIFE総合研究所で活動しています。
この研究所は、旭化成ホームズが「ALL for LONGLIFE」の理念のもと、住む人が長く快適に暮らせる住まいを実現するために設立した組織です。

「今日は家づくりの話ではなく、人とのつながり方について考えてみたいと思います」と切り出し、「皆さんは、人との距離感で悩んだことはありませんか」と学生たちに問いかけました。人との距離は、近すぎても遠すぎても良い関係を築くのは難しいものです。
河合氏は「人との距離感に正解はありません。文化や育った環境によって心地よい距離は異なります。それは海外で人と関わるときにも同じです」と話し、人との関わり方について考える大切さを伝えました。

自分は外交的?一人になりたいタイプ?

「まずは自分のタイプを知ってみましょう」と河合氏。
学生たちは、簡単な質問に答えて点数を集計し、自分にとって心地よい対人距離の傾向を知るワークに取り組みました。
結果からは、人とのつながりを大切にする外向的なタイプか、一人の時間を重視する慎重なタイプかなど、それぞれの特徴が分かります。

河合氏は「例えば外向性が高い人は、家族や友人が集まりやすいダイニングを重視する傾向があります。一方、一人の時間を大切にする人は、落ち着いて過ごせる個室を求めることが多く、こうした違いは住まいのデザインにも影響します」と説明。
「どのタイプが良いということではありません。一人ひとりの価値観や暮らし方に合わせて住まいを設計することが大切なのです」と話しました。

さらに、現在では広く知られる「二世帯住宅」についても紹介しました。
実は、この言葉を生み出したのはヘーベルハウスです。二世帯住宅とは、同じ建物に住みながらも、親世帯と子世帯がそれぞれの生活空間や家計を分けて暮らす住まいのこと。
1970年代以降、サラリーマン家庭の増加や地価の高騰を背景に、家族との適度な距離感を保ちながら経済的にも暮らしやすい住まいとして誕生しました。
住宅は、家族のつながり方や時代の変化に合わせて進化してきたことが紹介されました。

関係の3原則を意識しよう

続いて河合氏は、人間関係を築くうえで大切な「関係性の3原則」として、「距離」「接点」「配慮」の3つを紹介しました。

「距離」は、近すぎると干渉になり、遠すぎると孤立につながるものです。
「接点」は、人と会ったり会話をしたりする機会のこと。どれくらいコミュニケーションを取ると心地よいと感じるかは、人によって異なります。
そして「配慮」とは、立場の弱い人への思いやりです。
例えば家族であっても、嫁や婿のように血縁関係のない人は価値観の違いが生まれやすいもの。昔から嫁と姑の問題が語られてきた背景にも、こうした関係性があります。

河合氏は「人と人との関係は対等だと思いがちですが、実際には立場や役割によって力関係が生まれます」と説明しました。
そのうえで、「心地よい距離感は人それぞれです。世代や育った環境、文化の違いによって感じ方も変わります。人そのものが問題なのではなく、関係設計のミスマッチによって起こるのです」と語りました。

人と人との関係性に正解はない

講演の最後に河合氏は、「今日は親子関係を中心にお話ししましたが、『関係性の3原則』は家庭だけに当てはまるものではありません。人と人とのコミュニケーションを考えるための基本的なフレームです」と話しました。
「距離」「接点」「配慮」の3つは、異文化理解や国際交流にも欠かせない視点です。また、人と自然との関わり方を考えるSDGsにも通じる考え方だと説明。
「人との関係や物事との関係は、環境や状況によって変化します。国際関係を学ぶうえでも、この3つを意識しながら物事を見てほしいと思います」と学生たちにメッセージを送り、講演を締めくくりました。

講演後には質疑応答が行われました。
「建てた家が住み始めてから理想と違うと感じた場合、リフォームはできるのでしょうか」という質問に対し、河合氏は「長く暮らしていると家族構成や人間関係は変化します。その変化に合わせて住まいも柔軟に変えられるよう、リフォームしやすい設計が取り入れられています」と回答しました。

住宅をテーマにしながらも、人との関わり方や国際社会につながる視点を学ぶことができた今回の講義は、学生たちにとって新たな気づきを得る貴重な機会となりました。

2026年8月7日

「サステナブルな機内食」って?「演習Ⅲa」の授業で、JALの韓国線の機内食を考える特別コラボのプレゼンテーションが行われました。 

7月7日に「演習Ⅲa」(担当:人間社会学部ビジネス社会学科 角本伸晃教授)の授業で、日本航空株式会社(以下、JAL)との特別コラボ授業が行われました。今回は2ヶ月かけて取り組んでいた課題のプレゼンテーション。テーマは「サステナブルな韓国便の機内食を考える」。学生たちは班に分かれ、この日のために企画を練り上げてきました。

企業さながらのプレゼンテーション

本日のプレゼンテーションには、6名が審査員として参加しました。
現役客室乗務員の吉村真紀氏をはじめ、機内食企画担当部署など、実際の企業プレゼンテーションさながらの顔ぶれです。学生たちが緊張した面持ちで臨むなか、吉村氏は「今日は実際に機内食を決めているメンバーが集まっています。皆さんの発表をとても楽しみにしてきました。現場の意見を直接聞ける貴重な機会でもあります」と期待を寄せ、プレゼンテーションが始まりました。

機内食に遊びを!

最初の班は、韓国旅行をより楽しめる機内サービスを提案しました。
到着後に現地グルメを満喫できるよう、機内食は軽めのサラダラップを主食としたセットを考案。副菜には、冷めてもおいしく食べられる濃い味付けのグラタンを組み合わせました。食べ終えると、容器の底に旅行運などの占いが現れる仕掛けも取り入れています。
さらに2次元バーコード付きカードを配布し、韓国語の基本的なあいさつや日本とのマナーの違いを紹介するトラベルガイドを閲覧できるようにするなど、到着後も安心して旅行を楽しめる工夫を盛り込みました。

発表後の講評では、「参考になる点が多かった。占いの仕掛けは若い人ならではの発想ですね」と評価されました。
また、「飛行機を降りた後まで考えた提案が印象的でした。韓国便はフライト時間が短いことを理由に発想を広げていなかったと気付かされました」と、担当者からも高い評価が寄せられました。

心と身体を満たすセルフメイクBOX

続いての班は、20代女性をターゲットに、美容や健康に配慮した機内食を提案しました。
メインはベーグルサンドで、ヨーグルトやクリームチーズを添え、自分好みに味をアレンジできる内容です。具材にはバナナやベリーなど、機内で気になりやすいむくみ対策を意識したビタミン豊富な食材を取り入れました。

