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2026年8月6日

キャリアを積み重ねて輝こう!「キャリア・ショーケース」の授業で日本マナー・プロトコール協会理事長による特別講演が行われました。 

7月9日に共通教育科目「キャリア・ショーケース」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、日本マナー・プロトコール協会の明石伸子理事長をお迎えしての特別講演が行われました。明石氏は人間関係を大事にすることで、「キャリアも人生も自ら切り拓く」ことができると明るくお話くださいました。

山あり谷ありの人生で築いたキャリア

司会進行は、「キューブ」と呼ばれる学生グループが担当。

学生から紹介を受けて登壇した明石氏は、「若いうちからキャリアについて考えることはとても大切です」と、自身の経験を交えながら講演を始めました。
「私が学生だった頃は、大学でキャリア教育を受ける機会もなく、私自身も将来について深く考えていませんでした」と振り返ります。大学卒業時は第二次オイルショックによる不況の影響で就職活動は厳しく、ちょうど客室乗務員を積極採用していたJALに運よく就職できました。

その後、結婚を機に退職し、出産後に離婚を経験。
「当時は離婚が大きな挫折で、将来への不安や劣等感を抱えていました」と語ります。
転機となったのは、ベンチャー企業で秘書として働いたことでした。さまざまな企業の立ち上げに携わる中で、「会社は自分たちでもつくれる」という考えを持つようになり、その経験を生かして日本マナー・プロトコール協会の設立にも挑戦。
「自分でキャリアを計画してきたわけではありませんが、振り返ると一つひとつの経験を積み重ねて今につながっています」と話しました。

どんな会社が良い会社?

現在は人材不足を背景に、就職活動は学生優位の「売り手市場」と言われています。
しかし明石氏は、「皆さんもコロナ禍を経験したように、社会はいつ大きく変化するか分かりません」と話します。社会情勢はキャリアに大きく影響するため「社会の動きに関心を持ち、自分と結び付けて考えてほしい」と呼びかけました。

続いて、事前課題として調べてきた企業について確認。
「皆さんが知っている企業は、なぜ知っているのでしょうか」と問いかけます。学生が挙げた企業の多くは、消費者向けの商品やサービスを提供する「BtoC」企業でした。
一方で、企業間取引を行う「BtoB」企業や、消費者同士をつなぐ「CtoC」企業など、世の中にはさまざまな企業があることを紹介しました。

「日本には約370万社の企業があります。知名度が高いことだけが良い会社の条件ではありません」と明石氏。
また、女性活躍を支援する企業の認定制度「えるぼし」や「くるみん」を確認することも、企業選びの参考になると説明しました。
「新卒で入社できる会社は一社だけです。幅広く企業を知り、自分に合った会社を見つけてください」と語り掛けました。

未来が決まっていないことは選択肢がたくさんあるということ

明石氏が「就職活動に不安を感じている人はいますか」と尋ねると、多くの学生が手を挙げました。「先が見えないと不安になりますよね」と共感しながらも、「将来が決まっていないということは、それだけ選択肢があるということです」と前向きな考え方を紹介。
「何もしなければ不安は変わりません。まずは行動して情報を集め、自分に合う会社を見つけていきましょう」と学生たちを励ましました。

また「キャリアが大切と言われますが、専業主婦も立派な生き方です」と話し、自分に合った働き方や生き方を選ぶことの大切さを強調。
「自分がどんなタイプで、どんな人生を送りたいのかを知ることで、迷いも少なくなります」と語りました。
「今は企業も仕事も多様化し、一つの仕事を一生続ける時代ではなくなりました」と説明。
一方で「転職しやすい時代だからこそ、すぐに辞めるのではなく、まずは続けてみることも大切です」と助言しました。「無理をする必要はありませんが、厳しい環境で取り組んだ経験は、必ず自分の成長につながります」。

自分の頼りになるひとは?

最後に明石氏は、「人間関係を大切にすることも、キャリアを築くうえで欠かせません」と話し、自分の周りに「メンター」「モデラー」「サポーター」を持つことを勧めました。メンターは助言や励ましをくれる人、モデラーは目標となるロールモデル、サポーターはどんな時も支えてくれる存在です。
「困ったときに相談したり頼れたりする人がいることで、前向きに進んでいけます」と語りました。
また、人に好かれる要素として「明るさ」「元気」「素直さ」の大切さも伝えました。

さらに、「これからの人生で最も長い時間を過ごす場所は、職場です。だからこそ、自分に合った職場で充実して働くことが、豊かな人生につながります」と話します。
そして、「皆さんはまだ磨かれていない原石です。どう磨き、自分らしく輝くかが大切です。
ぜひ、自分らしい未来を切り開いてください」と学生たちにエールを送り、講演を締めくくりました。

信頼を築き人間関係を深めていこう

授業の最後には質疑応答が行われました。
「メンターやモデラー、サポーターはどう見つければよいですか」という質問に、明石氏は「一緒にいて楽しい、すごいと思うだけでなく、その人が自分にどんな影響を与えてくれる存在なのかを意識してみると、自然に見つかります」とアドバイスしました。

また、アルバイトで後輩指導に悩む学生から「好感度を下げずに指導するには」と質問されると「伝えるべきことはきちんと伝えることが大切です。
好感度とはいつも笑顔でいることではなく、相手を思って伝えること。信頼関係があれば、多少厳しい指摘でも相手はきちんと受け止めてくれるはずです」と答えました。

このほかにも多くの質問が寄せられ、学生たちにとって、自分らしいキャリアの築き方や人との関わり方について学ぶ貴重な機会となりました。

担当教員からのメッセージ

今年の最後のゲストとして、日本マナー・プロトコル協会理事長の明石伸子様にお越しいただきました。
「よい人間関係を築けるような人になってください。それはきっと人生の大きな“財産”になるはずです。」
「あなたが、魅力的で人から好かれる存在であって欲しいと、心より願っています。」
このメッセージは、私がこの授業を通じ、学生に伝えたかった本質でもありました。
そのような大切なことを教えて下さった明石様に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

2026年8月6日

自分をほめてポジティブ思考で人生を切り開く!「キャリア・ショーケース」の授業で元資生堂役員の関根近子氏による特別講義が行われました。 

6月25日に、共通教育科目「キャリア・ショーケース」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業に株式会社資生堂(以下、資生堂)の元執行役員常務として活躍された株式会社Bマインド代表・関根近子氏をお迎えしての特別講演が行われました。前向きに人生を過ごすエッセンスを、学生たちに向け明るくお話下さいました。

人を大切にする会社との出会い

登壇された関根氏は、「毎年この講演を楽しみにしています。学生の皆さんからいつもパワーをもらっています」と笑顔であいさつ。
「今回は、私自身が実践してきたことで、仕事も人生も充実させることができたと感じるエッセンスをお伝えします」と話し、講演をスタートしました。

テーマは「仕事もプライベートも輝いて生きる」。
関根氏は「どちらか一方だけではなく、どちらも充実していることが大切です。嫌なことや大変なこともありますが、それも前向きに楽しめるヒントをお伝えしたいと思います」と学生たちに語りかけました。

高校卒業後は資生堂に美容部員として入社。
「資生堂に入って一番良かったのは、人を大切にする会社だったことです」と振り返ります。
会社が掲げる「Human Centric」の考え方のもと、お客様だけでなく従業員の幸せも大切にする企業文化を実感したといいます。
そして、「就職活動では仕事内容だけでなく、企業理念や『人を大切にする会社かどうか』にも目を向けてほしい」と、学生たちへアドバイスしました。

自身の技術で他人を喜ばせるやりがい

関根氏は高校で教師を目指していましたが、家族の事故をきっかけに家計を支えるため資生堂へ入社しました。美容部員として3年間働いた後、百貨店の特設ブースで接客販売を行うプロモーションチームへ異動。
しかし、「お客様に歓迎されない仕事で、誇りを持てなくなった」と振り返ります。ノルマに追われるなかで、仲間の成功を喜べない自分にも嫌気が差していたといいます。

