社会連携プログラム
SOCIAL COOPERATION PROGRAM
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2026年7月31日

オリエンタルランド・クリエイションズを訪問し、学生がプログラムに挑戦しました。

5月25日、キャリア実践演習(担当:国文学科 深澤 晶久教授)にて、株式会社オリエンタルランド・クリエイションズ(以下、OCS)に学生が訪問しプログラムに挑戦しました。プログラムでは企業説明のほか、キャリアに関する講演や社員との座談会、代表取締役社長 向井 丈晴氏を交えたランチ会など、キャリアに関する視点を深めるほか、社内視察を交えた課題解決の施策提案を行いました。

OCSについて

OCSは〈「デザイン」を通じて世界に笑顔と幸せを届けます。〉というミッションを掲げ、オリエンタルランドとグループ会社をはじめ、さまざまなクライアントに対して、デザイン、商品、印刷物、デジタル、写真、映像セグメントのクリエイティブを提供している会社です。と紹介がありました。

次に組織図をスライドに投影しながら、各部門の説明があり、企画営業部と制作部がクリエイティブ制作事業を担当していることを紹介。さらに、「案件ごとにチームが結成され、協力してクリエイティブを提供します」と説明しました。実際にOCSが担当したデザインや商品、ツール、HP、動画などがスライドで紹介され、「自分が担当したクリエイティブの展開開始日に現地視察を行うことも。ゲストのリアクションなどを直接確認することもあります」と話しました。

続いて、リゾートオペレーション部門が担当しているフォトサービス事業の業務内容が説明されました。

部門にはさらにテーマパーク内にある各フォトロケーションでのカメラマンによる撮影からプリント、販売までを担当するグループと、ホテルにおける婚礼や宴会等での各種写真の撮影からアルバム等の構成、販売を担当するグループがあるとの紹介がありました。

OCSが、各種デザインや思い出となるコンテンツの制作など、ゲストの体験につながるクリエイティブを提供していることを学んだ学生たち。テーマリゾートの運営を支えるグループ企業の事業領域紹介を通じて、一つの商品やサービスが企業間の連携によって支えられていることを学びました。

現役社員によるキャリア講演

企画営業部の齋藤氏によるキャリア講演が行われました。齋藤氏は講演の冒頭、「講演を準備する中で、自分自身のキャリアを改めて振り返る機会になりました」と話し、自身の歩んできた道のりと、その経験を通して気づいた価値観について学生へ語りかけました。

齋藤氏は株式会社オリエンタルランド(以下OLC)にデザイン職として中途入社。その後、グループ会社への出向やOLCへの帰任を数度経験し、現在はOCSで企画・営業・デザインなど幅広い業務に携わっています。

講演は、「私は失敗しない」という言葉から始まりました。しかし、それは数多くの困難や失敗を乗り越えてきた経験から、「何とかする」「何とかなる」「やり切る」という覚悟を表す言葉であると学生へ説明しました。

キャリアスタートと経験

齋藤氏は新卒で保険会社に事務職として入社。「『就職のタイミングが来たからとりあえず働く』という感覚だった」と振り返るものの、「仕事は長く続けたいし、楽しく働きたい。“好き”を仕事にしたい」と考え、その状態に近づくべく3年で退職を決意。

『職人=かっこいい』『仕事好きな大人=かっこいい』。そして、小さい頃読んだ『ウォルト・ディズニー』の伝記から、好奇心をビジネスにしてきた、ウォルトの生き方に憧れ、ディズニーに携わりたいと考えていました。

保険会社退職後は大学で専攻した日本語教師を海外で1年経験し、その後入社した制作会社では、公的機関に出向。出向先で事務の仕事に取り組む傍ら夜間のデザインスクールでデザインの基礎を学びました。当時の経験を「海外生活では度胸が身に付き、公的機関での仕事では、人の役に立てることに大きなやりがいを感じました」と振り返りました。

その後、準社員としてOLC商品部へ入社し、2年間勤務した後、中途採用試験に合格して商品デザイングループの社員となりました。

齋藤氏は「人は誰もが、自分の人生の責任者なのです」というウォルト・ディズニーの言葉を引用しながら、OLCに入社するまでの約7年間は、自分で考え、自分の意思で道を選択しながら進んできたことを学生へ伝えました。

入社後の経験

 入社後、テーマパークの商品開発のためのデザイン素材集の作成、商品デザインや開発、監修などの他にも、テーマパーク以外で展開されるキャラクター商品の開発やマーケティングにも携わり、沢山の新規企画の立ち上げを実現してきたといいます。

「グッズのデザイン業務の中では、デッサンやイラストの制作に苦労しました」と振り返る齋藤氏。当時の経験を「やればやるほど自分の得意・不得意がわかるようになりました。できないことがあるだけ、多くの人に助けてもらいました。アドバイスをくれる先輩や、力を貸してくれる協力会社の職人さんなどの中で働く楽しさを強く感じました」と振り返りました。

