今回インタビューを行った企画は「サンリオコラボグッズ開発企画」です。
本プロジェクトは、学生からの要望が特に多かった人気キャラクターとのコラボレーションを実現したものです。
「何を売るのか」「どのキャラクターと組むのか」「大学の魅力をどう反映させるのか」、そのすべてを学生主体で企画・開発を行いました。
このプロジェクトは実践ウェルビーイングプロジェクト研究会(以下JWP=Jissen Wellbeing Project)の学生から参加者を募り、今年の5月から10月の期間に課外活動として活動しました。
JWPは企業と共にウェルビーイングに関する考えを深めていく課外プロジェクトです。
キャリア科目担当の深澤晶久教授が担当教員となり、毎年後期の期間中、有志の学生たちが企業訪問や講演、交流イベントを通じてウェルビーイングについて主体的に学んでいます。
JWP参加学生が企画・運営を行うイベントも毎年開催されています。
昨年の活動を取材した記事〈スポーツを通じたウェルビーイングとは?パリパラリンピックに出場した舟山選手との交流会を今年も開催しました!〉https://socialcooperation.jissen.ac.jp/topics/7820/
今回インタビューに答えていただいたのは、企画のリーダーとしてプロジェクトに携わった三名の学生です。

左から
人間社会学部ビジネス社会学科 2年 石河凛迦さん
人間社会学部人間社会学科 3年 田中こころさん
人間社会学部人間社会学科 3年 永嶋紗菜さん
ーお集まりいただきありがとうございます!参加のきっかけを教えてください。
石河さん「もともとコラボをしたキャラクターが大好きで、昨年深澤先生の授業を受けたときにも『この企業さんとコラボしてください!』とお願いしていました。春休みに『コラボプロジェクトを行うからぜひ参加してほしい』と声をかけていただき、参加を決めました。」
田中さん「企画やグッズ制作に興味はあったのですが、その機会に恵まれていませんでした。そんなときにプロジェクトのお知らせを見て、『これこそ自分がやりたかったことだ!』と思いました。コラボする企業のキャラクターも大好きだったので、すぐに参加を申し込みました。」
永嶋さん「以前久慈市のボランティア※に参加したことがあり、学生のうちにさまざまな経験を積みたいと感じていました。今回の募集を見て、『社会人になってからはこうした企画に取り組む機会は少ないのでは』と思い、良い経験になると考えて参加しました。」
※実践女子大学は、岩手県久慈市と包括的な連携協力に関する協定を締結しており、連携プロジェクトを実施しています。
〈実践女子大学HP 岩手県久慈市との連携〉 https://www.jissen.ac.jp/society/area/kuji/index.html


ー企画の中で担当したところ、特に力を入れて取り組んだところを教えてください
石河さん「メインで動いていたのは永嶋さんと田中さんだったので、ミーティングでは自分の意見をしっかり伝えるよう意識しました。企画の中で特に力を入れたのはキャラクターの決定です。(ファイルを見せながら)このキャラクターたちは今年、それぞれ40周年と20周年のアニバーサリーイヤーを迎えており、企業としても追い風が来ていると感じました。『どうしてもこのキャラクターのペアがいい!』と二人にプレゼンをして、最終的に採用していただけました」
田中さん「当初、私たちは先方から提案された別のキャラクターを採用するつもりでいたんです。でも、石河さんの熱いプレゼンを聞いて納得して、『じゃあそっちにしよう』となりました」
永嶋さん(うなずく)
石河さん「私は二人の後輩なので最初は気が引ける部分もあったのですが、意見を一つ一つ優しく受け止めてくださったので、自分の考えをきちんと伝えることができました」
田中さん「私はプロジェクト全体に関わっていたのですが、特に先生や職員の方へのホウレンソウ(報告・連絡・相談)を密に行ったことが一番頑張った部分だと思います。デザインを担当していたメンバーに進捗を確認して職員の方に報告したり、それをまたメンバーに共有したり。連絡のつなぎ役として、細かく進捗を報告するよう努めました」
永嶋さん「私は人前で積極的に意見を出したり引っ張っていくことが得意ではないのですが、その分、進めてくれていることが分からないときには質問したり、『いいな』と思ったことは『素敵だね』と声をかけたりしました。そうすることで会話や意見が活発に飛び交うよう意識していました」
ー活動の中で大変だったこと、それに対して工夫したことを教えてください。
石河さん「キャラクターをお二人にプレゼンするときは、ただ“使いたい”と伝えるだけでなく、自分がどんな考えを持っていて、どんな背景があってそのキャラクターを選んだのかをしっかり伝えるよう意識しました。自分の希望だけではなく、説得力を持たせられるよう工夫しました」


田中さん「このプロジェクトは5月から10月までと長期間にわたったのですが、一番悩んだのは夏休みでした。石河さんと永嶋さんは9月末に開催された学園祭の企画運営を行う団体を兼任していて、その準備で忙しく、どう連絡を取るか頭を悩ませました。対面で会う機会が少なかったので、モチベーションの維持やスケジュール調整がとても大変でした。」
永嶋さん「学園祭の運営委員では責任のある仕事を任されていて、そのうえでこちらの企画もあったので、やらなければならないことが重なり大変でした。その中で“自分にできることは何か”と考え、運営委員のみんなにこの企画の宣伝をしました。宣伝しないと買ってもらえないと思っていたので、知ってもらうきっかけになればと思って行動しました」

