5月28日の、共通教育科目「キャリア・ショーケース」 (担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、住友生命保険相互会社(以下、住友生命)の山本浩実氏による特別講演が行われました。変化の激しい時代でどう自分のキャリアを積み重ねるか、自分の軸を見つけることの重要さを明るく話してくださいました。

ウェルビーイングを目指す保険会社
「『なりたい私』を見つける一歩」をテーマに行われた今回の講演。
山本氏は「失敗談もたくさんあって少し恥ずかしいのですが、堅い話ばかりでは面白くありません。皆さんが将来の選択を考える際の参考になればうれしいです」と笑顔で語り、講演をスタートしました。
住友生命は1907年創業の老舗保険会社で、生命保険や損害保険を扱っています。
山本氏は「保険は万が一に備えるものというイメージが強いですが、今はお客さまのウェルビーイングの実現を目指しています」と説明。「健康で元気に歳を重ねたいという願いは、誰しも思うことですよね」と話しました。
「Vitality」を軸に、健康寿命を延ばすことを通じて社会に貢献する「なくてはならない保険会社」を目指していると語りました。
また、女性社員の割合は約9割と高く、女性が活躍しやすい環境づくりにも注力。
雑誌で「女性が活躍する会社」上位に選ばれたほか、ワークライフバランス部門でも高い評価を受けています。男性の育児休業取得率も100%を達成しており、誰もが働きやすい職場づくりを進めています。

生命保険の営業の魅力を伝えたい

山本氏は2001年、ブライダル業界から住友生命へ転職しました。
そのきっかけは、ご主人のキャリアチェンジ。
プロスポーツ選手として活動していたご主人は、引退後に理学療法士を目指して大学へ進学することを決意されました。応援したい気持ちはありつつ、幼い子どもを2人育てていた当時は家計への不安を感じたといいます。
「そこで、まずは保険について勉強しようと思いました」と振り返ります。
しかし、自分で調べても十分に理解できなかったそう。
そんな時に住友生命との縁があり、入社を決意しました。入社後に保険を本格的に学ぶなかで、「自分の人生を守るためには、自分で考え、選ぶ力が必要だ」という思いが強くなったといいます。
一方で、保険営業にはノルマが厳しいといったネガティブなイメージも。
山本氏は「私たちの仕事は商品を売るだけではなく、人生に潜むさまざまなリスクを伝え、お客さまが安心して暮らせるよう支えること。その価値や魅力をもっと多くの人に知ってほしい」と語りました。
「そこで、まずは保険について勉強しようと思いました」と振り返ります。
しかし、自分で調べても十分に理解できなかったそう。
そんな時に住友生命との縁があり、入社を決意しました。入社後に保険を本格的に学ぶなかで、「生命保険は人生にとってとても大切なものだ」という
思いが強くなったといいます。
リーダーとしての奮闘とキャリアチェンジ
入社後しばらくして、山本氏は愛知中央支社傘下の所長に就任しました。
管理職として部下の育成に取り組みますが、当初は苦労の連続だったと振り返ります。「部下が穴ぼこの中にいる状態」に例え、なんとか引き上げようと上から強く働きかけていました。
しかし、そのやり方では思いが伝わらず、なかには退職してしまう人も。
メンバーと真剣に向き合うなかで、「まずは自分も穴ぼこの中に入り同じ景色を見ながら、下から支えることがマネージャーの役割だ」と気づきます。
「自分の考えを押し付けるのではなく、本人が前に進みたいと思う気持ちを応援することが大切だった」と語りました。


そんな山本氏に大きな転機が訪れます。
営業職の拠点長として、メンバーの育成に尽力していたある日、全国転勤型の総合職への職種変更を打診されたのです。予想もしていなかった話に戸惑い、不安の方が大きかったといいます。
しかし、尊敬する女性の先輩から「女性がその道に進める機会は多くない。あなたに声がかかったのだから挑戦してみたら」と背中を押されました。
さらに父親からも挑戦する大切さを教えられ、新たな一歩を踏み出す決意を固めたことを話されました。
「強みのかけ算」で自分らしい軸を見つけよう
「今は、過去の常識が通用しない予測困難な時代です」と山本氏。
変化のスピードが速いからこそ、過去の成功に頼るのではなく、学び続けながら自分自身を更新していく力が求められると語りました。
では、変化の時代に迷わず進むためには何が必要なのでしょうか。
山本氏は「ブレない軸を持つことが大切です」と話します。「目指すべき北極星を見つけ、その時々の目標を積み重ねながら成長していくことが重要です」と学生たちに伝えました。

その軸を考えるヒントとして紹介されたのが、「WILL(やりたいこと)」「CAN(できること)」「MUST(求められること)」の3つ。
ついやりたいことばかりに目を向けがちですが、自分の強みや周囲から期待される役割もあわせて考えることが大切だと説明しました。
また、「唯一無二の強みを持つ人は多くありません」とした上で、「強みの掛け算」という考え方を紹介。特別な才能がなくても、複数の得意なことを組み合わせれば、自分らしい強みになると語りました。
「就職はゴールではなくスタートです。
自分が何を大切にし、何に喜びを感じるのかを考えながら、自分らしい軸を見つけてほしい」とエールを送り、講演を締めくくりました。
信頼を積み重ね人との関係を築く
学生同士で意見交換の時間が取られた後、山本氏への質疑応答が行われました。
「マネージャー時代に意識していたことは何ですか」という質問に対し、山本氏は「メンバーに何のために働いているのかを聞くようにしていました」と回答。
「何を大切にしているのか、本音の部分を知ることを意識しました。そのためには、こちらも自己開示をしながらコミュニケーションを重ね、信頼関係を築くことが大切でした」と語りました。
また、「誰かの役に立ちたいと思っていても、自分のことで精一杯なときはどうしたら?」という質問には、「余裕がないときもありますよね」と学生に寄り添いながら回答。
「まずは自分のやりたいことにしっかり取り組むこと。そしてアルバイトやボランティアなどを通じて、多様な人と関わる経験を大切にしてほしいと思います」と話しました。

このほかにも学生たちは活発に発言。
自分らしい軸を持ちながらも、変化を恐れず挑戦し続けることの大切さを学ぶ貴重な機会となりました。



担当教員からのメッセージ
山本様は、本年度、初めてご登壇いただきました。
住友生命様には、昨年度からJWP(実践ウェルビーイングプロジェクト)の活動をはじめ、様々な場面でご支援をいただいています。
特にFR(Future Generations Relations)活動、すなわち次世代との関係性を大切に事業を推進されています。
山本様のご経験から、リーダーシップのあり方や、キャリアの築き方など多岐にわたる貴重なお話しをいただき、とても貴重な時間となりました。
山本様に、この場を借りて厚くお礼申し上げます。