そんなとき、上司から「商品を売るのではなく、3分間でメイク技術を提供しなさい」と助言を受けました。
一人ひとりに合った提案を続けた結果、数か月後、お客様から「いいものを教えてくれてありがとう」と感謝の言葉をもらいます。
「本当にうれしくて日記に書きました」と関根氏。自分の力で誰かに喜んでもらえることが、仕事のやりがいだと気付いた瞬間でした。

その後は、より良い接客を目指して技術を磨くだけでなく、礼儀作法やペン字、話し方も自ら学ぶように。
「上司に言われたからではなく、自分で必要だと思って学びました」と関根氏。
リスキリングが注目される今だからこそ「自分から学び、強みを育てることが大切です」と語り、目標を定めて今出来ることを分析し、出来ないことをどう伸ばすかを考える大事さを学生たちに伝えました。

自分を変えた思考との出会い

その後、関根氏は美容部員から営業職へ異動します。
美容部員の仕事にやりがいを感じていただけに、不本意でした。
さらに上司との関係がうまくいかず、家庭でも義母との関係に悩み、大きなストレスを抱えていたといいます。

転機となったのは、プラス思考について学ぶ講義との出会いでした。
当初は「今さら考え方なんて変わらない」と半信半疑でしたが、話に引き込まれ、夢中でノートを取りながら「自分も変わりたい」と強く感じたそうです。
講義で最初に伝えられた言葉は、「今日は残りの人生で一番若い日」。その言葉に「今日から変わろうと思えば、ここから人生を変えられる」と気付いたと振り返ります。
それをきっかけに営業への向き合い方や家庭での考え方も変化。
「ポジティブ思考とは、嫌なことから目を背けることではなく、困難な状況でも解決策を探そうとする姿勢です」と学生たちに伝えました。

講演の最後には、「皆さんは自分のことが好きですか」と問いかけました。
「人生で一番長く付き合う相手は自分です。嫌いだとつらいですよね。自分で自分をほめましょう。強みを育てることが自信につながり、自分を好きになる第一歩です」と温かいエールを送りました。

自分を信じて行動する大切さ

授業の最後には質疑応答が行われました。
接客のアルバイトをしている学生からは、「気持ちが落ち込んでいるときに良い接客ができません」という相談が。
関根氏は「気持ちを無理に切り替えようとするのではなく、自分はプロだと意識すること。プライベートを持ち込まず、笑顔で相手に安心してもらうことを大切にしましょう」とアドバイスしました。

また、「自分では良いと思っていても、周囲の評価が違うときはどうすればいいですか」という質問には、「まずは他人からはそう見られているのだと認識すること」と回答。
その上で「最終的には自分を信じることも必要です。周囲の意見を受け止めつつ、自分が正しいと信じたことは自信を持って行動してください」と学生たちにエールを送りました。

このほかにも多くの質問が寄せられ、活発な意見交換が行われました。
学生たちにとって、自分らしく前向きに人生を切り開くためのヒントを得られる有意義な講演となりました。

担当教員からのメッセージ

今年も引き続き関根をお迎えいたしました。
毎年お会いするたびに、生き生きさが増していく関根さん、ご自身のお姿から、
すでにポジティブさを感じますが、今年のお話しも、ポジティブ思考に繋がるものばかりでした。
そして、「主体的に生きること、自分の人生は自分がつくる。自分の人生のプロデューサーは自分である。」
というお言葉をいただき、学生にとっても、素晴らしいロールモデルとして、心に刻まれることと思います。
関根様にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。

2026年7月6日

木造建築が注目されている背景とは?「建築・インテリア構法」の授業でゼネコンの奥村組による特別講義が行われました。 

6月13日、「建築・インテリア構法」(担当:環境デザイン学部環境デザイン学科・内藤将俊教授)の授業で、株式会社奥村組による特別講義が開催されました。建築業界の最前線で活躍する企業から直接話を聞ける貴重な機会に、学生たちは熱心に耳を傾けていました。

建築を通して地域に貢献する会社

はじめに採用グループの坂本悠月氏が登壇し、奥村組について紹介しました。
奥村組は1907年創業の総合建設会社(ゼネコン)で、博物館や高層ビル、学校などの大規模建築を手掛けています。自治体や企業、国などから工事を受注し、多くの専門業者と連携します。
坂本氏は「一社だけで仕事が完結することはなく、多くの人と協力してつくり上げるところが建築の面白さです」と説明しました。

奥村組は「堅実経営」「誠実施工」を理念に掲げ、安全性と品質を重視した施工で高い信頼を獲得しています。
なかでも、トンネル工事に用いられるシールド工法やビルの免震技術など、高度な技術力に強みを持っています。
坂本氏は「施工を通して地域やまちづくりに貢献できることも、この仕事の大きな魅力です」と語り、建設業の社会的な役割についても紹介しました。

今が木材資源のつかいどき!?

続いて建築設計統括部の菅正和氏が登壇。
授業の前に学生たちの課題や提出物に目を通したことを明かし、「建築への情熱が伝わってきました」とコメント。
「建築を学び続けるうえで、何より大切なのは建築が好きだという気持ちです」と学生たちを激励しました。

ここからは「なぜ今、中大規模の木造建築が増えているのか」をテーマに講義がスタートしました。
木造建築が注目されている背景には、日本の森林資源の多くが資材に適した時期を迎えていることがあります。
さらに建築技術の進歩によって、これまで難しかった中大規模の木造建築も実現できるようになりました。
一方で、安価な海外産木材の流入により、国内の林業や木材産業は縮小傾向にあるのが現状です。こうした課題を受け、国は森林資源の有効活用や地域活性化を目的として木造建築の普及を後押ししているのです。
菅氏は、木造建築の広がりが環境面だけでなく、日本の林業や地域社会の未来にも深く関わっていることをわかりやすく説明されました。

社員寮で理想の木造建築を実現

奥村組でも積極的に木造建築の取り組みを進めています。
これまでに三重県の熊野古道センターや千葉県内の中学校など、中規模木造建築を手がけ、高い評価を得てきました。
しかし、建物を土台からすべて木材で造る場合、コストや工期が大きな課題となります。
そこで奥村組が採用しているのが、木材と鉄筋コンクリートを組み合わせる「ハイブリッド構法」です。木の温かみや環境性能と、鉄筋コンクリートの強度や施工性を両立させることで、合理的な建築を実現しています。

その代表例として紹介されたのが、西川口にある奥村組の社員寮です。
建物は8階建てで、1〜2階部分は鉄筋コンクリート造とし、免震システムも導入。上部の居住フロアは木造と鉄筋コンクリート造のハイブリットで構成されています。
さらに、木造ならではの快適さを活かす工夫も随所に施されています。
例えば耐火性能を確保するための壁紙で木材を覆ってしまうのではなく、石こうボードの上から木材を仕上げ材として使用することで、木の香りや質感を感じられる空間を実現。
「安全性と両立させながら、人に優しい木造の良さを活かすことも大切にしています」と菅氏は語りました。

実験や試験に裏打ちされた評価

奥村組の大きな強みの一つが、自社で研究や試験を行える体制です。
菅氏は、耐火性能や構造強度に関する実験を自社研究所で繰り返し実施していることを紹介しました。実験によって、安全性や性能が確認された技術だけを実際の建築に採用しているのです。
特に木材は鉄やコンクリートと比べてどうしても火に弱いもの。そのため、火災発生時に熱がどのように伝わるのか、どれくらいの時間で燃焼が進むのか、安全に避難できる時間を確保できるのかなど、さまざまな条件を想定した検証が行われています。
西川口の社員寮についても、木と鉄筋コンクリートを組み合わせたハイブリッド構法の採用が決まった後、実際に安全かつ確実に施工できるかを何度も試験したうえで建設が進められたと語られました。

