社会連携プログラム
SOCIAL COOPERATION PROGRAM
TOPICS
2025年12月2日

コーヒー豆の麻袋がエプロンやポーチに!アップサイクルの商品作りについて、滝澤ゼミの学生にインタビューしました。

滝澤愛准教授のゼミでは、昨年に引き続きアップサイクル活動が行われています。多摩都市モノレール株式会社(以下多摩都市モノレール)や株式会社コバヤシ(以下コバヤシ)などのご協力のもと、廃棄予定の作業着やコーヒー豆の麻袋などの素材提供をいただき、かわいいエプロンやポーチに生まれ変わらせました。制作について学生たちにインタビューを行いました。

廃棄予定の素材を使ってアップサイクル

滝澤ゼミでは以前からアップサイクルの商品企画・販売に取り組んでいます。
素材提供には、瀧定名古屋株式会社、ひの市民リサイクルショップ回転市場 万願寺店のご協力に加え、名古屋市身体障害者施設の就労継続支援B型の利用者の方々が縫製を担当したエシカル商品を制作しています。昨年からは多摩都市モノレール(廃棄処分となる使用済みの制服の提供)、今年からは、プラスチック製品の開発から製造・販売を行うプラスチックの総合企業であるコバヤシ(コーヒーの麻袋の提供)も加わりました。

布だけではなく廃棄予定の制服・作業着、使用済みの麻袋などさまざまな素材を使い、学生たちが新しい商品に生まれ変わらせます。今回新たに販売するアップサイクル商品の種類は3つ。エプロン、ポーチ、バッグです。それぞれのチームに分かれ、アイデアやデザインを出し合い制作しました。
制作した商品は、日野キャンパスの常磐祭や多摩モノまつりでの実店舗販売と、コバヤシの楽天ECサイト「cococica」にて販売予定です。

株式会社コバヤシ 楽天ECサイト cococica 
https://www.rakuten.co.jp/cococica/

「全体をみて、みんなで協力」 ゼミ長へのインタビュー

―進路に実践女子大学を選んだ理由はなんですか? また滝澤ゼミに入ったきっかけは?

「高校生の頃から家庭科の教員になりたいと思い、教育学部を含めさまざまな大学を見ていました。その中で実践女子大学は、教育だけでなく家庭科の専門的な知識や技術までしっかり学べると知り、進学を決めました。
滝澤ゼミを選んだのも同じ理由で、制作を通して自分の技術を高められる環境に魅力を感じたからです。
来年からは家庭科の教員として働きます。大学での学びを生かし、生徒から信頼される先生を目指していきたいと思います」

―アップサイクル活動に取り組んでみた感想は?
「それまでアップサイクルというものを知らなかったのですが、活動に関わるにつれ、自分でもやってみようと思うようになりました。実際にあまった生地をもらって、自分でも家でナップザックを作ったりしたりしています」

―今年からコバヤシ様の協力も始まりました。去年と比べて変化を教えてください。
「一番大きな変化は、販売の場や機会が広がったことです。これまでは対面での直接販売が中心でしたが、今年からはコバヤシ様のECサイトでも取り扱っていただき、ネット通販という新しい選択肢が加わりました。顔の見えないお客さまに商品が届くことを意識し、これまで以上に仕上がりの丁寧さやクオリティに気を配るようになったと感じています」

―ゼミ長として大変だったことや楽しかったことを教えてください。
「制作を進める中で、自分には難しい作業も、チームの誰かが得意だったりします。私はエプロンチームですが、逆に自分が力になれる場面もあり、お互いに補い合いながら進められることに大きな楽しさを感じました。
ゼミ長として特に意識したのは、全体を見渡すことです。人数が多いため、作業によっては手が余ってしまったり、何をすればよいか迷う場面もあります。そんなときは一人ひとりの様子を見ながら声をかけ、自分も手を動かしつつ全体がスムーズに進むよう心がけました」

それぞれのチームにインタビュー! 協力して作り上げた作品たち

Q1.昨年との違いや印象は?
Q2.苦労した点、学びになった点を教えてください。

・バッグを制作したチーム
「昨年は作業着や布が中心でしたが、今年は麻袋など、まったく異なる素材の提供もありました。それぞれの素材を組み合わせて使うことで、デザインの幅が広がり、商品の選択肢もより豊かになったと感じています」
「縫製が難しく、商品になるクオリティにする難易度が高かったですが、自分が企画したデザインが実現して買ってもらえるのはとても嬉しいです。学生のうちにこのような経験をさせていただける機会は貴重で、アップサイクルの考え方も自然と身についたと感じています」

エプロンを制作したチーム
「昨年は一人一品作っていて大変だったのですが、今年はチームで取り組んで複数商品を作る形に。協力できるとその分の負担が減りますし、相談しながら決めていけたのは良かったです。エプロンの丈や、どうしたら売れるかなどたくさん考えることが出来ました」
「麻袋はサイズがとても大きく、どんな商品がつくれるのかワクワクしました。一方で、縫製には扱いづらい部分もあり、うまく形にできるか少し不安もありました。
それでも、完成したものはとても可愛く仕上がり、達成感がありました。ニットの切れ端など、ほかの素材と組み合わせて制作する工程も楽しく、素材の魅力を生かすことの面白さを実感しました」

ポーチを制作したチーム
「昨年より制作を早めに取り掛かることができ、慣れもあったので順調に進められたと思います。また昨年は物販が実店舗のみでしたが、今年はコバヤシ様のECサイトで販売もしてもらえるので心強いです」
「サンプルづくりが一番難しかったです。正方形の形にしたかったのですが、麻の厚みが影響して試作品はうまく成形できませんでした。そこで、生地の薄い部分を選んだり、裏地に工夫をしたりと、素材にこだわりながらイメージ通りの形に近づけていきました。
チームでは、デザインが得意な人、制作が得意な人など、それぞれの強みを生かして役割分担しながら制作を進めています。はじめは「アップサイクル」という言葉の意味も分からなかったのですが、取り組む中で強く興味がわき、SDGsにも意識を向けるようになりました」

また本アップサイクル商品は、「ソーシャルプロダクツ展」(2025年11月5日(水)〜11日(火)、6階会場)のPOPUPストアとして大丸東京店にて展示・販売されました。滝澤研究室による産学福祉連携から生まれたバッグや雑貨が多数並び、多くのお客さまに手に取っていただく貴重な機会となりました

担当教員からのメッセージ

学生には大学の中だけ、教科書だけの机上の学びだけではなく、社会の中の様々な企業や障害者施設の方々などとの関係、活動を通じて、得難い経験と成長をしてもらえたらと考えています。

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