社会連携プログラム
SOCIAL COOPERATION PROGRAM
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2025年8月13日

発見したことを共有しよう!「演習Ⅱa」の授業で、複数のカフェのSNS分析とフィールドワークの成果を共有する中間発表を行いました。

5月28日の「演習Ⅱa」(Lクラス担当:人間社会学部ビジネス社会学科 篠﨑香織教授)で、猿田彦珈琲とのコラボ授業が行われました。この日は、4月に企業から出された課題に取り組む過程で発見したことを共有する中間発表。代表取締役の大塚朝之氏をはじめ社員の皆さんを前に、実際に店舗へ行って感じたことなどをプレゼンしました。

フィールドワークで発見したことを発表!

学生たちに出されている課題は「猿田彦珈琲のSNSについて考えよう」。
ターゲットは20代で、猿田彦珈琲のファンになってもらえる投稿を提案することです。
そのためのフィールドワークとして、先週クラスの皆で道玄坂通店へ来店。そのときに感じたことや課題に生かせそうなことをまとめてきました。

この日も学生たちの手元にはアイスコーヒーが配られました。
「緊張するかと思いますがリラックスしてやってください」と芸人でもある平岡佐智男氏が話し、発表が始まりました。

対応の良さをアピールするには?

トップバッターはE班です。
ターゲットを20代前半の女性に定め、新規顧客の獲得を重視した投稿案を考える予定です。
フィールドワークで感じたこと、発見したことを学生それぞれが細かく発表し、大塚氏からも「すごいね」と感嘆の言葉をいただいていました。
そのなかで特に「店員の対応がとても良い」ことに注目。
平岡氏から「店員の対応が良いというメリットをSNSでどうアピールしますか?」と質問され、学生は「対応している最中の動画を出すとか、大切にしている言葉をピックアップすることなどを考えています」と答えていました。

2番手はB班。
大学生をターゲットに、スイーツに焦点を当てる投稿を考えています。天井が高く、店内の雰囲気が良いためちょっといい時間を過ごしたいときに使ってもらえるようアピールする作戦。
特に一口サイズのクッキーなど、摘まめるものがあることに着目していました。

大塚氏からは「スイーツでカフェを選ぶことは多いですか?」という質問が。
学生は「SNSでチェックしてスイーツをみて行ってみようと思うことはある」と回答し、「スイーツを頼むときは必ず飲み物も頼む。スイーツを基準に飲み物を決めるときもあります」と話し、大塚氏も頷いていました。

マイナスポイントも次に生かす

次のA班からは残念だった体験も。
グラスに美しく入った写真に惹かれて「ブルーベリーバイオレットフロラッテ」を頼むも、提供は紙コップで中身が見えなかったということ。
「グラスやプラカップなど透明なものに入っていれば、写真も映えるため雰囲気が演出できると思います」と発表すると、企業の皆さんも納得したように頷いていました。

D班もスイーツ系や期間限定商品を押し出していくことを考えています。
公式サイトやSNSに載っていないスイーツやフードが、実際には種類が豊富にあり驚いたと発表。
「事前に公式サイトを見てから行きましたが、あんまり種類がなく残念だと思っていたので驚いた」と話しました。
大塚氏から「公式サイトでフードやドリンクの情報を調べますか?」と質問があり、「初めて行く場合は見ることもあります」と回答しました。

店舗ならではの良さを発見

続いてC班。
季節限定などだけではなく、その日の天候や気温などに合わせてオススメ商品を紹介するなど、日常的な投稿案を考え中です。
店内は落ち着いていて一人で作業する人もいますが、学生たちが普通の声量で話したり笑ったりしても大丈夫な雰囲気で、過ごしやすかったと話しました。