こうして完成した社員寮は、その先進性やデザイン性が高く評価され、グッドデザイン賞やウッドデザイン賞など数々の賞を受賞しています。
また、設計に携わったメンバーの一人が女性設計者であることも紹介されました。
菅氏は「設計者や工事主任など、建築業界では女性の活躍が目覚ましい。弊社も意匠設計の新入社員の約半数が女性です。」と説明し、「皆さんもぜひ建築の世界で活躍してほしい」と学生たちへ力強いエールを送りました。

建築最前線のリアルを学べた講演

講演後には学生から寄せられた質問をもとに質疑応答が行われました。
「木造建築は今後どこまで高層化できるのでしょうか」という質問に対し、菅氏は「技術的には30階を超える建物も可能でしょう」と回答。
一方で、「需要に見合う木材の供給がまだ十分ではありません。今後の林業の発展が鍵になる」と説明されました。

また、「社員寮の写真では立面に設備機器が見当たらずとてもすっきりしていましたが、どのような工夫をしているのですか」という質問には、「プロのような鋭い質問ですね」と感心した様子。
菅氏は、居住空間を広く見せるため、配管などの設備を中廊下側にまとめて配置していることを紹介し、設計上の工夫について解説してくださいました。

さらに、「今後の建築業界で求められる人材とは」という質問には、人財戦略部の村松敬哲氏が回答。
「前向きに取り組める人です。仕事はやりたいことばかりではありません。大変なことや難しい課題にも前向きに挑戦する人は周囲から信頼され、チームにも良い影響を与えます」と語りました。
加えて、「皆さんの授業への取り組みも非常に前向きで、私たちも刺激を受けました」と学生たちへエールを送りました。

建築技術の最前線から業界が求める人物像まで、現場で活躍する社会人のリアルな声に触れることができ、学生たちにとって学びの多い貴重な機会となりました。

担当教員からのメッセージ

「建築・インテリア構法」は、一級建築士受験資格を取得するために修得すべき「建築一般構造分野・2科目」のうち、基礎的な役割を担う科目となっており、木構造から鉄骨構造、鉄筋コンクリート構造、さらには、屋根や壁、設備などの構法まで、幅広く扱っています。

入学時には、建築やファッション、プロダクトなど、専攻する分野が決まっていた者ばかりではなく、また、高校時に文系クラスに所属していたり、美術を選択していなかったりした学生が多く見受けられる本学科ですが、ここ5年間で多くの建築卒業制作が、全国レベルの学外コンテストなどで20以上の賞を獲得してくれています。これは、まさに各々の学生が基礎的な授業に真摯に取り組み、「決して競わず、楽しむ」ことで着実に身に着けた実力の賜物です。

本講義は、そのような学生を対象としており、2年生の6~7割が受講しています。木構造と鉄骨構造が終わり、鉄筋コンクリート構造の中盤へと差し掛かったタイミングで特別講義が行われました。そこで、㈱奥村組の皆様に木と鉄筋コンクリートの高度なハイブリッド構造を主体的にご教授いただいたことで、各回の講義が面的につながり、受講生の興味がさらに広がったと強く感じております。そして、20分以上の質疑応答時間では足りないほどの多くの質問をだした学生たちが、「設計製図」などの演習科目で本講義の内容を柔軟に活用してくれることを期待せずにはいられません。

このような素晴らしい経験を受講生にもたらしてくださいました㈱奥村組の菅様、村松様、坂本様、さらに、調整に翻弄してくださいました事務局の皆様に担当教員として心より感謝申し上げます。

2026年7月3日

自分の「北極星」を見つけよう!「キャリア・ショーケース」の授業で住友生命の山本浩実氏による特別講義が行われました。

5月28日の、共通教育科目「キャリア・ショーケース」 (担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、住友生命保険相互会社(以下、住友生命)の山本浩実氏による特別講演が行われました。変化の激しい時代でどう自分のキャリアを積み重ねるか、自分の軸を見つけることの重要さを明るく話してくださいました。

ウェルビーイングを目指す保険会社

「『なりたい私』を見つける一歩」をテーマに行われた今回の講演。
山本氏は「失敗談もたくさんあって少し恥ずかしいのですが、堅い話ばかりでは面白くありません。皆さんが将来の選択を考える際の参考になればうれしいです」と笑顔で語り、講演をスタートしました。

住友生命は1907年創業の老舗保険会社で、生命保険や損害保険を扱っています。
山本氏は「保険は万が一に備えるものというイメージが強いですが、今はお客さまのウェルビーイングの実現を目指しています」と説明。「健康で元気に歳を重ねたいという願いは、誰しも思うことですよね」と話しました。
「Vitality」を軸に、健康寿命を延ばすことを通じて社会に貢献する「なくてはならない保険会社」を目指していると語りました。

また、女性社員の割合は約9割と高く、女性が活躍しやすい環境づくりにも注力。
雑誌で「女性が活躍する会社」上位に選ばれたほか、ワークライフバランス部門でも高い評価を受けています。男性の育児休業取得率も100%を達成しており、誰もが働きやすい職場づくりを進めています。

生命保険の営業の魅力を伝えたい

山本氏は2001年、ブライダル業界から住友生命へ転職しました。
そのきっかけは、ご主人のキャリアチェンジ。
プロスポーツ選手として活動していたご主人は、引退後に理学療法士を目指して大学へ進学することを決意されました。応援したい気持ちはありつつ、幼い子どもを2人育てていた当時は家計への不安を感じたといいます。

「そこで、まずは保険について勉強しようと思いました」と振り返ります。
しかし、自分で調べても十分に理解できなかったそう。
そんな時に住友生命との縁があり、入社を決意しました。入社後に保険を本格的に学ぶなかで、「自分の人生を守るためには、自分で考え、選ぶ力が必要だ」という思いが強くなったといいます。
一方で、保険営業にはノルマが厳しいといったネガティブなイメージも。
山本氏は「私たちの仕事は商品を売るだけではなく、人生に潜むさまざまなリスクを伝え、お客さまが安心して暮らせるよう支えること。その価値や魅力をもっと多くの人に知ってほしい」と語りました。

「そこで、まずは保険について勉強しようと思いました」と振り返ります。
しかし、自分で調べても十分に理解できなかったそう。
そんな時に住友生命との縁があり、入社を決意しました。入社後に保険を本格的に学ぶなかで、「生命保険は人生にとってとても大切なものだ」という
思いが強くなったといいます。

リーダーとしての奮闘とキャリアチェンジ

入社後しばらくして、山本氏は愛知中央支社傘下の所長に就任しました。
管理職として部下の育成に取り組みますが、当初は苦労の連続だったと振り返ります。「部下が穴ぼこの中にいる状態」に例え、なんとか引き上げようと上から強く働きかけていました。
しかし、そのやり方では思いが伝わらず、なかには退職してしまう人も。
メンバーと真剣に向き合うなかで、「まずは自分も穴ぼこの中に入り同じ景色を見ながら、下から支えることがマネージャーの役割だ」と気づきます。
「自分の考えを押し付けるのではなく、本人が前に進みたいと思う気持ちを応援することが大切だった」と語りました。

そんな山本氏に大きな転機が訪れます。
営業職の拠点長として、メンバーの育成に尽力していたある日、全国転勤型の総合職への職種変更を打診されたのです。予想もしていなかった話に戸惑い、不安の方が大きかったといいます。
しかし、尊敬する女性の先輩から「女性がその道に進める機会は多くない。あなたに声がかかったのだから挑戦してみたら」と背中を押されました。
さらに父親からも挑戦する大切さを教えられ、新たな一歩を踏み出す決意を固めたことを話されました。

「強みのかけ算」で自分らしい軸を見つけよう

「今は、過去の常識が通用しない予測困難な時代です」と山本氏。
変化のスピードが速いからこそ、過去の成功に頼るのではなく、学び続けながら自分自身を更新していく力が求められると語りました。
では、変化の時代に迷わず進むためには何が必要なのでしょうか。
山本氏は「ブレない軸を持つことが大切です」と話します。「目指すべき北極星を見つけ、その時々の目標を積み重ねながら成長していくことが重要です」と学生たちに伝えました。

