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2026年7月6日

アイデアを製品に!2026年度「演習Ⅱa」の授業で猿田彦珈琲とのコラボ授業が始まりました。

4月29日、演習Ⅱa(Kクラス担当:ビジネス社会学科 篠﨑 香織教授)にて、猿田彦珈琲とのコラボ授業が始まりました。初回の授業では、代表取締役の大塚朝之氏をはじめとする社員6人をお招きし、猿田彦珈琲のコーヒーにかける思いや経営哲学など、企業理念について紹介いただきました。また、企業が実際に抱える課題をテーマにした商品企画の内容も発表され、学生たちは今後、課題解決に向けた取り組みを進めていきます。

授業と連携企業について

演習Ⅱaは、人間社会学部の2年生を対象に開講されている専門科目です。授業を通じて、次年度以降のより専門的な学びに向けた具体的な根拠に基づく議論をする力や、正文献サーベイなどを通して必要な情報を収集し、活用する力を身に付けていきます。

猿田彦珈琲との連携は今年で2回目です。昨年は〈猿田彦珈琲のSNSについて考えよう〉をテーマに、SNS投稿の提案を行いました。学生たちが提案した投稿案はブラッシュアップの後、実際に猿田彦珈琲公式SNSアカウントで投稿が行われました。

インスタグラムの投稿→https://www.instagram.com/p/DSrqtLhAT8w/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

篠崎教授は「猿田彦珈琲との連携授業の一番の特徴は、皆さんのアイデアを単なる発表で終わらせず、『ワクワクを形に』して実際に店舗での商品化を目指すことです。直感だけでなく、論文やデータなどの根拠に基づいた提案を行う練習としてこの課題に取り組みましょう」と学生に呼びかけました。

授業のはじめに

学生たちの手元には猿田彦珈琲のカフェラテが配られ、心地よい雰囲気の中で授業がスタート。

「すっぱめのコーヒーとミルクを合わせることが、猿田彦珈琲のカフェラテの特徴です」と話す代表取締役の大塚氏から、猿田彦珈琲の価値観について説明がありました。

猿田彦珈琲の原点

起業時に「『親近感のある接客とおいしいコーヒー』が理想像だった」と話す大塚氏。その原点として、コーヒーショップが自身の居場所となったエピソードを紹介しました。

大塚氏は自身が役者を志していたことを紹介し、「オーディションの結果がなかなか実を結ばず、ふさぎ込んでしまった時期があった」と振り返りました。当時、ふらっと立ち寄ったコーヒーチェーン店で受けた親近感のある接客に「社会とのつながりを感じた」と話し、「友達未満の程よい距離感の交流が、『コーヒーショップは居場所である』という感覚につながった」と語りました。

さらに、友人の紹介でコーヒー豆を販売する店舗で勤務していた経験にも触れ、「豆の販売や、展示会の参加を通じて『飲み物のコーヒーを売りたい』という気持ちを抱くようになった」と話しました。

猿田彦珈琲の今

猿田彦珈琲は、「たった一杯で幸せになるコーヒー屋」をコンセプトに掲げるスペシャルティコーヒー専門店です。スペシャルティコーヒーとは、品質評価で高得点を獲得した高品質なコーヒーのことを指します。猿田彦珈琲では、市場全体の上位5%ほどの品質の豆を使用しており、コーヒー豆の買い付けから販売までを一貫して行っていることが紹介されました。

大塚氏は「国内に30以上の店舗を展開するほか、自家焙煎珈琲のドリップバッグなどの卸販売や、コーヒー飲料の商品監修も行っています」と話しました。また「6月に渋谷新南口に店舗がオープンします」と紹介しました。

店舗一覧→https://brand.sarutahiko.jp/shop

「利他的が得」な経営哲学

大塚氏は組織づくりに対する考えについて、「利他的な行動は、結果的に自分にも良い形で返ってくるのではないか」と語りました。

「利他的が得」になる仕組みについて、「利他的な行動をすると周囲から褒められ、その経験が自己肯定感や自信につながる」と説明。実際の例として、社員がバリスタの世界大会に出場した際のエピソードを紹介しました。

大会には先輩と後輩にあたる社員が出場し、最終選考では6名が順番に競技を行いました。競技順は事前に団体ごとに割り振られており、猿田彦珈琲には1番と6番の順番が与えられていました。大塚氏は、より早い順番の方が有利とされていることを説明しました。

大塚氏によると、競技順を決める際、先輩社員は後輩社員に1番の順番を譲ったそうです。大塚氏は、「世界大会で優勝できる可能性がもっとも高い順番を、自ら後輩に譲ったのです」と紹介しました。