講評では、「心のウェルビーイングに着目した点が印象的でした。カロリーを気にせず楽しめる機内食という発想は新鮮です」と高く評価されました。
一方で、「ターゲットが明確で企画の軸がしっかりありました。ただ、ビジネス利用の男性などには物足りない可能性もあります。より幅広い層に訴求できる工夫があると、さらに良い提案になったでしょう」とアドバイスが送られました。

未来食を体験できる機内食

最後の班は、JALが日本発の国際線やラウンジで提供している「未来の食材50」に着目。
「未来からきたランチボックス」と題し、未来の韓国料理を提案しました。「未来の食材50」とは、環境負荷が少なく健康にも配慮した食材のこと。もやしやわかめなど身近な食材も含まれています。
これらを使った韓国風おにぎり「チュモッパ」やナムルをメインにし、さらに「未来の食材50」のトレーディングカードを付属。2次元バーコードから食材を使ったレシピを見られる工夫も盛り込みました。

前の2班とは異なるアプローチに、JALの担当者からは「内容がプロのようによく調べられていた」と高い評価が寄せられました。
「食を通して新たな気付きを提供し、お客さまの発見につながる提案だった」「おいしさだけでなく学びも届けられる」といった講評に加え、「日本食の要素を取り入れると、韓国との橋渡しになるのでは」といった実践的なアドバイスもあり、学びの多い発表となりました。

実際の企画にも刺激になる発表に

最後に中間発表にも参加された鈴木氏から総評がありました。
「中間発表から大きくレベルアップしていました。韓国線の機内食は特に難しいテーマですが、皆さんが真剣に取り組んでくれたことが伝わりました。JALでは思いつかない発想も多く、私たちも大いに刺激を受けました。ここにいるメンバーで今回の学びを今後の機内食づくりにも生かしていけると思います」と講評されました。

発表後、学生たちも感想を共有。
「他の授業でもグループワークは経験しましたが、今回はコストや提供方法まで考え、実際さながらの企業のプレゼンテーションを実践できました」と振り返りました。
また、「中間発表で多くの指摘を受け、企画を一から練り直しました」と話す班もあり達成感をにじませていました。

授業の終わりには、吉村氏から修了証が授与され、会場は和やかな雰囲気に。
企業と連携し、本格的な企画立案とプレゼンテーションを経験した貴重な学びの機会となりました。

担当教員からのメッセージ

中間発表会では学生としてはとても素晴らしい提案をしてくれましたが、アイディア勝負の面がありました。機内食というビジネスの一部であるからには、コスト制約を無視するわけにはいきません。中間発表会ではその点をご指摘いただきました。その後、最終発表会に向けて、ゼミ生たちはコスト面だけでなく中間発表会でいただいた他のコメントも意識しながら、ブラッシュアップしていきました。最終発表会では当初予定の倍の審査委員の方々にお越しいただき、緊張感の増す中で、堂々と発表をしてくれました。このPBLを通して、学生たちは共創力を大きく伸ばすことができました。

2026年8月6日

キャリアを積み重ねて輝こう!「キャリア・ショーケース」の授業で日本マナー・プロトコール協会理事長による特別講演が行われました。 

7月9日に共通教育科目「キャリア・ショーケース」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、日本マナー・プロトコール協会の明石伸子理事長をお迎えしての特別講演が行われました。明石氏は人間関係を大事にすることで、「キャリアも人生も自ら切り拓く」ことができると明るくお話くださいました。

山あり谷ありの人生で築いたキャリア

司会進行は、「キューブ」と呼ばれる学生グループが担当。

学生から紹介を受けて登壇した明石氏は、「若いうちからキャリアについて考えることはとても大切です」と、自身の経験を交えながら講演を始めました。
「私が学生だった頃は、大学でキャリア教育を受ける機会もなく、私自身も将来について深く考えていませんでした」と振り返ります。大学卒業時は第二次オイルショックによる不況の影響で就職活動は厳しく、ちょうど客室乗務員を積極採用していたJALに運よく就職できました。

その後、結婚を機に退職し、出産後に離婚を経験。
「当時は離婚が大きな挫折で、将来への不安や劣等感を抱えていました」と語ります。
転機となったのは、ベンチャー企業で秘書として働いたことでした。さまざまな企業の立ち上げに携わる中で、「会社は自分たちでもつくれる」という考えを持つようになり、その経験を生かして日本マナー・プロトコール協会の設立にも挑戦。
「自分でキャリアを計画してきたわけではありませんが、振り返ると一つひとつの経験を積み重ねて今につながっています」と話しました。

どんな会社が良い会社?

現在は人材不足を背景に、就職活動は学生優位の「売り手市場」と言われています。
しかし明石氏は、「皆さんもコロナ禍を経験したように、社会はいつ大きく変化するか分かりません」と話します。社会情勢はキャリアに大きく影響するため「社会の動きに関心を持ち、自分と結び付けて考えてほしい」と呼びかけました。

続いて、事前課題として調べてきた企業について確認。
「皆さんが知っている企業は、なぜ知っているのでしょうか」と問いかけます。学生が挙げた企業の多くは、消費者向けの商品やサービスを提供する「BtoC」企業でした。
一方で、企業間取引を行う「BtoB」企業や、消費者同士をつなぐ「CtoC」企業など、世の中にはさまざまな企業があることを紹介しました。

「日本には約370万社の企業があります。知名度が高いことだけが良い会社の条件ではありません」と明石氏。
また、女性活躍を支援する企業の認定制度「えるぼし」や「くるみん」を確認することも、企業選びの参考になると説明しました。
「新卒で入社できる会社は一社だけです。幅広く企業を知り、自分に合った会社を見つけてください」と語り掛けました。

未来が決まっていないことは選択肢がたくさんあるということ

明石氏が「就職活動に不安を感じている人はいますか」と尋ねると、多くの学生が手を挙げました。「先が見えないと不安になりますよね」と共感しながらも、「将来が決まっていないということは、それだけ選択肢があるということです」と前向きな考え方を紹介。
「何もしなければ不安は変わりません。まずは行動して情報を集め、自分に合う会社を見つけていきましょう」と学生たちを励ましました。

また「キャリアが大切と言われますが、専業主婦も立派な生き方です」と話し、自分に合った働き方や生き方を選ぶことの大切さを強調。
「自分がどんなタイプで、どんな人生を送りたいのかを知ることで、迷いも少なくなります」と語りました。
「今は企業も仕事も多様化し、一つの仕事を一生続ける時代ではなくなりました」と説明。
一方で「転職しやすい時代だからこそ、すぐに辞めるのではなく、まずは続けてみることも大切です」と助言しました。「無理をする必要はありませんが、厳しい環境で取り組んだ経験は、必ず自分の成長につながります」。

自分の頼りになるひとは?