その軸を考えるヒントとして紹介されたのが、「WILL(やりたいこと)」「CAN(できること)」「MUST(求められること)」の3つ。
ついやりたいことばかりに目を向けがちですが、自分の強みや周囲から期待される役割もあわせて考えることが大切だと説明しました。
また、「唯一無二の強みを持つ人は多くありません」とした上で、「強みの掛け算」という考え方を紹介。特別な才能がなくても、複数の得意なことを組み合わせれば、自分らしい強みになると語りました。

「就職はゴールではなくスタートです。
自分が何を大切にし、何に喜びを感じるのかを考えながら、自分らしい軸を見つけてほしい」とエールを送り、講演を締めくくりました。

信頼を積み重ね人との関係を築く

学生同士で意見交換の時間が取られた後、山本氏への質疑応答が行われました。
「マネージャー時代に意識していたことは何ですか」という質問に対し、山本氏は「メンバーに何のために働いているのかを聞くようにしていました」と回答。
「何を大切にしているのか、本音の部分を知ることを意識しました。そのためには、こちらも自己開示をしながらコミュニケーションを重ね、信頼関係を築くことが大切でした」と語りました。

また、「誰かの役に立ちたいと思っていても、自分のことで精一杯なときはどうしたら?」という質問には、「余裕がないときもありますよね」と学生に寄り添いながら回答。
「まずは自分のやりたいことにしっかり取り組むこと。そしてアルバイトやボランティアなどを通じて、多様な人と関わる経験を大切にしてほしいと思います」と話しました。

このほかにも学生たちは活発に発言。
自分らしい軸を持ちながらも、変化を恐れず挑戦し続けることの大切さを学ぶ貴重な機会となりました。

担当教員からのメッセージ

山本様は、本年度、初めてご登壇いただきました。
住友生命様には、昨年度からJWP(実践ウェルビーイングプロジェクト)の活動をはじめ、様々な場面でご支援をいただいています。
特にFR(Future Generations Relations)活動、すなわち次世代との関係性を大切に事業を推進されています。
山本様のご経験から、リーダーシップのあり方や、キャリアの築き方など多岐にわたる貴重なお話しをいただき、とても貴重な時間となりました。
山本様に、この場を借りて厚くお礼申し上げます。

2026年6月8日

「知っている」と「言語化できる」は違う?サイバーエージェントによる、AI活用の最前線とAI時代に求められる力を学ぶ特別講演が行われました。

5月15日、実践女子大学人間社会学部の授業「社会科学におけるソフトウェア設計(担当:社会デザイン学科 今田 一希専任講師)」にて、株式会社サイバーエージェント(以下サイバーエージェント) インターネット広告事業本部 AIクリエイティブ部門の川越寛之氏をお招きし特別講演が行われました。学生は、広告制作やデータ分析などの実例を通してAI活用の最前線を学ぶとともに、『知っていること』と『言語化できること』の違いや、AI時代に求められる力について理解を深めました。

授業と連携企業について

「社会科学におけるソフトウェア設計」は、人間社会学部の3年生を対象に開講されている専門科目です。現代社会でさまざまな場面で活用されているデジタル技術の中でも、ソフトウェアによる課題解決に注目。特に、生成AIを活用した実際の課題解決をテーマの中心に据え、学生たちはソフトウェア設計に挑戦します。

今回の授業では、Abemaなどの動画配信サービスを始め多様なクリエイティブ事業を行っているサイバーエージェントから、インターネット広告事業本部 AIクリエイティブ部門の川越寛之氏をお招きし、インターネット広告の現場で活用されているAIについて、そしてAIを活用するために必要な力について、体験型のワークを交えながらご講演いただきました。

川越氏は「サイバーエージェントではインターネット広告の作成にAIを活用しています。AIの導入や技術的なアップデートの結果、広告を制作する人員の大幅なスリム化が行われました」と説明。どうしてインターネット広告でAIが活用されているか、業界の特徴や傾向のお話から講演がスタートしました。

インターネット広告の仕組みとAIの需要

川越氏は、「広告業界の中心はインターネットです」と説明。インターネット広告では、広告がどれだけ多くのユーザーに見られたり、クリックされたりしているかといった〈品質評価〉が、広告掲載において重要な指標になると話しました。

また、広告の効果は掲載直後に高まるものの、その後は徐々に低下していく傾向があることを紹介。「広告効果が下がると品質評価も低下するため、良い広告を維持するには継続的な更新が必要です」と説明しました。

さらに、品質評価を高めるためには、ターゲットに合わせてさまざまなパターンの広告を作成する必要があると解説。「効果的な広告運用のために100本程度の広告パターンが必要な場合もあり、人の手による制作だけでは対応しきれない量になっています」と話しました。

加えて、AIは広告の制作だけでなく、広告効果の予測にも活用されていることを紹介。「判断をAIに任せることで、データに基づいた客観的な分析が可能になりました。その結果、広告効果は導入前と比べて2倍以上に向上しています」と説明しました。

“AIっぽくない”正体は言語化にあり

実際に川越氏がAIで生成した動画を学生に披露しました。動画では、女性が画面に向かって「実践女子大学の皆さん、こんにちは」と語りかけます。この女性の映像だけでなく、音声もAIによって生成されたものだといいます。自然で“AIらしさ”を感じさせない動画に、学生たちからは驚きのリアクションが上がりました。

違和感のない生成動画について、川越氏は「つくるためには言語化が大切です」と説明。生成AIは、プロンプトと呼ばれるユーザーからの指示文をもとに、文章や画像、動画などを生成する仕組みです。

「例えば、この動画の『ピントがぼけている状態から徐々に合っていく』という演出も、プロンプトによって指示しています」と紹介。映像の状況や動きを正確に言葉で表現し、プロンプトとして入力することで、より自然な動画を生成できると述べました。

さらに川越氏は、「生成AIは人間が入力したプロンプトによって出力結果が決まります。100本のバリエーションもプロンプトによって作り出されており、“AIで手作り”されているんです」と説明。動画素材そのものはAIが生成していても、どのような動画をつくるのかを考え、指示を与えているのは人間であることを紹介しました。

AIと並走する制作作業と言語化

川越氏は「AIを活用するにあたって言語化は非常に重要ですが、プロンプトとして入力できるほど自分でははっきりと言語化できていない要素も活用していくことが、今後重要になってくるのではと感じています」と話し、学生に「自分の理想の服」を生成してみるワークを提示しました。

ワークでは、「自分の理想の服」をテーマに生成AIを活用。学生は理想に近い服の画像をAIに提示し、画像に含まれる特徴やデザイン要素を言語化しました。続いて、生成された文章をもとに、画像生成用のプロンプトを生成。完成したプロンプトを用いて画像生成を行いました。

学生たちは、画像の言語化からプロンプト作成までのプロセスにAIを活用することで、自分の中にあるイメージを具体的な形として表現する体験をしました。

講演の終わりに

川越氏は最後に、「“知っていること”と“言語化できること”はイコールではありません」と話します。ワークで体験したように、言葉にできないイメージであっても、AIを活用することで表現につなげることができると説明しました。

また、自身が好きなゾンビ映画を例に挙げ、「好きな作品であれば、どのシーンが魅力的で、何がどのように動くのかを具体的にイメージできます。しかし、そのイメージは自分が持っているものであり、AIは持っていません。AIに再現させるためには、自分のイメージを伝える必要があります」と解説。

さらに、学生がワークを通じて体験した“知っていること”と“言語化できること”の関係性に再び触れ、「“知っていること”を増やし、自分の引き出しを豊かにすることで、AIを十分に活用できる力を身に付けることができます。大学生活の中で、自分の好きなことや興味のあることについて知識を深めてほしい」と学生へ呼びかけ、講演を締めくくりました。

担当教員からのメッセージ

この講義は、AIの利活用についてをテーマとしています。

「AIの利活用」に限らず、データサイエンスなど私が講義で担当しているテーマは須らく、座学で理屈を知っても有用性や利便性に気づくことは難しく、実際に自分で使ってみたり、学生自身の身近で利用されている実例を実際に見聞きすることで、初めて価値を感じられるのではないかと考えています。