その結果、大会では後輩社員が1位を受賞し、先輩社員は2位を記録しました。大会後には、先輩社員の姿勢を見ていたバリスタコーチや大会関係者から、「彼はすごい」と称賛の声が多く寄せられたそうです。大塚氏は、「この出来事以降、彼の社内での発言の質が明らかに変わりました。それは、この経験を通して自信がついたからだと思います」と話しました。

一見すると営利とは関係のない「利他的な行動」が、結果として組織やビジネスにも良い影響を与えていることを学生たちに伝えました。

課題の発表

大塚氏から猿田彦珈琲の価値観や商品づくりへの想いが語られた後、猿田彦珈琲が実際に抱える課題をテーマに、学生が取り組む3つの課題が提示されました。

まず、フード商品開発チームの三浦里芳氏から、学生全員が個人で取り組む課題〈アイスの商品企画〉について説明がありました。三浦氏は、課題提案の必須条件として「商品名、フレーバー、こだわりポイント、PR方法」を提示しました。また、課題の詳細な設定として「冬の販売を想定すること」や「学生や20代の若者をターゲットにすること」などが共有されました。

フード商品開発チームの坂本大樹氏と経営企画チームの河村美樹氏からは、グループごとに取り組む課題〈ジェラッテの商品企画〉と〈福袋の商品企画〉について説明がありました。

〈ジェラッテの商品企画〉では、坂本氏はジェラッテの抱えている課題として「認知度が低いこと、価格帯が適切か不安であること」の2点を挙げ、一日の店舗売り上げを約7杯から10杯に引き上げたいと考えていることを学生に伝えました。学生には「商品名」「フレーバー」「価格」「PR方法」の4点を盛り込んだ企画提案が求められ、販売期間を11月から2月とする条件も提示されました。また、実際の店舗を見学し、商品や価格設定について理解を深めてほしいと呼びかけました。

一方、〈福袋の商品企画〉では、河村氏から「20代前半の若者が興味を持ち、購入したくなる福袋」をテーマに企画してほしいとの説明がありました。あわせて、2025年の福袋が手土産需要を意識し、“手軽さ”をコンセプトに開発されたことも紹介されました。学生には「コンセプト」「価格帯」「外装」「内容物」の4点を提案条件として示し、「年末年始の具体的な利用シーンを想像しながら企画を考えてほしい」と期待を寄せました。

学生は前半に個人課題である〈アイスの商品企画〉に取り組み、発表を実施。その後、グループに分かれて〈ジェラッテの商品企画〉または〈福袋の商品企画〉の提案に挑戦します。

授業に関するインスタグラムの投稿はこちら

実践女子大学人間社会学部公式インスタグラムにて、授業紹介の投稿が行われました!
投稿リンク:https://www.instagram.com/p/DZ8pW_oAaMe/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

担当教員からのメッセージ

昨年に引き続き、猿田彦珈琲社との連携授業を担当することとなり、大変光栄に思っております。

 今年度は、「アイス」「ジェラッテ」「福袋」という三つの課題に取り組むという、挑戦的でありながらも大変貴重な機会をいただきました。アイスは他のカフェでも展開されている商品であるため、どのような差別化要素を組み込めるかが重要なポイントとなります。一方、ジェラッテは猿田彦珈琲オリジナルの商品であり、その魅力をいかに多くの方に知っていただくかが課題です。福袋については、「猿田彦珈琲らしさ」を打ち出しながら、女子大学生が思わず複数購入したくなるような商品を目指しています。

 ビジネス社会学科の学生は、商品企画やマーケティング、価値創造への関心が高い傾向にあります。だからこそ、市場や社会の動向にしっかりと目を向けながら、実践的な提案ができるよう授業を展開しています。

 5月27日には、履修者全員(26名)が猿田彦珈琲社の皆さまの前でアイスに関する提案発表を行いました。次回のジェラッテと福袋の発表は、チームごとに取り組んだ成果を発表する予定です。学生たちのアイデアが今秋・今冬の商品づくりに活かされるよう、引き続きサポートしてまいります。

 猿田彦珈琲社の皆さま、いつもおいしいコーヒーをありがとうございます。また、学生一人ひとりの力を引き出してくださる貴重なコメントをいただき、心より感謝申し上げます。

2026年3月11日

おせんべいの可能性を探る!生活環境学セミナーにて商品企画の最終発表が行われました。

2月13日(金)生活環境学セミナー(担当:環境デザイン学科 安齋 利典教授)にて、株式会社金吾堂製菓(以下金吾堂)から商品企画室 小谷氏、山﨑氏、株式会社ロッケン(以下ロッケン)から小笠原氏をお招きし、コラボプロジェクトの最終発表が行われました。