最後に明石氏は、「人間関係を大切にすることも、キャリアを築くうえで欠かせません」と話し、自分の周りに「メンター」「モデラー」「サポーター」を持つことを勧めました。メンターは助言や励ましをくれる人、モデラーは目標となるロールモデル、サポーターはどんな時も支えてくれる存在です。
「困ったときに相談したり頼れたりする人がいることで、前向きに進んでいけます」と語りました。
また、人に好かれる要素として「明るさ」「元気」「素直さ」の大切さも伝えました。

さらに、「これからの人生で最も長い時間を過ごす場所は、職場です。だからこそ、自分に合った職場で充実して働くことが、豊かな人生につながります」と話します。
そして、「皆さんはまだ磨かれていない原石です。どう磨き、自分らしく輝くかが大切です。
ぜひ、自分らしい未来を切り開いてください」と学生たちにエールを送り、講演を締めくくりました。

信頼を築き人間関係を深めていこう

授業の最後には質疑応答が行われました。
「メンターやモデラー、サポーターはどう見つければよいですか」という質問に、明石氏は「一緒にいて楽しい、すごいと思うだけでなく、その人が自分にどんな影響を与えてくれる存在なのかを意識してみると、自然に見つかります」とアドバイスしました。

また、アルバイトで後輩指導に悩む学生から「好感度を下げずに指導するには」と質問されると「伝えるべきことはきちんと伝えることが大切です。
好感度とはいつも笑顔でいることではなく、相手を思って伝えること。信頼関係があれば、多少厳しい指摘でも相手はきちんと受け止めてくれるはずです」と答えました。

このほかにも多くの質問が寄せられ、学生たちにとって、自分らしいキャリアの築き方や人との関わり方について学ぶ貴重な機会となりました。

担当教員からのメッセージ

今年の最後のゲストとして、日本マナー・プロトコル協会理事長の明石伸子様にお越しいただきました。
「よい人間関係を築けるような人になってください。それはきっと人生の大きな“財産”になるはずです。」
「あなたが、魅力的で人から好かれる存在であって欲しいと、心より願っています。」
このメッセージは、私がこの授業を通じ、学生に伝えたかった本質でもありました。
そのような大切なことを教えて下さった明石様に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

2026年8月6日

自分をほめてポジティブ思考で人生を切り開く!「キャリア・ショーケース」の授業で元資生堂役員の関根近子氏による特別講義が行われました。 

6月25日に、共通教育科目「キャリア・ショーケース」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業に株式会社資生堂(以下、資生堂)の元執行役員常務として活躍された株式会社Bマインド代表・関根近子氏をお迎えしての特別講演が行われました。前向きに人生を過ごすエッセンスを、学生たちに向け明るくお話下さいました。

人を大切にする会社との出会い

登壇された関根氏は、「毎年この講演を楽しみにしています。学生の皆さんからいつもパワーをもらっています」と笑顔であいさつ。
「今回は、私自身が実践してきたことで、仕事も人生も充実させることができたと感じるエッセンスをお伝えします」と話し、講演をスタートしました。

テーマは「仕事もプライベートも輝いて生きる」。
関根氏は「どちらか一方だけではなく、どちらも充実していることが大切です。嫌なことや大変なこともありますが、それも前向きに楽しめるヒントをお伝えしたいと思います」と学生たちに語りかけました。

高校卒業後は資生堂に美容部員として入社。
「資生堂に入って一番良かったのは、人を大切にする会社だったことです」と振り返ります。
会社が掲げる「Human Centric」の考え方のもと、お客様だけでなく従業員の幸せも大切にする企業文化を実感したといいます。
そして、「就職活動では仕事内容だけでなく、企業理念や『人を大切にする会社かどうか』にも目を向けてほしい」と、学生たちへアドバイスしました。

自身の技術で他人を喜ばせるやりがい

関根氏は高校で教師を目指していましたが、家族の事故をきっかけに家計を支えるため資生堂へ入社しました。美容部員として3年間働いた後、百貨店の特設ブースで接客販売を行うプロモーションチームへ異動。
しかし、「お客様に歓迎されない仕事で、誇りを持てなくなった」と振り返ります。ノルマに追われるなかで、仲間の成功を喜べない自分にも嫌気が差していたといいます。

そんなとき、上司から「商品を売るのではなく、3分間でメイク技術を提供しなさい」と助言を受けました。
一人ひとりに合った提案を続けた結果、数か月後、お客様から「いいものを教えてくれてありがとう」と感謝の言葉をもらいます。
「本当にうれしくて日記に書きました」と関根氏。自分の力で誰かに喜んでもらえることが、仕事のやりがいだと気付いた瞬間でした。

その後は、より良い接客を目指して技術を磨くだけでなく、礼儀作法やペン字、話し方も自ら学ぶように。
「上司に言われたからではなく、自分で必要だと思って学びました」と関根氏。
リスキリングが注目される今だからこそ「自分から学び、強みを育てることが大切です」と語り、目標を定めて今出来ることを分析し、出来ないことをどう伸ばすかを考える大事さを学生たちに伝えました。

自分を変えた思考との出会い

その後、関根氏は美容部員から営業職へ異動します。
美容部員の仕事にやりがいを感じていただけに、不本意でした。
さらに上司との関係がうまくいかず、家庭でも義母との関係に悩み、大きなストレスを抱えていたといいます。

転機となったのは、プラス思考について学ぶ講義との出会いでした。
当初は「今さら考え方なんて変わらない」と半信半疑でしたが、話に引き込まれ、夢中でノートを取りながら「自分も変わりたい」と強く感じたそうです。
講義で最初に伝えられた言葉は、「今日は残りの人生で一番若い日」。その言葉に「今日から変わろうと思えば、ここから人生を変えられる」と気付いたと振り返ります。
それをきっかけに営業への向き合い方や家庭での考え方も変化。
「ポジティブ思考とは、嫌なことから目を背けることではなく、困難な状況でも解決策を探そうとする姿勢です」と学生たちに伝えました。

講演の最後には、「皆さんは自分のことが好きですか」と問いかけました。
「人生で一番長く付き合う相手は自分です。嫌いだとつらいですよね。自分で自分をほめましょう。強みを育てることが自信につながり、自分を好きになる第一歩です」と温かいエールを送りました。

自分を信じて行動する大切さ

授業の最後には質疑応答が行われました。
接客のアルバイトをしている学生からは、「気持ちが落ち込んでいるときに良い接客ができません」という相談が。
関根氏は「気持ちを無理に切り替えようとするのではなく、自分はプロだと意識すること。プライベートを持ち込まず、笑顔で相手に安心してもらうことを大切にしましょう」とアドバイスしました。

また、「自分では良いと思っていても、周囲の評価が違うときはどうすればいいですか」という質問には、「まずは他人からはそう見られているのだと認識すること」と回答。
その上で「最終的には自分を信じることも必要です。周囲の意見を受け止めつつ、自分が正しいと信じたことは自信を持って行動してください」と学生たちにエールを送りました。

