社会連携プログラム
SOCIAL COOPERATION PROGRAM
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2023年1月31日

「グローバルキャリアデザイン」の授業で高校生と大学生が新しいアイデアを生み出すデザイン思考の体験を行いました。

3年生の選択科目「グローバルキャリアデザイン」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)で、VISITS Technologies株式会社の野村博之氏が「デザイン思考力」によるアイデア創出の体験授業を行いました。この授業は高大連携で行われ、実践女子学園の高校3年生も参加しました。高校生と大学生で協力し、新しいサービスのアイデア創出のグループワークを行いました。

高大連携!高校生も大学の授業を体験

今回の授業は、実践女子学園高等学校の3年生を交えた高大連携プログラムです。
2023年4月から実践女子大学に進学予定の高校3年生25名前後が参加。
8つの班に分かれ、大学生の「先輩」とともにグループワークを行います。セーラー服に黒いスカーフを結んだ高校生たちは、少し緊張した様子で授業に臨みました。

イノベーションにはデザイン思考力が大事

野村氏の話は「イノベーションとは」というところから始まりました。
イノベーションとは「技術革新」のように思われていますが、「新結合」だと野村氏は言います。これまで組み合わせたことのなかったものを合わせることによって、新しいものを生み出すことです。例えばスマートフォンは、電話とパソコン機能、音楽プレーヤーを合わせたもの。それぞれ独立していたものを合わせたイノベーションによって生まれた製品です。

イノベーションを起こすために最適なのが「デザイン思考」です。
デザイン思考は思考方法のひとつで、「自ら本質的な課題を発見し、解決策を考え出す方法」のことです。「デザイン思考とは、共感から始まります」と野村氏。世の中のデータに基づいて結論を導くロジカルシンキングとは違い、何が求められているかユーザーの「気持ち」を想像・共感して考えていくのです。

高校生はもちろん、大学生もあまりこういう思考法を行ったことはないでしょう。「ただ、誰かにプレゼントをあげるときや、部活やバイトなどで何か困ったときに相手に共感して考えることはありますよね」と野村氏。「そういったところからデザイン思考を使ってみてください」と話しました。

「新しいショッピング体験」をデザイン思考で考えよう!

いよいよ実際に体験です。課題は「未来の『ショッピング体験』を考える」。
大型ショッピングモール、ECサイト、コンビニがテーマに新しいサービスのアイデアを考えます。

まずはそれぞれのいいところをふせんに書き出します。コンビニなら24時間やっている、ECは商品を届けてくれるなど。思いつくことはすべて書き出します。書き出したら、班の中で発表し合い、模造紙にふせんを貼っていき、同じような意見をまとめ整理しました。

次に自分たちが取り組む新しいサービスのコンセプトを決めます。
「どのふせんを取り込むかディスカッションして決めてください」と野村氏。他のサービスのいいところを取り込んで、○○のできる新しいコンビニ、などを考えました。大学生も高校生にうまく促しながら、グループワークが行われました。

コンセプトを決めたら、具体的な新しいサービスのアイデア出し。誰が喜ぶサービスか、どうやって実現するのかを考え、発表できるよう言葉や図などにまとめます。グループワークは活発に行われ、時間ぎりぎりまで話し合いは盛り上がっていました。

どんな新しいサービスがあったらいい?

時間はあっという間に経ち、発表に。

H班は
「衣服を買えるコンビニ」を提案。フィッティングルームがあり、タブレットでネット注文が可能です。
野村氏からは「手軽に服を買いたいというニーズをうまく取り込めている」との感想がありました。

A班は
「スマホでラクラクコンビニ買い物」とし、スマホで商品の口コミを見たり割引を使えたりする店舗をプレゼンしました。
バーコードを読み込み自分で精算できることで店員側の負担も軽減できます。

B班は
「ECサイト系コンビニ」で、限定品を自宅配送出来るサービス。
野村氏から「地方などで喜ばれると思う」と感想がありました。

C班は
「有名人が監修するテーマパーク型ショッピングモール」を考えました。有名人の監修する店舗が並び、いろんなショップを回ることで運動不足の解消にもなるとプレゼンしました。
「ターゲットが限定されているのが良い」と野村氏も感嘆していました。

D班は
「食品ロスをなくそう!コンビニアウトレット」を考え、仕事帰りの人をターゲットに時間ごとに商品をセールするお店を提案しました。

E班は
「口コミと在庫確認できるショッピングモール」をプレゼン。アプリでタグをスキャンすることで口コミや在庫確認が可能です。
「実物も見られて、口コミなども確認できる良さを拡張できるアイデアだと思いました」と野村氏。

F班は
「お出かけの目的になるコンビニ」として1Fは商品予約もできるコンビニで、2Fに24時間利用できるカフェスペースがある店舗を提案しました。
野村氏は「あったら僕は使います」とうまく転換したアイデアを褒めていました。

G班は
「ARで実物が見られて試せるECサイト」で、ARを使うことで衣服や家具、家電だけでなく、香水のにおいも分かるECを提案しました。
野村氏は「IT技術を具体的に取り入れていて素晴らしい」と感想がありました。

短い時間でしたがたくさんのアイデアが出ました。
最後に野村氏は「今日の体験をきっかけに、今後、課題解決するとき今日のような考え方をしてもらえたらと思います」と学生たちに語り掛けました。

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