コラボ授業の歩み

生活環境学セミナーは、環境デザイン学科の3年生を対象とした専門科目です。意見交換や討論を通じて学生同士が学び合うゼミナール形式で実施されており、安齋教授のもと、計12名の学生がプロダクトデザイン(工業製品のデザイン)について日々学びを深めています。

今年度の授業では、老舗米菓メーカーの株式会社金吾堂製菓と、金吾堂のパッケージデザインを担当しているデザイン事務所の株式会社ロッケンとコラボを実施。「Z世代をターゲットに、厚焼のセカンドラインとして若年層に響く商品の企画立案」をテーマに、商品の「パッケージデザイン」「味のバリエーション」「せんべいの形」と、「Z世代のライフスタイルに合った商品展開」の考案が行われました。

課題発表の様子はこちらの記事から→https://socialcooperation.jissen.ac.jp/topics/9463/

コラボ授業初回の様子
中間発表の様子

課題の発表が行われた10月の初回コラボ授業後、金吾堂本店への現地調査や調査から判明した情報の分析などをへて、11月に学生の企画の中間発表が行われました。その後、さらなる企画のブラッシュアップやデザインデータやプロトタイプ(試作)の制作を経て、2月の最終授業で発表が行われました。


最終発表には、金吾堂から商品企画室 小谷氏と山﨑氏、ロッケンから小笠原氏をお招きし、学生たちは調査や試作を重ねた4カ月の成果として、それぞれの視点から新たな商品企画を提案しました。発表の後には、ゲストから企画に対するフィードバックと意見交換が行われました。提案は、シェアを前提とした商品や、勉強・作業中に食べやすい設計など、Z世代のライフスタイルに寄り添った多様なアプローチが見られました。

シェアするためのおせんべい

“分け合いながら楽しめるおせんべい”をコンセプトに、〈おひとつどうぞ〉と〈しぇあ煎?〉の2種類を提案しました。〈おひとつどうぞ〉は中華レトロをテーマに、パッケージと味の両面で中華風の要素を取り入れ、Z世代に流行する麻辣湯に着目した麻辣醤油味や黒糖五香など新たなフレーバーを展開しました。

小笠原氏は流行を取り入れた点を評価し、プロトタイプについても立体化によりイメージが具体的に伝わると講評しました。

PariっとPizza

“外でも食べやすいパッケージ”をコンセプトに、薄型三角形の煎餅〈PariっとPizza〉を提案しました。公園でお菓子を持ち寄った自身の体験から小学校高学年をターゲットに設定し、ピザ箱風の大きく開くパッケージや「トマト」「バジル」「チーズ」の新フレーバーで親しみやすさを意識しました。

小谷氏から箱形状の変更理由については、分けやすさを考慮したと説明。煎餅の薄さや大きさもターゲットに合っていると評価されました。

薬膳五性の煎餅

書店でのアルバイト経験から薬膳本の売れ行きに着目し、“お煎餅でつなぐ物語”をコンセプトに〈薬膳五性のおせんべい〉を提案しました。体を温める・冷やすといった性質に基づき食材を選ぶ薬膳五性の考え方を取り入れ、市場調査を踏まえて本の装丁を思わせる文庫本サイズのパッケージを採用しました。

ゲストからは経験からアイデアを考案した点が評価され、具体的な味についての質問に学生は「“かに”など身近な食材を想定している」と説明しました。

煎餅を身近に!

“持ち運びしやすく、インパクトのあるパッケージ”をコンセプトに、ターゲットの異なる2商品を提案しました。16〜26歳のデスクワーク層向け〈スティックせんべい〉は自立式の箱型パッケージで“ながら食べ”に対応。2〜3歳向け〈まるっこせんべい〉は減塩醤油を用い、せんべいデビューを意識しました。

小笠原氏は発表の完成度を評価し、小谷氏も購入者目線で味やデザインの分かりやすさを高く評価しました。

エビ塩煎

“かわいらしく、思わず食べたくなる”をコンセプトに、勉強のお供となる一口サイズの煎餅を提案しました。昭和レトロ調のパッケージでエビの香ばしさや温かみを表現し、丸・星・ハートの形で楽しさを演出。星形の透明窓を設けて中身を見せ、興味を引く工夫も施しました。

山﨑氏は、「一目で何味かわかることは大切。大きな文字で味を明記した点が分かりやすく優れている」と評価しました。

はちみつバターおせんべい

“甘さを中心とした新しいお煎餅”をコンセプトに、10〜20代女性向け〈はちみつバター味おせんべい〉を提案しました。はちみつの小袋を付け、バター味の煎餅にかけて味わう新しい食体験を設計。試食で塩味との相性も検証しました。

