社会連携プログラム
SOCIAL COOPERATION PROGRAM
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2022年7月21日

<学生記者レポート>館内カフェの設置や道のり動画作成などを提案 =本学と印刷博物館の社会連携授業で最終プレゼン(7/1、7/8)

印刷博物館の新たなビジネスモデルを考える社会連携授業の最終プレゼンテーションが7月上旬、渋谷キャンパスで行われました。学生は来館者増に向け、館内カフェの設置や道のり動画作成などユニークなアイデアを提案。印刷博物館学芸員の中西さんは「垣根のない話し合いが良いアイデアを生んだ」などと講評しました。

印刷博物館のみなさんと

最終プレゼンは7月1日と8日の2回に分けて行われ、それぞれ8チームずつ発表しました。テーマは6月3日のキックオフ授業で提示された「印刷出版文化に関心の薄い層の来館者数増加」と「新たな体験価値創出、継続的な発信」の2つです。1チームあたり4~5名の各班で問題点を見つけだし、1か月かけてアイデアを企画しました。

東京ドームとコラボの提案も

プレゼンは、1日は2班、13班、16班、8班、1班、4班、14班、12班の順に8チームが発表。8日は7班、10班、15班、6班、9班、11班、3班、5班の順に8チームが続きました。1チームあたりの発表時間は6分です。各日、最も評価の高かったチームには「印刷博物館賞」が贈られました。提案されたのは、写真映えスポットの館内設置の他、オリジナルキャラクターの作成、YouTuberとのコラボ動画投稿など多彩なアイデアです。中には、印刷博物館の近隣にある東京ドームとのコラボレーションなど異彩を放つアイデアもあり、プレゼンを審査した印刷博物館の皆さんをうならせました。

プレゼンに耳を傾ける

「印刷博物館賞」に13班と6班

審査の結果、優秀プレゼンに贈られる「印刷博物館賞」を受賞したのは13班と6班です。13班は「課題発見力と分析力」が、また、6班は「博物館までの順路動画や限定カフェの再現性の高さ」が、それぞれ高く評価されました。

後半は6班が受賞
前半は13班が受賞

課題発見力や分析力が断トツ-13班

のうち、1日の「印刷博物館賞」を贈られた13班は、印刷出版文化に関心の薄い層をいかに博物館に呼び込むかテーマを選びました。印刷博物館の問題点を「常設展が退屈…」「一般客、特に若者に向けたアピールが足りない…」などと分析した上で、カレンダー体験しかないスタンプを増やしたり、SNS映えする写真が撮れるスペースを設置したりするなどの改善案を提案したのが特徴です。中西さんは、受賞理由について「13班のプレゼンは課題発見力や分析力が断トツだった。5段階評価でいずれも4と評価した」とコメント。また、プレゼンの仕方も「一人ひとり役割分担して4人でプレゼンしたことが、非常に印象はよかった。(そのことにより)一体感がすごくあったと思う」などと講評しました。

論評する中西さん

提案の納得感を絶賛—6班

授業風景

また、8日に「印刷博物館賞」を贈られた6班は、アイデアの具体性が光りました。始めに課題分析では、ターゲットを若者層に絞りました。そのうえでターゲットに人気のあるチームラボと印刷博物館の、SNSの投稿内容や施設を比較して課題を浮き彫りにしました。主な提案は3つあり、限定カフェの併設、体験型ワークショップの常設、写真映えスポットの設置です。中でも限定カフェの提案は、その具体性の高さが際立ちました。ドリンクのカップホルダーに、日付や写真などのオリジナルプリントを施せるアイデアを企画。文字フォントを複数用意して、印刷博物館らしさを前面にアピールしました。加えて、来場者にオリジナルカップホルダーをSNSに投稿してもらうことで、知名度のアップも狙いました。

極めつけは、広報活動でInstagramへ動画投稿をする提案です。学生が実際に、駅から博物館までの順路を撮った動画を編集して投稿したところ、30分後の動画閲覧数が500件に上りました。受施設との比較に基づいた提案は説得力があり、プレゼンも論理性があった」などと絶賛。授業後に作った動画をリツイートしたいと掛け合ったほどでした。

宇田川さん、式さんが講評

写真スポット半年以内の設置へ

全16チームのプレゼンを終えて、中西さんは「どのチームの発表も素晴らしかった。これは皆さんが垣根なく話し合いをすることができた結果だと思う」と論評。加えて、今回の提案を受けて特に3つを実現させたいと話しました。具体的には、「写真映えスポットの設置」、「東京ドームとのコラボレーション」、「スタンプラリーの実施」の3つを挙げ、「写真映えスポットは半年以内の設置を考えている。また印刷博物館に遊びに来てほしい」と学生らに語り掛けました。

社会連携授業は本学が初めて-凸版印刷

学生カメラマンも今回がデビュー戦!