このほかにも多くの質問が寄せられ、活発な意見交換が行われました。
学生たちにとって、自分らしく前向きに人生を切り開くためのヒントを得られる有意義な講演となりました。

担当教員からのメッセージ

今年も引き続き関根をお迎えいたしました。
毎年お会いするたびに、生き生きさが増していく関根さん、ご自身のお姿から、
すでにポジティブさを感じますが、今年のお話しも、ポジティブ思考に繋がるものばかりでした。
そして、「主体的に生きること、自分の人生は自分がつくる。自分の人生のプロデューサーは自分である。」
というお言葉をいただき、学生にとっても、素晴らしいロールモデルとして、心に刻まれることと思います。
関根様にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。

2026年7月6日

木造建築が注目されている背景とは?「建築・インテリア構法」の授業でゼネコンの奥村組による特別講義が行われました。 

6月13日、「建築・インテリア構法」(担当:環境デザイン学部環境デザイン学科・内藤将俊教授)の授業で、株式会社奥村組による特別講義が開催されました。建築業界の最前線で活躍する企業から直接話を聞ける貴重な機会に、学生たちは熱心に耳を傾けていました。

建築を通して地域に貢献する会社

はじめに採用グループの坂本悠月氏が登壇し、奥村組について紹介しました。
奥村組は1907年創業の総合建設会社(ゼネコン)で、博物館や高層ビル、学校などの大規模建築を手掛けています。自治体や企業、国などから工事を受注し、多くの専門業者と連携します。
坂本氏は「一社だけで仕事が完結することはなく、多くの人と協力してつくり上げるところが建築の面白さです」と説明しました。

奥村組は「堅実経営」「誠実施工」を理念に掲げ、安全性と品質を重視した施工で高い信頼を獲得しています。
なかでも、トンネル工事に用いられるシールド工法やビルの免震技術など、高度な技術力に強みを持っています。
坂本氏は「施工を通して地域やまちづくりに貢献できることも、この仕事の大きな魅力です」と語り、建設業の社会的な役割についても紹介しました。

今が木材資源のつかいどき!?

続いて建築設計統括部の菅正和氏が登壇。
授業の前に学生たちの課題や提出物に目を通したことを明かし、「建築への情熱が伝わってきました」とコメント。
「建築を学び続けるうえで、何より大切なのは建築が好きだという気持ちです」と学生たちを激励しました。

ここからは「なぜ今、中大規模の木造建築が増えているのか」をテーマに講義がスタートしました。
木造建築が注目されている背景には、日本の森林資源の多くが資材に適した時期を迎えていることがあります。
さらに建築技術の進歩によって、これまで難しかった中大規模の木造建築も実現できるようになりました。
一方で、安価な海外産木材の流入により、国内の林業や木材産業は縮小傾向にあるのが現状です。こうした課題を受け、国は森林資源の有効活用や地域活性化を目的として木造建築の普及を後押ししているのです。
菅氏は、木造建築の広がりが環境面だけでなく、日本の林業や地域社会の未来にも深く関わっていることをわかりやすく説明されました。

社員寮で理想の木造建築を実現

奥村組でも積極的に木造建築の取り組みを進めています。
これまでに三重県の熊野古道センターや千葉県内の中学校など、中規模木造建築を手がけ、高い評価を得てきました。
しかし、建物を土台からすべて木材で造る場合、コストや工期が大きな課題となります。
そこで奥村組が採用しているのが、木材と鉄筋コンクリートを組み合わせる「ハイブリッド構法」です。木の温かみや環境性能と、鉄筋コンクリートの強度や施工性を両立させることで、合理的な建築を実現しています。

その代表例として紹介されたのが、西川口にある奥村組の社員寮です。
建物は8階建てで、1〜2階部分は鉄筋コンクリート造とし、免震システムも導入。上部の居住フロアは木造と鉄筋コンクリート造のハイブリットで構成されています。
さらに、木造ならではの快適さを活かす工夫も随所に施されています。
例えば耐火性能を確保するための壁紙で木材を覆ってしまうのではなく、石こうボードの上から木材を仕上げ材として使用することで、木の香りや質感を感じられる空間を実現。
「安全性と両立させながら、人に優しい木造の良さを活かすことも大切にしています」と菅氏は語りました。

実験や試験に裏打ちされた評価

奥村組の大きな強みの一つが、自社で研究や試験を行える体制です。
菅氏は、耐火性能や構造強度に関する実験を自社研究所で繰り返し実施していることを紹介しました。実験によって、安全性や性能が確認された技術だけを実際の建築に採用しているのです。
特に木材は鉄やコンクリートと比べてどうしても火に弱いもの。そのため、火災発生時に熱がどのように伝わるのか、どれくらいの時間で燃焼が進むのか、安全に避難できる時間を確保できるのかなど、さまざまな条件を想定した検証が行われています。
西川口の社員寮についても、木と鉄筋コンクリートを組み合わせたハイブリッド構法の採用が決まった後、実際に安全かつ確実に施工できるかを何度も試験したうえで建設が進められたと語られました。

こうして完成した社員寮は、その先進性やデザイン性が高く評価され、グッドデザイン賞やウッドデザイン賞など数々の賞を受賞しています。
また、設計に携わったメンバーの一人が女性設計者であることも紹介されました。
菅氏は「設計者や工事主任など、建築業界では女性の活躍が目覚ましい。弊社も意匠設計の新入社員の約半数が女性です。」と説明し、「皆さんもぜひ建築の世界で活躍してほしい」と学生たちへ力強いエールを送りました。

建築最前線のリアルを学べた講演

講演後には学生から寄せられた質問をもとに質疑応答が行われました。
「木造建築は今後どこまで高層化できるのでしょうか」という質問に対し、菅氏は「技術的には30階を超える建物も可能でしょう」と回答。
一方で、「需要に見合う木材の供給がまだ十分ではありません。今後の林業の発展が鍵になる」と説明されました。

また、「社員寮の写真では立面に設備機器が見当たらずとてもすっきりしていましたが、どのような工夫をしているのですか」という質問には、「プロのような鋭い質問ですね」と感心した様子。
菅氏は、居住空間を広く見せるため、配管などの設備を中廊下側にまとめて配置していることを紹介し、設計上の工夫について解説してくださいました。

さらに、「今後の建築業界で求められる人材とは」という質問には、人財戦略部の村松敬哲氏が回答。
「前向きに取り組める人です。仕事はやりたいことばかりではありません。大変なことや難しい課題にも前向きに挑戦する人は周囲から信頼され、チームにも良い影響を与えます」と語りました。
加えて、「皆さんの授業への取り組みも非常に前向きで、私たちも刺激を受けました」と学生たちへエールを送りました。