今回、川越様にはSNSなど学生の身近なことに対してAI技術が利活用されている実例をお話しいただき、演習を交えて実際に使ってみることを体験させていただきました。

心より御礼申し上げます。

受講生たちには、ご講演や講義を通じて「AIというよくわからないけど凄いっぽい新技術」から「AIという自分をサポートし、アイデアを具体化するツール」へ昇華させ、今後社会で求められるであろうスキルを持った人材への成長の一助としてほしいなと思います。

2026年6月1日

これからの女性のリーダーシップの秘訣は女子大!?「キャリア・ショーケース」の授業でSBI金融経済研究所の理事長が講演を行いました

5月14日に、共通教育科目「キャリア・ショーケース」 (担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、SBI金融経済研究所株式会社の取締役理事長である政井貴子氏による、特別講演が行われました。女性活躍が求められる時代、どうキャリアを重ねていくかを、自身の半生を振り返りながら話してくださいました。

キャリアは長い目で見て考えよう

政井氏は本学の英文学科卒のOG。
「女子大って必ずしもポジティブな評価がされていない印象です。これはひとえに女子大の良さを知らない男性が書いているからだと思います」と笑いを交えながらコメント。
「今日は私が考える、女子校で育まれるリーダーシップについてお話したい」と、講演を始められました。

「そもそも私は経営者になることを目指していたわけではなく、学生の頃はやりたいことも決まっていませんでした」と話し始めました。
「キャリアなんて最初から決まっていないし、そのまま進むものでもない。ではどうするかと言えば一つずつ積み上げていくしかないんです」と、30~40年の長い目でキャリアを考えることの大事さを伝えました。
「人生は長いので、豊かに暮らすには選択肢が多い方が良い。選択肢を広げるためには経済力を持つことも大事。そのために、自分にフィットした働き方を選べるように考えていきましょう」と語りました。

ただ日本は、経済活動や政治参加の面ではまだまだ男女差があるのが現状。家事や育児、介護など仕事以外にやらなくてはいけないことを抱えている女性は多いです。
アンケートでも、女性は男性をサポートすべきという考えの人が、若い世代でも多いという結果が出ています。
政井氏は「社会に出ると、腹落ちできないできごとに出くわすことがあると思います」と、心構えを話されました。

その都度悩みながら自分の可能性を広げていく

続いて、写真を交えながらこれまでの歩みを紹介。
卒業後は外資系金融機関に就職し、「多様な価値観や背景を持つ人たちと働いた経験は大きな刺激になった」と振り返ります。
その後、日本企業の金融機関へ転職。日本銀行の役員として日本経済全体を見据えた金融政策にも携わりました。
さらに5年前にはSBI金融経済研究所の立ち上げに関わり、現在に至ります。

一見順調なキャリアに見えますが、「当時はその都度悩んでいた」と政井氏。
仕事を辞めようと考えたことや、別の仕事への誘いに迷ったこともあったそうです。「振り返ると一本の筋が通っているように見えるだけで、その時々で選択してきた結果が今につながっている」と語りました。

進路を選ぶ際に大切にしていたのは、「自分の可能性が広がるかどうか」。そのときできることを軸に、少しずつ挑戦の幅を広げてきたと言います。
「就職でも給料など目先の条件だけで決めるのではなく、長い視点で自分の軸を作っていってほしい」と学生たちにメッセージを送りました。

女子校で育むリーダーシップとは?

政井氏は、「社会に出て感じるのは、女子校出身者にはリーダーとして活躍している人が多いこと」と話しました。
共学ではリーダー役を男性が担う場面も多い一方、女子校では女性が中心となってまとめ役を経験する機会が多いことが理由ではないかと語ります。
また、「リーダーとは、ただ前に立って引っ張る人ではありません。さまざまな人の話を聞き自分の考えを伝え、周囲を巻き込める人です」と説明。
「女子同士の意見をまとめるのは難しいんですよ。学生時代からその経験ができるのは、とても貴重なこと」と笑いを交えて話しました。

さらに、多くの人を巻き込み行動した女性の例として、本学の学祖である下田歌子についても紹介。
当時は女性が自由に決定権を持ちにくい時代でしたが、「女性も能力を発揮できる」と信じ学校を設立した行動力に、管理職になってから改めてその偉大さを実感したそうです。
政井氏は、「その学校にいる皆さんも、キャリアを築くことだけを目的にするのではなく、自分自身が充実した人生だったと思える生き方をしてほしい」と学生たちへエールを送りました。

男性社会を、女性はどう変えていける?

講演後は班ごとに意見交換を行い、その後、政井氏への質疑応答の時間が設けられました。
「社会に出て男女差を感じた経験は何でしたか」という質問に対し、政井氏は営業時代のエピソードを紹介。
「大きな取引先は男性社員が担当し、自分は小規模な会社ばかり任されていました。努力して大きな契約を取っても、担当を男性に替えられてしまった」と振り返りました。
「40年前の話なので変わっているかもしれないけれど、古い体質の企業には今も残っているかもしれません」と学生たちへ伝えました。

また、「少子化対策と女性活躍は両立できると思いますか」という質問には、「とても本質的な問いですね」と応じ、「女性が活躍すると子どもを持たなくなる、というのは男性側の発想ではないでしょうか」と指摘。
自身には子どもはいないものの、周囲には子育てをしながら働く女性も多く、海外では子どもを育てながら活躍する女性CEOも珍しくないと語りました。
さらに、「日本はどれだけ長く会社にいるかで評価されやすい。家事や育児で長時間働けない女性は、出世しにくいという空気が(未だ一部に)残っているように思います」と現状を説明。
「外資系ではすでに始まっていますが、時間や場所ではなく、その人ベースで評価する考え方へもっと変わっていく必要があるのだと思います」と話しました。

本学卒業生であり、女性リーダーのロールモデルでもある政井氏の講演は、学生たちにとって大きな刺激となる貴重な機会となりました。

担当教員からのメッセージ

政井様には、この授業に初回からご登壇いただいています。また、本学の卒業生ということもあり、学生との距離感が近いという印象を受けています。
一方、政井様のキャリアは特筆すべきものがあり、金融業界で、中央銀行、国内系、外資系とあらゆる組織でキャリアを積み重ねられた方は、なかなか存在しない、とても貴重なロールモデルであると思います。
今までは比較的遠い存在であった金融のフィールドでしたが、今の学生の今後のキャリア形成を考えた時、一人ひとりがみずから資産設計することが求められることになります。
政井様には、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

2026年5月20日

自身が生かされている意味とは?「キャリア・ショーケース」の授業で元スターバックスCEOによる「ミッション」についての講義が行われました。

4月23日に「キャリア・ショーケース」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で元スターバックスコーヒージャパンCEOであり、株式会社リーダーシップコンサルティング代表の岩田松雄氏の特別講演が行われました。自らの半生を通し、「ミッション」を自覚することの大切さを学生たちに伝えてくださいました。

自分はなぜ「生かされている」?

