社会連携プログラム
SOCIAL COOPERATION PROGRAM
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2025年6月26日

就活に役立つ留学!「国際理解とキャリア形成」の授業でアンジェラス留学の中根なゆた氏の講演が行われました。

6月16日(火)、国際理解とキャリア形成(担当:文学部国文学科深澤晶久教授)にて、アンジェラス留学の中根なゆたさんを講師に迎え、「就職に役立つ留学」をテーマとした講演が行われました。アンジェラス留学が取り扱っている留学の行先やプログラム内容などの紹介のほか、実際に留学へ行った学生の体験談発表や留学先現地との生中継インタビューなど、留学のリアルに触れられる講演でした。

留学について知ろう

中根さんはまず、「そもそも留学とは?」という基本的な問いから話をスタート。留学に対してよく聞かれる「怖い・高い・難しそう」といった不安について言及し、「この時間で留学について知らないことを知っていただいて、留学を少しでも身近に感じてもらう。そして、留学に行ったことで得られるインセンティブを知っていただく。その中に就職活動に役立つものがあるはず」と話しました。

「留学と旅行、一週間の滞在を想定した場合、実は値段がそんなに変わりません。留学は『現地で学校に行くこと、生活の体験をすること』。留学をすることで良いことはいっぱいあるけれど、その中の一つに『不自由な体験をすること』があると思います」と話しました。

自身の経験も踏まえ、「大学在学中にフランスに留学し、生活文化の違いによる不自由さを経験したことで、自分の価値観が決まり、就職活動の軸となりました。視野も気持ちの持ちようも広がりました」さらに、「大学入学時、資生堂入社時、そして入社後のフランス出張など、人生の節目で留学経験に助けられてきました」と、留学の価値を具体的に伝えました。

留学経験者のお話

続いて、実際にカナダで1年間の留学を経験した、現代生活学科4年生の村上遥香さんが体験談を発表しました。村上さんが参加したのは、語学学習と専門プログラム、そして現地での就労が一体となった「Co-op留学」です。「最初の三か月間で英語を勉強し、その後はカスタマーサービスに関する専門プログラムを英語で受講しました。授業ではカナダの就職活動についても学びました」と説明。プログラム終了後は一カ月のバケーションを経て、空港の免税店での就労を経験したと話しました。

さらに村上さんは、現地で参加した「キャリアフォーラム」という就職イベントにも言及。海外経験者を対象としたこのイベントでは、短期間で企業の選考が進む仕組みになっており、日本国内外の企業が参加しているといいます。「日本にいながら海外と日本をつなぐ仕事をしたい」という思いから、村上さんは主に日本支部の採用にエントリーしたそうです。

体験談の中盤には、免税店での就労経験をもとに、文化の違いに関するクイズも出題されました。「カナダと聞くと移民が多い国という印象があると思います。実際にそうで、免税店で働いているときには、国内の方以外にも海外の旅行客の方も多く接客し、国籍や文化の違いによってお客様の振る舞いや求めているものが全く違うことを肌で感じました」と話し、「皆さんが想像できる範囲で構わないので、どのような違いが具体的にあるでしょうか」と学生に問いかけました。

グループワークののち、学生からは「ドラマで見たヨーロッパのショッピングの場面では、お客さんとたくさん会話しながら商品を選んでいた。コミュニケーションが大事なのでは」「国によってチップ文化の有無もあるのでは」という回答がありました。

村上さんは「まさにその通り」とうなずき、「中国のお客様は価格を気にされる方が多く、韓国籍やフィリピン籍の方は日本人と似ていて、優柔不断な方が多い印象。だからこそ、的確な情報を提供することを意識していた」と説明。「メキシコ国籍のお客様とは、商品に関係ない雑談が多かったりと、接客スタイルも工夫が必要でした」と、国ごとの違いを生かした対応を語りました。

最後に、現地での接客を英語で再現するデモンストレーションも披露。自然な英語表現と立ち居振る舞いに、留学で得た実力が垣間見えました。

留学先現地と生中継!

講演の後半では、海外インターンシップ型の留学プログラムも紹介され、現地とオンラインで中継をつないだ“リアルな声”が届けられました。「大人の職業体験」と銘打って紹介された留学プランは、ホテルで働きながら実践的な英語を学ぶというもの。実施地はフィリピンのセブ島にある、語学学校が敷地内に併設されたリゾート地の三ツ星ホテルです。四週間の滞在期間中、ホテルでホスピタリティを学びながら、英語を習得していきます。現地ホテルの従業員と語学学校の先生から手厚いサポートを受けながら、滞在期間で合計四種類の業務を経験できるプログラムです。

現地スタッフの鈴木さんとズームでつながり、インタビューが始まりました。インタビューに答えてくれた方は、実際にプログラムに参加しているありささん。渋谷からセブ島へ、質疑応答が始まります。

「実際に参加してみてどうでしたか?英語の生活に慣れるのに、どのくらいの時間がかかりましたか?」という質問に「インターン以外にも、英語のクラスが充実していて面接の練習やプレゼンの勉強をしています。英語は難しいけど、実践的な英語を学べると思います。現地の生活には一週間ほどで慣れました。語学学校なので、日本人の方も多く思っていたよりも簡単に友達ができました。最初はびっくりすることが多いけど、一週間くらいで慣れて楽しくなってくると思います」とコメント。学生からも質問を投げかけました。「日本国内のホテルでもインターンができたと思いますが、フィリピンのセブ島を選んだ理由は何ですか?」との問いに、ありささんは「英語でインターンができることが一番の理由です。スタッフの人や先生と会話するときにすべて英語なので、英語を実践できる環境がいいなとおもいました」と回答しました。インタビューの最後には、現地の語学学校の先生も画面に登場。実際の環境や経験できる内容を直接知ることができる貴重な機会となりました。

今回の講演を通じて、学生たちは留学が語学力の習得だけではなく、自分の経験を広げることによってキャリアへの意識につながるという、新たな視点を得ることができたようです。将来を見据え、自分にとって意味のある留学とは何かを考えるきっかけとなる、貴重な機会となりました。

担当教員からのメッセージ

私が株式会社資生堂の人事部で採用の責任者であった時に、中根さんと出会いました。その後、中根さんが父上の会社に転職された後は、毎年ゲストとしてお越しいただき、留学を中心にキャリア形成のお話しをしていただいています。親身に相談に乗っていただくことがきっかけで、中根さんにお世話になって海外留学に出かけた学生は、約60人を数えます。長いご縁に本当に感謝です。
この国際理解とキャリア形成の授業には、特に留学や海外での業務に夢を持つ学生も多く、中根さんのお話しには、とても関心深く授業に参加してくれています。今年もセブ島とオンラインで結んでいただいたり、中根さんにお世話になって留学に行かれた現4年生の村上さんの体験談まで、盛りだくさんの内容となりました。様々な準備をして下さった中根さんに心から感謝申し上げます。

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