建築技術の最前線から業界が求める人物像まで、現場で活躍する社会人のリアルな声に触れることができ、学生たちにとって学びの多い貴重な機会となりました。

担当教員からのメッセージ

「建築・インテリア構法」は、一級建築士受験資格を取得するために修得すべき「建築一般構造分野・2科目」のうち、基礎的な役割を担う科目となっており、木構造から鉄骨構造、鉄筋コンクリート構造、さらには、屋根や壁、設備などの構法まで、幅広く扱っています。

入学時には、建築やファッション、プロダクトなど、専攻する分野が決まっていた者ばかりではなく、また、高校時に文系クラスに所属していたり、美術を選択していなかったりした学生が多く見受けられる本学科ですが、ここ5年間で多くの建築卒業制作が、全国レベルの学外コンテストなどで20以上の賞を獲得してくれています。これは、まさに各々の学生が基礎的な授業に真摯に取り組み、「決して競わず、楽しむ」ことで着実に身に着けた実力の賜物です。

本講義は、そのような学生を対象としており、2年生の6~7割が受講しています。木構造と鉄骨構造が終わり、鉄筋コンクリート構造の中盤へと差し掛かったタイミングで特別講義が行われました。そこで、㈱奥村組の皆様に木と鉄筋コンクリートの高度なハイブリッド構造を主体的にご教授いただいたことで、各回の講義が面的につながり、受講生の興味がさらに広がったと強く感じております。そして、20分以上の質疑応答時間では足りないほどの多くの質問をだした学生たちが、「設計製図」などの演習科目で本講義の内容を柔軟に活用してくれることを期待せずにはいられません。

このような素晴らしい経験を受講生にもたらしてくださいました㈱奥村組の菅様、村松様、坂本様、さらに、調整に翻弄してくださいました事務局の皆様に担当教員として心より感謝申し上げます。

2026年7月3日

自分の「北極星」を見つけよう!「キャリア・ショーケース」の授業で住友生命の山本浩実氏による特別講義が行われました。

5月28日の、共通教育科目「キャリア・ショーケース」 (担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、住友生命保険相互会社(以下、住友生命)の山本浩実氏による特別講演が行われました。変化の激しい時代でどう自分のキャリアを積み重ねるか、自分の軸を見つけることの重要さを明るく話してくださいました。

ウェルビーイングを目指す保険会社

「『なりたい私』を見つける一歩」をテーマに行われた今回の講演。
山本氏は「失敗談もたくさんあって少し恥ずかしいのですが、堅い話ばかりでは面白くありません。皆さんが将来の選択を考える際の参考になればうれしいです」と笑顔で語り、講演をスタートしました。

住友生命は1907年創業の老舗保険会社で、生命保険や損害保険を扱っています。
山本氏は「保険は万が一に備えるものというイメージが強いですが、今はお客さまのウェルビーイングの実現を目指しています」と説明。「健康で元気に歳を重ねたいという願いは、誰しも思うことですよね」と話しました。
「Vitality」を軸に、健康寿命を延ばすことを通じて社会に貢献する「なくてはならない保険会社」を目指していると語りました。

また、女性社員の割合は約9割と高く、女性が活躍しやすい環境づくりにも注力。
雑誌で「女性が活躍する会社」上位に選ばれたほか、ワークライフバランス部門でも高い評価を受けています。男性の育児休業取得率も100%を達成しており、誰もが働きやすい職場づくりを進めています。

生命保険の営業の魅力を伝えたい

山本氏は2001年、ブライダル業界から住友生命へ転職しました。
そのきっかけは、ご主人のキャリアチェンジ。
プロスポーツ選手として活動していたご主人は、引退後に理学療法士を目指して大学へ進学することを決意されました。応援したい気持ちはありつつ、幼い子どもを2人育てていた当時は家計への不安を感じたといいます。

「そこで、まずは保険について勉強しようと思いました」と振り返ります。
しかし、自分で調べても十分に理解できなかったそう。
そんな時に住友生命との縁があり、入社を決意しました。入社後に保険を本格的に学ぶなかで、「自分の人生を守るためには、自分で考え、選ぶ力が必要だ」という思いが強くなったといいます。
一方で、保険営業にはノルマが厳しいといったネガティブなイメージも。
山本氏は「私たちの仕事は商品を売るだけではなく、人生に潜むさまざまなリスクを伝え、お客さまが安心して暮らせるよう支えること。その価値や魅力をもっと多くの人に知ってほしい」と語りました。

「そこで、まずは保険について勉強しようと思いました」と振り返ります。
しかし、自分で調べても十分に理解できなかったそう。
そんな時に住友生命との縁があり、入社を決意しました。入社後に保険を本格的に学ぶなかで、「生命保険は人生にとってとても大切なものだ」という
思いが強くなったといいます。

リーダーとしての奮闘とキャリアチェンジ

入社後しばらくして、山本氏は愛知中央支社傘下の所長に就任しました。
管理職として部下の育成に取り組みますが、当初は苦労の連続だったと振り返ります。「部下が穴ぼこの中にいる状態」に例え、なんとか引き上げようと上から強く働きかけていました。
しかし、そのやり方では思いが伝わらず、なかには退職してしまう人も。
メンバーと真剣に向き合うなかで、「まずは自分も穴ぼこの中に入り同じ景色を見ながら、下から支えることがマネージャーの役割だ」と気づきます。
「自分の考えを押し付けるのではなく、本人が前に進みたいと思う気持ちを応援することが大切だった」と語りました。

そんな山本氏に大きな転機が訪れます。
営業職の拠点長として、メンバーの育成に尽力していたある日、全国転勤型の総合職への職種変更を打診されたのです。予想もしていなかった話に戸惑い、不安の方が大きかったといいます。
しかし、尊敬する女性の先輩から「女性がその道に進める機会は多くない。あなたに声がかかったのだから挑戦してみたら」と背中を押されました。
さらに父親からも挑戦する大切さを教えられ、新たな一歩を踏み出す決意を固めたことを話されました。

「強みのかけ算」で自分らしい軸を見つけよう

「今は、過去の常識が通用しない予測困難な時代です」と山本氏。
変化のスピードが速いからこそ、過去の成功に頼るのではなく、学び続けながら自分自身を更新していく力が求められると語りました。
では、変化の時代に迷わず進むためには何が必要なのでしょうか。
山本氏は「ブレない軸を持つことが大切です」と話します。「目指すべき北極星を見つけ、その時々の目標を積み重ねながら成長していくことが重要です」と学生たちに伝えました。

