社会連携プログラム
SOCIAL COOPERATION PROGRAM
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2021年5月21日

現役編集者が学生に文章術を指南、書いた原稿を日経新聞に投稿!「日経HR」と初の社会連携授業を行いました(5/14)

現役編集者から就職活動や実社会で役立つ文章術を学ぶキャリア教育授業が14日(金)、オンラインで開催されました。授業で学生が作成した原稿を日本経済新聞の「未来面」に投稿、31日付日経朝刊への掲載を目指します。同新聞グループの人材サービス会社「日経HR」と初めて行う社会連携授業として実現しました。同社コンテンツ開発室の渡辺茂晃氏を講師に招き、学生たちが就職活動のエントリーシート(ES)作成にも応用できる文章の書き方などの手ほどきを受けました。

履修生の6割が、投稿で腕試し

授業は、文学部国文学科2年生が対象の授業「実践キャリアプランニング」の一環として実施されました。同学部の深澤晶久教授(キャリア教育担当)が指導教授です。今年度63人が履修しています。

 授業で扱う「未来面」への投稿テーマには、「新型コロナが私たちに気づかせたものとは?」が採用されました。田中陽・日本経済新聞編集委員が、未来面の新シリーズ「本当に大切なことは何か」の第1回テーマとして提示したお題です。新型コロナウイルス感染拡大に伴う田中編集委員の問題提起に対し、課題解決につながる学生のアイデアが試されており、アイデアを400字以内にまとめて投稿します。締切は20日(木)正午まで。渡辺氏が講義のほか、希望者に対する原稿の個別添削も行いました。履修生の6割が腕試しに投稿する予定です。

学生にZOOMでレクチャーする渡辺氏

新聞の文章テクニックをESに応用してみては?

逆三角形スタイルをESに応用

このうち、14日の授業は、20日の投稿に先立ち、渡辺氏がESを例に「読まれる文章」の書き方をレクチャーしました。ESは「最後まで読まれるとは限らない」とした上で、読んでもらうためには「相手が忙しい人を想定して文章を書くといい」と強調。新聞のように、大事なことや言いたいことを先に書く逆三角形の文章スタイルをESに応用することをアドバイスしました。

 具体的には、文章の構成を見出し(結論)、リード(全体の要旨)、本文(リードをさらに説明)、背景説明の順に並べ、「どこで切られても、ある程度の事は分かる構成」にするよう提案しています。
加えて、社会人に求められる文章のポイントとして①主語と述語を正しく対応②修飾語と被修飾語は出来るだけ近くに③1文は短く、言いたいことは1つに-など9項目の文章テクニックを紹介。これらを駆使して「誤解を招かない」「読みやすい」「説得力がある」といえる文章を目指すよう求めました。

採用担当者が「途中で飽きてしまわない文章を」

その上で、ES定番の設問「学生時代に力を入れたこと」を例に取り上げ、学生が実際に書いた回答の添削例を紹介。「同じ語尾の繰り返し」「冒頭の一文が長すぎる」などとそれぞれテンポの悪さ、誤解の招きやすさを指摘するとともに、結論を冒頭に移すよう求めました。渡辺氏は、その理由を「企業の採用担当者は皆忙しいし、(ESで同じ設問に対する回答の)たくさんの文章をずっと読む。いくら読み進めても聞いている答えが出てこないと、途中で疲れて飽きてしまい、それ以上はもう読まない」と述べています。

 日経電子版の「未来面」は、日本が抱える課題を企業と読者が議論しながら深める紙面です。日本を代表する経営者らが、自らの問題意識に基づき課題を提示。課題解決につながるアイデアを読者から募集します。優秀アイデアに採用されると、日経電子版で10人、紙面で3人の原稿が掲載されます。

9つの文章テクニックを手ほどき
緊急事態宣言の再延長で研究室からZOOM

深澤晶久教授の話

ネット社会の中で生きてきた大学生たちに、改めて“言葉”の大切さを感じてもらいたい、相手の立場に思いを馳せながら、自分の思いを如何に伝えるか、なかなか直接会えない今、その重要性がクローズアップされていることを感じて、文章術のプロである渡辺さまにお願いして実現した授業です。就職活動のみならず、これからの大学での授業でも、社会人になってからも必ず役に立つ大切な学びであると思います。

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