「実践デザインラボⅠ」(担当:人間社会学部社会デザイン学科 標葉 靖子教授)の授業で、12月19日に株式会社Brillar(ブリジャール)との特別コラボ授業が行われました。この日は1か月前に出された課題に対するプレゼンテーション。テーマは「人工石の指輪をひとつのライフスタイルや自己表現として広めるための具体的な施策を考える」です。学生たちはグループワークを経て発表に臨みました。
レンタルサービスで良さを広めよう
Brillarの代表取締役である小原亦聡氏も来校し、「楽しみにしてきました」とコメント。
「店にも来てくれたと従業員から聞いています。シャープな質問もあったそうですね」と、学生たちの調査力に感心していました。
さらに「成長過程にあるブランドとして良い施策があれば取り入れたい」と、提案に期待を寄せました。
いよいよ学生たちの発表です。
トップバッターは「カメレオン」チーム。
人工石に関する意識調査では、人工石が指輪の素材として使用されていることを知らない人が83%にのぼり、まだ十分に知られていない現状や、従来の価値観によるイメージが課題だと整理しました。
そこで提案したのが、名付けて「Brillar select」というレンタルサービスです。
記念日や結婚式などで指輪やネックレスを1週間貸し出し、利用している様子をSNSに投稿するとクーポンが使える仕組みにして、人工石ジュエリーの認知向上と抵抗感の軽減を目指します。

発表後、小原氏から「以前、婚約指輪の購入者向けに結婚式でのレンタルサービスを行ったことがあります」と実例が紹介されました。
過去に類似の取り組みも行っており、その可能性と課題の両面について意見交換が行われました。
SNSで若い世代にアプローチ

続いての「こしあん」チームはSNSの活用を提案しました。
意識調査では、天然石を選ぶという従来の価値観が根強く、人工石を積極的に選びたいひとは少ないことを確認。
そこで、SNSで情報を得ている若い世代にアプローチし認知度アップを狙います。利用するSNSは「X」で。
バズっている投稿を検証し、画像や情報の発信方法などを具体的に提案しました。
「この仕事はInstagramから始めたので、いまでもInstagramに投稿が偏っているかもと感じました」と小原氏。
「他のSNSへの対応やインフルエンサーへのオファーなどにも力を入れるべきかもしれませんね」とコメントされました。
「自分らしさとは何か」を問いかける
次のチーム「長女」は、人工石を宝石ではなくファッションとして提案するプレゼンを行いました。
商業施設でミニランウェイを開催し、実物を見る機会を増やします。展示の場ではサステナブルな価値も訴求しやすいと説明しました。
さらに銀座などの駅で、デジタルサイネージ広告を展開。イメージ動画も自分たちで作成しました。
「自分らしさとは何か」を問いかけることで、新しい愛の表現としての選択肢を提示しました。
小原氏は「動画も作り込まれていて、完成度の高い発表でした」と感嘆されました。
「主体的に選んでいるつもりでも、社会的なイメージに影響されていることは多い。新しい自己表現としての切り口はとても良いですね」と語りました。

キャラクターとコラボして展開

最後は「プリキュア6」チームです。
意識調査から、ジュエリー選びの基準は「知っているブランド」であることが重視され、価格も大きな判断材料になると分かりました。
宝飾業界は定番ブランドの基盤が強く新規参入が難しい一方、手に取りやすい価格帯であれば選択肢に入ることにも着目。
そこで若者への認知拡大策として、ポップアップストアの実施を提案しました。カスタムチャーム作りやサンリオなど既存キャラクターとコラボすることで、ブランドをより身近に感じてもらう狙いです。
小原氏は「百貨店でポップアップを行ったことはありますが、若者向けではありませんでした」と振り返り、「キャラクターの力を借りるのも一つの有効な案ですね」とコメントしました。
意識調査からしっかりと
発表の締めくくりには、小原氏から総評がありました。
「意識調査など大変だったと思いますが、どの班もしっかり調べていて素晴らしかったです。ありがとうございます」と、学生たちの努力をねぎらいました。
さらに「気になってはいたもののやっていなかったところも指摘され、やはり力を入れるべきと気付かされました」と、学びの多い発表だったと振り返りました。

小原氏(株式会社Brillar代表取締役)からのメッセージ
今回の取り組みを通じて、モアサナイトという新しいジェムストーンに対する若い世代の率直な声に触れ、その可能性を改めて強く実感しました。既存の価値観にとらわれず、自分自身の基準で「美しさ」や「選ぶ意味」を判断する姿勢は、これからのジュエリーの未来そのものだと感じています。
ブリジャールは、創業9周年を迎える中で、日本におけるモアサナイト市場を切り拓いてきました。
まだ一般的ではなかった時代から、モアサナイトの持つ本質的な美しさと価値を信じ、発信し続けてきたからこそ、今こうして次世代の共感に繋がっていると考えています。
モアサナイトは、単なるダイヤモンドなどの代替素材ではなく、これからの時代にふさわしい新しい選択肢であり、新しいスタンダードです。
今回得られた若い世代のリアルな視点を大切にしながら、その魅力をさらに広げ、次の時代のジュエリー文化を形づくっていきたいと思います。
担当教員からのメッセージ
今回の社会連携プロジェクトでは、学生たちにとって実地調査や資料作成を通じて、立案に至るまでのプロセスを体験的に学ぶことのできる機会となったのではと思います。
あらためて学生にこのような貴重な機会をご提供いただいた小原様をはじめとするBrillarの皆様に厚く御礼申し上げます。