ゲストからは幅広い層に訴求できる点やデザイン性が評価され、山﨑氏からも「写真の臨場感が食欲をそそる」とコメントがありました。

星空の煎餅

“星降る夜に、ひとくちのやすらぎを”をコンセプトに、自宅で映画を観る時間に寄り添う煎餅を提案しました。マット素材のパッケージにネイビーと金色を配し、星形の一口サイズを個包装で展開。味や形状だけでなく、楽しむシーンまで含めて設計しました。

小笠原氏は企画の切り口を評価し、山﨑氏は「煎餅の形が個包装でも皿に出しても写真映えする」と好意的にコメントしました。

幸せおせんべい

既存パッケージのプラスチック容器の音に着目し、“静けさを包む、やさしいデザイン”をコンセプトに、場所を選ばず食べられる煎餅を提案しました。静音素材や再封可能な形状、コンパクトなサイズを採用し、勉強や作業中でも配慮できる設計としています。あえて「おせんべい」と明記しないデザインも特徴です。

小笠原氏は「自分の着眼点を企画に落とし込んでいる」と着想を評価しました。また、小谷氏の問いかけをきっかけに音を巡る活発な意見交換が行われました。

ひとくちキャラメル煎

“手軽で食べやすく、新感覚な煎餅”をコンセプトに、片手でつまめるサイコロ型のキャラメルコーティング煎餅を提案しました。三角形パッケージに音が出にくいマット素材を用い、和と洋を調和させたデザインに仕上げています。コンパクトで一口サイズとし、“自分へのご褒美”需要を想定しました。

山﨑氏は「硬めの煎餅を使う想定と聞き、小さいサイズでも食べる満足感が得られそうです」とコメントしました。

しおあじせんべいと塩辛せんべい

“持ち運びやすく、食べやすい”をコンセプトに、割れにくい筒状パッケージの煎餅を提案しました。味は塩味と塩辛味の2種で、塩辛味は「味は好きだが食感が苦手」という意見を逆手に取った企画です。波のイラストで塩の風味を表現しました。

小谷氏は「パッケージのイカの可愛らしさが手に取りやすい」と評価し、○○氏は、「味は塩味と塩辛味の2種類で、まずは定番を試し、その後にユニークな味へ進む流れができていると感じた」とコメントしました。

授業の終わりに

今回のコラボ授業の総括として、ゲストの方から一人ずつコメントをいただきました。また、初回授業と中間発表にご来校いただいた、金吾堂 常務取締役 碓田憲司氏からも、お手紙でコメントをお寄せいただきました。

金吾堂 碓田氏のコメント

「課題に真剣に取り組んでくださり、本当にありがとうございました。皆さんと意見交換をする時間は、私にとっても学びの時間となりました。ものづくりをする人は、企業と消費者の間に立ちます。数字を見ることも大切ですが、数字の先にいる”誰か”を想像できるかどうかにその本質があると考えます。ものづくりの先にあるのは商品ではなく、商品が運ぶ笑顔や会話です。”自分が成長することが、会社の成長につながり、会社の成長は社会への価値につながっていく”循環を信じて、ぜひ挑戦を続けてください。皆さんがこれから生み出すものが、誰かの心を少しでも温かくするものであることを願っています。」

金吾堂 小谷氏のコメント

「4カ月間ありがとうございました。リアルな大学生の声を直接きいて、私も勉強になることがたくさんあり、改めて”どういうものが刺さるのか”考えを深めるきっかけになりました。これから社会に出る中で、自分の感覚を大切にしながら、誰かの心を想像できるものづくりを続けていっていただけたらと思います。今回の課題を通して少しでもお煎餅が身近に、そして好きになっていただけたら嬉しいです。」

金吾堂 山﨑氏のコメント

「お客様目線にしっかりと立っている提案が多く、本当にこのまま商品化できるのではないかなと思うものばかりでした。自分が気にしていなかった点が皆さんには”気になる”とフックになっていたり、新たな視点を勉強させてもらいました。このようにすばらしい提案ができる皆さんなら、将来様々なところで活躍できるんじゃないかなと思います。これからも頑張ってください」

ロッケン 小笠原氏のコメント

「提案の中に本当にいいアイデアがたくさんありました。今回の商品企画でそれぞれの視点を出発点に、さまざまな要素を考えながら完成までもっていったことが素晴らしいと思います。市場調査やニーズ把握の観点で言うと、『仲いい友達の好みを聞くこと』と『世の中のニーズを理解すること』は少し似ていると感じていて、全く知らない人のことを考えると難しいけど、その人たちを知っていけば、何を求めているか分かります。商品開発でも同じように、調査と分析で求めているものを明確にし、デザインなどに落とし込んでいく。今回のプロジェクトで一連の流れを経験していただけたかなと思います。ありがとうございました。」