その軸を考えるヒントとして紹介されたのが、「WILL(やりたいこと)」「CAN(できること)」「MUST(求められること)」の3つ。
ついやりたいことばかりに目を向けがちですが、自分の強みや周囲から期待される役割もあわせて考えることが大切だと説明しました。
また、「唯一無二の強みを持つ人は多くありません」とした上で、「強みの掛け算」という考え方を紹介。特別な才能がなくても、複数の得意なことを組み合わせれば、自分らしい強みになると語りました。

「就職はゴールではなくスタートです。
自分が何を大切にし、何に喜びを感じるのかを考えながら、自分らしい軸を見つけてほしい」とエールを送り、講演を締めくくりました。

信頼を積み重ね人との関係を築く

学生同士で意見交換の時間が取られた後、山本氏への質疑応答が行われました。
「マネージャー時代に意識していたことは何ですか」という質問に対し、山本氏は「メンバーに何のために働いているのかを聞くようにしていました」と回答。
「何を大切にしているのか、本音の部分を知ることを意識しました。そのためには、こちらも自己開示をしながらコミュニケーションを重ね、信頼関係を築くことが大切でした」と語りました。

また、「誰かの役に立ちたいと思っていても、自分のことで精一杯なときはどうしたら?」という質問には、「余裕がないときもありますよね」と学生に寄り添いながら回答。
「まずは自分のやりたいことにしっかり取り組むこと。そしてアルバイトやボランティアなどを通じて、多様な人と関わる経験を大切にしてほしいと思います」と話しました。

このほかにも学生たちは活発に発言。
自分らしい軸を持ちながらも、変化を恐れず挑戦し続けることの大切さを学ぶ貴重な機会となりました。

担当教員からのメッセージ

山本様は、本年度、初めてご登壇いただきました。
住友生命様には、昨年度からJWP(実践ウェルビーイングプロジェクト)の活動をはじめ、様々な場面でご支援をいただいています。
特にFR(Future Generations Relations)活動、すなわち次世代との関係性を大切に事業を推進されています。
山本様のご経験から、リーダーシップのあり方や、キャリアの築き方など多岐にわたる貴重なお話しをいただき、とても貴重な時間となりました。
山本様に、この場を借りて厚くお礼申し上げます。

2026年6月25日

自分に素直に前向きに!「キャリア・ショーケース」の授業でJFEテクノス社長の能登氏による特別講義が行われました。 

6月11日に「キャリア・ショーケース」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業でJFEテクノス株式会社の能登隆代表取締役社長による特別講義が行われました。リーダーの立場から、大学のうちに身に付けておくといい力など、学生にも身近で将来のためになる話をしてくださいました。

素直で前向きに生きる大切さ

冒頭、能登氏は学生たちに和菓子を配りました。
出身である帯広市で縁のある企業とともに作られたものだそうです。企業の社長による講演と聞いて少し緊張していた学生たちにも笑顔がこぼれました。
能登氏は「昭和、平成、令和を生きてきた一人の人間の話です。何か一つでも皆さんの参考になれば」と語り、講演をスタートしました。

話は能登氏の子ども時代から。
幼少期は、勉強や家の手伝いを頑張って褒められることで、自分の存在価値を感じたと振り返ります。その一方で、期待に応えようとするあまり「良い子」でいようとし、頼まれたことを断れない「カッコつけ」の自分がいたとも話しました。

転機となったのは高校受験の失敗でした。
「失敗するときは失敗する」と受け止め、ありのままの自分で素直に生きようと決意。
その後は冷静に物事を判断できるようになり、「肩の力を抜いて、素直に前向きに生きることが大切だと気づきました」と、自身の経験を学生たちに伝えました。

その時々でモチベーションは変わっていい

大学で燃焼について研究していた能登氏は、その知識を生かせる研究職として、JFEの前身である日本鋼管に入社しました。
入社当初は「学生の延長のような感覚で、お金をもらえるなんていいなと思っていた」と振り返ります。
しかし、年齢とともに責任が増え、仕事の成果が出るまでに時間がかかることへ次第にストレスを感じるようになりました。
「仕事は嫌いではなかったけれど、迷いもありました」と当時を語ります。

そんな時期に支えとなったのが子どもの誕生でした。
「家族のために頑張ろうという気持ちが、大きなモチベーションになりました」と話し、「期待に応えようとするカッコつけの自分がうまく作用した」と笑います。
「仕事のやる気は、その時々で変わっていい。自分を支えてくれるものや、気持ちを切り替える方法を知っておくことが大切です」と学生たちへ伝えました。

その後、30代、40代と着実にキャリアを重ねますが、「役職が上がるほど、やりたい仕事だけではなくなります」と説明。
研究職として入社した後も、総務や経理、電気自動車の新規事業開発など、専門外の仕事を経験しながら視野を広げ、社長へ就任した歩みを紹介しました。

ゼネラリストとエキスパートとは?

能登氏は「会社にはさまざまな部署があり、大きく分けるとゼネラリストとエキスパートがいます」と説明しました。
ゼネラリストは幅広い知識を生かして活躍する人、エキスパートは専門性を磨きその分野で力を発揮する人です。それぞれに向いている役割があり、「皆さんはどちらを目指したいですか」と学生たちに問いかけました。
例えば、経営層を目指すなら幅広い経験を積むゼネラリスト、専門性を高めて長く活躍したいならエキスパートという選択肢があります。将来の自分を思い描きながら仕事を選ぶことも大切だと伝えました。

また、「仕事ではトラブルが起きるのが当たり前です」と能登氏。多くの人や部署と関わるため、意見の違いを調整する場面は避けられません。
しかし、「トラブルを乗り越えることで自信が生まれます」と話します。
「仕事がうまくいけば自信がつき、自信は前向きな気持ちにつながります。成長のスピードは人それぞれ。焦らず自分のペースで経験を積み、自信を育てていってください」と学生たちへエールを送りました。

異人コミュ力を身に付けよう!

能登氏は「社会に出ると、育ってきた環境や価値観が異なる人たちと一緒に働くことになります。親より年上の人と仕事をする機会もあるでしょう」と語り、学生のうちに身に付けてほしい力として、「基礎学力」「聞く力」「異人コミュ力」の3つを挙げました。
基礎学力では、英語でのコミュニケーション力や論理的思考力を身に付けることが重要です。
また、「聞く力」を養うことで、自分とは異なる考え方や価値観を受け入れる姿勢が育まれます。

さらに能登氏は、「異人コミュ力」という独自の考え方を紹介しました。
これは、背景や価値観の異なる人と対話し、互いに協力しながら課題を解決する力のことです。
「無理に苦手な人を好きになる必要はありません。ただ、仕事では相手との一致点を見つけることが大切です。自分の考えを押し通すのではなく、相手に寄り添いながら理解し合う姿勢を身に付けてほしい」と学生たちに呼びかけました。

