社会連携プログラム
SOCIAL COOPERATION PROGRAM
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2025年11月6日

まつ育ファン化計画!実践キャリアプランニングの授業にて、アンファー株式会社とコラボした課題の発表が行われました。

2025年10月24日(金)実践キャリアプランニング(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)にて、アンファー株式会社(以下アンファー)から中溝幸生氏、堀川瑞希氏をお招きし、課題の発表が行われました。アンファーはスカルプDで広く知られている化粧品・健康食品メーカーです。

授業と企業連携について

「実践キャリアプランニング」は、1年生を対象とした必修の共通教育科目です。学生は、企業からのゲスト講師や在学生の先輩によるキャリア講演、企業と連携したPBL型課題などを通して、社会人基礎力を養い、多様化する女性のキャリアへの理解を深めていきます。

国文学科クラスでは、企業から提示される課題に学生がグループワークで取り組み、解決策を導き出す「課題解決型授業」として、アンファーとの連携を行っています。

当日はゲストとして、元アンファー株式会社常務取締役、株式会社ディーメディカルジャパン(アンファーの系列企業)相談役の中溝幸生氏と、アンファーグループグループ経営統括局 人事部の堀川瑞希氏が登壇しました。講演に先立ち、堀川氏は「学生の皆さんが将来の就職活動の際に、アンファーグループを選択肢の一つとして考えてもらえたら嬉しい。また、今日の課題にはぜひ一生懸命取り組んでほしい」とエールを送りました。

堀川氏

スピーカーの紹介

今回ご講演いただいたのは、中溝幸生氏です。中溝氏は元資生堂勤務で、深澤教授からは「私の先輩で、一緒に働いていました。机が隣だった時期もあるんですよ」との紹介がありました。

中溝氏のキャリアは営業職からスタート。「新卒で入社後、初めての配属先は、九州の長崎市でした。その5年の在籍期間中のうち、2年間は五島列島福江市に住みながら営業活動を行いました。」と振り返りました。その後、東京本社へ異動し、長くマーケティング業務に携わります。特に男性化粧品のマーケティングや商品企画を担当し、当時の企画書の写真を交えながら具体的な取り組みを紹介しました。赤字だった子会社の業績を大幅な黒字へと転換した事例についても触れ、「このときは社内表彰で社長賞をいただきました」と語りました。

また、上海駐在時の経験として、2010年の上海万博で協賛企業となるための企画提案に尽力したことを紹介。国際的なビジネスの現場で活躍された経験も語られました。

資生堂退社後はアンファーに入社し、これまでの経験を活かして商品開発や海外販路拡大などの業務に携わってきました。
人事部に在籍していた際には、「役職敬称の撤廃(社長を“社長”ではなく“◯◯さん”と呼ぶ)」や「服装規定の見直し」など、組織改革にも取り組まれました。

商品企画や販売促進の施策立案、企画提案など、学生たちがこれから取り組む「課題に対する解決策の提案」と通じる業務を数多く経験してきた中溝氏。
講演は、アンファーという企業の紹介へと続きました。

アンファーについて

中溝氏は「アンファーは、医学を中心に“美と健康”の領域で包括的なソリューションを提供するメディカルヘルスケアカンパニーです」と紹介しました。〈スカルプD〉をはじめ、スカルプケア・スキンケア商品の展開に加え、男性、女性の薄毛治療専門のクリニック、睡眠サポート、オンライン診療など、健康に寄与する多様な事業を展開しています。

アンファーは企業理念として「自分をより『美しく』『健やかに』することを通じ、人生をより『愉しく』したい人を増やすこと」を掲げており、中溝氏は「“愉しむ”という言葉が含まれているのがアンファーらしいところです」と語りました。さらに企業ミッションとして「医学に基づく、最適なソリューションの提供」を掲げ、医療機関との連携体制を強化している点も大きな特徴だと説明しました。医師や専門家の監修のもと、医療知見に基づいた商品開発や診療事業を行っています。

また、アンファーグループ内の企業構成についても詳しく説明があり、「皆さんがドラッグストアで目にする〈スカルプD〉や<まつげ美容液>の販売を行う企業と、クリニック事業の両輪で活動しています。」と紹介。「お客さんの悩みの深さに対応して、日常的の使う商品提供や治療を行う自由診療クリニックを運営し、すべてのお客様に満足いただける企業を目指しています」と述べました。

課題の発表

今回、学生が取り組む課題は「〈スカルプDまつ毛美容液〉のリピート対策の提案」です。中溝氏はシリーズの中でも〈スカルプDまつ毛美容液プレミアム〉を取り上げ、全15班に商品のサンプルを配布しました。

〈スカルプDまつ毛美容液〉シリーズは、2012年に誕生し、「毎日の目元ケアでご機嫌なわたしへ」というメッセージを発信する国内売上NO1のまつげ美容液ブランドです。まつ毛美容液のほか、マスカラやアイライナーなど、目元に特化したメイクアップ商品も展開しています。ブランド誕生のきっかけは「お客様の声」であり、アンファーが頭髪研究で培った知見をもとに、気軽で安心して使えるまつ毛美容液が開発されました。

中溝氏は課題設定の背景として、「美容液は、効果を実感するまでに少し時間がかかる商品」と説明。そのため、継続して使いたくなる工夫がないとリピートにはつながりにくいとし、サポートメールの配信や定期購入者に特典を付与するなどの対策を取り入れていることを紹介しました。さらに、企画提案の条件として「具体的なアプローチの背景を明確に説明すること」や「文字・図表・音声など表現方法は自由であること」を提示。「特に背景の部分をしっかり考えてほしい」と学生に呼びかけました。

講演の最後に中溝氏は「競合商品と比較しながら考えを深めてもらえたら」とライバル商品を紹介しながら助言し、学生の分析と提案に期待を寄せました。

授業の終わりに

中溝氏の講演に続いて、深澤教授から今後のスケジュールと具体的な取り組み方について説明があり、「皆さんにとって初めてのキャリア科目であり、初めての企業連携提案です。協働力と計画力を高めるプロセスを経験し、成長の一つの機会にしてほしい」と学生にエールを送りました。

学生は講義の残りの時間を使って早速グループワークに取り組みました。
今後、2回のグループワークを通して企画をまとめ、その成果をアンファーの皆様に向けて発表する予定です。

担当教員からのメッセージ

今から約30年前、私が企業でマーケティングの業務に携わっていた頃に大変お世話になったのが、
今回、ゲストでお越しいただいた中溝様です。
こうして再び出会えるご縁の深さを感じています。
今回は、学生にも身近な化粧品のマーケティングに関するお題をいただきました。
学生たちの柔軟な発想から、どういった提案がなされるか、とても楽しみです。
この場を借りて、中溝様には心から感謝申し上げます。

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