授業の最後には、学生に金吾堂公式キャラクターである「あつや きんごろう」のオリジナルグッズがプレゼントされました。

4カ月にわたる企業とのコレボレーションを通して、学生たちは自身の経験や学科で学んできた知識を社会に通じる企画へと落とし込む力を磨きました。煎餅という具体的な対象の商品企画として、味、形、パッケージなどを一貫して設計するプロセスは、総合的なデザイン力を培う貴重な機会となりました。

担当教員からのメッセージ

学生たちにとっては、大変良い経験になったと思います。
このプロジェクトの課題は、「Z世代をターゲットに、厚焼のセカンドラインとして若年層に響く商品の企画立案」と言うことで、まさに対象は学生そのもの。
デザインは他人(ユーザー)のために開発するものですが、かなり自分ごととして捉えることができたのではないかと思います。
・具体的に検討すべき要素は「パッケージデザイン」「味のバリエーション」「せんべいの形」「ライフスタイルに合った商品展開」の4点。
・「面白くカジュアルに」「Z世代にうけそうな新たなフレーバー」などの方向性を目指す。
・課題の参考として「①カラフルでモダン」「②SNS映え」「③キャラクター活用と環境配慮」の3点が考えられ、
 「カラフルで差別化された、思わずSNSに投稿したくなるパッケージ」や「環境配慮素材を用い、その点を明示して社会的責任にも訴求する」
 戦略を念頭に展開する。
など、具体的な指標を提示いただき、学生もアイデア展開がしやすかったと思います。
実際の製品開発についての動画や、中間発表の議事録などで、とても適切なアドバイスをいただき、学生にとっては、企業のデザイン・製品開発の実情を知ることができて大変良い経験となったと思います。
金吾堂製菓様、ロッケン様、この度は、大変ありがとうございました。

2025年10月22日

Z世代に刺さる商品の提案!生活環境学セミナーにて、金吾堂製菓とのコラボ授業が始まりました

10月9日(木)生活環境学セミナー(担当:環境デザイン学科 安齋 利典教授)にて、株式会社金吾堂製菓(以下金吾堂)から常務取締役 碓田憲司氏、商品企画室 小谷真理子氏、株式会社ロッケン(以下ロッケン)から小笠原真一氏をお招きし、コラボプロジェクトが行われました。

授業について

生活環境学セミナーは、環境デザイン学科の3年生を対象とした専門科目です。

意見交換や討論を通じて学生同士が学び合うゼミナール形式で実施されており、安齋先生のもと、計12名の学生がプロダクトデザイン(工業製品のデザイン)について日々学びを深めています。

連携企業の紹介~株式会社金吾堂製菓~

金吾堂について碓田氏から説明がありました。

金吾堂は、米を原材料とした菓子を製造・販売する米菓メーカーです。
50年以上にわたり愛され続けるロングセラー商品「厚焼」をはじめ、現代の食感トレンドに合わせた「ほろほろ焼」や「パリッと煎」、「おすきなひとくち」など、60品目を超えるせんべいを展開しています。

なかでも主力商品である「厚焼」は、「一日で焼き上げる厚焼を縦に積むと、富士山の約8倍の高さになる」といわれるほどの人気商品。「どこかで一度は見たことがあるはず」と話しながら、実物が紹介されました。

販売成績は好調に推移している一方で、主な購買層が50代以降に偏っているという“販売層の高齢化”が課題とされています。さらに、近年の原材料価格の高騰や米の調達難の影響を受けており、新たな購買層の開拓が必要であることが説明されました。

連携企業の紹介~株式会社ロッケン~

金吾堂のパッケージデザインを担当しているのが、ロッケンの小笠原氏。

他にも、様々なパッケージデザインやブランディング(総合的なデザインを通じて製品の価値を高める戦略設計)を手がけています。また音楽業界でインハウスデザイナー(企業専属のデザイナー)としての経歴を持つ小笠原氏は、デザイン事例としてミュージシャンのCDジャケットや映画のポスタービジュアルなども織り交ぜながら実績を紹介しました。

ブランディングの事例として、金吾堂の「おすきなひとくち」シリーズを取り上げ、「シリーズ化を戦略に入れたパッケージデザインの提案だった」と述べながら画像と実際の商品を提示。統一されたデザイン様式と、一目で味がわかるパッケージ構成について説明しました。

「中身は変えていないのに、一時的に販売休止になるほど売れた。デザインの力で購買意欲を変えることができた」と語り、パッケージデザインが持つ影響力の大きさを強調しました。