ー常磐祭の販売に携わってみていかがでしたか?
石河さん「実際に来てくれた方が『かわいい!』と褒めてくださったり、友人や家族が買いに来てくれたりしたときは、とてもうれしかったです。関わってくれたみんなと楽しみながら取り組むことができました」
田中さん「サークルの関係でがっつりと販売にはかかわれなかったのですが、合間の時間に販売状況を確認したり、困っていることがないか声をかけたりしました。来場者の方が実際にファイルを手にしている姿を見かけ、形になったものが誰かに届いていると実感できて、とてもうれしかったです」
永嶋さん「学園祭運営の仕事があり、販売にはまったくかかわれなかったので悔しい気持ちもあります。それでも、来場者の方が購入して手に持っている様子を見たり、『サンリオってどこで販売していますか?』という声を直接聞いたときに、“やっと形になったんだ”“みんな良いと思って買ってくれているんだ”と実感し、とてもうれしかったです。また、多くの人とのつながりを感じることができ、経験できてよかったと思います」



ープロジェクトに参加してよかったこと、成長したなと感じたところを教えてください。
石河さん「相手に何かを届ける、自分の意見を伝えるという点で成長できました。キャラクターを決めるときのプレゼンや、販売のときの声掛けなどを通して、自分が一生懸命に伝えようとすれば、きちんと耳を傾けてもらえるのだと実感しました」
田中さん「参加してよかったのは、やはりグッズ制作の企画に携われたことです。一番大きな成長は、プロジェクトの中心を担って全体を進めた経験だと思います。ここまでメインで引っ張る立場になったのは初めてで、先生や職員の方々と密に連絡を取ることも初めてでした。目標を立てて取り組むこと、物事の優先順位を考えること、そしてメンバー全員を巻き込みながらどうすれば良い雰囲気で進められるかを常に考えて行動できたことが、成長につながったと思います」
永嶋さん「企画に応募して、参加して、それが形になったこと自体がとても良い経験でした。また、試行錯誤してつくったものを、実際にお客さんの手に届けられたことも嬉しかったです。短期間のプロジェクトでしたが、これほど密にさまざまな人と関わり、活発に意見交換やアイデアをもらえたことは、大きな財産になりました」
ー今回のプロジェクトで得た経験で、今後に活かせそうなことはありますか?
石河さん「今回の経験は、学生生活の中で向上心が高まる大きなきっかけになりました。先輩方の取り組む姿勢が本当に素晴らしく、行動力はもちろん、安心感や信頼感もあって。『私もこういう女性になりたい!』と強く憧れました。学科ではプレゼンテーションやグループ活動の機会が多いので、先輩たちのようにみんなから信頼され、自分から積極的にグループを引っ張っていける存在になれるよう、これからも成長していきたいと思います」
田中さん「大学生活の中で、もっといろいろなことにチャレンジしていきたいと思いました。また、将来は商品企画の仕事に興味があるので、在学中に商品企画と販売の実績を積めたことはとても大きな経験でした。大学生活にとどまらず、この経験を今後のキャリアにつなげていけたらと考えています」
永嶋さん「今回の経験を通して、人の意見を聞くことの重要性、そして多くの人の協力があってこそできることがたくさんあるのだと実感しました。これからの大学生活はもちろん、いろんな人の意見をきちんと聞きながら、自分がまとめ役となれるような存在になりたいと感じています」



ー最後に、授業や他のプロジェクトとどうやって両立していたか教えてください。
石河さん「このプロジェクトのほかにも団体の運営を担当する立場が多く、いろんなミーティングが重なってあわてることもありました。その中で、“今はこれに集中するぞ”という時間と、ゆっくりする時間のメリハリをつけることで、なんとか乗り切ることができました。」
田中さん「並行してさまざまな活動を進めていたため忙しく感じることも多かったのですが、このプロジェクトを“任せてもらった”という実感が大きくありました。なにより自分が一番やりたかったことだったので、“何としてでも成功させるぞ”という気持ちが強いモチベーションになっていました。メリハリをつけるというよりは、隙間時間に連絡を取ったりデザインを確認したりと、常に何かしらを考えていました。限られた時間の中で、うまくやりくりしようという意識が強かったです。」
永嶋さん「学園祭準備の業務と重なる時期との両立は特に難しかったのですが、この二人が情報を共有してくれたり積極的に動いてくれたりしたことが大きくて。先に動いてくれたものにのっかる形で進めることができ、無事に両立して乗り切ることができました。」
ーありがとうございました!
コラボクリアファイルは学内の売店で現在も販売中です!
担当教員よりメッセージ
サンリオ推しの石河さんからの提案がきっかけとなった今回の企画、
その後、実現に向けて企画メンバーを募り、田中さんと永嶋さんが中心となり、
さらには、常磐祭での販売当日には、のべ25名の学生さんがサポートに加わって
くれました。今年のJWP(実践ウェルビーイングプロジェクト)のメンバーの
総力を結集したコラボ企画が実現しました。
当日は、多くの皆さんにお買い上げいただき、企画した学生も、購入いただいた
多くの皆さんも、共に喜んでいただいた素晴らしい取り組みになったと思います。
学生のやりたいこと、夢の実現をできる限りサポートする、それが実践女子大学です。
これからも、沢山の企画の実験に向けて、教員も職員も、サポートを続けていきたいと
考えています。