この授業では学生が進行を担当します。CUBEと呼ばれる各班に分かれ自ら考え行動する力を養います。
まず語られたのは「生きていることの不思議」。宇宙の誕生や地球の形成、そこから生命が生まれ人間へと進化してきた流れは、すべて偶然の積み重ねです。その視点から岩田氏は「生きているというより、(何か大きな力に)生かされていると感じる」と話します。

では、なぜ自分は生かされているのか。岩田氏は「人それぞれにミッションがあるから」と説明します。
ミッションとは「存在理由」のこと。ミッションには、自分自身の役割を考える「個人のミッション」と、会社が存在する意味を考える「企業のミッション」があります。授業ではこの2つを軸に、自分の生き方や将来について考えていきます。

AI時代に必要な学びの本質とは

AIの進化によって、多くのことが簡単に答えを得られる時代になりました。では、なぜ大学で学ぶ必要があるのでしょうか。

岩田氏はその理由を「視座を高める、視野を広げる、視点を鍛えるため」と説明します。自分とは異なる立場で物事を考え、興味のある分野だけでなく幅広く知識を得ること。「それによってイノベーション(変革)が起こりやすくなる」と話しました。そして得た情報をどう受け止めるかを考える力(視点)こそが重要だといいます。「卒業のためではなく、自分の土台をつくるために学び続けることが大切」と学生に伝えました。

また、変化の激しい時代だからこそ「不易流行」という考え方が必要だと強調します。
岩田氏は「これは、変わらない本質(哲学)を大切にしながら、新しいもの(科学技術)も柔軟に取り入れるという考え方です。科学技術は加速度的に進歩しているが、人間の本質は何千年も変わっていないということ。今日お話しするミッションの大切さはいつの時代も変わらない。
AIが答えを出してくれる時代だからこそ、人間に求められるのは「問う力」です。」と話し、常識を疑い、問題意識を持ち、自分で問いを立てるためにも、学び続ける姿勢が大切だと語られました。

AIが答えを出してくれる時代だからこそ、人間に求められるのは「問う力」です。問題意識を持ち、自分で問いを立てるためにも、学び続ける姿勢が大切だと語られました。

自分のミッションを見つけよう

岩田氏は、自身がミッションに気づいた経験を語りました。

「新卒で日産自動車株式会社に入社し、新入社員あいさつで『社長を目指す』と宣言し、先輩方から失笑をかった。
しかし当時は社長の仕事は何も分からなかったが、高い目標が必要だと考えたからだといいます。ふと自社の企業理念を先輩達に尋ねても答えは得られませんでした。若い時から経営理念や社長に関心を持っていました。」

「経営に興味を持ったきっかけは、二つのハンバーガー店での気づき。
同じ業種でも、楽しそうに働く店とそうでない店があることに疑問を持ち、経営に興味を持つようになります。そこでビジネススクールに進み、経営を学びました。経営学の授業では『会社=利益を追うもの(株主価値の最大化)』と教えられましたが、腑に落ちませんでした。」

「その後、株式会社アトラスの社長に就任。
最初は社長就任挨拶で『株主価値の最大化が大切』と言っても社員には通じませんでした。その後ザ・ボディショップの社長をしている時に『企業は世の中を良くするためにある』と言う考えに至りました。ザ・ボディショップは、化粧品会社ですが、環境問題や人権問題に取り組む創業者のアニータ・ロディックの考えに共感しました。」

岩田氏は「企業は利益のためだけにあるのではない。世の中をよくするというミッションを実現する手段として利益が必要」と強調します。
社会をより良くするために企業が存在するという考えに至ったプロセスは、これから進路を考える学生にとって大きなヒントとなる内容でした。

ミッションをもつことで働き方は変わる

なぜ企業にもミッションが必要なのでしょうか。
岩田氏は「共通のゴールを持てるから」と説明します。会社にはさまざまな価値観を持つ人が集まるため、同じ方向を目指すための軸が欠かせません。
また、ミッションに共感した人が集まることで、組織としての一体感も生まれます。実際に岩田氏自身もスターバックスの理念に共鳴し、長い採用プロセスを経てスターバックスの社長に就任しました。

では個人のミッションはどう見つけるのか。
ヒントは「情熱を持てること」「世界一になれること」「経済的原動力になること」の重なりを探すこと。
つまり「好きで、得意で、人のためになること」です。「人にためになる」からその対価としてお金をいただけます。
岩田氏は「ミッションはすぐに見つかるものではなく、また成長とともに進化させてもいい」と語ります。大切なのは、自分がなぜ生かされているのかを考え続けること。
「働くとは、傍(はた)を楽にすること。自分の仕事が社会にどう役立つかを意識してほしいと思います」と講演を締めくくられました。

ミッションをどう見つけ、どう向き合う?

講演後は各グループで学びを共有し、質疑応答が行われました。


サークルでリーダーを務める学生からは「友人の関係性を越えて、組織の挑戦意欲を高めるにはどうすればよいか」と質問があり、岩田氏は「リーダーとは役割。自分のためではなく、チームのために何ができるかを考える“無私の心”が大切。だから時には厳しいことも言うべき」と答えました。
また、「好きで得意なことが人のためになっているか自信がない」という声には、「人に感謝されたり褒められたりすることは、すでに誰かの役に立っている証拠。まずは好きなもの得意なものをつきつめていきましょう」とアドバイス。

さらに就職の失敗への不安については「もし落ちても、相手の見る目がないなと思って、ご縁があるところで頑張ればいい」と笑いも交えつつ回答。
「就活面接で御社のミッションやビジョンに共鳴して~というのはだいたいの学生が言います。ただそれは相手起点で話している。自分起点で、自分はこういうミッションを持っていてこういう事をしたい、御社だったらそれが出来ると思った」と伝えれば良い。
学生にとって、自分の軸はなにかを考える大切さに気づく機会となりました。

担当教員からのメッセージ

岩田様には、本学客員教授として、この科目のみならず本学の多くの科目でご講演、ご指導をいただいています。
「ミッション」については、多くの学生の中に浸透しており、キャリア形成を考える上での軸となっており、学内の様々な活動は勿論、就活の際の「自分の強み」を考える上でも貴重な示唆をいただいています。
さらに社会人となってからも、生き方の支えにもなっています。
企業が社会で活動する意味、個人が社会で生きていく意味、まさにキャリアの本質に
迫る内容は、学生の大きな気づき、そして学びに繋がっていることを感じます。
改めて、この場を借りて、岩田様に心からお祈り申し上げたいと思います。

2026年1月26日

自分のやりたいことへ再挑戦!「女性社会論b」の授業でOGによる特別講演が行われました。 

「女性社会論b」(担当:生活科学部現代生活学科 須賀 由紀子教授)の授業で、12月17日に本学の卒業生による講演が行われました。就職活動での苦労や女性が目的を持って働くことについて、先輩のリアルな声を直接聞ける貴重な機会となりました。学生たちも積極的に質問をしており、自身の将来や就活への理解を深めている様子でした。

卒業生のリアルな体験談

この授業では、これからの社会と女性の働き方について多角的に学びます。多様性が当たり前となる時代にどう暮らしていくか、女性の生活者意識を職場でどう活かすかが問われています。
その中で、直線的ではなく柔軟に人生を選んでいく「ライフシフト」の考え方が注目を集めています。

今回は卒業生の視点から、女性が働くことのリアルな体験談を伺います。
2024年卒の小林さんは須賀ゼミ出身。株式会社良品計画に就職し、埼玉県の店舗で勤務して2年目です。
まずは小林さんから自己紹介がありました。
在学中はJ-STAFFに所属し、オープンキャンパスなどのイベント運営に力を入れていたと話しました。

就活はメディア業界に絞り、4年生の6月に制作会社から内定を得て一度は就活を終了しました。
しかし、なんと10月に内定を辞退。
再び就活を開始し、12月に良品計画から内定を得たと語りました。

悩みぬいた末に再度就活を決意

ここからは須賀先生がインタビュアーとなり、小林さんの経歴を深掘りしていきます。
「メディア業界に行きたいと思ったのはテレビが好きだったから。特に朝の情報番組が好きで興味がありました」と話します。
しかし、一度就活を終えた夏に1か月間アメリカへ語学研修に行ったことが、考えを大きく変えたと言います。

もともと海外に関心はあったものの、コロナ禍でなかなか留学の機会に恵まれなかった小林さん。念願の海外留学は「とにかく楽しかった」と振り返り、「やはり海外で働く仕事がしたい」と決意。
悩んだ末に内定を辞退し、再び就活に挑戦しました。
内定辞退については「相手企業にも驚かれ心配されたので、あまりおすすめはしません」と笑いを交えてコメント。それでも辞退を選んだ理由として「新卒で入社する会社は大切にしたいという思いがあった」と話します。
また、メディア業界は多忙で生活リズムが不規則になりやすいと聞き、自分には合わないと感じたことも一因だったそうです。
「皆さんはしっかり自己分析をして、企業を見るときは働き方まで確認してほしい」と、経験を踏まえて学生にアドバイスしました。