課題の発表

企業の説明が終わった後、碓田氏から、「Z世代をターゲットに、厚焼のセカンドラインとして若年層に響く商品の企画立案」という課題が発表されました。

具体的に検討すべき要素として「パッケージデザイン」「味のバリエーション」「せんべいの形」「ライフスタイルに合った商品展開」の4点が示され、それぞれに「面白くカジュアルに」「Z世代にうけそうな新たなフレーバー」などの方向性が明示されました。碓田氏は「参考として、Z世代が好む味を分析した資料を紹介します」と述べ、資料を共有。ユニークでバリエーション豊かな味付けが好まれる傾向にあることがわかりました。

さらに、小谷氏からは課題の参考として、Z世代の嗜好傾向の分析と、金吾堂が実際に行っているパッケージ戦略の紹介がありました。小谷氏は「①カラフルでモダン」「②SNS映え」「③キャラクター活用と環境配慮」の3点を挙げ、「カラフルで差別化された、思わずSNSに投稿したくなるパッケージ」や「環境配慮素材を用い、その点を明示して社会的責任にも訴求する」戦略を紹介しました。

学生はこれらの点を踏まえ、商品企画とパッケージのデザインを進めていきます。

意見交換

机を囲んで、金吾堂のせんべいを味わいながら意見交換が行われました。
学生が食べているせんべいのパッケージに関する質問では「音のなるパッケージが好みではなく、その時点で選択肢から外れる」「持ち運びにはチャック付きが便利でありがたい」「ながら食べをするので、せんべい自体が一口サイズなのはいい」と学生から素直な感想が寄せられました。

SNSのシェアに関する話題では、「パッケージをシェアすることはありますか」という質問に対し、「面白いものは共有します」との回答がありました。
さらに、「大人数とつながっているアカウントでは“映えたい”気持ちが強く、率直な感想は親しい友人だけでつながっているアカウントで投稿する。パッケージやお菓子の感想を載せるのは、ほとんどが後者です」と、リアルなSNS利用の実態にも言及しました。学生の中には、「『おすきなひとくち』の写真に『これ大好き』というコメントを添えて投稿していました」と語る、すでに金吾堂のせんべいをシェアしていた人もいました。お菓子の投稿について、学生は「友達の投稿は信頼度が高く、自分も食べてみようというきっかけになります」と話し、企業担当者の三名は興味深そうにうなずいていました。

その後も、環境意識やお菓子の食べ心地など、さまざまな話題で活発に意見交換が続きました。

学生は最終提案に向けて、準備を進めていきます。

担当教員からのメッセージ

金吾堂の常務取締役、碓田憲司様、商品企画室 小谷真理子様、ロッケンの小笠原真一様、
お忙しい中、遠いところお越しいただき誠にありがとうございます。
学生にとってのお煎餅はどのような位置づけかと思っておりましたが、ゼミ生間のSNSで金吾堂様のお煎餅が話題になっていたり、おばあちゃんの家あったであるとか、別の授業でこのコラボレーションを紹介したところ、
 「この金吾堂の厚焼煎餅は私が好きでよく食べているため、特に興味が湧いた。」
というような内容がレポート書かれたり、意外と身近な存在であることが分かりました。
つまり、学生にとっては馴染みがある、あるいは馴染みやすい存在なのかもしれません。
であれば、かなり面白いことになりそうだという気がしてまいりました。
意見交換でも、学生のスナック菓子の購買チャネルや食べ方が話題となり、その果てにはパッケージの袋の音まで話が及び、敏感かつ繊細な学生の感性に触れることもで来ました。
まさに、「Z世代に刺さる商品の提案!」に近づきつつある予感を持てたミーティングでした。

2025年10月17日

サンリオコラボグッズ開発プロジェクト参加学生にインタビューしました!

今回インタビューを行った企画は「サンリオコラボグッズ開発企画」です。
本プロジェクトは、学生からの要望が特に多かった人気キャラクターとのコラボレーションを実現したものです。
「何を売るのか」「どのキャラクターと組むのか」「大学の魅力をどう反映させるのか」、そのすべてを学生主体で企画・開発を行いました。


このプロジェクトは実践ウェルビーイングプロジェクト研究会(以下JWP=Jissen Wellbeing Project)の学生から参加者を募り、今年の5月から10月の期間に課外活動として活動しました。
JWPは企業と共にウェルビーイングに関する考えを深めていく課外プロジェクトです。
キャリア科目担当の深澤晶久教授が担当教員となり、毎年後期の期間中、有志の学生たちが企業訪問や講演、交流イベントを通じてウェルビーイングについて主体的に学んでいます。
JWP参加学生が企画・運営を行うイベントも毎年開催されています。
昨年の活動を取材した記事〈スポーツを通じたウェルビーイングとは?パリパラリンピックに出場した舟山選手との交流会を今年も開催しました!〉https://socialcooperation.jissen.ac.jp/topics/7820/