自分も変われば周りも変わる

講演後は学生同士で感想を共有した後、質疑応答が行われました。
「リーダーとして部下の素直さや前向きな姿勢を引き出すにはどうすればよいですか」という質問に、能登氏は「いい質問ですね。私も悩みます」と感心した様子。
そして、「自分が変われば周りも変わります。まずは自分を知ってもらうことが大切。自己開示して自分が素直でいれば、相手も自然と素直になってくれます」とアドバイスされました。

このほかにも学生たちから多くの質問が寄せられました。
授業の最後には、学生の代表から「働くことの意味を改めて考えた講演でした。初心を忘れず、達成感を得た経験や自分に素直でいることは就職活動においても大事だと感じました」と感謝の言葉が述べられ、講演を締めくくりました。

担当教員からのメッセージ

能登社長は、昨年に続き2回目のご登壇となりました。
最前線で指揮を取られる能登社長のご経験に基づく数々のお話し、お人柄を感じる数々のエピソードも学生の心に響くものばかりした。
能登様には、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

2026年6月8日

「知っている」と「言語化できる」は違う?サイバーエージェントによる、AI活用の最前線とAI時代に求められる力を学ぶ特別講演が行われました。

5月15日、実践女子大学人間社会学部の授業「社会科学におけるソフトウェア設計(担当:社会デザイン学科 今田 一希専任講師)」にて、株式会社サイバーエージェント(以下サイバーエージェント) インターネット広告事業本部 AIクリエイティブ部門の川越寛之氏をお招きし特別講演が行われました。学生は、広告制作やデータ分析などの実例を通してAI活用の最前線を学ぶとともに、『知っていること』と『言語化できること』の違いや、AI時代に求められる力について理解を深めました。

授業と連携企業について

「社会科学におけるソフトウェア設計」は、人間社会学部の3年生を対象に開講されている専門科目です。現代社会でさまざまな場面で活用されているデジタル技術の中でも、ソフトウェアによる課題解決に注目。特に、生成AIを活用した実際の課題解決をテーマの中心に据え、学生たちはソフトウェア設計に挑戦します。

今回の授業では、Abemaなどの動画配信サービスを始め多様なクリエイティブ事業を行っているサイバーエージェントから、インターネット広告事業本部 AIクリエイティブ部門の川越寛之氏をお招きし、インターネット広告の現場で活用されているAIについて、そしてAIを活用するために必要な力について、体験型のワークを交えながらご講演いただきました。

川越氏は「サイバーエージェントではインターネット広告の作成にAIを活用しています。AIの導入や技術的なアップデートの結果、広告を制作する人員の大幅なスリム化が行われました」と説明。どうしてインターネット広告でAIが活用されているか、業界の特徴や傾向のお話から講演がスタートしました。

インターネット広告の仕組みとAIの需要

川越氏は、「広告業界の中心はインターネットです」と説明。インターネット広告では、広告がどれだけ多くのユーザーに見られたり、クリックされたりしているかといった〈品質評価〉が、広告掲載において重要な指標になると話しました。

また、広告の効果は掲載直後に高まるものの、その後は徐々に低下していく傾向があることを紹介。「広告効果が下がると品質評価も低下するため、良い広告を維持するには継続的な更新が必要です」と説明しました。

さらに、品質評価を高めるためには、ターゲットに合わせてさまざまなパターンの広告を作成する必要があると解説。「効果的な広告運用のために100本程度の広告パターンが必要な場合もあり、人の手による制作だけでは対応しきれない量になっています」と話しました。

加えて、AIは広告の制作だけでなく、広告効果の予測にも活用されていることを紹介。「判断をAIに任せることで、データに基づいた客観的な分析が可能になりました。その結果、広告効果は導入前と比べて2倍以上に向上しています」と説明しました。

“AIっぽくない”正体は言語化にあり

実際に川越氏がAIで生成した動画を学生に披露しました。動画では、女性が画面に向かって「実践女子大学の皆さん、こんにちは」と語りかけます。この女性の映像だけでなく、音声もAIによって生成されたものだといいます。自然で“AIらしさ”を感じさせない動画に、学生たちからは驚きのリアクションが上がりました。

違和感のない生成動画について、川越氏は「つくるためには言語化が大切です」と説明。生成AIは、プロンプトと呼ばれるユーザーからの指示文をもとに、文章や画像、動画などを生成する仕組みです。

「例えば、この動画の『ピントがぼけている状態から徐々に合っていく』という演出も、プロンプトによって指示しています」と紹介。映像の状況や動きを正確に言葉で表現し、プロンプトとして入力することで、より自然な動画を生成できると述べました。

さらに川越氏は、「生成AIは人間が入力したプロンプトによって出力結果が決まります。100本のバリエーションもプロンプトによって作り出されており、“AIで手作り”されているんです」と説明。動画素材そのものはAIが生成していても、どのような動画をつくるのかを考え、指示を与えているのは人間であることを紹介しました。

AIと並走する制作作業と言語化

川越氏は「AIを活用するにあたって言語化は非常に重要ですが、プロンプトとして入力できるほど自分でははっきりと言語化できていない要素も活用していくことが、今後重要になってくるのではと感じています」と話し、学生に「自分の理想の服」を生成してみるワークを提示しました。

ワークでは、「自分の理想の服」をテーマに生成AIを活用。学生は理想に近い服の画像をAIに提示し、画像に含まれる特徴やデザイン要素を言語化しました。続いて、生成された文章をもとに、画像生成用のプロンプトを生成。完成したプロンプトを用いて画像生成を行いました。

学生たちは、画像の言語化からプロンプト作成までのプロセスにAIを活用することで、自分の中にあるイメージを具体的な形として表現する体験をしました。

講演の終わりに

川越氏は最後に、「“知っていること”と“言語化できること”はイコールではありません」と話します。ワークで体験したように、言葉にできないイメージであっても、AIを活用することで表現につなげることができると説明しました。

また、自身が好きなゾンビ映画を例に挙げ、「好きな作品であれば、どのシーンが魅力的で、何がどのように動くのかを具体的にイメージできます。しかし、そのイメージは自分が持っているものであり、AIは持っていません。AIに再現させるためには、自分のイメージを伝える必要があります」と解説。

さらに、学生がワークを通じて体験した“知っていること”と“言語化できること”の関係性に再び触れ、「“知っていること”を増やし、自分の引き出しを豊かにすることで、AIを十分に活用できる力を身に付けることができます。大学生活の中で、自分の好きなことや興味のあることについて知識を深めてほしい」と学生へ呼びかけ、講演を締めくくりました。

担当教員からのメッセージ

この講義は、AIの利活用についてをテーマとしています。

「AIの利活用」に限らず、データサイエンスなど私が講義で担当しているテーマは須らく、座学で理屈を知っても有用性や利便性に気づくことは難しく、実際に自分で使ってみたり、学生自身の身近で利用されている実例を実際に見聞きすることで、初めて価値を感じられるのではないかと考えています。