また、「とんでもない業務量の時もありましたが、『やってから文句を言う』というスタンスで、やってのけました」と言いながら、同時に『数字に強いクリエイター』を目指し、ビジネススクールに通ったことも告白。「とにかく時間が足りなかったですが、適応能力が身に付きました」と笑いながら話してくれました。

その後も多様な業務を経験し、OCSへ出向したタイミングでコロナ渦に突入。ソーシャルディスタンスなど、従来とは異なる形での企画が求められる中、やったことのない技術を体験価値につなげられるかなど色々な取り組みを繰り返したことを述べ、「正解が分からない中、チームで試行錯誤しながら挑戦することが楽しかったです」と話しました。

キャリアを振り返って

さまざまな経験を経た現在、齋藤氏は「企画、営業、提案からデザインまで幅広い業務に携わっています」と話しました。そして、これまでで、本当にやってきてよかったこととして「その時できることを最大限やってきたこと」を挙げました。目の前にある仕事一つ一つに一生懸命に取り組んできた積み重ね、一見繋がりがないような経験の数々が後の自分の強みになっていきました。そして、なによりもその『一生懸命』が、ヒトとの繋がりを生み今の財産になっているといいます。

講演の終盤、齋藤氏は自身のキャリアを振り返る中で、一つの大きな気づきがあったと語りました。

「私は、ディズニーが好きだから仕事を続けられていると思っていました。でも振り返ってみると、本当に好きだったのは、人の役に立つことでした。」

仕事を通じてゲストが喜ぶことはもちろん、一緒に働く仲間が助かったり、笑顔になったりすることに、自分自身が最もやりがいを感じていたといいます。

「だから私は、ディズニーが好きというより、仕事が好きなんだと気づきました。そして、その得意分野がディズニーなので、今の仕事を心から楽しめています。」

さらに学生へ、「人生はゲームのようなもの」という考え方も紹介しました。

ゲームでは、設定変更できないキャラクターや出来事にでくわします。設定を変えられるのは、自分自身のスキルや考え方や次の行動、戦略です。

「想定外のこと、納得いかないことにでくわしたときは『そうきたか!』とだけ思ってください。『なぜ自分だけこんなめに?』とそこに躓き思い悩むのはもったいない」と学生たちに語りかけ、出来事は変えられなくても、その後どう行動するかで、その先を変えることができると説明。人生はゴールで決まるものではなく、それまでの経験や時間の全てが人生であり、そのプロセスが価値であると伝えました。

講演の最後には、「長く大人をやっていてもわからないことは沢山あります。でも、自分が今どこに向かっているのかという現在地を見失わなければ、人は必ず前へ進むことができます」と学生たちへメッセージを送りました。

フォトサービスとPBL

プログラムの後半には、現役社員から提示される課題に学生が挑戦しました。リゾートオペレーション部門の江口氏が登壇し、課題の説明が行われました。

江口氏は、テーマパーク内で提供されているフォトサービスの時間帯責任者を担当しています。「各フォトロケーションでの撮影や受付、プリント、販売など、最前線で活躍しているキャストの育成や管理、より多くのゲストに写真をお届けするための施策の立案・実行を行っています」と、日々の業務について紹介しました。

また、「最前線で活躍するキャストのモチベーションを高く保つためにはどうすればよいかなど、キャストを育成・管理するリーダーとしてのスキルも求められていると感じています」と説明。学生たちはサービス運営を支える仕事について理解を深めました。

江口氏から提示された課題は、〈より多くのゲストに写真をお届けするための施策の提案〉です。実際の業務フローが紹介された後、1日の目標など具体的な条件と、設定シーンにおける利用状況を数値化したデータが配布されました。

江口氏は特に、「サービスを提供しているキャストの行動変容によって数値向上につながる内容を提案してほしい」と学生に呼びかけました。また、「数値化されたデータを読み解き、見つけた課題から施策を考えることも一つのアプローチです」とヒントを示しました。

学生たちは3つのグループに分かれ、施策を考えるディスカッションを実施。配布資料をもとに、どの数値を改善すべきかを分析し、そのために必要な施策についてアイデアを出し合いました。

あるグループでは、提案の方向性が固まった段階で江口氏から「その価値を、キャストがどのようにゲストへ伝えられるかも考えてほしい。例えば、こんな声掛けをしてみるという方法もあります」と具体的なアドバイスを受ける場面もありました。江口氏は「最前線で体験価値を提供するキャストによってサービスは支えられています。その力をより活かす形で色々な施策を考えてください。」と話し、時間帯責任者としてサービス運営に携わる立場ならではの視点で学生に助言を送りました。