今回インタビューに答えていただいたのは、企画のリーダーとしてプロジェクトに携わった三名の学生です。

左から
 人間社会学部ビジネス社会学科 2年 石河凛迦さん
    人間社会学部人間社会学科 3年 田中こころさん
   人間社会学部人間社会学科 3年 永嶋紗菜さん

ーお集まりいただきありがとうございます!参加のきっかけを教えてください。

石河さん「もともとコラボをしたキャラクターが大好きで、昨年深澤先生の授業を受けたときにも『この企業さんとコラボしてください!』とお願いしていました。春休みに『コラボプロジェクトを行うからぜひ参加してほしい』と声をかけていただき、参加を決めました。」

田中さん「企画やグッズ制作に興味はあったのですが、その機会に恵まれていませんでした。そんなときにプロジェクトのお知らせを見て、『これこそ自分がやりたかったことだ!』と思いました。コラボする企業のキャラクターも大好きだったので、すぐに参加を申し込みました。」

永嶋さん「以前久慈市のボランティア※に参加したことがあり、学生のうちにさまざまな経験を積みたいと感じていました。今回の募集を見て、『社会人になってからはこうした企画に取り組む機会は少ないのでは』と思い、良い経験になると考えて参加しました。」

※実践女子大学は、岩手県久慈市と包括的な連携協力に関する協定を締結しており、連携プロジェクトを実施しています。
〈実践女子大学HP 岩手県久慈市との連携〉 https://www.jissen.ac.jp/society/area/kuji/index.html

ー企画の中で担当したところ、特に力を入れて取り組んだところを教えてください 

石河さん「メインで動いていたのは永嶋さんと田中さんだったので、ミーティングでは自分の意見をしっかり伝えるよう意識しました。企画の中で特に力を入れたのはキャラクターの決定です。(ファイルを見せながら)このキャラクターたちは今年、それぞれ40周年と20周年のアニバーサリーイヤーを迎えており、企業としても追い風が来ていると感じました。『どうしてもこのキャラクターのペアがいい!』と二人にプレゼンをして、最終的に採用していただけました」
田中さん「当初、私たちは先方から提案された別のキャラクターを採用するつもりでいたんです。でも、石河さんの熱いプレゼンを聞いて納得して、『じゃあそっちにしよう』となりました」
永嶋さん(うなずく)
石河さん「私は二人の後輩なので最初は気が引ける部分もあったのですが、意見を一つ一つ優しく受け止めてくださったので、自分の考えをきちんと伝えることができました」

田中さん「私はプロジェクト全体に関わっていたのですが、特に先生や職員の方へのホウレンソウ(報告・連絡・相談)を密に行ったことが一番頑張った部分だと思います。デザインを担当していたメンバーに進捗を確認して職員の方に報告したり、それをまたメンバーに共有したり。連絡のつなぎ役として、細かく進捗を報告するよう努めました」

永嶋さん「私は人前で積極的に意見を出したり引っ張っていくことが得意ではないのですが、その分、進めてくれていることが分からないときには質問したり、『いいな』と思ったことは『素敵だね』と声をかけたりしました。そうすることで会話や意見が活発に飛び交うよう意識していました」

ー活動の中で大変だったこと、それに対して工夫したことを教えてください。

石河さん「キャラクターをお二人にプレゼンするときは、ただ“使いたい”と伝えるだけでなく、自分がどんな考えを持っていて、どんな背景があってそのキャラクターを選んだのかをしっかり伝えるよう意識しました。自分の希望だけではなく、説得力を持たせられるよう工夫しました」

田中さん「このプロジェクトは5月から10月までと長期間にわたったのですが、一番悩んだのは夏休みでした。石河さんと永嶋さんは9月末に開催された学園祭の企画運営を行う団体を兼任していて、その準備で忙しく、どう連絡を取るか頭を悩ませました。対面で会う機会が少なかったので、モチベーションの維持やスケジュール調整がとても大変でした。」

永嶋さん「学園祭の運営委員では責任のある仕事を任されていて、そのうえでこちらの企画もあったので、やらなければならないことが重なり大変でした。その中で“自分にできることは何か”と考え、運営委員のみんなにこの企画の宣伝をしました。宣伝しないと買ってもらえないと思っていたので、知ってもらうきっかけになればと思って行動しました」

ー常磐祭の販売に携わってみていかがでしたか?

