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2024年4月25日

ライトノベルを書こう!「ライティングゼミB」の授業で学生が執筆した作品の夕霧文庫への掲載が実現しました。

「ライティングゼミB」(担当:短期大学部日本語コミュニケーション学科 髙瀬真理子教授)の授業で、電子書籍出版社である夕霧文庫の協力のもと、実際にライトノベルを書く特別コラボが実現しました。優秀な作品は実際に夕霧文庫から出版された「女子大生、授業でライトノベルを書く。①」に掲載しております。今回は髙瀬教授と夕霧文庫の藤原氏に授業の目的や背景、そして学生たちに実際に作品を執筆した感想をインタビューしました。

髙瀬教授「ライトノベルは自由度が高い。大成功の授業」

―この授業が行われた背景を教えてください。

「私の近年の研究対象のひとつが、ライトノベルの持つ物語の技法とその時代性であり、最近のライトノベルの傾向などを分析した論文を書いていました。その際、ライトノベルはかなり表現の自由度が高く、恋愛はもちろん、現代社会の抱える問題、ジェンダーなどについても触れていることが分かりました。そこで学生たちに物語を書かせてみようと考えたんです。本学の卒業生で教え子だった藤原さんが、ライトノベルのレーベルを立ち上げていることは知っていたので特別講師として依頼しました。当初藤原さんは講義だけの予定でしたが、学生たちの作品に毎週目を通してコメントを入れて返してくださいました。物語の元となるプロットづくりを経て、学生それぞれのペースで執筆していきました」

―どのようなことに気を付けて授業を進めましたか?

「学生たちそれぞれが書きたいことを書いてもらえないと意味がないので、世界観や個性を伸ばすことを意識してアドバイスしました。どうしたらもっと良くなるか、牧羊犬のように見守りつつ方向を示す役目です。すると本人も隠している部分がぽろっと作品に表れてくる。力がある作品がいくつも出てきて、夕霧文庫への掲載まで話が進みました。全員が作品を書き上げられたことも大事な成果だと思います。本授業は今年が初めてだったのですが、大成功でした。来年も同じように夕霧文庫さんにご協力いただきたいと考えています」

夕霧文庫・藤原氏「自分で気付いていない魅力がまだまだある」

―自己紹介をお願いします。

「夕霧文庫の藤原です。実践女子大学を卒業後、ライトノベル作家として活躍していましたが、約10年前に電子書籍出版社の夕霧文庫を立ち上げました。作家として活動していた時はどうしても恋愛モノを要求されることが多かったのですが、私はもっと違うことを表現したかったんです。そこで自由に書ける場所を自分で作ってしまおうと」

―この授業に参加された感想を教えてください。

「授業前に、髙瀬先生が分析されたライトノベルのテンプレートを拝見し、この形を使えば実践女子の学生たちなら良い物語を書けるだろうと確信しました。実際、学生さんたちの作品を拝見した初回か2回目で夕霧文庫に掲載できる、と思いました。業界用語で『化ける』というのですが、あっという間に良くなっていきました」

―学生たちの作品はいかがでしたか?

「皆さん優秀で、新鮮で斬新なアイディアが沢山ありました。すごい勢いで技術も吸収していって、育っていく過程を見られたことがとても嬉しかったです。学生たちは、これまで表現する機会がなかっただけなんじゃないかなと。自分自身も気付いていない得意なことや魅力が、まだまだありそうだと感じました。とにかく学生たちに書く楽しさを知って欲しいと考えていたので、これからも表現していってもらえればと思います」

こんな授業他にない!

続いて授業を受けた実践女子大学短期大学部2年の鈴木さんと大津さんに話を伺いました。2人の作品は実際に夕霧文庫から出版されるライトノベルに掲載されております。

―なぜこの授業を選択したのですか?

鈴木「授業の概要欄に『ライトノベルを書こう!』と書いてあって、こんな授業は他にないんじゃないかと思い、選択しました」

大津「私はもともと髙瀬先生が担任のクラスだったので、先生の授業に興味を持ちました」

―それまで物語を書いたことはありましたか?ライトノベルは読んでいましたか?

鈴木「まったく書いたことはなく、今回初めてです。ライトノベルはいくつか読んではいました」

大津「ライトノベルはあまり読みませんが小説はよく読んでいます。物語は、中学生のときにパソコンに慣れる目的で、1本だけ短篇を書いたことがありました。とはいえ誰にも見せていませんし、それ以来書いていませんでした」

作品は夕霧文庫に掲載!表現する力がついた

―実際に作品を書いた感想を教えてください。

大津「始めは何も浮かびませんでした。書いて気づいたんですが、私はファンタジーが舞台だと書けなくて。先生方のアドバイスなどから、自分の日常をヒントにしました。自分が主人公になったつもりで書いていくと先を知りたいと思うようになり、書くのが楽しくなりました」

鈴木「私は逆にファンタジーを書くことが楽しかったです。ただ、プロット通りに書くのが難しかったです。書くのは苦ではなかったので、どんどん量が増えてしまって。物語の構成や何をテーマにするか悩みました。書いているうちに『家族』についての話だと気付いてきました」

―夕霧文庫に掲載されると聞いたときはどう感じましたか?また今回の授業で自身にどんな力が付いたと思いますか?

大津「まさか授業からこんなことになるとは。最初は書き上げられると思っていなかったので、まずは完成したことに満足しています。頑張った証ですし、作品を作る楽しさを知りました。また、何度も読み返して推敲することで、客観的に文章を読む力も付いたと思います。私は来年度から新社会人となり、校閲の仕事に就くので、今後に活かせると思っています」

鈴木「私も書き上げられた達成感と自信を得られました。自分が何を伝えたいのか考え、自分の思いを表現することが出来て良かったです。読んで面白いと思ってもらえたら、嬉しいです」

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