ディスカッション後は各グループが施策を発表。「案内文章にわくわく感を持たせたい」といった利用者視点からオペレーション改善を提案するグループや、ニーズを分析し、その要素を案内文章へ反映する施策を提案するグループ、利用者への説明を充実させることで、サービスの魅力をより効果的に伝える施策を考案したグループなど、多様なアイデアが発表されました。

また、「今考えていただいた施策は、『撮影体験』というパーク内での体験価値を、より多く提供することにつながるものです。そして、その体験は思い出をカタチとして残していただくことにもつながります」と述べ、今回の課題解決提案がどのような価値を生み出すのかを説明しました。

さらに、「みなさんが考えた施策を実際に形にするのは、最前線で活躍するキャストです。キャストに施策の価値をどう伝えるか、また、実行に向けたモチベーションをどのように高めていくかなど、日々、複数の要素を考えながら進めることが求められます。」と話し、業務における難しさとやりがいを学生に伝えました。

学生は、時間帯責任者の視点で課題に取り組むことで、サービスを支える多様な業務と、実際の業務で求められている広い視点について理解を深めました。

学生はキャリア講演や課題に挑戦することを通じて、社会人として求められる仕事への姿勢やより広い視野について理解を深めました。

講演や課題以外にもこんなことを行いました

お昼の時間には、代表取締役社長 向井 丈晴氏を交えてランチ会が開催されました。学生と同じテーブルに社員の皆さんも着席。学生は、社員の方に直接質問をしながらリラックスした様子で昼食を楽しみました。逆に社員から学生への質問もあり、双方の意見交換の場としても盛り上がりました。

また、講演や課題のワークのほかに、社員と学生の座談会も開催されました。座談会では齋藤氏のほかに企画営業部から太田氏、和田氏、池﨑氏が参加。学生一人一人から寄せられた質問に、4人それぞれから回答されました。座談会での質問を一部抜粋し、掲載いたします。

Q一番大変だった仕事は?

池﨑氏「商品を作る工場とやり取りをしながら納品までのスケジュール管理を行ったことです。海外の方と話すこともあり、意思疎通や意識の統一に難しさを感じました」

和田氏「映画と連動したイベント企画の担当をしたことです。複数の制作物を同時並行で進捗管理を行わなくてはならず、大変でした」

太田氏「ECサイトを立ち上げたことです。ウェブに関するノウハウがない中で構築しなくてはならず、分からないことの範囲が広い点が大変でしたが、それが良い経験になり今に繋がっています。」

齋藤氏「企画が進んでいた商品を、予定していた日に納品することが難しいとの連絡が来たことです。関係者と協議し対応することで、何とか商品販売までこぎつけました。他にも大変なことはいろいろありますが、このようにエピソードにもなりますし、何とかなります。恐れるものではないです」

Q.好きなことを職にするためにどうしたか

池﨑氏「今好きを仕事にしていることは、タイミングと憧れが重なった結果だったと思います。これまでつらいこともありましたが、『食べることが好き』という一つの好きがあったからこそ頑張れたと思っています。一つの好きからつながっていろんな好きが増えたので、なにかひとつ見つけることが大切なのかなと思っています」

太田氏「好きを職にする入社きっかけではなかったですが、代わりに『負けず嫌い』でやり抜いてきたなと思っています。できたことが自信につながり、乗り越えた分できることも増えました。このような経験が仕事の楽しさにつながっていると思います」

和田氏「好きなことを職にする、という目標を諦めなかったことが一番大きかったと思います。それが今の仕事につながっていると感じています。」

齋藤氏「考え方として私がよく言うのは『好き』になる必要はなく『プロ』になれ。何事も極めると仕事が楽しくなります。ただもともと『好き』だった業界に行くことは続けるモチベーションになりますね。」

担当教員のコメント

文学部キャリア科目群の一つとして、今年(2026年)開講したキャリア実践演習では、
オリエンタルランドクリエイションズ様に大変お世話になりました。
向井社長や前山部長にご尽力いただき、素晴らしいプログラムを
企画いただき、当日は、多くの社員の方のお力添えもいただきました。
オリエンタルランドグルーブを支える大きな柱として存在する
オリエンタルランドクリエイションズ様での至れり尽くせりのプログラムは、
学生にとってもとても意義深く印象に残る一日となりました。
普段はゲストとして眺めていた風景をキャストの側から学ぶという貴重な
体験をさせていただくことが出来ました。
なぜ、いつも笑顔で満たされているのか、深い視点での研鑽を積めたたことに
心から感謝いたします。
改めて貴重な経験をさせていただいた向井社長、前山部長をはじめとする
オリエンタルランドクリエイションズ様の社員の皆さまに御礼申し上げます。

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