夢は海外で働くこと

再び就活を始めたときの心境について「やるしかないと思って頑張りました」と語ります。
先のことを不安に思う余裕もないほど真剣に取り組んだそうです。そうして出会ったのが良品計画でした。

入社を決めた理由は、海外展開が多いこと。海外拠点も多く「海外で働けるチャンスがあると思った」と話します。
また、無印良品は知名度が高く、人の生活に役立っている実感があることも魅力だったと言います。
現在はレジ業務をはじめ、売り場づくりやアルバイトのシフト作成、勤怠管理など幅広い業務を担当しています。

将来の目標は、やはり海外で働くこと。
そのために大型店での店長経験が推奨されているため、まずはそれを目標に頑張っていると話します。
「良品計画に入って後悔はありません。充実しています」と語り、再度就活に挑戦した選択を前向きに振り返っていました。

考えすぎず、まずは一歩踏み出して

ここで学生たちからも質問を募集。
掲示板形式で集めた質問に、小林さんが回答されました。
「学生時代にやってよかったことは?」という問いには、「語学です。特に第二外国語などは触れる機会が限られ、社会に出てから学ぼうとするとハードルが高い。学生のうちに学べるのは大きいと思います」と答えました。

「就活では行動と熟考のどちらを優先すべきか」という質問には、「通年採用の企業も多く、あとからでもチャンスはあります。良品計画も通年採用でした。早く決めなきゃと焦る必要はないと思います。ただ、行動しないと始まらない。考えすぎて動けないより、まずは説明会に行くなど一歩踏み出すことが大切です」と自身の経験を交えて語りました。

ほかにも就活や現在の働き方について多くの質問が寄せられました。
小林さんは「みなさん就活に不安を感じているのだと思いました。でも私は就活が楽しかった。自分の話ってしっかり聞いてもらえることはなかなかない。でも面接で自分の話が出来るのは貴重な経験でした」と述べ、前向きに臨むことの大切さを伝えました。
学生たちにとって、就活や働く女性像がより身近になった講義となりました。

担当教員からのメッセージ

「お話いただいた100分間とても有意義な時間でした」「実際に働くイメージを掴むことができた。大学時代の経験をきっかけに自分の世界を広げ、その経験を就職活動にも結びつけていた点が印象的」「自分の考えに従い自分の選択に責任を持ち、納得のいく後悔のない道を選ぶ姿勢から強い刺激を受けた」――身近な卒業生の話は、学生たちの心を捉え、講義後の学生からのコメントは、満足感溢れるものでした。自分で実際に見て、触れて、考えたことを大切に、自分の向かいたい方向を持ちながらしなやかに自分らしく生きるという小林さんのお話は、本学科卒業生の姿として誇らしく感じます。学生からの質問にも一問一答、考えながら丁寧に答えてくださり、ありがとうございました。在学生の皆さんにも、ぜひ学生時代に様々な体験をして、自分を広げてほしいと思います。

2026年1月13日

美しい立ち居振る舞いをならう!「現代日本社会論」の授業でANAのCA直伝の「おもてなし」を学びました。

12月1日に「現代日本社会論」(担当:国際学部 国際学科 コルネーエヴァ スヴェトラーナ准教授)の授業でANA総合研究所の久保真理子氏による特別講義が行われました。「企業の接遇におけるおもてなしとマナー」と題し、CAの美しい立ち居振る舞いやおもてなしの心について語られました。講義の後半には立ち居振る舞いの実践も行われ、学生たちも背筋を伸ばして参加していました。

CAは「おもてなし」の仕事

久保氏はANAでCAとして36年間勤務しています。就職当時は総合職での女性募集はまだ少なかったと言います。
「女性がいきいきと責任を持って輝ける仕事がいい」と考え、CAを選んだと話しました。
CAの乗務経験を経て転勤は11回。CAの訓練部やロンドン・ヒースロー空港での勤務など、「CA以外にもさまざまな仕事をさせてもらっている」と充実ぶりを語られました。

CAと切り離せないのが「おもてなし」の精神です。細やかな気配りという日本を代表する文化として、海外でも評価されています。
「おもてなしが深く根差しているものの一つに茶道があります」と久保氏。一人ひとりとの出会いを大切にする「一期一会」と、もてなす側ともてなされる側が共に場をつくる「一座建立」の精神を、CAの仕事でも大切にしていると話します。
「飛行機は密室。CAはお客様にお願いする場面も多い。信頼され、協力してもらえる空気づくりが大切です」。

「おもてなし」を活かしてファンづくり

航空会社のおもてなしは、座席や機内食などのハード面と、笑顔や態度といったソフト面の両方が求められます。
ただし安全とセキュリティが最優先。時間の制約もあります。
さらに国家間の経済状況や災害などにも左右され、求められるサービスは時々によって変わるため臨機応変な対応が必要です。

「また、サービスは真似されやすい側面もあります」と久保氏。
フルフラットシートはANAが日本で初めて導入したものですが、いまでは多くの航空会社で一般的。
「差別化が難しいなか独自性をどう出すか。それにはハード面も大切ですが、やはり人の力が大きい」と語ります。
「お客様とのあらゆる接点でANAならではの価値を感じてもらうこと。選ばれ続けるには、人の力による競争が欠かせません」。

そのためANAは顧客体験価値戦略を推進。広告や予約、チェックインに機内サービス、乗り継ぎや荷物受け取りまでを28のシーンに分け、すべてでおもてなしを感じてもらう取り組みを行っています。
「それぞれのシーンで関わるスタッフは違います。しかし一貫したANAらしさを提供することで、ファンづくりをしています」と話しました。

「おもてなし」には気持ちが大事

ファンづくりに大切なのは「接遇」です。接遇とは、お客様に対しおもてなしの心を持ち丁寧な態度や言葉遣いで接すること。
つまり、おもてなししようとする気持ちです。
「形やマナーを守っても気持ちがなければ意味がありません。心が大事だということを知ってほしい」と久保氏は語りました。

「思っているだけでは伝わりません。表現することが大事」と久保氏。
おもてなしを表すのに最も大切なのは笑顔です。
「隣の人に笑顔が伝わるかチェックしてみましょう」と実践が始まりました。
ノートなどで顔の半分を隠し、目元だけで笑顔が伝わるか確認。学生たちは互いに助言し合っていました。

また、おもてなしには身だしなみも重要です。
清潔感と控えめな印象がポイント。「おしゃれは自分のため、身だしなみは相手のため」と久保氏。
「お休みの日はどんなかっこうしてもいい。個性を爆発させてください。ただ、TPOをわきまえましょう」と話しました。

美しい立ち居振る舞いを身に付けよう!

「それでは皆さん立ってください」と久保氏。
いよいよ立ち居振る舞いの実習が始まりました。
まずは基本姿勢から。
足をそろえて、一本の糸で頭からつられるようにまっすぐ立ちます。自然に胸を張り、あごを引くことできれいな立ち姿になります。
「皆さんとってもきれいですよ」と久保氏は声をかけられました。

そしてお辞儀の仕方。
背筋を伸ばし、お辞儀の前後に相手の目を見ること、体を上げる時をゆっくりすることを意識するよう伝え、「先に言葉を述べその後お辞儀する語先後礼ですと丁寧です」と解説。
「おはようございます」とあいさつしたあとに頭を下げる方法を学生たちも練習しました。

そして、ものの渡し方や受け取り方、物の指し方なども一つ一つ教えていただきました。
ただ、カバンを渡すときも大きさや相手の背丈などそのときごとに異なります。「ものを渡す際の決まりはありません。でも皆さんは実践すれば答えが分かるはずです。相手の受け取りやすいところに合わせて渡すことが大切です。一つものを渡すだけでも魂込めて行いましょう」と久保氏。
「小さなことほど丁寧に、当たり前のことほど真剣に。先輩方から受け継がれている言葉です」と一つ一つの動作を意識することの大切さを伝えました。