凸版印刷株式会社の運営する印刷博物館は2000年に設立。印刷が人々の生活に果たした役割を伝えています。本学が初めてという社会連携授業は、国文学科の2年生を対象とした「実践キャリアプランニング」で行われました。今年度は66人が履修しており、国文学科教授の深澤晶久教授(キャリア教育担当)が指導教授を務めました。

深澤晶久教授の話

本学キャリア教育の特色でもある全学必修科目の「実践キャリアプランニング」では、毎年、様々な企業の方にご支援をいただき、企業が実際に抱える課題について、学生が考え提案するPBL型の授業を推進しています。本年は、本学と包括連携協定を結ばせていただいている印刷博物館様との初めてのコラボ講座となりました。グループワークに先駆けて、6月初旬には、学生の有志が実際に印刷博物館を訪れ、中西様をはじめスタッフの皆さんから詳細な説明を受けるなど、例年にも増してリアリティー溢れる授業となりました。お題については、かなりレベルが高く、一方、時間が限られている中でしたが、学生たちは真剣に取り組んでくれました。最後になりますが、約1か月間にわたり、ご協力いただきました印刷博物館の中西様、宇田川様、式様をはじめとする皆様方に心から感謝申し上げます。

担当の深澤晶久教授
英文学科4年の開原莉乃です

【取材メモ】

こんにちは!文学部英文学科4年の開原莉乃(かいばら・りの)です。 来春、ふるさとの静岡県にUターンし、地元のS新聞社(県紙)に就職することが決まりました。卒業までの10か月間、学生記者として本学の多彩なニュースを紹介します。今回は、文学部の深澤晶久教授(キャリア教育)が指導する「実践キャリアプランニング」の授業にお邪魔してきました。もともと高校で新聞部に所属していたこともあり、凸版印刷が運営する印刷博物館と本学の社会連携授業は、取材前から興味や関心がありました。実際、人の数だけ多様なアイデアや着眼点があり、企画の可能性は無限大だと感心させられたところです。というのも、同じテーマが与えられて出発点は同じでも、アイデア出しまでの道のりや提案内容は全チーム異なっていたからです。私も昨年度、深澤先生の講義を受講して、チームで課題解決に取り組む難しさや達成感を実感しました。学びの多い時間になったので、後輩の皆さんにも企画提案型の講義にぜひ挑戦してほしいと思います。

7月1日(金)に行われたプレゼン前半の提案内容は、以下の通りです。

2班

【提案】
▼活版印刷体験
 —メッセージカードが入る写真立て
▼オリジナルグッズ制作
 —好きな文字を組み合わせられる「活字シュガー」
  コーヒー、紅茶とセット販売

13班

【提案】
▼印刷体験、オリジナルスタンプの充実化
▼SNS活用
 —写真映えスポットの設置

16班

【提案】
▼チケットのサイズ、柄の変更
 —柄がシーズンごとに変わりコレクション化できる
  スマホケースに挟めるほどのサイズ
▼写真映えスポットの設置
 —顔出しパネル
  トリックアートの展示

8班

【提案】
▼声優を起用した音声ガイド
—音声ガイドの利用者特典を用意
  声優とのコラボグッズ販売

1班

【提案】
▼館内カフェの設置
—印刷博物館に関連するオリジナルフードの販売
「チョコドーム」「フードプリンター」
▼有名人とのコラボ
 —音声解説を有名人が担う

4班

【提案】
▼館内カフェの設置
 —オリジナルメニューの販売
  「三原色ドリンク」「フォント印刷クッキー」「本型のケーキ」
▼マスコットキャラクターの作成
▼Instagramの改善
 —1分程度の動画投稿

14班

【提案】
▼声優による音声ガイド
▼TikTokを活用した施設魅力の発信
▼撮影可能エリアの拡大と写真映えスポットの設置

12班

【提案】
▼サンリオとのコラボ 
 —コラボデザインのはがき、しおり、ステッカー制作体験
  コラボキャラクターの作成
▼アンケート特典を追加

7月8日(金)に行われたプレゼン後半の提案内容は以下の通りです。

7班

【提案】
▼Instagramの活用
 —写真撮影コーナーの設置
  メンションでおみくじを引ける特典追加
▼館内カフェの充実
 —看板メニューの作成、定着
▼お土産の充実

10班

【提案】
▼SNSを利用した宣伝
—YouTubeを利用した広告プロモーション
  TikTokを利用した施設紹介

15班

【提案】
▼印刷体験の充実化
▼子ども向け体験コーナーの設置
 —スタンプラリーや宝探しゲームを行う
▼Instagramの活用
 —リール投稿をする

6班

【提案】
▼ターゲットを絞った広報活動
▼常設展示の魅力増大
 —写真映えスポットの設置
  体験コーナー、ワークショップの常設
▼限定カフェの併設
 —ドリンクのホルダーカップにオリジナルプリント

9班

【提案】
▼東京ドームとのコラボ
 —連動イベントの企画
▼VR展示のナレーションに声優や俳優を起用
▼歴代プリクラ機の設置
▼セルフ写真館の設置

11班

【提案】
▼写真映えスポットの設置
 —大きな本のオブジェ、新聞紙ラック
▼1950~1960年代の小物、衣装の貸し出し
▼レトロなカフェメニュー、お土産の販売
 —茶色と白で色合いをまとめた「オリジナルパフェ」
オリジナルの包み紙を使用した「サンドイッチ」
本型の箱に入った「プリントクッキー」

3班

【提案】
▼オリジナルキャラクターの作成
 —キャラクターグッズ販売
  パネル設置による道案内
▼Instagramの活用

5班

【提案】
▼子ども向けの体験コーナー設置
 —オリジナルカードの制作体験
有名映画とコラボ
スタンプラリーの設置
▼オリジナルキャラクターの作成
▼写真映えスポットの設置

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