最後のF班は、映えだけではない、猿田彦珈琲独自の落ち着いた雰囲気が伝わるような投稿を目指しています。
道玄坂通店には、靴を脱いで上がる畳敷きの小上がりがあります。インバウンドの方向けの和風の雰囲気を重視したそのスペースを、班のメンバーが体験。
「他のカフェと違い、足を伸ばしてリラックスできた」と感想を語りました。
メンバーが頼んだものは、フルーツをメインにしたスイーツドリンク。
それを見て「期間限定商品などはフルーツ系の商品が多いのですが、コーヒーを使った商品でも飲みたいと思いますか?」と平岡氏から質問。
気分に合えばもちろん飲みたいと学生たちは回答しました。
最終プレゼンでコーヒーを使った新商品の提案もしてみようという話も出ました。

最終プレゼンに向けさらにレベルアップ

全部の班の発表を終え、企業の皆さんからは「みなさんとても考えていてすごいですね」という感心の声が。
6月に行われる最終プレゼンテーションへの期待が高まりました。
最終プレゼンでは、SNSへの投稿案というのがメインの課題ですが、どんな提案もNGはありません。
新商品の提案や、提供の仕方など実際にフィールドワークから思いついた発想も活かし、自由に提案します。
学生たちはさらに1ヵ月かけてグループワークを行い、企画の完成度を高めていく予定です。

担当教員からのメッセージ

 4月30日の初回連携授業から5月28日の中間発表まで、約1か月の期間がありましたが、5月7日は本学の創立記念日のため授業はなく、実質2回の授業を経て中間発表を迎えることになりました。
 この演習を履修している学生には、前期14回分の授業計画をあらかじめ示しており、ゴールデンウィークなど授業がない期間にも、猿田彦珈琲からいただいた課題に対応するために、意識的に「よく見るInstagraやXを参考に、フォロー・リツイート・コメントが多い投稿の特徴を分析する」という課題に取り組むように伝えていました。
 5月14日の授業では、「インスタグラムの分析(フォロー、リツイート、コメントのあるインスタグラムとは?)」をテーマに、猿田彦珈琲のInstagramまたはXの投稿を、チームごとに分析しました。
 また、5月21日には、猿田彦珈琲のお取り計らいにより、道玄坂通店でのフィールドワークを実施することができました。学生にとっては「猿田彦珈琲って?」「行ったことがありません」という状態からのスタートだったため、店舗の雰囲気やスタッフの皆さまの接客の様子、商品ラインナップ、顧客層などを観察・確認するとともに、それぞれが思い思いに商品を注文し、飲食できたことは非常に貴重で、「百聞は一見に如かず」を実感する良い機会となりました。
 学生はあらかじめ猿田彦珈琲のInstagramやXのほか、他のカフェや女子大生に人気のブランドのSNSも観察し、「SNSを活性化させるとはどういうことか?」を自分なりに考えてから現地に赴きました。そして、「誰に」「何を」「どのように」伝えることが、課題解決に結びつくのかについて、店舗での経験を踏まえて検討を重ねました。

 そして迎えた本日の中間発表会では、各チームがそれぞれの視点から猿田彦珈琲を分析し、その成果を発表することができました。猿田彦珈琲の皆さまからは、驚きや喜びのお声をいただく場面もあり、次のひと月で何を加えていけるかが私自身の課題になりました。
 
 最後になりましたが、ご多忙の中ご対応いただきました猿田彦珈琲道玄坂通店のスタッフの皆さま、また中間発表会にご出席くださった大塚社長、平岡様、田岡様、上田様に、心より御礼申し上げます。今回は、当時「東京大学 Special Edition店」でしか味わえなかった「濃縮カスタムミルクラテ」を差し入れとしてご提供いただきました(6月21日より全店舗で販売開始)。重ねて感謝申し上げます。

【フィールドワークと中間発表会の様子はこちらからも知ることができます!】
https://www.jissen.ac.jp/learning/human_sociology/blog/2025/shinozakizemi_20250530.html)

https://www.jissen.ac.jp/learning/human_sociology/blog/2025/20250613_shinozakizemi.html
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