さまざまなものに興味を持とう

講義の最後には質疑応答の時間が設けられました。
学生たちは掲示板に質問を入力し、久保氏がそれに回答されました。多彩な質問がたくさん寄せられました。
「結婚や出産をしても仕事を続けられるのか」という質問には、「短時間勤務や育休、一度職を離れてもカムバック制度なども現在はあります。
昔は難しかったこともありますが、環境やサポートは整ってきたと思います」と回答されました。
「CAになるために頑張ったことは?」という質問には、「小さなころからどうしてもCAになりたかったわけではなかったのですが、それが良かったと思います。ひとつのことだけでなく幅広いことに興味を持って、バランスよくいろんなことを勉強してほしい」と話しました。

そして「この仕事に就いて満足していますか」という問いには「もちろんです」と満面の笑みで回答。
「自分の夢は願って努力していたら必ず手に入ります」と学生たちにもエールを送りました。

担当教員からのメッセージ

この度は、航空業界での働き方やおもてなしの精神について、マナーの実践を交えた大変有意義なご講演を賜り、誠にありがとうございました。
とりわけ、ANAの組織文化として、基本サービスを徹底するだけでなく「ナイストライ」を推奨し、個々の「ばらつき(個性)」を認め合う風潮があるというお話は、非常に印象的でした。ホスピタリティがどのように育まれ、現場で実践されているのかを丁寧にご共有いただき、学生たちにとっても深く感銘を受ける機会となりました。
おもてなしの具体例を数多くご提示いただいたことで、相手の気持ちを察する大切さを学生一人ひとりが自分事として認識できたと感じております。マニュアルを超えた「人ならではの対応」の重要性を深く考えさせられる、極めて貴重な学びの場となりました。

2025年12月18日

「スマドリ」をZ世代に広げよう!人間社会学科社会学概論の授業にて、スマドリに関連した特別講演が行われました。

2025年10月22日(水)社会学概論(担当:人間社会学部人間社会学科 原田 謙教授)にて、スマドリ株式会社 野溝氏、スマートドリンキングプロジェクトメンバー新藤氏をお招きし、お酒にまつわるあらたなライフスタイルである「スマートドリンキング」に関する講演と、マーケティングのセミナーが行われました。

授業と企業連携について

「社会学概論」は、人間社会学部の1年生を対象に開講されている専門必修科目です。学生は授業を通して社会学の基礎を学び、社会学的な発想を身につけながら、現代社会の仕組みや課題を正しく理解する力を養っていきます。

本学では「スマートドリンキング」に関するプロジェクトをテーマに、原田教授のゼミや講演などを通して3年間にわたりスマドリ社との連携を行っています。今回のコラボレーションでは、スマドリ社が提案するライフスタイルや飲酒に対する意識の変化についての講義に加え、マーケティングに関する解説やミニワークも実施されました。学生にとって、社会の動向を学び、自らの専門領域への理解をさらに深める貴重な機会となりました。

スマドリについて

講演の冒頭で、野溝氏から「スマートドリンキング(スマドリ)」について詳しい説明がありました。「スマドリ」とは、アルコールを「飲む」「飲まない」という選択の多様性を尊重し、体質や気分に合わせて“自分らしい飲み方”を提案する考え方です。テレビCMなどを通じて認知が広がっており、学生アンケートでは約50%がその名を知っていると回答。教室内では、二人に一人が「スマドリ」を認知していることが分かりました。

さらに、「スマドリ」の推進を目的として「スマドリ株式会社」が設立されたことも紹介されました。同社は「飲む人も飲まない人も共に楽しめる社会」を目指すマーケティング会社であり、飲酒にまつわる楽しみ方の多様性を広げる取り組みを行っています。

大学との産学連携プロジェクトにも積極的に取り組んでおり、スマドリ普及の主要ターゲットである大学生と共に、普及に向けたアイデア創出を行っています。これまでの連携授業では、学生の企画が実際にイベントとして実現したり、大学内でコラボブースを出店したりするなど、学びを出発点に社会へ広がる活動へと発展した事例が紹介されました。さらに、渋谷区主催のイベントでの社会提案型発表など、学生の発想をきっかけに企業や地域と連動した実践的な活動も生まれています。

お酒の適切な楽しみ方を知ろう!

適切な飲酒のための正しい知識を得ることを目的に、学生たちはアルコール体質を確認する「パッチテスト」を体験しました。これは、手の内側にシールを貼り、20分後の色の変化によって「アルコールを分解できる体質かどうか」を判断するものです。

新藤氏は、「アルコールを分解できるかどうかは、特定の分解酵素の働きによって決まります。分解酵素の働きが弱い人は、お酒に弱い体質ということになります」と説明。「日本人の約半数は、この分解酵素の働きが弱い、または働かない体質であるとされています。自分の体質を知ることは、安全にお酒を楽しむための第一歩です」と述べました。

このほかにも、飲酒によって引き起こされる健康被害や、不適切な飲酒によるさまざまなリスクについて解説があり、学生たちは適切にお酒を楽しむための正しい知識を学びました。

マーケティングセミナー

学科の学びと関連づけながら、マーケティングに関する講演も行われました。企業のマーケティングについて、「SNSの普及により、口コミを通じた購買行動が増加しています。消費者同士の交流によって評判が広がり、その結果メガヒット商品が生まれるケースも見られるようになりました」と紹介。さらに、「企業がマーケティング戦略を考える際には、受け手となるターゲットを深く理解することが非常に重要です」と述べ、実際の分析手法についても解説しました。

続いて、マーケティングのアイデアを具体的な施策へと落とし込む際のポイントを紹介。過去の事例をもとに、フレームワークの活用方法や施策立案の流れをわかりやすく解説し、学生たちは真剣な表情で耳を傾けていました。

 実践!企画を考えよう

授業の最後にはワークが行われ、「世の中のZ世代にスマドリを広げるには?」または「渋谷区のZ世代にスマドリしてもらうには?」のいずれかをテーマに、学生たちはアイデアを考えました。

ワーク後は、野溝氏、新藤氏、原田教授の3名によるフィードバックが実施されました。特に「世の中のZ世代にスマドリを広げるには?」の提案に対しては、「スマートフォンを見る機会が増える中、『学食などで食事中によく見る』という大学生の日常動作をもとにスマドリの普及策を考えていた点が非常に参考になった」「提案の中で“推し”やキャラクターといった観点が多かった。身近に感じている存在と組み合わせることで、スマドリもより親しみやすく感じてもらえるのではと気づかされた」といったコメントが寄せられました。

質疑応答

「マーケティング的な商品開発を行ううえで、大学時代に勉強しておくとよいことはありますか?」という質問に対し、「業界に興味を持ったきっかけは、大学時代に履修した授業でした。履修登録の段階で気になる授業を選び、日常で触れるメディアや広告の中から『これを仕事にしたい』という興味の種を見つけることが大切です。そこから逆算して必要な学びを進めていくとよいと思います」と回答しました。

また、「数年前と比べてスマドリの認知度が高まっていますが、広報活動の方向性に変化はありますか?」という質問には、「TVCMによって40~50代の認知度が上昇しました。現在は、認知度をさらに高めたいターゲット層が若年層にシフトしており、SNSプロモーションやポップアップショップの開催など、若者のコミュニケーションスタイルに合わせたプロモーションを展開していきたいと考えています」と回答。今後の展望についても語られました。

今回の特別講義を通じて、学生たちはスマドリが提案する新たなライフスタイルや、マーケティングの考え方について理解を深めました。学びを通して社会とのつながりを意識し、今後の専門的な探究につながる貴重な時間となりました。

担当教員からのメッセージ

渋谷スマートドリンキングプロジェクトの皆様には、これまでも3年ゼミでのワークショップの実施などでお世話になってきました。今年度は、1年生向けに渋谷発のイノベーションである「スマドリ」をご紹介いただきました。前週にちょうど講義していたライフスタイル、ダイバーシティ、アンコンシャス・バイアスといったキーワードとも響き合うお話でした。
ご多忙の中ご講義頂いた野溝様、新藤様、本当にありがとうございました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。