今回、川越様にはSNSなど学生の身近なことに対してAI技術が利活用されている実例をお話しいただき、演習を交えて実際に使ってみることを体験させていただきました。

心より御礼申し上げます。

受講生たちには、ご講演や講義を通じて「AIというよくわからないけど凄いっぽい新技術」から「AIという自分をサポートし、アイデアを具体化するツール」へ昇華させ、今後社会で求められるであろうスキルを持った人材への成長の一助としてほしいなと思います。

2026年6月1日

JALふるさとアンバサダーってどんな仕事?「実践プロジェクトa」の授業でJALとの特別コラボ授業が始まりました。 

5月11日に日野キャンパスにて、「実践プロジェクトa」(担当:村山 浩一特任教授)の授業で、株式会社JAL航空みらいラボとの特別コラボ授業が開始されました。この日はオリエンテーションとして、日本航空株式会社(以下、JAL)の地域活性化の取り組みについて学びました。授業の最後には企業から課題が出され、学生たちはグループワークに取り組みます。

社員の幸福を大切にする

JAL航空みらいラボは、2024年に設立されたJALグループの新会社。航空分野で培った知識や経験を活かし、大学との連携にも力を入れています。
今回登壇したのは、長年客室乗務員として活躍されている戸田亜希氏、塩崎雅子氏、そして札幌からオンライン参加した水上みのり氏の3名。
塩崎氏は「学生の皆さんと関わることで、新しい発想に刺激を受けています。私たちにとっても学びの多い時間です」と話し、講義がスタートしました。

まず戸田氏から、JALについての紹介がありました。
JALは1951年に設立。現在は日本航空で初となる女性社長が経営を担っています。
主な事業は航空運送ですが、物流や金融など幅広い分野にも挑戦しています。
「コロナ禍で旅客需要が大きく減少した経験から、航空以外の事業強化にも取り組んでいる」と話されました。

さらに紹介されたのがJALの企業理念。
その中には「全社員の物心両面の幸福を追求する」という言葉があります。
戸田氏は「利益だけでなく、社員がやりがいや誇りを持って働けることを一番に大切にしている」と説明しました。
安全運航を支えるためにも、社員一人ひとりが前向きに働ける環境づくりが重要。そのためにも、社員全員の幸せが大切だと考えているのです。

JALが取り組む地域活性化とは?

JALでは、サステナブルでウェルビーイングな未来を目指し、「JALビジョン2035」を掲げています。
テーマは「安全・安心」「心に響く出会いと体験」「関係・つながりの創造」の3つ。
今回の授業は、その中の「関係・つながりの創造」に大きく関わります。
戸田氏は「地域活性化とは何をすることだと思いますか?」と学生たちに問いかけます。地域活性化とは、単にイベントなどで盛り上げることではありません。地域で安心して暮らせる環境を整え、将来にわたって活力ある社会を維持していくことだと説明しました。

では、なぜJALが地域活性化に取り組むのでしょうか。
戸田氏は「航空業界は、人やモノの移動によって成り立っています」と話します。地域が元気になることで移動も増えることは、JALにとっても大きなメリットがあります。
JALの強みである「移動」を活かし、人と地域をつなぐ役割を担っているのです。

JALふるさとアンバサダーって?

JALが行う地域活性化の取り組みのひとつに、「JALふるさとアンバサダー」があります。
これは、地域のために働きたいという思いを持つ客室乗務員のこと。各地に移住しながら地域の魅力発信や活性化に取り組む活動を行っています。
ここからは、実際に札幌でアンバサダーとして活動する水上氏がオンラインで登壇しました。
水上氏は客室乗務員として全国を飛び回っていましたが、地域事業本部への異動をきっかけに観光開発に携わるようになると、「もっと地域に深く関わりたい」と感じるように。
その思いから、出身地である札幌のふるさとアンバサダーに手を挙げたと話しました。

JALふるさとアンバサダーは2020年に始まり、現在は23名が全国各地で活動しています。実際にその土地で暮らしながら、地元では当たり前になっていて気づかれていない魅力を掘り起こしていくのが大きな役割。
水上氏は「地域のリアルな声を大切にしながら、CAとして培ったおもてなしの経験を活かしています」と話しました。

活動内容は、地元食材を使った商品開発や観光PRなどさまざま。
特徴的なのが、生産から加工、販売までを一気通貫で行う「6次産業」である点です。アンバサダー自ら実際に現地へ何度も足を運び、人とのつながりを築きながら、新たな地域の価値を生み出しています。

地域の未来を考える課題に挑戦!

水上氏は学生たちへ「もし皆さんがJALふるさとアンバサダーだったら、地域のために何をしますか?」と問いかけました。地域活性化は「楽しかった」で終わらせず、その後もどう継続していくかを考えることが大切です。
そのため「今回の課題でも、どうすれば人に楽しんでもらえるかと、どうすれば持続可能な取り組みにできるかの両方を意識してほしい」と呼びかけました。

続いて戸田氏から課題内容が発表されました。
テーマは「JALふるさとアンバサダーの視点で、地域に寄り添いながら魅力を発信する企画を考える」というもの。
地域選びから学生自身が行い、「なぜJALが関わる意味があるのか」「地域にどんなメリットがあるのか」まで考える必要があります。
さらに、既存のアイデアではなく、独創性のある企画であることも求められました。

なかなかの難問に、学生からは「理想的なアイデアを、持続可能なビジネスとして成立させるにはどんな視点が必要ですか」という質問も。
これに対し塩崎氏は、地域名産を使った商品の包装作業を障害のある方に依頼し、新たな雇用につなげた事例を紹介。
「その商品だけで利益を出すのではなく、地域にどんな価値を生み出せるか、どんな課題解決につながるかを考えることが大切」とアドバイスされました。

学生たちは3班に分かれ、地域の魅力や課題について議論を重ねながら企画づくりに挑戦。
7月の最終プレゼンテーションに向け、グループワークを進めていきます。

担当教員からのメッセージ

「高校の授業とは全く進め方が違っていて驚いた」「実践的な授業を初めて受け、大変有意義に思う」――。戸田亜希様、塩崎雅子様、水上みのり様にきめ細かくご指導いただき、学生にとって大変よい刺激となりました。受講生は、いずれも実践女子大学に入学したばかりの1年生。実践的な学びを楽しんでいます。
戸田様をはじめ3名の方々からは、「地域に寄り添い、地域の魅力を伝える企画を考える」という課題をいただきました。これに対して、学生らは「人とのつながりを大切にしながら、長期的な地域活性化につながるアイデアを練っていきたい」と意気込んでいます。キャリア自律が重視される時代に、このような社会連携プロジェクト型の授業に協力いただき、心から感謝申し上げます。