石河さん「実際に来てくれた方が『かわいい!』と褒めてくださったり、友人や家族が買いに来てくれたりしたときは、とてもうれしかったです。関わってくれたみんなと楽しみながら取り組むことができました」

田中さん「サークルの関係でがっつりと販売にはかかわれなかったのですが、合間の時間に販売状況を確認したり、困っていることがないか声をかけたりしました。来場者の方が実際にファイルを手にしている姿を見かけ、形になったものが誰かに届いていると実感できて、とてもうれしかったです」

永嶋さん「学園祭運営の仕事があり、販売にはまったくかかわれなかったので悔しい気持ちもあります。それでも、来場者の方が購入して手に持っている様子を見たり、『サンリオってどこで販売していますか?』という声を直接聞いたときに、“やっと形になったんだ”“みんな良いと思って買ってくれているんだ”と実感し、とてもうれしかったです。また、多くの人とのつながりを感じることができ、経験できてよかったと思います」

ープロジェクトに参加してよかったこと、成長したなと感じたところを教えてください。

石河さん「相手に何かを届ける、自分の意見を伝えるという点で成長できました。キャラクターを決めるときのプレゼンや、販売のときの声掛けなどを通して、自分が一生懸命に伝えようとすれば、きちんと耳を傾けてもらえるのだと実感しました」

田中さん「参加してよかったのは、やはりグッズ制作の企画に携われたことです。一番大きな成長は、プロジェクトの中心を担って全体を進めた経験だと思います。ここまでメインで引っ張る立場になったのは初めてで、先生や職員の方々と密に連絡を取ることも初めてでした。目標を立てて取り組むこと、物事の優先順位を考えること、そしてメンバー全員を巻き込みながらどうすれば良い雰囲気で進められるかを常に考えて行動できたことが、成長につながったと思います」

永嶋さん「企画に応募して、参加して、それが形になったこと自体がとても良い経験でした。また、試行錯誤してつくったものを、実際にお客さんの手に届けられたことも嬉しかったです。短期間のプロジェクトでしたが、これほど密にさまざまな人と関わり、活発に意見交換やアイデアをもらえたことは、大きな財産になりました」

ー今回のプロジェクトで得た経験で、今後に活かせそうなことはありますか?

石河さん「今回の経験は、学生生活の中で向上心が高まる大きなきっかけになりました。先輩方の取り組む姿勢が本当に素晴らしく、行動力はもちろん、安心感や信頼感もあって。『私もこういう女性になりたい!』と強く憧れました。学科ではプレゼンテーションやグループ活動の機会が多いので、先輩たちのようにみんなから信頼され、自分から積極的にグループを引っ張っていける存在になれるよう、これからも成長していきたいと思います」

田中さん「大学生活の中で、もっといろいろなことにチャレンジしていきたいと思いました。また、将来は商品企画の仕事に興味があるので、在学中に商品企画と販売の実績を積めたことはとても大きな経験でした。大学生活にとどまらず、この経験を今後のキャリアにつなげていけたらと考えています」

永嶋さん「今回の経験を通して、人の意見を聞くことの重要性、そして多くの人の協力があってこそできることがたくさんあるのだと実感しました。これからの大学生活はもちろん、いろんな人の意見をきちんと聞きながら、自分がまとめ役となれるような存在になりたいと感じています」

ー最後に、授業や他のプロジェクトとどうやって両立していたか教えてください。

石河さん「このプロジェクトのほかにも団体の運営を担当する立場が多く、いろんなミーティングが重なってあわてることもありました。その中で、“今はこれに集中するぞ”という時間と、ゆっくりする時間のメリハリをつけることで、なんとか乗り切ることができました。」

田中さん「並行してさまざまな活動を進めていたため忙しく感じることも多かったのですが、このプロジェクトを“任せてもらった”という実感が大きくありました。なにより自分が一番やりたかったことだったので、“何としてでも成功させるぞ”という気持ちが強いモチベーションになっていました。メリハリをつけるというよりは、隙間時間に連絡を取ったりデザインを確認したりと、常に何かしらを考えていました。限られた時間の中で、うまくやりくりしようという意識が強かったです。」

永嶋さん「学園祭準備の業務と重なる時期との両立は特に難しかったのですが、この二人が情報を共有してくれたり積極的に動いてくれたりしたことが大きくて。先に動いてくれたものにのっかる形で進めることができ、無事に両立して乗り切ることができました。」

ーありがとうございました!

担当教員よりメッセージ

サンリオ推しの石河さんからの提案がきっかけとなった今回の企画、
その後、実現に向けて企画メンバーを募り、田中さんと永嶋さんが中心となり、
さらには、常磐祭での販売当日には、のべ25名の学生さんがサポートに加わって
くれました。今年のJWP(実践ウェルビーイングプロジェクト)のメンバーの
総力を結集したコラボ企画が実現しました。

当日は、多くの皆さんにお買い上げいただき、企画した学生も、購入いただいた
多くの皆さんも、共に喜んでいただいた素晴らしい取り組みになったと思います。

学生のやりたいこと、夢の実現をできる限りサポートする、それが実践女子大学です。
これからも、沢山の企画の実験に向けて、教員も職員も、サポートを続けていきたいと
考えています。