夏休み期間中である8月23日(火)に、実践女子大学渋谷キャンパスで毎日新聞社主催の「学びのフェス」が開催されました。小学生たちが訪れ、さまざまな企業や団体の出張授業を体験するイベントです。実践女子大学からも出張授業やコーナーが出て、学生たちも授業の手伝いや子どもたちとの交流を行いました。
学びのフェスとはどんなイベント?
「学びのフェス」とは毎日新聞社等が主催する、さまざまな企業やNPOの小学生向けの出前授業を一堂に集めたイベントです。このイベントは2014年から毎年夏休みと春休みに行われています。環境や食、労働などをテーマに各企業や団体が趣向を凝らした授業を用意し、小学生たちが社会学習できる貴重な体験イベント。今回は実践女子大学の渋谷キャンパスを会場に行われました。普段は女子大生だけの空間に、子どもたちの楽しそうな声が響きました。
これはゲーム?アート?デザインのひみつを知ろう!
実践女子大学の研究室も小学生たちを相手に出張授業を行いました。文学部・美学美術史学科の下山肇教授による授業は、デザインについての授業です。始まったのは、色の話。色には2種類あることを学びます。絵の具のような「色の三原色」青緑(C:シアン)、赤紫(M:マゼンタ)、黄(Y:イエロー)と、パソコンのモニターなどの「光の三原色」赤(R:レッド)・緑(G:グリーン)・青(B:ブルー)です。
この三原色を使ったボードゲームを遊んでいきます。隣の人と順番に、マスに色のコマをはめて、オセロの要領で並べていきます。シアンとイエローでコマを挟むと、挟まれたコマは2つを混ぜた色である黄緑に変化。そうして色のピースを並べていきます。16コマ全部埋まったボードを見てみると、いつの間にか「アート」のパーツが出来上がっていました。みんなで遊んだボードは組み合わせて、大学の玄関の柱に貼り付けられ、お客様をおもてなしする壁面アートとして展示されます。一人で作ったものは小さくとも、全員で少しずつ協力しひとつの作品を作る「共創」。これからの時代を生きる上で大事な考えを学びました。
カルタで遊んで楽しく学ぼう
現代生活学科の須賀ゼミの学生が開いていたのはカルタのワークショップ。学生たちが、中学校の家庭科教科書を元に作成した「くらしいろはカルタ」を使います。カルタは、百人一首のように上の句と下の句に分かれ、それぞれ同じイラストが描かれています。子どもたちは、それを神経衰弱のように絵柄を合わせて札を取っていきます。
札は「リデュースすれば」「ゴミが減る」や「にんじん、トマト」「皮膚を守るカロテン」など54ペアあり、SDGsや栄養、生活文化などについて遊びながら楽しく学べます。中には「カードには便利と危険」「2つの顔を持っている」など現代の消費生活に合わせた知識も。子どもたちは真剣な表情で札を覚え、取れると「やったー」と拍手して喜んでいました。
遊んだあとはSDGsの目標である2030年にどのような街にしたいか、オリジナルのカルタ作り体験も。須賀ゼミでは「多世代交流かるた」を制作しており、高齢者や子どもたちとの交流を通して素直な思いをそのままカルタにする取り組みを行っています。学生たちは6月頃から就活の合間を縫い、このイベントに向け準備していました。学生の一人は「対面で子どもたちとカルタをするのは初めて。真剣にやってくれてとても嬉しいです。カルタを通じてSDGsや良いくらしを伝えていけたら」と話しました。
実践女子学園中学・高校ってどんなところ?
ラウンジには、実践女子学園の中学校・高等学校から来た有志「JJブロッサム」の生徒たちによる、小学生との交流コーナーも。「小学校と中学校はどんな風に違いますか」などといった質問に答えていました。
実践女子学園の良いところは?と聞くと、都会の中心である渋谷にありつつ、静かで落ち着いているところが真っ先に上がりました。また、中学と高校の垣根も低く、色んな考えや価値観の人と交流ができ視野が広がるという意見も。そして何より制服の可愛さ。レトロなセーラー服に惹かれて入学した生徒もいました。伝統と歴史がありつつ革新的な学園に、皆誇りに思っているようでした。
小学生たちとの交流を通して学生たちも学ぶフェス
「学びのフェス」はさまざまな有名企業や団体が参加しており、子どもたちは普段はできない体験をすることができます。実践女子大学の学生たちも、それぞれの授業の手伝いを通し、子どもたちと交流しました。イベントでは自分で考え、自発的に動き仲間たちと助け合って進行します。学生たちにとっても、良い体験となったイベントでした。